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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094397
(43)【公開日】2022-06-27
(54)【発明の名称】マッサージ機
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20220620BHJP
【FI】
A61H7/00 323L
A61H7/00 322B
A61H7/00 323D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020207245
(22)【出願日】2020-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000112406
【氏名又は名称】ファミリーイナダ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】稲田 二千武
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100AD03
4C100AD23
4C100AF03
4C100AF12
4C100BA03
4C100BC13
4C100CA03
4C100CA06
4C100CA07
4C100CA09
4C100DA05
4C100DA06
4C100DA10
(57)【要約】
【課題】座部と背凭れ部をそれぞれ別々に揺動させることで、多様な揺動動作を実現することができるマッサージ機を提供することを目的とする。
【解決手段】基台と、前記基台に枢支された座部と、前記座部の後部から立設された支持部と、前記支持部に枢支された背凭れ部と、前記座部を前記基台に対して前後方向に揺動させるための第一駆動部と、前記背凭れ部を前記支持部に対して前方に揺動させるための第二駆動部と、制御部と、を有し、前記背凭れ部は、使用者に対してマッサージを行うマッサージ部を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
前記基台に枢支された座部と、
前記座部の後部から立設された支持部と、
前記支持部に枢支された背凭れ部と、
前記座部を前記基台に対して前後方向に揺動させるための第一駆動部と、
前記背凭れ部を前記支持部に対して前方に揺動させるための第二駆動部と、
制御部と、を有し、
前記背凭れ部は、使用者に対してマッサージを行うマッサージ部を有することを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記基台は、取付部を有し、
前記第一駆動部は、前記取付部に設けられ、
前記第二駆動部は、前記背凭れ部と前記支持部との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記第一駆動部は、前記座部を前方へ揺動させる前方第一駆動部及び/又は前記座部を後方へ揺動させる後方第一駆動部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記第一駆動部は、エアの給排により膨縮するエアセルであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記第二駆動部は、機械式のアクチュエータ又はエアの給排により膨縮するエアセルであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記基台は、前記座部を前記基台に対して接近する方向に付勢する付勢手段を有することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項7】
前記制御部は、前記第一駆動部と前記第二駆動部の駆動をそれぞれ独立して制御することを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のマッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、座部の下方に設けられた補助脚を起伏させることにより、座部全体を傾動させるマッサージ機が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、背凭れ部の背面に設けられた駆動用袋体を膨縮させることで、背凭れ部を回動させるマッサージ機が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-220701号公報
【特許文献2】特開平9-10269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のマッサージ機は、座部と背凭れ部のなす角度は常に一定であり、座部に対する背凭れ部の角度を変更することができないため、背凭れ部を使用者の所望する角度に調整することができないという問題がある。また、上記特許文献2のマッサージ機は、座部の角度は常に一定であり、座部の角度を変更することができないため、座部を使用者の所望する角度に調整することができないという問題がある。
そこで本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、座部と背凭れ部をそれぞれ別々に揺動させることで、多様な揺動動作を実現することができるマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、基台と、前記基台に枢支された座部と、前記座部の後部から立設された支持部と、前記支持部に枢支された背凭れ部と、前記座部を前記基台に対して前後方向に揺動させるための第一駆動部と、前記背凭れ部を前記支持部に対して前方に揺動させるための第二駆動部と、制御部と、を有し、前記背凭れ部は、使用者に対してマッサージを行うマッサージ部を有することを特徴とする。
このような構成とすることにより、座部と背凭れ部をそれぞれ別々に揺動させることができるため、多様な揺動動作を実現することができる。
【0006】
また、前記基台は、取付部を有し、前記第一駆動部は、前記取付部に設けられ、前記第二駆動部は、前記背凭れ部と前記支持部との間に設けられていることが好ましい。
このような構成とすることにより、座部を基台に対して前後方向に揺動させることができ、背凭れ部を支持部に対して前方に揺動させることができる。
【0007】
また、前記第一駆動部は、前記座部を前方へ揺動させる前方第一駆動部及び/又は前記座部を後方へ揺動させる後方第一駆動部を有することが好ましい。
このような構成とすることにより、座部を基台に対して前後方向に揺動させることができる。
【0008】
また、前記第一駆動部は、エアの給排により膨縮するエアセルであることが好ましい。
このような構成とすることにより、低コストで多様な揺動動作を実現することができる。
【0009】
また、前記第二駆動部は、機械式のアクチュエータ又はエアの給排により膨縮するエアセルであることが好ましい。
このような構成とすることにより、簡単な構成で多様な揺動動作を実現することができる。
【0010】
また、前記基台は、前記座部を前記基台に対して接近する方向に付勢する付勢手段を有することが好ましい。
このような構成とすることにより、座部を基台に対して接近する方向に付勢することができる。
【0011】
また、前記制御部は、前記第一駆動部と前記第二駆動部をそれぞれ独立して制御することが好ましい。
このような構成とすることにより、多様な揺動動作を実現することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、座部と背凭れ部をそれぞれ別々に揺動させることで、多様な揺動動作を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る起立姿勢のマッサージ機の外観を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る起立姿勢のマッサージ機を左方向から見た側面図であり、(a)は付勢手段を有さないマッサージ機であり、(b)は付勢手段を有するマッサージ機である。
図3】本発明の一実施形態に係るマッサージ機のブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係るマッサージ機の基台を示す斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係る椅子本体を示す斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係る背凭れ部を示す斜視図である。
図7】本発明の一実施形態に係るマッサージユニットを示す正面図である。
図8】本発明の一実施形態に係るマッサージ機を左方向から見た側面図であり、(a)は前方第一駆動部と後方第一駆動部が駆動する前の状態を示す図であり、(b)は前方第一駆動部が駆動した状態を示す図であり、(c)は後方第一駆動部が駆動した状態を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係るマッサージ機を左方向から見た側面図であり、(a)は第二駆動部が駆動した状態を示す図であり、(b)は第二駆動部が駆動した状態で前方第一駆動部を駆動させた状態を示す図であり、(c)は第二駆動部が駆動した状態で後方第一駆動部を駆動させた状態を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る付勢手段を有するマッサージ機を左方向から見た側面図であり、(a)は前方第一駆動部と後方第一駆動部が駆動する前の状態を示す図であり、(b)は前方第一駆動部が駆動した状態を示す図であり、(c)は後方第一駆動部が駆動した状態を示す図である。
図11】本発明の他の実施形態に係る起立姿勢のマッサージ機の外観を示す斜視図である。
図12】本発明の他の実施形態に係る起立姿勢のマッサージ機から座部とフットレストを省略した状態を示す斜視図である。
図13】本発明の他の実施形態に係る起立姿勢のマッサージ機を左方向から見た側面図である。
図14】本発明の他の実施形態に係る起立姿勢のマッサージ機を左方向から見た側面図である。
図15】本発明の他の実施形態に係るマッサージ機の座部を示す斜視図である。
図16】本発明の他の実施形態に係るマッサージ機のフットレストを示す斜視図である。
図17】本発明の他の実施形態に係る起立姿勢のマッサージ機の外観を示す斜視図である。
図18】本発明の他の実施形態に係る起立姿勢のマッサージ機を左方向から見た側面図である。
図19】本発明の他の実施形態に係る起立姿勢のマッサージ機を左方向から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[マッサージ機の全体構成]
以下、本発明のマッサージ機1の全体構成について説明する。
なお、以下の説明で用いる方向の概念は、マッサージ機1に着座した使用者から見て、身長方向における頭部側を「上」、身長方向における腰側を「下」、左手側を「左」、右手側を「右」と規定し、その他の場合は適宜説明するものとする。
【0015】
図1は本発明の一実施形態に係る起立姿勢のマッサージ機1の外観を示す斜視図である。図2は本発明の一実施形態に係る起立姿勢のマッサージ機1を左方向から見た側面図であり、(a)は付勢手段17を有さないマッサージ機1であり、(b)は付勢手段17を有するマッサージ機1である。図3は本発明の一実施形態に係るマッサージ機1のブロック図である。図4は本発明の一実施形態に係る起立姿勢のマッサージ機1の基台3を示す斜視図である。図5は本発明の一実施形態に係る椅子本体2を示す斜視図である。図6は本発明の一実施形態に係る背凭れ部5を示す斜視図である。図7は、本発明の一実施形態に係るマッサージユニット6を示す正面図である。図8は、本発明の一実施形態に係るマッサージ機1を左方向から見た側面図であり、(a)は前方第一駆動部11aと後方第一駆動部11bが駆動する前の状態を示す図であり、(b)は前方第一駆動部11aが駆動した状態を示す図であり、(c)は後方第一駆動部11bが駆動した状態を示す図である。図9は、本発明の一実施形態に係るマッサージ機1を左方向から見た側面図であり、(a)は第二駆動部12が駆動した状態を示す図であり、(b)は第二駆動部12が駆動した状態で前方第一駆動部11aを駆動させた状態を示す図であり、(c)は第二駆動部12が駆動した状態で後方第一駆動部11bを駆動させた状態を示す図である。図10は、本発明の一実施形態に係る付勢手段17を有するマッサージ機1を左方向から見た側面図であり、(a)は前方第一駆動部11aと後方第一駆動部11bが駆動する前の状態を示す図であり、(b)は前方第一駆動部11aが駆動した状態を示す図であり、(c)は後方第一駆動部11bが駆動した状態を示す図である。
【0016】
図1図4に示すとおり、本発明のマッサージ機1は、主として、使用者が着座する座部4と、座部4の後部から立設された支持部Fと、支持部Fに枢支された使用者が凭れる背凭れ部5と、座部4を枢支する基台3と、座部4の表面と背凭れ部5の表面を覆うパット部材(図示せず)と、マッサージ機1の各種動作を制御する制御部9と、マッサージ機1の各種操作を行うコントローラ16(図3参照)と、を有している。背凭れ部5には、使用者に対してマッサージを行うマッサージ部a(マッサージユニット6)が設けられている。背凭れ部5は、支持部Fに対して前方に揺動することができる。座部4は、基台3に対して前後方向に揺動することができる。なお、座部4の左右両側には、使用者の腕部を載置する肘掛け部(図示せず)を設けてもよく、その場合には、肘掛け部(図示せず)に使用者の腕部をマッサージするマッサージ部(図示せず)を設けてもよい。
なお、背凭れ部5と支持部F、座部4の構成については、後述する。
【0017】
[マッサージ機の構成]
図1図2図5に示すとおり、マッサージ機1は、使用者が着座する座部4と、使用者が凭れる背凭れ部5と、座部4の後部から立設された支持部Fと、で構成されている。支持部Fは、座部4の後部から傾斜して立設されている。具体的には、支持部Fは、座部4の着座面に対して、前方から後方に向かって約120度傾斜している。以下、座部4と背凭れ部5と支持部Fを総称して椅子本体2と称する場合がある。
なお、支持部Fの座部4に対する傾斜角度については、一例であり、座部4(マッサージ機1)に着座した使用者が背凭れ部5に凭れやすい角度であれば、どのような角度であってもよい。
【0018】
支持部Fは、左右一対の側板F1と、上側に位置する上板F2と、背凭れ部5に対向する位置にある底板F4と、で構成されている。つまり、支持部Fは、中央に空間がある凹部状(枠体)になっている。
具体的には、左右一対の側板F1は、背凭れ部5の側部に対向する位置から、座部4の側部に対向する位置まで一体的に形成されている。左右一対の側板F1の背凭れ部5に対向する位置の下方には、孔B2が設けられている。孔B2は、背凭れ部5の第二軸A2を枢支するための孔である。背凭れ部5は、第二軸A2を介して支持部Fに対して前方に揺動することができる。
【0019】
座部4の側部に対向する位置の略中央付近には、左右方向を軸方向とする第一軸A1が設けられている。座部4は、第一軸A1を介して基台3に対して前後方向に揺動することができる。底板F4の上方には、第二軸A2を支点として背凭れ部5を前方に揺動させるための第二駆動部12が取り付けられている。
なお、支持部Fの構成については一例であり、背凭れ部5を支持することができるものであれば、どのような構成であってもよい。例えば、一枚の板状の部材であってもよい。
背凭れ部5と第二駆動部12の構成については、後述する。
【0020】
[基台の構成]
図1図2図4に示すとおり、基台3は、床面と接する第一台座部3aと、第一駆動部11と付勢手段17を取り付けるための第二台座部3bと、第一台座部3aと第二台座部3bを所定の間隔で保持するための連結部3cと、椅子本体2を支持する本体支持部2aと、で構成されている。
【0021】
[第一台座部の構成]
第一台座部3aは、円形状の板状の部材から構成されている。第一台座部3aの背面は、床面と接している。第一台座部3aの表面中央には、連結部3cが設けられている。連結部3cは、第一台座部3aの表面から上方に向かって突出するように設けられている。連結部3cの他端は、第二台座部3bの背面に対して取り付けられている。つまり、連結部3cによって、第一台座部3aと第二台座部3bとが固定されている。
なお、第一台座部3aの形状については一例であり、これ以外の形状であってもよい。例えば、第一台座部3aを中心部から外方向に向かって放射線状に伸びる複数(例えば、3~5本)の脚により構成してもよい。また、脚にキャスター(図示せず)を設けてもよい。キャスター(図示せず)を設けることで、マッサージ機1の移動を容易にすることができる。
【0022】
[第二台座部の構成]
第二台座部3bは、円形状の板状の部材から構成されている。第二台座部3bの背面中央には、第一台座部3aの表面中央から上方に向かって突出して設けられた連結部3cの他端が取り付けられている。第二台座部3bの表面には、第一駆動部11と本体支持部2aが取り付けられている。具体的には、第二台座部3bの表面中央には、本体支持部2aが左右方向に伸びるように取り付けられている。本体支持部2aの前側には、座部4を基台3に対して後方向に揺動させるための後方第一駆動部11bが取り付けられている。本体支持部2aの後側には、座部4を基台3に対して前方向に揺動させるための前方第一駆動部11aが取り付けられている。
なお、第二台座部3bの形状については一例であり、これ以外の形状であってもよい。例えば、四角形などの多角形により構成してもよい。
【0023】
[取付部の構成]
基台3(より詳しくは、第二台座部3bの表面)には、取付部3dが設けられている。取付部3dは、第一駆動部11を取り付けるためのものである。取付部3dがあることで、第二台座部3bの形状に影響を受けることなく、第一駆動部11を取り付けることができる。つまり、図2(a)のように第二台座部3bの外縁側が中心から外側に向かって傾斜した略お椀型になっている場合であっても、図2(b)のように傾斜していない板状になっている場合であっても、第一駆動部11を取り付けることができる。
【0024】
また、図2(a)に示すように、第二台座部3bを略お椀型に形成することで、座部4の基台3に対する前後方向の揺動をある程度規制することができる。
具体的には、前方第一駆動部11aを駆動させ、座部4(より詳しくは、座部4の後部)を基台3に対して前方に揺動させた場合、座部4の下面は第二台座部3bの前方の外縁と当接する。座部4の下面が第二台座部3bの前方の外縁と当接することで、座部4が第二台座部3bよりも下方へ揺動しないように規制することができる。また、後方第一駆動部11bを駆動させ、座部4(より詳しくは、座部4の前部)を基台3に対して後方に揺動させた場合、座部4の下面は第二台座部3bの後方の外縁と当接する。座部4の下面が第二台座部3bの後方の外縁と当接することで、座部4が第二台座部3bよりも下方へ揺動しないように規制することができる。
【0025】
また、図2(b)に示すように、第二台座部3bに付勢手段17を取り付けることで、座部4を基台3に対して接近する方向に付勢させることができる。付勢手段17は、第二台座部3bの前側と後側にそれぞれ1つずつ設けられている。付勢手段17を第二台座部3bの前側と後側に設けることで、座部4の前側と後側それぞれを基台3に対して接近する方向に付勢させることができるため、座部4の初期位置(使用者がマッサージ機1に着座する前の座部4の位置)を定めることができる。
【0026】
つまり、座部4が基台3に対して前方に揺動する場合、前方第一駆動部11a(第一駆動部11)が駆動することになるため、後側の付勢手段17(本実施例においては、バネ)が伸張し、座部4の後部は、基台3に対して離反する方向に揺動することになる。このとき、後側の付勢手段17は、座部4(より詳しくは、座部4の後部)を基台3に対して接近する方向に付勢しているため、前方第一駆動部11aの駆動を停止すると、座部4(より詳しくは、座部4の後部)はスムーズに基台3に対して接近する方向に揺動することができる。
【0027】
また、座部4が基台3に対して後方に揺動する場合、後方第一駆動部11b(第一駆動部11)が駆動することになるため、前側の付勢手段17(本実施例においては、バネ)が伸張し、座部4の前部は、基台3に対して離反する方向に揺動することになる。このとき、前側の付勢手段17は、座部4(より詳しくは、座部4の前部)を基台3に対して接近する方向に付勢しているため、後方第一駆動部11bの駆動を停止すると、座部4(より詳しくは、座部4の前部)はスムーズに基台3に対して接近する方向に揺動することができる。
なお、第一駆動部11と本体支持部2aの構成については、後述する。
【0028】
[付勢手段の構成]
付勢手段17は、弾性を有するバネから構成されている。付勢手段17は、第二台座部3bの前側と後側にそれぞれ1つずつ取り付けられている。第二台座部3bの前側に取り付けられた付勢手段17は、座部4(より詳しくは、座部4の前部)を基台3に対して接近する方向に付勢している。第二台座部3bの後側に取り付けられた付勢手段17は、座部4(より詳しくは、座部4の後部)を基台3に対して接近する方向に付勢している。
【0029】
後方第一駆動部11bを駆動させると、座部4が基台3に取り付けられた第一軸A1を支点に後方へ揺動する。このとき、第二台座部3bの前側に取り付けられた付勢手段17が伸張するとともに第二台座部3bの後側に取り付けられた付勢手段17が縮むことで、座部4を後方へ揺動させることができる(図10(c)参照)。付勢手段17は、座部4が基台3に対して接近する方向に付勢されているため、後方第一駆動部11bの駆動を停止させると、第二台座部3bの前側に取り付けられた付勢手段17が縮み、座部4(より詳しくは、座部4の前部)を基台3に対して接近する方向にスムーズに揺動させることができる。
【0030】
前方第一駆動部11aを駆動させると、座部4が基台3に取り付けられた第一軸A1を支点に前方へ揺動する。このとき、第二台座部3bの後側に取り付けられた付勢手段17が伸張するとともに第二台座部3bの前側に取り付けられた付勢手段17が縮むことで、座部4を前方へ揺動させることができる(図10(b)参照)。付勢手段17は、座部4が基台3に対して接近する方向に付勢されているため、前方第一駆動部11aの駆動を停止させると、第二台座部3bの後側に取り付けられた付勢手段17が縮み、座部4(より詳しくは、座部4の後部)を基台3に対して接近する方向にスムーズに揺動させることができる。
【0031】
なお、付勢手段17を取り付ける場合は、第二台座部3bは、平面状に形成されていることが好ましい(図2(b)参照)。第一駆動部11(前方第一駆動部11a、後方第一駆動部11b)の駆動は、制御部9により制御される。また、付勢手段17としてのバネは一例であり、座部4を基台3に対して接近する方向に付勢することができるものであれば、どのようなものであってもよい。
なお、第一駆動部11(前方第一駆動部11a、後方第一駆動部11b)と本体支持部2aの構成については、後述する。
【0032】
[本体支持部の構成]
本体支持部2aは、横長の板状の部材から構成されている。本体支持部2aの両端は、上方に向かって屈曲した正面視で略凹字型になっている。本体支持部2aの上方に向かって屈曲した部分(以下、屈曲部2bという。)には、孔B1が設けられている。本体支持部2aは、基台3の表面(より詳しくは、第二台座部3bの表面)に対して取り付けられている。屈曲部2bに設けられた孔B1には、椅子本体2に設けられた左右方向を軸方向とする第一軸A1が挿通される。そうすることで、座部4は、第一軸A1を支点として基台3に対して前後方向に揺動することができる。
【0033】
[第一駆動部の構成]
第一駆動部11は、エアセルにより構成されている。エアセルは、給排気装置10からの空気の給排により膨張収縮する。第一駆動部11は、基台3(より詳しくは、第二台座部3bの表面に設けられた取付部3d)に取り付けられている。第一駆動部11は、基台3の後方に取り付けられた前方第一駆動部11aと基台3の前方に取り付けられた後方第一駆動部11bと、からなる。
【0034】
前方第一駆動部11aと後方第一駆動部11bは、上方に向かって膨張するように取り付けられている。
具体的には、前方第一駆動部11aは、基台3の後側の取付部3dに取り付けられているため、座部4(より詳しくは、座部4の後部)を前方に揺動させることができる。そうすることで、前方第一駆動部11aを駆動させると、第一軸A1を支点に座部4を前方へ揺動させることができる。
また、後方第一駆動部11bは、基台3の前側の取付部3dに取り付けられているため、座部4(より詳しくは、座部4の前部)を後方に揺動させることができる。そうすることで、後方第一駆動部11bを駆動させると、第一軸A1を支点に座部4を後方へ揺動させることができる。
前方第一駆動部11aの駆動と後方第一駆動部11bの駆動は、制御部9によりそれぞれ独立して制御される。
【0035】
[第二駆動部の構成]
第二駆動部12は、エアセルにより構成されている。エアセルは、給排気装置10からの空気の給排により膨張収縮する。第二駆動部12は、支持部F(より詳しくは、底板F4)に取り付けられている。具体的には、第二駆動部12は、支持部Fを構成する底板F4の上下方向下側(座部4側)を支点として膨張収縮するように支持部F(より詳しくは、底板F4)に取り付けられている。
そうすることで、第二駆動部12を駆動させると、第二軸A2を支点に背凭れ部5を前方へ揺動させることができる。第二駆動部12の駆動は、制御部9により制御される。
【0036】
[背凭れ部の構成]
図1図2図6に示すとおり、背凭れ部5は、身長方向に長い長方形の部材で構成されている。背凭れ部5の中央には開口5aが設けられている。開口5aには、昇降用ガイドレール5b(図1、6参照)と昇降用ガイドレール5bによって上下に移動するマッサージユニット6が設けられている。マッサージユニット6は、揉みマッサージ及び/又は叩きマッサージを行うマッサージ部aである。マッサージユニット6は昇降用ガイドレール5bに沿って移動する。マッサージユニット6は身長方向に移動可能であるため、使用者の上半身(首から腰の間)をマッサージユニット6でマッサージすることができる。
マッサージユニット6の構成については、後述する。
【0037】
背凭れ部5の表側(使用者と当接する側)には、使用者に対してマッサージを行うためのマッサージ部aとしてのエアセルが複数取り付けられている。具体的には、背凭れ部5の上側であって左右両側には、使用者の背中をマッサージするための左右一対の背部マッサージ部a1が取り付けられている。背凭れ部5の下側であって左右両側には、使用者の腰をマッサージするための左右一対の腰部マッサージ部a2が取り付けられている。
なお、マッサージ部aの配置は一例であり、これ以外の配置であってもよい。例えば、背凭れ部5の側部に体側部(図示せず)を設け、体側部(図示せず)に使用者の肩部や上腕をマッサージするための肩部マッサージ部(図示せず)を設けてもよい。
【0038】
背凭れ部5の左右両側には、背凭れ部5を支持部Fに対して前方に揺動させるための第二軸A2が設けられている。第二軸A2は、左右方向を軸方向として背凭れ部5の左右両側の下方に設けられている。第二軸A2は、支持部F(より詳しくは、側板F1)に設けられた孔B2に挿通される(図5参照)。背凭れ部5は、第二軸A2を支点として支持部Fに対して前方に揺動することができる。具体的には、支持部Fを構成する底板F4の上方に設けられた第二駆動部12を駆動させることで、背凭れ部5を第二軸A2を支点として支持部Fに対して前方に揺動させることができる。第二駆動部12の駆動は制御部9により制御される。
なお、第二駆動部12については、後述する。
【0039】
[座部の構成]
図1図2図5に示すとおり、座部4は、長方形の板状の部材で構成されている。座部4の後部には、座部4の後部から立設された支持部Fが位置している。座部4の側部には、支持部Fの側板F1が背凭れ部5の側面に対向する位置から座部4の側面に対向する位置まで立設されている。つまり、座部4は、支持部Fと一体的に形成されている。座部4の左右両側であって略中央付近には、左右方向を軸方向とする第一軸A1が設けられている。第一軸A1は、本体支持部2aの屈曲部2bに設けられた孔B1に挿通される。座部4は、第一軸A1を支点として基台3に対して前後方向に揺動することができる。座部4の表側(使用者と当接する側)には、使用者の臀部をマッサージするためのマッサージ部aとしての臀部マッサージ部a3が左右一対取り付けられている。臀部マッサージ部a3は、エアセルである。
なお、マッサージ部aの配置は一例であり、これ以外の配置であってもよい。例えば、座部4の表側(使用者と当接する側)に、使用者の大腿部をマッサージするためのマッサージ部(図示せず)を設けてもよい。
【0040】
[マッサージユニットの構成]
図7は、本発明の一実施形態に係るマッサージユニット6を示す正面図である。
図7に示すとおり、背凭れ部5には、使用者の上半身を後方(背面)からマッサージするためのマッサージユニット6が設けられている。このマッサージユニット6は、左右で対をなすアーム61と、アーム61の上下両端部に設けられた施療子62と、により構成されている。マッサージモータM1の駆動により左右の施療子62が近接離反する揉みマッサージ、及びマッサージモータM2の駆動により左右の施療子62が交互に使用者側へ進退する叩きマッサージを行わせることができる。また、マッサージユニット6は、昇降モータM3の駆動により身長方向に沿って上方又は下方へ移動して、身体に対する位置を変更したり、ローリングマッサージを行わせたりすることができる。
背凭れ部5には、身長方向に延設された左右で対をなす昇降用ガイドレール5b(図1図6参照)が設けられており、マッサージユニット6は昇降用ガイドレール5bに沿って移動する。マッサージユニット6が身長方向に移動可能であるため、使用者の上半身(首から腰の間)を施療子62でマッサージすることができる。
【0041】
また、マッサージユニット6は、ベースフレーム60aと、ベースフレーム60aに支持された可動フレーム60bと、を有している。ベースフレーム60aは、その左右両側において昇降用ガイドレール5bに嵌合するガイドローラ63を有している。そして、ラック・ピニオン等よりなる昇降機構(図示せず)によって、身長方向に沿って移動することができる。可動フレーム60bは、左右方向の揺動軸64を介してベースフレーム60aに支持されている。ベースフレーム60aと可動フレーム60bの間には、エアセル等よりなる進退駆動部65が設けられている。進退駆動部65の駆動により、可動フレーム60bは揺動軸64を中心として使用者に対して進退することができる。なお、可動フレーム60bを進退させる構造でなくてもよく、アーム61に進退駆動部65を設けてアーム61のみを進退させる構造であってもよい。
【0042】
アーム61は、左右方向に延設された揉み軸66及び叩き軸67に連結されている。揉み軸66の左右両側には、傾斜軸部66bを有する傾斜カム66aが設けられており、この傾斜カム66aにアーム61が取り付けられている。左右の傾斜軸部66bは、正面視で略ハの字型となるように揉み軸66の軸心に対して傾斜している。叩き軸67の左右両側には、叩き軸67の軸心に対して偏心した偏心軸部67bを有する偏心カム67aが設けられており、この偏心カム67aにアーム61がコンロッド68を介して取り付けられている。左右の偏心軸部67bは、叩き軸67の軸心に対する位相が互いに異なっており、具体的には180度だけ異なっている。揉み軸66及び叩き軸67は、それぞれマッサージモータM1,M2の駆動により回転する。施療子62は、揉み軸66の回転により揉みマッサージを行い、叩き軸67の回転により叩きマッサージを行う。なお、施療子62が設けられたアーム61、揉み軸66、及び叩き軸67は、可動フレーム60bに支持されている。従って、施療子62は、可動フレーム60bの移動を介して使用者に対して進退可能である。
【0043】
アーム61は、前後方向に揺動自在であり、上側の施療子62が前方へ突出するようにバネ等よりなる付勢手段(図示せず)により付勢されている。また、図3に示すとおり、マッサージユニット13は、使用者の身体情報を検出する検出センサ69を有している。この検出センサ69は、アーム61が所定の揺動位置となったことを検出することで身体情報を得ることができる。具体的に説明すると、マッサージユニット6を身長方向に沿って上昇させる過程で、上側の施療子62が肩の上方に到達すると、施療子62に作用する負荷が解除されて、付勢手段(図示せず)の作用によりアーム61が前方へ揺動して所定の揺動位置となる。アーム61が所定の揺動位置となったことを検出センサ69が検出し、その際のマッサージユニット6の上下位置に基づいて肩の位置を検出する。肩の位置を基準として、その他の部位(首、背中、腰等)の位置を計算により求める。検出された身体情報は記憶部15に記憶される。なお、身体情報は使用者自身が入力してもよい。この場合、例えば、コントローラ16を操作して身体情報を入力し、記憶部15に記憶させることができる。
【0044】
[制御部の構成]
図3に示すとおり、制御部9は、マッサージユニット6、給排気装置10、記憶部15、コントローラ16と電気的に接続されている。制御部9は、座部4の下部に設けられている。記憶部15とコントローラ16については後述する。制御部9は、マッサージ部a(マッサージユニット6、各マッサージ部a1~a3)の動作や第一駆動部11と第二駆動部12の駆動を制御する。使用者がコントローラ16を操作することで、マッサージ部a(マッサージユニット6、各マッサージ部a1~a3)の動作を実行させたり、第一駆動部11や第二駆動部12の駆動を実行させたりすることができる。
【0045】
[記憶部の構成]
記憶部15には、マッサージ部a(マッサージユニット6、各マッサージ部a1~a3)が使用者の施療部位を順次施療するマッサージコースCが記憶されている。マッサージコースCは、マッサージ部a(マッサージユニット6、各マッサージ部a1~a3)が定められた順序に従って複数の動作を行う動作ブロックが複数種類組み合わされて構成されている。組み合わされた複数の動作ブロックが定められた順序に従って実行することでマッサージコースCが実行される。
マッサージコースCは、マッサージ部a(マッサージユニット6、各マッサージ部a1~a3)が使用者の施療部位を順次施療するようにあらかじめプログラムされている。なお、マッサージ機1に通信部(図示せず)を設け、通信部(図示せず)を介して、インターネット上(例えば、サーバ(図示せず))から新たなマッサージコースCをダウンロードし、記憶部15に記憶するように構成してもよい。
【0046】
[立ち上がり補助動作]
制御部9による立ち上がり補助動作について説明する。
所定のマッサージコースCの終了後、制御部9は、前方第一駆動部11aを駆動させ、座部4(より詳しくは、座部4の後部)を基台3に対して前方に揺動させる(図8(b)参照)。その後、前方第一駆動部11aを駆動させた状態のまま第二駆動部12を駆動させ、背凭れ部5を支持部Fに対して前方へ揺動させる(図9(b)参照)。
そうすることで、使用者は、前傾姿勢になった状態から背中を押出されることになるため、マッサージ機1から立ち上がりやすくなる。
【0047】
[ストレッチ動作]
制御部9によるストレッチ動作について説明する。
制御部9は、後方第一駆動部11bを駆動させ、座部4(より詳しくは、座部4の前部)を基台3に対して後方に揺動させる(図8(c)参照)。その後、後方第一駆動部11bを駆動させた状態のまま第二駆動部12を駆動させ、背凭れ部5を支持部Fに対して前方へ揺動させる(図9(c)参照)。
そうすることで、使用者は、後方に自重がかかった状態から背中を押出されることになるため、前屈ストレッチをすることができる。
【0048】
図11は、本発明の他の実施形態に係る起立姿勢のマッサージ機1の外観を示す斜視図である。図12は、本発明の他の実施形態に係る起立姿勢のマッサージ機1から座部4とフットレスト7を省略した状態を示す斜視図である。図13は、本発明の他の実施形態に係る起立姿勢のマッサージ機1を左方向から見た側面図である。図14は、本発明の他の実施形態に係る起立姿勢のマッサージ機1を左方向から見た側面図である。図15は、本発明の他の実施形態に係るマッサージ機1の座部4を示す斜視図である。図16は、本発明の他の実施形態に係るマッサージ機1のフットレスト7を示す斜視図である。図17は、本発明の他の実施形態に係る起立姿勢のマッサージ機1の外観を示す斜視図である。図18は、本発明の他の実施形態に係る起立姿勢のマッサージ機1を左方向から見た側面図である。図19は、本発明の他の実施形態に係る起立姿勢のマッサージ機1を左方向から見た側面図である。
【0049】
[他の実施形態]
また、本発明のマッサージ機1は、図示する形態に限らず、この発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。
例えば、図11図14に示すように、支持部Fを使用者の脚部に相当する位置まで延設(立設)し、延設(立設)した支持部Fにフットレスト7を設けてもよい。このとき、フットレスト7と座部4は、前後方向/上下方向に揺動するように構成されていることが好ましい。また、図17図19に示すように、支持部Fを延設(立設)させずに座部4の前側にフットレスト7を前後方向/上下方向に揺動するように設けてもよい。
【0050】
[座部の構成]
図15に示すように、座部4は長方形の板状の部材で構成されている。座部の表面には、使用者の臀部に対してマッサージを行うための臀部マッサージ部a3が左右一対設けられている。臀部マッサージ部a3は、左右独立して制御部9により制御される。なお、臀部マッサージ部a3の配置については一例であり、使用者の臀部をマッサージすることができれば、どのような配置であってよい。 座部4の側部の前側には、左右方向を軸方向とする第三軸A3が設けられている。座部4は、第三軸A3を支点として、後述する椅子本体2に対して前後方向/上下方向に揺動することができる。支持部Fの座部4の側部に対向する位置(より詳しくは、第三軸A3に対向する位置)には、第三軸A3を枢支するための孔B3が設けられている。孔B3に第三軸A3が挿通される。
【0051】
支持部Fの底板F4には、第三駆動部13が取り付けられている。第三駆動部13は、エアセルにより構成されている。エアセルは、給排気装置10からの空気の給排により膨張収縮する。具体的には、底板F4は、座部4からフットレスト7の背面に対向する位置まで延設されている。第三駆動部13は、底板F4の座部4の背面に対向する座部4の前側(フットレスト7側)を支点として膨張収縮するように支持部F(底板F4)に取り付けられている。
そうすることで、第三駆動部13を駆動させると、第三軸A3を支点として、座部4を床面に対して前後方向に揺動させることができる。第三駆動部13の駆動は、制御部9により制御される。第三駆動部13は、第一駆動部11や第二駆動部12、第四駆動部14とは、独立して駆動させることができる。なお、第四駆動部14については、後述する。
【0052】
図16に示すように、フットレスト7は長方形の板状の部材で構成されている。フットレスト7の表面には、使用者の脚部に対してマッサージを行うための脚部マッサージ部a4が左右一対設けられている。脚部マッサージ部a4は、左右独立して制御部9により制御される。なお、フットレスト7の形状については一例であり、これ以外の形状であってもよい。例えば、フットレスト7に側壁(図示せず)と中間壁(図示せず)を設け、側壁(図示せず)と中間壁(図示せず)からなる凹部に脚を挿入することで使用者の脚部をマッサージすることができる形状であってもよい。また、脚部マッサージ部a4の配置については一例であり、使用者の脚部をマッサージすることができれば、どのような配置であってよい。
【0053】
フットレスト7の側部の上方には、左右方向を軸方向とする第四軸A4が設けられている。フットレスト7は第四軸A4を支点として座部4に対して上下方向に揺動することができる。フットレスト7の側部に対向する位置まで延設された支持部Fの側板F1には、第四軸A4を枢支するための孔B4が設けられている。孔B4に第四軸A4が挿通される。
【0054】
支持部Fの底板F4には、第四駆動部14が取り付けられている。第四駆動部14は、エアセルにより構成されている。エアセルは、給排気装置10からの空気の給排により膨張収縮する。具体的には、底板F4は、座部4からフットレスト7の背面に対向する位置まで延設されている。第四駆動部14は、底板F4のフットレスト7の背面に対向するフットレスト7の上側を支点として膨張収縮するように支持部F(底板F4)に取り付けられている。
そうすることで、第四駆動部14を駆動させると、第四軸A4を支点として、フットレスト7を座部4に対して上下方向に揺動させることができる。第四駆動部14の駆動は、制御部9により制御される。第四駆動部14は、第一駆動部11や第二駆動部12、第三駆動部13とは、独立して駆動させることができる。
【0055】
他の実施形態においては、椅子本体2は、背凭れ部5と、座部4と、フットレスト7と、で構成されている。また、支持部Fは、座部4の前部から下方に傾斜して延設(立設)されている。つまり、支持部Fは、背凭れ部5の背面に対向する位置から、フットレスト7の背面に対向する位置まで伸びている。
【0056】
また、図17図19に示すように、座部4の前側にフットレスト7を上下方向に揺動するように設けてもよい。図17図19の場合、座部4の前側にフットレスト7が設けられている。具体的には、フットレスト7の側部の上方には、左右方向を軸方向とする第四軸A4が設けられている。フットレスト7は第四軸A4を支点として座部4に対して上下方向に揺動することができる。
つまり、フットレスト7は、座部4に対して上下方向に揺動するように構成されている。
【0057】
図16に示すように、フットレスト7は長方形の板状の部材で構成されている。フットレスト7の表面には、使用者の脚部に対してマッサージを行うための脚部マッサージ部a4が左右一対設けられている。脚部マッサージ部a4は、左右独立して制御部9により制御される。なお、フットレスト7の形状については一例であり、これ以外の形状であってもよい。例えば、フットレスト7に側壁(図示せず)と中間壁(図示せず)を設け、側壁(図示せず)と中間壁(図示せず)からなる凹部に脚を挿入することで使用者の脚部をマッサージすることができる形状であってもよい。また、脚部マッサージ部a4の配置については一例であり、使用者の脚部をマッサージすることができれば、どのような配置であってよい。
【0058】
座部4の前側には、第四駆動部14が取り付けられている。第四駆動部14は、エアセルにより構成されている。エアセルは、給排気装置10からの空気の給排により膨張収縮する。具体的には、第四駆動部14は、下方から上方に向かって膨張収縮するように取り付けられている(図18参照)。
そうすることで、第四駆動部14を駆動させると、第四軸A4を支点として、フットレスト7を座部4に対して上下方向に揺動させることができる。第四駆動部14の駆動は、制御部9により制御される。第四駆動部14は、第一駆動部11や第二駆動部12とは、独立して駆動させることができる。
【0059】
図17図19のように構成した場合、図11図16の場合と比べて、フットレスト7の背面に対向する位置まで支持部Fを延設する必要がなくなるため、マッサージ機1を製造するコストを削減することができる。
【0060】
また、図17図19の場合において、座部4については、揺動自在に取り付けられていてもよい。例えば、図11に示すように、支持部Fの側板F1に孔B3を設け、座部4の側部に左右方向を軸方向とする第三軸A3を設け、座部4が第三軸A3を介して、床面に対して上下方向に揺動するようにしてもよい。
【0061】
具体的には、座部4の背面に対向する位置まで延設された底板F4の部分に座部4を揺動させるための第三駆動部13を設ける。第三駆動部13は、給排気装置10からの空気の給排により膨張収縮するエアセルにより構成されている。第三駆動部13は、座部4の前側を支点として膨張収縮するように底板F4に取り付けられている。第三駆動部13が駆動することで、座部4を床面に対して第三軸A3を介して、上下方向に揺動させることができる。つまり、マッサージ機1の姿勢に影響を受けることなく、座部4を床面に対して上下方向に揺動させることができ、多様な揺動動作を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、椅子本体と背凭れ部をそれぞれ別々に揺動させることで、多様な揺動動作を実現するマッサージ機に適用することができる。
【符号の説明】
【0063】
基台 3
背凭れ部 5
制御部 9
第一駆動部 11
第二駆動部 12
マッサージ部 a
支持部 F
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19