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  • 特開-自動弁 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094430
(43)【公開日】2022-06-27
(54)【発明の名称】自動弁
(51)【国際特許分類】
   F16T 1/22 20060101AFI20220620BHJP
   F16T 1/48 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
F16T1/22 Z
F16T1/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020207302
(22)【出願日】2020-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
(72)【発明者】
【氏名】小野本 泰介
(57)【要約】
【課題】 スチームロッキング現象を確実に解消することができる自動弁の提供。
【解決手段】
スチームトラップ2の弁室37や第一排出管81の一部に蒸気のみが充満し、ドレンの弁室37への流入が阻止されるスチームロッキング現象が生じた場合、第一排出管81の温度低下が検出され、弁5に開弁信号が与えられると同時に放熱部10に冷却信号が与えられる。そして、弁5の開弁によって蒸気が放熱部10に流入し、冷却信号を受けて吸熱する冷却板11a、11b、11c、11d、11eによって蒸気は冷却されて凝縮してドレンを発生する。このドレンの発生により、スチームロッキング現象を引き起こしていた蒸気の体積は減少し、スチームロッキング現象が解消されて弁室37には第一排出管81からドレンが流入し、スチームトラップ2は正常な状態に復帰する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間である弁室部、弁室部に連通する流入経路、及び弁室部に連通する流出経路を備えた本体であって、流入経路を通じて蒸気及び蒸気から発生した凝縮水が弁室部内に流入する本体、
前記弁室部と前記流出経路との連通を開閉する排出用開閉部であって、前記弁室部内に流入する凝縮水に応動して開閉する排出用開閉部、
前記弁室部内の蒸気に対して凝縮水の発生を促すことが可能な促進手段、
を備えており、
スチームロッキング現象が生じたとき、促進手段が凝縮水の発生を促す、
ことを特徴とする自動弁。
【請求項2】
請求項1に係る自動弁において、
前記スチームロッキング現象を検出して検出信号を出力する検出手段を備えており、
前記促進手段は、蒸気を冷却することによって凝縮水の発生を促し、
前記促進手段は、前記弁室部に連通する冷却室及び前記弁室部と冷却室との連通を開閉する冷却用開閉部を有しており、冷却用開閉部は前記検出信号に基づいて開閉する、
ことを特徴とする自動弁。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、自力式の自動弁であってスチームロッキングを解消するための自動弁の構成の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
産業プラントには、ボイラーで生成された蒸気を供給先装置に向けて高温・高圧で移送する配管系統が設置されていることがある。そして、供給先装置で蒸気が使用された場合、ドレン(蒸気の凝縮水)が発生し、供給先装置の排出管から排出される。このとき、排出管にはドレンとともに蒸気も流出することになるが、蒸気ロスを避けるためにドレンのみを外部に排出する必要がある。
【0003】
このため、排出管にはスチームトラップが設けられている。例えばフロート式のスチームトラップは弁室内に中空のフロートを内蔵している。そして、スチームトラップの弁室に流入したドレンの滞留に従ってこのフロートが浮上し、弁室の下部に設けられたドレン排出口を開放することによって自動的にドレンを外部に排出する。ドレン排出後はフロートが下降してドレン排出口を閉塞するため、蒸気漏れは生じない。
【0004】
このようなスチームトラップを用いる技術として、後記特許文献1に開示された技術がある。この特許文献1に開示された蒸気加熱装置においては、蒸気が供給管11を通じて加熱ロール20に供給され、加熱ロール20は供給された蒸気を使用して対象物を加熱する。この加熱によって蒸気が凝縮してドレンが発生するが、このドレンは加熱ロール20に接続された排出管12に流出する。
【0005】
排出管12にはスチームトラップ14が設けられており、スチームトラップ14は内部に流入したドレンに応動して適宜、開弁し、ドレンはドレンタンク16に回収される。なお、ドレンタンク16には循環配管17が設けられている。この循環配管17にはポンプ19及びエゼクタ18が設けられており、ドレンを吸引してドレンタンク16に導いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-166753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
スチームトラップにおいては、流入する蒸気やドレンの発生状況等によって、スチームトラップの弁室や排出管の一部に蒸気のみが充満し、ドレンの流れが阻止されて、適正にドレンを排出することができないスチームロッキング現象が発生することがある。
【0008】
このようなスチームロッキング現象が発生した場合、特許文献1に開示されたスチームトラップ14ではバイパス弁26を開弁しない限りスチームロッキング現象を解消することができず、スチームトラップ14から適正にドレンが排出されなくなる。この場合、排出管12にドレンが蓄積され、加熱ロール20に侵入して加熱動作に不具合が生じる虞がある。
【0009】
そこで本願に係る自動弁は、これらの問題を解決するため、スチームロッキング現象を確実に解消することができる自動弁の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願に係る自動弁は、
内部空間である弁室部、弁室部に連通する流入経路、及び弁室部に連通する流出経路を備えた本体であって、流入経路を通じて蒸気及び蒸気から発生した凝縮水が弁室部内に流入する本体、
前記弁室部と前記流出経路との連通を開閉する排出用開閉部であって、前記弁室部内に流入する凝縮水に応動して開閉する排出用開閉部、
前記弁室部内の蒸気に対して凝縮水の発生を促すことが可能な促進手段、
を備えており、
スチームロッキング現象が生じたとき、促進手段が凝縮水の発生を促す、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願に係る自動弁においては、スチームロッキング現象が生じたとき、促進手段が凝縮水の発生を促す。このため、スチームロッキング現象が生じた場合、凝縮水の発生によって弁室部内の蒸気の圧力が低下し、弁室部内に凝縮水が流入し易くなる。したがって、スチームロッキング現象を確実に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本願に係る自動弁の第1の実施形態を示すスチームトラップ2が設けられた蒸気使用システムの全体構成図である。
図2図1に示すスチームトラップ2の詳細を示す一部断面図である。
図3】本願に係る自動弁の第2の実施形態を示すスチームトラップ29の詳細を示す一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施形態における用語説明]
実施形態において示す主な用語は、それぞれ本願に係る自動弁の下記の要素に対応している。
【0014】
スチームトラップ2・・・自動弁
弁5・・・冷却用開閉部
放熱部10、20・・・促進手段
ボディー30及びカバー40・・・本体
流入路33・・・流入経路
流出路34・・・流出経路
弁室37・・・弁室部
フロート60及びオリフィス66・・・排出用開閉部
温度センサ75・・・検出手段
ドレン・・・凝縮水
温度信号・・・検出信号
なお、スチームロッキング現象とは、自動弁や配管を含む配管系統に蒸気が充満することによって自動弁の作動が阻害される現象を意味する。
【0015】
[第1の実施形態]
本願に係る自動弁の第1の実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。本実施形態では、自動弁であるスチームトラップ2が蒸気使用システムに用いられる例を掲げる。蒸気使用システムは、たとえばボイラーで生成された蒸気を供給先の熱交換器に向けて供給し、熱交換器はこの蒸気を所定の対象物との間で熱交換させる。
【0016】
(蒸気使用システムの全体構成の説明)
まず、図1に基づいて蒸気使用システムの全体構成を説明する。熱交換器71には供給管80を通じて蒸気が供給される。供給された蒸気は、熱交換器71で対象物と熱交換され、この熱交換によって蒸気は凝縮してドレンを発生する。熱交換器71の底面には第一排出管81の一端が接続されており、発生したドレンはこの第一排出管81に流出する。
【0017】
第一排出管81の他端はスチームトラップ2の一次側に接続されている。スチームトラップ2は、第一排出管81を通じて流入するドレンの量に応じて開閉する自力式の自動弁である。スチームトラップ2の二次側には第二排出管82の一端が接続されており、スチームトラップ2が開弁することによって排出されたドレンは第二排出管82に流出する。
【0018】
第二排出管82の他端は循環配管83に接続されており、第二排出管82に流出したドレンは循環配管83を介してドレンタンク72に回収される。なお、循環配管83の両端はそれぞれドレンタンク72に接続されており、循環配管83上に設けられているポンプ73の駆動によってドレンタンク72内のドレンは循環している。
【0019】
そして、循環配管83にはノズル部74a及びディフューザ74bから構成されるエグゼクタ74が設けられており、このノズル部74aに第二排出管82の他端が接続されている。すなわち、循環配管83内のドレンの循環によって生じるエグゼクタ74の吸引力によって、スチームトラップ2から排出されるドレンは吸引され、ドレンタンク72に回収されるようになっている。
【0020】
図1に示すように、第一排出管81には温度センサ75が設けられている。この温度センサ75は熱交換器71に近い箇所に配置されており、第一排出管81の温度を検出している。温度センサ75が検出した温度は温度信号として出力され、ラインL1を通じて制御部4に取り込まれる。制御部4は取り込んだ温度信号によって第一排出管81の温度を把握し、これに基づき、スチームトラップ2に向けてラインL2を通じて開弁信号を出力するとともにラインL3を通じて冷却信号を出力する。
【0021】
(スチームトラップ2の構成の説明)
図2はスチームトラップ2の一部断面図である。スチームトラップ2は、フロート式スチームトラップであり、ボディー30及びカバー40を備えている。カバー40は、弁室37の気密性を保持するため、ガスケット43、44を介して取り付けられており、固定ボルト42によってボディー30に固定されている。
【0022】
図1に示す一次側排管81には、ボディー30に設けられた流入口31が接続され、流入路33を通じて弁室37に蒸気やドレンが矢印101方向に流入する。流入路33にはゴミやスケール等の異物を捕捉するためのスクリーン39が設けられている。なお、蒸気は弁室37上部の補助流入路35からも流入する。
【0023】
弁室37の下方にはオリフィス体65が取り付けられている。このオリフィス体65にはドレンを排出するためのオリフィス66が形成されており、オリフィス66は流出路34及び流出口32から第二排出管82に通じている。なお、通常時(閉弁時)においては、図2に示すようにオリフィス66はフロート60によって塞がれており、蒸気漏れが生じないようになっている。フロート60は中空の球状体として構成されている。
【0024】
弁室37の上部におけるカバー40には上部流路3が形成されている。そして、この上部流路3には接続管7を有する放熱部10が接続されている。放熱部10は略直方体の形状を有しており、弁室37に対して鉛直方向における上部に位置している。放熱部10の内部には空間が形成されており、この空間は接続管7及び上部流路3を通じて弁室37と連通している。なお、図1において放熱部10及び接続管7は断面ではなく側面図として表されている。
【0025】
放熱部10内の底面は、内周側面から接続管7に向かって下がる斜面15として構成されている。そして、この斜面15を除く4つの内周側面と天井面にはそれぞれ冷却板11a、11b、11c、11d、11eが固定されている。冷却板11a、11b、11c、11d、11eはペルチェ素子で構成されている。ペルチェ素子は、板状の半導体熱電素子の一種であり、直流電流を流すと素子の一方の面で吸熱(冷却)すると同時に他方の面で発熱(加熱)する。
【0026】
本実施形態においては、冷却板11a、11b、11c、11d、11eの冷却する面が放熱部10の内側に向けて配置されている。そして、ラインL3を通じて制御部4(図1)から与えられる冷却信号によって、冷却板11a、11b、11c、11d、11eは放熱部10の内部空間を冷却するようになっている。なお、斜面15にも、他の面と同様に冷却板を固定してもよい。
【0027】
放熱部10が有する接続管7には弁5が設けられている。この弁5にはラインL2を通じて制御部4(図1)から開弁信号が与えられる。弁5は通常時においては閉弁しているが、制御部4から開弁信号が与えられたとき開弁する。
【0028】
(スチームトラップ2の動作の説明)
弁室37に高温・高圧の蒸気とともにドレンが流入し、滞留したドレンの水位が所定のレベルに達した場合、フロート60はこれに応動して浮上しオリフィス66を開放して開弁する。これによってドレンは、配管内の高圧に基づく勢いに従い、オリフィス66から流出路34を通して矢印102方向に抜け、第二排出管82に排出される。
【0029】
ドレンの排出後は弁室37内のドレンの水位が低下する。このため、フロート60は下降して弁室37の底面に着座し、図1に示す状態に復位してオリフィス66を閉塞し閉弁する。なお、オリフィス66は常時、弁室37内に残留するドレンに埋没した状態にあるため、オリフィス66から蒸気漏れが生じることはない。
【0030】
ところで、流入する蒸気やドレンの状況等によって、スチームトラップにはスチームロッキング現象が生じることがある。このスチームロッキング現象とは、自動弁や配管を含む配管系統に蒸気が充満することによって自動弁の作動が阻害される現象である。
【0031】
スチームロッキング現象としては、たとえばスチームトラップ2の弁室37や第一排出管81の一部に蒸気のみが充満し、ドレンの弁室37への流入が阻止される現象がある。この場合、弁室37にドレンが流入しないことによってフロート60が浮上せず、適正にドレンを排出することができなくなる。
【0032】
スチームロッキング現象が生じた場合、図1に示す第一排出管81には排出されなくなったドレンが滞留して徐々に蓄積される。そして、ドレンは蒸気よりも低温になるため、ドレンの滞留によって第一排出管81の温度が低下し、この温度低下は温度センサ75によって検出され、制御部4は温度低下を把握する。
【0033】
制御部4は第一排出管81の温度低下に基づいて、ラインL2、L3を通じてそれぞれ開弁信号及び冷却信号を出力する。これによって、開弁信号を受けた弁5が作動して開弁する。この開弁によって弁室37と放熱部10との連通が開放され、弁室37内の高圧に従って蒸気は接続管7を通じて勢いよく放熱部10に流入する。
【0034】
このとき、放熱部10内に配置された各冷却板11a、11b、11c、11d、11eの内側面は、制御部4からの冷却信号を受けて吸熱している。このため、流入した蒸気は急速に冷却されて潜熱を放出し、凝縮してドレンを発生する。すなわち、放熱部10は蒸気を冷却してドレンの発生を促す機能を有する。発生したドレンは自重によって斜面15を流下し、接続管7及び上部流路3を通過して弁室37に流入する。
【0035】
蒸気と水の体積比は約3000:1であるため、弁室37や第一排出管81の一部に滞留し、スチームロッキング現象を引き起こしていた蒸気の体積は減少する。これによって第一排出管81内のドレンが弁室37に流入し、スチームロッキング現象が解消され、スチームトラップ2は正常な状態に復帰する。
【0036】
なお、弁5が開弁した際、勢いよく流入して横方向に広がる蒸気は、斜面15に沿って斜め方向に拡散し、効率よく加熱部10で冷却されることになる。また、放熱部10内で発生して落下したドレンは斜面15に沿って確実に接続管7及び上部流路3を通過して弁室37に流下する。
【0037】
本実施形態においては、略直方体の形状を有する放熱部10を示したが、中心軸を鉛直方向に配置した略円筒形状の放熱部を採用することもできる。この場合、放熱部の内周側面に、可撓性のペルチェ装置を湾曲させて固定し、放熱部内に流入した蒸気を冷却する。
【0038】
[第2の実施形態]
次に、本願に係る自動弁の第2の実施形態であるスチームトラップ29を図3に基づいて説明する。本実施形態におけるスチームトラップ29も第1の実施形態と同様、図1に示す蒸気使用システムに用いられ、スチームトラップ29はスチームトラップ2の代わりに設置される。
【0039】
本実施形態におけるスチームトラップ29は、第1の実施形態で示したスチームトラップ2の放熱部10に代えて、図3に示す放熱部20を備えている。スチームトラップ29のその他の構成、作用は第1の実施形態と同様であり、図3において図2と同じ部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
本実施形態におけるスチームトラップ29の放熱部20は、中心軸を鉛直方向に配置した略円筒形状を有しており、熱伝導率が比較的高い金属で構成されている。放熱部20の内部は空間であり、接続管7から上部流路3通じて弁室37に連通している。接続管7には弁5が設けられており、与えられた開弁信号に基づいて弁5は開弁する点は第1の実施形態と同様である。
【0041】
なお放熱部20には、第1の実施形態とは異なりラインL3は接続されておらず、冷却信号は与えられない。放熱部20の外周側面には多数の放熱フィン21が一体的に形成されている。また、放熱部20内の底面は、内周側面から接続管7に向かって下がる斜面25として構成されている。
【0042】
スチームトラップ29にスチームロッキング現象が生じた場合、弁5は制御部4から与えられた開弁信号に基づいて開弁する。この開弁によって弁室37と放熱部20との連通が開放され、弁室37内の高圧に従って蒸気は接続管7を通じて勢いよく放熱部20に流入する。
【0043】
前述のように、放熱部20は熱伝導率が比較的高い金属で構成されており、かつ外周側面に多数の放熱フィン21が一体的に形成されて電熱面積が広く確保されている。このため、放熱部20に流入した蒸気と外気との間で効率的な熱交換が行われ、蒸気は急速に冷却されて潜熱を放出し、凝縮してドレンを発生する。
【0044】
すなわち、放熱部20は蒸気を冷却してドレンの発生を促す機能を有する。発生したドレンは自重によって斜面25を流下し、接続管7及び上部流路3を通過して弁室37に流入する。
【0045】
蒸気が凝縮してドレンを発生させたことによって、弁室37や第一排出管81の一部に滞留し、スチームロッキング現象を引き起こしていた蒸気の体積は減少する。これによって第一排出管81内のドレンが弁室37に流入し、スチームロッキング現象が解消され、スチームトラップ29は正常な状態に復帰する。
【0046】
なお、第1の実施形態と同様、弁5が開弁した際、勢いよく流入して横方向に広がる蒸気は、斜面25に沿って斜め方向に拡散し、効率よく加熱部20で冷却されることになる。また、放熱部20内で発生して落下したドレンは斜面25に沿って確実に接続管7及び上部流路3を通過して弁室37に流下する。
【0047】
本実施形態においては、略円筒形状を有する放熱部20を示したが、略直方体の放熱部を採用することもできる。この場合、放熱部の外側の各面に多数の放熱フィンを一体的に設けて、放熱部20内の冷却を促す。
【0048】
[その他の実施形態]
前述の実施形態においては、フロート式スチームトラップに本願に係る自動弁を適用した例を掲げたが、他の種類のスチームトラップに適用することもできる。
【0049】
また、前述の実施形態においては、促進手段として冷却板11a、11b、11c、11d、11eが設けられた放熱部10や、多数の放熱フィン21が形成された放熱部20を例示したが、弁室(弁室部)内の蒸気に対してドレン(凝縮水)の発生を促すものであれば他の形状、構造を採用することもできる。たとえば、放熱部の外周に冷却水の循環路を設け、循環路内を循環する冷却水によって内部の蒸気を冷却してドレンの発生を促してもよい。
【0050】
また、前述の実施形態においては、検出手段として第一排出管81の温度を検出する温度センサ75を例示したが、スチームロッキング現象を検出するものであれば他の構成を用いることもできる。たとえば、排出管内に滞留するドレン量を検知することによってスチームロッキング現象を検出してもよい。
【符号の説明】
【0051】
2:スチームトラップ 5:弁 10、20:放熱部 30:ボディー 33:流入路
34:流出路 37:弁室 40:カバー 60:フロート 66:オリフィス
75:温度センサ

図1
図2
図3