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特開2022-94549飛散防止カバー及び飛散防止カバーの使用方法
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  • 特開-飛散防止カバー及び飛散防止カバーの使用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094549
(43)【公開日】2022-06-27
(54)【発明の名称】飛散防止カバー及び飛散防止カバーの使用方法
(51)【国際特許分類】
   A47K 17/00 20060101AFI20220620BHJP
   E03D 9/00 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
A47K17/00
E03D9/00 F
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020207501
(22)【出願日】2020-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】520494426
【氏名又は名称】フォーキャスト合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100158023
【弁理士】
【氏名又は名称】牛田 竜太
(72)【発明者】
【氏名】菊▲島▼ 和磨
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
【Fターム(参考)】
2D037BA23
2D038ZA02
(57)【要約】
【課題】
円滑に開閉することができ尿ハネを防止することができる飛散防止シート及び飛散防止シートの使用方法の提供。
【解決手段】
飛散防止カバー1は、トイレの便座20と便器10との間に取り付けられ、カバー部2と、接続部材3と、を有する。洋式トイレの便座20と便器10とに取り付けたとき、接続部材3がカバー部2と便座20とを繋ぐことにより、カバー部2と便座20とが離間し、カバー部2と便座20との間に遊び空間2aが規定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洋式トイレの便座と便器との間に取り付ける飛散防止カバーであって、
蛇腹形状をなし、前記便座の開閉に応じて前記蛇腹形状が伸縮して前記便器と前記便座との間の空間を覆い、前記便器に着脱可能に固定される便器固定部と、前記便座の下面と対向する便座対向部と、を有するカバー部と、
柔軟性を有し、一端が前記便座対向部に接続され、他端が前記便座に接続されることにより、前記カバー部と前記便座とを離間させるための離間部材と、を有し、
前記洋式トイレに取り付けたとき、前記離間部材が前記カバー部と前記便座とを繋ぐことにより前記便座対向部と前記便座とが離間し、前記便座対向部と前記便座との間に遊び空間が規定されることを特徴とする飛散防止カバー。
【請求項2】
前記カバー部は、山折りと谷折りとの繰り返し構造である第1カバー部と、山折りと谷折りとの繰り返し構造である第2カバー部と、を有し、
前記カバー部は、前記第1カバー部の前記山折りの頂点と、前記第2カバー部の前記山折りの頂点と、が当接するように、前記第1カバー部と前記第2カバー部とを結合させて構成されることを特徴とする請求項1に記載の飛散防止カバー。
【請求項3】
前記カバー部は、前記便座を開くとき、中心軸を中心として開き、
前記便座を開いた状態において、前記遊び空間は前記中心軸に近くなるにつれて前記便座対向部と前記便座との距離が近くなるような形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の飛散防止カバー。
【請求項4】
前記離間部材は、前記便座対向部の一部が切り離され、立ち上げられることにより構成されることを特長とする請求項1から3のいずれか1項に記載の飛散防止カバー。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の飛散防止カバーを準備する行程と、
側面視において、前記飛散防止カバーを前記便座の回転中心である便座中心軸からずれた位置に、前記カバー部の中心である中心軸が位置するように前記洋式トイレに固定する行程と、からなる飛散防止カバーの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洋式トイレにおける尿の飛散を防止する飛散防止カバー及び飛散防止カバーの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般の男性が立ちスタイルで便座を上げた状態でトイレをする場合、1日に約2,300滴の尿ハネが起こるとされている。さらに、便器に尿を当てる位置によっても飛散の度合が変わり、特に便器の奥側に向ける場合には非常に多くの尿ハネが起こる。公知のアンケートによると、洋式トイレで小用をするときには立つ人と座る人が約半々であり、既婚者のほうがやや座る傾向にあることが分かっている。
【0003】
他のアンケート結果では、男性の約7割が立って小用をしたいと思っているのに対し、女性の約7割が座って小用をして欲しいと願っている。座って小用をする男性の主な理由は、立ってすると尿ハネでトイレが汚れるからである。
【0004】
便座に座って小用をすることは尿ハネが無いというメリットがあるが、残尿率が高まる、あるいは排尿障害や前立腺肥大等のリスクがある。本来、男性の体は立って尿を足すようにできており、尿を前へと飛ばすために、腹筋と骨盤底筋に力を入れて排尿しなければならない。しかし、座ったまま用を足すと体内で尿道が塞がれてしまい、尿をすべて出し切らずに長い尿道の途中に尿が残ってしまう。残尿による炎症が起きた場合には、排尿障害や前立腺肥大、前立炎症を起こす可能性があり、最悪の場合にはこの炎症から膀胱がんや精巣がんになる危険性も指摘されている。
【0005】
このような背景から、洋式トイレの飛散防止のためのシートが用いられている(特許文献1及び特許文献2)。飛散防止シートは、一対の山折と谷折を繰り返したシートからなり、トイレの便座及び便器に固定され、便座を上げることによりシートが広がり尿の跳ねを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10-150867号公報
【特許文献2】特開平10-296045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の飛散防止シートは、便座と便器との両方にシート端面が固定されているため便座の開閉時にシートが折れ曲がるという問題があった。図8(a)及び図9(a)に示すように、従来の飛散防止カバー101は、一端が便器10に固定され、他端が便座20に固定されている。詳細には、飛散防止カバー101は平滑なシートを蛇腹状に折り曲げるように構成されており、一方の端面が便器10に隙間なく固定され、他方の端面が便座20に隙間なく固定されている。
【0008】
この状態で便座20の開閉を行うと、図8(b)及び図9(b)に示すように、飛散防止カバー101の上部が折れ曲がってしまい便座20を閉じることができない。これは、図9(b)に示すように、便座20の回転中心となる便座中心軸20Cと飛散防止カバー101の回転中心である中心軸101Cとが前後方向にずれていることにより、一点鎖線で示す便座20が描く軌跡20Rと点線で示す飛散防止カバー101が描く軌跡101Rとがずれることが原因である。両者の軌跡にずれが生じるため、便座20を閉じるとき、当該ずれがひずみとなって飛散防止カバー101が部分的に折れ曲がってしまう。そうすると、便座20を閉じることができず、飛散防止カバー101を使用することができない。
【0009】
便座中心軸20Cと中心軸101Cとを近接させることで軌跡のずれを最小限に抑えることができるが、便座中心軸20Cの周囲には温水洗浄器等が備え付けられているため、両者の近接化は困難であるとともに、側面視において便座中心軸20Cと中心軸101Cとを一致させて完全にずれをなくすことは困難である。
【0010】
そこで、本発明は、円滑に開閉することができ尿ハネを防止することができる飛散防止シート及び飛散防止シートの使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、洋式トイレの便座と便器との間に取り付ける飛散防止カバーであって、前記便座の開閉に応じて前記蛇腹形状が伸縮して前記便器と前記便座との間の空間を覆い、前記便器に着脱可能に固定される便器固定部と、前記便座の下面と対向する便座対向部と、を有するカバー部と、柔軟性を有し、一端が前記便座対向部に接続され、他端が前記便座に接続されることにより、前記カバー部と前記便座とを離間させるための離間部材と、を有し、前記洋式トイレに取り付けたとき、前記離間部材が前記カバー部と前記便座とを繋ぐことにより、前記便座対向部と前記便座とが離間し、前記便座対向部と前記便座との間に遊び空間が規定されることを特徴とする飛散防止カバーを提供している。
【0012】
ここで言う蛇腹形状とは、山折りと谷折りとを繰り返した伸縮可能な構造を意味する。
【0013】
また、前記カバー部は、山折りと谷折りとの繰り返し構造である第1カバー部と、山折りと谷折りとの繰り返し構造である第2カバー部と、を有し、前記カバー部は、前記第1カバー部の前記山折りの頂点と、前記第2カバー部の前記山折りの頂点と、が当接するように、前記第1カバー部と前記第2カバー部とを結合させて構成されることが好ましい。
【0014】
また、前記カバー部は、前記便座を開くとき、中心軸を中心として開き、前記便座を開いた状態において、前記遊び空間は前記中心軸に近くなるにつれて前記便座対向部と前記便座との距離が近くなるような形状であることが好ましい。
【0015】
ここで言う中心軸とは、図3(a)に示すようなカバー部の一部としての中心軸1Cである場合に限らず、図7に示すようなカバー部から離間した仮想中心軸401Cも含む概念である。
【0016】
また、前記離間部材は、前記便座対向部の一部が切り離され、立ち上げられることにより構成されることが好ましい。
【0017】
本発明の別の観点によると、上述の飛散防止カバーを準備する行程と、側面視において、前記飛散防止カバーを前記便座の回転中心である便座中心軸からずれた位置に、前記カバー部の中心である中心軸が位置するように前記洋式トイレに固定する行程と、からなる飛散防止カバーの使用方法を提供している。
【0018】
ここでいう中心軸とは、カバー部上における中心軸に限らず、カバー部上に位置していない仮想中心軸も含む概念である。
【発明の効果】
【0019】
このような構成によると、飛散防止カバーを洋式トイレに取り付けたとき便器とカバー部とが離間部材によって離間するため、カバー部が歪むことなく便座の開閉を円滑に行うことができる。また、離間部材が柔軟性を有しているため、便座の開閉時にカバー部に発生する歪みを緩和し、便座の開閉を円滑に行うことができる。さらに、離間部材によって便座と便座対向部との間に遊び空間が規定されるため、遊び空間がカバー部に発生する歪みを緩和し、便座の開閉を円滑に行うことができる。
【0020】
このような構成によると、カバー部は第1カバー部と第2カバー部とを結合させて構成されるため、便座の開閉時にカバー部が湾曲して歪むことがない。これにより、便座の開閉を円滑に行うことができる。
【0021】
このような構成によると、遊び空間は中心軸に近くなるにつれて便座対向部と便座との距離が近くなるような形状であるため、遊び空間がカバー部に発生する歪みを緩和し、便座の開閉を円滑に行うことができる。
【0022】
このような構成によると、便座対向部が離間部材を兼ねているため、部品点数を減らし製造コストを削減することができる。
【0023】
このような構成によると、便座中心軸の周囲に温水洗浄器等が配置されているトイレであっても本発明の飛散防止カバーを使用することができる。これにより、便座や便器の形状に依らず、飛散防止カバーを任意のトイレに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1の実施の形態による飛散防止カバーを洋式トイレに装着したときの斜視図。
図2】本発明の第1の実施の形態による飛散防止カバーを洋式トイレに装着したときの便座の開閉動作を説明するための斜視図であって、図2(a)は便座を閉じた状態の斜視図、図2(b)は便座の開閉途中の斜視図、図2(c)は便座を開いた状態の斜視図。
図3】本発明の第1の実施の形態による飛散防止カバーを洋式トイレに装着したときの側面図であって、図3(a)は便座を開いた状態の側面図、図3(b)は便座の開閉途中の側面図。
図4】本発明の第2の実施の形態による飛散防止カバーを洋式トイレに装着したときの便座の開閉動作を説明するための斜視図であって、図4(a)は便座を閉じた状態の斜視図、図4(b)は便座の開閉途中の斜視図、図4(c)は便座を開いた状態の斜視図。
図5】本発明の第2の実施の形態による飛散防止カバーのカバー部の組み立て方法を説明するための斜視図であって、図5(a)は第1カバー部と第2カバー部とが分離した状態の斜視図、図5(b)は第1カバー部と第2カバー部とを結合したときの斜視図。
図6】本発明の変形例による飛散防止カバーのカバー部と離間部材を表す図。
図7】本発明の変形例による飛散防止カバーを洋式トイレに装着したときの側面図。
図8】従来の飛散防止カバーを洋式トイレに装着したときの斜視図であって、図8(a)は便座を開いた状態の斜視図、図8(b)は便座の開閉途中の斜視図。
図9】従来の飛散防止カバーを洋式トイレに装着したときの側面図であって、図9(a)は便座を開いた状態の側面図、図9(b)は便座の開閉途中の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の第1の実施の形態の飛散防止カバー1を図1乃至図3に基づき説明する。図中に示すように、上下前後左右方向を定義する。飛散防止カバー1は、洋式トイレにおいて男性が小用をするときに周囲への尿の飛散を防止するために用いられる。飛散防止カバー1は2つ1組で構成され、洋式トイレの便器10の左右方向の両側面に装着される。
【0026】
飛散防止カバー1は、カバー部2と、離間部材3と、から構成される。カバー部2は、中心軸1C(図3)を中心として開閉する略扇形状である。カバー部2は、便器10に着脱可能に固定される便器固定部21と、便座20と対向する便座対向部22と、を有している。本実施の形態では、飛散防止カバーは使い捨てのため紙製だが、これに限定されず、柔軟性を有する不織布、シリコン製、又は樹脂製であってもよく、洗浄して繰り返し使用可能としてもよい。
【0027】
便器固定部21は、両面テープ又は面テープ等で便器10に着脱可能に固定される。便座対向部22は、便座20を開いた状態で便座20と離間しつつ対向しており、前側部分に離間部材3の一端が接続される。図1及び図3に斜線で示すように、便座20を開いた状態では、便座対向部22と、離間部材3と、便座20と、によって囲まれた遊び空間2aが規定される。
【0028】
カバー部2は、山折りと谷折りとを繰り返すことにより構成される蛇腹形状であって、後端部の便器固定部21と便座対向部22とを互いに固定することにより、図3に示す中心軸1Cとなる。なお、カバー部2の表面に防臭、抗菌、除菌、防水、撥水、及び芳香のコーティングのうち少なくとも1つを施してもよく、内側又は外側の面にのみ当該コーティングを施してもよい。
【0029】
離間部材3は便座対向部22と便座20とを離間させるための部材であって、略平板形状の柔軟性を有する紙で構成され、一端が便座対向部22に接続され、他端が便座20に接続される。詳細には、離間部材3の一端が便座対向部22に固定され、他端は両面テープで着脱可能に便座20に取り付けられる。離間部材3の長さは、カバー部2の形状に応じて任意に設定することができる。なお、離間部材3は、面テープ、又はジェル状の粘着剤によって便座20に着脱可能に固定してもよい。また、離間部材3はカバー部2と一体的に設けられていたが、カバー部2と離間部材3とを別体として構成してもよい。
【0030】
飛散防止カバー1を洋式トイレに取り付けるときは、便器10の左右方向それぞれにおいて、便器固定部21を便器10に固定し、離間部材3の他端を便座20に貼付する。このとき、図3(a)に示すように、カバー部2の回転中心である中心軸1Cが便座20の回転中心である便座中心軸20Cに近接するように取り付けることが望ましい。これにより、点線で示す飛散防止カバー1が描く軌跡1Rと一点鎖線で示す便座20が描く軌跡20Rとが近づくため、カバー部2に生じる歪みを抑制することができる。
【0031】
図2(a)に示す閉状態から使用者が便座20を矢印の方向に開けると、図2(b)に示すように離間部材3がカバー部2を持ち上げ、図2(c)に示すように便座20が開いた状態となってカバー部2が便器10と便座20との間の側面を覆う。このとき、図1及び図3(a)に斜線で示すように、遊び空間2aが規定される。このとき遊び空間2aは、中心軸1Cに近づくにつれて便座対向部22との距離が近くなる形状である。なお、遊び空間2aの形状はこれに限定されず、離間部材3の長さや形状に応じて任意に設定することができる。
【0032】
使用者が便座20を閉じるときは、図2(c)から図2(b)を経て図2(a)の状態となる。このとき、図3(b)に示すように、遊び空間2aが規定されているため、飛散防止カバー1の中心軸1Cと便座中心軸20Cとが前後方向にずれていることにより便座20が描く軌跡20Rと飛散防止カバー1が描く軌跡1Rとが異なっていたとしても、当該ずれを離間部材3及び遊び空間2aが緩和する。これにより、カバー部2が歪むことなく、便座20の円滑な開閉を行うことができる。
【0033】
このような構成によると、飛散防止カバー1を洋式トイレに取り付けたとき便器10とカバー部2とが離間部材3によって離間するため、カバー部2が歪むことなく便座20の開閉を円滑に行うことができる。また、離間部材3が柔軟性を有しているため、便座20の開閉時にカバー部2に発生する歪みを緩和し、便座20の開閉を円滑に行うことができる。さらに、離間部材3によって便座20と便座対向部22との間に遊び空間2aが規定されるため、遊び空間2aがカバー部2に発生する歪みを緩和し、便座20の開閉を円滑に行うことができる。
【0034】
このような構成によると、遊び空間2aは中心軸1Cに近くなるにつれて便座対向部22と便座20との距離が近くなるような形状であるため、遊び空間2aがカバー部2に発生する歪みを緩和し、便座20の開閉を円滑に行うことができる。
【0035】
このような構成によると、便座中心軸20Cの周囲に温水洗浄器等が配置されている洋式トイレであっても本発明の飛散防止カバー1を使用することができる。これにより、便座20や便器10の形状に依らず任意の洋式トイレに使用することができる。
【0036】
次に、本発明の第2の実施の形態について、図4及び図5を参照して説明する。第1の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0037】
飛散防止カバー201は、カバー部202と、離間部材3と、から構成される。カバー部202は、便器10に着脱可能に固定される便器固定部221と、便座20と対向する便座対向部222と、を有している。第2の実施の形態では、カバー部202が2つのカバー部を組み合わせたアコーディオン形状であることを特徴としている。これにより、カバー部202が左右方向に折れ曲がることがなくなり、安定的に便器10の開閉を行うことができる。
【0038】
図5を参照してカバー部202の作成方法を説明する。カバー部202は、1枚のシートの山折と谷折とを等間隔に繰り返した第1カバー部223と、第1カバー部223と略同形状の第2カバー部224と、から構成される。図5(a)に示すように、第1カバー部223の各頂点223Aと、第2カバー部224の各頂点224Aとが互いに対向するように配置し、図5(b)に示すように、頂点223Aと頂点224Aとをテープ等で互いに固定する。この状態で、後端部において、第1カバー部223及び第2カバー部224の上端面と下端面とを固定することにより後端部に中心軸1Cが形成され、略扇形のカバー部202となる。
【0039】
このような構成によると、カバー部202は第1カバー部223と第2カバー部224とを結合させて構成されるため、便座20の開閉時にカバー部202が湾曲して歪むことがない。これにより、便座20の開閉を円滑に行うことができる。
【0040】
本発明による飛散防止カバー及び飛散防止カバーの使用方法は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
【0041】
図6に示すように、カバー部302に一体的に離間部材303を設けてもよい。便座対向部322には点線で示すミシン目322aが形成され、ミシン目322aで囲まれた領域が離間部材303となる。離間部材303の端部には両面テープ303Aが設けられている。カバー部302を便座20に固定する際は、ミシン目322aを切り離して離間部材303を形成し、両面テープ303Aを便座20に貼付する。このような構成によると、カバー部302と離間部材303とが一体化しているため、部品点数を減らし製造コストを削減することができる。
【0042】
なお、離間部材はシール状の素材であって便座対向面に剥離可能に貼付されていて、便座対向面から剥離して立ち上がることにより構成されてもよい。
【0043】
図7に示すように、飛散防止カバー401のカバー部402の中心部分が欠落した円弧形状であって、離間部材3によって便座20に固定されていてもよい。カバー部402は、仮想中心軸401Cを中心として軌跡401Rに沿うように便器10と便座20との間を開閉する。
【0044】
上述の実施の形態では、離間部材3として略平板形状の紙製であったが、これに限定されない。離間部材は、紐状、又は蛇腹状であってもよく、シリコン又は樹脂製であってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 飛散防止カバー
1C 中心軸
2 カバー部
2a 遊び空間
3 離間部材
10 便器
20 便座
20C 便座中心軸
21 便器固定部
22 便座対向部
23 第1カバー部
24 第2カバー部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9