(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022009457
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】水流発電装置の設置方法
(51)【国際特許分類】
F03B 13/10 20060101AFI20220106BHJP
F03B 13/26 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
F03B13/10
F03B13/26
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021173798
(22)【出願日】2021-10-25
(62)【分割の表示】P 2018029880の分割
【原出願日】2018-02-22
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26年度から平成29年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「海洋エネルギー技術研究開発/海洋エネルギー発電システム実証研究/水中浮遊式海流発電」共同研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 秀輝
(74)【代理人】
【識別番号】100116920
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 光
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】長屋 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】上野 智裕
【テーマコード(参考)】
3H074
【Fターム(参考)】
3H074AA06
3H074AA08
3H074AA12
3H074BB15
3H074CC18
(57)【要約】
【課題】水流発電装置の設置が容易に行える水流発電装置の設置方法を提供する。
【解決手段】水底に配置したアンカ4対し係留ロープ3で浮体2を水中で係留し、浮体2に設けられたタービン20を水流FWによって回転させて発電を行う水流発電装置1の設置方法であって、浮体2とアンカ4を係留ロープ3で連結した状態で台船6により設置水域まで移送する移送工程と、設置水域にてアンカ4を沈降させ、アンカ4に対し係留ロープ3で係留して浮体2を水中に配置する配置工程とを含んで構成されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水底に配置したアンカに対し係留ロープで浮体を水中で係留し、前記浮体に設けられたタービンを水流によって回転させて発電を行う水流発電装置の設置方法であって、
前記浮体と前記アンカを前記係留ロープで連結した状態で船舶により設置水域まで移送する移送工程と、
前記設置水域にて前記アンカを沈降させ、前記アンカに対し前記係留ロープで係留して前記浮体を水中に配置する配置工程と、
を含む水流発電装置の設置方法。
【請求項2】
前記移送工程において、前記船舶により前記浮体を曳航して前記浮体の移送が行われる、
請求項1に記載の水流発電装置の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水流発電装置の設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水流発電装置として、特表2014-534375号公報に記載されるように、潜水可能な浮体(プラットフォーム)に係留ロープを取り付け、海底上のアンカに対し係留ロープを用いて浮体を係留する装置が知られている。浮体には水流によって回転するブレードが設けられており、ブレードの回転によって発電が行われる。
【0003】
この水流発電装置の設置方法としては、まず、設置水域において、係留ロープ(係留線)を接続したアンカが水底に設置される。そして、浮体に係留ロープが接続され、浮体が水中内に配置され、水流発電装置の設置が完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような水流発電装置の設置方法では、円滑に設置作業が行えないおそれがある。例えば、水流発電装置の設置水域は、天候によって水面が荒れることがあり、上下動する船舶上で浮体と係留ロープで連結する作業は容易ではない。また、係留ロープでの連結を水中で行うことも考えられるが、天候によってかなり困難な作業となる。
【0006】
そこで、水流発電装置の設置が容易に行える設置方法の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本開示の一態様に係る水流発電装置の設置方法は、水底に配置したアンカに対し係留ロープで浮体を水中で係留し、浮体に設けられたタービンを水流によって回転させて発電を行う水流発電装置の設置方法であって、浮体とアンカを係留ロープで連結した状態で船舶により設置水域まで移送する移送工程と、設置水域にてアンカを沈降させ、アンカに対し係留ロープで係留して前記浮体を水中に配置する配置工程とを含んで構成される。この水流発電装置の設置方法によれば、浮体とアンカを係留ロープで連結した状態で船舶により設置水域まで移送する。このため、設置水域にて浮体とアンカを係留ロープで連結する作業を行う必要がない。従って、設置水域での作業が円滑に行え、水流発電装置の設置が容易に行える。
【0008】
また、本開示の一態様に係る水流発電装置の設置方法において、移送工程にて船舶により浮体を曳航して浮体の移送が行われてもよい。この場合、浮体を船舶に積載する必要がないため、浮体を船舶上に積載する場合と比べて大きな船舶でなくても浮体の移送が可能となる。
【0009】
また、本開示の一態様に係る水流発電装置の設置方法において、移送工程にて、船舶に対しアンカを水中で吊り下げた状態としてアンカの移送が行われてもよい。この場合、アンカを船舶に積載する必要がないため、アンカを船舶上に積載する場合と比べて大きな船舶でなくてもアンカの移送が可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る発明によれば、水流発電装置の設置が容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施形態に係る水流発電装置の設置方法で用いられる水流発電装置の概要を示す図である。
【
図2】
図1の水流発電装置における発電用ポッドの説明図である。
【
図3】実施形態に係る水流発電装置の設置方法における取付工程の説明図である。
【
図4】実施形態に係る水流発電装置の設置方法における取付工程の説明図である。
【
図5】実施形態に係る水流発電装置の設置方法における移送工程の説明図である。
【
図6】実施形態に係る水流発電装置の設置方法における配置工程の説明図である。
【
図7】実施形態に係る水流発電装置の設置方法における移送工程の説明図である。
【
図8】実施形態に係る水流発電装置の撤去方法の説明図である。
【
図9】実施形態に係る水流発電装置の撤去方法の説明図である。
【
図10】実施形態に係る水流発電装置の撤去方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
本開示の実施形態の水流発電装置1の設置方法の説明に先立ち、水流発電装置1について説明する。
図1は、水流発電装置の構成概要図である。この
図1に示すように、水流発電装置1は、水中に浮体2を浮遊させ、浮体2に設けられたタービン20を水流FWによって回転させ、タービン20の回転によって発電を行う装置である。例えば、水流発電装置1は、海洋に設置され、海流によって発電する場合に用いられる。浮体2は、アンカ4に対し係留ロープ3により係留されている。浮体2は、左右二つの発電用ポッド21をビーム22によって連結し、二つの発電用ポッド21の間に中央ポッド27を配置して構成される。ビーム22は、例えば矩形の板状体を水平に配置して設けられる。中央ポッド27は、ビーム22の上部に取り付けられている。中央ポッド27は、浮体2の浮力調整機能を備えており、内部にバラストタンクを設けている。
【0014】
発電用ポッド21には係留ロープ3の一端が取り付けられ、係留ロープ3の他端が水底に設置されるアンカ4に取り付けられている。また、発電用ポッド21には送電ケーブル5が接続されている。送電ケーブル5は、係留ロープ3に沿って設けられている。送電ケーブル5は、発電した電力を送電するためのケーブルである。
【0015】
係留ロープ3は、浮体2をアンカ4に係留するためのロープ材であり、例えばワイヤロープやチェーンなどの強靭なロープ材により構成される。
図1では、係留ロープ3として、浮体2側の端部を二つに分岐させたロープ材が用いられている。すなわち、係留ロープ3の浮体2側の二つの端部の一方は右の発電用ポッド21に取り付けられ、他方は左の発電用ポッド21に取り付けられている。アンカ4は、浮体2が水流FWで流されないように保持するための構造物であり、例えばコンクリート製又は金属製のものが用いられる。
【0016】
図2は、発電用ポッド21の構造の一例を示す概要図である。この
図2に示すように、発電用ポッド21は、本体211の後部にタービン20を設けて構成されている。発電用ポッド21の本体211は、例えば前部及び後部を閉塞した中空の筒状体により構成される。なお、浮体2及び発電用ポッド21において、「前部」は設置された場合の水流FWの上流側の部分を意味し、「後部」は水流FWの下流側の部分を意味する。また、「前方」は設置された場合の水流FWの上流側を意味し、「後方」は水流FWの下流側を意味する。
【0017】
タービン20は、ブレード20a及びハブ20bを備えている。ブレード20aは、水流FWを受けて回転力を発生させる翼部材であり、ハブ20bの外周に径方向へ向けて複数設けられている。
図2では、二つのブレード20aを備えたタービン20を示しているが、三つ以上のブレード20aを備えたタービンを用いる場合もある。ハブ20bは、発電用ポッド21の前後方向に向けた軸線を中心に回転可能に設けられ、例えば発電機23の回転軸23aに取り付けられ、回転軸23aと一体に回転する。
【0018】
発電機23は、タービン20の回転の運動エネルギを電気エネルギに変換する機器であり、タービン20の回転力を受けて発電する。発電機23にはパワーコンディショナ24や受電部25が接続されている。パワーコンディショナ24は、発電機23の出力(電圧、電流、発電電力)の調整及び発電運転制御を行う。受電部25は、交流電力等に変圧する。受電部25から出力される電力は、送電ケーブル5を通じて陸上などへ送電される。パワーコンディショナ24や受電部25には、システム制御部26が接続されている。
【0019】
発電用ポッド21の下部には、係留ロープ3が取り付けられている。係留ロープ3は、発電用ポッド21の下面に設けられる留め具211aに留められている。送電ケーブル5は、発電用ポッド21からその外部へ引き出されている。送電ケーブル5は、係留ロープ3に沿って配される。例えば、送電ケーブル5は、所定の間隔で係留ロープ3に掛止され、係留ロープ3から離間しないように設けられている。
【0020】
なお、水流発電装置1について説明したが、設置対象となる水流発電装置は、上述の水流発電装置1に限られるものではない。例えば、上述の水流発電装置1では、左右二つの発電用ポッド21の間に中央ポッド27を備えているが、中央ポッド27を備えず左右二つの発電用ポッド21をビーム22によって連結した浮体2を用いてもよい。また、一つの発電用ポッド21を備える浮体を用いた水流発電装置であってもよいし、また、三つ以上の発電用ポッド21を備える浮体を用いた水流発電装置であってもよい。
【0021】
また、上述の水流発電装置1では、発電用ポッド21に係留ロープ3が接続されているが、係留ロープ3は、浮体2における発電用ポッド21以外の部分に接続されていてもよい。例えば、係留ロープ3は、左右の発電用ポッド21の間に設けられるビーム22に接続されていてもよい。
【0022】
次に、本実施形態に係る水流発電装置1の設置方法を説明する。
【0023】
図3、4は、台船6に対する浮体2及びアンカ4の取付工程の説明図である。
図3は台船6を側方から見た図であり、
図4は台船6の後部を上方から見た図である。
【0024】
まず、
図3に示すように、台船6に対し浮体2及びアンカ4の取り付けが行われる。台船6は、設置水域まで水流発電装置1を移送するための船舶である。設置水域は、水流発電装置1を設置すべき水域である。この取付作業は、港などの沿岸付近で行われる。すなわち、浮体2及びアンカ4の取り付けが波の小さい港湾などで行われることにより、取付作業が円滑に行える。浮体2は、台船6の後方に配置され、ロープ材61によって台船6に接続される。例えば、
図4に示すように、浮体2の二つの発電用ポッド21のそれぞれにロープ材61が取り付けられる。
【0025】
アンカ4は、台船6の後方で吊り下げられる。例えば、アンカ4は、吊下げロープ63を用いて水中で吊り下げられる。また、アンカ4が移送時に揺れ動かないように、アンカ4は支持ロープ62により台船6に接続されてもよい。例えば、支持ロープ62は、アンカ4の左右に一つずつ取り付けられる。これにより、アンカ4の左右方向の揺れが抑えられる。さらに、支持ロープ62によりアンカ4を台船6の船首位置と接続してもよい。この場合、アンカ4の前後方向の揺れが抑えられる。
【0026】
図3、4において、浮体2とアンカ4は、係留ロープ3で連結した状態で台船6に対し取り付けられている。係留ロープ3における浮体2とアンカ4の間の余剰部分は、台船6上に載せられている。浮体2の発電用ポッド21から延出する送電ケーブル5は、係留ロープ3に沿って配され、係留ロープ3と同様に余剰部分が台船6上に載せられる。浮体2及びアンカ4は、台船6上に積まれていないため、台船6上に浮体2及びアンカ4を積載する場合と比べて、大きくない台船6を用いることができる。つまり、台船6として、最大積載量の小さい船舶を用いることができる。浮体2とアンカ4を係留ロープ3で連結した状態で台船6に対し浮体2及びアンカ4の台船6への取付作業を行ってもよいし、浮体2とアンカ4を台船6に取り付けた後に係留ロープ3により浮体2とアンカ4を連結してもよい。
【0027】
次に、水流発電装置1を設置水域まで移送する工程が行われる。例えば、
図5に示すように、タグボート7によって台船6を曳航し、沿岸から設置領域まで水流発電装置1が移送される。このとき、浮体2とアンカ4は係留ロープ3で連結した状態で設置水域まで移送される。このため、設置水域にて、浮体2とアンカ4を係留ロープ3で連結する作業が不要となる。
【0028】
図6に示すように、台船6が設置水域に到着したら、浮体2及びアンカ4の配置工程が行われる。まず、浮体2からロープ材61が取り外され、アンカ4から支持ロープ62が取り外される。そして、吊下げロープ63が繰り出されて、アンカ4が水底に向けて沈降される。一方、浮体2に接続される係留ロープ3及び送電ケーブル5も繰り出され、浮体2が台船6から離間される。このとき、
図6のように、浮体2を台船6から離間するようにタグボート8により浮体2を牽引してもよい。なお、浮体2の離間作業をアンカ4の沈降作業の先に行ってもよいし、これらの作業を同時に行ってもよい。この浮体2及びアンカ4の配置工程において、浮体2とアンカ4が既に係留ロープ3により連結されているため、浮体2とアンカ4の連結作業が不要となる。このため、浮体2及びアンカ4の配置工程が迅速かつ容易に行える。
【0029】
そして、
図7に示すように、アンカ4が水底に到達したら、吊下げロープ63が切り離される。このとき、無人水中探査機を用いて、アンカ4の着底状態を確認してもよい。一方、浮体2が作動され、浮力調整が行われる。これにより、浮体2が水中へ潜水し、水中に配置される。そして、台船6を移動させることにより、送電ケーブル5が水底で陸上へ向けて敷設されていく。送電ケーブル5の敷設を終えたら、水流発電装置1の設置作業が完了する。
【0030】
次に、本実施形態に係る水流発電装置1の撤去方法について説明する。
【0031】
この水流発電装置1の撤去方法は、設置した水流発電装置1を設置水域から撤去する方法である。まず、
図8に示すように、浮体2の浮力調整が行われ、浮体2が水面まで浮上させられる。そして、
図9に示すように、アンカ4が水面に向けて引き上げられる。この引き上げ作業は、台船6をアンカ4の上方の水面に位置させ、台船6に備えたウインチ(図示なし)などにより係留ロープ3を巻き上げることにより行えばよい。また、係留ロープ3に代えて、巻上げ用のロープ材をアンカ4に取り付けて、そのロープ材を巻き上げることによりアンカ4を引き上げてよい。
【0032】
図10に示すよう、アンカ4を台船6の近くまで引き上げたら、アンカ4に支持ロープ62が取り付けられる。これにより、アンカ4は、台船6に吊下げられた状態で台船6により移送可能となる。また、浮体2にはロープ材61が取り付けられる。これにより、浮体2は、台船6により曳航されて移送可能な状態となる。つまり、アンカ4及び浮体2は、係留ロープ3により連結した状態で台船6によって移送可能な状態となっている。
【0033】
タグボート7により台船6が曳航され、沿岸へ向けて移送される。このとき、水底に沿って配置されている送電ケーブル5は、台船6に設置されるウインチ(図示なし)などより巻き上げられる。これにより、送電ケーブル5の撤去も行える。
【0034】
以上説明したように、本実施形態に係る水流発電装置1の設置方法によれば、浮体2とアンカ4を係留ロープ3で連結した状態で船舶により設置水域まで移送する。このため、設置水域にて浮体2とアンカ4を係留ロープ3で連結する作業を行う必要がない。従って、設置水域での作業が円滑に行え、水流発電装置1の設置が容易に行える。
【0035】
例えば、設置水域にて浮体2とアンカ4を係留ロープ3で連結しようとすると、天候状況により水面が荒れている場合など作業の足場が揺らぎ連結作業は容易でない。これに対し、本実施形態に係る水流発電装置1の設置方法では、浮体2とアンカ4を係留ロープ3で連結する作業を省略できるため、水流発電装置1の設置が容易に行える。
【0036】
また、本実施形態に係る水流発電装置1の設置方法において、台船6に対しロープ材61で浮体2を曳航して浮体2の移送を行うことにより、浮体2を台船6に積載する必要がないため、浮体2を台船6上に積載する場合と比べて大きな台船6でなくても浮体2の移送が可能となる。
【0037】
また、本実施形態に係る水流発電装置1の設置方法において、台船6に対しアンカ4を水中で吊り下げて移送することにより、アンカ4を台船6に積載する必要がないため、アンカ4を台船6上に積載する場合と比べて大きな台船6でなくても浮体2の移送が可能となる。
【0038】
また、本実施形態に係る水流発電装置1の設置方法によれば、浮体2とアンカ4を係留ロープ3で連結した状態で船舶により設置水域まで移送するため、浮体2とアンカ4を連結するためのコネクタが不要となる。このコネクタは、浮体2とアンカ4を簡易に連結可能であって、浮体2を係留するための大きな引張強度を有するものでなければならず、特殊な部品となる。これに対し、本実施形態に係る水流発電装置1の設置方法では、このようなコネクタが不要であり、設置コストの低減が図れる。
【0039】
本実施形態に係る水流発電装置1の撤去方法によれば、浮体2とアンカ4を係留ロープ3で連結した状態で船舶により水流発電装置1を沿岸に向けて移送する。このため、設置水域にて浮体2とアンカ4の連結を解除する作業を行う必要がない。従って、設置水域での作業が円滑に行え、水流発電装置1の撤去が容易に行える。
【0040】
なお、以上のように本開示の実施形態に係る水流発電装置1の設置方法ついて説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲の記載の要旨を逸脱しない範囲で様々な変形態様を取ることができる。
【0041】
例えば、上述した実施形態においては、水流発電装置が海に設置される場合について説明したが、本発明に係る水流発電装置は、河川や湖などの水中に設置される場合もある。この場合であっても、水流による発電可能であれば、上述した実施形態に係る水流発電装置1の設置方法と同様な作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0042】
1 水流発電装置
2 浮体
3 係留ロープ
4 アンカ
5 送電ケーブル
6 台船
7 タグボート
8 タグボート
20 タービン
20a ブレード
20b ハブ
21 発電用ポッド
22 ビーム
23 発電機
24 パワーコンディショナ
25 受電部
26 システム制御部
27 中央ポッド
61 ロープ材
62 支持ロープ
63 吊下げロープ
211 本体
211a 留め具
FW 水流