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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094595
(43)【公開日】2022-06-27
(54)【発明の名称】家電システム
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20220620BHJP
   F25D 23/00 20060101ALN20220620BHJP
【FI】
F25D11/00 101B
F25D23/00 301A
F25D23/00 301L
F25D23/00 301G
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020207565
(22)【出願日】2020-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】竹内 慎
(72)【発明者】
【氏名】中野 太陽
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045BA01
3L045CA02
3L045DA02
3L045EA01
3L045LA01
3L045LA06
3L045LA10
3L045LA11
3L045MA02
3L045MA15
3L045NA03
3L045NA15
3L045NA16
3L045NA17
3L045PA01
3L045PA02
3L045PA03
3L345AA02
3L345AA16
3L345AA21
3L345AA26
3L345CC01
3L345DD21
3L345DD36
3L345DD57
3L345EE03
3L345EE13
3L345EE37
3L345EE45
3L345EE49
3L345EE53
3L345FF13
3L345FF25
3L345FF32
3L345FF41
3L345FF49
3L345HH09
3L345HH13
3L345HH26
3L345HH34
3L345HH38
3L345HH39
3L345HH42
3L345JJ04
3L345JJ08
3L345JJ17
3L345JJ23
3L345KK01
3L345KK02
3L345KK03
(57)【要約】
【課題】利便性の向上を図ることができる家電システムを提供することである。
【解決手段】実施形態の家電システムは、特定部と、制御部とを持つ。特定部は、家電機器の動作設定を変更することとは異なるユーザの動作を示す情報に基づき、ユーザに応じた家電機器の動作設定を特定する。制御部は、特定部により特定された家電機器の動作設定に基づき、家電機器を制御する、または家電機器の動作設定を変更する提案をユーザに報知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家電機器の動作設定を変更することとは異なるユーザの動作を示す情報に基づき、前記ユーザに応じた前記家電機器の動作設定を特定する特定部と、
前記特定部により特定された前記家電機器の動作設定に基づき、前記家電機器を制御する、または前記家電機器の動作設定を変更する提案を前記ユーザに報知する制御部と、
を備えた家電システム。
【請求項2】
前記家電機器の状態を定量的に示す状態値を取得する状態値取得部をさらに備え、
前記特定部は、前記ユーザの動作を示す前記情報に基づいて、前記ユーザに応じた前記家電機器の制御用の閾値を特定し、
前記制御部は、前記状態値取得部により取得された前記状態値と、前記特定部により特定された前記閾値とに基づいて、前記家電機器を制御する、
請求項1に記載の家電システム。
【請求項3】
前記特定部が特定した前記動作設定から、前記ユーザの操作による設定変更が行われた場合、前記特定部は、変更前の前記動作設定を再度特定することを抑制する、
請求項1または請求項2に記載の家電システム。
【請求項4】
前記家電機器は冷蔵庫であり、
前記特定部は、前記冷蔵庫の扉の開閉履歴を確認する前記ユーザの確認動作を示す情報に基づき、前記ユーザに応じた前記冷蔵庫の消費電力に関する設定を特定する、
請求項1から3の何れか一項に記載の家電システム。
【請求項5】
前記特定部は、前記冷蔵庫の消費電力に関する設定として、前記冷蔵庫の庫内温度に関する温度閾値または時間閾値の少なくとも何れかを特定し、
前記制御部は、前記特定部により特定された前記温度閾値または前記時間閾値の少なくとも何れかに基づき、前記冷蔵庫を制御する、
請求項4に記載の家電システム。
【請求項6】
前記家電機器は冷蔵庫であり、
前記特定部は、前記冷蔵庫の消費電力を確認する前記ユーザの確認動作を示す情報に基づき、前記ユーザに応じた前記冷蔵庫の消費電力に関する設定を特定する、
請求項1から5の何れか一項に記載の家電システム。
【請求項7】
前記家電機器は冷蔵庫であり、
前記特定部は、庫内に収容される食品の賞味期限を入力するユーザの動作に基づいて、前記ユーザに応じた前記冷蔵庫の温度管理に関する設定を特定する、
請求項1から6の何れか一項に記載の家電システム。
【請求項8】
前記家電機器は冷蔵庫であり、
前記特定部は、前記ユーザの購買に関する動作の傾向を示す情報に基づいて、前記ユーザに応じた前記冷蔵庫の温度管理に関する設定を特定する、
請求項1から7の何れか一項に記載の家電システム。
【請求項9】
前記家電機器は冷蔵庫であり、
前記特定部は、食材の栄養に関する前記ユーザの確認動作を示す情報に基づいて、前記ユーザに応じた前記冷蔵庫の温度管理に関する設定を特定する、
請求項1から8の何れか一項に記載の家電システム。
【請求項10】
前記家電機器は冷蔵庫であり、
前記特定部は、前記冷蔵庫に含まれる特定の貯蔵部に関する前記ユーザの動作を示す情報に基づいて、前記ユーザに応じた前記冷蔵庫の温度管理に関する設定を特定する、
請求項1から9の何れか一項に記載の家電システム。
【請求項11】
前記家電機器は冷蔵庫であり、
前記特定部は、特定の時間帯に食品を庫内に入れる前記ユーザの動作を示す情報に基づき、前記ユーザに応じた前記特定の時間帯における前記冷蔵庫の温度管理に関する設定を特定する、
請求項1から10の何れか一項に記載の家電システム。
【請求項12】
前記家電機器は冷蔵庫であり、
前記特定部は、製氷タンクの水切れの通知に対する前記ユーザの動作を示す情報に基づいて、前記ユーザに応じた製氷に関する設定を特定する、
請求項1から11の何れか一項に記載の家電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、家電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
家電機器にいろいろなモード設定が可能であるなど、ユーザ設定に応じていろいろな機能を実行する家電機器がある。
【0003】
一方、ユーザがモードの存在またはモードの内容を知らない場合など、ユーザ設定可能な機能が利用されない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-206851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、利便性の向上を図ることができる家電システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の家電システムは、特定部と、制御部とを持つ。特定部は、家電機器の動作設定を変更することとは異なるユーザの動作を示す情報に基づき、ユーザに応じた家電機器の動作設定を特定する。制御部は、特定部により特定された家電機器の動作設定に基づき、家電機器を制御する、または家電機器の動作設定を変更する提案をユーザに報知する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係る家電システムの構成例を示す図。
図2】第1の実施形態に係る学習モデルの入出力の例を示す図。
図3】第1の実施形態に係るユーザ端末装置がアプリケーションプログラムにて実行可能な機能の例を示す図。
図4】第1の実施形態に係る学習モデルへの入力データの項目の例を示す図。
図5】第1の実施形態に係る冷蔵庫がおすすめ設定をユーザに提供する処理の手順の例を示す図。
図6】第1の実施形態に係る冷蔵庫がおすすめ設定に対するユーザ反応を学習結果に反映させる処理の手順の例を示す図。
図7】第2の実施形態に係る家電システムの構成例を示す図。
図8】第2の実施形態に係る学習サーバ装置がおすすめ設定をユーザに提供する処理の手順の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の家電システムを、図面を参照して説明する。以下の実施形態では、家電機器が冷蔵庫である場合を例に説明するが、実施形態の家電システムが対象とする家電機器は特定のものに限定されない。複数の動作設定の候補から動作設定が選択可能な家電機器を、実施形態の家電システムの対象とすることができる。以下の説明における「ユーザ設定」は、ユーザ操作による設定である。
以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。本明細書で「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。また「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含み得る。本明細書で「XXまたはYY」とは、「XX」のみの場合、または「YY」のみの場合に限定されず、「XX」および「YY」の両方の場合も含み得る。これは選択的要素が3つ以上の場合も同様である。「XX」および「YY」は、任意の要素(例えば任意の情報)である。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の家電システム1の構成例を示す図である。家電システム1は、冷蔵庫100と、ユーザ端末装置200と、ユーザ情報サーバ装置300と、アプリケーションサーバ装置400とを備える。また、冷蔵庫100と、ユーザ端末装置200と、ユーザ情報サーバ装置300と、アプリケーションサーバ装置400とは、通信ネットワーク900に通信接続される。冷蔵庫100は、冷蔵庫本体110と、通信モジュール120と、センサ群130と、情報機器140と、状態値取得部151と、特定部152と、制御部153と、記憶部160とを備える。
【0010】
ユーザ端末装置200、ユーザ情報サーバ装置300、アプリケーションサーバ装置400、および、通信ネットワーク900のうちの何れか1つ、または、何れか2つ以上が、家電システム1の外部の構成となっていてもよい。
特定部152が冷蔵庫100とは別の装置として構成されるなど、冷蔵庫100が2つ以上の装置で構成されていてもよい。例えば後述するように、特定部152が冷蔵庫100とは別の学習サーバ装置500(図7参照)に実装されていてもよい。学習サーバ装置500は、クラウドサーバとして構成されていてもよい。
【0011】
家電システム1は、冷蔵庫100におけるユーザに応じたおすすめ設定をユーザに提供する。特に、家電システム1は、冷蔵庫100の動作設定を変更することとは異なるユーザの動作に応じて、冷蔵庫100におけるおすすめ設定特定しユーザに提供する。
ここでいうおすすめ設定は、冷蔵庫100の動作設定のうち、特定部152がユーザに提供する動作設定として特定した動作設定である。家電システム1がおすすめ設定をユーザに提供する方法は、おすすめ設定を冷蔵庫100に自動設定する方法であってもよい。あるいは、家電システム1がおすすめ設定をユーザに提供する方法は、おすすめ設定を示す情報をユーザに提示する方法であってもよい。例えば、ユーザ端末装置200がおすすめ設定を示す情報を表示するようにしてもよい。
ここで、冷蔵庫100に対するユーザ操作など、冷蔵庫100の動作設定を変更するユーザの動作に応じて、例えば過去に行われた動作設定を再現することが考えられる。しかしながらこの場合、ユーザが行っていない動作設定を提供することはできない。
【0012】
また、冷蔵庫100に可能な動作設定を例えばランダムに提案することも考えられるが、ユーザの希望しない動作設定が提案される可能性が高い点で、ユーザの利益とならない可能性が高い。
これに対して、家電システム1は、冷蔵庫100の動作設定を変更することとは異なる動作に応じておすすめ設定を提案することで、ユーザが行っていない動作設定を提案することができる。かつ、家電システム1は、ユーザの動作に応じておすすめ設定を提案することで、ユーザの要望または好みに合う動作設定を提案できると期待される。
【0013】
冷蔵庫100は、冷蔵庫本体110にて、冷蔵庫としての機能をユーザに提供する。また、冷蔵庫100は、おすすめ設定の提供を実行する。
冷蔵庫本体110は、冷蔵庫100のうち、冷蔵庫としての機能を実行する部分である。例えば、冷蔵室、冷凍室、野菜室、および製氷室などの各部屋と、これら各部屋を冷却するためのコンプレッサ(Compressor)、熱交換器、冷媒タンクおよび配管など、冷蔵庫としての冷却機能を実行するための各部が冷蔵庫本体110に含まれる。冷蔵庫本体110は、制御部153の制御に従って動作して、冷蔵庫としての機能をユーザに提供する。
【0014】
通信モジュール120は、他の装置と通信を行う。例えば、通信モジュール120は、ユーザの動作の履歴情報を含むユーザ情報をユーザ情報サーバ装置300から受信する。このユーザ情報は、冷蔵庫100がおすすめ設定を提案するために用いられる。あるいは、通信モジュール120が、ユーザ端末装置200に対するユーザ操作の履歴情報をユーザ端末装置200から受信するなど、ユーザ情報サーバ装置300に加えて、あるいは代えて、他の装置からユーザ情報を取得するようにしてもよい。
また、通信モジュール120が、冷蔵庫100の扉の開閉履歴など、冷蔵庫100に関するユーザの動作の情報を、ユーザ情報サーバ装置300またはユーザ端末装置200に送信するようにしてもよい。この情報は、ユーザが自らの冷蔵庫100の使用状況を確認するために、ユーザ端末装置200に表示されてもよい。
【0015】
センサ群130は、冷蔵庫100またはその周囲の状態を検出するための各種センサを含む。ここでいうセンサは、特定の種類のものに限定されない。例えば、扉の開閉を検出する扉スイッチなど、二値を出力するスイッチがセンサ群130に含まれていてもよい。センサ群130は、冷蔵庫本体110に含まれる電気部品(例えばコンプレッサ)に流れる電流の電流値を検出する検出部なども含む。
【0016】
情報機器140は、冷蔵庫100におけるユーザインタフェース(User Interface)として用いられる。例えば、情報機器140が表示画面およびスピーカの何れかまたは両方を備えて、製氷タンクの水切れなど冷蔵庫本体110に関する各種メッセージをユーザに報知するようにしてもよい。また、情報機器140がレシピ(Recipe、料理の作り方等の情報)動画を再生するなど、各種情報をユーザに提供するようにしてもよい。
【0017】
また、情報機器140の表示画面がタッチパネルとして構成される、または、マイクを有して音声認識を行うなどにより、情報機器140が各種ユーザ操作を受け付けるようにしてもよい。例えば、情報機器140が、冷蔵庫本体110に対するユーザ操作、および、情報機器140自らに対するユーザ操作を受け付けるようにしてもよい。
【0018】
状態値取得部151は、冷蔵庫100の状態を定量的に示す状態値を取得する。例えば、状態値取得部151が、センサ群130による測定値を状態値として取得するようにしてもよい。状態値取得部151が取得する状態値は、例えば、冷蔵庫100のモードを切り替えるか否かの判定に用いられる。
【0019】
特定部152は、冷蔵庫100におけるユーザに応じたおすすめ設定(そのユーザに適した設定)を特定する。家電システム1について上述したように、特定部152は、冷蔵庫100の動作設定を変更することとは異なるユーザの動作を示す情報に基づき、おすすめ設定を特定する。「冷蔵庫100の動作設定を変更することとは異なるユーザの動作」とは、冷蔵庫100の動作設定を直接変更するユーザの動作(例えば、変更後の冷蔵庫100の設定温度や動作モードを直接に指定するユーザの動作)とは異なる動作を意味する。
【0020】
特定部152が、おすすめ設定を直接特定するようにしてもよい。
家電システム1について上述したように、特定部152が、特定したおすすめ設定を冷蔵庫100に自動設定するようにしてもよい。あるいは、特定部152が、特定したおすすめ設定をユーザ端末装置200または情報機器140に表示させることでユーザに提案し、自動設定は行わないようにしてもよい。
【0021】
あるいは、特定部152が、設定切替の判定条件を変更するようにしてもよい。例えば、ユーザの動作が、節電に関心のある場合の動作として予め定められている動作に該当する場合、特定部152が、冷蔵庫100の通常モードと節電モードとの切替の判定条件(節電モードへの遷移条件)を、節電モードになり易いように変更するようにしてもよい。
【0022】
特定部152が、おすすめ設定に対するユーザの反応を、その後のおすすめ設定の特定に反映させるようにしてもよい。例えば、特定部152が特定したおすすめ設定に対して、ユーザがおすすめ設定を取り消すなど、ユーザ操作によっておすすめ設定が変更された場合、ユーザがおすすめ設定を気に入らなかったと考えられる。この場合、特定部152が、同じおすすめ設定を再度特定しなくなるように、あるいは、同じおすすめ設定を再度特定しにくくなるように、おすすめ設定の特定方法を学習するようにしてもよい。
【0023】
あるいは、特定部152が、特定したおすすめ設定を、ユーザによって変更された場合の提供のタイミングとは別の時間帯または別の曜日など異なるタイミングでユーザに提供するようにしてもよい。この場合もおすすめ設定がユーザによって変更された後に、特定部152が、同じおすすめ設定を再度特定しなくなるように、あるいは、同じおすすめ設定を再度特定しにくくなるように、おすすめ設定の特定方法を学習するようにしてもよい。
【0024】
制御部153は、冷蔵庫100の各部を制御する。特に、制御部153は、冷蔵庫本体110を制御する。
制御部153は、特定部152またはユーザ操作によって特定される冷蔵庫100の動作設定に従って、冷蔵庫100を制御する。これにより、制御部153は、特定部152により特定された冷蔵庫100の動作設定(おすすめ設定)に基づき、冷蔵庫100を制御する。例えば、特定部152がおすすめ設定を冷蔵庫100に自動設定する場合、制御部153は、特定部152が行った設定に従って冷蔵庫100を制御する。特定部152がおすすめ設定をユーザに提案し、おすすめ設定がユーザ操作によって冷蔵庫100に設定された場合も、制御部153は、その設定に従って冷蔵庫100を制御する。
【0025】
設定切替の判定条件が示される設定については、制御部153は、判定条件に従って動作設定を決定し、決定した設定に従って冷蔵庫100を制御する。上記のように特定部152が判定条件を変更した場合、制御部153は、変更後の判定条件に従って、冷蔵庫100を制御する。
【0026】
記憶部160は、各種情報を記憶する。記憶部160が、特定部152がおすすめ設定を特定するための学習モデル(学習済みモデル)を記憶するようにしてもよい。特定部152が、この学習モデルを用いた計算によっておすすめ設定を特定するようにしてもよい。例えば、特定部152が、ユーザの動作の情報等をこの学習モデルに入力し、学習モデルが出力する動作設定をおすすめ設定として採用するようにしてもよい。
【0027】
状態値取得部151、特定部152、および、制御部153の機能は、CPUのような1つ以上のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することによって実行されてもよい。あるいは、これら機能部の全部または一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などの回路部(ハードウェア)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。記憶部160は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数の組み合わせなどにより実現されてもよい。
【0028】
ユーザ端末装置200は、ユーザ操作を受け付ける装置である。ユーザによるユーザ端末装置200の操作履歴情報が、特定部152がおすすめ設定を特定するためのユーザの動作の情報として用いられてもよい。
以下では、ユーザ端末装置200がユーザのスマートフォン(Smartphone)である場合を例に説明する。例えばユーザが、冷蔵庫100の扉の開閉履歴情報など冷蔵庫100に関する情報を提供するアプリケーションプログラムをユーザ端末装置200にインストールして用いるようにしてもよい。そして、ユーザ端末装置200での情報閲覧履歴情報が、特定部152がおすすめ設定を特定するためのユーザの動作の情報として用いられてもよい。
【0029】
ただし、ユーザ端末装置200の構成は、特定の構成に限定されない。ユーザ操作を受け付けるいろいろな装置をユーザ端末装置200として用いることができる。例えば、ユーザ端末装置200が、パソコン(Personal Computer;PC)またはタブレット端末装置(Tablet)等のコンピュータを用いて構成されていてもよい。
【0030】
特定部152がおすすめ設定を特定するためのユーザの動作の情報は、冷蔵庫100に対するユーザの動作を示す情報、情報機器140に対するユーザの動作(操作)を示す情報、または、ユーザ端末装置200に対するユーザの動作(操作)を示す情報の何れか、またはこれらの組み合わせであってもよい。ただし、特定部152がおすすめ設定を特定するためのユーザの動作の情報は、これらに限定されない。例えば、特定部152がおすすめ設定を特定するためのユーザの動作の情報として、スマートスピーカに対するユーザの発話など、ユーザが冷蔵庫100、情報機器140またはユーザ端末装置200以外の装置を用いる動作を示す情報が用いられてもよい。
【0031】
また、特定部152がおすすめ設定を特定するためのユーザの動作の情報として、ユーザの買物情報(例えば、ユーザがまとめ買いをしたとの情報)など、ユーザが装置を用いて行う動作以外の動作を示す情報が用いられてもよい。ユーザの買物情報は、例えば、冷蔵庫100がカメラを備えてユーザの買物の画像を撮影し、画像解析によって取得するようにしてもよい。
【0032】
ユーザ情報サーバ装置300は、ユーザ情報を記憶する。ユーザ情報サーバ装置300は、例えばパソコンまたはワークステーション(Workstation)等のコンピュータを用いて構成されていてもよい。
上記のように、ユーザ情報サーバ装置300が記憶するユーザ情報にユーザの動作の履歴情報が含まれていてもよい。このユーザの動作の履歴情報が、特定部152がおすすめ設定を特定するためのユーザの動作の情報として用いられてもよい。また、ユーザ情報サーバ装置300が記憶するユーザ情報が、ユーザ端末装置200に送信され、ユーザがユーザ端末装置200を用いてユーザ情報を閲覧するようにしてもよい。
上記のように、ユーザ情報サーバ装置300が、冷蔵庫100およびユーザ端末装置200のうち何れか一方、または両方から、ユーザの動作の情報を収取し、ユーザ情報(の一部)として記憶するようにしてもよい。
【0033】
アプリケーションサーバ装置400は、ユーザ端末装置200で用いられるアプリケーションプログラムを提供する。例えばアプリケーションサーバ装置400が、冷蔵庫100の扉の開閉履歴情報など冷蔵庫100に関する情報を閲覧するためのアプリケーションプログラムを提供するようにしてもよい。アプリケーションプログラムを単にアプリケーションとも称する。
アプリケーションサーバ装置400は、例えばパソコンまたはワークステーション等のコンピュータを用いて構成されていてもよい。
【0034】
通信ネットワーク900は、装置間の通信経路を提供できるものであればよく、特定の通信ネットワークに限定されない。例えば、通信ネットワーク900が、インターネット(Internet)と携帯電話網との組み合わせを含んで構成されていてもよいが、これに限定されない。携帯電話網は、通信事業者がスマートフォンなどの携帯端末装置用に提供する無線通信ネットワークである。
【0035】
図2は、記憶部160が記憶する学習モデルの入出力の例を示す図である。上述したように、学習モデルは、特定部152がおすすめ設定を特定するために用いられる。
図2の例で、学習モデルは、ユーザ動作情報と、現在時刻情報と、冷蔵庫運転状態情報との入力を受けて、おすすめ設定情報を出力する。
おすすめ設定情報は、おすすめ設定を示す情報である。
【0036】
ユーザ動作情報は、上述したユーザの動作の情報である。例えば、ユーザ動作情報が、ユーザが冷蔵庫100の扉の開閉履歴を頻繁に閲覧していることを示す場合、ユーザが冷蔵庫100の消費エネルギー(消費電力)に関心が高いことが考えられる。この場合、特定部152が学習モデルを用いて、おすすめ設定として、節電モードの設定、あるいは、節電モードになり易いようなモード判定条件の設定を特定するようにしてもよい。
【0037】
現在時刻情報は、現在の日時を示す情報である。例えば、昼と夜とで冷蔵庫100の扉の開閉頻度が異なるなど、時間帯、曜日および季節等の時間的要素に応じて冷蔵庫100の使用状況または冷蔵庫100の状態が異なることが考えられる。そこで、特定部152が学習モデルを用いて、現在の日時に応じたおすすめ設定を特定するようにしてもよい。
【0038】
冷蔵庫運転状態情報は、冷蔵庫100の状態を示す情報である。冷蔵庫運転状態情報は、例えば、冷蔵庫100の動作モード(運転状況)や、庫内の空気温度、冷却器の温度などを含む。例えば冷蔵室に収納されている食品の量など冷蔵庫100の状態によって、適切な動作設定が異なることが考えられる。そこで、特定部152が学習モデルを用いて、冷蔵庫100の状態に応じたおすすめ設定を特定するようにしてもよい。
【0039】
ただし、学習モデルに入力される情報は、ユーザの動作の情報が含まれていればよく、特定のものに限定されない。例えば、現在時刻情報および冷蔵庫運転状態情報のうち何れか一方または両方が、学習モデルに入力されなくてもよい。あるいは、学習モデルが、現在時刻情報および冷蔵庫運転状態情報に加えて、あるいは代えて、他の冷蔵庫における設定状況の情報の入力を受けるなど、図2に示される情報以外の入力を受けるようにしてもよい。
【0040】
学習モデルの学習は、例えば、ユーザ動作情報、現在時刻情報および冷蔵庫運転状態情報などの入力データに、学習の担当者(例えば冷蔵庫100の製造メーカの技術者)が適切と考える動作設定を示す教師データが紐付けられた学習データを用いて行われてもよい。学習済みの学習モデルが冷蔵庫100に実装されてもよい。冷蔵庫100は、学習モデルを更新するための学習機能を有していなくてもよい。
【0041】
あるいは、特定部152が、おすすめ設定に対するユーザの反応に応じて学習モデルを更新するようにしてもよい。上述したように、ユーザがおすすめ設定を取り消すなど、ユーザ操作によっておすすめ設定が変更された場合、特定部152が、同じおすすめ設定を再度特定しなくなるように、あるいは、同じおすすめ設定を再度特定しにくくなるように、学習モデルを更新するようにしてもよい。特定部152が、例えば、特定部152自らがおすすめ設定を特定するために学習モデルに入力したデータに、ユーザが変更した後の動作設定を示すデータが教師データとして紐付けられた学習データを用いた機械学習にて、この変更を行うようにしてもよい。
【0042】
学習モデルの構成は、特定のものに限定されない。例えば、学習モデルが、ニューラルネットワーク(Neural Network;NN)、サーポートベクターマシン(Support Vector Machine;SVM)、ランダムフォレスト(Random Forest)、または、回帰モデル、あるいはこれらの組み合わせを用いて構成されていてもよい。また、学習モデルは、記憶部160が記憶するソフトウェア的なモデルに限定されず、ハードウェアを用いて構成されていてもよい。
さらには、特定部152が、冷蔵庫100の設計者が定めた推論規則を用いておすすめ設定を特定するなど、機械学習以外の方法で定められた特定方法を用いておすすめ設定を特定するようにしてもよい。
【0043】
図3は、ユーザ端末装置200がアプリケーションプログラムにて実行可能な機能の例を示す図である。特定部152が、これらの機能の実行履歴をユーザ動作情報として学習モデルに入力するようにしてもよい。
遠隔操作機能は、冷蔵庫100の動作設定など冷蔵庫100に対する操作をユーザ端末装置200から遠隔操作用のサーバ装置を介して行う機能である。図3の例ではユーザは、冷蔵室の設定温度の変更、冷凍室の設定温度の変更、チルド室のチルドモード切替(急冷モードや、特別な態様のチルドモードへの変更など)、製氷室の製氷モード切替(急速な製氷モードへの変更など)、冷凍室の冷凍モード切替、および、自動節電モード切替を遠隔操作で行うことができる。
【0044】
ユーザが遠隔操作機能を使用する頻度が高い場合、冷蔵庫100の動作設定に関心が高いと考えられる。この場合、特定部152が、おすすめ設定を特定する頻度が高くなるようにしてもよい。
特定部152が、遠隔操作機能の使用履歴に基づいて、おすすめ設定を特定するようにしてもよい。例えば、特定部152が、使用頻度の高い動作設定をおすすめ設定として選び易くする場合、ユーザの要望または好みに合う動作設定を特定し易くなると期待される。あるいは、特定部152が、使用頻度の低い動作設定をおすすめ設定として選び易くする場合、ユーザが使ったことのない動作設定、または、使い慣れていない動作設定を、おすすめ設定としてユーザに提案できると期待される。
【0045】
特定部152は、ユーザが遠隔操作機能を使用する頻度が高いか否かといった量的な判定を、閾値を用いて行うことができる。例えば特定部152が、上記の「ユーザが遠隔操作機能を使用する頻度が高い場合」に該当するか否かの判定として、ユーザが遠隔操作機能を使用する頻度が所定の閾値以上に高いか否かを判定するようにしてもよい。
「ユーザが遠隔操作機能を使用する頻度が高い場合」以外の量的な判定についても同様である。
【0046】
扉開閉履歴機能は、ユーザが冷蔵庫100の扉の開閉履歴を確認するための機能である。図3の例ではユーザは、1日の履歴または1週間の履歴の何れかを選んでユーザ端末装置200に表示させることができる。
上述したように、ユーザが、扉開閉履歴を確認する頻度が高い場合、冷蔵庫100の消費電力に関心が高いことが考えられる。この場合、特定部152が、おすすめ設定として、節電モードの設定、あるいは、節電モードになり易いようなモード判定条件の設定を特定するようにしてもよい。このように、特定部152が、冷蔵庫100の扉の開閉履歴を確認するユーザの確認動作を示す情報(例えば、ユーザの確認動作の回数を示す情報)に基づき、ユーザに応じた冷蔵庫100の消費電力に関する設定をおすすめ設定として特定するようにしてもよい。
【0047】
特定部152が、冷蔵庫100が節電モードになり易いようなモード判定条件の設定を特定する場合、冷蔵庫100の庫内温度に関する温度閾値または時間閾値の何れか一方、または両方を特定するようにしてもよい。例えば、節電モード以外(例えば通常モード)から節電モードへの切替の判定条件が、庫内温度が所定の範囲内にある状態(例えば所定の範囲内で安定した状態)が所定時間以上継続することであってもよい。この場合、特定部152が、庫内温度の範囲を示す温度下限閾値が下がるように、または、温度上限閾値が上がるように、あるいはこれら両方が行われるように、温度閾値を特定するようにしてもよい。また、特定部152が、所定時間が短くなるように、時間閾値を特定するようにしてもよい。
節電モードでは、制御部153が、冷蔵庫100のコンプレッサの運転周波数の低減、ファンの回転数の低減、冷蔵庫100における除霜処理の時間間隔の伸長、および、庫内の照明の照度の低下のうち何れか1つ、またはこれらの組み合わせを行うようにしてもよい。
【0048】
みまもり機能は、予め選択された条件が成立した場合に、そのことをユーザ端末装置200に通知する機能である。図3の例ではユーザは、通知を受ける条件として、指定時間帯に扉開閉がない場合、指定時間帯に扉開閉があった場合、および、冷蔵庫付近の温度が高温になっている場合のうちの1つ以上を選択することができる。
【0049】
例えば、指定時間帯に扉開閉があった場合に通知するという条件の選択頻度が高い場合、ユーザが外出または就寝する等により、その時間帯には扉の開閉が行われないことを前提として、予想外に扉の開閉が行われた場合に通知を受けるものであることが考えられる。扉の開閉が行われないことで庫内の温度が保たれ、節電が可能になる場合がある。そこで、特定部152が、この条件が指定される頻度が高い時間帯について、おすすめ設定として、節電モードの設定、あるいは、節電モードになり易いようなモード判定条件の設定を特定するようにしてもよい。
【0050】
食材管理機能は、冷蔵庫100が収納している食材の種類、量および賞味期限等をユーザが確認するための機能である。例えば、ユーザ端末装置200が、食材の種類、量および賞味期限等の情報を、冷凍室および冷蔵室等の貯蔵室ごとにリスト表示するようにしてもよい。ここでいう賞味期限は消費期限であってもよい。食材管理機能に用いられる食材の情報を食材管理情報とも称する。
【0051】
特定部152が、食材管理情報に示される賞味期限に基づいて、おすすめ設定を特定するようにしてもよい。例えば、賞味期限が近い食材が多くなっている場合、特定部152が、庫内の温調を自動で下げる、急速冷却のモードに入れる、除菌機能を使用する、または、脱臭機能を使用する、あるいはこれらの組み合わせを、おすすめ設定として特定するようにしてもよい。これにより、食材の鮮度を比較的長時間保てると期待される。
また、賞味期限が近い食材が多くなる頻度が高い場合、特定部152が、庫内の温度を定常的に標準温度よりも低く設定することを、おすすめ設定として特定するようにしてもよい。
【0052】
特定部152が、賞味期限の情報の入力状況に基づいて、おすすめ設定を特定するようにしてもよい。例えば、ユーザが、食材管理機能に登録する全ての食材の賞味期限を入力するなど、賞味期限の入力回数が多い場合、ユーザが、食材の鮮度を気にしていることが考えられる。この場合、特定部152が、庫内の温度を標準温度よりも低く設定するなど、食材の鮮度がより長く保たれるための設定を、おすすめ設定として特定するようにしてもよい。
【0053】
特定部152が、ユーザの購買に関する動作の傾向を示す情報に基づいて、おすすめ設定を特定するようにしてもよい。例えば、ユーザがまとめ買いをする傾向がある場合、購入した食材を使いきるまでに時間がかかることが考えられる。この場合、特定部152が、庫内の温度を標準温度よりも低く設定する、または、急速冷却機能でまとめ買いした食材を速やかに冷却するなど、食材の鮮度がより長く保たれるための設定を、おすすめ設定として特定するようにしてもよい。
【0054】
上述したように、ユーザの購買に関する動作の傾向は、例えば、冷蔵庫100がカメラを備えてユーザの買物の画像を撮影し、画像解析によって取得するようにしてもよい。あるいは、特定部152が、ユーザが食材管理機能に登録する食材管理情報から、ユーザの購買に関する動作の傾向を把握するようにしてもよい。
【0055】
また、特定部152が、食材の種類から特定される栄養成分に基づいて、おすすめ設定を特定するようにしてもよい。例えば、冷蔵庫100が収納している食材の中に、温度が高い方が栄養成分を増やせる食材がある場合、特定部152が、所定の時間だけ庫内の温度を上げる設定をおすすめ設定として特定するようにしてもよい。
なお、ここでは食材を食品とも称する。すなわち、「食材」との語句と「食品」との語句とを区別せず、食べ物全般を指す語句として用いる。
【0056】
特定部152が、ユーザの栄養情報確認に関する動作の情報に基づいて、おすすめ設定を特定するようにしてもよい。例えば、ユーザが、インターネットで食品の栄養成分の情報を提供するサイトにアクセスするなど、食材の栄養を確認する動作を行っている場合、英鵜に関する関心が高いことが考えられる。この場合に、特定部152が、上述した、食材の栄養成分を増やすために所定の時間だけ庫内の温度を上げる設定を、おすすめ設定として特定するようにしてもよい。
【0057】
また、特定部152が、ユーザによる貯蔵室(貯蔵部)ごとの食品管理情報の確認回数および/またはその貯蔵室の扉の開閉動作の回数などに基づいて、おすすめ設定を特定するようにしてもよい。例えば、ユーザが、特定の貯蔵室(冷蔵室、冷凍室、または野菜室)について食材管理情報を確認する回数が他の貯蔵室よりも所定の割合以上多い場合、ユーザが、その貯蔵室への関心が高いと考えられる。この場合に、特定部152が、この貯蔵室に関する動作設定をおすすめ設定として特定し易くなるようにしてもよい。あるいは、特定部152が、この貯蔵室を優先的に冷却する設定をおすすめ設定として特定するようにしてもよい。
【0058】
レシピ機能は、ユーザがレシピを参照するための機能である。例えば、ユーザ端末装置200が、レシピの検索画面またはレシピのリストを表示し、ユーザが指定するレシピを表示するようにしてもよい。
特定部152が、ユーザがレシピを参照する動作に基づいて、おすすめ設定を特定するようにしてもよい。例えば、ユーザがレシピを参照して実際に料理を行う場合、冷蔵庫100の扉を開いて食材を取り出すことが考えられる。そこで、特定部152が、ユーザがレシピを参照するタイミングで、庫内の温度を下げるように、おすすめ設定を特定するようにしてもよい。
【0059】
消費電力表示機能は、ユーザが冷蔵庫100の消費電力を確認するための機能である。消費電力表示機能で、ユーザ端末装置200が、冷蔵庫100の消費電力の履歴、または、直近所定期間の冷蔵庫100の消費電力の平均値を表示するようにしてもよい。
ユーザが、冷蔵庫100の消費電力を確認する頻度が高い場合、冷蔵庫100の消費電力に関心が高いことが考えられる。この場合、特定部152が、おすすめ設定として、節電モードの設定、あるいは、節電モードになり易いようなモード判定条件の設定を特定するようにしてもよい。このように、特定部152が、冷蔵庫100の消費電力を確認するユーザの確認動作(例えば、消費電力を確認するユーザの確認動作の回数)を示す情報に基づき、ユーザに応じた冷蔵庫100の消費電力に関する動作設定をおすすめ設定として特定するようにしてもよい。
【0060】
図4は、学習モデルへの入力データの項目の例を示す図である。図4の例では、アプリケーション操作履歴の項目と、冷蔵庫運転状態の項目とが示されている。
アプリケーション操作履歴の各項目は、学習モデルに入力されるユーザ動作情報の項目の例に該当する。特定部152が、図3に例示される遠隔操作、扉開閉履歴等のアプリケーションプログラムごとに、そのアプリケーションプログラムでの画面表示回数、画面の表示時間、操作時刻および機能の選択回数を、ユーザ動作情報として学習モデルに入力するようにしてもよい。加えて特定部152が、図3に示される各機能(各アプリケーションプログラム)の項目ごとの履歴情報、さらには、設定ごとの履歴情報も、ユーザ動作情報として学習モデルに入力するようにしてもよい。
【0061】
冷蔵庫運転状態の各項目は、学習モデルに入力される冷蔵庫運転状態情報の項目の例に該当する。図4に例示される冷蔵室扉スイッチ、野菜室扉スイッチ等のセンサ類によるセンシングデータによって、冷蔵庫100の状態が示される。特定部152が、これらの項目のデータを冷蔵庫運転状態情報として学習モデルに入力することで、冷蔵庫100の状態に応じて有効な動作設定をおすすめ設定として特定することが期待される。
【0062】
特定部152が、ユーザが冷蔵庫100の前にいると思われるユーザ動作に対して、情報機器140における画像表示および音声出力、あるいはこれらのうち何れか一方を行うようにしてもよい。例えば、特定部152が、アプリケーションプログラムを実行することで、情報機器140における画像表示および音声出力、あるいはこれらのうち何れか一方を行うようにしてもよい。この場合のアプリケーションプログラムの実行は、おすすめ設定の実施の例に該当してもよいし、例えば娯楽動画の再生などおすすめ設定とは別のものであってもよい。
【0063】
ユーザが冷蔵庫100の前にいると思われるユーザ動作の例として、冷蔵庫100から食材を取り出す動作、情報機器140が提示するレシピを参照する動作、冷蔵庫100の扉の開閉動作が挙げられるが、これらに限定されない。
これにより、特定部152が、ユーザが冷蔵庫100の前にいる適切なタイミングでユーザに働きかけを行うことができると期待される。
【0064】
特定部152が、ユーザが冷蔵庫100に食材を入れたタイミングを記憶しておき、例えば同じ曜日の同じ時刻など同様のタイミングで庫内の温度を下げる(例えば、庫内の温度を先に下げておく、またはそのタイミングで冷却が行えるように除霜動作を先に行っておく)ように、おすすめ設定を特定するようにしてもよい。
これにより、ユーザが毎週同じ曜日の同じ時間帯に買物に行く場合など、同様のタイミングで冷蔵庫100に食材を入れる場合に、新たに収納された食材を速やかに冷却することができ、食材の鮮度を保つことができると期待される。
特定部152が、食材管理アプリケーション(食材を管理するための機能を提供するアプリケーションプログラム)に登録される情報を参照して、ユーザが冷蔵庫100に食材を入れたタイミングを検出するようにしてもよい。あるいは、特定部152が、庫内カメラの画像に対して画像認識処理を行うことで、ユーザが冷蔵庫100に食材を入れたタイミングを検出するようにしてもよい。
【0065】
特定部152が、ユーザが比較的温度が高い食材を冷蔵庫100に入れる動作に対して、例えば急速冷却モードなど、庫内の温度を下げる設定をおすすめ設定として特定するようにしてもよい。
これにより、新たに収納される食材を速やかに冷却することができ、食材の鮮度を保つことができると期待される。また、庫内の温度が比較的低温に保たれ、新たに収納される食材以外の食材の鮮度も保つことができると期待される。
【0066】
特定部152が、ユーザが比較的温度が高い食材を冷蔵庫100に入れる動作を検出する方法の例として、買物アプリケーション(例えば通販サイトへの接続、または電子マネーの支払いなど、買物に関連するアプリケーションプログラム)の操作の検出、冷蔵庫100の扉の開閉の検出、庫内温度の上昇の検出など、ユーザの買物に伴う事象を検出することが挙げられる。また、特定部152が、ユーザが比較的温度が高い食材を冷蔵庫100に入れる動作を検出する方法の例として、ユーザがレシピを参照する動作を検出、冷蔵庫100の扉の開閉の検出、庫内温度の上昇の検出など、ユーザが料理を行うことに伴う事象を検出することが挙げられる。ただし、特定部152が、ユーザが比較的温度が高い食材を冷蔵庫100に入れる動作を検出する方法は、これらの方法に限定されない。
【0067】
特定部152が、製氷タンクの水切れの通知に対するユーザの動作を示す情報に基づいて、ユーザに応じた製氷に関する動作設定をおすすめ設定として特定するようにしてもよい。
例えば、ユーザが、製氷タンクの水切れの通知を確認しない場合、または、通知を確認しても水を補充しない場合、ユーザが製氷を求めていないことが考えられる。この場合、特定部152が、自動製氷を行わない設定をおすすめ設定として特定するようにしてもよい。
あるいは、ユーザが、製氷タンクの水切れの通知後すぐに(所定の時間以内に)水を補充した場合、ユーザが多くの氷を欲していることが考えられる。この場合、特定部152が、製氷速度を上げる設定をおすすめ設定として特定するようにしてもよい。
【0068】
図5は、冷蔵庫100がおすすめ設定をユーザに提供する処理の手順の例を示す図である。冷蔵庫100は、例えば一定時間ごとに図5の処理を繰り返す。
図5の処理で、特定部152は、学習モデルへの入力データを取得する(ステップS111)。例えば、特定部152は、図2に例示されるユーザ動作情報、現在時刻情報、および、冷蔵庫運転状態情報を楽手モデルへの入力データとして取得する。
【0069】
次に、特定部152は、おすすめ設定を特定する(ステップS112)。具体的には、特定部152は、ステップS111で得られたデータを学習モデルに入力し、学習モデルが出力する動作設定を、おすすめ設定として特定する。
次に、特定部152は、おすすめ設定が有効か否かを判定する(ステップS113)。例えば、特定部152は、ステップS112で特定した動作設定が、既に冷蔵庫100の現在の動作設定になっている場合、特定したおすすめ設定が無効であると判定する。あるいは、学習モデルがおすすめ設定を出力しない場合があってもよい。学習モデルがおすすめ設定を出力しない場合、特定部152は、おすすめ設定が無効であると判定する。
【0070】
おすすめ設定が無効であると特定部152が判定した場合(ステップS113:NO)、冷蔵庫100は、図5の処理を終了する。
一方、おすすめ設定が有効であると判定した場合(ステップS113:YES)、特定部152は、特定したおすすめ設定を冷蔵庫100に自動設定する(ステップS114)。あるいは、特定部152が自動設定は行わず、特定したおすすめ設定をユーザ端末装置200に表示させることでユーザに提案するようにしてもよい。特定部152がおすすめ設定を冷蔵庫100に自動設定するか否かを、ユーザが予め選択するようにしてもよい。
【0071】
次に、特定部152は、おすすめ設定を冷蔵庫100に自動設定したことをユーザに報告する(ステップS115)。例えば、特定部152は、おすすめ設定を冷蔵庫100に自動設定した旨のメッセージを、通信モジュール120を介してユーザ端末装置200に送信して表示させることで報告を行う。
ステップS115の後、冷蔵庫100は、図5の処理を終了する。
【0072】
図6は、冷蔵庫100がおすすめ設定に対するユーザ反応を学習結果に反映させる処理の手順の例を示す図である。冷蔵庫100は、例えば、図5のステップS114でおすすめ設定を冷蔵庫100に自動設定してから1時間後など所定時間経過後に、図6の処理を行う。
図6の処理で、特定部152は、冷蔵庫運転情報を取得する(ステップS121)。ここでの冷蔵庫運転情報は、冷蔵庫100の現在の動作設定を示す情報を含む。
次に、特定部152は、おすすめ設定から設定変更が行われたか否かを判定する(ステップS122)。例えば、特定部152は、冷蔵庫運転情報が示す冷蔵庫100の現在の動作設定が、おすすめ設定と異なるか同じかを判定する。
【0073】
おすすめ設定から設定変更が行われていないと特定部152が判定した場合(ステップS122:NO)、冷蔵庫100は、図6の処理を終了する。
一方、おすすめ設定から設定変更が行われたと判定した場合(ステップS122:YES)、特定部152は、おすすめ設定が採用されなかったとの結果を学習モデルにフィードバックする(ステップS123)。上述したように、特定部152が、同じおすすめ設定を再度特定しなくなるように、あるいは、同じおすすめ設定を再度特定しにくくなるように、学習モデルを更新する。上述したように、特定部152が機械学習にて、この変更を行うようにしてもよい。
ステップS123の後、冷蔵庫100は、図6の処理を終了する。
【0074】
以上のように、特定部152は、家電機器(例えば、冷蔵庫本体110)の動作設定を変更することとは異なるユーザの動作を示す情報に基づき、ユーザに応じた家電機器の動作設定を特定する。制御部153は、特定部152により特定された家電機器の動作設定に基づき、家電機器を制御する、または家電機器の動作設定を変更する提案をユーザに報知する。
これにより、家電システム1は、ユーザ設定可能な機能の利用を支援することができる。
ここで、家電機器に対するユーザ操作など、家電機器の動作設定を変更するユーザの動作に応じて、例えば過去に行われた動作設定を再現することが考えられるが、この場合、ユーザが行っていない動作設定を提案することはできない。
【0075】
また、家電機器に可能な動作設定を例えばランダムに提案することも考えられるが、ユーザの希望しない動作設定が提案される可能性が高い点で、ユーザの利益とならない可能性が高い。
これに対して、家電システム1は、家電機器の動作設定を変更することとは異なる動作に応じておすすめ設定を提案することで、ユーザが行っていない動作設定を提案することができる。かつ、家電システム1は、ユーザの動作に応じておすすめ設定を提案することで、ユーザがモードの存在またはモードの内容を知らない場合でも、ユーザの要望または好みに合う動作設定を提案できると期待される。これにより、利便性の向上を図ることができる。
【0076】
また、状態値取得部151は、家電機器の状態を定量的に示す状態値を取得する。特定部152は、ユーザの動作を示す情報に基づいて、ユーザに応じた家電機器の制御用の閾値を特定する。制御部153は、状態値取得部151により取得された状態値と、特定部152により特定された閾値とに基づいて、家電機器を制御する。
このように、特定部152が動作設定を直接特定することに代えて、閾値を特定することで、制御部153は、例えば庫内の温度など状態値取得部151により取得された状態値に応じた動作設定で家電機器を制御することができる。家電システム1によればこの点で、家電機器の状態に応じて適切に家電機器を制御できると期待される。
また、特定部152は、家電機器の制御用に既に設けられている閾値を特定(変更)すればよい。この点で、特定部152による特定を家電機器の制御に反映させるための、既存の制御ロジックの変更が小さくて済む。
【0077】
また、特定部152が特定した動作設定から、ユーザの操作による設定変更が行われた場合、特定部152は、変更前の動作設定を再度特定することを抑制する。
特定部152が特定した動作設定からユーザが設定変更した場合、ユーザは、特定部152が特定した動作設定を望まなかったと考えられる。特定部152が、この場合の動作設定を再度特定することを抑制することで、ユーザの要望または好みに合う動作設定を特定できると期待される。
【0078】
特定部152は、冷蔵庫100の扉の開閉履歴を確認するユーザの確認動作(例えば、扉の開閉履歴を確認するユーザの確認動作の回数)を示す情報に基づき、ユーザに応じた冷蔵庫100の消費電力に関する動作設定を特定する。
冷蔵庫100の扉の開閉履歴を確認するユーザの確認動作の回数が多い場合、ユーザが、冷蔵庫100の消費電力に関心が高いことが考えられる。この場合、特定部152が、例えば冷蔵庫100の消費電力を小さくするような動作設定を特定することで、ユーザの要望または好みに合う動作設定を特定できると期待される。
【0079】
また、特定部152は、冷蔵庫の消費電力に関する動作設定として、冷蔵庫100の庫内温度に関する温度閾値または時間閾値の少なくとも何れかを特定する。制御部153は、特定部152により特定された温度閾値または時間閾値の少なくとも何れかに基づき、冷蔵庫100を制御する。
このように、特定部152が冷蔵庫100の動作設定を直接特定することに代えて、温度閾値または時間閾値を特定することで、制御部153は、例えば庫内温度または庫内温度の安定時間に基づく動作設定で、冷蔵庫100を制御することができる。制御部153は、この点で、冷蔵庫100の状態に応じた動作設定で冷蔵庫100を制御することができる。家電システム1によればこの点で、冷蔵庫100の状態に応じて適切に冷蔵庫100を制御できると期待される。
また、特定部152は、冷蔵庫100の制御用に既に設けられている閾値を特定すればよい。この点で、特定部152による特定を冷蔵庫100の制御に反映させるための、既存の制御ロジックの変更が小さくて済む。
【0080】
また、特定部152は、冷蔵庫100の消費電力を確認するユーザの確認動作(例えば、消費電力を確認するユーザの確認動作の回数)を示す情報に基づき、ユーザに応じた冷蔵庫100の消費電力に関する動作設定を特定する。冷蔵庫100の消費電力を確認するユーザの確認動作の回数が多い場合、ユーザが、冷蔵庫100の消費電力に関心が高いことが考えられる。この場合、特定部152が、例えば冷蔵庫100の消費電力を小さくするような動作設定を特定することで、ユーザの要望または好みに合う動作設定を特定できると期待される。
【0081】
また、特定部152は、庫内に収容される食品の賞味期限を入力するユーザの動作に基づいて、ユーザに応じた冷蔵庫100の温度管理に関する動作設定を特定する。
例えば、ユーザが、食材管理機能に登録する全ての食材の賞味期限を入力するなど、賞味期限の入力回数が多い場合、ユーザが、食材の鮮度を気にしていることが考えられる。この場合、特定部152が、庫内の温度を標準温度よりも低く設定するなど、食材の鮮度がより長く保たれるための設定を特定することで、ユーザの要望または好みに合う動作設定を特定できると期待される。
【0082】
また、特定部152は、ユーザの購買に関する動作の傾向を示す情報に基づいて、ユーザに応じた冷蔵庫100の温度管理に関する動作設定を特定する。
例えば、ユーザがまとめ買いをする傾向がある場合、購入した食材を使いきるまでに時間がかかることが考えられる。この場合、特定部152が、庫内の温度を標準温度よりも低く設定する、または、急速冷却機能でまとめ買いした食材を速やかに冷却するなど、食材の鮮度がより長く保たれるための設定特定することで、ユーザの要望または好みに合う動作設定を特定できると期待される。
【0083】
また、特定部152は、食材の栄養に関するユーザの確認動作(例えば、食材の栄養に関するユーザの確認動作の回数)を示す情報に基づいて、ユーザに応じた冷蔵庫の温度管理に関する動作設定を特定する。
この場合、ユーザが食材の栄養に関心が高いと考えられる。特定部152が、冷蔵庫の温度管理に関する動作設定を特定することで、ユーザの要望または好みに合う動作設定を特定できると期待される。
例えば、冷蔵庫100が収納している食材の中に、温度が高い方が栄養成分を増やせる食材がある場合、特定部152が、所定の時間だけ庫内の温度を上げる設定をおすすめ設定として特定するようにしてもよい。
【0084】
また、特定部152は、冷蔵庫100に含まれる特定の貯蔵部に関するユーザの動作(例えば、特定の貯蔵部に対するユーザの開閉動作の回数)を示す情報に基づいて、ユーザに応じた冷蔵庫100の温度管理に関する動作設定を特定する。
特定の貯蔵部についてユーザの確認動作の回数が多い場合、ユーザが、その貯蔵部への関心が高い(その貯蔵部をよく利用する)と考えられる。特定部152が、特定の貯蔵部に関するユーザの確認動作の回数を示す情報に基づいて動作設定を特定することで、例えば、その貯蔵部を優先的に冷却する設定を特定するなど、ユーザの関心に応じて適切に動作設定を特定できると期待される。
【0085】
また、特定部152は、特定の時間帯に食品を庫内に入れるユーザの動作を示す情報に基づき、ユーザに応じた特定の時間帯における冷蔵庫100の温度管理に関する動作設定を特定する。
これにより、家電システム1は、ユーザが食材を冷蔵庫100に入れるタイミングに応じて冷蔵庫100の温度管理を適切に行うことができ、食材の鮮度を保つことができると期待される。
【0086】
例えば、特定部152が、ユーザが冷蔵庫100に食材を入れたタイミングを記憶しておき、例えば同じ曜日の同じ時刻など同様のタイミングで庫内の温度を下げるように、おすすめ設定を特定するようにしてもよい。
これにより、ユーザが毎週同じ曜日の同じ時間帯に買物に行く場合など、同様のタイミングで冷蔵庫100に食材を入れる場合に、新たに収納された食材を速やかに冷却することができ、食材の鮮度を保つことができると期待される。
【0087】
また、特定部152は、製氷タンクの水切れの通知に対するユーザの動作を示す情報に基づいて、ユーザに応じた製氷に関する動作設定を特定する。
これにより、特定部152が、製氷に関するユーザの要望または好みに合う動作設定を特定できることが期待される。
例えば、ユーザが、製氷タンクの水切れの通知を確認しない場合、または、通知を確認しても水を補充しない場合、ユーザが製氷を求めていないことが考えられる。この場合、特定部152が、自動製氷を行わない設定をおすすめ設定として特定するようにしてもよい。
あるいは、ユーザが、製氷タンクの水切れの通知後すぐに(所定の期間以内に)水を補充した場合、ユーザが多くの氷を欲していることが考えられる。この場合、特定部152が、製氷速度を上げる設定をおすすめ設定として特定するようにしてもよい。
【0088】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態の家電システム2の構成例を示す図である。家電システム2は、冷蔵庫100と、ユーザ端末装置200と、ユーザ情報サーバ装置300と、アプリケーションサーバ装置400と、学習サーバ装置500とを備える。また、冷蔵庫100と、ユーザ端末装置200と、ユーザ情報サーバ装置300と、アプリケーションサーバ装置400と、学習サーバ装置500とは、通信ネットワーク900に通信接続される。冷蔵庫100は、冷蔵庫本体110と、通信モジュール120と、センサ群130と、情報機器140と、状態値取得部151と、制御部153と、記憶部160とを備える。学習サーバ装置500は、特定部152と、通信モジュール510と、記憶部520とを備える。
【0089】
図7の各部のうち、図1の各部に対応して同様の機能を有する部分には同一の符号(100、110、120、130、141、142、143、150、200、300、400、900)を付して、ここでは詳細な説明を省略する。
図7に示す例では、冷蔵庫100が特定部152を備えておらず、学習サーバ装置500が設けられて学習サーバ装置500が特定部152を備えている点、および、これに伴って冷蔵庫100ではなく学習サーバ装置500が学習モデルを記憶している点で、図1の場合と異なる。それ以外の点では、図7に示す例は図1の場合と同様である。
【0090】
通信モジュール510は、他の装置と通信を行う。例えば、通信モジュール510は、冷蔵庫100、通信モジュール510およびユーザ情報サーバ装置300、またはこれらの装置のうちの一部から、おすすめ設定を特定するための情報、および、おすすめ設定に対するユーザの反応を学習モデルにフィードバックするための情報を受信する。また、通信モジュール510は、特定部152が特定したおすすめ設定を示す情報を冷蔵庫100に送信する。
【0091】
おすすめ設定を特定するための情報は、図2に例示されるユーザ動作情報、現在時刻情報、および、冷蔵庫運転状態情報であってもよい。おすすめ設定に対するユーザの反応を学習モデルにフィードバックするための情報は、学習サーバ装置500おすすめ設定を冷蔵庫100に送信して冷蔵庫100が自らに自動設定してから所定時間後の、冷蔵庫100の動作設定を示す情報であってもよい。
【0092】
記憶部520は、各種情報を記憶する。特に、記憶部520は学習モデルを記憶する。ただし、第1の実施形態で上述したように、学習モデルは特定の種類のモデルに限定されず、ハードウェア的に構成されていてもよい。
特定部152の機能は、CPUのような1つ以上のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することによって実行されてもよい。あるいは、特定部152の機能の全部または一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などの回路部(ハードウェア)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。記憶部520は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数の組み合わせなどにより実現されてもよい。
上述したように、通信ネットワーク900がインターネットを含んで構成されていてもよい。学習サーバ装置500が、インターネット上のクラウドサーバとして構成されていてもよい。
【0093】
図8は、学習サーバ装置500がおすすめ設定をユーザに提供する処理の手順の例を示す図である。学習サーバ装置500は、例えば一定時間ごとに図8の処理を繰り返す。
図8のステップS211からS213は、図5のステップS111からS113と同様である。
ステップS213で、おすすめ設定が無効であると特定部152が判定した場合(ステップS213:NO)、学習サーバ装置500は、図8の処理を終了する。この点も、図5の場合と同様である。
【0094】
ステップS213で、おすすめ設定が有効であると判定した場合(ステップS213:YES)、特定部152は、特定したおすすめ設定を冷蔵庫100およびユーザ端末装置200に送信する(ステップS214)。
ステップS214の後、学習サーバ装置500は、図8の処理を終了する。
【0095】
図8に示す処理では、特定部152が、おすすめ設定を直接冷蔵庫100には自動設定せず、通信モジュール510を介しておすすめ設定を冷蔵庫100(およびユーザ端末装置200)に送信する点で、図5の場合と異なる。それ以外の点では、図8に示す処理は図5の場合と同様である。
特定部152が、冷蔵庫100がおすすめ設定に対するユーザの反応を学習結果に反映させる処理は、図6の場合と同様である。
このように、特定部152をクラウドサーバ上に設ける構成でも、特定部152を冷蔵庫100に設ける場合と同様、おすすめ設定をユーザに提供することができる。
【0096】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、家電機器の動作設定を変更することとは異なるユーザの動作を示す情報に基づき、ユーザに応じた家電機器の動作設定を特定する特定部152と、特定部152により特定された家電機器の動作設定に基づき、家電機器を制御する、または家電機器の動作設定を変更する提案をユーザに報知する制御部153とを持つことにより、利便性の向上を図ることができる。
【0097】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0098】
1…家電システム、2…家電システム、100…冷蔵庫、110…冷蔵庫本体、120…通信モジュール、130…センサ群、140…情報機器、151…状態値取得部、152…特定部、153…制御部、160…記憶部、200…ユーザ端末装置、300…ユーザ情報サーバ装置、400…アプリケーションサーバ装置、500…学習サーバ装置、510…通信モジュール、520…記憶部、900…通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8