(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094633
(43)【公開日】2022-06-27
(54)【発明の名称】継手および配管構造
(51)【国際特許分類】
F16L 17/02 20060101AFI20220620BHJP
F16L 37/248 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
F16L17/02
F16L37/248
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020207630
(22)【出願日】2020-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】391001169
【氏名又は名称】櫻護謨株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千葉 健二
【テーマコード(参考)】
3H014
3J106
【Fターム(参考)】
3H014AA02
3J106BA01
3J106BB01
3J106BC04
3J106BD01
3J106BE13
3J106EA01
3J106EA03
3J106EB12
3J106EE18
(57)【要約】
【課題】 より作業性の優れた継手および当該継手を備える配管構造を提供する。
【解決手段】 本発明の一態様に係る継手は、軸を中心とした筒状の一対の金具と、前記一対の金具の各々の外周面に対し周方向に回動可能に設けられた一対の係合具とを備えている。前記金具は、前記軸と平行な軸方向の端部に設けられ、前記軸に向けて延びる環状のダイヤフラム部を有し、前記係合具は、前記金具が挿入される環体と、前記環体の外周面に前記周方向に沿って設けられ、前記軸方向において前記ダイヤフラム部側に位置する前記環体の端部に対して突出する複数の突起部とを有している。前記軸方向において、一方の前記係合具が有する前記複数の突起部が他方の前記係合具が有する前記複数の突起部と係合した際に、前記一対の金具の前記ダイヤフラム部の各々が弾性的に接触している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸を中心とした筒状の一対の金具と、前記一対の金具の各々の外周面に対し周方向に回動可能に設けられた一対の係合具と、を備え、
前記金具は、前記軸と平行な軸方向の端部に設けられ、前記軸に向けて延びる環状のダイヤフラム部を有し、
前記係合具は、前記金具が挿入される環体と、前記環体の外周面に前記周方向に沿って設けられ、前記軸方向において前記ダイヤフラム部側に位置する前記環体の端部に対して突出する複数の突起部とを有し、
前記軸方向において、一方の前記係合具が有する前記複数の突起部が他方の前記係合具が有する前記複数の突起部と係合した際に、前記一対の金具の前記ダイヤフラム部の各々が弾性的に接触する、
継手。
【請求項2】
前記突起部は、前記軸方向と交わる係合面を有し、
前記軸方向において、一方の前記突起部の前記係合面が他方の前記突起部の前記係合面と係合した際に、前記ダイヤフラム部の反発力により前記金具の各々が前記軸方向において離れる方向に移動しようとすることで、前記係合面が互いに押し合う、
請求項1に記載の継手。
【請求項3】
前記係合具は、隣り合う前記突起部の間の溝をさらに有し、
前記突起部は、前記軸方向に沿う側面と、前記側面に形成され前記周方向に突出する、前記係合面を含むフックとをさらに有し、
一方の前記係合具の前記突起部を他方の前記係合具の前記溝に位置させ、他方の前記係合具の前記突起部を一方の前記係合具の前記溝に位置させた状態で、前記側面を互いに近接させるように前記一対の係合具を回動させると、前記フックの前記係合面が前記軸方向に係合する、
請求項2に記載の継手。
【請求項4】
前記軸方向において前記フックが前記ダイヤフラム部に対して最大限に突出した状態において、前記ダイヤフラム部は、前記軸方向において前記係合面より突出している、
請求項3に記載の継手。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の継手と、
前記継手が備える前記一対の金具の少なくとも1つに接続された配管と、を備える、
配管構造。
【請求項6】
前記配管は、前記配管が接続される前記金具を形成する金属材料とは異なる金属材料で形成されている、
請求項5に記載の配管構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、継手および当該継手を備える配管構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、航空、宇宙機器の油圧および燃料系統等で用いられる配管や一般工業配管等の各種の配管系統において、配管の先端に金具を取り付け、当該金具を他の配管に接続された金具や容器等に設けられたポートに接続する継手や接続装置が利用されている。このような継手や接続装置は、例えば金具同士を面接触させることで気密に接続されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、高圧配管の先端に設けられた接続金具を、圧力容器等の隔壁に設けられた接続ポートに接続する接続装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示された接続装置を踏まえても、配管等の接続に関しては未だに種々の改善の余地がある。例えば、特許文献1に開示された接続装置は、接続金具に設けられた固定ねじ部を接続ポートに設けられた雌ねじ部にねじ込むことで、接続金具を隔壁の接続ポートに接続する。接続ポートに応じた接続金具を準備する必要があるばかりでなく、接続時に接続金具を接続ポートにねじ込む作業が発生する。そのため、接続装置の取り付け等において作業性を十分に向上させることが困難な場合がある。
【0006】
そこで、本発明は、より作業性の優れた継手および当該継手を備える配管構造を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る継手は、軸を中心とした筒状の一対の金具と、前記一対の金具の各々の外周面に対し周方向に回動可能に設けられた一対の係合具とを備えている。前記金具は、前記軸と平行な軸方向の端部に設けられ、前記軸に向けて延びる環状のダイヤフラム部を有し、前記係合具は、前記金具が挿入される環体と、前記環体の外周面に前記周方向に沿って設けられ、前記軸方向において前記ダイヤフラム部側に位置する前記環体の端部に対して突出する複数の突起部とを有している。前記軸方向において、一方の前記係合具が有する前記複数の突起部が他方の前記係合具が有する前記複数の突起部と係合した際に、前記一対の金具の前記ダイヤフラム部の各々が弾性的に接触している。
【0008】
前記突起部は、前記軸方向と交わる係合面を有してもよい。前記軸方向において、一方の前記突起部の前記係合面が他方の前記突起部の前記係合面と係合した際に、前記ダイヤフラム部の反発力により前記金具の各々が前記軸方向において離れる方向に移動しようとすることで、前記係合面が互いに押し合ってもよい。
【0009】
前記係合具は、隣り合う前記突起部の間の溝をさらに有し、前記突起部は、前記軸方向に沿う側面と、前記側面に形成され前記周方向に突出する、前記係合面を含むフックとをさらに有してもよい。一方の前記係合具の前記突起部を他方の前記係合具の前記溝に位置させ、他方の前記係合具の前記突起部を一方の前記係合具の前記溝に位置させた状態で、前記側面を互いに近接させるように前記一対の係合具を回動させると、前記フックの前記係合面が前記軸方向に係合してもよい。前記軸方向において前記フックが前記ダイヤフラム部に対して最大限に突出した状態において、前記ダイヤフラム部は、前記軸方向において前記係合面より突出してもよい。
【0010】
本発明の一態様に係る配管構造は、前記継手と、前記継手が備える前記一対の金具の少なくとも1つに接続された配管とを備える。前記配管は、前記配管が接続される前記金具を形成する金属材料とは異なる金属材料で形成されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、より作業性の優れた継手および当該継手を備える配管構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る継手の概略的な斜視図である。
【
図2】
図2は、継手が備える金具と係合具の概略的な斜視図である。
【
図3】
図3は、継手が備える金具と係合具の概略的な断面図である。
【
図6】
図6は、金具および係合具の一部を示す拡大断面図である。
【
図7】
図7は、係合する前の一対の係合具を示す模式図である。
【
図9】
図9は、係合した際の一対の係合具を示す模式図である。
【
図10】
図10は、係合した際の一対の金具を示す模式図である。
【
図11】
図11は、一実施形態に係る継手を備える配管構造の概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施形態においては、主に航空、宇宙機器の油圧および燃料系統等や、一般工業配管等の各種の配管系統での使用が想定される継手(ダブルリップフィッティング)や配管構造を例示する。ただし、継手や配管構造は、その他の種々の配管系統にも適用することができる。適用可能な配管は例えば内径が50mm以下であって、好ましくは内径が20mm以下である。しかし、これよりも大きな内径の配管においても適用することができる。本実施形態に係る継手や配管構造の構成は一例にすぎない。
【0014】
本実施形態においては、金具との用語を金属材料により形作られたとの意味で用いる。金属材料は、例えばチタン合金やステンレス鋼、ニッケル基合金等である。後述の継手、金具、係合具、および配管構造は、部材、物品、造形物、3次元造形物、製品などと言い換えることもできる。金具や係合具は機械加工により製作されてもよいし、3Dプリンタ等を用いた3次元造形により製作されてもよいし、その両方により製作されてもよい。
【0015】
図1は、一実施形態に係る継手100の概略的な斜視図である。継手100は、一対の金具1A,1Bと、一対の係合具2A,2Bとを備えている。金具1Aには係合具2Aが設けられ、金具1Bには係合具2Bが設けられている。
【0016】
一対の係合具2A,2Bの各々は、環体20と、複数の突起部30とを有している。図示した例における継手100は、一対の係合具2A,2Bが有する複数の突起部30が係合することにより一対の金具1A,1Bが接続された状態である。係合具2A,2Bは、例えば金属材料で形成される。係合具2A,2Bを形成する金属材料は、一対の金具1A,1Bと同一の金属材料でもよいし、異なる金属材料でもよい。継手100には、樹脂などの非金属材料で形成された部材が含まれてもよい。
【0017】
金具1A,1Bの軸X1,X2は、同一直線上に並んでいる。軸X1,X2と平行な方向を軸方向Dxと定義し、軸X1,X2を中心として軸X1,X2から離れる方向を半径方向Drと定義する。また、
図1に示すように軸X1,X2を中心とした周方向Dθを定義する。
【0018】
本実施形態において、一対の金具1A,1Bの各々は同一の構造を有し、一対の係合具2A,2Bの各々は同一の構造を有している。そのため、係合具2A,2Bには雌雄の区別がない。「雌雄の区別がない」とは、例えば一対の係合具の一方に雄ねじが形成され、他方に雌ねじが形成されている場合のように、両係合具の種類を異ならせる必要がないことを意味する。雌雄の区別がない係合具は、自身と同一形状の係合具と係合可能である。
【0019】
図2は、継手100が備える金具1Aと係合具2Aの概略的な斜視図である。
図3は、継手100が備える金具1Aと係合具2Aの概略的な断面図である。
図4は、金具1Aの概略的な側面図である。
図5は、係合具2Aの概略的な側面図である。以下の各図おいて、金具1Aや係合具2Aについて説明するが、金具1B、係合具2Bにおいても同様の構造が適用される。また、
図4においては係合具2Aの図示を省略し、
図5においては金具1Aの図示を省略している。
【0020】
金具1Aは、軸X1を中心とした筒状に形成されている。金具1Aは、軸方向Dxにおいて第1端部1aおよび第2端部1bを有している。金具1Aの内部には、流路10が形成されている。金具1Aは、外周面11の第1端部1a側に他の部分よりも半径方向Drに突出した環状の規制部12を有している。規制部12は、外周面11のうち最も半径方向Drに突出している部分である。第2端部1bには、例えば配管類等が種々の形式で接続される。外周面11の第2端部1b側は、接続される配管類等の外径等に応じて他の部分よりも外径が小さく形成されてもよい。
【0021】
第1端部1aには、軸X1を中心とする環状の面13と、軸X1に向けて延びる環状のダイヤフラム部14とが設けられている。継手100において、一対の係合具2A,2Bが係合した際に一対の金具1A,1Bのダイヤフラム部14が互いに面接触することで、一対の金具1A,1Bが気密に接続される。ダイヤフラム部14は、例えばシール部、突出部、皿ばね部、リップ部、弾性部などと呼ぶこともできる。第1端部1aには、軸方向Dxにおいてダイヤフラム部14の面14aと反対側に位置する環状の溝15がさらに設けられている。
【0022】
図3および
図4に示した例において、外周面11には、平行な1組の面11aが形成されている。
図4は、金具1Aを第2端部1b側から見ている。外周面11に面11aが形成された場合、工具等で1組の面11aを掴むことができるため、金具1Aの保持がしやすくなる。外周面11に形成される面11aは、1組に限られず、2組以上であってもよい。
【0023】
次に、係合具2Aについて説明する。係合具2Aは、金具1Aの外周面11に対し周方向Dθに回動可能に設けられている。係合具2Aの軸は、金具1Aの軸X1と一致している。係合具2Aは、金具1Aが挿入される環体20と、複数の突起部30と、隣り合う突起部30の間の溝40とを有している。環体20は、軸方向Dxにおいて第1端部20aおよび第2端部20bを有している。金具1Aが環体20に挿入された状態において、金具1Aの第1端部1aは環体20の第1端部20a側に位置し、金具1Aの第2端部1bは環体20の第2端部20b側に位置している。
【0024】
環体20は、第2端部20b側に内周面20dよりも軸X1に向けて突出した環状の規制部21を有している。規制部21の内径は、規制部12の外径よりも小さい。軸方向Dxにおいて、金具1Aの規制部12が環体20の規制部21に接触するため、係合具2Aは金具1Aに対して抜け止めされており、第1端部1a側からの脱落が防止されている。
【0025】
係合具2Aは、軸方向Dxにおいて金具1Aの規制部12と第2端部1bの間を移動可能に設けられている。外周面11には、係合具2Aの軸方向Dxの移動や第2端部1b側からの脱落を防止するための止め具が設けられてもよい。規制部12や規制部21は、係合具2Aの周方向Dθにおける回動を妨げてはいない。
【0026】
複数の突起部30(例えば、6個)は、環体20の外周面20cに周方向Dθに沿って、
図5に示したように例えば等間隔に設けられている。突起部30の数は、6個に限られず、6個より少なくてもよいし、多くてもよい。突起部30は、軸方向Dxにおいてダイヤフラム部14側に位置する環体20の第1端部20aに対して突出しており、例えば周方向Dθに沿う円弧状に形成されている。
【0027】
突起部30は、周方向Dθにおける(軸方向Dxに沿う)側面30a,30bと、軸方向Dxにおける側面30c,30dとを有している。側面30cは軸方向Dxにおいて環体20の第1端部20a側に位置しており、側面30dは環体20の第2端部20b側に位置している。
図3に示した例において、側面30dは、半径方向Drにおいて環体20の第2端部20bとおおよそ一致しているが、一致しなくともよい。
【0028】
突起部30は、側面30aに形成され周方向Dθに突出するフック31と、根元部32とを有している。フック31は、軸方向Dxと交わる係合面31aを有している。係合面31aは、環体20の第2端部20b側(係合具2Aが金具1Aに設けられた場合においては、金具1Aの第2端部1b側)を向くように形成されている。係合面31aは、例えば軸X1に対して垂直な面である。
図3に示した例において、係合面31aは、半径方向Drにおいて環体20の第1端部20aとおおよそ一致している。係合面31aは、軸方向Dxにおいて環体20の第1端部20aより突出した位置に形成されてもよく、係合面31aと第1端部20aの間に軸方向Dxにおいて隙間が形成されてもよい。
【0029】
溝40は、半径方向Drにおいて根元部32の間に位置し、周方向Dθにおける溝40の幅は、周方向Dθにおける突起部30の幅よりも広く形成されている。係合具2Aの突起部30は、係合具2Bの溝40に位置させることができ、その状態において係合具2Aは周方向Dθに回動可能である。
【0030】
図3に示した例においては、係合具2Aの規制部21が金具1Aの規制部12に接触しており、軸方向Dxにおいてフック31がダイヤフラム部14に対して最大限に突出した状態である。この状態において、金具1Aのダイヤフラム部14は、軸方向Dxにおいて係合面31aよりも突出している。すなわち、ダイヤフラム部14は、係合面31aや環体20が有する第1端部20aよりも軸方向Dxにおいて突出している。
【0031】
図6は、金具1Aおよび係合具2Aの一部を示す拡大断面図である。
図6は、
図3と同様に、係合具2Aの規制部21が金具1Aの規制部12に接触しており、軸方向Dxにおいてフック31がダイヤフラム部14に対して最大限に突出した状態である。
【0032】
第1端部1aには、上述の面13、ダイヤフラム部14、および溝15が設けられている。面13は、例えば軸X1に対して垂直な環状の面である。図示した例において面13は、半径方向Drにおいて、環体20の第1端部20aとおおよそ一致している。面13は、軸方向Dxにおいて環体20の第1端部20aより突出するように設けられてもよい。ただし、面13は、係合面31aよりは突出しないことが好ましい。面13により一対の係合具2A,2Bによる係合が妨げることがあるからである。
【0033】
環状のダイヤフラム部14は肉薄で、例えば全体にわたり一定の厚みを有するように形成されている。ダイヤフラム部14は、軸方向Dxにおいて他のダイヤフラム部14と接触する面14aを有している。面14aは、例えば面13と連続的に形成されている。ダイヤフラム部14は、面14aが軸方向Dxにおいて面13よりも突出するように、半径方向Drに対し角度θ1で傾いている。ダイヤフラム部14の軸X1側の端部は、面13側の端部より第2端部1bから離れている。ダイヤフラム部14の軸X1側の端部は、金具1Aのうち係合面31aに対して最も突出している。
【0034】
ダイヤフラム部14には、軸方向Dxにおいて、軸X1に向けて開口するように形成された溝15が隣接している。図示した例において、溝15は断面が概ねU字形状である。溝15は、面14aと反対側に位置する第1面15aと、第1面15aと対向する第2面15bと、第1面15aと第2面15bとを接続する第3面15cとを有している。第1面15aと第2面15bは、第3面15cを介して滑らかに繋がっている。
【0035】
第1面15aは、面14aと同様に半径方向Drに対し角度θ1で傾いている。第2面15bは、半径方向Drに対し角度θ2で傾いている。角度θ1および角度θ2は、同じであってもよいし、異なってもよい。図示した例においては、角度θ1は、角度θ2よりも大きい。
【0036】
溝15は、半径方向Drに沿って軸方向Dxの幅が小さくなるテーパ形状である。溝15の半径方向Drの内径は、例えばダイヤフラム部14の外径と同程度になる様に形成されているが、さらに大きく形成されてもよい。流路10に流体が送液される際には、溝15が流体で満たされる。
【0037】
第1端部1aに上述のような構造が設けられることで、ダイヤフラム部14は、軸方向Dxにおいて弾性的に変形することができる。ダイヤフラム部14は、軸方向Dxにおいて、第1端部1a側から第2端部1b側に力を受けると変形し、元の形状に戻ろうとする。ダイヤフラム部14は、半径方向Drにおいて、面14aが面13と一致する位置(軸X1に対して垂直な位置)まで変形できることが好ましい。
【0038】
図7は、係合する前の一対の係合具2A,2Bを示す模式図である。
図7においては一対の係合具2A,2Bの一部を示し、一対の金具1A,1Bの図示を省略している。
【0039】
図7において、係合具2Aの突起部30は係合具2Bの溝40に位置し、係合具2Bの突起部30は係合具2Aの溝40に位置している。この状態において、係合具2A,2Bの環体20の第1端部20aは対向し、係合具2A,2Bの突起部30の側面30aは対向しているが、これら突起部30の係合面31aは対向していない。このとき、図示しない一対の金具1A,1Bのダイヤフラム部14は、変形していない状態で接触している。ダイヤフラム部14は係合面31aよりも軸方向Dxに突出しているため、第1端部20aの間には隙間Gが形成される。
【0040】
突起部30は、フック31側の側面30aと係合面31aを接続する傾斜面31bを有している。傾斜面31bは、軸方向Dxおよび半径方向Drに対して傾斜している。図示したように、傾斜面31bは、側面30c側から側面30d側に向かうに連れて根元部32に近づくように傾斜している。例えば、傾斜面31bと係合面31aがなす角度は傾斜面31bと側面30aがなす角度と等しくてもよいし、異なってもよい。
図7において、各突起部30の傾斜面31bは対向している。さらに、突起部30のフック31の根元には、当該部分の応力集中を防止する湾曲部33が形成されている。湾曲部33は、側面30d側から側面30c側に向けて円弧状に凹んでいる。
【0041】
図示した例において、係合面31aの周方向Dθの長さD1は、根元部32の周方向Dθの長さD2よりも長く形成されている。長さD1を長くすることで、係合面31aを大きく形成することができる。ただし、長さD1は、長さD2と同じであってもよいし、短くてもよい。
【0042】
図8は、突起部30の一部を示す拡大図である。
図8は、突起部30を側面30c側から見ている。突起部30は、
図7および
図8に示す凹部CAをさらに有している。凹部CAは、周方向Dθの中央付近において、突起部30の外周面から内周面に向かって凹んでいる。例えば、凹部CAの深さは突起部30の厚さの半分よりも深く、凹部CAの軸方向Dxの長さはフック31の軸方向Dxの長さの半分よりも長い。
【0043】
凹部CAが突起部30に形成されると、トルクレンチや六角スパナ等の工具類が有する爪等を凹部CAに引っかけることができる。凹部CAは複数の突起部30のすべてに形成されてもよいし、その一部にのみ形成されてもよい。
【0044】
図9は、係合した際の一対の係合具2A,2Bを示す模式図である。
図9においては一対の係合具2A,2Bの一部を示し、一対の金具1A,1Bの図示を省略している。
図7に示した状態から各突起部30の側面30aを互いに近接させるように一対の係合具2A,2Bを回動させると、各突起部30の傾斜面31bが互いに接触する。さらに各傾斜面31bを互いに滑らせながら一対の係合具2A,2Bをさらに回動させると、各突起部30が有するフック31の係合面31aが対向し、各係合面31aが軸方向Dxに係合する。このとき、第1端部20aの間には隙間Gがほとんど形成されていない。
【0045】
この状態において、図示していない一対の金具1A,1Bのダイヤフラム部14は弾性変形している。弾性変形したダイヤフラム部14の反発力により、金具1A,1Bの各々が軸方向Dxにおいて離れる方向に移動しようとするため、係合面31aは軸方向Dxに互いに押し合う。係合面31aが互いに押し合うことで、フック31が係合した状態が保たれる。ダイヤフラム部14の弾性変形については、後述の
図10を用いて説明する。
【0046】
係合した状態を解除する場合には、側面30aを互いに遠ざけるように一対の係合具2A,2Bを回動させる。傾斜面31bの係合面31a側の端部が一致するまで一対の係合具2A,2Bを回動させ、傾斜面31bを互いに滑らせながら、さらに一対の係合具2A,2Bを回動させると、フック31が係合した状態が解除される。つまり、一対の係合具2A,2Bは各係合面31aにおいて軸方向Dxに係合するため、一対の係合具2A,2Bを互いに回動させることで、ワンタッチで係合とその解除ができる。
【0047】
フック31が傾斜面31bを有することで傾斜面31bを互いに滑らせながら一対の係合具2A,2Bを回動させることができる。そのため、フック31を係合させたり、係合した状態を解除させたりする作業が容易となる。また、突起部30に形成された凹部CAを利用することで、工具等によりダイヤフラム部14の反発力に抗して一対の係合具2A,2Bを回動しやすくなる。
【0048】
図10は、係合した際の一対の金具1A,1Bを示す模式図である。
図10においては一対の金具1A,1Bの一部を断面にて示している。一対の係合具2A,2Bの図示は省略しているが、
図9に示したように一対の係合具2A,2Bは係合した状態である。
図10においては、変形前(外力がダイヤフラム部14に働いていない状態)のダイヤフラム部14を点線で示している。
図3および
図6を用いて説明したように、ダイヤフラム部14は軸方向Dxにおいて係合面31aよりも突出している。
【0049】
図7に示した状態から
図9に示した状態になるように一対の係合具2A,2Bを回動させると、一対の金具1A,1Bのダイヤフラム部14の各々が弾性的に接触し、互いに押し合いながら図示したように変形する。
図10において、ダイヤフラム部14の各々は、第1端部1a側から第2端部1b側に向けて、半径方向Drにおいて面13と面14aが一致する位置(軸X1に対して垂直な位置)まで変形している。
【0050】
ダイヤフラム部14が軸方向Dxにおいて第1端部1a側から第2端部1b側に向けて弾性変形することで、ダイヤフラム部14が皿ばねのように機能してダイヤフラム部14には第2端部1b側から第1端部1a側に向かう反発力が発生する。ダイヤフラム部14は金属材料で形成されているため、ダイヤフラム部14が樹脂材料等により形成される場合と比較してより大きな反発力を発生させることができる。ダイヤフラム部14の面14aが互いに押し合うことで、一対の金具1A,1Bは軸方向Dxにおいて互いに離れる方向に移動しようする。
【0051】
このとき、フック31の係合面31aが互いに押し合うことで一対の係合具2A,2Bの係合した状態が保たれる。この状態において、一対の金具1A,1Bの軸方向Dxにおける移動が規制されているため、ダイヤフラム部14は弾性変形した状態で維持される。その結果、一対の金具1A,1Bは、接触するダイヤフラム部14の面14aにおいて気密性(シール性)を保持するように接続される。ダイヤフラム部14は半径方向Drに対して傾いているので、ダイヤフラム部14の軸X1側の端部はダイヤフラム部14の他の部分と比較してより強く互いに押し合っている。
【0052】
図示した例においては、ダイヤフラム部14の面14aだけでなく、金具1A,1Bの面13も接触している。一対の金具1A,1Bは、係合した際にダイヤフラム部14の面14aのみで接触してもよいし、面14aの一部のみで接触してもよい。
【0053】
本実施形態においては、一対の金具1A,1Bの各々がダイヤフラム部14を有するため、ダイヤフラム部14の各々が弾性変形し、面14aで互いに押し合う。そのため、ダイヤフラム部14を1つのみ有する継手と比較して、接触した各面14aにはより大きな面圧を発生させることができ、各面14aにおける気密性を高めることができる。
【0054】
さらに、ダイヤフラム部14には溝15が隣接している。流路10に例えば高圧の気体や液体等の流体が送液された際に溝15が流体で満たされ、流体の圧力によりダイヤフラム部14を第2端部1b側から第1端部1a側に向けて押す力が働く。これにより、接触した各面14aには、流体が送液されていない場合と比較してさらに大きな面圧が発生し、各面14aにおける気密性を高めることができ、高圧の流体を送液する場合であっても流体の漏洩が発生しにくい。
【0055】
ダイヤフラム部14の各面14aに発生する面圧が大きくなれば、気密性を高めることができるだけでなく、フック31の係合面31aがより強く互いに押し合う。そのため、一対の係合具2A,2Bを係合した状態をより強固にすることができる。
【0056】
継手100を用いて高圧の流体を送液するためには、一対の金具1A,1Bに内圧がかかっていない状態(流体が送液されていない状態)において、継手100には一定以上の軸力が必要となる場合がある。軸力の値は、ダイヤフラム部14における面圧、フック31により係合する力、および耐圧性能を確保するために必要な値等から算出される。
【0057】
航空、宇宙機器等の配管系統での使用が想定される場合、軸力としては例えば400kg以上であって、好ましくは660kg以上が要求される。例えば、660kg以上の軸力が要求される場合、接触するダイヤフラム部14の面14aにおける面圧は485kg/cm2以上であることが好ましい。発生した面圧により、フック31により係合した状態を保ち、耐圧性能を確保することができる。
【0058】
本実施形態のような一対の金具1A,1Bの各々がダイヤフラム部14を有する形状(ダブルリップ)であれば十分な面圧を発生させることができるため、継手100が航空、宇宙機器等の配管系統(例えば、配管圧力が3000psi(211kg/cm2)以上)で使用される場合であっても十分な気密性を確保することが可能となる。
【0059】
図11は、一実施形態に係る継手100を備える配管構造200の概略的な斜視図である。
図12は、
図11に示す配管構造200の概略的な断面図である。
【0060】
配管構造200は、上述の継手100と、金具1Aの第2端部1bに接続された配管P1と、金具1Bの第2端部1bに接続された配管P2とを備えている。
図12おいては金具1A、係合具2A、および配管P1を示しているが、金具1B、係合具2B、および配管P2においても同様の構造が適用される。
図12に示したように、配管P1の軸PXは金具1Aの軸X1と同一直線上に位置しており、流路10は配管P1の流路に接続されている。
【0061】
配管P1,P2は、例えば直管や、曲管、伸縮管(例えば、ベローズ等)、フレキシブルホース等である。配管P1,P2は、例えば金属配管である。
図12に示した例においては、金具1Aと配管P1は異なる金属材料で形成されている。配管P1,P2は、金具1A,1Bの各々と同一の金属材料で形成されてもよいし、配管P1,P2が接続される金具1A,1Bを形成する金属材料とは異なる金属材料で形成されてもよい。配管P1と配管P2は、同一材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。
【0062】
配管P1,P2の金具1A,1B対する接続は、スウェージング等の機械的取り付けであってもよいし、溶接やロウ付け等の溶融取り付けであってもよい。また、金具1A,1Bと配管P1,P2が異種金属で形成される場合等においては、配管P1,P2が拡散接合により金具1A,1Bに取り付けられてもよい。
【0063】
上述の継手100を備える配管構造200であれば、高い気密性を有する配管構造200を提供することができる。また、一対の係合具2A,2Bを備えているため、配管P1,P2の接続を容易に行うことができる。さらに、金具1A,1Bと配管P1,P2を形成する金属材料が異なる場合、例えば機械的性質および物理的性質の少なくとも1つが異なる配管構造200を得ることができる。このような配管構造200であれば、さまざまな機能を付加することができる。図示した例において、一対の金具1A,1Bは配管P1と配管P2を接続しているが、一対の金具1A,1Bの少なくとも一方が航空、宇宙機器の油圧および燃料系統等の機器類に設けられてもよい。
【0064】
以上説明した本実施形態によれば、従来よりも作業性の優れた継手100や、継手100を備える配管構造200を提供することができる。つまり、本実施形態に係る構造であれば、一対の係合具2A,2Bを回動させワンタッチで係合とその解除が可能であるため、例えば雄ねじや雌ねじを有する雌雄の区別のある継手と比較して接続時等における作業性を向上させることが可能となる。
【0065】
さらに、一対の係合具2A,2Bにより取り付け等の作業性を向上させるだけでなく、継手100は一対の金具1A,1Bにより高い気密性を得ることができる。継手100が備える一対の金具1A,1Bは、ダイヤフラム部14の各々が弾性変形した際に接触する面14aに大きな面圧を発生させることで高い気密性を有して接続されるため、継手100や継手100を備える配管構造200において高圧の流体を送液することが可能となる。
【0066】
また、ダイヤフラム部14の面14aにおける接触により継手100の気密性を保持しているため、振動等の外的な要因に対して流体の漏洩が発生しにくい。金具1A,1Bを剛性の高い金属材料で形成することで、ダイヤフラム部14が変形した際により大きな反発力を生じさせ、面14aにおける面圧を大きくすることができる。係合具2A,2Bは、環体20と突起部30とで形成されるため、雌ねじを有するナット等と比較して軽量に形成することができる。
【0067】
以上説明した他にも、本実施形態からは種々の好適な作用が得られる。本実施形態の変形例として、本実施形態においてダイヤフラム部14の面14aは軸X1に対して傾斜するテーパ状であったが、面14aは曲面であってもよい。
【符号の説明】
【0068】
100…継手、200…配管構造、1A,1B…金具、14…ダイヤフラム部、2A,2B…係合具、20…環体、30…突起部、30a~30d…側面、31…フック、31a…係合面、40…溝、P1,P2…配管、X1,X2…軸。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機器または宇宙機器に使用される継手であって、
軸を中心とした筒状の一対の金具と、前記一対の金具の各々の外周面に対し周方向に回動可能に設けられた一対の係合具と、を備え、
前記金具は、前記軸と平行な軸方向の端部と、前記軸に向けて延びる環状のダイヤフラム部と、を有し、
前記端部と前記ダイヤフラム部とは、金属材料により一体的に形成され、
前記係合具は、前記金具が挿入される環体と、前記環体の外周面に前記周方向に沿って設けられ、前記軸方向において前記ダイヤフラム部側に位置する前記環体の端部に対して突出する複数の突起部とを有し、
前記軸方向において、一方の前記係合具が有する前記複数の突起部が他方の前記係合具が有する前記複数の突起部と係合した際に、前記一対の金具の前記ダイヤフラム部の各々が弾性的に接触する、
継手。
【請求項2】
前記金具は、前記ダイヤフラム部と隣接する環状の第1溝をさらに有し、
前記第1溝の前記軸方向の幅は、前記軸から離れる方向に沿って小さくなっている、
請求項1に記載の継手。
【請求項3】
前記突起部は、前記軸方向と交わる係合面を有し、
前記軸方向において、一方の前記突起部の前記係合面が他方の前記突起部の前記係合面と係合した際に、前記ダイヤフラム部の反発力により前記金具の各々が前記軸方向において離れる方向に移動しようとすることで、前記係合面が互いに押し合う、
請求項1または2に記載の継手。
【請求項4】
前記係合具は、隣り合う前記突起部の間の第2溝をさらに有し、
前記突起部は、前記軸方向に沿う側面と、前記側面に形成され前記周方向に突出する、前記係合面を含むフックとをさらに有し、
一方の前記係合具の前記突起部を他方の前記係合具の前記第2溝に位置させ、他方の前記係合具の前記突起部を一方の前記係合具の前記第2溝に位置させた状態で、前記側面を互いに近接させるように前記一対の係合具を回動させると、前記フックの前記係合面が前記軸方向に係合する、
請求項3に記載の継手。
【請求項5】
前記軸方向において前記フックが前記ダイヤフラム部に対して最大限に突出した状態において、前記ダイヤフラム部は、前記軸方向において前記係合面より突出している、
請求項4に記載の継手。
【請求項6】
前記突起部は、前記環体の外周面に位置する根元部をさらに有し、
前記第2溝は、隣り合う前記突起部の前記根元部の間に位置し、
前記周方向における前記係合面の長さは、前記周方向における前記根元部の長さよりも長い、
請求項4または5に記載の継手。
【請求項7】
前記突起部は、前記軸に向けて凹んでいる凹部を前記突起部の外周面にさらに有している、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の継手。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の継手と、
前記継手が備える前記一対の金具の少なくとも1つに接続された配管と、を備える、
配管構造。
【請求項9】
前記配管は、前記配管が接続される前記金具を形成する金属材料とは異なる金属材料で形成されている、
請求項8に記載の配管構造。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機器または宇宙機器に使用される継手であって、
軸を中心とした筒状の一対の金具と、前記一対の金具の各々の外周面に対し周方向に回動可能に設けられた一対の係合具と、を備え、
前記金具は、前記軸と平行な軸方向の端部と、前記軸に向けて延びる環状のダイヤフラム部と、を有し、
前記端部と前記ダイヤフラム部とは、金属材料により一体的に形成され、
前記係合具は、前記金具が挿入される環体と、前記環体の外周面に前記周方向に沿って設けられ、前記軸方向において前記ダイヤフラム部側に位置する前記環体の端部に対して突出する複数の突起部と、第1溝と、を有し、
前記複数の突起部は、前記軸方向に沿う側面と、前記側面に形成され前記周方向に突出するフックと、前記環体の外周面に位置する根元部と、を有し、
隣り合う前記根元部の間には、前記第1溝が位置し、
前記軸方向において、一方の前記係合具が有する前記複数の突起部が他方の前記係合具が有する前記複数の突起部と係合する際、一方の前記係合具の前記突起部を他方の前記係合具の前記第1溝に位置させ、他方の前記係合具の前記突起部を一方の前記係合具の前記第1溝に位置させた状態で、前記側面を互いに近接させるように前記一対の係合具を回動すると、前記フックが前記軸方向に係合し、前記一対の金具の前記ダイヤフラム部の各々が弾性的に接触し、前記軸を中心として前記軸から離れる半径方向において、一方の前記係合具の前記突起部は他方の前記係合具の前記環体と重なり、他方の前記係合具の前記突起部は一方の前記係合具の前記環体と重なる、
継手。
【請求項2】
前記端部は、前記軸方向と交わる第1面を有し、
前記ダイヤフラム部は、前記第1面と接続され、前記第1面に対して傾いている第2面を有している、
請求項1に記載の継手。
【請求項3】
前記金具は、前記ダイヤフラム部と隣接する環状の第2溝をさらに有し、
前記第2溝の前記軸方向の幅は、前記半径方向に沿って小さくなっている、
請求項1または2に記載の継手。
【請求項4】
前記第2溝は、前記軸方向において、前記ダイヤフラム部側の第3面と、前記第3面と対向する第4面とを有し、
前記第3面と前記第4面とは、前記半径方向に対して傾いている、
請求項3に記載の継手。
【請求項5】
前記フックは、前記軸方向と交わる係合面を有し、
前記軸方向において、一方の前記突起部の前記係合面が他方の前記突起部の前記係合面と係合した際に、前記ダイヤフラム部の反発力により前記金具の各々が前記軸方向において離れる方向に移動しようとすることで、前記係合面が互いに押し合う、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の継手。
【請求項6】
前記軸方向において前記フックが前記ダイヤフラム部に対して最大限に突出した状態において、前記ダイヤフラム部は、前記軸方向において前記係合面より突出している、
請求項5に記載の継手。
【請求項7】
前記周方向における前記係合面の長さは、前記周方向における前記根元部の長さよりも長い、
請求項5または6に記載の継手。
【請求項8】
前記突起部は、前記軸に向けて凹んでいる凹部を前記突起部の外周面にさらに有している、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の継手。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の継手と、
前記継手が備える前記一対の金具の少なくとも1つに接続された配管と、を備える、
配管構造。
【請求項10】
前記配管は、前記配管が接続される前記金具を形成する金属材料とは異なる金属材料で形成されている、
請求項9に記載の配管構造。