(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094646
(43)【公開日】2022-06-27
(54)【発明の名称】補助部材取付具
(51)【国際特許分類】
A47F 5/00 20060101AFI20220620BHJP
【FI】
A47F5/00 Z
A47F5/00 E
A47F5/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020207652
(22)【出願日】2020-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000226426
【氏名又は名称】日研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】由利 直倫
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118AA11
3B118BB04
3B118BB12
3B118FA15
3B118FA16
3B118FA22
3B118FA25
(57)【要約】
【課題】 棚板に対する商品の出し入れ時において、商品の導線を阻害しないよう商品陳列棚に対して商品陳列補助部材を取り付けることが可能な補助部材取付具を提供する。
【解決手段】 商品の陳列を補助する商品陳列補助部材を商品陳列棚に取り付けるための補助部材取付具であって、商品陳列棚の棚板の前端部に取り付け可能な取付部と、商品陳列補助部材を保持可能な保持部とを備え、取付部は、保持部を挿脱可能な係合孔部を有し、保持部は、商品陳列補助部材が棚板に対する商品の出し入れ導線上に位置する第1の位置と、該商品陳列補助部材が該商品の出し入れ導線上から外れた第2の位置との間において変位可能に構成されており、保持部は、第1の位置において係合孔部に挿入されることにより、第2の位置への変位が規制されるよう構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の陳列を補助する商品陳列補助部材を商品陳列棚に取り付けるための補助部材取付具であって、
前記商品陳列棚の棚板の前端部に取り付け可能な取付部と、
前記商品陳列補助部材を保持可能な保持部と
を備え、
前記取付部は、前記保持部を挿脱可能な係合孔部を有し、
前記保持部は、前記商品陳列補助部材が前記棚板に対する商品の出し入れ導線上に位置する第1の位置と、該商品陳列補助部材が該商品の出し入れ導線上から外れた第2の位置との間において変位可能に構成されており、
前記保持部は、前記第1の位置において前記係合孔部に挿入されることにより、前記第2の位置への変位が規制されるよう構成されている
ことを特徴とする補助部材取付具。
【請求項2】
前記取付部に対して前記保持部を支持可能な支持軸を更に備え、
前記保持部は、前記支持軸を挿通させる支持軸挿通孔部を有し、
前記支持軸挿通孔部は、前記保持部を前記係合孔部に対して挿脱させる方向に沿って延びる長孔形状を有しており、
前記保持部は、前記係合孔部から脱離された状態において、前記支持軸を中心として前記第1の位置から前記第2の位置に向かって回動可能に構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の補助部材取付具。
【請求項3】
前記係合孔部は、前記取付部の上面から下面に亘って貫通して形成されており、
前記保持部は、前記係合孔部に挿入された状態において、前記支持軸挿通孔部の上端部側に前記支持軸が位置し、かつ、前記支持軸挿通孔部の下端部側が前記係合孔部の下面側の縁部に係止することにより、前記第1の位置から前記第2の位置に向かう回動が規制されるよう構成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の補助部材取付具。
【請求項4】
前記保持部は、
前記取付部の上面に対向する板状ベース部と、
前記板状ベース部の後端部から上方に向けて突出する板状凸部と、
前記板状ベース部の前端部から下方に向けて突出し、前記第1の位置において前記係合孔部内に挿入される挿入部と
を有し、
前記板状凸部は、前記商品陳列補助部材を保持可能に構成され、
前記挿入部は、前記支持軸挿通孔部を有している
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の補助部材取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の陳列を補助する商品陳列補助部材を商品棚に取り付けるための補助部材取付具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等の量販店において、
図7に示すように、商品陳列棚の棚板2の前端部には、商品価格の表示等を行う商品価格表示具(特許文献1等)や、商品Pの落下防止のために設けられる商品落下防止具(特許文献2等)といった商品Pの陳列を補助するための商品陳列補助部材3が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-298419号公報
【特許文献2】特開2006-239137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の商品陳列補助部材3は、商品陳列棚の棚板2に載置された商品Pの取り出し又は補充の導線の一部を塞ぐように、棚板2の前端部に装着されているため、棚板2から商品Pを取り出しづらく、また、棚板2に対する商品Pの補充が効率的に行えないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、棚板に対する商品の出し入れ時において、商品の導線を阻害しないよう商品陳列棚に対して商品陳列補助部材を取り付けることが可能な補助部材取付具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明は、商品の陳列を補助する商品陳列補助部材を商品陳列棚に取り付けるための補助部材取付具であって、前記商品陳列棚の棚板の前端部に取り付け可能な取付部と、前記商品陳列補助部材を保持可能な保持部とを備え、前記取付部は、前記保持部を挿脱可能な係合孔部を有し、前記保持部は、前記商品陳列補助部材が前記棚板に対する商品の出し入れ導線上に位置する第1の位置と、該商品陳列補助部材が該商品の出し入れ導線上から外れた第2の位置との間において変位可能に構成されており、前記保持部は、前記第1の位置において前記係合孔部に挿入されることにより、前記第2の位置への変位が規制されるよう構成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る補助部材取付具において、前記取付部に対して前記保持部を支持可能な支持軸を更に備え、前記保持部は、前記支持軸を挿通させる支持軸挿通孔部を有し、前記支持軸挿通孔部は、前記保持部を前記係合孔部に対して挿脱させる方向に沿って延びる長孔形状を有しており、前記保持部は、前記前記係合孔部から脱離された状態において、前記支持軸を中心として前記第1の位置から前記第2の位置に向かって回動可能に構成されていることが好ましい。
【0008】
本発明に係る補助部材取付具において、前記係合孔部は、前記取付部の上面から下面に亘って貫通して形成されており、前記保持部は、前記係合孔部に挿入された状態において、前記支持軸挿通孔部の上端部側に前記支持軸が位置し、かつ、前記支持軸挿通孔部の下端部側が前記係合孔部の下面側の縁部に係止することにより、前記第1の位置から前記第2の位置に向かう回動が規制されるよう構成されていてもよい。
【0009】
本発明に係る補助部材取付具において、前記保持部は、前記取付部の上面に対向する板状ベース部と、前記板状ベース部の後端部から上方に向けて突出する板状凸部と、前記板状ベース部の前端部から下方に向けて突出し、前記第1の位置において前記係合孔部内に挿入される挿入部とを有し、前記板状凸部は、前記商品陳列補助部材を保持可能に構成され、前記挿入部は、前記支持軸挿通孔部を有していることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の商品補助部材取付具によれば、棚板に対する商品の出し入れ時において、商品の導線を阻害しないよう商品陳列棚に対して商品陳列補助部材を取り付けることが可能な補助部材取付具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る補助部材取付具を示す斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る補助部材取付具の分解斜視図である。
【
図4】保持部が第1の位置に位置する状態を示す図である。
【
図5】取付部から保持部を脱離させた状態を示す図である。
【
図6】保持部が第2の位置に位置する状態を示す図である。
【
図7】従来の商品陳列補助部材の商品陳列棚への取り付け状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、本実施形態においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や、一部の構成要素が省略されている場合がある。
【0013】
[補助部材取付具の全体構成]
本実施形態に係る補助部材取付具1は、商品Pの陳列を補助する商品陳列補助部材3を商品陳列棚に取り付けるための補助部材取付具である。具体的には、補助部材取付具1は、
図1及び
図2に示すように、商品陳列棚の棚板2の前端部に取り付け可能な取付部10と、商品陳列補助部材3(
図4参照)を保持可能な保持部20とを備えている。また、補助部材取付具1は、取付部10に対して保持部20を支持可能な支持軸30を更に備えている。なお、商品陳列補助部材3としては、例えば、商品価格の表示等を行う商品価格表示具や、商品Pの落下防止のために設けられる商品落下防止具等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
[取付部の構成]
取付部10は、
図1及び
図2に示すように、上面部11と、下面部12と、上面部11及び下面部12をつなぐ中間部13とを有しており、全体として、棚板2の前端部に向けて開口する断面略コの字状に形成されている。取付部10の該開口は、その鉛直方向に沿う開口幅が、棚板2の厚さ(鉛直方向に沿う高さ)と略一致するように形成されている。以下、本明細書において、取付部10が開口する方向を「後方」といい、これとは反対の方向を「前方」という。
【0015】
上面部11は、
図2に示すように、中間部13の上端から後方に向けて略水平に延出する下部水平部11aと、該下部水平部11aから後方かつ上方に向けて延出する傾斜部11bと、傾斜部11bの上端から後方に向けて略水平に延出する上部水平部11cとを有しており、全体として階段状に形成されている。
【0016】
下部水平部11aには、上方に向けて延出する左右一対の支柱部15aが立設されており、該支柱部15aの上端部のそれぞれに、支持軸30を挿通させるための連結孔部15bが形成されている。一対の支柱部15aは、これらの間において保持部20を挟み込むことが可能な幅をおいて離間して設けられている。傾斜部11bは、一対の支柱部15aの上端と、上部水平部11cとが高さ方向において同位置となるような高さを有している。
【0017】
上部水平部11cの下面には、下方に向けて突出する上面係合部14が形成されており、該上面係合部14は、棚板2の前端部に係合可能に構成されている。具体的には、上面係合部14は、上部水平部11cの幅方向全域に亘って形成された筋状の断面逆三角形状を有しており、棚板2の前端部に形成された細溝(図示せず)に噛合可能に構成されている。
【0018】
上部水平部11cと一対の支柱部15aとの間には、略V字状の溝(V溝19)が幅方向全域に亘って形成されており、該V溝19内に商品陳列補助部材3の一部を挿入させることが可能に構成されている。なお、該V溝19の形状は、図示の形状に限定されず、対象とする商品陳列補助部材3の形状等によって適宜変更することが可能である。
【0019】
下面部12は、
図2に示すように、中間部13の下端から後方に向けて略水平に延出する略平板状に形成されており、後方端部に、棚板2の前端部と係合可能な下面係合部16を有している。具体的には、下面係合部16は、上部水平部11cとの間に棚板2の前端部を挿入する際に、上部水平部11cに対して離間する方向に向けて弾性変形し、上部水平部11cとの間に棚板2の前端部を挿入した状態において上部水平部11cに向けて復元し、該下面係合部16の弾性力によって上部水平部11cとの間において棚板2の前端部を挟持するよう構成されている。
【0020】
中間部13は、
図1及び
図2に示すように、下部水平部11aの前方端部から下面部12の前方端部に亘って垂直に延出する略平板上に形成されている。中間部13の上端部は、支持軸30を中心として保持部20が回動した際に当接し、保持部20を所定の回動位置(後述する第2の位置)にて停止させることが可能な回動範囲規制部18として機能するよう構成されている。
【0021】
また、取付部10は、保持部20を挿脱可能な係合孔部17を有している。係合孔部17は、取付部10の上面から下面に亘って貫通して形成されている。具体的には、係合孔部17は、上面部11と下面部12に、一対の支柱部15aの幅内において、上面係合孔部17aと下面係合孔部17bをそれぞれ備える。上面係合孔部17aは、傾斜部11bの頂点から中間部13の上端部(回動範囲規制部18)に亘って形成されている。また、下面係合孔部17bは、下面部12の後端部又はその近傍から前端部又はその近傍に亘って形成されている。
【0022】
[保持部の構成]
保持部20は、
図2に示すように、取付部10の上面(上部水平部11c)に対向する板状ベース部21と、板状ベース部21の後端部から上方に向けて垂直に突出する板状凸部22と、板状ベース部21の前端部から下方に向けて垂直に突出する挿入部23とを有しており、全体として断面略階段状に形成されている。また、保持部20は、取付部10の一対の支柱部15aの幅内に挿入可能な大きさを有している。
【0023】
挿入部23は、支持軸30によって取付部10と保持部20とが連結された状態において、係合孔部17に挿通可能な鉛直方向の長さ、すなわち、上面係合孔部17a及び下面係合孔部17bを貫通可能な高さ方向の長さを有している。また、挿入部23は、支持軸30を挿通させる支持軸挿通孔部24を有する。支持軸挿通孔部24は、保持部20を係合孔部17に対して挿脱させる方向に沿って延びる長孔形状を有している。具体的には、支持軸挿通孔部24は、挿入部23の幅方向に沿って貫通する貫通孔であり、挿入部23の上端部近傍から下端部近傍に亘る長さを有している。
【0024】
板状ベース部21は、取付部10の上部水平部11c上に載置可能な大きさ、具体的には、該上部水平部11cの前後方向の長さと略同じ又はやや小さい前後方向の長さを有している。板状ベース部21と挿入部23の間には、断面略U字状の溝(U溝26)が幅方向全域に亘って形成されており、該U溝26内に商品陳列補助部材3の一部を挿入させることが可能に構成されている。該U溝26は、高さ方向において、取付部10の上述したV溝19と同位置となるような高さを有しており、保持部20が後述する第1の位置に位置する状態において、取付部10のV溝19と共に、補助部材取付具1の幅方向全域に亘って延びる溝を形成可能に構成されている。
【0025】
板状凸部22は、係止部25を有し、商品陳列補助部材3を保持可能に構成されている。具体的には、係止部25は、板状凸部22の上端部から前方に折曲がって形成されており、商品陳列補助部材3を着脱可能に構成されている。係止部25の後面部には、幅方向全域に亘って筋状の断面三角形状の突起(図示せず)が形成されており、該突起により、商品陳列補助部材3に対する係止力が高められるよう構成されている。
【0026】
以上の構成を備えることにより、保持部20は、商品陳列補助部材3が棚板2に対する商品Pの出し入れ導線上に位置する第1の位置(
図4参照)と、該商品陳列補助部材3が該商品Pの出し入れ導線上から外れた第2の位置(
図6参照)との間において変位可能に構成されている。
【0027】
具体的には、保持部20は、
図4に示すように、棚板2の前端部に取付部10が取り付けられた状態において、挿入部23が係合孔部17内に挿入されることにより、板状凸部22が取付部10の上部水平部11cよりも上方に位置するよう構成されている。そして、保持部20は、この状態において板状凸部22に商品陳列補助部材3が取り付けられることにより、商品陳列補助部材3の本来の機能(商品価格の表示や商品Pの落下防止)を果たすよう、棚板2の前端部において商品陳列補助部材3を保持可能に構成されている。本明細書では、このような状態における保持部20の取付部10に対する位置を、「第1の位置」という。
【0028】
また、保持部20は、第1の位置において係合孔部17に挿入されることにより、第2の位置への変位が規制(ロック)されるよう構成されている。具体的には、保持部20は、係合孔部17に挿入された状態において、支持軸挿通孔部24の上端部側に支持軸30が位置し、かつ、支持軸挿通孔部24の下端部側が下面係合孔部17bの縁部に係止することにより、第1の位置から第2の位置に向かう回動が規制されるよう構成されている。
【0029】
一方、保持部20は、係合孔部17から脱離され、支持軸30が支持軸挿通孔部24の下端部に位置する状態において、支持軸30を中心軸として前方に(第1の位置から第2の位置に向かって)回動可能に構成されている。これにより、商品陳列補助部材3を、棚板2に対する商品Pの出し入れ導線上から外れた位置に移動(回動)させることが可能に構成されている。本明細書では、このような状態における保持部20の取付部10に対する位置を、「第2の位置」という。
【0030】
また、保持部20は、支持軸30が支持軸挿通孔部24の下端部に位置する状態において、支持軸30の軸心から該挿入部23の上端部までの距離が、支持軸30の軸心から回動範囲規制部18までの距離よりも長くなる大きさを有している。このような構成により、保持部20は、支持軸30を中心軸として前方に(第1の位置から第2の位置に向かって)回動した際に、挿入部23の前面が回動範囲規制部18に当接し、その回動範囲が規制されるよう構成されている。これにより、商品陳列補助部材3が下段の棚板2にあたって破損するリスクや、下段の棚板2における商品Pの出し入れ導線を塞ぐリスクを低減することができる。
【0031】
取付部10は、合成樹脂等を用いた一体成形によって形成されており、棚板2の前端部に取り付ける際に折れない程度の強度を有している。また、保持部20も同様に、合成樹脂等を用いた一体形成によって形成されており、商品陳列補助部材3の重さによって壊れない程度の強度を有している。支持軸30は、ステンレス等の金属によって形成されており、商品陳列補助部材3を保持した保持部20を支持する際に、その重さによって折れない程度の強度を有している。このような支持軸30としては、例えばスプリングピン等を用いることが可能であるが、これに限定されず、種々の任意の軸を採用することが可能である。
【0032】
[補助部材取付具の使用方法]
次に、本実施形態に係る補助部材取付具1の使用例について
図4~
図6を用いて説明する。
図4は、保持部20及び商品陳列補助部材3が第1の位置に位置する状態を示す説明図であり、
図5は、取付部10から保持部20を脱離させた状態を示す説明図である。
図6は、保持部20及び商品陳列補助部材3が第2の位置に位置する状態を示す説明図である。
【0033】
本実施形態に係る補助部材取付具1は、1つの棚板2の前端部に、幅方向に所定の間隔をおいて複数(例えば2つ乃至3つ)取り付けて使用される。
図4~
図6に示すように、取付部10の上面係合部14と下面係合部16により棚板2の前端部を挟持することにより、補助部材取付具1は、棚板2に取り付けられる。また、保持部20のV溝19、U溝26及び係止部25に商品陳列補助部材3が係合されることにより、商品陳列補助部材3は、補助部材取付具1に取り付けられる。
【0034】
図4に示すように、保持部20が係合孔部17に挿入された状態において、支持軸挿通孔部24の上端部側に支持軸30が位置し、かつ、支持軸挿通孔部24の下端部側が下面係合孔部17bの縁部に係止することにより、第1の位置から第2の位置に向かう回動が規制される。また、係合孔部17に挿入されているときには、商品陳列補助部材3は、購入者の視点に合致する。また、商品Pの落下を防止することができる。そのため、取付部10に対して保持部20が上述の第1の位置に位置する状態において、商品陳列補助部材3は、本来の機能(商品価格の表示や商品Pの落下防止)を発揮し、商品Pの陳列を補助することができる。
【0035】
その後、棚板2に対して商品Pを出し入れする際に、取付部10に対して保持部20を回動させて、商品Pの出し入れ導線上から商品陳列補助部材3を避けさせる。具体的には、まず、
図5に示すように、取付部10に対して保持部20を持ち上げ、保持部20を取付部10の係合孔部17から脱離させることにより、保持部20の回動規制(ロック)を解除する。その後、
図6に示すように、係合孔部17から脱離させた保持部20を、支持軸30を中心軸として前方に回動させることにより、保持部20を第1の位置から第2の位置に変位させる。この際、保持部20の挿入部23の前面が取付部10の回動範囲規制部18(中間部13の上端部)に当接することにより、保持部20及び商品陳列補助部材3の過度な回動が規制される。
【0036】
そして、このように保持部20及び商品陳列補助部材3が第2の位置に位置し、棚板2に対する商品Pの出し入れ導線が開放された状態(商品Pの出し入れ導線が商品陳列補助部材3で塞がれていない状態)において、商品Pの取り出し及び補充が行われる。また、商品Pの取り出し及び補充が完了した後、保持部20を第2の位置から第1の位置に向かうように先ほどとは逆方向に回動させ、取付部10の係合孔部17に挿入することで、商品陳列補助部材3を元の状態(本来の機能を発揮する状態)に戻し、再度商品の陳列を補助させることができる。
【0037】
[本実施形態に係る補助部材取付具の利点]
このように、本実施形態に係る補助部材取付具1は、記商品陳列棚の棚板2の前端部に取り付け可能な取付部10と、商品陳列補助部材3を保持可能な保持部20とを備え、取付部10が、保持部20を挿脱可能な係合孔部17を有し、保持部20が、商品陳列補助部材3が棚板2に対する商品Pの出し入れ導線上に位置する第1の位置と、該商品陳列補助部材3が該商品Pの出し入れ導線上から外れた第2の位置との間において変位可能に構成されており、保持部20が、第1の位置において係合孔部17に挿入されることにより、第2の位置への変位が規制されるよう構成されている。
【0038】
このような構成を備える補助部材取付具1によれば、商品陳列補助部材3を保持する保持部20を第1の位置から第2の位置に回動させるだけで、商品Pの出し入れ導線(商品Pの補充口)を広くすることができるため、棚板2からの商品Pの取り出し及び棚板2に対する商品Pの補充を効率的に行うことができる。
【0039】
特に、本実施形態に係る補助部材取付具1は、保持部20が、支持軸30を挿通させる支持軸挿通孔部24を有し、支持軸挿通孔部24が、保持部20を係合孔部17に対して挿脱させる方向に沿って延びる長孔形状を有しており、保持部20が、係合孔部17から脱離された状態において、支持軸30を中心として第1の位置から第2の位置に向かって回動可能に構成されている。
【0040】
このような構成を備える補助部材取付具1によれば、係合孔部17に対して保持部20を挿脱させるという極めて簡単な操作によって、第1の位置と第2の位置との間における変位を行うことが可能となるため、操作性を向上させることが可能となる。また、取付部10と保持部20とが支持軸30で連結された状態を維持したまま、取付部10の係合孔部17に対して保持部20を脱離させ、取付部10に対して保持部20を回動させることが可能となるため、取付部10に対する保持部20の滑落を防ぐことが可能となり、これにより、補助部材取付具1の強度及び安全性を向上させることが可能となる。
【0041】
また、本実施形態に係る補助部材取付具1は、係合孔部17が、取付部10の上面から下面に亘って貫通して形成されており、保持部20が、係合孔部17に挿入された状態において、支持軸挿通孔部24の上端部側に支持軸30が位置し、かつ、支持軸挿通孔部24の下端部側が係合孔部17の下面側の縁部に係止することにより、第1の位置から第2の位置に向かう回動が規制されるよう構成されている。
【0042】
このような構成を備える補助部材取付具1によれば、取付部10の係合孔部17に対して保持部20を挿入するという極めて簡単な操作によって、第1の位置にて保持部20の回動を規制(ロック)させることが可能となるため、操作性が高く、また、誤操作を防止することが可能となる。
【0043】
[変形例]
本発明に係る補助部材取付具は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内において種々の改変を行なうことができる。
【0044】
例えば、上述した実施形態では、取付部10に対して保持部20を支持可能な支持軸30を備えるものとして説明したが、これに限定されず、支持軸30を用いることなく、取付部10に対して保持部20を取り付ける構成としても良い。
【0045】
また、上述した実施形態において、保持部20は、長孔形状の支持軸挿通孔部24を有し、係合孔部17から脱離された状態において、支持軸30を中心として第1の位置から第2の位置に向かって回動可能に構成されるものとして説明したが、これに限定されず、上述した第1の位置と第2の位置との間において変位可能な構成であれば、種々の任意の構成を採用することが可能である。
【0046】
さらに、上述した実施形態において、板状凸部22は、係止部25を有し、係止部25に設けられた突起により、商品陳列補助部材3を係止可能に構成されるものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、板状凸部22の表面に両面テープなどを設け、商品陳列補助部材3を保持する構成等の種々の任意の構成を採用することが可能である。
【0047】
また、上述した実施形態において、補助部材取付具1は、1つの棚板2に2つから3つ取り付けて使用するものとして説明したが、これに限定されず、棚板2に取り付ける個数は任意に変更することが可能である。また、例えば補助部材取付具1の設置個数を減らす場合等には、各補助部材取付具1の横幅を図示のものよりも大きくする等の改変を行っても良い。
【0048】
さらに、本実施形態に係る補助部材取付具1において、下面係合孔部17bを設け、支持軸挿通孔部24の下端部側が下面係合孔部17bの縁部に係止することにより、第1の位置から第2の位置に向かう回動を規制するものとして説明したが、これに限定されず、第2の位置への回動を規制可能な構成であれば、種々の任意の構成を採用可能である。
【0049】
上記のような変形例が本発明の範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0050】
1 補助部材取付具
2 棚板
3 商品陳列補助部材
10 取付部
11 上面部
11a 下部水平部
11b 傾斜部
11c 上部水平部
12 下面部
13 中間部
14 上面係合部
15a 支柱部
15b 連結孔部
16 下面係合部
17 係合孔部
17a 上面係合孔部
17b 下面係合孔部
18 回動範囲規制部
19 V溝
20 保持部
21 板状ベース部
22 板状凸部
23 挿入部
24 支持軸挿通孔部
25 係止部
26 U溝
30 支持軸