(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094651
(43)【公開日】2022-06-27
(54)【発明の名称】半導体装置および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 27/088 20060101AFI20220620BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20220620BHJP
H01L 21/8238 20060101ALI20220620BHJP
H01L 27/11582 20170101ALI20220620BHJP
H01L 27/11556 20170101ALI20220620BHJP
H01L 27/11526 20170101ALI20220620BHJP
H01L 27/11573 20170101ALI20220620BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20220620BHJP
H01L 21/76 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
H01L27/088 331A
H01L27/088 E
H01L27/092 G
H01L27/088 H
H01L27/092 K
H01L27/088 331E
H01L27/11582
H01L27/11556
H01L27/11526
H01L27/11573
H01L29/78 371
H01L21/76 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020207657
(22)【出願日】2020-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】特許業務法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中上 恒平
【テーマコード(参考)】
5F032
5F048
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F032AA34
5F032AA44
5F032AA78
5F032BA01
5F032CA03
5F032CA17
5F032CA20
5F032DA23
5F032DA24
5F032DA34
5F048AA04
5F048AA07
5F048AB01
5F048AC01
5F048AC03
5F048BA01
5F048BA19
5F048BA20
5F048BB01
5F048BB02
5F048BB03
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5F048BB12
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5F048BD10
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5F048BF16
5F048BG13
5F048CB02
5F048CB03
5F048CB07
5F048CB10
5F048DA25
5F083EP02
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5F083EP34
5F083EP47
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5F101BA01
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5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH15
(57)【要約】
【課題】高い信頼性を有する半導体装置を提供する
【解決手段】半導体装置は、メモリセルを含む第1の領域と、周辺回路を含む第2の領域と、を具備する。第2の領域は、半導体基板の表面に設けられた拡散領域と、拡散領域の上に設けられたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、拡散領域の上に設けられ、ゲート電極を囲む絶縁体層と、半導体基板に埋め込まれ、拡散領域を囲む素子分離体と、を備える。素子分離体は、表面よりも下方に窪む第1の領域と、拡散領域と第1の領域との間に設けられ、表面に対して第1の領域よりも上方に突出する凸部を有する第2の領域と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリセルを含む第1の領域と、
周辺回路を含む第2の領域と、
を具備し、
前記第2の領域は、
半導体基板の表面に設けられた拡散領域と、
前記拡散領域の上に設けられたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、
前記拡散領域の上に設けられ、前記ゲート電極を囲む絶縁体層と、
前記半導体基板に埋め込まれ、前記拡散領域を囲む素子分離体と、
を備え、
前記素子分離体は、
前記表面よりも下方に窪む第1の領域と、
前記拡散領域と前記第1の領域との間に設けられ、前記表面に対して前記第1の領域よりも上方に突出する凸部を有する第2の領域と、
を有する、半導体装置。
【請求項2】
前記凸部は、前記絶縁体層の下に設けられる、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記凸部は、前記表面よりも上方に突出する、請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2の領域は、前記拡散領域の表面の端部まで延在する、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
半導体基板の表面に設けられた拡散領域の上に絶縁膜を形成し、
前記絶縁膜の上に半導体膜を形成し、
前記半導体基板および前記半導体膜に埋め込まれ、前記拡散領域を囲む素子分離体を形成し、
前記素子分離体を部分的に除去することにより、前記素子分離体に凹部を形成し、
前記半導体膜および前記素子分離体の上に導電体膜を形成し、
前記半導体膜および前記導電体膜を部分的に除去することにより、ゲート電極を形成し、
前記素子分離体に、前記表面よりも下方に窪む第1の領域と、前記拡散領域と前記第1の領域との間に設けられ、前記表面に対して前記第1の領域よりも上方に突出する凸部を有する第2の領域と、を形成し、
前記拡散領域の上に設けられ、前記ゲート電極を囲む絶縁体層を形成する、
半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記凸部は、前記絶縁体層の下に設けられる、請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記凸部は、前記表面よりも上方に突出する、請求項5または請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第2の領域は、前記拡散領域の表面の端部まで延在する、請求項5ないし請求項7のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電界効果トランジスタを含む周辺回路と、メモリセルアレイと、を具備する半導体装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開2014/00512223号明細書
【特許文献2】特開2006-229014号公報
【特許文献3】米国特許第6034388号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明が解決しようとする課題の一つは、高い信頼性を有する半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体装置は、メモリセルを含む第1の領域と、周辺回路を含む第2の領域と、を具備する。第2の領域は、半導体基板の表面に設けられた拡散領域と、拡散領域の上に設けられたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、拡散領域の上に設けられ、ゲート電極を囲む絶縁体層と、半導体基板に埋め込まれ、拡散領域を囲む素子分離体と、を備える。素子分離体は、表面よりも下方に窪む第1の領域と、拡散領域と第1の領域との間に設けられ、表面に対して第1の領域よりも上方に突出する凸部を有する第2の領域と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】半導体記憶装置の全体構成を示すブロック図である。
【
図2】メモリセルアレイ10の回路構成を示す図である。
【
図3】半導体装置の構造例を説明するための図である。
【
図4】半導体装置の構造例を示す断面模式図である。
【
図5】半導体装置の製造方法の例を説明するためのフローチャートである。
【
図6】半導体装置の製造途中の断面構造の一例を示す図である。
【
図7】半導体装置の製造途中の断面構造の一例を示す図である。
【
図8】半導体装置の製造途中の断面構造の一例を示す図である。
【
図9】半導体装置の製造途中の断面構造の一例を示す図である。
【
図10】半導体装置の製造途中の断面構造の一例を示す図である。
【
図11】半導体装置の製造途中の断面構造の一例を示す図である。
【
図12】半導体装置の製造途中の断面構造の一例を示す図である。
【
図13】半導体装置の製造途中の断面構造の一例を示す図である。
【
図14】半導体装置の製造途中の断面構造の一例を示す図である。
【
図15】半導体装置の製造途中の断面構造の一例を示す図である。
【
図16】半導体装置の製造途中の断面構造の一例を示す図である。
【
図17】半導体装置の製造途中の断面構造の一例を示す図である。
【
図18】半導体装置の製造途中の断面構造の一例を示す図である。
【
図19】半導体装置の製造途中の断面構造の一例を示す図である。
【
図20】半導体装置の製造途中の断面構造の一例を示す図である。
【
図21】半導体装置の製造途中の断面構造の一例を示す図である。
【
図22】半導体装置の製造途中の断面構造の一例を示す図である。
【
図23】半導体装置の製造途中の断面構造の一例を示す図である。
【
図24】素子分離体STIに凹部Dを形成しない場合の半導体装置の製造方法を説明するための模式図である。
【
図25】領域STIaおよび領域STIbを形成しない場合の半導体装置の製造方法を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。図面に記載された各構成要素の厚さと平面寸法との関係、各構成要素の厚さの比率等は現物と異なる場合がある。また、実施形態において、実質的に同一の構成要素には同一の符号を付し適宜説明を省略する。
【0008】
図1は、半導体記憶装置の全体構成を示すブロック図である。半導体装置1は、例えばメモリコントローラ2によって制御される。半導体装置1は、メモリセルアレイ10、コマンドレジスタ11、アドレスレジスタ12、シーケンサ13、ドライバモジュール14、ロウデコーダモジュール15、およびセンスアンプモジュール16を含む。
【0009】
メモリセルアレイ10は、複数のブロックBLK0~BLK(L-1)(Lは2以上の整数)を含む。ブロックBLKは、データを不揮発に記憶する複数のメモリセルトランジスタ(以下、「メモリセル」と記す場合がある。)の集合体であり、例えばデータの消去単位として使用される。メモリセルアレイ10には、複数のビット線および複数のワード線が設けられる。各メモリセルトランジスタは、例えば1本のビット線と1本のワード線とに関連付けられている。メモリセルアレイ10の詳細な構成については後述する。
【0010】
コマンドレジスタ11は、半導体装置1がメモリコントローラ2から受信したコマンドCMDを保持可能である。コマンドCMDは、例えばシーケンサ13に読み出し動作、書き込み動作、および消去動作等を実行させる命令を含む。アドレスレジスタ12は、半導体装置1がメモリコントローラ2から受信したアドレス情報ADDを保持可能である。アドレス情報ADDは、例えばブロックアドレスBA、ページアドレスPA、およびカラムアドレスCAを含む。例えば、ブロックアドレスBA、ページアドレスPA、およびカラムアドレスCAは、それぞれブロックBLK、ワード線、およびビット線の選択に使用される。
【0011】
シーケンサ13は、半導体装置1の全体の動作を制御する。例えば、シーケンサ13は、コマンドレジスタ11に保持されたコマンドCMDに基づいてドライバモジュール14、ロウデコーダモジュール15、およびセンスアンプモジュール16等を制御して、読み出し動作、書き込み動作、および消去動作等を実行する。
【0012】
ドライバモジュール14は、読み出し動作、書き込み動作、および消去動作等で使用される電圧を生成する。そして、ドライバモジュール14は、例えばアドレスレジスタ12に保持されたページアドレスPAに基づいて、選択されたワード線に対応する信号線に、生成した電圧を印加する。
【0013】
ロウデコーダモジュール15は、アドレスレジスタ12に保持されたブロックアドレスBAに基づいて、対応するメモリセルアレイ10内の1つのブロックBLKを選択する。そして、ロウデコーダモジュール15は、例えば選択されたワード線に対応する信号線に印加された電圧を、選択されたブロックBLK内の選択されたワード線に転送する。
【0014】
センスアンプモジュール16は、書き込み動作において、メモリコントローラ2から受信した書き込みデータDATに応じて、各ビット線に所望の電圧を印加する。また、センスアンプモジュール16は、読み出し動作において、ビット線の電圧またはビット線に流れる電流に基づいてメモリセルに記憶されたデータを判定し、判定結果を読み出しデータDATとしてメモリコントローラ2に転送する。
【0015】
半導体装置1とメモリコントローラ2との間の通信は、例えばNANDインターフェイスをサポートしている。例えば、半導体装置1とメモリコントローラ2との間の通信では、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号WEn、リードイネーブル信号REn、レディビジー信号RBn、および入出力信号I/Oが使用される。
【0016】
コマンドラッチイネーブル信号CLEは、半導体装置1が受信する入出力信号I/OがコマンドCMDであることを示す信号である。アドレスラッチイネーブル信号ALEは、半導体装置1が受信する信号I/Oがアドレス情報ADDであることを示す信号である。ライトイネーブル信号WEnは、入出力信号I/Oからのデータ入力を制御するために用いられる信号である。リードイネーブル信号REnは、入出力信号I/Oからのデータ出力を制御するために用いられる信号である。
【0017】
レディビジー信号RBnは、半導体装置1がメモリコントローラ2からの命令を受け付けるレディ状態であるか命令を受け付けないビジー状態であるかを、メモリコントローラ2に通知する信号である。
【0018】
入出力信号I/Oは、例えば8ビット幅の信号であり、コマンドCMD、アドレス情報ADD、データDAT等を含み得る。
【0019】
以上説明した半導体装置1およびメモリコントローラ2は、それらの組み合わせにより1つの半導体記憶装置を構成してもよい。このような半導体記憶装置としては、例えばSDカードのようなメモリカードや、SSD(Solid State Drive)等が挙げられる。
【0020】
次に、メモリセルアレイ10の回路構成について、
図2を用いて説明する。
図2の例は、ブロックBLK0を示しているが、他のブロックBLKの回路構成も同じである。
図2に示すように、ブロックBLK0は、例えば4つのストリングユニットSU0~SU3を含む。各ストリングユニットSUは、複数のNANDストリングNSを含む。
【0021】
複数のNANDストリングNSは、それぞれビット線BL0~BL(N-1)(Nは2以上の整数)に関連付けられている。各NANDストリングNSは、例えばメモリセルトランジスタMC0~MC7、並びに選択トランジスタST1およびST2を含む。
【0022】
メモリセルトランジスタMCは、制御ゲートおよび電荷蓄積層を含み、データを不揮発に保持可能である。以下、メモリセルトランジスタMC0~MC7のいずれかを限定しない場合は、メモリセルトランジスタMCと表記する。なお、メモリセルトランジスタMCは、電荷蓄積層に絶縁膜を用いたMONOS型であってもよいし、電荷蓄積層に導電体層を用いたFG型であってもよい。以下、実施形態では、MONOS型を例として説明する。
【0023】
選択トランジスタST1は、各種動作時におけるストリングユニットSUの選択に使用される。各NANDストリングNSにおいて、選択トランジスタST1のドレインは、関連付けられたビット線BLに接続される。選択トランジスタST1のソースは、直列に接続されたメモリセルトランジスタMC0~MC7の一端に接続される。直列に接続されたメモリセルトランジスタMC0~MC7の他端は、選択トランジスタST2のドレインに接続される。
【0024】
同一のブロックBLKにおいて、選択トランジスタST2のソースは、ソース線SLに共通接続される。ストリングユニットSU0~SU3内の選択トランジスタST1のゲートは、それぞれ選択ゲート線SGD0~SGD3に共通接続される。メモリセルトランジスタMC0~MC7の制御ゲートは、それぞれワード線WL0~WL7に共通接続される。選択トランジスタST2のゲートは、選択ゲート線SGSに共通接続される。
【0025】
以上で説明したメモリセルアレイ10の回路構成において、同じカラムアドレスCAが割り当てられた複数のNANDストリングNSは、複数のブロックBLK間で同じビット線BLに共通接続される。ソース線SLは、複数のブロックBLK間で共通接続される。
【0026】
なお、実施形態に係る半導体装置が備えるメモリセルアレイ10の回路構成は、以上で説明した構成に限定されない。例えば、各NANDストリングNSが含むメモリセルトランジスタMC、並びに選択トランジスタST1およびST2の個数は、それぞれ任意の個数に設計され得る。各ブロックBLKが含むストリングユニットSUの個数は、任意の個数に設計され得る。
【0027】
次に、半導体装置の断面構成について、
図3を用いて説明する。
図3は、半導体装置の構造例を説明するための図であり、半導体基板100の表面(上面)に略平行なX軸、X軸に略垂直なY軸、X軸およびY軸に略垂直なZ軸により表されるX-Z断面を示す。
図3に示すように、半導体基板100上には、絶縁体層31が形成される。絶縁体層31には、例えば酸化シリコン(SiO)が用いられる。絶縁体層31上にメモリセルアレイ10が設けられている。回路領域A2には、例えばセンスアンプモジュール16等に用いられる回路が形成される。なお、
図3では、メモリセルアレイ10を含むメモリセル領域A1の下に回路領域A2を有しているが、これに限定されず、メモリセル領域A1と並置するように回路領域A2を設けてもよい。
【0028】
まず、メモリセルアレイ10の構成について説明する。絶縁体層31上には、ソース線SLとして機能する導電体層32が設けられる。例えば、導電体層32は、半導体基板100の表面(上面)に略平行なX-Y平面に沿って広がった板状に形成される。導電体層32は、導電材料を用いて形成され、導電材料には例えば金属材料または半導体材料等を含む。
【0029】
導電体層32上には、11層の絶縁体層33と10層の導電体層34とが交互に積層される。絶縁体層33には、例えばSiOが用いられる。10層の導電体層34は、例えば下方から順に、選択ゲート線SGS、ワード線WL0~WL7、および選択ゲート線SGDとして機能する。例えば、導電体層34はX軸方向に延伸する板状に形成される。導電体層34は、導電材料を用いて形成され、導電材料は例えば金属材料を含む。
【0030】
10層の導電体層34を貫通(通過)し、底面が導電体層32に達する複数のメモリピラーMPが設けられている。メモリピラーMPは、Z軸方向に沿って延伸する。1つのメモリピラーMPが1つのNANDストリングNSに対応する。メモリピラーMPは、ブロック絶縁膜35、電荷蓄積層36、トンネル絶縁膜37、半導体層38、コア層39、およびキャップ層40を含む。
【0031】
より具体的には、10層の導電体層34を貫通して、底面が導電体層32に達するように、メモリピラーMPに対応するホールが形成される。ホールの側面にはブロック絶縁膜35、電荷蓄積層36、およびトンネル絶縁膜37が順次積層されている。そして、側面がトンネル絶縁膜37に接し、底面が導電体層32に接するように半導体層38が形成されている。半導体層38は、メモリセルトランジスタMC並びに選択トランジスタST1およびST2のチャネルが形成される領域である。よって、半導体層38は、選択トランジスタST2、メモリセルトランジスタMC0~MC7、および選択トランジスタST1の電流経路を接続する信号線として機能する。半導体層38内にはコア層39が設けられている。そして、半導体層38およびコア層39上には、側面がトンネル絶縁膜37に接するキャップ層40が形成されている。
【0032】
ブロック絶縁膜35、トンネル絶縁膜37、およびコア層39には、例えば、SiOが用いられる。電荷蓄積層36には、例えば窒化シリコン(SiN)が用いられる。半導体層38およびキャップ層40には、例えばポリシリコンが用いられる。
【0033】
メモリピラーMPと、ワード線WL0~WL7としてそれぞれ機能する8層の導電体層34とが組み合わされ、メモリセルトランジスタMC0~MC7として機能する。同様に、メモリピラーMPと、選択ゲート線SGDおよびSGSとしてそれぞれ機能する2層の導電体層34とが組み合わされ、選択トランジスタST1およびST2として機能する。
【0034】
キャップ層40上には、コンタクトプラグCPが形成される。コンタクトプラグCP上には、ビット線BLとして機能する導電体層(不図示)が形成される。コンタクトプラグCPは、導電材料を用いて形成され、導電材料には、例えば、金属材料が用いられる。
【0035】
なお、
図3の例では、3つのメモリピラーMPがX軸方向に沿って配置されているが、メモリピラーMPは、任意に配置され得る。
【0036】
回路領域A2は、電界効果トランジスタTrNと、電界効果トランジスタTrPと、を有する。電界効果トランジスタTrNおよび電界効果トランジスタTrPは、例えば、コマンドレジスタ11、アドレスレジスタ12、シーケンサ13、ドライバモジュール14、ロウデコーダモジュール15、およびセンスアンプモジュール16等の周辺回路に用いることができる。電界効果トランジスタTrNおよび電界効果トランジスタTrPのチャネル長方向は、例えばX軸方向であり、チャネル幅方向は、例えばY軸方向である。
【0037】
電界効果トランジスタTrNと、電界効果トランジスタTrPと、を有する半導体装置の構造例について
図4を用いて以下に説明する。
図4は、半導体装置の構造例を示す断面模式図であり、X-Z断面の一部を示す。
図4は、便宜のため、電界効果トランジスタTrNおよび電界効果トランジスタTrPを隣接して図示しているが、これに限定されない。例えば、電界効果トランジスタTrNおよび電界効果トランジスタTrPは互いに離れて配置されるとともに、その間に他のトランジスタ等が設けられていてもよい。電界効果トランジスタTrNが形成される領域、電界効果トランジスタTrPが形成される領域は、それぞれ、TrN形成領域、TrP形成領域と表記される場合がある。
【0038】
電界効果トランジスタTrNおよび電界効果トランジスタTrPは、高速動作を目的とした超低耐圧トランジスタであり、例えば低電圧駆動および高速動作が可能なロジック回路に適用可能である。これに限定されず、電界効果トランジスタTrNの例は、高電圧駆動が可能な超高耐圧トランジスタや、超高耐圧トランジスタよりも低い耐圧を有する高耐圧トランジスタ等をさらに含んでもよい。本実施形態では、一例として、電界効果トランジスタTrNおよび電界効果トランジスタTrPが超低耐圧トランジスタである例について説明する。
【0039】
電界効果トランジスタTrPは、リン等の不純物元素を含む拡散領域であるN型ウェル領域NWに設けられる。電界効果トランジスタTrNは、ボロン等の不純物元素を含む拡散領域であるP型ウェル領域PWに設けられる。N型ウェル領域NWおよびP型ウェル領域PWは、半導体基板100の後述する表面100aに設けられる。素子分離体STIにより電気的に分離される。X-Z断面において、素子分離体STIの側面は、例えば逆テーパ形状を有する。素子分離体STIは、例えばノンドープドシリケートガラス(NSG)等のシリコン酸化物を含む。N型ウェル領域NW、P型ウェル領域PW、および素子分離体STIは、半導体基板100の後述する表面100aに設けられ、半導体基板100に埋め込まれる。
【0040】
電界効果トランジスタTrPは、p型不純物拡散領域PP1と、p型不純物拡散領域PP2と、絶縁体層120aと、ゲート電極130aと、絶縁体層140aと、絶縁体層150aと、絶縁体層160aと、を含む。
【0041】
電界効果トランジスタTrNは、n型不純物拡散領域NP1と、n型不純物拡散領域NP2と、絶縁体層120bと、ゲート電極130bと、絶縁体層140bと、絶縁体層150bと、絶縁体層160bと、を含む。
【0042】
図4に示す半導体装置は、さらにコンタクトプラグCSと、コンタクトプラグC0と、を含む。コンタクトプラグCSは、電界効果トランジスタTrPまたは電界効果トランジスタTrNの、ソースまたはドレインと接続される導電体層である。コンタクトプラグC0は、電界効果トランジスタTrPまたは電界効果トランジスタTrNの、ゲート電極と接続される導電体層である。p型不純物拡散領域PP1およびp型不純物拡散領域PP2並びにn型不純物拡散領域NP1およびn型不純物拡散領域NP2のそれぞれは、これらの上に設けられたコンタクトプラグCSを介して異なる導電体層に電気的に接続される。ゲート電極130a、ゲート電極130bのそれぞれは、これらの上に設けられたコンタクトプラグC0を介して異なる導電体層に電気的に接続される。
【0043】
p型不純物拡散領域PP1およびp型不純物拡散領域PP2は、N型ウェル領域NWの表面(上面)に形成され、例えば、ドープされたボロン(B)を含む。p型不純物拡散領域PP1は、p型不純物拡散領域PP2とX軸方向に離れて配置される。
【0044】
p型不純物拡散領域PP1およびp型不純物拡散領域PP2は、電界効果トランジスタTrPのソース(ソース拡散層)およびドレイン(ドレイン拡散層)として機能する。
【0045】
n型不純物拡散領域NP1およびn型不純物拡散領域NP2は、P型ウェル領域PWの表面(上面)に形成され、例えば、ドープされたリン(P)を含む。n型不純物拡散領域NP1は、n型不純物拡散領域NP2とX軸方向に離れて配置される。
【0046】
n型不純物拡散領域NP1およびn型不純物拡散領域NP2は、電界効果トランジスタTrNのソース(ソース拡散層)およびドレイン(ドレイン拡散層)として機能する。
【0047】
絶縁体層120aは、p型不純物拡散領域PP1とp型不純物拡散領域PP2との間のN型ウェル領域NWの上に設けられ、電界効果トランジスタTrPのゲート絶縁膜として機能する。
【0048】
絶縁体層120bは、n型不純物拡散領域NP1とn型不純物拡散領域NP2との間のP型ウェル領域PWの上に設けられ、電界効果トランジスタTrNのゲート絶縁膜として機能する。
【0049】
絶縁体層120aおよび絶縁体層120bは、絶縁材料を含む。絶縁材料の例は、酸化シリコンまたは窒化シリコン等を含む。
【0050】
ゲート電極130aは、絶縁体層120aの上に設けられる。ゲート電極130aは、半導体層131aと、導電体層132aと、を含む。
【0051】
ゲート電極130bは、絶縁体層120bの上に設けられる。ゲート電極130bは、半導体層131bと、導電体層132bと、を含む。
【0052】
半導体層131a、半導体層131bは、絶縁体層120a、絶縁体層120bの上にそれぞれ設けられる。半導体層131aの例は、ボロン(B)等の不純物をドープしたポリシリコン層を含む。半導体層131bの例は、リン(P)等の不純物をドープしたポリシリコン層を含む。半導体層131aおよび半導体層131bにボロンまたはリン等の不純物を含ませることにより、電界効果トランジスタTrP、電界効果トランジスタTrNの閾値電圧を調整できる。
【0053】
導電体層132a、導電体層132bは、半導体層131a、半導体層131bの上にそれぞれ設けられる。導電体層132aおよび導電体層132bは、例えばチタン(Ti)、タングステンシリサイド(WSi)等の金属材料を含む。導電体層132aおよび導電体層132bは、複数の導電体層の積層であってもよい。
【0054】
絶縁体層140a、絶縁体層140bは、導電体層132a、導電体層132bの上にそれぞれ設けられる。絶縁体層140aおよび絶縁体層140bは、例えば窒化シリコンを含む。絶縁体層140aおよび絶縁体層140bは、例えば、コンタクトプラグC0を形成する際のエッチングストッパとして機能する。コンタクトプラグC0の一つは、導電体層132aの上に設けられるとともに絶縁体層140aを貫通する。コンタクトプラグC0の他の一つは、導電体層132bの上に設けられるとともに絶縁体層140bを貫通する。
【0055】
絶縁体層150aは、N型ウェル領域NWの上に設けられ、X-Y平面においてゲート電極130aを囲む。絶縁体層150aは、絶縁体層120a、ゲート電極130a、および絶縁体層140aの積層の側面に設けられる。絶縁体層150bは、P型ウェル領域PWの上に設けられ、X-Y平面においてゲート電極130bを囲む。絶縁体層150bは、絶縁体層120b、ゲート電極130b、および絶縁体層140bの積層の側面に設けられる。絶縁体層150aおよび絶縁体層150bは、例えば酸化シリコンを含む。絶縁体層150a、絶縁体層150bは、電界効果トランジスタTrP、電界効果トランジスタTrNのサイドウォール(ゲートスペーサともいう)としてそれぞれ機能する。
【0056】
絶縁体層160aは、絶縁体層150aおよび素子分離体STIの上に設けられる。絶縁体層160bは、絶縁体層150bおよび素子分離体STIの上に設けられる。絶縁体層160aおよび絶縁体層160bは、窒化シリコンを含む。絶縁体層160a、絶縁体層160bは、電界効果トランジスタTrP、電界効果トランジスタTrNのサイドウォールとしてそれぞれ機能する。
【0057】
次に、
図4に示す半導体装置における、電界効果トランジスタのゲート電極の形成に関する一連の製造工程の一例について
図5を適宜参照して説明する。
図5は、半導体装置の製造方法の例を説明するためのフローチャートである。
図6~
図23のそれぞれは、半導体装置の製造途中の構造の一例を示す図である。
【0058】
また、例えば絶縁体膜120がTrP形成領域、TrN形成領域の全てに亘って設けられている場合、TrP形成領域、TrN形成領域における絶縁体膜150はそれぞれ絶縁体層120a、絶縁体層120b、と称される場合がある。言い換えると、絶縁体層120a、絶縁体層120bの全てについて述べる場合は、「絶縁体膜120」のように共通の参照符号が用いられる。このような記載方法は、本明細書全体に亘って、他の参照符号についても用いられる。
【0059】
まず、
図6に示されるように、半導体基板100のN型ウェル領域NWの上およびP型ウェル領域PWの上に絶縁体膜120が形成される(ステップS1)。
【0060】
次に、
図7に示されるように、絶縁体膜120の上に半導体膜131が形成される(ステップS2)。半導体膜131は、例えばノンドープのポリシリコンが堆積されることにより形成可能である。
【0061】
次に、
図8に示されるように、半導体基板100および半導体膜131に埋め込まれ、X-Y平面において拡散領域を囲む素子分離体STIが形成される(ステップS3)。具体的には、素子分離体STIが形成される領域が、例えばリソグラフィ工程およびエッチングにより除去され、除去された領域に絶縁材料が埋め込まれる。本工程におけるエッチングは、例えば反応性イオンエッチング(RIE)である。素子分離体STIは、これまで形成された層を、TrP形成領域、TrN形成領域に分離するように形成される。
【0062】
次に、
図9に示されるように、半導体層131a、半導体層131bが形成される(ステップS4)。具体的には、TrN形成領域がマスクにより覆われた状態で、イオン注入により半導体膜131の一部にボロンがドープされることにより、半導体層131aは形成される。TrP形成領域がマスクにより覆われた状態で、イオン注入により半導体膜131の他の一部にリンがドープされることにより、半導体層131bは形成される。
【0063】
図10は、ステップS4におけるTrP形成領域のX-Y平面の一部を示し、
図11は、ステップS4におけるN型ウェル領域NWと素子分離体STIとの界面100bを含むX-Z断面の一部を示す。素子分離体STIは、X-Y平面においてN型ウェル領域NWを囲む。また、素子分離体STIは、
図11に示すように、N型ウェル領域NW、絶縁体膜120、および半導体層131aに接する。これに限定されず、TrN形成領域において、素子分離体STIがX-Y平面においてP型ウェル領域PWを囲むとともに、P型ウェル領域PW、絶縁体膜120、および半導体層131bに接するように設けられてもよい。
【0064】
次に、
図12に示されるように、素子分離体STIを部分的に除去することにより、素子分離体STIに凹部Dを形成する。(ステップS5)。素子分離体STIは、例えばフッ化水素酸(希フッ酸)を用いたウェットエッチングにより部分的に除去できる。
図13は、ステップS5におけるN型ウェル領域NWと素子分離体STIとの界面100bを含むX-Z断面を示す。凹部Dの深さは、例えば凹部Dの底面が半導体基板100の表面100aよりも高い位置に形成されていれば特に限定されない。
【0065】
次に、
図14に示されるように、導電体膜132が形成される(ステップS6)。具体的には、導電体膜132が、半導体層131a、半導体層131b、および素子分離体STIの上に形成される。
図15は、X軸方向におけるN型ウェル領域NWと素子分離体STIとの界面100bを含むX-Z断面を示す。導電体膜132は、例えばスパッタリングにより形成可能である。
【0066】
次に、
図16に示されるように、導電体膜132の上に絶縁体膜140が形成された後、半導体膜131および導電体膜132が部分的に除去され、ゲート電極130a、ゲート電極130bが形成される(ステップS7)。具体的には、素子分離体STIの一部と半導体基板100上に積層された層のうちの素子分離体STIの周辺の部分がエッチングによって除去される。半導体基板100より上に積層された層が、TrP形成領域、TrN形成領域で分離される。これらの加工の結果、絶縁体層120a、絶縁体層120b、導電体層132a、導電体層132b、絶縁体層140a、および絶縁体層140bが形成される。本工程におけるエッチングは、例えばRIEであり、RIEは複数回行われていてもよい。
【0067】
図17は、ステップS7におけるTrP形成領域のX-Y平面の一部を示し、
図18は、X軸方向におけるN型ウェル領域NWと素子分離体STIとの界面100bを含むX-Z断面の一部を示す。なお、便宜のため、
図17において、絶縁体層140aの図示を省略する。ステップS7により、
図18に示すように、素子分離体STIに領域STIaおよび領域STIbを形成する。
【0068】
領域STIaは、半導体基板100の表面100aよりも下方に窪む。領域STIbは、領域STIaとN型ウェル領域NWとの間に設けられる。領域STIbは、表面100aに対して領域STIaよりも上方に突出する凸部Pを有する。
図18は、凸部Pが表面100aよりも上方に突出する例を示す。領域STIbは、N型ウェル領域NWの表面(上面)の端部まで延在することが好ましい。TrP形成領域に限定されず、TrN形成領域において、領域STIaおよび領域STIbを形成する場合、領域STIbは、領域STIaとP型ウェル領域PWとの間に設けられる。このとき、領域STIbは、P型ウェル領域PWの表面(上面)の端部まで延在することが好ましい。
【0069】
次に、
図19に示されるように、絶縁体層150aおよび絶縁体層150bが形成される(ステップS8)。絶縁体層150aおよび絶縁体層150bは、N型ウェル領域NWおよびP型ウェル領域PWの上に絶縁膜を形成し、絶縁膜をエッチングにより部分的に除去することにより形成可能である。
【0070】
図20は、ステップS8におけるTrP形成領域のX-Y平面の一部を示し、
図21は、
図20の線分X1-Y1におけるN型ウェル領域NWと素子分離体STIとの界面100bを含むY-Z断面の一部を示す。
図22は、
図20の線分X2-Y2におけるN型ウェル領域NWと素子分離体STIとの界面100bを含むY-Z断面の一部を示す。なお、便宜のため、
図20において、絶縁体層140aの図示を省略する。
【0071】
ステップS8により、領域STIbは、
図21に示すように、線分X1-Y1のY-Z断面において絶縁体層150aの下に設けられる。また、領域STIbは、
図22に示すように、線分X2-Y2のY-Z断面において凸部Pが半導体基板100の表面100aよりも下方に窪むように加工される。
【0072】
なお、線分X2-Y2のY-Z断面における領域STIbの形状は、
図22に示す形状に限定されない。
図23は、
図20の線分X2-Y2におけるN型ウェル領域NWと素子分離体STIとの界面100bを含むY-Z断面の一部の他の例を示す。領域STIbは、
図23に示すように、線分X2-Y2のY-Z断面において凸部Pが表面100aよりも上方に突出したままでもよい。
【0073】
ステップS8の後、n型不純物拡散領域NP1、n型不純物拡散領域NP2、p型不純物拡散領域PP1、p型不純物拡散領域PP2、絶縁体層160a、絶縁体層160b、コンタクトプラグCS、およびコンタクトプラグC0が形成される。
【0074】
以上で説明した製造工程はあくまで一例であり、各製造工程の間にはその他の処理が挿入されても良いし、製造工程の順序は問題が生じない範囲で入れ替えられてもよい。
【0075】
以上で説明した半導体装置の製造方法の例では、導電体膜132を形成する前に、素子分離体STIに凹部Dを形成する。
【0076】
図24は、素子分離体STIに凹部Dを形成しない場合の半導体装置の製造方法を説明するための模式図である。
図24は、Y軸方向におけるN型ウェル領域NWと素子分離体STIとの界面100bを含むY-Z断面の一部を示す。
【0077】
Y軸方向において素子分離体STIの側面は、逆テーパ形状を有する。このため、凹部Dを形成しない場合、ステップS7において、半導体層131a、半導体層131b、および導電体膜132を部分的に除去すると、
図20の線分X2-Y2のY-Z断面において、
図24に示すように、Z軸方向に沿って素子分離体STIに重畳する半導体層131aの一部が界面100bの近傍に残存しやすい。この残存部は、電界効果トランジスタのリーク電流の原因となる。上記残存部は、X軸方向に沿って界面100bの近傍に形成されることもある。同様に、X軸方向またはY軸方向において、P型ウェル領域PWと素子分離体STIとの界面近傍に半導体層131bの一部が残存することもある。
【0078】
これに対し、導電体膜132を形成する前に、素子分離体STIに凹部Dを形成することにより、ステップS7により、半導体層131aまたは半導体層131bの一部が界面100bの近傍に残存することを抑制できる。よって、電界効果トランジスタTrP、TrNのリーク電流の発生を抑制することができ、高い信頼性を有する半導体装置を提供することができる。
【0079】
さらに、上記半導体装置の製造方法では、素子分離体STIに領域STIaおよび領域STIbを形成し、領域STIbをN型ウェル領域NWまたはP型ウェル領域PWの表面(上面)の端部まで延在させる。
図25は、領域STIaおよび領域STIbを形成しない場合の半導体装置の製造方法を説明するための模式図である。
図25は、X軸方向におけるN型ウェル領域NWと素子分離体STIとの界面100bを含むX-Z断面の一部を示す。
【0080】
領域STIaおよび領域STIbを形成しない場合、ステップS8において、
図25に示すように、N型ウェル領域NWの側面の一部が露出する。同様に、P型ウェル領域PWの側面の一部も露出する。このため、n型不純物拡散領域NP1、n型不純物拡散領域NP2、p型不純物拡散領域PP1、p型不純物拡散領域PP2を形成するためにリンやボロン等の不純物元素を注入すると、当該不純物元素が界面100bの近傍にも注入されてしまう。これは、電界効果トランジスタのリーク電流の原因となる。
【0081】
これに対し、領域STIaおよび領域STIbを形成することにより、ステップS8により、N型ウェル領域NWまたはP型ウェル領域PWの側面の一部が露出することを抑制できる。よって、電界効果トランジスタのリーク電流の発生を抑制することができ、高い信頼性を有する半導体装置を提供することができる。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0083】
1…半導体装置、2…メモリコントローラ、10…メモリセルアレイ、11…コマンドレジスタ、12…アドレスレジスタ、13…シーケンサ、14…ドライバモジュール、15…ロウデコーダモジュール、16…センスアンプモジュール、31…絶縁体層、32…導電体層、33…絶縁体層、34…導電体層、35…ブロック絶縁膜、36…電荷蓄積層、37…トンネル絶縁膜、38…半導体層、39…コア層、40…キャップ層、100…半導体基板、100a…表面、100b…界面、120…絶縁体膜、120a…絶縁体層、120b…絶縁体層、130a…ゲート電極、130b…ゲート電極、131…半導体膜、131a…半導体層、131b…半導体層、132…導電体膜、132a…導電体層、132b…導電体層、140…絶縁体膜、140a…絶縁体層、140b…絶縁体層、150…絶縁体膜、150a…絶縁体層、150b…絶縁体層、160a…絶縁体層、160b…絶縁体層