(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094654
(43)【公開日】2022-06-27
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20220620BHJP
G07G 1/06 20060101ALI20220620BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20220620BHJP
【FI】
G07G1/12 361C
G07G1/12 331Z
G07G1/06 C
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020207660
(22)【出願日】2020-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 友紀
【テーマコード(参考)】
3E142
5L049
【Fターム(参考)】
3E142AA07
3E142BA11
3E142DA01
3E142DA07
3E142FA39
3E142GA15
3E142GA32
3E142JA01
3E142KA16
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】好適に調理指示を出力すること。
【解決手段】商品販売データ処理システムは、調理指示出力装置と、精算装置とを含む。調理指示出力装置は、注文された商品の調理指示を出力する。精算装置は、前記商品の精算を行うとともに、精算内容を示す精算伝票を出力する。前記精算装置は、判別手段と、出力制御手段とを備える。判別手段は、前記調理指示出力装置による前記調理指示の出力が不可能な場合に、前記精算装置の状態を判別する。出力制御手段は、前記判別手段による前記状態の判別結果に基づいて、前記精算装置に前記調理指示を出力させる。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注文された商品の調理指示を出力する調理指示出力装置と、
前記商品の精算を行うとともに、精算内容を示す精算伝票を出力する精算装置と、
を含む商品販売データ処理システムにおいて、
前記精算装置は、
前記調理指示出力装置による前記調理指示の出力が不可能な場合に、前記精算装置の状態を判別する判別手段と、
前記判別手段による前記状態の判別結果に基づいて、前記精算装置に前記調理指示を出力させる出力制御手段と、
を備えることを特徴とする商品販売データ処理システム。
【請求項2】
前記判別手段は、前記状態として、店員が前記精算装置の付近に存在する店員存在状態であるか否かを判別し、
前記出力制御手段は、
前記判別手段による前記店員存在状態の判別結果に基づいて、前記調理指示を出力させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理システム。
【請求項3】
前記判別手段は、前記店員存在状態であると判別した場合に、さらに、店員によって顧客対応の操作が行われていることを示す接客操作状態であるか否かを判別し、
前記出力制御手段は、前記判別手段による前記店員存在状態の判別結果と前記接客操作状態の判別結果とに基づいて、前記調理指示を出力させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の商品販売データ処理システム。
【請求項4】
注文する前記商品を受け付ける注文端末装置を備え、
前記出力制御手段は、前記注文端末装置が受け付けた前記商品の前記調理指示を出力させる、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の商品販売データ処理システム。
【請求項5】
前記判別手段は、前記状態として、店員が介在して前記商品の購入手続が行われる店員介在モードと、店員が介在せずに前記商品の購入手続が行われるセルフモードとを含む複数の動作モードのうちいずれの動作モードであるかを判別し、
前記出力制御手段は、前記判別手段による動作モードの判別結果に基づいて、前記調理指示を出力させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理システム。
【請求項6】
前記判別手段は、前記セルフモードであると判別した場合、さらに、店員が前記精算装置の付近に存在する店員存在状態であるか否かを判別し、
前記出力制御手段は、前記判別手段による動作モードの判別結果と前記店員存在状態の判別結果とに基づいて、前記調理指示を出力させる、
ことを特徴とする請求項5に記載の商品販売データ処理システム。
【請求項7】
前記判別手段は、前記店員存在状態であると判別した場合、さらに、精算処理中であるか否かを判別し、
前記出力制御手段は、前記判別手段による前記店員存在状態の判別結果と前記精算処理中の判別結果とに基づいて、前記調理指示を出力させる、
ことを特徴とする請求項6に記載の商品販売データ処理システム。
【請求項8】
前記出力制御手段によって前記調理指示が出力されない場合に、前記調理指示の出力開始の指示を受け付ける受付手段を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の商品販売データ処理システム。
【請求項9】
前記出力制御手段による前記調理指示の出力に関する報知を行う報知手段を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の商品販売データ処理システム。
【請求項10】
注文された商品の調理指示を出力する調理指示出力装置と、
前記商品の精算を行うとともに、精算内容を示す精算伝票を出力する精算装置と、
を含む商品販売データ処理システムの前記精算装置に用いられるコンピュータを、
前記調理指示出力装置による前記調理指示の出力が不可能な場合に、前記精算装置の状態を判別する判別手段、
前記判別手段による前記状態の判別結果に基づいて、前記精算装置に前記調理指示を出力させる出力制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売データ処理装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ファーストフードやファミリーレストランなどの飲食店では、POS(Point Of Sales)端末装置や、店員が所持するオーダー端末装置を用いて、顧客から商品の注文を受け付け、受け付けた注文内容をキッチンプリンタ装置へ送信するシステムが用いられている。キッチンプリンタ装置は、厨房に配置され、調理指示を示す指示伝票を発行する。指示伝票には、例えば、商品、数量、席番号などが印刷されている。キッチン係の店員は、指示伝票が発行されると、指示伝票が示す注文内容の調理を開始する。そして、調理が完了すると、当該指示伝票は、調理品とともに、ホール係の店員に引き渡される。ホール係の店員は、調理品を、指示伝票に印刷される席番号のテーブルに配膳する。
【0003】
ここで、営業中に、用紙切れによってキッチンプリンタ装置が注文伝票を印刷できなくなってしまうことがある。そこで、キッチンプリンタ装置に用紙切れが検出されると、用紙切れのキッチンプリンタ装置以外の他のキッチンプリンタ装置にオーダー情報を送信して印刷させるようにしたオーダーエントリー装置が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、例えば、キッチンプリンタ装置が故障等により調理指示を出力することができない場合、POS端末装置に調理指示を出力させたとすると、POS端末装置の状態によっては、POS端末装置を扱う操作者にとって操作の妨げとなることや、出力された調理指示を店員が把握できないことがある。このため、従来技術では、好適に調理指示を出力することができない、という問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、好適に調理指示を出力することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である商品販売データ処理装置は、注文された商品の調理指示を出力する調理指示出力装置と、前記商品の精算を行うとともに、精算内容を示す精算伝票を出力する精算装置と、を含む商品販売データ処理システムにおいて、前記精算装置は、前記調理指示出力装置による前記調理指示の出力が不可能な場合に、前記精算装置の状態を判別する判別手段と、前記判別手段による前記状態の判別結果に基づいて、前記精算装置に前記調理指示を出力させる出力制御手段と、を備えることを特徴とする商品販売データ処理システムである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係るPOS(Point Of Sales)システムのネットワーク構成の一例を示す説明図である。
【
図3】POS端末装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】オーダー端末装置30のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
【
図5】キッチンプリンタ装置40のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
【
図6】キッチンプリンタ装置40が行う処理の一例を示す説明図である。
【
図7】オーダー端末装置30が行う処理の一例を示す説明図である。
【
図8】POS端末装置20が行う処理の一例を示す説明図である。
【
図9】オーダー端末装置30の表示部303に表示される画面の一例を示す説明図である。
【
図11】POS端末装置20の店員側表示部210に表示される発行待機報知画面の一例を示す説明図である。
【
図12】実施形態2のPOS端末装置20が行う処理の一例を示す説明図である。
【
図13】実施形態2に係るPOS端末装置20の店員側表示部210に表示される発行待機報知画面1300の一例を示す説明図である。
【
図14】実施形態3に係るPOSシステム1400のネットワーク構成の一例を示す説明図である。
【
図15】実施形態3に係るPOS端末装置20が行う処理の一例を示す説明図である。
【
図16】券売機モードにおいてPOS端末装置20の客側表示部205に表示される画面の一例を示す説明図である。
【
図17】券売機モードにおいてPOS端末装置20の店員側表示部210に表示される発行待機報知画面1700の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るPOS(Point Of Sales)システムのネットワーク構成の一例を示す説明図である。
図1に示すPOSシステム1は、管理装置10と、POS端末装置20と、オーダー端末装置30と、キッチンプリンタ装置40と、キッチンモニタ50とを備える。各装置は、LAN60を介して通信可能に接続されている。なお、
図1では、各装置は、それぞれ1台を示しているが、複数台であってもよい。なお、以下の説明では、各装置は、それぞれが直接通信可能であるものとするが、管理装置10を経由して、通信するものとしてもよい。
【0010】
POSシステム1は、ファミリーレストランなどの飲食店に導入可能である。当該飲食店に従事する店員は、接客を行うホール係の店員と、調理を行うキッチン係の店員とを含む。
【0011】
管理装置10は、各装置を管理する。例えば、管理装置10は、各装置の状況(動作モード、処理状況等)を表示したり、各装置を制御したりすることが可能である。また、管理装置10は、各種情報を管理する。各種情報は、例えば、オーダー端末装置30から送信された注文情報や、POS端末装置20から送信された精算情報や、キッチンプリンタ装置40から送信された指示伝票の情報などを含む。管理装置10には、例えば、デスクトップパソコンや、タブレット端末、ノートパソコンなどを用いることが可能である。
【0012】
POS端末装置20は、主に商品の精算を行うレジスタである。なお、POS端末装置20は、商品の登録を行うことも可能である。POS端末装置20は、精算を行う際に、店員の操作によって精算対象となる会計商品が入力され、また、顧客の操作によって支払手続が行われる。また、POS端末装置20は、オーダー端末装置30が受け付けた注文内容(登録商品情報)や、POS端末装置20によって精算された精算情報などを管理する。
【0013】
オーダー端末装置30は、ホール係の店員が所持する可搬型の端末装置である。例えば、ホール係の店員は、顧客から注文を受け付け、受け付けた内容をオーダー端末装置30に入力する。オーダー端末装置30は、注文が確定すると、注文内容をキッチンプリンタ装置40へ送信する。また、オーダー端末装置30は、受け付けた注文内容をPOS端末装置20へも送信する。これにより、POS端末装置20は、オーダー端末装置30が受け付けた注文内容を管理する。
【0014】
キッチンプリンタ装置40は、厨房に配置され、調理指示を示す指示伝票を発行する。指示伝票には、例えば、商品、数量、席番号などが印刷される。キッチン係の店員は、指示伝票が発行されると、指示伝票が示す注文内容の調理を開始する。そして、調理が完了すると、当該指示伝票は、調理品とともに、ホール係の店員に引き渡される。ホール係の店員は、調理品を、指示伝票に印刷される席番号のテーブルに配膳する。
【0015】
キッチンモニタ50は、例えば、厨房に配置されるディスプレイである。キッチンモニタ50は、調理指示に応じた情報(以下「調理指示情報」という。)を表示することが可能である。調理指示情報は、例えば、商品、数量、席番号などを含む。キッチン係の店員は、調理指示情報が表示されると、当該表示内容を確認して、調理指示情報が示す注文内容の調理を開始することも可能である。
【0016】
なお、POSシステム1は、ストアコントローラや、監視端末を備えていてもよい。ストアコントローラは、オーダー端末装置30が受け付けた注文内容や、POS端末装置20によって精算された精算情報などを管理するほか、商品の在庫状況、販売履歴、入出金記録、会員情報などの各種の情報を管理するコンピュータ装置である。監視端末は、顧客がセルフ使用するPOS端末装置20を用いた場合に、当該POS端末装置20を監視するために配置される監視用のモニタである。
【0017】
(POS端末装置20の構成例)
次に、
図2および
図3を用いて、POS端末装置20の構成について説明する。
図2は、POS端末装置20の外観を示す図である。
図2(A)は、POS端末装置20を店員側から見た斜視図である。
図2(B)は、POS端末装置20を客側から見た斜視図である。
図3は、POS端末装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2および
図3において、同一部分には同一符号を付している。
【0018】
以下、
図2を参照しつつ、
図3に示したPOS端末装置20の各構成について説明する。POS端末装置20は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、ハードディスク204と、客側表示部205と、客側スキャナ部206と、カード決済部208と、釣銭機209と、店員側表示部210と、店員側スキャナ部212と、印刷部213と、音声出力部214と、通信部215と、カメラ216とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0019】
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、POS端末装置20の動作を制御する。各種プログラムは、本実施形態に係る商品販売データ処理プログラムを含む。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
【0020】
RAM203は、読み出しや書き込みが可能なメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶する。この情報は、例えば、注文した商品を登録する登録処理において生成した登録情報や、登録した商品を精算する精算処理において生成した精算情報などを含む。
【0021】
ハードディスク204は、種々の情報を記憶する。例えば、ハードディスク204は、カメラ216によって撮像された撮像結果(例えば、動画)を記憶する。ハードディスク204は、例えば、ROM202に代えて、CPU201が実行する商品販売データ処理プログラム等の各種のプログラムを記憶してもよい。また、RAM203に代えて、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶してもよい。
【0022】
客側表示部205は、顧客用のタッチディスプレイである。客側表示部205は、顧客に種々の情報を表示するとともに、顧客から種々の入力を受け付ける。
客側スキャナ部206は、顧客用のスキャナ部であり、各種の情報を光学的に読み取る。例えば、客側スキャナ部206は、商品に付されているバーコード(商品コード等)や、お会計券(登録商標)に印刷されているコード(バーコード、2次元コード等)を光学的に読み取る。客側スキャナ部206は、上記に加えて、品券類(商品券、クーポン券、優待券)や、各種カード(例えば、会員カード、ポイントカード等)に印刷されているコード(バーコード、2次元コード等)を読み取ってもよい。なお、商品の登録は、客側スキャナ部206によるコードの読み取りによる登録に限らない。例えば、客側表示部205に、商品に対応するプリセットキー(商品を注文するボタン)を表示し、当該プリセットキーが顧客によって操作(押下)されることによって、商品の登録を行うことも可能である。
【0023】
カード決済部208は、各種カード(クレジットカード、交通系カード等のプリペイドカード、ポイントカード等)による決済機構である。カード決済部208は、カード認識部(読取部)や表示部や操作部を備える。カード認識部は、各種カードの情報を磁気的または電気的に読み取る。読み取られた情報は、買上商品の支払いに用いられる。なお、カード認識部は、例えば、ポイントカードの保有ポイントを使用する場合など、今回の買上商品の支払いにおいて使用する情報を認識することも可能である。また、カード認識部は、例えば、ポイントカードにポイントを付与する場合など、今回の買上商品の支払いに使用しない情報を認識することも可能である。
【0024】
なお、本実施形態のカード決済部208は、カード認識部、表示部、および操作部を備えるが、これに限らず、少なくともカード認識部を備えるものであればよい。また、本実施形態のカード認識部は、接触型のカード(ICカード、磁気カード)および非接触型のカード(ICカード)のいずれも認識することが可能であるが、少なくともいずれか一方を認識することが可能であればよい。
【0025】
釣銭機209(現金決済部)は、現金による決済機構である。釣銭機209は、客側に向けられており、顧客から各種操作や現金の投入を受け付ける。具体的には、釣銭機209は、
図2に示すように、紙幣投入口209aと、硬貨投入口209bと、お釣り返却レバー209cと、紙幣排出口209dと、硬貨排出口209eとを備える。釣銭機209は、紙幣投入口209aに投入された紙幣、および硬貨投入口209bへ投入された硬化の投入合計金額を算出し、投入合計金額と買上金額との差分である釣銭金額を算出し、お釣り返却レバー209cの操作を受け付けると、紙幣排出口209dまたは硬貨排出口209eから釣り銭を排出する。
【0026】
店員側表示部210は、店員用のタッチディスプレイである。店員側表示部210は、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。店員側表示部210には、例えば、商品に対応するプリセットキー(商品を注文するボタン)が表示され、当該プリセットキーが店員によって操作(押下)されることによって、商品の登録が行われる。
【0027】
店員側スキャナ部212は、店員用のスキャナ部であり、各種の情報を光学的に読み取る。例えば、店員側スキャナ部212は、商品に付されているバーコードや、店員の名札に付された店員コードを光学的に読み取る。店員側スキャナ部212は、上記に加えて、お会計券に印刷されているコードや、品券類や、各種カードに印刷されているコードを読み取ってもよい。
【0028】
なお、商品の登録は、店員側スキャナ部212によるコードの読み取りによる登録に限らない。例えば、POS端末装置20は、キー操作部を備えてもよく、当該キー操作部に、商品に対応するキーを配置しておき、当該キーが店員に操作(押下)されることによって、当該商品の登録を行ってもよい。
【0029】
印刷部213は、精算伝票(レシート、領収書、食券)や、指示伝票などの各種書類を印刷して出力する。
【0030】
音声出力部214は、音声を出力する。例えば、音声出力部214は、音声ガイダンスや報知音などを出力する。音声ガイダンスや報知音は、商品の登録や精算に係る音のほか、指示伝票の発行に係る音を含む。
通信部215は、他の装置(オーダー端末装置30、およびキッチンプリンタ装置40)と情報を送受信するインタフェースである。
【0031】
カメラ216は、客側から見て、客側表示部205の右上に取り付けられている。カメラ216は、動画、または静止画を連続的に撮像するカメラである。カメラ216には、CCD(charge coupled device)カメラや、CMOS(charge coupled device)カメラを用いることが可能である。カメラ216は、支払手続における顧客の操作状況を撮像する。具体的には、カメラ216は、顧客が所持する紙幣や硬貨、釣銭機209、手の動作などを撮像する。
【0032】
(オーダー端末装置30のハードウェア構成例)
図4は、オーダー端末装置30のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
図4において、オーダー端末装置30は、CPU301と、メモリ302と、表示部303と、操作部304と、通信部305と、音声出力部306とを備える。
【0033】
CPU301は、中央演算処理装置であり、メモリ302に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、オーダー端末装置30の動作を制御する。
メモリ302は、CPU301の補助記憶装置および主記憶装置を含み、本実施形態に係る商品販売データ処理プログラムをはじめとしてCPU301が利用する各種の情報を記憶する。
【0034】
表示部303は、画像を表示するとともに、店員から各種操作を受け付けるタッチパネル表示部である。
操作部304は、店員から各種操作を受け付けるハードキーである。ハードキーは、商品に対応する操作ボタンを含む。
通信部305は、店舗内のネットワークを経由して、POS端末装置20や、キッチンプリンタ装置40と通信を行う。
音声出力部306は、音を出力する。例えば、音声出力部306は、表示部303や操作部304が操作入力を受け付けた際の操作音を出力したり、各種報知音や警告音を出力したりする。
【0035】
(キッチンプリンタ装置40のハードウェア構成例)
図5は、キッチンプリンタ装置40のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
図5において、キッチンプリンタ装置40は、CPU401と、メモリ402と、表示部403と、操作部404と、通信部405と、音声出力部406と、印刷部407とを備える。
【0036】
CPU401は、中央演算処理装置であり、メモリ402に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、キッチンプリンタ装置40の動作を制御する。
メモリ302は、CPU401の補助記憶装置および主記憶装置を含み、本実施形態に係る商品販売データ処理プログラムをはじめとしてCPU401が利用する各種の情報を記憶する。
【0037】
表示部403は、画像を表示するとともに、店員から各種操作を受け付けるタッチパネル表示部である。
操作部404は、店員から各種操作を受け付けるハードキーである。
通信部405は、店舗内のネットワークを経由して、POS端末装置20や、オーダー端末装置30と通信を行う。
音声出力部406は、音を出力する。例えば、音声出力部406は、各種報知音や警告音を出力したりする。
印刷部407は、指示伝票を印刷して出力する。
【0038】
(キッチンプリンタ装置40が指示伝票を発行できない場合について)
ここで、キッチンプリンタ装置40は、故障や通信障害等によって、調理指示を出力できないことがあり、例えば、指示伝票を発行できないことがある。キッチンプリンタ装置40が指示伝票を発行できない場合、キッチンプリンタ装置40に代わって、POS端末装置20に指示伝票を発行させることが可能である。具体的には、キッチンプリンタ装置40で指示伝票を発行することができない場合、オーダー端末装置30は、受け付けた注文内容と、指示伝票の発行指示とをPOS端末装置20へ送信する。POS端末装置20は、オーダー端末装置30から注文内容と発行指示とを受信すると、指示伝票を印刷する。
【0039】
ただし、POS端末装置20が常に指示伝票を発行可能であるとすると、POS端末装置20の状態によっては、POS端末装置20を扱っている店員の操作の妨げとなることや、発行された指示伝票を店員が把握できないことがある。これにより、キッチン係の店員が適切に調理を開始することができず、調理の完成までに時間を要してしまい、顧客を待たせてしまうことになる。
【0040】
そこで、本実施形態に係るPOS端末装置20は、キッチンプリンタ装置40による指示伝票の発行が不可能な場合に、自装置の状態を判別するようにし、判別した状態に基づいて指示伝票を発行させるようにしている。以下、POS端末装置20の機能的構成について説明する。
【0041】
(POS端末装置20の機能的構成)
本実施形態において、POSシステム1は、POS端末装置20と、オーダー端末装置30と、キッチンプリンタ装置40とを備える。POS端末装置20は、精算装置の一例である。オーダー端末装置30は、注文端末装置の一例である。キッチンプリンタ装置40は、調理指示出力装置の一例である。
【0042】
本実施形態のPOS端末装置20は、精算部と、判別部と、出力制御部と、受付部と、報知部とを備える。これらの各部は、POS端末装置20のCPU201によって実現される。すなわち、POS端末装置20のCPU201が所定のプログラム(商品販売データ処理プログラム)を実行することにより、各部の機能を実現する。
【0043】
精算部は、買上商品(会計商品)の精算を行う精算処理を実行する。精算処理は、複数の処理を含む。具体的には、精算処理は、店員から会計商品の入力を受け付ける会計商品入力処理と、顧客から決済種別の選択や現金の投入を受け付けてお釣りを払い出す支払処理と、レシート等の精算伝票を出力する精算伝票発行処理とを含む。
【0044】
例えば、会計商品入力処理は、精算に用いられる会計商品の情報を入力する処理である。具体的には、会計商品入力処理は、店員が注文伝票に記載される会計商品を一品ずつ確認して操作入力する処理としてもよい。また、POS端末装置20が取引識別情報と会計商品とを対応付けて記憶する構成とした場合には、会計商品入力処理は、店員が注文伝票に記載されている取引識別情報を入力することにより、取引識別情報に対応付けられている会計商品を取得する処理としてもよい。また、会計商品が2次元コード等によって表されている場合には、店員側スキャナ部212に当該2次元コードが読み取られることによって、会計商品が入力されてもよい。
【0045】
支払処理は、決済種別に応じた支払手続が行われる処理である。支払処理は、会計商品入力処理が行われているとき並行して行われてもよいし、会計商品入力処理の後に行われてもよい。精算伝票発行処理は、支払処理の完了後に、印刷部213を用いて行われる。
【0046】
判別部は、キッチンプリンタ装置40による指示伝票の発行が不可能な場合に、POS端末装置20の状態を判別する。キッチンプリンタ装置40による指示伝票の発行が不可能な場合とは、例えば、キッチンプリンタ装置40が故障した場合や、通信障害などによりキッチンプリンタ装置40が注文内容を受信することができない場合が挙げられる。
【0047】
判別部によって判別されるPOS端末装置20の状態は、例えば、店員がPOS端末装置20の付近に存在する店員存在状態と、店員がPOS端末装置20の付近に存在しない店員不在状態とを含む。店員存在状態は、例えば、店員によるPOS端末装置20への操作が可能な状態であり、具体的には、店員がPOS端末装置20にログインしている状態である。一方、店員不在状態は、店員がPOS端末装置20の周囲に存在しない状態であり、例えば、店員がPOS端末装置20にログインしていない状態である。
【0048】
なお、POS端末装置20が自装置の周囲を撮像するカメラを備える場合には、当該カメラの撮像結果を用いて、POS端末装置20の周囲の店員を検出することが可能である。この場合、判別部は、店員が検出された状態を店員存在状態として判別し、店員が検出されない状態を店員不在状態としてもよい。
【0049】
出力制御部は、判別部によるPOS端末装置20の状態の判別結果に基づいて、調理指示を出力させる。調理指示の出力は、例えば、調理指示を示す指示伝票の発行である。ただし、調理指示の出力は、これに限らず、例えば、店員側表示部210等の表示部からの表示出力としてもよいし、音声出力部214からの音声出力としてもよい。なお、以下では、調理指示の出力を、調理伝票の発行として説明する。
【0050】
出力制御部は、判別部によって判別されたPOS端末装置20の状態に応じて、指示伝票を発行させる場合と、指示伝票を発行させない場合とがある。出力制御部は、指示伝票を発行する場合、指示伝票を自動で発行させてもよいし、店員の操作に応じて発行させてもよい。
【0051】
出力制御部は、判別部による店員存在状態の判別結果に基づいて、指示伝票を発行させる。具体的には、出力制御部は、判別部によって店員存在状態であると判別された場合、指示伝票の発行を可能にする。一方で、出力制御部は、判別部によって店員不在状態であると判別された場合、指示伝票の発行を制限する。指示伝票の発行を制限するとは、指示伝票を一律に発行させないようにすることや、条件に応じて指示伝票を発行させないようにすることである。
【0052】
判別部は、店員存在状態であると判別した場合に、さらに、店員によって顧客対応の操作が行われていることを示す接客操作状態であるか否かを判別する。接客操作状態は、例えば、精算処理(会計商品入力処理と、支払処理と、精算伝票発行処理とを含む)が行われている状態を含む。
【0053】
出力制御部は、判別部による店員存在状態の判別結果と接客操作状態の判別結果とに基づいて、指示伝票を発行させる。例えば、指示伝票の発行が接客操作の妨げにならないようにするという観点から、出力制御部は、判別部によって店員存在状態と判別された場合でも、接客操作状態であると判別された場合には、指示伝票の発行を制限する。特に、レシート等の精算伝票と指示伝票とが混在してしまうことを避けるという観点から、出力制御部は、接客操作状態の中でも精算伝票発行処理が行われている場合には、指示伝票を発行させないようにする。ただし、出力制御部は、接客操作状態の中でも精算伝票発行処理が行われる前のタイミングであれば、指示伝票を発行させないようにする。なお、出力制御部は、精算伝票を発行した後に、指示伝票を自動で発行させるようにしてもよい。
【0054】
なお、キッチンプリンタ装置40による指示伝票の発行が可能であるか否かの判断が難しいことがある。例えば、一時的に故障が改善して、指示伝票の発行が可能になることもある。このようなことに鑑み、POS端末装置20で、調理伝票を印刷させる設定に切替え可能であってもよい。この切替えは、自動切替えとしてもよいし、手動切替えとしてもよい。
【0055】
オーダー端末装置30は、注文を受け付ける端末装置である。オーダー端末装置30は、店員が所持するものであり、店員の操作に応じて注文を受け付ける。ただし、オーダー端末装置30は、店員が所持するものに限らず、例えば、テーブルごとに配置されていてもよい。この場合、オーダー端末装置30は、顧客の操作に応じて注文を受け付けるようにすればよい。また、オーダー端末装置30は、店員が所持する店員仕様態様(店員の操作に応じて注文を受け付ける態様)と、テーブルに配置される顧客使用態様(顧客の操作に応じて注文を受け付ける態様)とを切替えることが可能であってもよい。また、注文の受け付けは、オーダー端末装置30が行うことに代えて又は加えてPOS端末装置20が行うようにしてもよい。出力制御部は、オーダー端末装置30が受け付けた商品の指示伝票を発行させる。
【0056】
報知部は、出力制御部による指示伝票の発行に関する報知を行う。発行に関する報知は、例えば、指示伝票の発行したことを示す発行済報知や、指示伝票の発行を待機している旨を示す発行待機報知を含む。発行待機報知は、例えば、当該待機において店員に指示伝票の発行を促す旨の催促を含む。報知部は、オーダー端末装置30や、店員側表示部210や、音声出力部214を用いて、当該報知を行う。また、POS端末装置20が発行ランプ等のサインポールを備える場合、報知部は、当該サインポールを、報知する内容に応じた点灯態様で点灯させるようにしてもよい。
【0057】
受付部は、出力制御部によって指示伝票が発行されない場合、指示伝票の発行開始の指示を受け付ける。受付部は、例えば、店員側表示部210に指示伝票の発行を受け付けるボタン(指示伝票発行ボタン)を表示し、当該ボタンの押下を店員から受け付ける。受付部は、例えば、報知部によって発行待機報知が行われるときに、指示伝票発行ボタンを表示する。
【0058】
出力制御部は、受付部によって発行開始の指示が受け付けられるまで、指示伝票の発行を待機させる。出力制御部は、受付部によって発行開始の指示が受け付けられた場合、指示伝票を発行させる。
【0059】
また、受付部は、指示伝票の発行開始の指示として、ログイン入力画面におけるログインの入力を受け付けるようにしてもよい。この場合、受付部がログインの入力を受け付けて、ログインに成功すると、出力制御部は、指示伝票を発行させるようにすればよい。また、受付部は、指示伝票の発行開始の指示として、店員コードの入力を受け付けるようにしてもよい。店員コードの入力は、操作入力としてもよいし、店員側スキャナ部212の読み取りによる入力としてもよい。この場合、登録されている店員コードの入力を受付部が受け付けると、出力制御部は、指示伝票を発行させるようにすればよい。
【0060】
(各装置が行う処理)
次に、POS端末装置20、オーダー端末装置30およびキッチンプリンタ装置40が行う処理について説明する。まず、キッチンプリンタ装置40が行う処理について説明する。
【0061】
(キッチンプリンタ装置40が行う処理)
図6は、キッチンプリンタ装置40が行う処理の一例を示す説明図である。
図6に示すように、キッチンプリンタ装置40は、オーダー端末装置30から注文内容を受信したか否かを判断する(ステップS601)。キッチンプリンタ装置40は、注文内容を受信するまで待機し(ステップS601:NO)、注文内容を受信すると(ステップS601:YES)、指示伝票の発行に係る異常があるか否かを判断する(ステップS602)。
【0062】
指示伝票の発行に係る異常がない場合(ステップS602:YES)、すなわち、正常な場合、キッチンプリンタ装置40は、指示伝票を発行する(ステップS603)。そして、キッチンプリンタ装置40は、オーダー端末装置30へ、指示伝票を発行した旨を示す発行完了通知を送信し(ステップS604)、一連の処理を終了する。一方、指示伝票の発行に係る異常がある場合(ステップS602:NO)、キッチンプリンタ装置40は、オーダー端末装置30へ、指示伝票を発行することができない旨を示す発行不可通知を送信し(ステップS605)、一連の処理を終了する。
【0063】
(オーダー端末装置30が行う処理)
図7は、オーダー端末装置30が行う処理の一例を示す説明図である。
図7に示すように、オーダー端末装置30は、ホール係の店員または顧客から、注文を受け付けたか否かを判断する(ステップS701)。オーダー端末装置30は、注文を受け付けるまで待機し(ステップS701:NO、)、注文を受け付けると(ステップS701:YES)、受け付けた注文内容をキッチンプリンタ装置40へ送信する(ステップS702)。
【0064】
そして、オーダー端末装置30は、キッチンプリンタ装置40から、指示伝票を発行した旨を示す発行完了通知を受信したか否かを判断する(ステップS703)。オーダー端末装置30は、発行完了通知を受信した場合(ステップS703:YES)、注文受付完了画面(
図9(B)参照)を表示し(ステップS704)、一連の処理を終了する。
【0065】
一方、発行完了通知を受信しない場合(ステップS703:NO)、オーダー端末装置30は、キッチンプリンタ装置40から、指示伝票を発行することができない旨を示す発行不可通知を受信したか否かを判断する(ステップS705)。発行不可通知を受信した場合(ステップS705:YES)、オーダー端末装置30は、ステップS707に進む。発行不可通知を受信しない場合(ステップS705:NO)、オーダー端末装置30は、所定の応答時間が経過したか否かを判断する(ステップS706)。
【0066】
所定の応答時間が経過ない場合(ステップS706:NO)、オーダー端末装置30は、ステップS703に戻る。所定の応答時間が経過した場合(ステップS706:YES)、すなわち、キッチンプリンタ装置40の電波障害等により、キッチンプリンタ装置40へ注文内容を送信したものの、キッチンプリンタ装置40から応答(発行完了通知または発行不可通知の応答)がない場合、オーダー端末装置30は、POS端末装置20に指示伝票を発行させるための発行指示とともに、注文内容をPOS端末装置20へ送信する(ステップS707)。
【0067】
そして、オーダー端末装置30は、POS端末装置20から、POS端末装置20における指示伝票の発行に関する発行関連情報を受信したか否かを判断する(ステップS708)。発行関連情報は、POS端末装置20において指示伝票の発行済を示す情報や、POS端末装置20において指示伝票の発行を待機している旨を示す情報である。オーダー端末装置30は、発行関連情報を受信するまで待機し(ステップS708:NO)、発行関連情報を受信すると(ステップS708:YES)、オーダー端末装置30は、店員が所持する店員使用態様であるか否かを判断する(ステップS709)。オーダー端末装置30が店員使用態様はない場合、すなわち、顧客が使用する顧客使用態様である場合、オーダー端末装置30は、一連の処理を終了する。一方、オーダー端末装置30が店員使用態様である場合、オーダー端末装置30は、発行関連情報に応じた報知画面(
図9(C)の発行済報知画面や、
図9(D)の発行待機報知画面)を表示し(ステップS710)、一連の処理を終了する。
【0068】
(POS端末装置20が行う処理)
図8は、POS端末装置20が行う処理の一例を示す説明図である。
図8に示すように、POS端末装置20は、キッチンプリンタ装置40における指示伝票の発行が不能により、オーダー端末装置30から、POS端末装置20で指示伝票を発行するための発行指示とともに注文内容を受信したか否かを判断する(ステップS801)。POS端末装置20は、注文内容を受信するまで待機する(ステップS801:NO)。注文内容を受信すると(ステップS801:YES)、POS端末装置20は、店員存在状態(例えば、店員がPOS端末装置20にログインしている状態)であるか否かを判断する(ステップS802)。
【0069】
店員存在状態ではない場合(ステップS802:NO)、すなわち、待ち受け状態等の店員不在状態である場合、POS端末装置20は、店員に指示伝票の発行を促すために、店員不在状態における発行待機報知(
図11(B)参照)を行い(ステップS803)、ステップS806に進む。当該報知では、店員側表示部210に報知画像を表示したり、報知音を出力したりすることにより、ホール係の店員やキッチン係の店員に、指示伝票の発行を促すようにする。
【0070】
一方、ステップS802において、店員存在状態である場合(ステップS802:YES)、POS端末装置20は、接客操作状態(精算処理中)であるか否かを判断する(ステップS804)。接客操作状態ではない場合(ステップS804:NO)、すなわち、例えば、店員がPOS端末装置20にログインはしているものの、精算処理の操作以外の操作を行っている場合(例えば、メンテナンスや集計を行っている場合)、POS端末装置20は、ステップS809に進む。
【0071】
一方、接客操作状態である場合(ステップS804:YES)、POS端末装置20は、接客操作後の指示伝票の発行を店員に促すために、接客操作状態における発行待機報知(
図11(A)参照)を行う(ステップS805)。当該報知では、店員側表示部210に報知画像を表示することにより、接客操作中の店員に、指示伝票の発行を促すようにする。
【0072】
そして、POS端末装置20は、店員側表示部210に指示伝票の発行を受け付ける指示伝票発行ボタン(
図11参照)を表示する(ステップS806)。次に、POS端末装置20は、オーダー端末装置30へ、指示伝票の発行の待機を示す発行関連情報を送信する(ステップS807)。
【0073】
そして、POS端末装置20は、指示伝票発行ボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS808)。POS端末装置20は、指示伝票発行ボタンが押下されるまで待機し(ステップS808:NO)、指示伝票発行ボタンが押下されると(ステップS808:YES)、指示伝票を発行する(ステップS809)。なお、POS端末装置20は、接客操作状態ではない場合(ステップS804:NO)、すなわち、店員がPOS端末装置20にログインはしているものの、精算処理を行っていない場合、指示伝票発行ボタンの押下や発行待機報知を要さずに、指示伝票を発行する(ステップS809)。なお、ステップS809の指示伝票の発行において、POS端末装置20は、指示伝票を発行することの報知や、指示伝票を発行したことの報知を行ってもよい。
【0074】
そして、POS端末装置20は、オーダー端末装置30へ、指示伝票の発行済を示す発行関連情報を送信する(ステップS810)。次に、POS端末装置20は、店員側表示部210等を用いて、指示伝票を発行した旨を示す発行済報知を行い(ステップS811)、一連の処理を終了する。発行済報知は、例えば、音声や表示によって行われる。
【0075】
(オーダー端末装置30の表示部303に表示される画面例)
次に、
図9を用いて、オーダー端末装置30の表示部303に表示される画面例について説明する。
図9は、オーダー端末装置30の表示部303に表示される画面の一例を示す説明図である。
【0076】
図9(A)は、注文を受け付ける際の受付画面900を示す。受付画面900は、それぞれのメニュー(料理)に対応する複数の選択ボタン901と、注文確定ボタン902とを含む。例えば、選択ボタン901のうち「パスタランチ」が押下されると、数量指定表示903が表示される。数量指定表示903において、店員が数量を指定し、注文確定ボタン902を押下すると、
図9(B)~(D)のいずれかの画面に遷移する。
【0077】
図9(B)は、キッチンプリンタ装置40が正常な場合(指示伝票の発行に係る異常がない場合)に表示される注文受付完了画面910を示す。注文受付完了画面910は、注文受付完了通知911を含む。注文受付完了通知911は、「パスタランチ」の指示伝票がキッチンプリンタ装置40において発行され、当該注文を正常に受け付けた旨を示している。注文受付完了通知911のOKボタン912が押下されると、再び、注文を受け付けることが可能な画面に戻る。
【0078】
図9(C)は、キッチンプリンタ装置40が異常な場合(指示伝票の発行に係る異常がある場合)に表示される発行済報知画面920を示す。発行済報知画面920は、発行済報知921を含む。発行済報知921は、キッチンプリンタ装置40で指示伝票を発行できない旨と、POS端末装置20において指示伝票を発行した旨とを示す。なお、指示伝票は、POS端末装置20の周囲に店員が存在している場合に発行される。発行済報知画面920のOKボタン922が押下されると、再び、注文を受け付けることが可能な画面に戻る。
【0079】
図9(D)は、キッチンプリンタ装置40が異常な場合(指示伝票の発行に係る異常がある場合)に表示される待機報知画面930を示す。待機報知画面930は、待機報知931を含む。待機報知931は、キッチンプリンタ装置40で伝票を発行できない旨と、POS端末装置20において指示伝票を発行する旨と、指示伝票の発行を待機している旨とを示す。待機報知画面930のOKボタン932が押下されると、再び、注文を受け付けることが可能な画面に戻る。なお、OKボタン932が押下された後、POS端末装置20で指示伝票が発行されるまで、当該待機を示すマークを表示するようにしてもよい。
【0080】
(指示伝票の一例)
次に、
図10を用いて、キッチンプリンタ装置40またはPOS端末装置20が発行する指示伝票の一例について説明する。
図10は、指示伝票の一例を示す説明図である。
図10に示すように指示伝票1000(1000a~1000e)は、キッチンプリンタ装置40が注文を受け付けるごとに発行される。指示伝票1000は、伝票番号と、日時と、商品名と、担当者と、席番号とを含む。伝票番号は、指示伝票1000を識別する識別情報である。日時は、注文を受け付けた時刻を示す。商品名は、受け付けたメニュー(注文)を示す。担当者は、注文を受け付けたホール係の店員を識別する情報を示す。席番号は、注文を行った顧客が座っている席の席番号(テーブル番号)を示す。
【0081】
指示伝票1000a~1000eは、それぞれ分離できるように、切り込みが入っている。キッチン係の店員は、指示伝票1000a~1000eを確認して、調理を開始する。例えば、指示伝票1000aに対応する「いちごロールケーキ」の調理が完了すると、指示伝票1000aが「いちごロールケーキ」の商品に添えて、ホール係の店員へ引き渡われる。ホール係の店員は、指示伝票1000aの記載内容を確認し、指示伝票1000aが示す席番号の席へ「いちごロールケーキ」を配膳する。
【0082】
(POS端末装置20の店員側表示部210に表示される画面例)
次に、
図11を用いて、POS端末装置20の店員側表示部210に表示される画面例について説明する。
図11は、POS端末装置20の店員側表示部210に表示される発行待機報知画面の一例を示す説明図である。
【0083】
図11(A)は、接客操作状態(精算処理中)における発行待機報知画面1100を示す。発行待機報知画面1100は、商品登録ボタン1101と、会計商品表示領域1102と、発行催促通知1103と、指示伝票発行ボタン1104とを含む。
【0084】
商品登録ボタン1101は、顧客が飲食した商品(会計商品)の入力を受け付けるボタンである。例えば、店員は、注文伝票を確認し、商品登録ボタン1101を操作して、会計商品を入力する。商品登録ボタン1101が押下されると、押下されたボタンに対応する会計商品が会計商品表示領域1102に表示される。また、会計商品表示領域1102は、会計商品と、価格と、小計金額と、預り金と、お釣りとを含む。
【0085】
発行催促通知1103は、キッチンプリンタ装置40で指示伝票を発行できない旨(例えば、故障している旨)と、精算処理の終了後に指示伝票の発行を促す旨を示している。指示伝票発行ボタン1104は、指示伝票の発行を受け付ける。例えば、精算処理が完了していなくても、指示伝票発行ボタン1104が押下されると、指示伝票が発行される。すなわち、接客操作状態においても、指示伝票を発行することが可能になっている。
【0086】
図11(B)は、店員不在状態における発行待機報知画面1110を示す。発行待機報知画面1110は、例えば、待機画面を示している。発行待機報知画面1110は、発行催促通知1111を含む。発行催促通知1111は、キッチンプリンタ装置40で指示伝票を発行できない旨(例えば、故障している旨)と、ログインして指示伝票の発行を促す旨を示している。また、発行待機報知画面1110が表示されるときには、報知音1112も出力される。店員がログインして指示伝票発行ボタン1104を押下すると、指示伝票が発行される。
【0087】
以上説明したように、実施形態1のPOSシステム1において、POS端末装置20は、キッチンプリンタ装置40による指示伝票の発行が不可能な場合に、自装置の状態の判別結果に基づいて指示伝票を発行させるようにした。これにより、POS端末装置20は、自装置の状態に応じた適切なタイミングで指示伝票を発行させることができる。このため、例えば、キッチンプリンタ装置40が故障等により指示伝票を発行することができない場合、POS端末装置20に指示伝票を発行させたとしても、POS端末装置20を扱う店員の操作の妨げとなることや、発行された指示伝票を店員が把握できないといったことを抑えることができる。したがって、キッチン係の店員が適切に調理を開始することができるため、調理の完成までに時間を要してしまうことを抑えることができ、よって、顧客を待たせてしまうことを抑えることができる。これにより、実施形態1のPOSシステム1によれば、好適に指示伝票を発行することができる。
【0088】
また、POS端末装置20は、店員存在状態であるか否かの判別結果に基づいて、指示伝票を発行させるようにした。これにより、店員不在状態の場合に指示伝票を発行させないようにすることができるため、店員が指示伝票を取り忘れてしまうことを抑えることができる。また、店員存在状態の場合に指示伝票を発行することができるため、迅速に指示伝票を発行できるとともに、当該発行を店員が適切に把握することができる。
【0089】
また、POS端末装置20は、店員存在状態では、さらに、接客操作状態であるか否かの判別結果に基づいて、指示伝票を発行させるようにした。これにより、店員存在状態の場合でも、接客操作状態(精算処理中)では、指示伝票を発行させないようにすることができる。したがって、レシート等の精算伝票と、指示伝票とが混在してしまうことを抑え、好適に指示伝票を発行することができる。
【0090】
また、実施形態1において、POS端末装置20は、オーダー端末装置30が受け付けた商品の指示伝票を発行させるようにした。これにより、オーダー端末装置30が注文を受け付けた商品の指示伝票を、POS端末装置20に適切なタイミングで発行させることができる。
【0091】
また、実施形態1において、POS端末装置20は、指示伝票を発行させない場合、指示伝票の発行開始の指示を受け付ける指示伝票発行ボタン1104を表示するようにした。これにより、所望のタイミングで、指示伝票を発行させることができる。
【0092】
また、実施形態1において、POS端末装置20は、オーダー端末装置30や、店員側表示部210等を用いて、指示伝票の発行に関する報知を行うようにした。これにより、店員に対して、指示伝票の発行済報知や、発行待機報知を行うことができるため、店員は、指示伝票が発行されたことや、指示伝票が発行されていないことを容易に把握することができる。
【0093】
(他の実施形態および変形例)
以下に、他の実施形態および変形例について説明する。なお、他の実施形態および各変形例では、上述した実施形態1で説明した内容については、適宜説明を省略する。また、各実施形態および各変形例に示す構成をそれぞれ組み合わせることも可能である。具体的には、例えば、各実施形態と各変形例との全てを含む構成とすることも可能であるし、各実施形態と各変形例とのうち2以上を組み合わせた構成とすることも可能である。
【0094】
(実施形態1の変形例1)
まず、実施形態1の変形例1について説明する。上述した実施形態1では、オーダー端末装置30が報知する内容を、発行済報知および発行待機報知とした。このような構成に加えた又は代えて、実施形態1の変形例1では、オーダー端末装置30が報知する内容に、POS端末装置20の状態を含めるようにしてもよい。
【0095】
実施形態1の変形例1において、オーダー端末装置30は、POS端末装置20において指示伝票を発行することが可能な場合にはその旨を報知する。例えば、POS端末装置20は、店員不在状態におる待機報知を行った際には、POS端末装置20において精算処理が行われていないことから、指示伝票を発行することが可能である。このため、POS端末装置20は、店員不在状態におる待機報知を行う際には、オーダー端末装置30に対して、指示伝票の発行が可能である旨の報知を行わせるようにすればよい。また、このとき、オーダー端末装置30に指示伝票発行ボタンを表示させて、指示伝票の発行を受け付けるようにしてもよい。ホール係の店員は、オーダー端末装置30に表示された指示伝票発行ボタンを押下すると、POS端末装置20に赴いて、指示伝票を受け取り、キッチン係の店員に引き渡せばよい。
【0096】
実施形態1の変形例1によれば、POS端末装置20において、指示伝票の発行が可能なときには、オーダー端末装置30にその旨を報知するため、店員に指示伝票の発行を促すことができ、迅速に指示伝票を発行させることができる。
【0097】
(実施形態1の変形例2)
次に、実施形態1の変形例2について説明する。上述した実施形態1では、印刷部213の媒体発行口の方向が固定されている構成とした。このような構成に加えた又は代えて、実施形態1の変形例2では、印刷部213の媒体発行口の方向を変更可能な構成としてもよい。
【0098】
実施形態1の変形例2において、印刷部213は、例えば、回転または回動自在な機構を有し、媒体発行口が店員側から客側に向くように、また、客側から店員側に向くように構成される。媒体発行口の向きは、手動で変更可能であってもよいし、印刷する書類の種類に応じて自動で変更可能であってもよい。例えば、指示伝票を発行する場合には媒体発行口が店員側に向けられ、精算伝票を発行する場合には媒体発行口が顧客側に向けられるようにすればよい。
【0099】
実施形態1の変形例2によれば、印刷する書類の種類に応じて媒体発行口の向きを変更可能とするため、精算伝票と、指示伝票とが混在してしまうことを抑え、好適に指示伝票を発行することができる。
【0100】
(実施形態1の変形例3)
次に、実施形態1の変形例3について説明する。上述した実施形態1では、調理指示出力装置の一例をキッチンプリンタ装置40とした場合について説明した。このような構成に加えた又は代えて、実施形態1の変形例3では、調理指示出力装置の一例をキッチンモニタ50とした場合について説明する。
【0101】
変形例3において、キッチンモニタ50は、故障や通信障害等によって、調理指示情報を表示できないことがある。キッチンモニタ50が調理指示情報を表示できない場合、キッチンモニタ50に代わって、POS端末装置20に調理指示情報を表示させることが可能である。具体的には、キッチンモニタ50で調理指示情報を表示することができない場合、オーダー端末装置30は、受け付けた注文内容と、調理指示情報の表示指示とをPOS端末装置20へ送信する。POS端末装置20は、オーダー端末装置30から注文内容と表示指示とを受信すると、調理指示情報を表示する。
【0102】
以下に、実施形態1の変形例3に係るPOS端末装置20の機能的構成について補足しておく。POS端末装置20の判別部は、キッチンモニタ50による調理指示情報の表示が不可能な場合に、POS端末装置20の状態(例えば、店員存在状態および店員不在状態)を判別する。キッチンモニタ50による調理指示情報の表示が不可能な場合とは、例えば、キッチンモニタ50が故障した場合や、通信障害などによりキッチンモニタ50が注文内容を受信することができない場合などが挙げられる。
【0103】
また、実施形態1の変形例3に係るPOS端末装置20の出力制御部は、判別部によるPOS端末装置20の状態の判別結果に基づいて、調理指示情報を店員側表示部210等に表示させる。なお、POS端末装置20は、調理指示情報を音声出力部214からの音声によって出力してもよい。
【0104】
実施形態1の変形例3によれば、POS端末装置20は、キッチンモニタ50による調理指示情報の表示が不可能な場合に、自装置の状態の判別結果に基づいて調理指示情報を表示させるようにした。これにより、POS端末装置20は、自装置の状態に応じた適切なタイミングで調理指示情報を表示させることができる。このため、例えば、キッチンモニタ50が故障等により調理指示情報を表示することができない場合、POS端末装置20に調理指示情報を表示させたとしても、POS端末装置20を扱う店員の操作の妨げとなることや、表示された調理指示情報を店員が把握できないといったことを抑えることができる。したがって、キッチン係の店員が適切に調理を開始することができるため、調理の完成までに時間を要してしまうことを抑えることができ、よって、顧客を待たせてしまうことを抑えることができる。これにより、実施形態1の変形例3に係るPOSシステム1によれば、好適に指示伝票を発行することができる。
【0105】
(実施形態2)
次に、実施形態2について説明する。上述した実施形態1では、精算時に店員が介在する構成について説明した。実施形態2では、精算時に店員が介在しない構成について説明する。例えば、実施形態2において、POS端末装置20は、店員が介在せずに精算処理を行うセルフ精算モードに制御されているものとする。なお、POS端末装置20は、顧客が精算を行う専用の装置(セルフ精算装置)であってもよい。以下において、実施形態2に係るPOS端末装置20を「セルフ精算用のPOS端末装置20」という場合がある。
【0106】
(実施形態2のPOS端末装置20が行う処理)
図12は、実施形態2のPOS端末装置20が行う処理の一例を示す説明図である。
図12に示すように、POS端末装置20は、キッチンプリンタ装置40における指示伝票の発行が不能により、オーダー端末装置30から、POS端末装置20で指示伝票を発行するための発行指示とともに、注文内容を受信したか否かを判断する(ステップS1201)。POS端末装置20は、注文内容を受信するまで待機する(ステップS1201:NO)。注文内容を受信すると(ステップS1201:YES)、POS端末装置20は、店員存在状態(例えば、店員がPOS端末装置20にログインしている状態)であるか否かを判断する(ステップS1202)。
【0107】
店員存在状態ではない場合(ステップS1202:NO)、すなわち、店員不在状態である場合、POS端末装置20は、店員に指示伝票の発行を促すために、店員不在状態における発行待機報知(
図11(B)参照)を行い(ステップS1203)、ステップS1206に進む。当該報知では、店員側表示部210に報知画像を表示したり、報知音を出力したりすることにより、ホール係の店員やキッチン係の店員に、指示伝票の発行を促すことができる。
【0108】
一方、ステップS1202において、店員存在状態である場合(ステップS1202:YES)、POS端末装置20は、顧客による精算処理中であるか否かを判断する(ステップS1204)。精算処理中ではない場合(ステップS1204:NO)、すなわち、例えば、POS端末装置20に顧客が不在の状況下で、店員がログインして、メンテナンスや集計を行っている場合、POS端末装置20は、ステップS1209に進む。
【0109】
一方、精算処理中である場合(ステップS1204:YES)、POS端末装置20は、例えば、客側表示部205に表示される画面と同様の画面を店員側表示部210に表示させているものの、当該画面において、精算処理後の指示伝票の発行を店員に促すために、精算中における発行待機報知(
図13参照)を行う(ステップS1205)。当該報知では、店員側表示部210に報知画像を表示することにより、ログイン中の店員に指示伝票の発行を促すようにする。
【0110】
そして、POS端末装置20は、店員側表示部210に指示伝票の発行を受け付ける指示伝票発行ボタン(
図13参照)を表示する(ステップS1206)。次に、POS端末装置20は、オーダー端末装置30へ、指示伝票の発行の待機を示す発行関連情報を送信する(ステップS1207)。
【0111】
そして、POS端末装置20は、指示伝票発行ボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS1208)。POS端末装置20は、指示伝票発行ボタンが押下されるまで待機し(ステップS1208:NO)、指示伝票発行ボタンが押下されると(ステップS1208:YES)、指示伝票を発行する(ステップS1209)。なお、POS端末装置20は、精算処理中ではない場合(ステップS1204:NO)、すなわち、店員がPOS端末装置20にログインはしているものの、顧客による精算処理が行われていない場合、指示伝票発行ボタンの押下や発行待機報知を要さずに、指示伝票を発行する(ステップS1209)。
【0112】
そして、POS端末装置20は、オーダー端末装置30へ、指示伝票の発行済を示す発行関連情報を送信する(ステップS1210)。次に、POS端末装置20は、店員側表示部210等を用いて、指示伝票を発行した旨を示す発行済報知を行い(ステップS1211)、一連の処理を終了する。
【0113】
(実施形態2に係るPOS端末装置20の店員側表示部210に表示される画面例)
次に、
図13を用いて、実施形態2に係るPOS端末装置20の店員側表示部210に表示される画面の一例について説明する。
図13は、実施形態2に係るPOS端末装置20の店員側表示部210に表示される発行待機報知画面1300の一例を示す説明図である。
【0114】
発行待機報知画面1300は、セルフ精算用のPOS端末装置20の精算処理中に店員側表示部210に表示される画面を示している。発行待機報知画面1300は、会計商品表示1301と、発行催促通知1302と、指示伝票発行ボタン1303とを含む。なお、セルフ精算用のPOS端末装置20において、客側表示部205と店員側表示部210とで同様の画面が表示されるものの、発行待機報知では、発行催促通知1302および指示伝票発行ボタン1303は、客側表示部205に表示されなくてもよい。
【0115】
会計商品表示1301は、セルフ精算モードにおける精算中に客側表示部205に表示されるミラーリングの表示を示す。会計商品表示1301には、会計商品が表示されている。例えば、顧客が伝票に記載された取引識別情報を示す2次元コードを客側スキャナ部206に読み取らせると、会計商品表示1301には、会計商品が表示される。また、会計商品表示1301は、会計商品と、価格と、小計金額と、預り金と、お釣りとを含む。
【0116】
発行催促通知1302は、キッチンプリンタ装置40で指示伝票を発行できない旨(例えば、故障している旨)と、セルフ精算の後に指示伝票の発行を促す旨を示している。指示伝票発行ボタン1303は、指示伝票の発行を受け付ける。例えば、セルフ精算が完了していなくても、指示伝票発行ボタン1303が押下されると、指示伝票が発行される。すなわち、精算処理中においても、店員の操作に応じて指示伝票を発行することが可能になっている。ただし、精算処理中における精算伝票(レシート)が発行されるタイミング(精算伝票発行処理のタイミング)で指示伝票を発行可能にしたとすると、精算伝票と指示伝票とが混在してしまうおそれがある。このため、精算伝票発行処理中では、指示伝票を発行できないようにしてもよい。
【0117】
なお、図示を省略するが、セルフ精算用のPOS端末装置20の店員不在状態における発行待機報知画面は、
図11(B)に示した発行待機報知画面1110と同様の画面とすることが可能である。
【0118】
以上説明したように、実施形態2のPOSシステム1において、セルフ精算用のPOS端末装置20は、キッチンプリンタ装置40による指示伝票の発行が不可能な場合に、自装置の状態の判別結果に基づいて指示伝票を発行させるようにした。これにより、セルフ精算用のPOS端末装置20は、自装置の状態に応じた適切なタイミングで指示伝票を発行させることができる。このため、例えば、キッチンプリンタ装置40が故障等により指示伝票を発行することができない場合、セルフ精算用のPOS端末装置20に指示伝票を発行させたとしても、POS端末装置20を扱う顧客の操作の妨げとなることや、発行された指示伝票を店員が把握できないといったことを抑えることができる。
【0119】
(実施形態3)
以下に、実施形態3について説明する。上述した実施形態1では、オーダー端末装置30を備えたPOSシステム1について説明した。実施形態3では、オーダー端末装置30を備えないPOSシステム1400について説明する。具体的には、実施形態3では、POS端末装置20が注文を受け付ける場合について説明する。
【0120】
図14は、実施形態3に係るPOSシステム1400のネットワーク構成の一例を示す説明図である。
図14に示すように、実施形態3に係るPOSシステム1400は、管理装置10と、POS端末装置20と、キッチンプリンタ装置40と、キッチンモニタ50とを備える。図示では、POS端末装置20は、2台を示しているが、1台であってもよいし、3台以上であってもよい。
【0121】
(実施形態3に係るPOS端末装置20の機能的構成)
実施形態3に係るPOSシステム1に用いられるPOS端末装置20の機能的構成について説明する。実施形態3のPOS端末装置20は、モード制御部を備える。モード制御部は、POS端末装置20のCPU201によって実現される。すなわち、POS端末装置20のCPU201が所定のプログラム(商品販売データ処理プログラム)を実行することにより、モード制御部の機能を実現する。
【0122】
モード制御部は、複数の動作モードのうち、一の動作モードで制御する。複数の動作モードは、店員介在モードと、セルフモードとを含む。店員介在モードは、店員が介在して商品の購入手続が行われる動作モードである。実施形態3において、店員介在モードは、顧客からの申し出に応じて店員が商品の登録操作を行い、登録した商品の精算を店員に対面して顧客が行う動作モード(以下「店員登録モード」という。)である。
【0123】
セルフモードは、店員が介在せずに、顧客自身で商品を登録して購入手続が行われるモードである。実施形態3において、セルフモードは、顧客が購入する商品を選択(登録)して精算を行い、食券を発行する動作モード(以下「券売機モード」という。)として説明する。なお、POSシステム1400は、例えば、時間帯に応じて異なる動作モードにして、営業が行われる店舗に導入される。例えば、POSシステム1400は、顧客の多い時間帯(例えば、昼間)は店員介在モードで動作させ、顧客の少ない時間帯(例えば、夜間)は券売機モードで動作させる店舗に導入される。
【0124】
判別部は、POS端末装置20の状態として、店員介在モードと、券売機モードとを含む複数の動作モードのうちいずれの動作モードであるかを判別する。出力制御部は、判別部による動作モードの判別結果に基づいて、指示伝票を発行させる。具体的には、出力制御部は、判別部によって店員介在モードであると判別された場合、指示伝票を発行可能にする。一方、出力制御部は、判別部によって券売機モードであると判別された場合、指示伝票の発行を制限する。
【0125】
また、判別部は、券売機モードであると判別した場合、さらに、店員がPOS端末装置20の付近に存在する店員存在状態であるか否かを判別する。出力制御部は、判別部による動作モードの判別結果と店員存在状態の判別結果とに基づいて、指示伝票を発行させる。具体的には、出力制御部は、判別部によって券売機モードであると判別された場合でも、店員存在状態であると判別された場合、指示伝票を発行可能にする。
【0126】
また、判別部は、券売機モードにおいて店員存在状態であると判別した場合、さらに、精算処理中であるか否かを判別する。精算処理は、例えば、食券購入処理である。食券購入処理は、食券の選択を受け付ける処理、支払処理、食券やレシートを発行する精算伝票発行処理などを含む。出力制御部は、判別部による店員存在状態の判別結果と精算処理中(食券購入処理中)の判別結果とに基づいて、指示伝票を発行させる。具体的には、出力制御部は、判別手段によって店員存在状態であると判別された場合でも、精算処理中であると判別された場合には、指示伝票の発行を制限する。
【0127】
なお、出力制御部は、判別部によって券売機モードであると判別された場合、指示伝票の発行を制限しないようにしてもよい。例えば、出力制御部は、券売機モードにおいて、食券が発行されるのと同時に、指示伝票を発行してもよい。また、POS端末装置20は、発行した指示伝票を店員に渡すように、顧客に通知してもよい。当該通知は、食券に記載することによる通知としてもよいし、客側表示部205に表示することによる通知としてもよい。
【0128】
(実施形態3に係るPOS端末装置20が行う処理)
図15は、実施形態3に係るPOS端末装置20が行う処理の一例を示す説明図である。
図15に示すように、POS端末装置20は、店員または顧客から注文を受け付けたか否かを判断する(ステップS1501)。なお、POS端末装置20は、店員登録モードに制御されているときには店員から注文を受け付け、券売機モードに制御されているときには顧客から注文を受け付ける。POS端末装置20は、注文を受け付けるまで待機し(ステップS1501:NO、)、注文を受け付けると(ステップS1501:YES)、受け付けた注文内容をキッチンプリンタ装置40へ送信する(ステップS1502)。
【0129】
そして、POS端末装置20は、キッチンプリンタ装置40から、指示伝票を発行した旨を示す発行完了通知を受信したか否かを判断する(ステップS1503)。POS端末装置20は、発行完了通知を受信した場合(ステップS1503:YES)、一連の処理を終了する。なお、POS端末装置20は、発行完了通知を受信した場合、注文の受付が完了した旨を示す画面を表示するようにしてもよい。
【0130】
一方、発行完了通知を受信しない場合(ステップS1503:NO)、POS端末装置20は、キッチンプリンタ装置40から、指示伝票を発行することができない旨を示す発行不可通知を受信したか否かを判断する(ステップS1504)。発行不可通知を受信した場合(ステップS1504:YES)、POS端末装置20は、ステップS1506に進む。発行不可通知を受信しない場合(ステップS1504:NO)、POS端末装置20は、所定の応答時間が経過したか否かを判断する(ステップS1505)。
【0131】
所定の応答時間が経過ない場合(ステップS1505:NO)、POS端末装置20は、ステップS1503に戻る。所定の応答時間が経過した場合(ステップS1505:YES)、すなわち、キッチンプリンタ装置40の電波障害等により、キッチンプリンタ装置40へ注文内容を送信したものの、キッチンプリンタ装置40から応答(発行完了通知または発行不可通知の応答)がない場合、POS端末装置20は、現在の動作モードが券売機モードであるか否かを判断する(ステップS1506)。
【0132】
現在の動作モードが券売機モードではない場合(ステップS1506:NO)、すなわち、現在の動作モードが店員登録モードである場合、POS端末装置20は、ステップS1513に進む。現在の動作モードが券売機モードである場合(ステップS1506:YES)、POS端末装置20は、店員存在状態(例えば、店員がPOS端末装置20にログインしている状態)であるか否かを判断する(ステップS1507)。
【0133】
店員存在状態ではない場合(ステップS1507:NO)、すなわち、店員不在状態である場合、POS端末装置20は、店員に指示伝票の発行を促すために、店員不在状態における発行待機報知(
図11(B)参照)を行い(ステップS1508)、ステップS1511に進む。当該報知では、店員側表示部210に報知画像を表示したり、報知音を出力したりすることにより、ホール係の店員やキッチン係の店員に、指示伝票の発行を促すことができる。
【0134】
一方、ステップS1507において、店員存在状態である場合(ステップS1507:YES)、POS端末装置20は、食券購入処理中であるか否かを判断する(ステップS1509)。食券購入処理中ではない場合(ステップS1509:NO)、すなわち、例えば、POS端末装置20に顧客が不在の状況下で、店員がログインして、メンテナンスや集計を行っている場合、POS端末装置20は、ステップS1513に進む。
【0135】
一方、食券購入処理中である場合(ステップS1509:YES)、POS端末装置20は、食券購入後の指示伝票の発行を店員に促すために、食券購入手続中における発行待機報知(
図17参照)を行う(ステップS1510)。当該報知では、店員側表示部210に報知画像を表示することにより、ログイン中の店員に、指示伝票の発行を促すようにする。
【0136】
そして、POS端末装置20は、店員側表示部210に指示伝票の発行を受け付ける指示伝票発行ボタン(
図17参照)を表示する(ステップS1511)。そして、POS端末装置20は、指示伝票発行ボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS1512)。POS端末装置20は、指示伝票発行ボタンが押下されるまで待機し(ステップS1512:NO)、指示伝票発行ボタンが押下されると(ステップS1512:YES)、指示伝票を発行する(ステップS1513)。
【0137】
なお、POS端末装置20は、現在の動作モードが店員登録モードである場合(ステップS1506:YES)、指示伝票発行ボタンの押下や発行待機報知を要さずに、指示伝票を発行する(ステップS1513)。そして、POS端末装置20は、店員側表示部210等を用いて、指示伝票を発行した旨を示す発行済報知を行い(ステップS1514)、一連の処理を終了する。
【0138】
(券売機モードにおいてPOS端末装置20の客側表示部205に表示される画面例)
次に、
図16を用いて、券売機モードにおいてPOS端末装置20の客側表示部205に表示される画面の一例について説明する。
図16は、券売機モードにおいてPOS端末装置20の客側表示部205に表示される画面の一例を示す説明図である。
【0139】
図16において、券売用画面1600は、商品登録ボタン1601と、購入商品表示領域1602と、金額表示領域1603と、領収書発行ボタン1604と、キャンセルボタン1605と、発券ボタン1606とを含む。
【0140】
商品登録ボタン1601は、顧客が購入を希望する商品の選択を受け付けるボタンである。例えば、顧客は、購入を希望する商品に対応する商品登録ボタン1601を押下する。商品登録ボタン1601が押下されると、購入商品表示領域1602に当該商品が表示される。金額表示領域1603には、顧客が投入した金額を示す投入金額と、購入を希望する商品の合計金額と、お釣りの金額とを含む金銭に関する情報が表示される。
【0141】
領収書発行ボタン1604は、領収書の発行を受け付けるボタンである。領収書発行ボタン1604が押下されると、食券の発行とともに領収書が発行される。キャンセルボタン1605は、商品登録ボタン1601の押下によって選択された商品の解除を受け付けるボタンである。発券ボタン1606は、商品登録ボタン1601の押下によって選択された商品の購入を確定させて、食券の発行を受け付けるボタンである。
【0142】
(券売機モードにおいてPOS端末装置20の店員側表示部210に表示される画面例)
次に、
図17を用いて、実施形態3に係るPOS端末装置20の店員側表示部210に表示される発行待機報知画面の一例について説明する。
図17は、券売機モードにおいてPOS端末装置20の店員側表示部210に表示される発行待機報知画面1700の一例を示す説明図である。
【0143】
発行待機報知画面1700は、券売機モードにおける食券購入中に店員側表示部210に表示される画面を示している。発行待機報知画面1700は、券売用画面1600と、発行催促通知1701と、指示伝票発行ボタン1702とを含む。
【0144】
券売用画面1600は、
図16に示した、券売機モードの客側表示部205に表示される画面と同様の画面であり、すなわち、ミラーリングの画面を示す。発行催促通知1702は、キッチンプリンタ装置40で指示伝票を発行できない旨(例えば、故障している旨)と、食券購入処理後に指示伝票の発行を促す旨を示している。
【0145】
指示伝票発行ボタン1702は、指示伝票の発行を受け付ける。例えば、券売機モードにおける食券購入処理が完了していなくても、指示伝票発行ボタン1702が押下されると、指示伝票が発行される。すなわち、券売機モードにおける食券購入処理中においても、店員の操作に応じて指示伝票を発行することが可能になっている。ただし、食券購入処理中における食券や、レシートや、領収書が発行されるタイミング(精算伝票発行処理のタイミング)で指示伝票を発行可能にしたとすると、これらの書類と指示伝票とが混在してしまうおそれがある。このため、これらの書類が発行されるタイミングでは、指示伝票を発行できないようにしてもよい。
【0146】
なお、図示を省略するが、券売機モードの店員不在状態における発行待機報知画面は、
図11(B)に示した発行待機報知画面1110と同様の画面とすることが可能である。
【0147】
以上説明したように、実施形態3のPOSシステム1400において、POS端末装置20は、店員登録モードおよび券売機モードを含む動作モードを判別し、判別結果に基づいて、指示伝票を発行させるようにした。これにより、券売機モードの場合に指示伝票を発行させないようにすることができるため、店員が指示伝票を取り忘れてしまうことを抑えることができる。また、店員登録モードの場合に指示伝票を発行することができるため、迅速に指示伝票を発行できるとともに、当該発行を店員が適切に把握することができる。
【0148】
また、実施形態3のPOS端末装置20は、券売機モードでは、さらに、店員存在状態であるか否かの判別結果に基づいて、指示伝票を発行させるようにした。これにより、券売機モードの場合でも、店員存在状態では、指示伝票を発行させることができる。したがって、券売機モードにおいて、迅速に指示伝票を発行できるとともに、当該発行を店員が適切に把握することができる。
【0149】
また、実施形態3のPOS端末装置20は、店員存在状態では、さらに、精算処理中(食券購入処理中)であるか否かの判別結果に基づいて、指示伝票を発行させるようにした。これにより、店員存在状態の場合でも、精算処理中では、指示伝票を発行させないようにすることができる。したがって、食券等の他の書類と、指示伝票とが混在してしまうことを抑え、好適に指示伝票を発行することができる。
【0150】
(実施形態3の変形例)
上述した実施形態3では、
図15に示したように、現在の動作モードが店員登録モードである場合(ステップS1506:YES)、指示伝票発行ボタンの押下や発行待機報知を要さずに、指示伝票を発行するようにした(ステップS1513)。このような構成に代えて又は加えて、実施形態3の変形例では、現在の動作モードが店員登録モードである場合でも、精算処理中の場合には、指示伝票発行ボタンの押下や発行待機報知を要するようにした場合について説明する。
【0151】
本変形例において、POS端末装置20は、現在の動作モードが店員登録モードである場合(ステップS1506:YES)、精算処理中であるか否かを判断するようにし、精算処理中である場合には、発行待機報知を行い、ステップS1511(指示伝票発行ボタンの表示)に進むようにすればよい。
【0152】
本変形例によれば、店員登録モードにおいても、精算処理中には、指示伝票を発行させないようにすることができる。したがって、レシート等の精算伝票と、指示伝票とが混在してしまうことを抑え、好適に指示伝票を発行することができる。なお、精算処理の中でも精算伝票発行処理が行われているときに限って、指示伝票を発行させないようにしてもよい。
【0153】
以下、実施形態総括を記載する。
[技術分野]商品販売データ処理装置、およびプログラム
本発明は、商品販売データ処理装置、およびプログラムに関する。
[背景技術]
従来、ファーストフードやファミリーレストランなどの飲食店では、POS(Point Of Sales)端末装置や、店員が所持するオーダー端末装置を用いて、顧客から商品の注文を受け付け、受け付けた注文内容をキッチンプリンタ装置へ送信するシステムが用いられている。キッチンプリンタ装置は、厨房に配置され、調理指示を示す指示伝票を発行する。指示伝票には、例えば、商品、数量、席番号などが印刷されている。キッチン係の店員は、指示伝票が発行されると、指示伝票が示す注文内容の調理を開始する。そして、調理が完了すると、当該指示伝票は、調理品とともに、ホール係の店員に引き渡される。ホール係の店員は、調理品を、指示伝票に印刷される席番号のテーブルに配膳する。
ここで、営業中に、用紙切れによってキッチンプリンタ装置が注文伝票を印刷できなくなってしまうことがある。そこで、キッチンプリンタ装置に用紙切れが検出されると、用紙切れのキッチンプリンタ装置以外の他のキッチンプリンタ装置にオーダー情報を送信して印刷させるようにしたオーダーエントリー装置が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2001-150762号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、従来技術では、例えば、キッチンプリンタ装置が故障等により調理指示を出力することができない場合、POS端末装置に調理指示を出力させたとすると、POS端末装置の状態によっては、POS端末装置を扱う操作者にとって操作の妨げとなることや、出力された調理指示を店員が把握できないことがある。このため、従来技術では、好適に調理指示を出力することができない、という問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、好適に調理指示を出力することができる技術を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
【0154】
(1)上述した課題を解決するために、本発明の一態様である商品販売データ処理装置は、注文された商品の調理指示を出力する調理指示出力装置(キッチンプリンタ装置40)と、前記商品の精算を行うとともに、精算内容を示す精算伝票を出力する精算装置(POS端末装置20)と、を含む商品販売データ処理システム(POSシステム1)において、前記精算装置は、前記調理指示出力装置による前記調理指示の出力が不可能な場合に、前記精算装置の状態を判別する判別手段と、前記判別手段による前記状態の判別結果に基づいて、前記精算装置に前記調理指示を出力させる出力制御手段と、を備えることを特徴とする商品販売データ処理システムである。
上記構成によれば、POS端末装置20は、自装置の状態に応じた適切なタイミングで指示伝票を発行させることができる。このため、例えば、キッチンプリンタ装置40が故障等により指示伝票を発行することができない場合、POS端末装置20に指示伝票を発行させたとしても、POS端末装置20を扱う店員の操作の妨げとなることや、発行された指示伝票を店員が把握できないといったことを抑えることができる。したがって、キッチン係の店員が適切に調理を開始することができるため、調理の完成までに時間を要してしまうことを抑えることができ、よって、顧客を待たせてしまうことを抑えることができる。これにより、実施形態1のPOSシステム1によれば、好適に指示伝票を発行することができる。
【0155】
(2)上記(1)の構成において、前記判別手段は、前記状態として、店員が前記精算装置の付近に存在する店員存在状態であるか否かを判別し、前記出力制御手段は、前記判別手段による前記店員存在状態の判別結果に基づいて、前記調理指示を出力させてもよい。
上記構成によれば、店員不在状態の場合に指示伝票を発行させないようにすることができるため、店員が指示伝票を取り忘れてしまうことを抑えることができる。また、店員存在状態の場合に指示伝票を発行することができるため、迅速に指示伝票を発行できるとともに、当該発行を店員が適切に把握することができる。
【0156】
(3)上記(2)の構成において、前記判別手段は、前記店員存在状態であると判別した場合に、さらに、店員によって顧客対応の操作が行われていることを示す接客操作状態(精算処理中)であるか否かを判別し、前記出力制御手段は、前記判別手段による前記店員存在状態の判別結果と前記接客操作状態の判別結果とに基づいて、前記調理指示を出力させてもよい。
上記構成によれば、店員存在状態の場合でも、接客操作状態(精算処理中)では、指示伝票を発行させないようにすることができる。したがって、レシート等の精算伝票と、指示伝票とが混在してしまうことを抑え、好適に指示伝票を発行することができる。
【0157】
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかの構成において、注文する前記商品を受け付ける注文端末装置(オーダー端末装置30)を備え、前記出力制御手段は、前記注文端末装置が受け付けた前記商品の前記調理指示を出力させてもよい。
上記構成によれば、オーダー端末装置30が注文を受け付けた商品の指示伝票を、POS端末装置20に適切なタイミングで発行させることができる。
【0158】
(5)上記(1)の構成において、前記判別手段は、前記状態として、店員が介在して前記商品の購入手続が行われる店員介在モードと、店員が介在せずに前記商品の購入手続が行われるセルフモードとを含む複数の動作モードのうちいずれの動作モードであるかを判別し、前記出力制御手段は、前記判別手段による動作モードの判別結果に基づいて、前記調理指示を出力させてもよい。
上記構成によれば、券売機モードの場合に指示伝票を発行させないようにすることができるため、店員が指示伝票を取り忘れてしまうことを抑えることができる。また、店員登録モードの場合に指示伝票を発行することができるため、迅速に指示伝票を発行できるとともに、当該発行を店員が適切に把握することができる。
【0159】
(6)上記(5)の構成において、前記判別手段は、前記セルフモードであると判別した場合、さらに、店員が前記精算装置の付近に存在する店員存在状態であるか否かを判別し、前記出力制御手段は、前記判別手段による動作モードの判別結果と前記店員存在状態の判別結果とに基づいて、前記調理指示を出力させてもよい。
上記構成によれば、券売機モードの場合でも、店員存在状態では、指示伝票を発行させることができる。したがって、券売機モードにおいて、迅速に指示伝票を発行できるとともに、当該発行を店員が適切に把握することができる。
【0160】
(7)上記(6)の構成において、前記判別手段は、前記店員存在状態であると判別した場合、さらに、精算処理中であるか否かを判別し、前記出力制御手段は、前記判別手段による前記店員存在状態の判別結果と前記精算処理中の判別結果とに基づいて、前記調理指示を出力させてもよい。
上記構成によれば、店員存在状態の場合でも、精算処理中では、指示伝票を発行させないようにすることができる。したがって、食券等の他の書類と、指示伝票とが混在してしまうことを抑え、好適に指示伝票を発行することができる。
【0161】
(8)上記(1)乃至(7)のいずれかの構成において、前記出力制御手段によって前記調理指示が出力されない場合に、前記調理指示の出力開始の指示を受け付ける受付手段を備えてもよい。
上記構成によれば、所望のタイミングで、指示伝票を発行させることができる。
【0162】
(9)上記(1)乃至(8)のいずれかの構成において、前記出力制御手段による前記調理指示の出力に関する報知を行う報知手段を備えてもよい。
上記構成によれば、店員に対して、指示伝票の発行済報知や、発行待機報知を行うことができるため、店員は、指示伝票が発行されたことや、指示伝票が発行されていないことを容易に把握することができる。
【0163】
(10)上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、注文された商品の調理指示を出力する調理指示出力装置と、前記商品の精算を行うとともに、精算内容を示す精算伝票を出力する精算装置と、を含む商品販売データ処理システムの前記精算装置に用いられるコンピュータを、前記調理指示出力装置による前記調理指示の出力が不可能な場合に、前記精算装置の状態を判別する判別手段、前記判別手段による前記状態の判別結果に基づいて、前記精算装置に前記調理指示を出力させる出力制御手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
上記構成によれば、POS端末装置20は、自装置の状態に応じた適切なタイミングで指示伝票を発行させることができる。このため、例えば、キッチンプリンタ装置40が故障等により指示伝票を発行することができない場合、POS端末装置20に指示伝票を発行させたとしても、POS端末装置20を扱う店員の操作の妨げとなることや、発行された指示伝票を店員が把握できないといったことを抑えることができる。したがって、キッチン係の店員が適切に調理を開始することができるため、調理の完成までに時間を要してしまうことを抑えることができ、よって、顧客を待たせてしまうことを抑えることができる。これにより、実施形態1のPOSシステム1によれば、好適に指示伝票を発行することができる。
【0164】
なお、上述した説明では、POS端末装置20が、精算部と、判別部と、出力制御部と、受付部と、報知部とを備える構成について説明したが、これらの機能部の全部または一部が、他のコンピュータ装置に具備されていてもよい。例えば、これらの機能部のうち全部または一部が、オーダー端末装置30に具備されていてもよいし、キッチンプリンタ装置40に具備されていてもよいし、これら以外のコンピュータ装置に具備されていてもよい。また、これらの機能部が具備されるコンピュータ装置は、複数台であることに限らず、1台であってもよい。例えば、これらの機能部の全てを一のコンピュータ装置が具備していてもよい。
【0165】
なお、以上に説明したPOSシステム1、1400およびPOS端末装置20を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0166】
1、1400…POSシステム
20…POS端末装置
30…オーダー端末装置
40…キッチンプリンタ装置
201、301、401…CPU
202…ROM
203…RAM
204…ハードディスク
205…客側表示部
206…客側スキャナ部
208…カード決済部
209…釣銭機
210…店員側表示部
212…店員側スキャナ部
213…印刷部
214、306、406…音声出力部
215、305、405…通信部
216…カメラ
302、402…メモリ
303、403…表示部
304、404…操作部