IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ザクティの特許一覧 ▶ 株式会社ザクティエンジニアリングサービスの特許一覧

<>
  • 特開-移動体のカメラ装置 図1
  • 特開-移動体のカメラ装置 図2
  • 特開-移動体のカメラ装置 図3
  • 特開-移動体のカメラ装置 図4
  • 特開-移動体のカメラ装置 図5
  • 特開-移動体のカメラ装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094701
(43)【公開日】2022-06-27
(54)【発明の名称】移動体のカメラ装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20220620BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20220620BHJP
   E02F 9/26 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
H04N7/18 J
H04N5/232 380
H04N5/232 930
E02F9/26 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020207735
(22)【出願日】2020-12-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年10月20日に、自社ウェブサイト(https://xacti-co.com/products/safety-camera/)にて発表 令和2年10月20日に、CEATEC 2020 ONLINE(https://www.ceatec.com/ja/)(https://online.ceatec.com/event/92/booth/1026)にて発表
(71)【出願人】
【識別番号】313003417
【氏名又は名称】株式会社ザクティ
(71)【出願人】
【識別番号】520242551
【氏名又は名称】株式会社ザクティエンジニアリングサービス
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】畑中 晴雄
(72)【発明者】
【氏名】岡本 圭介
(72)【発明者】
【氏名】福本 晋平
(72)【発明者】
【氏名】大野 真史
(72)【発明者】
【氏名】天野 隆平
(72)【発明者】
【氏名】加門 紗香
(72)【発明者】
【氏名】小川 紗貴子
(72)【発明者】
【氏名】信岡 裕夫
(72)【発明者】
【氏名】橋本 剛一
【テーマコード(参考)】
2D015
5C054
5C122
【Fターム(参考)】
2D015HA03
2D015HB00
5C054CC05
5C054FC12
5C054FC15
5C054FE12
5C054FE28
5C054FF06
5C054HA30
5C122DA14
5C122EA47
5C122EA55
5C122FA18
5C122FB06
5C122FH18
5C122FK12
5C122FK37
5C122FK41
(57)【要約】
【課題】移動体の周囲を確認することかできる移動体のカメラ装置において、カメラ装置の導入コストをできるだけ低減しつつも、操縦者が移動体の周囲を十分に視認できるようにした移動体のカメラ装置を提供する。
【解決手段】カメラ本体4は、上部旋回体2の後部の左右角部29,30に、左右一対(4L,4R)で設置されている。この左右一対のカメラ本体4L,4Rは、左右同じものが設置されており、それぞれの中心軸CLが斜め後方約45°の外向きで、魚眼レンズが下向きになるように設置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の操縦者が移動体の周囲を確認するために、該移動体に複数のカメラを設置して、該カメラで撮影した映像を表示モニタで視認できるように構成した移動体のカメラ装置であって、
前記移動体の後部の左右角部に、超広角の魚眼レンズを備えたカメラ本体を左右一対で下向きに設置して、
前記カメラ本体で撮影した画像を、操縦者が視認できる表示モニタに表示するように制御する制御手段を備えたことを特徴とする
移動体のカメラ装置。
【請求項2】
前記移動体が、工事現場等で使用される重機であることを特徴とする
請求項1記載の移動体のカメラ装置。
【請求項3】
前記表示モニタでの表示が、左右一対の前記カメラ本体に対応して左右一対の表示画像で表示されるように制御する表示制御手段を備えることを特徴とする
請求項1又は2記載の移動体のカメラ装置。
【請求項4】
第4の発明では、前記カメラ本体が、前記移動体に対して磁石によって着脱自在に設置されていることを特徴とする
請求項1~3何れか一に記載の移動体のカメラ装置。
【請求項5】
前記表示モニタに、周囲の障害物の場所を目印で示す障害物チャートを表示することを特徴とする
請求項1~4何れか一に記載の移動体のカメラ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、工事現場等で使用される重機や、一般道路で使用される自動車等の移動体に周囲の状況を確認できるカメラを設置する移動体のカメラ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、工事現場等で使用される重機や、一般道路で使用される自動車等の移動体においては、その周囲の状況を確認できるように移動体自身にカメラを設置することが知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1では、重機の前後左右の周囲4か所にカメラを設置して、重機の操縦者が、重機の周囲を確認できるように構成した技術が記載されている。
【0004】
もっとも、このように移動体の周囲4か所にカメラを設置した場合、少なくとも、カメラが4つ必要となり、また、各カメラの撮影領域に重複部分が生じるため、画像のズレが生じないように、制御上、画像の位置合わせを行う校正作業が必要となり、こうしたカメラ装置を導入するための導入コストが増大するという問題があった。
【0005】
そこで、下記特許文献2に記載されたもののように、移動体の後部角部に左右一対のカメラを設置して、その後部角部近傍を撮影することが考えられる。
【0006】
この特許文献2に記載されたもののように、カメラ2つを左右一対で後部角部に設置した場合には、カメラが2つで安価になり、また、撮影領域において重複部分も生じにくいため、校正作業も不要になり、カメラ装置の導入コストを低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2017-152840号公報
【特許文献2】特開2007-137111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、前記特許文献2に記載された技術は、近接センサの捕捉範囲と周辺カメラの視野範囲とを一致させて、両者のズレを無くすことを目的に、カメラの設置位置を移動体の後部角部としているもので、この特許文献2に記載されているカメラは、一般的なレンズを備えたカメラである。
【0009】
しかし、このような一般的なレンズのカメラを、単に移動体の後部角部に設置したとしても、撮影範囲が限定されて、移動体の左右方向や移動体の後方等の周囲を全て捕捉することができず、移動体の周囲を十分に視認することができないという問題がある。
【0010】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、移動体の周囲を確認することができる移動体のカメラ装置において、カメラ装置の導入コストをできるだけ低減しつつも、操縦者が移動体の周囲を十分に視認できるようにした移動体のカメラ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
その目的を達成するために、この発明では、移動体の周囲を撮影するカメラを該移動体に設置する移動体のカメラ装置において、前記移動体の後部の左右角部に超広角の魚眼レンズを備えたカメラ本体を左右一対で下向きに設置して、そのカメラ本体で撮影した画像を、操縦者の視認できる表示モニタに表示するように構成している。
【0012】
具体的に、第1の発明では、移動体の操縦者が移動体の周囲を確認するために、該移動体に複数のカメラを設置して、該カメラで撮影した映像を表示モニタで視認できるように構成した移動体のカメラ装置であって、前記移動体の後部の左右角部に、超広角の魚眼レンズを備えたカメラ本体を左右一対で下向きに設置して、前記カメラ本体で撮影した画像を、操縦者が視認できる表示モニタに表示するように制御する制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
この構成によれば、移動体の後部の左右角部に、超広角の魚眼レンズを備えたカメラ本体を左右一対で下向きに設置し、そのカメラ本体で撮影した画像を表示モニタで表示することで、左右2つだけのカメラ本体であっても、そのカメラ本体が超広角の魚眼レンズを備えて、そのカメラ本体を下向きに設置しているため、ぞれぞれのカメラ本体が、約360°程度の範囲を撮影することができ、各カメラ本体から見て移動体の存在しない範囲を全て、操縦者が表示モニタで視認することができる。
【0014】
すなわち、左側のカメラ本体で、移動体の左側前方から移動体の後方にかけての約270°の範囲を、右側のカメラ本体で、移動体の右側前方から移動体の後方にかけての約270°の範囲をそれぞれ撮影することができるため、それぞれの範囲を、操縦者が表示モニタで視認することができるのである。
【0015】
このため、操縦者は、カメラ本体が2つしかなくても、移動体の左側前方から後方にかけて、また、右側前方から後方にかけて、それぞれ広範な範囲を表示モニタで視認することができる。
【0016】
なお、カメラ本体の設置高さについては、できるだけ高い位置に設置する方が、移動体の遠方まで撮影できるため、望ましい。
【0017】
また、カメラ本体については、左右一対のカメラを同じ種類のカメラで構成しても良いし、左右それぞれを専用カメラで構成しても良い。
【0018】
さらに、表示モニタについては、1つの表示モニタで左右の画像を表示するように構成しても良いし、左右別々の表示モニタで左右それぞれの画像を表示するように構成しても良い。
【0019】
第2の発明では、前記移動体が、工事現場等で使用される重機であることを特徴とするものである。
【0020】
この構成によれば、移動体が重機であることにより、駐車時のサポート性よりも、作業時の上部旋回体の回転時の安全性の要求が高い重機においては、精密で位置精度が高いカメラ装置よりは、広範な範囲の視認性の高いカメラ装置を採用する方が望ましい。
【0021】
このため、重機におけるニーズに合致したカメラ装置を、コストを高めることなく、導入することができる。
【0022】
よって、重機におけるカメラ装置の導入コストを低減しつつも、重機の安全性を高めることができる。
【0023】
第3の発明では、前記表示モニタでの表示が、左右一対の前記カメラ本体に対応して左右一対の表示画像で表示されるように制御する表示制御手段を備えることを特徴とするものである。
【0024】
この構成によれば、表示モニタの表示が、カメラ本体の左右一対の表示画像で表示されることで、それぞれの画像の位置合わせをしなくても、各画像を表示モニタで表示することができる。
【0025】
このため、カメラ装置を設置する際に校正作業を行う必要がなく、カメラ本体の設置作業が短時間に且つ自由に行える。
【0026】
よって、カメラ装置を導入する際の設置コストを、さらに低減することができる。
【0027】
第4の発明では、前記カメラ本体が、前記移動体に対して磁石によって着脱自在に設置されていることを特徴とするものである。
【0028】
この構成によれば、カメラ本体を、移動体に対して磁石によって着脱自在に設置したことで、カメラ装置をより自由に移動体に設置することができる。すなわち、カメラ本体を移動体に設置するための加工が不要で、カメラ本体を自由に移動体に設置することができるのである。
【0029】
よって、既存の重機にカメラ装置を導入しようとした場合に、重機の加工が不要となり、カメラ装置を導入する際の設置コストを低減することができる。
【0030】
第5の発明では、前記表示モニタに、周囲の障害物の場所を目印で示す障害物チャートを表示することを特徴とするものである。
【0031】
この構成によれば、表示モニタに、周囲の障害物の場所を目印で示す障害物チャートが表示されることで、操縦者は、障害物チャートによって障害物が存在する方位や距離を認識できるため、障害物を確実に認識することができる。
【0032】
このため、操縦者は、概略の撮影画像だけでは分かりにくい、障害物の位置を、障害物チャートによって確実に認識することができる。
【0033】
よって、簡易なカメラ装置によって導入コストを低減しつつも、安全性を確実に高めることができる。
【発明の効果】
【0034】
以上、説明したように、本発明によれば、操縦者は、カメラ本体が2つしかなくても、移動体の左側前方から後方にかけて、また、移動体の右側前方から後方にかけて、それぞれ広範な範囲を、表示モニタで視認することができる。
【0035】
よって、移動体の周囲を確認することかできる移動体のカメラ装置において、カメラ装置の導入コストをできるだけ低減しつつも、操縦者が移動体の周囲を十分に視認できるようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の実施形態1に係るカメラ装置を設置した重機の全体側面図である。
図2】実施形態1に係るカメラ装置を設置した重機の全体平面図である。
図3】カメラ本体の詳細を示す下方斜視図である。
図4】カメラ装置の制御ブロック図である。
図5】カメラ装置の制御フローチャートである。
図6】操縦席表示モニタに表示される表示画面の図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0038】
(実施形態1)
まず、図1図2を使って、本実施形態1の移動体のカメラ装置Cを設置した重機Mについて説明する。なお、本実施形態では、移動体として工事現場等で使用される重機Mを使って説明する。
【0039】
本実施形態のカメラ装置Cを設置した重機Mは、下部に下部走行体1を備えて、上部に上部旋回体2を備えている。このうち、下部走行体1は、左右に一対のクローラ11,12を有しており、このクローラ11,12を回転駆動させることで、重機Mを前後方向や左右方向に走行できるように構成されている。
【0040】
また、上部旋回体2は、横長矩形形状のボディ体を有しており、回転ユニット3を介して、下部走行体1の中心位置で上下方向に延びる回転軸ROを中心として、左右方向に旋回するように構成されている。
【0041】
この上部旋回体2の前部には、前方に延びて上下方向に揺動自在のブーム21が設けられている。そして、このブーム21の先端には、上下及び前後方向に揺動自在のアーム22が設けられている。さらに、そのアーム22先端には、土砂等を掬うバケット23が回動自在に設けられている。なお、このバケット23は作業内容によって切り換えるいわゆる「アタッチメント」であり、重機Mの作業内容によって、鉄骨切断具、コンクリート圧砕具、つかみ具、打撃式破砕具、又は自動車解体用切断具等に切り替えても良い。
【0042】
上部旋回体2の前部のブーム21左側側方には、縦長矩形のボックス状のキャビン24が設けられている。このキャビン24の前面と側面と後面には、それぞれ、フロントウィンドガラス24aとサイドウィンドガラス24bとリアウィンドガラス(図示せず)が設置されており、キャビン24内から操縦者が、重機Mの周囲を、直接目視で確認できるように構成されている。
【0043】
また、このキャビン24内部には、操縦者が着座する操縦席25が設けられており、図示しない操縦レバーや操縦ペダル等を、操縦者が座って操作できるように構成されている。また、操縦席25の前方位置には、操縦者が視認しやすいように操縦席表示モニタ26が設置されている。この操縦席表示モニタ26には、後述するように重機Mの後方側周囲の画像が表示されるように構成されている。
【0044】
さらに、キャビン24内部の操縦席25の後方位置には、後述する重機M周囲の画像を表示制御等する制御装置27が設置されている。この制御装置27は、外部からの衝撃を受け難く、熱や水の影響を受けないように、この操縦席25の後方に設置されている。
【0045】
上部旋回体2の後部には、図示しない重機用エンジンが搭載されている。この重機用エンジンは、例えばディーゼルエンジン等で構成されており、下部走行体1のクローラ11,12に回転力を付与する動力源として、また、上部旋回体2を左右方向に旋回させる動力源として、さらには、ブーム21やアーム22等を駆動する動力源として、機能するように構成されている。
【0046】
なお、上部旋回体2の後部上面には、この重機用エンジンによる発熱を放熱するバルジ部28を形成している。
【0047】
そして、前述したカメラ装置Cは、カメラ本体4(4L、4R)と、前述した操縦席表示モニタ26と制御装置27等、を備えて構成されている。
【0048】
まず、カメラ本体4は、上部旋回体2の後部の左右角部29,30に、左右一対(4L,4R)で設置されている。この左右一対のカメラ本体4L,4Rは、左右同じものが設置されており、それぞれの中心軸CLが斜め後方約45°の外向きで、後述するように魚眼レンズが下向きになるように設置されている。
【0049】
このカメラ本体4(4L,4R)について、図3を使って詳述する。
【0050】
カメラ本体4は、レンズや撮像素子等の撮像装置を内部に備える略円柱状の撮像ユニットと41、その撮像ユニット41の外側で撮像ユニット41を覆うように設けられるカバー部材42と、撮像ユニット41に固定ブラケット43を介して固定される取付脚部44と、を備えて構成されている。
【0051】
前述の撮像ユニット41は、略円柱状の筐体で構成されており、その筐体の下端には下方に突出した超広角の魚眼レンズ45が設けられている。また、この内部には、図示しないが、撮像素子等の撮像装置が内蔵されている。
【0052】
なお、この撮像ユニット41の上部には、図示しないが、外部から電流供給を受けるとともに、撮影した画像データ等を外部の制御装置27に送信する電気コードが連結されている。
【0053】
前述のカバー部材42は、上面が球面状の半ドーム部で下面が半筒状部となった下方を開放した樹脂成形部材で構成されており、前述の撮像ユニット41を、風雨や外部衝撃から保護するように設けられている。このカバー部材42も、撮像ユニット41の下部に設けた固定ブラケット43を介して撮像ユニット41に固定されている。
【0054】
そして、このカバー部材42の半筒状部の下側2か所には、横方向に延びる放熱スリット42a,42aがそれぞれ開口されている。この放熱スリット42a,42aによってカバー部材42内の放熱をしている。
【0055】
前述の固定ブラケット43は、前述の撮像ユニット41の下部に4つの固定ネジ43a…で締結固定された平板の板金部材で構成されている。そして、その両側端には上方に折り曲げた固定フランジ部43b,43bを形成して、先端には上方に折り曲げた差込フランジ部43cを形成している。そして、前述のカバー部材42に対して、その先端の差込フランジ部43cを差し込み、両側端の固定フランジ43b,43bを固定ネジ43d,43dで締結固定することで、そのカバー部材42を、固定ブラケット43に固定している。
【0056】
また、この固定ブラケット43は、撮像ユニット41の後方側で、上方に折り曲げたベースフランジ部43eを形成している。そして、このベースフランジ部43eに、前述の取付脚部44が、図示しない締結ネジで締結固定されている。
【0057】
前述の取付脚部44は、金属製の平板状板材で構成されており、中央に設けられたベース部44bと、そのベース部44bの周囲で放射状に6方向に延びる6つの足片44c…とで構成されている(図3には5つの足片しか図示されていない)。これらの6つの足片44c…は、それぞれ等間隔、すなわち約60°間隔で設けられている。
【0058】
この取付脚部44の金属材料は、容易に塑性変形させることができ、錆びにくい材料であれば良い。例えば、アルミニウム合金やステンレス鋼などが望ましい。
【0059】
この取付脚部44は、ベース部44bで、前述のようにベースフランジ部43eに締結ネジ(図示せず)で締結固定されて固定ブラケット43と一体化される。これにより、取付脚部44は、固定ブラケット43を介して、前述の撮像ユニット41とカバー部材42に一体化されている。
【0060】
そして、各足片44c…の先端の後面には、それぞれ円盤状の円形磁石50…を設けている。これらの円形磁石50…は、一つ一つの磁力が強力で、それぞれの円形磁石50…が独立して重機Mに磁着できるように構成されている。
【0061】
そして、これら円形磁石50…に対応して、各足片44cの先端の前面側には、円形磁石50…を個々に取り外すためのリング形状の取り外し用把持部51…を設けている。
【0062】
この取り外し用把持部51…は、足片44cと円形磁石40を貫通して螺合固定される磁石固定用ネジ51aと、この磁石固定用ネジ51aに螺合するボス形状のリングベース部51bと、このリンクベース部51bに対して回動自在に軸支される把持用リング51cとで構成されている。
【0063】
そして、この把持用リング51cによって、作業者は、カメラ本体4を重機Mから取り外す際、足片44cの変形方向を意識することなく、把持用リング51cをそのまま引っ張ることで、個々の円形磁石50…ごとに磁着方向に反対方向に引っ張り力を与えることができ、円形磁石50を確実に取り外すことができる。
【0064】
このように、カメラ本体4(4L,4R)が構成されているため、本実施形態では、取付脚部44の各足片44c…を、それぞれ塑性変形させて、上部旋回体2の後部の左右角部29,30に、先端の円形磁石50…をそれぞれ磁着させて、設置している。
【0065】
特に、取付脚部44の各足片44c…が、それそれ放射方向に広がって、先端の円形磁石50を上部旋回体2に磁着させていることで、各円形磁石間50…のスパン(距離)を確保することができ、その結果として、取付スパンを十分に確保して、取付強度を高めることができている。
【0066】
次に、本実施形態のカメラ装置Cの制御ブロックについて、図4のブロック図を利用して説明する。
【0067】
本実施形態のカメラ装置Cは、入力手段として、重機Mの上部旋回体2の後部角部に設置した左右一対のカメラ本体A4(4R)とカメラ本体B4(4L)と、操縦者が操作する操作部6と、を備えており、演算手段として、操縦席25の後方位置に設置された制御装置27とを備えており、また、出力手段として、スピーカや警告灯等で構成された警報器7と、画像データを記録する画像用メモリ8と、操縦者が視認しやすいように設置された操縦席表示モニタ26と、外部通信行うLTE(Long Term Evolution)/Wi-Fi(Wireless Fidelity)通信の出力回路9と、を備えている。
【0068】
前述のカメラ本体A4(4R)は、内部に、魚眼レンズを介して取り込んだ風景映像を画像データに変換する撮像素子61と、カメラ本体Aに作用する動きや挙動を検出する角速度センサ62と加速度センサ63と、これらから入力された情報から、出力される画像等を処理する信号処理部64と、を備えている。このカメラ本体Aは、右後部に設置されるカメラ本体4Rである。
【0069】
前述のカメラ本体B4(4L)も同様に、内部に、レンズを介して取り込んだ風景を画像データに変換する撮像素子61と、カメラ本体Bに作用する動きや挙動を検出する角速度センサ62と加速度センサ63と、これらから入力された情報から、出力される画像等を処理する信号処理部64と、を備えている。このカメラ本体Bは、左後部に設置されるカメラ本体4Lである。
【0070】
制御装置27は、内部に、カメラ本体A4(4L)とカメラ本体B4(4R)から出力させる画像情報から、人物等の検出を行う人物検出部65と、その人物検出部65からの情報に基づいて重機Mまでの距離を計算する距離計算部66と、その距離計算部66が算出した距離に基づいて人物等が近接しているかを判定する近接判定部67とを備えている。そして、さらに、これら人物検出部65や距離計算部66等に対して、所定のパラメータ値を付与するメモリ68と、を備えている。
【0071】
また、この制御装置27は、内部に、カメラ本体A4(4L)とカメラ本体B4(4R)から出力させる画像情報を合算した合成画像を生成する画像合成部69と、その画像合成部69で生成された合成画像を受けて操縦席表示モニタ26に送信する画像を生成するモニタ表示画像生成部70と、同じくその画像合成部69で生成された合成画像を、LTE/Wi-Fi通信の出力通信回路9に送信する通信制御部71と、を備えている。
【0072】
さらに、画像合成部69には、画像を圧縮する画像記録制御部72に接続されており、この画像記録制御部72では、所定のパラメータを受けて、所望の圧縮方法によって圧縮された画像を、画像用メモリ8に送信して保存するように構成している。
【0073】
また、前述の近接判定部67は、画像記録制御部72とモニタ表示画像生成部70にも接続されており、人物等が近接しているか否かの情報を、画像用メモリ8に記録したり、操縦席表示モニタ26に表示するように構成している。
【0074】
なお、LTE/Wi-Fi通信の出力通信回路9を介して、外部の携帯端末73や管理センサ74に対して、画像情報を含めたカメラ装置Cの情報を送信するように構成している。
【0075】
次に、本実施形態のカメラ装置Cの制御フローについて、図5のフローチャートを使って説明する。
【0076】
まず、S1において、各カメラ本体の信号処理部64で、各魚眼レンズ45を通じて撮影された撮像素子61から得られた魚眼の撮影データ(円形画像データ)を、正距円筒画像へ変換する。このように変換することで、魚眼レンズ45で丸く歪んだ画像を、見やすい正距円筒画像にする。
【0077】
次に、S2において、各カメラ本体の信号処理部64で、その正距円筒画像を、角速度センサ62や加速度センサ63から現在のカメラ本体4の姿勢を検出して、地軸に対して90度の視線映像となるように補正する。このように補正することで、カメラ本体A4(4R)やカメラ本体B4(4L)の重機Mへの取付位置が、鉛直方向から多少傾斜していても、常時、水平方向に平行な視点の画像にすることができる。
【0078】
そして、S3において、人物検出部65において、正距円筒画像とパラメータ設定(例えば、人物等の検出閾値等)から、画像内の人物領域を抽出する。すなわち、例えば、正距円筒画像の中で、所定の変動(色合いの変位量や変位範囲等)が発生した場合には、その変動部分を人物領域として検出することで、撮影した画像の中で、人物がいる領域を抽出することができる。
【0079】
その後、S4において、距離計算部66で、人物検出結果とパラメータ設定(例えば、カメラ本体4の設置高さ等)から、検出した人物までの距離を算出する。例えば、画像の中での撮影された人物の足元の高さで、距離を算出する場合には、カメラ本体4の設置高さ位置で、撮影された人物の足元の高さも変化するため、カメラ本体4の設置高さを、例えば、2mとしてパラメータを設定しておくことで、重機から検出した人物等までの距離(人物距離結果)を所定の演算式で演算するのである。
【0080】
次に、S5において、近接判定部67で、人物距離結果とパラメータ設定(接近警告範囲等)から、設定範囲内に人物が存在すると判断した場合は警報器(スピーカー/警告灯等)7を作動させる。例えば、接近警告範囲を、3mとしてパラメータで設定しておけば、人物距離結果で得られた値と比較して、3m以内と判断した場合には、警報を発することができる。また、さらに近い1.5mにもパラメータを設定しておけば、より近くて危険な範囲内と判断して、異常接近時であるとの警告を発することもできる。
【0081】
また、S6において、画像合成部69で、左右の正距円筒画像を1つの画像に合成した左右合成画像を生成して、モニタ表示画像生成部70で、その左右合成画像に人物検出結果(検出枠)を重畳して、操縦席表示モニタ26に出力する。このように操縦席表示モニタ26に出力されると、重機Mの左後方と右後方の画像が、一つの合成画像として表示されて、その合成画像に、人物検出結果が重なって表示されるため、操縦席25の操縦者は、操縦席表示モニタ26を1つ見るだけで、重機Mの後方側周囲を確認でき、危険性を確実に認識することができる。
【0082】
また、S7において、近接判定部で設定範囲内に人物等の障害物が存在すると判断した場合には、予め設定された障害物チャートに、その障害物の方位と距離を所定の目印(□印等)を加えて、操縦席表示モニタに出力する。このように障害物チャートに障害物を表示することで、具体的に障害物の方位と距離が明確になるため、操縦者はより危険性を確実に認識することができる。
【0083】
そして、S8において、映像記録制御部72で、左右合成画像が圧縮され、画像用メモリ8に記録される。なお、モニタ表示画像生成部70で生成した画像を圧縮して画像用メモリ8に記録しても良い。このように画像用メモリ8に左右合成画像を記録することで、過去の重機Mの後方側周囲の画像を確認することができる。
【0084】
そして、この時の画像の記録方法は、パラメータ設定により、常時映像を記録する「常時映像記録モード」、記録フレームをスキップした時短映像を記録する「タイムラプスモード」、人物等の接近検出時のみ一定期間の映像を記録する「トリガ記録モード」等を、それぞれ選択、又は組合わせて行うようにしても良い。
【0085】
最後に、S9において、通信制御部71で、左右合成画像が圧縮され、LTE通信又はWi-Fi通信の回路で外部通信網に出力されて、携帯端末73や管理センサ74に送信される。これにより、重機から離れた場所にある携帯端末73や管理センサ74でも、重機Mの後方側周囲の画像を確認することができる。
【0086】
このように制御されることにより、本実施形態のカメラ装置Cは、操縦席25からでは死角等によって確認し難い重機Mの後方側周囲を、容易に確認することができる。特に、人物検出を行い、人物が近接している判断した場合には、警報を発するように制御されるため、重機Mの安全性を高めることができる。
【0087】
次に、このように制御されたカメラ装置Cの操縦席表示モニタ26に表示される表示画面80の内容について、図6を使って説明する。
【0088】
この図6に示すように、操縦席表示モニタ26には、前述のS6とS7の制御処理によって出力された表示画面80が表示される。
【0089】
まず、この表示画面80の上側の中段位置には、左右合成画像81が表示される。この左右合成画像81は、左側に左後方のカメラ本体4Lで撮影した画像、右側に右後方のカメラ本体4Rで撮影した画像がそれぞれ表示される。
【0090】
すなわち、この左右合成画像81は、左側が重機Mの左側前方から重機Mの後方の画像81L(以下、左側画像81L)であり、右側が重機Mの右側前方から重機Mの後方の画像81R(以下、右側画像81R)である。具体的には、図2に示すように、左側が左後方のカメラ本体4Lの撮影エリアVELを表した画像(81L)で、右側が右後方のカメラ本体4Rの撮影エリアVERを表した画像(81R)である。
【0091】
すなわち、このカメラ本体4(4L,4R)は、超広角の魚眼レンズ45を備えたカメラであり、その魚眼レンズ45を下向きに設置しているため、約360°程度の範囲を撮影することができる。もっとも、そのうち、重機Mが存在する90°は不要であるため、その90°を除いた角度θL、θRの270°の範囲を、それぞれ撮影画像として取り込んでいるのである。
【0092】
この左右合成画像81には、近接する人等の障害物があると、人物検出結果の検出枠が重合して表示される。例えば、左側画像81Lでは、二人の人物m1、m2を検出して検出枠Fがこの二人の人物を囲っている。また、右側画像81Rでは、一人の人物m3を検出して、検出枠Fが一人の人物を囲っている。
【0093】
また、この検出枠Fは、距離が近い場合には赤色枠、やや離れている場合には黄色枠等に、表示を切り替えても良い。例えば、1.5m以内であれば赤色枠、3m以内であれば黄色枠とするようにしてもよい。
【0094】
この左右合成画像81は、左側画像81Lと右側画像81Rとを、別々に表示することで、各カメラ本体4L、4Rからの画像をそのまま別々に表示するように制御している。すなわち、重複する部分についても除くことなく、そのまま表示しているのである。このように、左側画像81Lと右側画像81Rを別々に表示させることで、カメラ装置Cを重機Mに設置する際の校正作業を不要にすることができる。
【0095】
なお、この操縦席表示モニタ26の表示画面80の最上段には、「車両周辺に人が侵入 注意してください」との警告表示82(クリティカル情報表示)がされている。これは、S5の制御処理で警報器が作動した場合等に表示される。
【0096】
また、この表示画面80の下側の中段位置には、円形の障害物チャート83が表示されている。この障害物チャート83の中心には、重機モデルMmが表示されており、重機モデルMmを中心に障害物がどの方位にどの程度の距離にあるかを表すように構成されている。
【0097】
例えば、この障害物チャート83では、重機Mmの左側の後部の近傍位置に人m1がいることが分かり、重機Mmの左側の横に少し離れた位置にも人m2がいることが分かる。また、重機Mmの右側には、前側の離れた位置に人m3がいることが分かる。
【0098】
このように障害物チャート83があることで、操縦者は、左右合成画像81ではどうしても歪んで見える障害物の状況を、正確に確認することができる。
【0099】
また、障害物チャート83の右側には、S9の制御処理で行われる通信状態84が表示されており、携帯端末等に画像データ等が送信されている状態であることが表示されている。
【0100】
また、その下には、現在の時間85が表示されており、この画像が撮影された時間も表示画面80の画像データに入れられている。
【0101】
そして、その他の空白の領域には、カメラ装置Cの異常状態を表示したり、現在が録画状態であることを表示したり、様々な情報を表示するように構成している。
【0102】
なお、本実施形態では、人物検出のみを行っているが、その他の障害物も検出するようにしても良い。
【0103】
以上のように本実施形態は、重機Mの操縦者が重機Mの周囲を確認するために、その重機Mに複数のカメラ本体4(4L,4R)を設置して、そのカメラ本体4で撮影した映像を操縦席表示モニタ26で視認できるように構成したものであって、重機Mの後部の左右角部29、30に、超広角の魚眼レンズ45を備えたカメラ本体4(4L,4R)を左右一対で下向きに設置して、そのカメラ本体4(4L,4R)で撮影した画像を、操縦者が視認できる操縦席表示モニタ26に表示するように制御装置27で制御している。
【0104】
これにより、左右2つだけのカメラ本体4(4L,4R)であっても、そのカメラ本体4(4L,4R)が超広角の魚眼レンズ45を備えて、そのカメラ本体4(4L,4R)を下向きに設置しているため、ぞれぞれのカメラ本体4(4L,4R)が、約360°程度の範囲を撮影することができ、各カメラ本体4(4L,4R)から見て重機Mの存在しない範囲を全て、操縦者が操縦席表示モニタ26で視認することができる。
【0105】
すなわち、左側のカメラ本体4Lで、重機Mの左側前方から移動体の後方にかけての約270°の範囲(VEL)を、右側のカメラ本体4Rで、重機Mの右側前方から移動体の後方にかけての約270°の範囲(VER)をそれぞれ撮影することができるため、それぞれの範囲(VEL,VER)を、操縦者が操縦席表示モニタ26で視認することができるのである。
【0106】
このため、操縦者は、カメラ本体4(4L,4R)が2つしかなくても、重機Mの左側前方から後方にかけて、また、重機Mの右側前方から後方にかけて、それぞれ広範な範囲を操縦席表示モニタ26で視認することができる。
【0107】
よって、重機Mの周囲を確認することかできるカメラ装置Cにおいて、カメラ装置Cの導入コストをできるだけ低減しつつも、操縦者が重機Mの周囲を十分に視認できるようにできる。
【0108】
また、本実施形態では、カメラ本体4(4L,4R)の設置高さを、重機Mの上部旋回体2の高い位置に設置している(図1参照)。
【0109】
これにより、カメラ本体4(4L,4R)は、重機Mから離れた遠方まで撮影することができる。
【0110】
よって、操縦者は、より広範な範囲を、操縦席表示モニタ26で視認することができる。
【0111】
また、本実施形態では、カメラ装置Cを工事現場等で使用される重機Mに採用している。
【0112】
重機Mにおいては、駐車時のサポート性よりも、作業時等の上部旋回体2の回転時の安全性の方の要求が高い。このことから、重機Mにあっては、精密で位置精度の高いカメラ装置よりも、広範な範囲の視認性の高いカメラ装置Cを採用する方が望ましい。
【0113】
このため、重機Mにおけるニーズに合致したカメラ装置Cを、コストを高めることなく、導入することができる。
【0114】
よって、重機Mにおけるカメラ装置Cの導入コストを低減しつつも、重機Mの安全性を高めることができる。
【0115】
また、本実施形態では、操縦席表示モニタ26での表示が、左右一対のカメラ本体4(4L,4R)に対応して左右一対の表示画像(81L,81R)である左右合成画像81で表示されるように制御装置27で制御されている。
【0116】
これにより、操縦席表示モニタ26の表示が、左右それぞれの画像(81L,81R)の位置合わせをしなくても、各画像(81L,81R)を操縦席表示モニタ26で表示することができる。
【0117】
このため、カメラ装置Cを設置する際に校正作業を行う必要がなく、カメラ本体4(4L,4R)の設置作業が短時間に且つ自由に行える。
【0118】
よって、カメラ装置Cを導入する際の設置コストを、さらに低減することができる。
【0119】
また、本実施形態では、カメラ本体4(4L,4R)が、重機Mに対して円形磁石50…によって着脱自在に設置されている。
【0120】
これにより、カメラ装置Cをより自由に重機Mに設置することができる。すなわち、カメラ本体4(4L,4R)を重機Mに設置するための加工が不要で、カメラ本体4(4L,4R)を自由に重機Mに設置することができるのである。
【0121】
よって、既存の重機Mにカメラ装置Cを導入しようとした場合に、重機Mの加工が不要となり、カメラ装置Cを導入する際の設置コストを低減することができる。
【0122】
また、本実施形態では、操縦席表示モニタ26に、周囲の障害物の場所を目印(□印)で示す障害物チャート83を表示するように構成している。
【0123】
これにより、操縦者は、障害物チャート83によって人m1、m2、m3等の障害物が存在する方位や距離を認識できるため、障害物を確実に認識することができる。
【0124】
このため、操縦者は、概略の撮影画像(81)だけでは分かりにくい、障害物の位置を、障害物チャート83によって確実に認識することができる。
【0125】
よって、簡易なカメラ装置Cによって導入コストを低減しつつも、安全性を確実に高めることができる。
【0126】
(その他の実施形態)
次に、その他の実施形態について説明する。
【0127】
実施形態1では、移動体を重機Mとして説明したが、移動体は、例えば、一般的な自動車であっても良い。乗用車の場合には、後部の左右角部であるリアフェンダー後方の上部に左右一対のカメラを設置することが考えられる。また、トラックの場合には、荷室後部の左右角部の上部に左右一対のカメラを設置することが考えられる。さらに、バスの場合には、客室後部の左右角部の上部に左右一対のカメラを設置することが考えられる。
【0128】
また、カメラ本体についても、実施形態1では、同じ種類のカメラで構成していたが、左右それぞれで専用のカメラで構成するようにしても良い。
【0129】
さらに、このカメラ本体は、移動体に対して固定ボルト等で締結固定するように構成しても良い。
【0130】
そして、表示モニタについても、実施形態1では、1つの操縦席表示モニタ26で左右の画像(81L,81R)を表示するように構成していたが、左右別々の表示モニタで左右それぞれの画像を表示するように構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0131】
以上、説明したように、本発明にかかる移動体のカメラ装置は、工事現場等で使用される重機や、一般道路で使用される自動車等の移動体に周囲の状況を確認できるカメラを設置する移動体のカメラ装置において有用である。
【符号の説明】
【0132】
M…重機
C…カメラ装置
1…下部走行体
2…上部旋回体
4(4L,4R)…カメラ本体
26…操縦席表示モニタ(表示モニタ)
27…制御装置(制御手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6