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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094767
(43)【公開日】2022-06-27
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/04 20060101AFI20220620BHJP
【FI】
F25D23/04 K
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020207846
(22)【出願日】2020-12-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 和人
(57)【要約】
【課題】底面積が狭い小型の扉容器であっても、上下方向の移動および扉からの着脱の操作を容易に行える冷蔵庫を提供することである。
【解決手段】実施形態の冷蔵庫は、冷蔵庫本体と、扉と、扉容器と、を持つ。扉容器は、扉の内面部において上下方向に移動可能である。扉容器は、移動範囲内の複数箇所で上下方向における位置が固定可能である。扉容器は、底面部と、一対の係止部と、操作部材と、を持つ。操作部材は、底面部に設けられている。操作部材は、一対の駆動部材と、操作部と、伝達部材と、補強部材と、を持つ。操作部は、横幅方向における一対の駆動部材の配置位置の間隔よりも横幅方向における幅が広く形成される。伝達部材は、操作部と一対の駆動部材とをそれぞれ奥行方向に連結する。補強部材は、横幅方向から見て一対の駆動部材の間に配置される。補強部材は、一対の駆動部材の間の横幅方向における距離を固定する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室を含む冷蔵庫本体と、
前記貯蔵室を開閉可能に閉じる扉と、
収容物を収容する収容空間が上方に形成された底面部と、前記底面部における横幅方向の両側部に配置され前記横幅方向に進退する一対の係止部と、前記底面部に設けられ前記一対の係止部の前記横幅方向における位置を操作する操作部材と、を有しており、前記扉の内面部において上下方向に移動可能かつ前記内面部に着脱可能に設けられ、移動範囲内の複数箇所で前記上下方向における位置が固定可能な扉容器と、
を備え、
前記操作部材は、
前記上下方向および前記横幅方向に交差する奥行方向に進退することによって前記一対の係止部をそれぞれ前記横幅方向に移動させる一対の駆動部材と、
前記横幅方向における前記一対の駆動部材の配置位置の間隔よりも前記横幅方向における幅が広く形成され、前記一対の駆動部材を前記奥行方向に移動させる操作力を加える操作部と、
前記操作部と前記一対の駆動部材とをそれぞれ前記奥行方向に連結し、前記操作力を前記一対の駆動部材に伝達する伝達部材と、
前記横幅方向から見て前記一対の駆動部材の間に配置され、前記一対の駆動部材の間の前記横幅方向における距離を固定する補強部材と、
を有する、
冷蔵庫。
【請求項2】
前記底面部において前記一対の駆動部材よりも前記横幅方向の内側に配置されており、前記一対の係止部が前記両側部から進出する位置に前記一対の駆動部材を移動させるように、前記操作部材を前記奥行方向に付勢する付勢部材をさらに備える、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記扉は、前記上下方向に延びる回転軸線を中心として回転する回転扉であり、
前記横幅方向における前記操作部の第1中心軸線は、前記横幅方向における前記一対の駆動部材の前記配置位置の第2中心軸線に対して、前記回転軸線に近い方に偏心している、
請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記扉は、前記横幅方向の両側において、それぞれ前記上下方向に延びる回転軸線を中心として回転する、左右両開き式の一対の回転扉であり、
前記一対の回転扉のうちの少なくとも一方は、前記扉容器を備え、
前記横幅方向における前記操作部の第1中心軸線は、前記横幅方向における前記一対の駆動部材の前記配置位置の第2中心軸線に対して、前記回転軸線に近い方に偏心している、
請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記底面部は、
前記一対の係止部のうち前記横幅方向において前記回転軸線に近い係止部が配置され、前記奥行方向に延びる第1側面部と、
前記一対の係止部のうち前記横幅方向において前記回転軸線から遠い係止部が配置され、前記奥行方向に延びる第2側面部と、
前記奥行方向において前記操作部より前記内面部から離れた位置で、前記横幅方向に延びる正面部と、
前記正面部における端部のうち前記回転軸線に近い第1端部から前記内面部に向かって屈曲し、前記奥行方向に延び、前記横幅方向の内側に向かって延びる第1段部が介在して前記第1側面部と接続する第3側面部と、
前記正面部における端部のうち前記回転軸線から遠い第2端部から前記内面部に向かって屈曲し、前記内面部に向かうにつれて前記横幅方向において前記第3側面部から遠ざかるように湾曲し、前記横幅方向の内側に向かって延びる第2段部が介在して前記第2側面部と接続する湾曲側面部と、
を有し、
前記横幅方向における前記操作部の位置は、前記奥行方向から見た前記正面部の範囲内である、
請求項3または4に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記扉容器は、
前記収容物を収容する容器本体と、
前記底面部を有し、前記容器本体を前記底面部上に着脱可能に支持し、前記内面部において前記上下方向に移動可能かつ前記内面部に着脱可能に設けられており、移動範囲内の複数箇所で前記上下方向における位置が固定可能な昇降台と、
を備える、
請求項1~5のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記操作部材は、前記一対の駆動部材、前記操作部、前記伝達部材、および前記補強部材が一体成形された樹脂成形品を含む、
請求項1~6のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫における貯蔵室の扉に、上下方向に移動可能、かつ扉に対して着脱可能な扉容器を設けることが知られている。例えば、扉容器の底面部には、扉と係止する係止機構と、係止機構を操作する操作部材と、が設けられている。
しかし、回転扉を有する冷蔵庫の場合、ヒンジの反対側の扉容器の角部に回転扉の回転半径に応じて丸みを付ける必要がある。これにより、操作部材を設ける底面部の面積が狭くなるので、操作部材の大きさに制約が生じる。操作部材が小さいと係止機構を容易に操作することができない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-72614号公報
【特許文献2】特開2012-247153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、底面積が狭い小型の扉容器であっても、上下方向の移動および扉からの着脱の操作を容易に行える冷蔵庫を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の冷蔵庫は、冷蔵庫本体と、扉と、扉容器と、を持つ。冷蔵庫本体は、貯蔵室を含む。扉は、貯蔵室を開閉可能に閉じる。扉容器は、扉の内面部において上下方向に移動可能である。扉容器は、内面部に着脱可能に設けられている。扉容器は、移動範囲内の複数箇所で上下方向における位置が固定可能である。扉容器は、底面部と、一対の係止部と、操作部材と、を持つ。底面部は、収容物を収容する収容空間が上方に形成されている。一対の係止部は、底面部における横幅方向の両側部に配置される。一対の係止部は、横幅方向に進退する。操作部材は、底面部に設けられている。操作部材は、一対の係止部の横幅方向における位置を操作する。操作部材は、一対の駆動部材と、操作部と、伝達部材と、補強部材と、を持つ。一対の駆動部材は、上下方向および横幅方向に交差する奥行方向に進退することによって一対の係止部をそれぞれ横幅方向に移動させる。操作部は、横幅方向における一対の駆動部材の配置位置の間隔よりも横幅方向における幅が広く形成される。操作部は、一対の駆動部材を奥行方向に移動させる操作力を加える。伝達部材は、操作部と一対の駆動部材とをそれぞれ奥行方向に連結する。伝達部材は、操作力を一対の駆動部材に伝達する。補強部材は、横幅方向から見て一対の駆動部材の間に配置される。補強部材は、一対の駆動部材の間の横幅方向における距離を固定する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態の冷蔵庫を示す正面図。
図2】第1の実施形態における冷蔵室扉を示す斜視図。
図3】第1の実施形態における冷蔵室扉の後面部材を示す斜視図。
図4】第1の実施形態における扉容器を示す斜視図。
図5】第1の実施形態における扉容器の昇降台を示す平面図。
図6】第1の実施形態における扉容器を示す斜視の分解図。
図7】第1の実施形態における昇降台本体の斜視図。
図8図6におけるF8視の側面図。
図9図6におけるF9視の側面図。
図10図4におけるF10-F10線に沿う断面図。
図11】第1の実施形態における操作部材を示す斜視図。
図12】第1の実施形態における操作部材を示す斜視図。
図13図10におけるF13-F13線に沿う断面図。
図14図10におけるF14-F14線に沿う断面図。
図15】第1の実施形態における係止部の動作説明図。
図16】第1の実施形態における扉容器の動作説明図。
図17】第1の実施形態における扉容器の動作説明図。
図18】第1の実施形態における扉容器の動作説明図。
図19】第2の実施形態の冷蔵庫における扉容器を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の冷蔵庫を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。例えば、互いに面対称な形状を有する部材同士には同一符号を付している場合がある。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
本明細書では、特に断らない限り、冷蔵庫の正面に立つユーザから冷蔵庫を見た方向を基準に、上下左右を定義している。また、冷蔵庫から見て冷蔵庫の正面に立つユーザに近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義している。本明細書において「横幅方向」とは、上記定義における左右方向を意味する。本明細書において「奥行方向」とは、上記定義における前後方向を意味する。「上下方向」とは、冷蔵庫の高さ方向を意味している。
図中に矢線で示した、+X方向は右方向、-X方向は左方向、+Y方向は後方向、-Y方向は前方向、+Z方向は上方向、-Z方向は下方向である。
法線が+X方向に延びる平面をYZ平面、法線が+Y方向に延びる平面をZX平面、+Z方向に延びる平面をXY平面と称する場合がある。XY平面は水平面である。
実施形態の冷蔵庫の扉および扉に含まれる部品に関する説明では、特に断らない限り、扉が閉じられている状態の配置に基づいて説明する。例えば、回転式扉について説明する場合、特に断らない限りは、開いた状態であっても上述の±X方向および±Y方向が扉に固定されている方向であるとして説明する。横幅方向、奥行方向、前、後ろ、左、右などの用語も同様である。
【0008】
[第1の実施形態]
第1の実施形態の冷蔵庫を説明する。
図1は、扉が開けられた状態における第1の実施形態の冷蔵庫を示す正面図である。
図1に示す第1の実施形態の冷蔵庫1Aの全体構成について説明する。ただし、冷蔵庫1Aは、以下に説明する構成の全てを有する必要はなく、いくつかの構成が適宜省略されてもよい。
【0009】
冷蔵庫1Aは、例えば、筐体10、一対の冷蔵室扉12、13(扉、回転扉)、および複数の扉11を備える。
筐体10は、例えば、内箱と、外箱と、断熱材と、を含む。
内箱は、例えば、合成樹脂製であり、複数箇所において前側から後側に向かって凹んだ形状を有している。内箱の各凹所は、複数の貯蔵室27を形成している。図1に示す例では、複数の貯蔵室27は、冷蔵室27A、野菜室27B、上冷凍室27C、下冷凍室27D、および製氷室27Eを含む。冷蔵室27A、野菜室27B、上冷凍室27C、および下冷凍室27Dは、上側から下側に向かってこの順に配置されている。製氷室27Eは、上冷凍室27Cの左横に位置する。
筐体10は、各貯蔵室27の前方側に、各貯蔵室27に対して食材の出し入れを可能にする開口を有する。
外箱は、筐体10の前方側を除く他の三方の外面部を形成する直方体状である。外箱は、例えば、金属または金属と樹脂との複合材料で形成される。
断熱材は、例えば発泡ウレタンのような発泡断熱材であり、内箱と外箱との間に充填されている。これにより、筐体10は断熱性を有する。
【0010】
筐体10において、内箱と、外箱と、の間には、筐体10とともに冷蔵庫本体5を形成する種々の部材が配置されている。冷蔵庫本体5を形成する部材としては、例えば、冷気を形成する冷却ユニット、冷気を各貯蔵室27と冷却ユニットとの間に循環させる流路を形成する流路形成部材、流路を通して冷気を各貯蔵室27に送る冷却ファン、および冷却ユニットと冷却ファンとの動作を制御する制御基板などが挙げられる。
【0011】
冷蔵室27Aの室内の温度は、野菜室27Bよりも低温かつ上冷凍室27Cおよび下冷凍室27Dよりも高温に維持される。冷蔵室27Aの内部には、例えば、室内を仕切る棚、チルド室容器などが配置されている。冷蔵室27Aの前面は、左右に開く冷蔵室扉12、13によって開閉可能に覆われている。
【0012】
冷蔵室扉12、13は、図1に示すように、冷蔵室27Aを開閉するために設けられた扉である。冷蔵室扉12は、閉止時に冷蔵室27Aの開口の左側を覆う。冷蔵室扉13は、閉止時に、冷蔵室27Aの開口の右側を覆う。冷蔵室扉12の+X方向における端部と、冷蔵室扉13の-X方向における端部とは、閉止時に横幅方向においてわずかに隙間を空けて互いに対向する。横幅方向における冷蔵室扉12、13の間の閉止時の隙間は、例えば、冷蔵室扉12に設けられた回転仕切板68によって閉止される。
冷蔵室扉12、13における横幅方向の幅寸法は、互いに等しくてもよいし、互いに異なっていてもよい。図1に示す例では、互いの幅寸法が異なっており、冷蔵室扉12の幅寸法が、冷蔵室扉13の幅寸法よりも小さい。
【0013】
冷蔵室扉12は、例えば、-X方向の上下端にそれぞれ設けられた一対のヒンジ32によって、筐体10の-X方向における端部に連結されている。冷蔵室扉12は、上下方向に延びる、ヒンジ32の回転軸線Oを中心として水平面内で回動可能である。
冷蔵室扉13は、例えば、+X方向の上下端にそれぞれ設けられた一対のヒンジ33によって、筐体10の+X方向における端部に連結されている。冷蔵室扉13は、上下方向に延びる、ヒンジ33の回転軸線Oを中心として水平面内で回動可能である。
このように、冷蔵室扉12、13は、左右両側に向かってそれぞれ回転して開く両開きの回転扉(左右両開きの回転扉)である。ユーザは、各冷蔵室扉12、13の下端側に設けられた各溝部8に手を掛けて前方に引くことにより、冷蔵室扉12、13を回転させながら左右に開くことができる。
図1に示す例では、冷蔵室扉12の+X方向における端部の回転半径rは、冷蔵室扉13の-X方向における端部の回転半径rよりも小さい。
左右両開きの回転扉は、例えば、観音開き式扉、フレンチ式扉(フレンチドア)など呼ばれることもある。
【0014】
複数の扉11は、野菜室27B、上冷凍室27C、下冷凍室27Dおよび製氷室27Eを開閉するために設けられた扉である。野菜室扉11B、上冷凍室扉11C、下冷凍室扉11Dおよび製氷室扉11Eは、野菜室27B、上冷凍室27C、下冷凍室27Dおよび製氷室27Eのそれぞれの前面を覆っている。
【0015】
野菜室27Bの室内の温度は、冷蔵室27Aよりも高温に維持される。野菜室27Bの内部には、例えば、野菜などの貯蔵物を収容する野菜室容器と、野菜室容器を奥行方向に移動するためのガイドレールと、が設けられている。
野菜室27Bの前面は、引き出し式の野菜室扉11Bによって開閉可能に覆われている。
【0016】
上冷凍室27C、下冷凍室27Dおよび製氷室27Eの室内の温度は、貯蔵物を冷凍可能な温度にそれぞれ維持される。上冷凍室27C、下冷凍室27Dおよび製氷室27Eの内部には、例えば、小冷凍室、冷凍貯蔵する貯蔵物を収容する冷凍室容器、および冷凍室容器を奥行方向に移動するためのガイドレール、などが設けられている。
上冷凍室27C、下冷凍室27Dおよび製氷室27Eの前面は、引き出し式の上冷凍室扉11C、下冷凍室扉11Dおよび製氷室扉11Eによって開閉可能に覆われている。
【0017】
上述した各貯蔵室27および各扉11の構成は、一例であり、上述の例には限定されない。例えば、冷蔵室27A以外の貯蔵室27の扉11が回転扉であってもよく、両開きの回転扉であってよい。
【0018】
図1に冷蔵室扉12、13の開放時の状態を示すように、冷蔵室扉12、13の各内側には、それぞれ複数の扉容器が配置されている。
例えば、冷蔵室扉12の内側には、-Z方向において、扉容器56B、56A、および下段扉容器56Cがこの順に配置されている。例えば、冷蔵室扉13の内側には、-Z方向において、扉容器54B、54A、および下段扉容器54Cがこの順に配置されている。ただし、本実施形態における各冷蔵室扉12、13における扉容器の個数は、これには限定されない。例えば、冷蔵室扉12、13には、それぞれ1個の扉容器が配置されてもよいし、4個以上の扉容器が配置されてもよい。
【0019】
下段扉容器56Cの上方に配置された扉容器56A、56Bは、冷蔵室扉12において+Y方向の内面を形成する内面部に対して上下方向に移動可能、かつ着脱可能に取り付けられている。扉容器56A、56Bは、上下方向における移動範囲内の複数箇所で、上下方向の位置が固定可能である。
ここで、扉容器56A、56Bの上下方向の移動ピッチおよび移動範囲は、特に限定されない。
下段扉容器56Cは、冷蔵室扉12の内面部に対して取り外し可能に取り付けられていてもよいし、内面部に固定されていてもよい。
【0020】
下段扉容器54Cの上方に配置された扉容器54A、54Bは、冷蔵室扉13において+Y方向の内面を形成する内面部に対して上下方向に移動可能、かつ着脱可能に取り付けられている。扉容器54A、54Bは、上下方向における移動範囲内の複数箇所で、上下方向の位置が固定可能である。
ここで、扉容器54A、54Bの上下方向の移動ピッチおよび移動範囲は、特に限定されない。
下段扉容器54Cは、冷蔵室扉13の内面部に対して取り外し可能に取り付けられていてもよいし、内面部に固定されていてもよい。
【0021】
次に、冷蔵室扉12、13の詳細構成について説明する。ただし、冷蔵室扉12、13は、配置位置および横幅寸法が異なる以外の基本的な構造は同様なので、以下、冷蔵室扉12の例を中心として説明する。
図2は、第1の実施形態における冷蔵室扉12を示す斜視図である。
図2に示すように、冷蔵室扉12は、例えば、外郭部材50Aと、ガスケット55Aと、回転仕切板68と、を備えている。
【0022】
外郭部材50Aは、箱状に形成されている。本明細書でいう「箱状」とは、扁平な箱状も含む。外郭部材50Aは、例えば、枠体51A、前面板52Aおよび後面部材53A(内面部)を有する。
【0023】
枠体51Aは-Y方向から見て矩形の枠である。枠体51Aは、上辺部材51a、下辺部材51b、側辺部材51c、51dを含む。冷蔵室扉12が閉じられた状態において、上辺部材51aは、横幅方向および奥行方向に沿う板状であり、冷蔵室扉12の上面を形成している。下辺部材51bは、横幅方向および奥行方向に沿う板状であり、冷蔵室扉12の下面を形成している。側辺部材51c、51dは、上下方向および奥行方向に沿う板状である。側辺部材51cは+X方向の側面を形成している。側辺部材51dは、-X方向の側面を形成している。
枠体51Aは、例えば合成樹脂製である。
下辺部材51bには、+Z方向に凹む溝部8が形成されている。溝部8は、下辺部材51bの+X方向における端部に形成されている。溝部8は、冷蔵室扉12を開くときにユーザが手を掛けることができる。
【0024】
前面板52Aは、枠体51Aの-Y方向の開口を閉塞するように取り付けられ、冷蔵室扉12の前端部にそれぞれ位置する。前面板52Aは、枠体51Aに沿う矩形状の板部材であり、冷蔵室扉12の前面を形成している。前面板52Aは、例えば、ガラス板である。ただし、前面板52Aは、ガラス板に限定されず、合成樹脂や他の素材で形成されてもよい。前面板52Aは平板でもよいし、湾曲板でもよい。以下では、前面板52Aが平板の例で説明する。
【0025】
後面部材53Aは、前面板52Aとは反対側から枠体51Aに取り付けられ、冷蔵室扉12の後端部に位置する。-Y方向から見た後面部材53Aの外形は、枠体51Aに沿う矩形である。後面部材53Aは、例えば合成樹脂製である。
後面部材53Aは、+Y方向に向く平面状の内面53aと、内面53aの外周縁から+Y方向に突出したリブ61と、を有する。
【0026】
リブ61は、冷蔵室扉12が冷蔵室27Aの開口を閉じた状態(閉止時)で、枠体51Aおよび内面53aよりも冷蔵室27Aに向かう+Y方向に突出している。後面部材53Aと前面板52Aとの間と、リブ61における凸形状の内側と、には、発泡断熱材が充填されている。
リブ61は、主として、冷蔵室27A内の冷気が冷蔵室扉12と筐体10との間の隙間から逃げることを抑制するために設けられている。
なお、本明細書において「リブ」とは、説明の便宜上の名称であり、後面部材53Aから後方に突出した部分を広く意味し、特定の形状や作用のものに限定されない。
【0027】
ガスケット55Aは、冷蔵室扉12の閉止時に冷蔵室27A内の冷気が冷蔵室扉12と筐体10との間から外部に漏れないように、冷蔵室27Aを封止するために設けられている。
ガスケット55Aは、枠体51Aの外周を取り囲む環状をなして後面部材53Aに取り付けられている。ガスケット55Aの取り付け方は特に限定されない。例えば、ガスケット55Aは、ガスケット55Aに設けられた取付用の凸部と、後面部材53Aに設けられた取付用の凹部との凹凸嵌合によって取り付けられてもよい。
【0028】
回転仕切板68は、冷蔵室扉12における側辺部材51cに隣接するガスケット55Aの+Y方向において、ガスケット55Aに沿って上下方向に延びている。回転仕切板68の上下端は、図示略の回転支持部材を介して水平面内回動可能に後面部材53Aと連結されている。
回転仕切板68は、図2に示す冷蔵室扉12の開放時には、側辺部材51cの近くのリブ61に向かって回動しており、-Y方向から見ると、側辺部材51cよりも-X方向に位置している。
回転仕切板68は、冷蔵室扉12が閉じられる際には、-Z方向から見て時計回りに回動して側辺部材51cよりも+X方向に突出する。これにより、ガスケット55Aと、冷蔵室扉13の後述するガスケット55Bと、が密着できる平板部を形成する。
【0029】
ここで、後面部材53Aの詳細構成について説明する。
図3は、冷蔵室扉12の後面部材53Aを示す斜視図である。
図3に示すように、リブ61は、上辺部材51aに沿って横幅方向に延びたリブ61F、下辺部材51bに沿って横幅方向に延びたリブ61G、側辺部材51cに沿って上下方向に延びたリブ61C、および側辺部材51dに沿って上下方向に延びたリブ61Dを有する。リブ61F、61Gの横幅方向の長さは互いに等しい。リブ61C、61Dの上下方向の長さは互いに等しい。
【0030】
リブ61C、61D、61Gは、リブ61Fよりも+Y方向に突出している。リブ61Fの突出量は、扉容器56A、56Bの+Z方向に移動した時に、扉容器56A、56Bの抜け止めが可能な大きさである。
【0031】
リブ61Cは、-X方向を向く側面S1を有する。リブ61Dは、+X方向を向く側面S2を有する。各側面S1、S2は、内面53aに対して略垂直の平面である。各側面S1、S2は、横幅方向において互いに対向している。
【0032】
リブ61Cの側面S1には、段部53cと、レール部64と、係止突起65と、がそれぞれ設けられている。
段部53cは、側面S1から-X方向へ突出し、リブ61Fの下面61g(図2参照)から-Z方向に延びている。
【0033】
レール部64は、後述する扉容器56A、56Bを上下方向へ移動させる際に、奥行方向の位置を規制した状態で、扉容器56A、56Bを上下方向に案内する。
レール部64は、側面S1から-X方向へ突出し、+Y方向における段部53cの端面53cyとの間に隙間を空けて、端面53cyと平行に上下に延びている。
側面S1からのレール部64の突出高さは、段部53cの突出高さと異なっていてもよいし、同じでもよい。例えば、レール部64の突出高さは、段部53cの-X方向の端面である端面53cxの突出高さより低くてもよい。この場合、段部53cにおける端面53cxは、後述する扉容器56A、56Bの+X方向の側面に近づき、扉容器56A、56Bの横幅方向のガイド面として機能することができる。
【0034】
レール部64と端面53cyとの間には、上下方向に延びる凹溝g1が形成されている。
凹溝g1は、レール部64の上端部の近くの段部53cから膨出した凸部pによって幅が狭くなっている以外は、一定の溝幅を有する。凸部pは、リブ61Cの内部に部品配置用の空間が確保できる場合には削除されてもよい。
【0035】
レール部64の上端は、リブ61Cの上端よりも低い位置に形成されている。このため、-Y方向から見ると、レール部64の上端とリブ61Fとの間には、隙間G1が形成されている。
レール部64の下端と、段部53cの下端とは、上下方向において同じ位置に形成されている。レール部64の下端と、段部53cの下端との間には、凹溝g1の内側に突出する下降位置規制部53dが設けられている。下降位置規制部53dは、扉容器56Bの下降位置を規制するために設けられている。
下降位置規制部53dの形状は、扉容器56Bの下降位置を規制できれば特に限定されない。図3に示す例では、下降位置規制部53dは、レール部64の下端と段部53cの端面53cyとを繋ぐ板であり、凹溝g1を下方から閉止している。
下降位置規制部53dの上下方向の配置位置は、扉容器56Bの最下降位置に応じた適宜位置である。
下降位置規制部53dの下面と側面S1との間には、上方から作用する外力に対して下降位置規制部53dを補強するための補強リブ64fbが設けられている。
【0036】
レール部64は、+Z方向において、第1レール部64aと、第2レール部64bと、をこの順に有する。
第1レール部64aは、後述する扉容器56A、56Bの上下方向の移動をガイドするとともに、扉容器56A、56Bの上下方向の移動位置を多段階に規制する。
第1レール部64aは、第1ガイド64c、第2ガイド64d、複数の係止板64e、上端板64g、下端板64k、および複数の傾斜リブ64faを有する。
【0037】
第1ガイド64cは、レール部64における-Y方向の側面を形成する。第1ガイド64cは、側面S1から-X方向に突出し、上下方向に延びる平板である。第1ガイド64cは、第2レール部64bまで延びている。
第2ガイド64dは、レール部64における+Y方向の側面を形成する。第2ガイド64dは、側面S1から-X方向に突出し、上下方向に延びる平板である。第2ガイド64dは、第1ガイド64cに平行である。第2ガイド64dは、第1ガイド64cと同様、第2レール部64bまで延びている。
第1ガイド64cおよび第2ガイド64dの-X方向の先端は、奥行方向に直交する同一平面上に位置している。
【0038】
複数の係止板64eは、第1ガイド64cと第2ガイド64dとの間で、奥行方向に延び、側面S1から-X方向に突出する。複数の係止板64eは、第1ガイド64cおよび第2ガイド64dの下端から第1レール部64aの上端まで、上下方向に互いに離間して設けられている。各係止板64eの上下方向におけるピッチは、一定でなくてもよいが、図3に示す例では一定である。ピッチの大きさは特に限定されず、例えば、10mm以上70mm以下でもよく、10mm以上22mm以下であることがより好ましい。
図3に示す例では、複数の係止板64eは、17個配置されている。
各係止板64eの突出方向の先端は、各係止板64eの幅方向両側に位置する第1ガイド64cおよび第2ガイド64dの先端と同一平面上に位置している。
【0039】
上端板64gは、第1ガイド64cと第2ガイド64dとの間で、奥行方向に延び、側面S1から垂直に突出する板である。上端板64gは、複数の係止板64eよりも上方に位置し、各係止板64e同士のピッチと略等しいピッチで、最上位の係止板64eから上方へ離れている。
【0040】
下端板64kは、第1ガイド64cと第2ガイド64dとの間で、奥行方向に延び、側面S1から垂直に突出する板である。下端板64kは、最下位の係止板64eよりも下方に位置し、各係止板64e同士のピッチよりも広い間隔で最下位の係止板64eから下方へ離れている。
【0041】
複数の傾斜リブ64faは、下端板64kを除く各係止板64eの下面側と、上端板64gの下面側に設けられている。傾斜リブ64faは、各係止板64eの下面および上端板64gの下面にそれぞれ一対ずつ設けられており、互いに奥行方向に間隔をあけて配置されている。さらに、各傾斜リブ64faは、第1ガイド64cおよび第2ガイド64dに対しても、奥行方向に間隔をあけて配置されている。
各傾斜リブ64faの-Y方向から見た形状は、各係止板64eおよび上端板64gの-X方向の各先端から-Z方向に進むにつれて側面S1に向かって傾斜する三角形である。
【0042】
このような構成により、第1レール部64aの内側には、下側から上側に向かって、複数の凸部がほぼ等しい間隔で上下方向に並んでいる。複数の凸部は、傾斜リブ64faの-X方向の先端で形成されるによる傾斜部64jと、係止板64eの先端面と、係止板64eの上面で形成され水平方向に延びる係止面64iと、によって形成されている。側面S1からX方向に突出する各凸部の間には、相対的な凹部が形成されている。このため、第1レール部64aの内側には、傾斜部64jが下側を向いた鋸歯状の凹凸構造が形成されている。
このようなレール部64の凹凸構造における各係止面64iには、後述する係止部70が上方から係止する。
複数の傾斜リブ64faの下端の傾斜部64jは、後述する係止部70が係止面64iから上側に移動するにつれて係止部70を扉容器56Aに向かって押圧可能に傾斜している。
【0043】
第2レール部64bは、第1レール部64aにおける第1ガイド64cおよび第2ガイド64dの各上端部と、各上端部の間で上下方向に延びる中間リブ64hと、を有する。
中間リブ64hは、第1ガイド64cおよび第2ガイド64dと平行な平板である。中間リブ64hの上下方向の長さは、上端板64gから第1ガイド64cおよび第2ガイド64dの上端までの長さに等しい。中間リブ64hの下端は、上端板64gの上面に接続されている。中間リブ64hの-X方向における突出高さは、第1ガイド64cおよび第2ガイド64dの突出高さに等しい。
【0044】
係止突起65は、下段扉容器56Cを固定あるいは着脱可能に係止するために設けられている。係止突起65の形状は、下段扉容器56Cを着脱可能に係止できれば特に限定されない。
図3に示す例では、+X方向から見た係止突起65の形状は、上下方向に長い略矩形である。係止突起65は、奥行方向においてレール部64と同程度の幅を有し、レール部64の下方に配置されている。レール部64の下端と係止突起65の上端との間には、隙間G2が形成されている。
【0045】
リブ61Dの側面S2には、段部53cと、レール部64と、係止突起65と、がそれぞれ設けられている。側面S2における段部53c、レール部64、および係止突起65は、側面S2において+X方向に突出している以外は、側面S1における段部53c、レール部64、および係止突起65と同様の形状を有する。このため、側面S1、S2における各段部53c、各レール部64、および各係止突起65は、上述した細部形状を含めて、リブ61C、61D間の距離を二等分するYZ平面に平行な平面に関して面対称である。ただし、本実施形態では、側面S2における段部53cには、凸部pが形成されていないので、側面S2における凹溝g1の溝幅は上下方向において一定である。
【0046】
図1に示すように、冷蔵室扉13は、冷蔵室扉12における外郭部材50A、ガスケット55Aに代えて、外郭部材50B、ガスケット55Bを備える。
外郭部材50Bは、枠体51A、前面板52A、および後面部材53Aに代えて、枠体51B、前面板52B、および後面部材53B(内面部)を有する。
枠体51Bは、横幅寸法が異なり、回転仕切板を有していない点と、ヒンジ32に代えてヒンジ33が+X方向における端部に連結されている以外は、枠体51Aと同様である。
前面板52Bおよび後面部材53Bは、横幅寸法が異なる以外は、それぞれ前面板52Aおよび後面部材53Aと同様である。
【0047】
次に、扉容器56A、56Bについて説明する。扉容器56A、56Bは、後面部材53Aに係止できれば、互いに同じ形状であってもよいし、互いに異なる形状であってもよい。図1、2に示す例では、扉容器56A、56Bの形状は互いに同じである。
以下では、扉容器56Aの例を中心として説明する。
図4は、第1の実施形態における扉容器を示す斜視図である。図5は、第1の実施形態における扉容器の昇降台を示す平面図である。図6は、第1の実施形態における扉容器を示す斜視の分解図である。図7は、第1の実施形態における昇降台本体の斜視図である。
【0048】
図4に示すように、扉容器56Aは、昇降台67と、容器本体57と、を有する。
昇降台67は、台部67a(底面部)と,上壁部67bと、を有する。
台部67aは、水平に延びる平板形であり、後述する容器本体57を下方から支持する。
図5に示すように、台部67aの平面視(-Z方向視)の外形は、縁Eb、Ec、Ef、EeL、EdL、Ek、Em、EeR、EdRで囲まれた矩形に近い凹多角形型である。
縁Eb、Ecは、+Y方向、-Y方向におけるそれぞれの縁であり、いずれも横幅方向に延びている。縁Ecは、横幅方向に延びる直線である。縁Ebも同様な直線であることがより好ましいが、直線に近い形状であれば厳密な直線である必要はない。例えば、縁Ebは、横幅方向に延びる直線から+Y方向に向かってわずかに凸の湾曲を有する弓形などであってもよい。以下では、簡単のため、縁Ebは、横幅方向に延びる直線の例で説明する。
縁Ebの-X方向における端部は、全体として-Y方向に延びる縁Efの+Y方向における端部と、円弧A1を挟んで接続している。ただし、より詳細な縁Efの形状は、-Y方向に進むにつれてわずかに-X方向に傾斜している。
縁Ebの+X方向における端部は、-Y方向に進むにつれて+X方向に進む凸円弧状の縁Ekと、円弧A2を挟んで滑らかに接続している。
縁Ekの-Y方向における端部は、全体として-Y方向に延びる縁Emの+Y方向における端部と円弧A3を挟んで滑らかに接続している。ただし、より詳細な縁Emの形状は、-Y方向に進むにつれてわずかに+X方向に傾斜している。
縁Ecの-X方向における端部は、+Y方向に延びる縁EdLの-Y方向における端部と滑らかに接続している。縁Ecの+X方向における端部は、+Y方向に延びる縁EdRの-Y方向における端部と滑らかに接続している。
縁EdLの+Y方向における端部には、-X方向に延びて縁Efの-Y方向における端部に接続する縁EeLが接続している。
縁EdRの+Y方向における端部には、+X方向に延びて縁Emの-Y方向における端部に接続する縁EeRが接続している。
以下では、縁Eb、円弧A1、縁Ef、EeL、EdL、Ec、EdR、EeR、Em、円弧A3、縁Ek、および円弧A2からなる全体を周縁形状Eと称する場合がある。
【0049】
平面視外形が周縁形状Eである台部67aの横幅寸法は、縁EdR、EdLの間で最も狭く、縁Em、Efの間で最も広い。縁EdR、EdLの+Y方向における端部には、それぞれ縁EeR、EeLによって外方に突出する段が形成されている。
台部67aの平面視の外形は、縁EdR、EdLに挟まれた略矩形の狭幅部67dと、狭幅部67dよりも横幅の広い仮想矩形RAに内接する広幅部67cと、が+Y方向においてこの順に並んでいる。
広幅部67cの+X方向における端部は、縁Em、円弧A3、縁Ek、および円弧A2によって、+Y方向に進むにつれて-X方向に漸次湾曲する湾曲部が形成されている。これにより、広幅部67cの+Y方向および+X方向における角は、仮想矩形RAの角が丸められて形成されたような湾曲形状を有する。
これに対して、広幅部67cの-X方向かつ+Y方向における端部には、略直角をなす縁Eb、Efの間に、円弧A2よりも小径の円弧A1によってわずかに丸みが形成された角部が形成されている。
【0050】
上壁部67bは、台部67aの縁EeR、EdR、Ec、EdL、およびEeLに沿って+Z方向にそれぞれ延びている。このため、上壁部67bの平面視形状は、+Y方向に開口するU字型である。
図4に示すように、上壁部67bの内側には、台部67a上に配置された後述する容器本体57の-Y方向における端部が収容される。
【0051】
図6に示すように、昇降台67は、昇降台本体58と、下カバー60とを有し、昇降台本体58と下カバー60との間に係止部70および操作部材59が配置されている。
昇降台本体58は、台部67aの上面および外周面を形成する筐体部58Aと、上壁部67bと、を有する。
【0052】
図7に示すように、筐体部58Aは、-Z方向に開口する箱形である。
筐体部58Aは、上面部58a、第3後壁部58b(正面部)、前壁部58cb、第1側壁部58dLb(第1側面部)、第2側壁部58dRb(第2側面部)、第3側壁部58f(第3側面部)、第4壁部58eLb(第1段部)、第5壁部58eRb(第2段部)、第4側壁部58m(湾曲側面部)、および第5側壁部58k(湾曲側面部)を有する。
【0053】
上面部58aは、台部67aの上面を形成する平板である。上面部58aの平面視形状は、周縁形状Eである。
【0054】
第3後壁部58b、前壁部58cb、第1側壁部58dLb、第2側壁部58dRb、第3側壁部58f、第4壁部58eLb、第5壁部58eRb、第4側壁部58m、および第5側壁部58kは、それぞれ、縁Eb、Ec、EdL、EdR、Ef、EeL、EeR、Em、Ekに沿って、上面部58aの周縁から同一距離だけ-Z方向に延びる壁体である。
第3後壁部58bの-X方向における端部である第1端部e1は、円弧A1に沿う形状に湾曲し、第3側壁部58fの+Y方向における端部と滑らかに接続している。
第3後壁部58bの+X方向における端部である第2端部e2は、円弧A2に沿う形状に湾曲し、第5側壁部58kの+Y方向における端部と滑らかに接続している。
第5側壁部58kの-Y方向における端部は、円弧A3に沿う形状に湾曲し、第4側壁部58mの+Y方向における端部と滑らかに接続している。
【0055】
上面部58aの-Z方向の表面には、後述する操作部材59の奥行方向の移動をガイドする複数のガイド部58qが形成されている。
複数のガイド部58qのそれぞれは、-Z方向において第1側壁部58dLbおよび第2側壁部58dRbよりも低い高さで突出し、横幅方向に凹溝が形成されるように、奥行方向に延びた、一対の壁体からなる。
図7に示す例では、上面部58aにおける横幅方向の中央部において、狭幅部67dと広幅部67cとに跨がる領域に、複数のガイド部58qとして、ガイド部58q1、58q2、58q3、58q4が設けられている。ガイド部58q1、58q2、58q3、58q4は、+X方向においてこの順に間をあけて配置されている。
ガイド部58q1、58q2と、ガイド部58q3、58q4と、は、平面視において狭幅部67dを横幅方向に二等分する中心軸線Odに関して線対称となる位置に配置されている。
【0056】
ガイド部58q1、58q2の+Y方向における端部の間と、ガイド部58q3、58q4の+Y方向における端部の間と、には、それぞれ、後述する付勢部材77を係止する係止部58pが-Z方向に突出している。
ガイド部58q1の-Y方向における端部と第1側壁部58dLbとの間と、ガイド部58q4の-Y方向における端部と第2側壁部58dRbとの間と、には、それぞれ後述する係止部70の横幅方向における移動を案内するガイド部58tが設けられている。
第1側壁部58dLbには、+X方向から見てガイド部58tの中心に臨む位置に、係止部70が進退するガイド孔部58uが、+X方向に貫通している。
第2側壁部58dRbには、-X方向から見てガイド部58tの中心に臨む位置に、係止部70が進退するガイド孔部58uが、-X方向に貫通している。
【0057】
上面部58aには、中心にネジ固定穴が形成された複数のネジ固定部58rが-Z方向に突出している。
図7に示す例では、ガイド部58q2、58q3の+Y方向における端部同士の間の中心軸線Od上と、各ガイド部58tと前壁部58cbとの間と、にそれぞれ1つずつ、合計3つのネジ固定部58rが設けられている。
各ガイド部58tの近くに配置された各ネジ固定部58rは、-Y方向から見てガイド部58q1、58q4よりも外側に位置し、中心軸線Odに関して線対称となる位置関係にある。
【0058】
ガイド部58q2、58q3の間のネジ固定部58rよりも+Y方向における上面部58a上には、緩衝材固定板58vが-Z方向に突出している。
緩衝材固定板58vは、後述する緩衝材78を+Z方向に挿入する挿入溝58v1を有する。
【0059】
次に、上壁部67bの詳細構成を説明する。
図5に示すように、上壁部67bは、前壁部58c、第1側壁部58dL、第2側壁部58dR、第1後壁部58eL、および第2後壁部58eR、を有する。
前壁部58c、第1側壁部58dL、第2側壁部58dR、第1後壁部58eL、および第2後壁部58eRは、それぞれ、台部67aの前壁部58cb、第1側壁部58dLb、第2側壁部58dRb、第4壁部58eLb、および第5壁部58eRbの+Z方向の各端部から、同様の形状で+Z方向に同一高さまで延びた壁体である。
【0060】
図8は、図6におけるF8視の側面図である。
図8に示すように、第1側壁部58dL、58dLbには、係止突起58Fと、ガイド突起58CLと、が、-X方向に突出している。
係止突起58Fは、レール部64の+Y方向の表面に-Y方向から係止可能な突起である。係止突起58Fは、第1後壁部58eLおよび第4壁部58eLbと、ガイド孔部58uと、の間に配置されている。
ガイド突起58CLは、ガイド孔部58uを間に挟んで、係止突起58Fと向かい合う位置に配置されている。奥行方向における係止突起58Fとガイド突起58CLとの間の間隔は、リブ61Dの側面S2に形成されたレール部64の奥行方向の両端部を挟んだ状態でレール部64に沿って上下方向に移動できる大きさである。
ガイド突起58CLは、第1側壁部58dL、58dLbの全体にわたって上下方向にのびている。ガイド突起58CLの奥行方向は、リブ61Dの凹溝g1(図3参照)において上下方向の全体にわたって移動可能に挿入できる幅である。
係止突起58Fにおける-Y方向の表面と、ガイド突起58CLにおける+Y方向の表面には、レール部64との接触面積を低減するために、それぞれ複数のネジ固定部58rと複数の突起部58sが設けられている。
【0061】
ガイド突起58CLの+Z方向における端部には、第1側壁部58dLの上端よりも高い位置に、XY平面に平行に延びる平板部58ELが形成されている。
ガイド突起58CLの-Z方向における端部には、第1側壁部58dLbの下端から-Z方向に長さh1だけ突出する係止突起58DLが延びている。
長さh1は、扉容器56Aを上下方向に移動する際に台部67aの下にユーザの手が挿入できる程度の大きさである。
係止突起58DLの横幅方向および奥行方向の大きさは、凹溝g1の内側に収容可能な大きさである。
係止突起58DLの下端から平板部58ELの上面までの距離h2は、上下方向における隙間G1の大きさよりも小さい。昇降台本体58は、リブ61Dにおける隙間G1を通過可能である。
【0062】
第1側壁部58dLの上端には、後述する容器本体57を奥行方向に位置決めする凹溝58jが形成されている。+X方向から見た凹溝58jの形状は、例えば、+Z方向に開口するU字形である。
+X方向から見た凹溝58jの位置は特に限定されないが、図8に示す例では、第1後壁部58eLとガイド突起58CLとの間である。
【0063】
図9は、図6におけるF9視の側面図である。
図9に示すように、第2側壁部58dR、58dRbは、YZ平面に平行な対称面に関して面対称な位置および形状に形成されている以外は、第1側壁部58dL、58dLbと同様の、係止突起58F、凹溝58j、ガイド孔部58uを有する。
第2側壁部58dR、58dRbは、第1側壁部58dL、58dLbにおけるガイド突起58CL、平板部58EL、係止突起58DLに代えて、ガイド突起58CR、平板部58ER、係止突起58DRを有する。
ガイド突起58CR、平板部58ER、係止突起58DRは、第2側壁部58dR、58dRbから+X方向に突出していることと、奥行方向の幅および+X方向の高さが、リブ61Cの凹溝g1(図3参照)において上下方向の全体にわたって移動可能に挿入できる大きさであること以外は、ガイド突起58CL、平板部58EL、係止突起58DLと同じである。
本実施形態では、リブ61Cの凹溝g1の一部は凸部pによって溝断面が狭くなっているので、ガイド突起58CRは、凸部pと接触することなく上下移動できる断面形状を有する。具体的には、図5に示すように、ガイド突起58CRおよび平板部58ERの平面視形状は、-Y方向における端部の角部が面取りされた台形であり、奥行方向の幅がガイド突起58CL、平板部58ELよりも狭い。
係止突起58DRの平面視形状は、ガイド突起58CR、平板部58ERの平面視形状と同様である。
図9に示すように、係止突起58DRの長さは、係止突起58DLの長さと同様のh1である。係止突起58DRの下端から平板部58ERの上面までの距離は、係止突起58DLの下端から平板部58ELの上面までの距離と同様のh2である。
【0064】
図6に示すように、下カバー60は、昇降台本体58の内部に操作部材59を収容した状態で、昇降台本体58を下方から覆う。
下カバー60は、底板部60aと、底板部60aの外縁から+Z方向に延びる側板部60bL、60bR、60cと、を有する。
【0065】
底板部60aは、昇降台本体58の上面部58aと略同様の外形を有する平板である。ただし、底板部60aにおける+Y方向における端部には、平面視矩形状の切欠き部60eが形成されている。
底板部60aには、平面視において昇降台本体58における各ネジ固定部58r(図7参照)と対向する位置に、ネジ76を挿通させるネジ孔部60dが貫通している。
【0066】
側板部60bL、60bRは、底板部60aの外周縁のわずかに内側から+Z方向に突出する壁体であり、切欠き部60eを挟んで底板部60aの横幅方向の両端部にそれぞれ設けられている。底板部60aからの側板部60bL、60bRの突出高さは、上面部58aからの第3後壁部58b等の突出高さ以下である。
図10は、図4におけるF12-F12線に沿う断面図である。
図10に示すように、側板部60bLは、切欠き部60eの-X方向における端部から-X方向のガイド部58tまでの間で、昇降台本体58の第3後壁部58b、第3側壁部58f、第4壁部58eLb、および第1側壁部58dLbの内側に沿って形成されている。
側板部60bRは、切欠き部60eの+X方向における端部から+X方向のガイド部58tまでの間で、昇降台本体58の第3後壁部58b、第5側壁部58k、第4側壁部58m、および第2側壁部58dRbの内側に沿って形成されている。
【0067】
側板部60cは、各ガイド部58tよりも-Y方向の底板部60aの外周縁のわずかに内側から+Z方向に突出する壁体である。側板部60cは、昇降台本体58の第1側壁部58dLb、前壁部58cb、および第2側壁部58dRbの内側に沿って形成されている。側板部60cの突出高さは、側板部60bL、60bRの突出高さと等しい。
【0068】
下カバー60は、下方から、昇降台本体58の下部の内側にはめ込まれた状態で、複数のネジ76によって、昇降台本体58に固定される。
【0069】
次に、操作部材59を説明する。
図6に示すように、操作部材59は、筐体部58Aと下カバー60との間において、奥行方向に移動可能に挟持される。
図11、12は、第1の実施形態における操作部材を示す斜視図である。図13は、図10におけるF13-F13線に沿う断面図である。
【0070】
図11に示すように、操作部材59は、操作部59Aと、作動部59Xと、を有する。
操作部59Aは、横幅方向に長い平面視矩形状である。操作部59Aの+Y方向における端部にはZX平面に沿う操作板59aが設けられている。操作部59Aの-Y方向における端部に操作板59aに平行な連結板59cが設けられている。
操作板59aおよび連結板59cにおける-X方向の各端部は、YZ平面に沿って奥行方向に延びる側板部59bLによって互いに連結されている。同様に、+X方向の各端部は、YZ平面に沿って奥行方向に延びる側板部59bRによって互いに連結されている。
【0071】
側板部59bL、59bRの間における操作板59aと連結板59cとの間には、-Z方向に開口する凹溝Vが形成されている。奥行方向における凹溝Vの溝幅は、ユーザの指先が挿入可能な大きさである。横幅方向における凹溝Vの溝幅は、ユーザの第2指から第5指がそれぞれ互いに隙間を空けて挿入可能な大きさである。以下では、簡単のため、第2指から第5指の少なくとも一指を、非第1指と称する場合がある。
凹溝Vは、操作板59aと連結板59cとの間の全体に形成されてもよいが、図11に示す例では、操作板59aの-Y方向の表面から、操作板59aと連結板59cとの間の中間部までの間に形成されている。凹溝Vの-Y方向の内周面は、操作板59aに平行な平板部59fで形成されており、平板部59fにおける-Z方向における端部と、連結板59cの-Z方向における端部とは、XY平面に平行な平板部59dで連結されている。
図12に示すように、操作板59a、側板部59bL、59bR、および平板部59fにおける+Z方向の各端部には、XY平面に平行な平板部59eが設けられている。
平板部59fと連結板59cとの間の平板部59d上には、奥行方向に延びる複数の補強リブが設けられている。
平板部59eは、凹溝Vにおける+Z方向の溝底を形成している。操作板59aの近傍における凹溝Vの深さは、ユーザの非第1指が操作板59aに係止できれば特に限定されない。例えば、凹溝Vの深さは、ユーザの非第1指の指先から第1関節までの長さに相当する長さ以上でもよい。
【0072】
図13に示すように、平板部59dから連結板59cまでの上下方向の高さは、台部67aの組立時の上面部58aから底板部60aまでの隙間よりもわずかに狭い。
これに対して、操作板59aの-Z方向における端部は、平板部59dよりも-Z方向に突出している。このため、凹溝Vの横幅方向における端部を覆う部位の側板部59bL、59bRは、+Y方向に進むにつれて、平板部59dの-Z方向の表面から操作板59aの-Z方向の先端に向かって-Z方向に傾斜する傾斜部を有している。
平板部59dよりも-Z方向に突出した操作板59aおよび側板部59bL、59bRの部位は、下カバー60の切欠き部60eから-Z方向に突出している。
【0073】
操作部59Aは、ユーザが凹溝Vに挿入した指を操作板59aに掛けて奥行方向における操作板59aの位置を操作することによって、操作部材59を奥行方向に移動させるために用いられる。
操作部材59は、図10において実線で示された最も-Y方向に位置する第1位置から、二点鎖線で示されたように、操作板59aが第3後壁部58bに近接する最も+Y方向に位置する第2位置との間で奥行方向に移動可能である。
以下、組立状態の操作部材59を説明する場合、特に断らない限り、操作部材59が第1位置に配置されているとして説明する。
【0074】
操作部59Aは、第3後壁部58bにおいてZX平面に平行な部分(以下、第3後壁部58bの平板部と称する)と奥行方向において対向する位置に配置されている。例えば、図10に示す例では、操作部59Aは、第3後壁部58bの平板部の+X方向における端から-X方向における端の近傍までの範囲において、第3後壁部58bの平板部と対向している。
このため、平面視したとき横幅方向における操作部59Aの幅の中心を通り奥行方向に延びる中心軸線O59Aは、昇降台本体58における中心軸線Odよりも-X方向にずれている。
側板部59bRは、第3後壁部58bの平板部の+X方向における端と奥行方向において対向している。これにより、側板部59bRは、横幅方向において、第2側壁部58dRbよりも-X方向に位置している。
これに対して、側板部59bLの横幅方向の位置は、第1側壁部58dLbの横幅方向の位置と略同様である。
【0075】
このような配置によれば、操作部59Aの操作板59aは、奥行方向において第3後壁部58bの平板部のみと対向している。このため、操作板59aは、二点鎖線で示す第2位置においては、第3後壁部58bの内面との隙間がほとんどない位置まで近接可能できる。
これに対して、操作板59aが、第3後壁部58bにおいて第5側壁部58kに向かう円弧部または第5側壁部58kのような、+X方向に進むにつれて-Y方向に湾曲する湾曲側面部と対向していると、操作板59aの+X方向における端部が湾曲側面部の内周面に当たる。この結果、図10に示す例に比べて、操作部材59の第1位置から第2位置までの移動ストロークが小さくなる。
操作部材59の移動ストロークを大きくすることができると、後述する付勢部材77のバネ定数を低減できるので、ユーザの操作がより容易になる。
【0076】
第1位置における操作部59Aの配置は、特に限定されない。
図10に示す例では、操作部59Aの操作板59aの位置は、-X方向から見て、第5側壁部58kと重なる位置である。
操作部59Aの連結板59cの位置は、-X方向から見て、第4側壁部58mと重なる位置である。より詳細には、連結板59cの位置は、-X方向から見て、第5側壁部58kと第4側壁部58mとの接続部よりもわずかに-Y方向寄りである。連結板59cの位置は、-X方向から見て、第3側壁部58fの略中心に対向する位置でもある。
【0077】
図11、12に示すように、作動部59Xは、操作部材59において、操作部59Aを除く構造物である。作動部59Xは、操作部59Aよりも-Y方向に延び、平板部59dから平板部59eまでの厚さの範囲に形成され、平面視形状は、全体として略矩形である。
図10に示すように、作動部59Xは、中心軸線Odを通るYZ平面に平行な平面Sに関して互いに面対称な形状を有する。
作動部59Xは、伝達部材59B、補強部材59D、および駆動部材59Cを有する。
【0078】
伝達部材59Bは、操作部59Aの連結板59cから-Y方向に延びる板状部材であり、横幅方向に対向して一対設けられている。各伝達部材59Bは、平面Sに関して面対称なので、-X方向の伝達部材59Bと第1側壁部58dLbの距離と、+X方向の伝達部材59Bと第2側壁部58dRbとの距離と、は互いに等しい。
これに対して、-X方向の伝達部材59Bと側板部59bLとの距離は、+X方向の伝達部材59Bと側板部59bRとの距離よりも大きい。
【0079】
図11に示すように、補強部材59Dは、連結部材59iと、補強リブ59i1、59i2、59i3と、を有する。
連結部材59iは、各伝達部材59Bの-Y方向における端部を横幅方向に連結する。
連結部材59iの形状は、伝達部材59Bの-Y方向における端部の間の横幅方向の距離を一定に保つことができる剛性が得られれば特に限定されない。図11、12に示す例では、XY平面に平行な平板している。連結部材59iの平面視形状は、横幅方向に長い矩形である。
【0080】
補強リブ59i1、59i2、59i3の形状および個数は、連結部材59iを補強でできれば特に限定されない。
図11に示す例では、補強リブ59i1、59i2、59i3は、いずれも連結部材59iの-Z方向における表面から-Z方向に突出している。
補強リブ59i1は、連結部材59iの-Y方向の端縁から-Z方向に延びる壁体である。
補強リブ59i2は、補強リブ59i1の+Y方向の表面から+Y方向に延びる。補強リブ59i2は、連結部材59iの横幅方向における中心を挟んで、対向する一対からなる。
補強リブ59i3は、連結部材59iの+Y方向の端縁から-Z方向および+Z方向に延びる壁体である。
補強リブ59i1、59i3の横幅方向における両端部は、それぞれ各伝達部材59Bに接続している。
補強部材59Dにおける連結部材59iおよび補強リブ59i1、59i3は、各伝達部材59Bの-Y方向における端部の横幅方向の距離を固定している。
【0081】
図12に示すように、-X方向の伝達部材59Bにはガイド突起59j1が、+X方向の伝達部材59Bにはガイド突起59j4が、それぞれ連結部材59iから+Z方向に突出している。ガイド突起59j1、59j4は、それぞれ、各伝達部材59Bの延在方向に延びている。
図10に示すように、ガイド突起59j1、59j4は、それぞれガイド部58q1、58q4に挿入され、ガイド部58q1、58q4の延在方向である奥行方向において進退可能である。
【0082】
図12に示すように、各伝達部材59Bの間には、連結板59cから補強部材59Dに向かって-Y方向に延びる格子部59hL、59hRが、+X方向においてこの順に設けられている。格子部59hL、59hRは、補強部材59Dと操作部59Aとを奥行方向に連結する。
格子部59hL、59hRは、平面Sに関して互いに面対称な形状を有する。
格子部59hLおよび連結部材59iの上には、ガイド突起59j1と平行なガイド突起59j2が+Z方向に突出している。格子部59hRおよび連結部材59iの上には、ガイド突起59j1と平行なガイド突起59j3が+Z方向に突出している。ガイド突起59j2、59j3は、それぞれ、各伝達部材59Bの延在方向に延びている。
図10に示すように、ガイド突起59j2、59j3は、それぞれガイド部58q2、58q3に挿入され、ガイド部58q2、58q3の延在方向である奥行方向において進退可能である。
【0083】
図12に示すように、-X方向における伝達部材59Bと格子部59hLとの間には、平面視矩形状の開口部T1Lが上下方向に貫通している。+X方向における伝達部材59Bと格子部59hRとの間には、平面視矩形状の開口部T1Rが上下方向に貫通している。
補強リブ59i3は、開口部T1L、T1Rにおける-Y方向の内周面を形成している。開口部T1L、T1Rの内側には、補強リブ59i3から+Y方向に突出する棒状突起59gがそれぞれ設けられている。
格子部59hR、59hLの間には、平面視矩形状の開口部T2が上下方向に貫通している。
【0084】
図10に示すように、操作部材59の開口部T1R、T1Lにおける+Y方向の内面の近傍には、各棒状突起59gと奥行方向に対向する位置にそれぞれ筐体部58Aの係止部58pが配置されている。
各棒状突起59gの外周部には、圧縮コイルバネからなる付勢部材77の-Y方向における端部がそれぞれ嵌め込まれている。
各付勢部材77の+Y方向における端部は、各付勢部材77が圧縮された状態で係止部59pに+Y方向から係止している。
これにより、補強リブ59i3を通して、操作部材59が、-Y方向に付勢されている。このため、操作部材59は、操作部59Aに外力が作用しない場合には、第1位置に移動している。
【0085】
開口部T2における+Y方向の内面の近傍には、筐体部58Aの緩衝材固定板58vが配置されている。緩衝材固定板58vの挿入溝58v1には、緩衝材78が嵌め込まれている。
緩衝材78は、第1位置に向かって移動する操作部59Aが複数のガイド部58q、係止部58pなどの上面部58aからの突出物と衝突しない状態で、連結板59cと当接できる位置に配置されている。
緩衝材78としては、防振性を有するゴム、エラストマーなどが用いられる。このため、操作部59Aが第1位置に移動する際に、緩衝材78と衝突すると、操作部59Aの運動エネルギーが消散される。これにより、例えば、操作部59Aからの衝撃力、衝撃音などが抑制される。
【0086】
駆動部材59Cは、各伝達部材59Bの-Y方向における端部にそれぞれ設けられている。
各駆動部材59Cは、各伝達部材59Bとともに奥行方向に進退することによって、後述する一対の係止部70を横幅方向に移動させる。各駆動部材59Cは、各伝達部材59Bの側面59kの外側に突出している。横幅方向における各側面59kの間隔は、各駆動部材59Cの配置位置の間隔に等しい。以下では、横幅方向における各駆動部材59Cの配置位置の間隔を配置距離と称する。
-Z方向から見た各駆動部材59Cの形状は、駆動部材59Cが奥行方向に進退することに対応して、係止部70をそれぞれ横幅方向に移動できれば特に限定されない。
図10に示す例では、各駆動部材59Cの突形状は、-Z方向から見て、ガイド部58tの方に頂部59mを向けた二等辺三角形である。各駆動部材59Cの頂部mには凸円弧状の湾曲面が形成されている。ただし、各駆動部材59Cは、例えば、側面59k上の各底角が鋭角の不等辺三角形でもよいし、半円形でもよい。
操作部材59の第1位置において、各頂部59mは、横幅方向においてガイド部58tの中心と対向している。
【0087】
このような構成により、補強部材59Dは、横幅方向から見て一対の駆動部材59Cの間に配置され、一対の駆動部材59Cの間の横幅方向における距離を固定している。
【0088】
操作部材59は、操作部59A、伝達部材59B、駆動部材59C、および補強部材59Dの少なくとも1つが分離可能な組立体で形成されてもよいし、操作部59A、伝達部材59B、駆動部材59C、および補強部材59Dが一体に形成されてもよい。
操作部材59の材料は、金属でもよいし、樹脂でもよく、金属および樹脂以外の材料でもよい。操作部材59は、複数の種類の材料の複合体で形成されてもよい。
操作部材59は、操作部59A、伝達部材59B、駆動部材59C、および補強部材59Dの一体成形された樹脂成形品を含むことがより好ましい。
【0089】
操作部材59の作動部59Xは、平面視にて、横幅方向における配置距離を二等分する中点を通り奥行方向に延びる中心軸線O59Cに関して、線対称に配置されている。作動部59Xの形状は、中心軸線O59Cを含むYZ平面に平行な平面に関して面対称である。
さらに、中心軸線O59Cは、中心軸線Odに一致しているので、作動部59Xは、台部67aの狭幅部67dの中心を通る平面Sに関しても、面対称である。
作動部59Xは、操作部材59の移動時に、上述した付勢部材77と、後述する係止部70とから平面Sに関して面対称な外力を受けるので、これらの外力にバランスよく抵抗することができる。
作動部59Xは、横幅方向における狭幅部67dの中心に配置されるので、平面Sに対して偏心する場合に比べて、台部67aの狭幅部67dにおいて作動部59Xの移動に使用されないデッドスペースが少なくなる。このため、狭幅部67d内の空間を有効利用できる。狭幅部67dの横幅方向の幅に占める作動部59Xの幅を相対的に広くできる。これにより、作動部59Xの剛性を向上することができる。
【0090】
これに対して、操作部59Aは、平面Sに対して非対称に配置されている。操作部59Aは、作動部59Xの-X方向の側面よりも-X方向に突出している。このため、横幅方向における操作部59Aの中心軸線O59A(第1中心軸線)は、中心軸線O59C(第2中心軸線)よりも-X方向に偏心している。すなわち、中心軸線O59Aは、中心軸線O59Cよりも、冷蔵室扉12の回転軸線Oに近い方に偏心している。
【0091】
このように操作部59Aを回転軸線Oに近い方に偏心して配置することにより、操作部59Aにおいて操作力を加えることができる横幅方向の幅(図10に示す例では側板部59bL、59bRの間の間隔、以下、操作可能幅と称する)が、駆動部材59Cの配置距離よりも広くなっている。
このように、操作部59Aを第3後壁部58bの平板部の長さの範囲で、-X方向に偏心させることにより、第3後壁部58bの平板部の長さの範囲で、操作可能幅を大きくすることができる。その際、操作部59Aの奥行方向の移動ストロークを大きく取ることができる。
操作可能幅が大きくなると、ユーザが操作時に指を掛ける際の選択の幅が広がるので、操作性が向上する。
【0092】
次に、係止部70について説明する。係止部70は、台部67aにおける横幅方向の両側部にそれぞれ配置され横幅方向に進退する。
図10に示すように、各係止部70の形状および配置位置は、平面Sに関して面対称である。以下、-X方向に配置された係止部70の例で説明する。
図14は、図10におけるF14-F14線に沿う断面図である。
【0093】
図14に示すように、係止部70は、第1ホルダ71、係止部材73、付勢部材74、および第2ホルダ75を有する。
【0094】
第1ホルダ71は、係止部材73を-X方向に進退可能に保持する。第1ホルダ71の-X方向に設けられた先端板71aには、係止部材73の-X方向における端部が挿通可能な開口が形成されている。
先端板71aと第1側壁部58dLbとの間には、第1ホルダ71を+X方向に付勢する付勢部材72が配置されている。例えば、付勢部材72として圧縮コイルバネが用いられてもよい。
【0095】
係止部材73は、-X方向に延びる本体部73aと、本体部73aの+X方向における端部に設けられ本体部73aから外側に突出する平板部73cと、を有する。
本体部73aの-X方向の先端には、水平面に平行な下面73fから+Z方向に進むにつれて+X方向に傾斜する傾斜面73bが形成されている。
平板部73cは、先端板71aの開口からの抜け止め機能を有する。平板部73cの+X方向の端面には、係止部材73を-X方向に付勢する付勢部材74の端部が係止している。例えば、付勢部材74として圧縮コイルバネが用いられてもよい。
係止部材73は、係止部材73の-X方向における端部は、ガイド孔部58uに進退可能に挿通されている。
【0096】
第2ホルダ75は、第1ホルダ71の+X方向における端部に固定され、係止部70における+X方向における端部を構成する。
図10に示すように、第2ホルダ75の+X方向における端部には、-Z方向から見て+X方向に凸の山形の突起部75aが形成されている。突起部75aの山形形状は、頂部75bが凸円弧に丸められた二等辺三角形である。ただし、突起部75aの形状はこれには限定されない。例えば、突起部75aは、駆動部材59Cの平面視形状と同様の種々の形状が可能である。
図14に示すように、第2ホルダ75の-X方向における端部は、第1ホルダ71の+X方向における端部に接続されている。第1ホルダ71と第2ホルダ75との内部には、付勢部材74が伸縮可能に収容されている。
【0097】
係止部70の動作について説明する。
図15は、第1の実施形態における係止部の動作説明図である。図16は、第1の実施形態における扉容器の動作説明図である。
図14に示す操作部材59の第1位置では、第2ホルダ75の頂部75bと、駆動部材59Cの頂部59mとが当接している。このとき、付勢部材72は、先端板71aと第1側壁部58dLbとの間で圧縮されている。
係止部材73は、付勢部材74に付勢されて-X方向に進出し、ガイド孔部58uよりも外方に突出している。
この状態では、係止部材73の-X方向の先端が付勢部材74の付勢力よりも大きな力で+X方向に押圧されると、係止部材73は+X方向に移動する。例えば、図15に示すように、係止部材73の先端は、ガイド孔部58uの内部に引っ込むまで移動できる。
【0098】
操作部材59がユーザによって第2位置に向けて移動されると、図16に示すように、各駆動部材59Cが+Y方向に移動する。付勢部材72に付勢されている第1ホルダ71および第2ホルダ75は、駆動部材59Cの移動に連動して筐体部58Aの内側に移動する。
操作部材59が第2位置に到達すると、突起部75aの頂部75bは伝達部材59Bの側面59kに当接する。各係止部材73は、第1ホルダ71および第2ホルダ75とともに横幅方向に移動し、ガイド孔部58uの内側に引っ込む。
ユーザが操作板59aから手を離すと、操作部材59は、付勢部材77の付勢力によって-Y方向に移動するので、操作部材59は第1位置に戻り、各係止部70の係止部材73は、ガイド孔部58uから突出した状態に戻る。
【0099】
次に、容器本体57を説明する。
図4に示すように、容器本体57は、昇降台67上に着脱可能に載置されている。載置時には、容器本体57は、昇降台67によって下方から支持されている。
図6に示すように、容器本体57は、底面部57aと、上壁部57uと、下壁部57sと、を有する。
【0100】
底面部57aおよび上壁部57uは、全体として上方に開口する箱形であり、上壁部57uに囲まれた底面部57a上に収容物が収容される。
底面部57aは、昇降台67の上面部58aに載置可能な板状である。底面部57aの平面視の形状は、昇降台67の上面部58aに上側から重なる矩形に近い凹多角形型である。
上壁部57uは、底面部57aの上面から一定の高さまで延びている。
【0101】
上壁部57uは、-Y方向において、第1後壁部57eL、第1側壁部57dL、前壁部57c、第2側壁部57dR、および第2後壁部57eRを有する。
第1後壁部57eL、第1側壁部57dL、前壁部57c、第2側壁部57dR、および第2後壁部57eRは、それぞれ、昇降台本体58の第1後壁部58eL、第1側壁部58dL、前壁部58c、第2側壁部58dR、および第2後壁部58eRの内側に沿って、底面部57aの上面から+Z方向に延びる壁体である。
【0102】
前壁部57cの上端には、-Y方向に延びる突縁部57hが形成されている。
突縁部57h上には、横幅方向に延びる突条57iが突出している。
第1側壁部57dLおよび第2側壁部57dRの上端には、横幅方向の外側に延びる突縁部57gL、57gRがそれぞれ形成されている。
【0103】
突縁部57gLにおいて奥行方向の中間部の下側には、第1側壁部57dLから外側に突出し、-Z方向に延びる係止突起57jが設けられている。係止突起57jは、昇降台67への装着時に、第1側壁部58dLの凹溝58jに上方から係止することで、容器本体57を奥行方向において位置決めする。
第1側壁部57dLからの係止突起57jの突出高さは、扉容器56Aを後面部材53に装着したときに、レール部64等のリブ61C、61Dからの突起物と接触しない高さであればよい。
第2側壁部57dRには、第1側壁部57dLと第2側壁部57dRとの間を二等分するYZ平面に平行な平面に関して面対称な位置および形状を有する係止突起57jが形成されている。
【0104】
底面部57aの下面から、突縁部57gL、57h、57gRの各下面までの上下方向の距離は、昇降台本体58の上面部58aの上面から第1後壁部58eL、第1側壁部58dL、前壁部58c、第2側壁部58dR、および第2後壁部58eRまでの高さに等しいか、わずかに大きい。これにより、図13に示すように、容器本体57を昇降台67上に装着した状態では底面部57aは上面部58aに載置される。
図13に示す突縁部57hおよび前壁部58cの上端の関係と同様、突縁部57gL、57gRは第1後壁部58eL、第1側壁部58dL、第2側壁部58dR、および第2後壁部58eRの上端に接するかまたはわずかの上方に位置する。
突条57iの上端から係止突起58DRの下端までの長さは、図13に示すように、h2よりも大きいh4である。突条57iの上端から係止突起58DLの下端までの長さも同様である。
【0105】
上壁部57uは、+Y方向において、第3側壁部57f、第3後壁部57b、第5側壁部57k、および第4側壁部57mを有する。
第3側壁部57f、第3後壁部57b、第5側壁部57k、および第4側壁部57mは、それぞれ、平面視において、昇降台本体58の第3側壁部58f、第3後壁部58b、第5側壁部58k、および第4側壁部58mにおける外周面に沿う底面部57aの周縁から+Z方向に延びる壁体である。
第3側壁部57fは、第1後壁部57eLの-X方向における端部と接続している。
第4側壁部57mは、第2後壁部57eRの+X方向における端部と接続している。
【0106】
下壁部57sは、上壁部57uの第3側壁部57f、第3後壁部57b、第5側壁部57k、および第4側壁部57mが、それぞれ-Z方向に延びて形成されている。このため、第3側壁部57f、第3後壁部57b、第5側壁部57k、および第4側壁部57mは、容器本体57の+Y方向の端部において、上下方向に延びる側面および前面の外形を形成する壁体である。
昇降台67に積載時における下壁部57sの下端の上下方向における位置は、第3側壁部58f、第3後壁部58b、第4側壁部58m、および第5側壁部58kの下端の位置と等しい。このため、下壁部57sは、第3側壁部58f、第3後壁部58b、第4側壁部58m、および第5側壁部58kを外側から覆っている。例えば、下壁部57sが不透明な材料で形成される場合、下壁部57sによって、第3側壁部58f、第3後壁部58b、第4側壁部58m、および第5側壁部58kが隠される。これにより、冷蔵室扉12の内面部の美観が向上する。
【0107】
本実施形態では、扉容器56Aにおいて、回転軸線Oから遠い+X方向および+Y方向における端部に、第3後壁部57bから第2後壁部57eRに向かって、第5側壁部57kおよび第4側壁部57mからなる湾曲した側面部が形成されている。
第5側壁部57kおよび第4側壁部57mからなる側面部は、回転軸線Oから相対的に遠くなる角部で、冷蔵室扉12の回転半径rに近似する曲率半径で湾曲していることがより好ましい。この場合、冷蔵室扉12の回動時に、容器本体57と冷蔵室扉13との干渉を防止し、かつ容器本体57の収容空間の容積を最大化することができる。
図10に示す例では、回転軸線Oから相対的に遠くなる角部は、第5側壁部57kで形成されているので、第5側壁部57kの曲率半径は、回転半径rに略等しい。
【0108】
次に、扉容器56Aの動作を説明する。
図10に実線で示すように、操作部材59にユーザからの操作力が加えられない状態では、操作部材59は、第1位置に位置する。この場合、各係止部70の第2ホルダ75は、それぞれ駆動部材59Cの頂部59mと当接するので、各係止部70全体が、横幅方向の外側に移動している。各係止部材73は、ガイド孔部58uから係止突起58Fとガイド突起58CRとの間と、係止突起58Fとガイド突起58CLとの間と、にそれぞれ突出している。
このとき、横幅方向から見て各駆動部材59Cの間には、各伝達部材59Bが介在した状態で補強部材59Dが配置されている。このため、各駆動部材59Cが各係止部70から横幅方向の内側に反力を受けても、補強部材59Dを有しない場合に比べると各伝達部材59BがXY平面内でたわみが抑制される。これにより、各駆動部材59Cの配置距離が一定に保たれ、各係止部70と当接する各頂部59mの位置が安定する。この結果、各ガイド孔部58uからの係止部材73の突出量が安定する。
【0109】
操作部材59が第1位置に配置された状態では、各係止部材73の先端に外力が作用して、各係止部材73が筐体部58Aの内側に向かって押し込まれると、付勢部材74が圧縮されて各係止部材73がガイド孔部58uの内側に引っ込む。
外力が解除されると、付勢部材74の弾性復元力によって、係止部材73がガイド孔部58uの外方に突出する。
【0110】
図13に示すように、ユーザは、例えば、非第1指fbを操作部59Aにおける凹溝Vに入れて操作板59aに+Y方向の操作力を加えて、操作部材59を-Y方向に移動させることができる。例えば、第1指faで第3後壁部57bを押さえながら、非第1指fbを+Y方向に引く。この場合、非第1指fbと、第1指faとで、第3後壁部57bと操作板59aとを把持する動作になり、操作力が加えやすくなる。
図10に示すように、本実施形態では、筐体部58A内の操作部59Aは第3後壁部58bに沿って横幅方向に長く延びているので、凹溝Vの長手方向において、すべての非第1指fbを開いた状態でも余裕を持って挿入することができる。
このため、ユーザは、凹溝Vが見えない状態でも、凹溝Vに非第1指fbを容易に挿入できる。さらに、ユーザは、4本の非第1指fbを凹溝Vに挿入できるので、この場合により安定して操作力を加えやすい。
ユーザは、例えば、非第1指fbの間の隙間を減らしたり、凹溝Vに挿入する指本数を減らしたりすることによって、凹溝Vの長手方向の適宜位置に操作力を加えることができる。ユーザは、凹溝Vに非第1指fbを挿入したと、凹溝Vの長手方向において、操作しやすい位置に、非第1指fbを移動させることもできる。
【0111】
操作部59Aが+Y方向に移動すると、各伝達部材58Bによって操作部59Aに連結された各駆動部材59Cと、各駆動部材59Cを連結する補強部材59Dと、を含む操作部材59全体が、+Y方向に移動する。このとき、操作部材59における複数のガイド突起59j1,j2、j3、j4が、それぞれ複数のガイド部58qに挿入されているので、操作部材59は、複数のガイド部58qに沿って+Y方向に平行移動することができる。
このため、操作板59aの長手方向において操作力が作用する位置がばらついても、XY平面内における操作部材59の回転が抑制されるので、操作部材59を円滑に平行移動できる。
【0112】
図16に示すように、操作部材59が第2位置に移動すると、付勢部材72によって横幅方向においてガイド部58tの内側に向かって付勢された各係止部70全体が筐体部58Aの内側に移動する。これにより、各係止部材73がガイド孔部58uに退避する。
ユーザが、操作板59aに掛けた非第1指fbを離せば、操作部材59が第1位置に戻り、各係止部材73が各ガイド孔部58uの外部に突出する。
【0113】
次に、扉容器56Aの後面部材53Aへの着脱動作と、上下方向の移動動作と、について説明する。
図17、18は、第1の実施形態における扉容器の動作説明図である。図17、18には、-X方向の構成が図示されているので、以下では、図示された部材の動きを説明する。ただし、図示されていない+X方向において対称的に配置された部材の動作も同様である。
【0114】
ユーザが扉容器56Aを後面部材53Aに装着するには、図17に二点鎖線で示すように、容器本体57を取り外した昇降台67を持ち、操作板59aを+Y方向に引いて、操作部材59を第2位置に移動する。
ユーザは、この状態で昇降台67を持ち、前壁部58cを後面部材53Aに向けて昇降台67を隙間G1に挿入する。隙間G1の上下方向の開口の大きさはh3である。h3は、昇降台67の横幅方向の側面における平板部58ELから係止突起58DLの下端までの長さh2より大きく、扉容器56Aにおける突条57iの上端から係止突起58DLの下端までの長さh4よりも小さい大きさとする。
このため、昇降台67は、隙間G1を-Y方向に通過して内面53aの近くまで移動できる。ただし、扉容器56Aは、隙間G1を-Y方向に通過することはできない。
【0115】
この後、係止突起58DLを凹溝g1に上方から挿入する。
昇降台67の係止部70の係止部材73は筐体部58Aの内側に退避しているので、係止部材73がレール部64の凹凸構造と干渉することはない。
このため、ユーザは、例えば、昇降台67の上面部58aと操作板59aとを把持した状態で、昇降台67をレール部64に沿って上下方向に移動できる。このとき、非第1指fbの指先は、平板部59eの下面に押し当てることができるので、昇降台67を上下方向に移動する力を加えやすい。非第1指fbをすべて凹溝Vに挿入することにより、昇降台67を下方から支持する範囲が広がるので、昇降台67を安定して支えやすい。
【0116】
このように、ガイド突起58CLおよび係止突起58DLが凹溝g1内に収容された状態では、-Y方向から見ると、ガイド突起58CLおよび係止突起58DLはレール部64に隠れてほとんど見えなくなる。特に昇降台67の下方に突出する係止突起58DLが見えなくなることで、冷蔵室扉12の内面の美観が向上する。
【0117】
図17に実線で示すように、係止部70が第1レール部64aと対向する位置において、ユーザが操作板59aから指を離すと、操作部材59が第1位置に移動し、係止部70の各係止部材73がガイド孔部58uの外側に突出する。これにより、係止部材73は、第1レール部64aにおいて係止板64eで上下方向に挟まれた凹部に突出する。昇降台67からユーザが手を離すと、昇降台67に作用する重力によって、係止部材73は、-Z方向において最も近い係止板64eに上方から係止する。
これにより、昇降台67の上下方向の位置が固定される。昇降台67の固定位置は、係止される複数の係止板64eの位置で決まる。昇降台67の上下方向における固定位置は、複数の係止板64eの配置ピッチ単位で多段階に変更可能である。
【0118】
この後、昇降台67乗に容器本体57を載置する。図17に実線で示すように、ユーザは、容器本体57を手に持って昇降台67の上方に移動し、容器本体57を下降させる。容器本体57の-Y方向の端部の横幅は、レール部64の間の横幅方向の隙間よりも狭いので、ユーザは、昇降台67の上方であればどの位置であっても、容器本体57をリブ61の間に挿入できる。
各係止突起57jが昇降台67の各凹溝58jに上方から挿入可能な位置に容器本体57を移動した後、ユーザは、容器本体57を上面部58a上に載置する。これにより、容器本体57が昇降台67に装着される(図17の二点鎖線参照)。各係止突起57jが各凹溝58jに上方から挿入されることで、昇降台67上の容器本体57の位置が固定される。
このようにして、後面部材53Aの内面53aの近傍に、扉容器56Aが装着される。
ユーザは、同様にして、扉容器56Aの上方に扉容器56Bを装着できる。
【0119】
本実施形態では、後面部材53Aに装着された扉容器56A、56Bは、以下に説明する押し上げ操作と、係止解除操作と、を行うことによって、上下方向に移動できる。本実施形態では、扉容器56A、56Bの構成は互いに同様なので、以下、扉容器56Aを移動する例で説明する。
【0120】
押し上げ操作は、ユーザが、操作部材59を操作することなく昇降台67に+Z方向の力を加えて、昇降台67を+Z方向に移動させる操作である。例えば、ユーザは台部67aの下面に手を当てて扉容器56Aを押し上げてもよい。
押し上げ操作時には、係止部材73の傾斜面73bと傾斜リブ64faとが当接すると、傾斜リブ64faからの反作用の水平成分によって、係止部材73が内側に押し込まれる。
係止部材73が上側の係止板64eを上側に乗り越えると、係止部材73はガイド孔部58uから外側に突出する。このときユーザが、手を離して押し上げ操作を停止すれば、係止部材73は、乗り越えた係止板64eに上方から係止する。
このような押し上げ操作により、ユーザは、扉容器56Aを+Z方向に移動して、より上側の係止板64e上に昇降台67を係止することができる。
押し上げ操作では、扉容器56Aをより上側に係止することはできるが、下降させることはできない。
【0121】
係止解除操作は、係止部材73による上下方向の係止を強制的に解除する操作である。
本操作では、ユーザは、操作部材59を第2位置に移動させる。この場合、各係止部材73がガイド孔部58uの内側に引っ込むので、ユーザは扉容器56Aを移動可能範囲内において自由に移動できる。
本実施形態では、平面視における容器本体57の収容空間の容積は、+X方向における端部の第5側壁部57kが湾曲しているので、平面Sよりも-X方向の容積よりも+X方向の容積の方が小さい。このため、収容物を含む扉容器56Aの重心は平面Sよりも-X方向に偏心しやすい。
本実施形態では、ユーザが手を掛ける凹溝Vが平面Sに関して-X方向に偏心している。このため、ユーザは扉容器56Aの重心に近い位置で扉容器56Aを支持しやすいので、係止解除時の上下移動が容易になる。
さらに本実施形態では、凹溝Vが、第3後壁部58bに沿って横幅方向に長く形成されているので、ユーザは、凹溝Vの範囲内で、操作板59aに掛ける指の位置を適宜移動することができる。これにより、収容物を含む扉容器56Aの重心に応じて、扉容器56Aを支えやすい位置に手を移動することが可能になる。
【0122】
ユーザが、操作板59aを離すと係止部材73が突出し、最も近い下側の係止板64eに係止する。これにより、扉容器56A等の移動位置が固定される。
【0123】
ここで、扉容器56A、56Bの移動可能範囲について説明する。
図18に示すように、扉容器56Aの最下の下降位置は、係止突起58DLの下端が下降位置規制部53dに上方から係止する位置である。扉容器56Bが扉容器56Aの下方に配置される場合も、同様である。
下降位置規制部53dが設けられていることにより、万一、係止解除操作中にユーザの支持力が弱まって扉容器56Aが落下しても、扉容器56Aが凹溝g1の下方に抜け落ちることが防止できる。
【0124】
扉容器56A、56Bは、第1レール部64aと係止部材73とが対向可能な範囲で上下方向に移動して、上下方向の位置を固定できる。
例えば、図18に示す扉容器56Bの場合、二点鎖線で示すように突条57iがリブ61Fの下面61gに当接する位置まで上昇できる。ただし、突条57iの+Z方向の先端から係止突起58DLの-Z方向の端面までの長さh4は、隙間G1の大きさh3よりも長い。このため、扉容器56Bを+Y方向に移動しようとすると、係止突起58DLと第2レール部64bの上端部とが干渉するので、ユーザは扉容器56Bを+Y方向に引き抜くことができない。このため、収容物を含む扉容器56Bを勢いよく上昇させた際に、はずみで扉容器56Bが後面部材53から外れることを防止できる。
【0125】
例えば、第1レール部64aよりも上方に扉容器56Bを移動した状態で、万一、ユーザが扉容器56Bを支えきれなくなった場合、ユーザが操作板59aに指をかけた状態で、扉容器56Bが落下する可能性がある。
この場合、扉容器56Bは、係止突起58DLが下方の扉容器56Aの平板部58ELに当接するまで降下する。台部67aの下面である底板部60aと扉容器56Aの容器本体57の上端との距離は、係止突起58DLの長さに応じてh1である。h1が、例えば、手の厚さより大きな値であれば、ユーザの手が、扉容器56Bの台部67aと、扉容器56Aの容器本体57との間に挟まれることを防止できる。
扉容器56Bの係止突起58DLは、扉容器56Aの容器本体57より横幅方向の外側に設けられ、ガイド突起58CLによって下方から支持された扉容器56Aの平板部58ELと当接する。平板部58ELは、平面視にて第1側壁部57dLよりも広い幅に形成できるので、落下の衝撃による扉容器56Aの容器本体57および昇降台67の破損を防止できる。
【0126】
このような扉容器56Aの移動操作において、ユーザが操作部材59に指を掛けて行う操作は、操作部材59の作動部59Xの横幅よりも広い操作部59Aによって行うことができるので、扉容器56Aの横幅方向の幅が狭い場合であっても、ユーザの操作性が向上する。
【0127】
以上、扉容器56A、56Bの作用を中心として、冷蔵庫1Aの動作を説明したが、扉容器54A、54Bは、横幅と、容器本体および昇降台における湾曲した角部の位置とが、異なる以外は、扉容器56A、56Bと同様な構成を有する。このため、扉容器54A、54Bは、扉容器56A、56Bと同様の作用を備える。
【0128】
以上説明したように、本実施形態の冷蔵庫1Aおよび扉容器56A、56B、54A、54Bによれば、底面積が狭い小型の扉容器であっても、上下方向の移動および扉からの着脱の操作を容易に行える。
【0129】
[第2の実施形態]
第2の実施形態の冷蔵庫を説明する。
図1に示すように本実施形態の冷蔵庫1Bは、第1の実施形態の扉容器56A、56Bに代えて、それぞれ本実施形態の扉容器156を備える。以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図19は、第2の実施形態の冷蔵庫における扉容器を示す斜視図である。
図19に示すように、本実施形態の扉容器156は、第1の実施形態における容器本体57と昇降台67とが一体化されたような構成を有する。
扉容器156は、容器本体157と、底面部167と、を有する。
【0130】
容器本体157は、下部157aと、上部157bと、を有する。
下部157aは、第1の実施形態における筐体部58Aの第3側壁部58f(第3側面部)、第3後壁部58b(正面部)、第5側壁部58k(湾曲側面部),および前壁部58cb、第1側壁部58dLb(第1側面部)、第2側壁部58dRb(第2側面部)、第4壁部58eLb(第1段部)、第5壁部58eRb(第2段部)、および第4側壁部58m(湾曲側面部)をそれぞれ容器本体57の下壁部57sの位置に形成した以外は、筐体部58Aと同様である。図19には、投影方向の関係で第3後壁部58bと第3側壁部58fのみが図示されている。
上部157bは、下部157aの上面部58a上に形成されていることと、第1後壁部57eL、第1側壁部57dL、前壁部57c、第2側壁部57dR、および第2後壁部57eRに代えて、第1の実施形態と同様な第1後壁部58eL、第1側壁部58dL、前壁部58c、第2側壁部58dR、および第2後壁部58eRを備えることと、が上壁部57uと異なる。
ただし、本実施形態における第1側壁部58dLおよび第2側壁部58dRにおいては、各凹溝58jが削除されている。第1側壁部58dL、前壁部58c、および第2側壁部58dRの上端には、第1の実施形態と同様の突縁部57gL、57h、57gRが第1の実施形態と同形状、同位置に形成されている。本実施形態における突縁部57h上には突条57iは形成されていない。
【0131】
本実施形態における第1側壁部58dL、58dLbには、第1の実施形態と同様の平板部58EL、ガイド突起58CL、係止突起58DL、および係止突起58Fが形成されている。
本実施形態における第2側壁部58dR、58dRbには、第1の実施形態と同様の平板部58ER、ガイド突起58CR、係止突起58DR、および係止突起58Fが形成されている。
【0132】
底面部167は、筐体部58Aに代えて、容器本体157の下部157aを有する以外は、台部67aと同様である。すなわち、底面部167は、第1の実施形態と同様の下カバー60が下側を覆っている。上面部58aと下カバー60との間には、一対の係止部70と、図示略の操作部材59、付勢部材77、および緩衝材78と、が第1の実施形態と同様に配置されている。
【0133】
このような構成の扉容器156は、第1の実施形態における扉容器56Aと同様、後面部材53Aに着脱可能であって、装着時にレール部64に沿って上下方向に移動できる。
ただし、扉容器156は、突条57iを有しないので、隙間G1を通して着脱可能である。
本実施形態の扉容器156および扉容器156を備える冷蔵庫1Bによれば、第1の実施形態における扉容器56Aおよび冷蔵庫1Aと同様の作用を備える。
このため、本実施形態の冷蔵庫1Bおよび扉容器156によれば、底面積が狭い小型の扉容器であっても、上下方向の移動および扉からの着脱の操作を容易に行える。
【0134】
上記各実施形態では、冷蔵庫の扉が両開きの回転扉の例で説明した。しかし、扉は、両開きの回転扉には限定されない。例えば、片開きの回転扉でもよい。
【0135】
上記各実施形態では、横幅が広い、冷蔵室扉13にも、冷蔵室扉12と同様な構成を有し、上下方向に多段階に移動および係止可能な扉容器54A、54Bが配置されるとして説明した。
幅の狭い冷蔵室扉12側に設置される扉容器56A、56Bの方が、幅の広い冷蔵室扉13側に設置される扉容器54A、54Bよりもサイズが小さいので、収容物を含めた扉容器の重量が軽くなる傾向にある。このため、上下移動する際に、片手でもユーザが容易に移動させやすくなる。
【0136】
上記各実施形態では、補強部材59Dが伝達部材59B同士を連結するとして説明したが、伝達部材が補強部材と連結されていれば、一対の駆動部材は、補強部材の両端部にそれぞれ設けられてもよい。
【0137】
上記各実施形態で説明した内面部に対する昇降台または扉容器の係止構造および係止解除機構は、一例であり、上述の構成には限定されない。
【0138】
以上、説明した少なくとも一つの実施形態によれば、冷蔵庫が、貯蔵室を含む冷蔵庫本体と、前記貯蔵室を開閉可能に閉じる扉と、収容物を収容する収容空間が上方に形成された底面部と、前記底面部における横幅方向の両側部に配置され前記横幅方向に進退する一対の係止部と、前記底面部に設けられ前記一対の係止部の前記横幅方向における位置を操作する操作部材と、を有しており、前記扉の内面部において上下方向に移動可能かつ前記内面部に着脱可能に設けられ、移動範囲内の複数箇所で前記上下方向における位置が固定可能な扉容器と、を備え、前記操作部材は、前記上下方向および前記横幅方向に交差する奥行方向に進退することによって前記一対の係止部をそれぞれ前記横幅方向に移動させる一対の駆動部材と、前記横幅方向における前記一対の駆動部材の配置位置の間隔よりも前記横幅方向における幅が広く形成され、前記一対の駆動部材を前記奥行方向に移動させる操作力を加える操作部と、前記操作部と前記一対の駆動部材とをそれぞれ前記奥行方向に連結し、前記操作力を前記一対の駆動部材に伝達する伝達部材と、前記横幅方向から見て前記一対の駆動部材の間に配置され、前記一対の駆動部材の間の前記横幅方向における距離を固定する補強部材と、を有するので、底面積が狭い小型の扉容器であっても、上下方向の移動および扉からの着脱の操作を容易に行える冷蔵庫を提供することができる。
【0139】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0140】
1A、1B…冷蔵庫,5…冷蔵庫本体,12、13…冷蔵室扉(扉、回転扉),27…貯蔵室,27A…冷蔵室(貯蔵室),32、33…ヒンジ,53A、53B…後面部材,54A、54B、56A、56B、156…扉容器,57、157…容器本体,57b、58b…第3後壁部,57f…第3側壁部,57k…第5側壁部,57m…第4側壁部,58…昇降台本体,58a…上面部,58A…筐体部,58B…伝達部材,58b…第3後壁部(正面部),58dLb…第1側壁部(第1側面部),58dRb…第2側壁部(第2側面部),58eLb…第4壁部(第1段部),58eRb…第5壁部(第2段部),58f…第3側壁部(第3側面部),58k…第5側壁部(湾曲側面部),58m…第4側壁部(湾曲側面部),59…操作部材,59A…操作部,59B…伝達部材,59C…駆動部材,59D…補強部材,59i…連結部材,67…昇降台,67a…台部(底面部),70…係止部,77…付勢部材,167…底面部,O59A…中心軸線(第1中心軸線),O59C…中心軸線(第2中心軸線),Od…中心軸線,O、O…回転軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19