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特開2022-94805併願校選定支援装置、併願校選定支援方法、コンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094805
(43)【公開日】2022-06-27
(54)【発明の名称】併願校選定支援装置、併願校選定支援方法、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220620BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020207896
(22)【出願日】2020-12-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】399091049
【氏名又は名称】株式会社ナガセ
(74)【代理人】
【識別番号】100099324
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 正剛
(72)【発明者】
【氏名】永瀬 昭幸
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 秀彦
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】併願校の選定を支援する装置を提供する。
【解決手段】併願校選定支援装置は、複数の学校のそれぞれの合格難易度、試験科目、入学試験日、及び出願締切日を記憶する学校DB40と、受験生の第一志望校を記憶する受験生DB41と、複数の過去の受験生のそれぞれが受験した受験校を記憶する実績DB42と、学校DB40を参照して、受験生の第一志望校の入学試験日よりも入学試験日が前で、出願締切日が経過しておらず、且つ受験生の第一志望校の試験科目により受験可能な学校を併願校候補として抽出する併願校候補抽出部106と、抽出された併願校候補の学校名を合格難易度に応じた順序で出力装置3に表示する制御部3と、を備える。制御部103は、併願校候補に受験生の第一志望校を受験した過去の受験生の受験校があれば、その学校名を他の学校名よりも優先して表示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の学校のそれぞれの合格難易度、試験科目、入学試験日、及び出願締切日を記憶する第1記憶手段と、
受験生の第一志望校を記憶する第2記憶手段と、
複数の過去の受験生のそれぞれが受験した受験校を記憶する第3記憶手段と、
前記第1記憶手段を参照して、前記受験生の第一志望校の入学試験日よりも入学試験日が前で、出願締切日が経過しておらず、且つ前記受験生の第一志望校の試験科目により受験可能な学校を併願校候補として抽出する抽出手段と、
抽出された前記併願校候補の学校名を合格難易度に応じた順序で所定のディスプレイに表示する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記併願校候補に前記受験生の第一志望校を受験した前記過去の受験生の受験校があれば、その学校名を他の学校名よりも優先して表示することを特徴とする、
併願校選定支援装置。
【請求項2】
前記第3記憶手段を参照して、前記受験生の第一志望校を受験した前記過去の受験生が受験した受験校毎に、過去の受験生の志願者数をカウントする第1カウント手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、合格難易度が同等の前記併願校候補の学校名を、前記第1カウント手段でカウントした志願者数に応じた順序で表示することを特徴とする、
請求項1記載の併願校選定支援装置。
【請求項3】
前記第2記憶手段は、受験生の在学校の学校名を記憶しており、
前記第3記憶手段は、過去の受験生が受験した受験校の受験結果と卒業した学校の学校名とを記憶しており、
前記第3記憶手段を参照して、前記受験生の在学校と同じ学校を卒業した過去の受験生が合格者数を受験校毎にカウントする第2カウント手段を有し、
前記表示制御手段は、前記志願者数が同じ学校の学校名を、前記第2カウント手段がカウントした合格者数に応じた順序で表示することを特徴とする、
請求項2記載の併願校選定支援装置。
【請求項4】
前記第1記憶手段は、前記複数の学校のそれぞれの前年度の実質倍率を記憶しており、
前記表示制御手段は、前記合格者数が同じ学校の学校名を前記実質倍率に応じた順序で表示することを特徴とする、
請求項3記載の併願校選定支援装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、所定数の併願校候補の学校名を表示しており、ユーザからの指示に応じてさらに多くの数の併願校候補の学校名を表示することを特徴とする、
請求項1~4のいずれか1項記載の併願校選定支援装置。
【請求項6】
前記第2記憶手段は、前記受験生の成績を記憶しており、
前記受験生の前記第一志望校及び前記併願校候補の合格難易度と、該受験生の成績とに基づいて、前記第一志望校及び前記併願校候補に対する該受験生の合格可能性を判定する判定手段をさらに備えており、
前記表示制御手段は、前記判定手段による判定の結果、前記受験生の第一志望校の合格可能性よりも合格可能性の低い併願校候補の学校名を表示しないことを特徴とする、
請求項1~5のいずれか1項記載の併願校選定支援装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記受験生が前記併願校候補から併願校を選択する際に、該受験生の第一志望校と該受験生が選択した併願校とのそれぞれの合格可能性を表す合格確率に基づいて、いずれか一つの学校に合格する確率、或いはいずれの学校にも合格しない確率を算出し、算出した結果を出力することを特徴とする、
請求項6記載の併願校選定支援装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記受験生と第一志望校が同じである前記過去の受験生の受験校のうち、前記過去の受験生が合格した受験校が前記併願校候補に含まれる場合に該学校の学校名を優先して表示することを特徴とする、
請求項1又は2記載の併願校選定支援装置。
【請求項9】
前記第1記憶手段は、前記複数の学校のそれぞれの試験科目の配点を記憶しており、
前記第2記憶手段は、前記受験生の試験科目毎の成績を記憶しており、
前記表示制御手段は、前記受験生の試験科目毎の成績から該受験生の得意科目を判断し、合格難易度が同等の前記併願校候補の学校名を、前記受験生の得意科目の配点に応じた順序で表示することを特徴とする、
請求項1記載の併願校選定支援装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、前記第1記憶手段を参照して、前記併願校候補の入学試験日を確認し、前記併願校候補の学校名を入学試験日に応じて分けて表示することを特徴とする、
請求項1~9のいずれか1項記載の併願校選定支援装置。
【請求項11】
複数の学校のそれぞれの合格難易度、試験科目、入学試験日、及び出願締切日を記憶する第1記憶手段と、受験生の第一志望校を記憶する第2記憶手段と、複数の過去の受験生のそれぞれが受験した受験校を記憶する第3記憶手段と、を備える大容量記憶装置に通信可能に接続される装置により実行される方法であって、
前記装置が、
前記第2記憶手段を参照して前記受験生の第一志望校を確認し、
前記第1記憶手段を参照して、前記受験生の第一志望校の入学試験日よりも入学試験日が前で、出願締切日が経過しておらず、且つ前記受験生の第一志望校の試験科目により受験可能な学校を併願校候補として抽出し、
前記第3記憶手段を参照して、前記受験生の第一志望校を受験した前記過去の受験生を抽出して、該過去の受験生が受験した受験校を確認し、
前記併願校候補の学校名を合格難易度に応じた順序で所定のディスプレイに表示するとともに、前記併願校候補に前記受験生の第一志望校を受験した前記過去の受験生の受験校があれば、その学校名を他の学校名よりも優先して表示することを特徴とする、
併願校選定支援方法。
【請求項12】
複数の学校のそれぞれの合格難易度、試験科目、入学試験日、及び出願締切日を記憶する第1記憶手段と、受験生の第一志望校を記憶する第2記憶手段と、複数の過去の受験生のそれぞれが受験した受験校を記憶する第3記憶手段と、を備える大容量記憶装置に通信可能に接続されるコンピュータを、
前記第1記憶手段を参照して、前記受験生の第一志望校の入学試験日よりも入学試験日が前で、出願締切日が経過しておらず、且つ前記受験生の第一志望校の試験科目により受験可能な学校を併願校候補として抽出する抽出手段、
抽出された前記併願校候補の学校名を合格難易度に応じた順序で所定のディスプレイに表示する表示制御手段、として機能させ、
前記表示制御手段に、前記併願校候補に前記受験生の第一志望校を受験した前記過去の受験生の受験校があれば、その学校名を他の学校名よりも優先して表示させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大学等の受験時に第一志望校の他に受験する併願校の選定を支援するための併願校選定支援技術に関する。
【背景技術】
【0002】
受験生は、進学に際して自身が希望する志望校を選定し、選定した志望校への合格を目標にした受験勉強を行うのが一般的である。受験生は、本命となる第一志望校と、いわゆる滑り止めとなる1以上の併願校を選定することが多い。受験生は、第一志望校に対する合格率の向上を目指しながら、少なくとも一つの併願校への合格を目指すことになる。
受験生による志望校の選定等を支援する技術として、例えば、特許文献1に開示された進路指導支援プログラムが知られている。この進路指導支援プログラムは、受験を希望する生徒の進路指導を支援するプログラムであって、複数の受験候補校の各々について、可能性偏差値帯を表示する。可能性偏差値帯は、所定の偏差値範囲に合否可能性判定が割り当てられた複数の可能性偏差値範囲に基づいて決定される。また、生徒の過去の複数回の偏差値の最高偏差値と最低偏差値とを帯状に示す生徒偏差値帯をも表示する。進路指導者は、可能性偏差値帯と生徒偏差値帯とに基づいて、その生徒の志望校の選定等の進路指導を行うことができる、とされる。
【0003】
特許文献2は、生徒の志望校(学力校、目標校、適正校、挑戦校)を決定して、志望校に合格するための学習の進捗を支援する学習支援システムを開示する。学力校は、入塾時の生徒の実力だけで合格可能な学校である。目標校は、例えば、学習塾への入塾者に対して、本塾で学習すればその目標校に合格できるようになるという保証を提供するために決定される学校である。学力校及び目標校は、入塾時の偏差値に基づいて決定される。適正校は、例えば、生徒が、本塾での学習をこのままのペースで続ければ最終的に合格可能な学校である。適正校は、入塾後の定期テスト等により得られる現時点の偏差値に基づいて決定される。挑戦校は、生徒のやる気を評価し、本塾で学習すれば合格可能な目標校を超えて、生徒のやる気次第で合格可能となる学校である。挑戦校は、入塾時の偏差値又は現時点の偏差値にやる気推定値を加味した偏差値に基づいて決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-180833号公報
【特許文献2】特開2017-90554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
受験生は、第一志望校については入念に調査、検討を行い、自身の希望や適正に則した学校を選定するが、併願校については、第一志望校ほどの入念さを持って学校の選定を行わないことが多い。また、受験生は、第一志望校用の受験勉強は行うが、併願校用の受験勉強を専らに行うことは少ないと思われる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、併願校の選定を効率的に支援する技術の提供を主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様となる併願校選定支援装置は、複数の学校のそれぞれの合格難易度、試験科目、入学試験日、及び出願締切日を記憶する第1記憶手段と、受験生の第一志望校を記憶する第2記憶手段と、複数の過去の受験生のそれぞれが受験した受験校を記憶する第3記憶手段と、前記第1記憶手段を参照して、前記受験生の第一志望校の入学試験日よりも入学試験日が前で、出願締切日が経過しておらず、且つ前記受験生の第一志望校の試験科目により受験可能な学校を併願校候補として抽出する抽出手段と、抽出された前記併願校候補の学校名を合格難易度に応じた順序で所定のディスプレイに表示する表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記併願校候補に前記受験生の第一志望校を受験した前記過去の受験生の受験校があれば、その学校名を他の学校名よりも優先して表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、併願校候補に、第一志望校を受験した過去の受験生の受験校がある場合に、該併願校候補の学校名を他の学校名よりも優先して表示することで受験生に対して有用な情報を提供し、併願校の選定を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】情報処理装置の構成図。
図2】情報処理装置の機能ブロック図。
図3】(a)~(c)は、大容量記憶装置に保存されるデータの説明図。
図4】(a)、(b)は、選定支援画像の例示図。
図5】選定支援画像の例示図。
図6】選定支援画像の例示図。
図7】選定支援画像の例示図。
図8】併願校選定支援処理を表すフローチャート。
図9】(a)は学校データの説明図、(b)は受験生データの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施の形態を詳細に説明する。
(構成)
図1は、本実施形態の併願校選定支援装置として機能する情報処理装置の構成図である。本実施形態の情報処理装置1は、例えばデータベース(以下、「DB」と記載する)を複数種有するデータベースシステムであり、大量のデータから所定の条件に基づいて検索したデータを出力するように構成されている。
【0011】
情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、及びI/Oインタフェース13を備える。CPU10、ROM11、RAM12、及びI/Oインタフェース13は、バス14を介して通信可能に接続される。I/Oインタフェース13には、入力装置2、出力装置3、及び大容量記憶装置4が接続される。
【0012】
入力装置2は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等である。出力装置3は、例えばディスプレイ、プリンタ等である。大容量記憶装置4は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の書き換え可能な記憶装置である。大容量記憶装置4は、情報処理装置1内部に設けられる構成であってもよく、通信ケーブルを介して接続される外部装置であってもよい。また大容量記憶装置4は、クラウドに設けられるオンラインストレージであってもよい。本実施形態の大容量記憶装置4は、受験生が併願校を選定するのに有用な情報を提供するためのデータベースが構築される。
【0013】
CPU10は、ROM11に格納されるコンピュータプログラムを実行することで、情報処理装置1の動作を制御する。RAM12は、CPU10が処理を行う際のワークエリアを提供する。CPU10は、I/Oインタフェース13を介して入力装置2から入力されるデータや指示を受け付ける。CPU10は、I/Oインタフェース13を介して出力装置3により情報を出力する。CPU10は、I/Oインタフェース13を介して大容量記憶装置4にアクセス(書き込み及び読み出し)する。
【0014】
図2は、情報処理装置1の機能ブロック図である。情報処理装置1は、例えばCPU10がコンピュータプログラムを実行することにより各機能ブロックとして動作する。
情報処理装置1は、入力部101、出力部102、制御部103、学校DB管理部104、受験生DB管理部105、併願校候補抽出部106、及び合格可能性判定部107として機能する。大容量記憶装置4には、学校DB40、受験生DB41、実績DB42が構築される。図3は、大容量記憶装置4に保存されるデータの説明図である。
【0015】
制御部103は、学校DB管理部104、受験生DB管理部105、併願校候補抽出部106、及び合格可能性判定部107を制御する。制御部103は、これらを制御することで、学校DB40、受験生DB41、及び実績DB42に基づいて受験生が併願校を選定する際に有用となる情報を抽出する。
【0016】
入力部101は、入力装置2から入力されるデータや指示を受け付けて、制御部103へ送信する。出力部102は、制御部103の制御により出力装置3から情報を出力する。本実施形態では、出力部102は、出力装置3から、受験生が併願校を選定するのに有用な情報を画像として出力する。
【0017】
学校DB管理部104は、制御部103の制御に基づいて、学校DB40に保存される学校データの作成、削除、更新、読み出し等を行う。
図3(a)は、学校データの説明図である。学校データは、学校名毎に学校を識別する学校IDを付与して保存され、該学校の学部、学科毎の合格難易度(合格可能偏差値)、出願締切日、入学試験日、合格発表日、試験科目、及び前年度の実質倍率等の項目を含む。学校データは、学科単位で保存されるため、一つの学校の学校データは、該学校の学科数だけ保存されることになる。学部は学部IDにより識別され、学科は学科IDにより識別される。
【0018】
学校データは、例えば入力装置2から各情報が入力され、この情報に基づく制御部103からの指示に応じて学校DB管理部104により作成される。学校データの内容に変更がある場合、変更内容が入力装置2から入力される。学校DB管理部104は、制御部103の指示に応じて該変更内容により学校データを更新する。また、学校DB管理部104は、制御部103の制御により学校DB40を参照し、必要な情報の読み出しを行う。
【0019】
受験生DB管理部105は、制御部103の制御に基づいて、受験生DB41に保存される受験生データの作成、削除、更新、読み出し等を行う。
図3(b)は、受験生データの説明図である。受験生データは、受験生名毎に受験生を識別する受験生IDを付与して保存され、該受験生の在学校名、第一志望校情報、及び成績履歴等の項目を含む。在学校名は在学校IDにより識別される。第一志望校情報は、当該受験生のその時点の第一志望校、学部、学科を表す学校ID、学部ID、及び学科IDを含む。成績履歴は、成績として、少なくとも当該受験生の最新の模擬試験等の結果(偏差値等)を含む。
【0020】
受験生データは、例えば入力装置2から各情報が入力され、この情報に基づく制御部103の指示に応じて受験生DB管理部105により作成される。受験生データの内容に変更がある場合、変更内容が入力装置2から入力される。受験生DB管理部105は、制御部103の指示に応じて該変更内容により受験生データを変更する。また、受験生DB管理部105は、制御部103の制御により受験生DB41を参照し、必要な情報の読み出しを行う。
【0021】
受験生DB管理部105は、制御部103の制御により、受験が終了した過去の受験生(以降、「卒業生」という。)の受験生データに基づいて実績データを生成する。実績データは、卒業生が受験した受験校を記憶する。図3(c)は、実績データの説明図である。実績データは、受験生データから受験生名、受験生ID、在学校ID、及び成績履歴を抽出し、これに進学実績情報を付加することで生成される。実績データの生成後に、元となった受験生データは削除される。進学実績情報は、受験校の学校ID、学部ID、学科ID、及びその受験結果を含む。受験校は、卒業生の第一志望校及び併願校である。図3(c)の例では、第1志望校と二校の併願校を受験校として、各受験校の受験結果が進学実績情報に含まれる。
【0022】
併願校候補抽出部106は、学校DB40を参照して、受験生の第一志望校の学校データと他の学校データとの比較により、第一志望校に応じて受験生に推奨する併願校の候補である併願校候補を抽出する。併願校候補抽出部106は、学校DB40により、受験生の第一志望校の学校データから入学試験日及び試験科目を取得する。併願校候補抽出部106は、学校DB管理部104により学校DB40を検索し、第一志望校の入学試験日よりも入学試験日が前で、出願締切日が経過しておらず、且つ第一志望校の試験科目により受験可能な学校を併願校候補として抽出する。第一志望校の試験科目により受験可能な学校とは、試験科目が完全に同一の学校の他に、試験科目が第一志望校の試験科目に含まれる学校、一部の試験科目が同じで他の試験科目が関連する分野である学校等である。併願校候補抽出部106は、抽出した併願校候補の学校ID、学部ID、学科IDを制御部103へ送信する。
【0023】
合格可能性判定部107は、受験生データの成績履歴と学校データの合格可能偏差値とに基づいて、受験生の合格可能性の判定を行う。合格可能性判定部107は、受験生DB管理部105により、受験生DB41の受験生データから受験生の第一志望校情報及び成績履歴を取得する。合格可能性判定部107は、第一志望校情報及び併願校候補抽出部106で抽出された併願校候補の学校ID、学部ID、学科IDに基づいて、学校DB管理部104により、学校DB40から第一志望校及び併願校候補の合格可能偏差値を取得する。合格可能性判定部107は、受験生の最新の成績と第一志望校及び併願校候補の合格可能偏差値とを比較し、その比較結果に応じて該受験生の合格可能性を判定する。合格可能性は、例えば合格確率(パーセント)や、A判定、B判定といったランクにより表される。
【0024】
制御部103は、以上のような併願校候補抽出部106及び合格可能性判定部107の動作を制御する。また、制御部103は、併願校候補抽出部106及び合格可能性判定部107による処理結果を取得し、併願校の選定支援画像を生成する。制御部103は、生成した選定支援画像を、出力部102を介して出力装置3から視認可能に出力する。出力装置3がディスプレイの場合、選定支援画像がディスプレイに表示される。出力装置3がプリンタの場合、選定支援画像が用紙に印刷される。これにより受験生に対して選定支援画像が提示される。制御部103は、出力装置3から画像を出力する表示制御手段として機能する。
【0025】
(選定支援画像)
図4は、選定支援画像の例示図である。図4(a)、4(b)の選定支援画像は、併願校候補抽出部106により抽出された併願校候補を、合格難易度(合格可能偏差値)に応じた順序で表示している。学校名の左の数字は合格難易度(合格可能偏差値)を示している。図4(a)の選定支援画像の「もっと見る」をユーザが入力装置2により選択することで、図4(b)の選定支援画像が出力される。そのために図4の例では、図4(a)に表示される学校が図4(b)に表示される学校よりも合格難易度が高い学校となる。つまり、図4(a)、4(b)では、「A1大学A2学部A3学科」が最も合格難易度が高い学校で他の併願校候補よりも優先的に表示されている。「T1大学T2学部T3学科」が最も合格難易度が低い学校で他の併願校候補よりも優先度が最も低くなっている。その間の合格難易度の学校は、合格難易度に応じた順序で表示される。
【0026】
このような表示を行う場合、制御部103は、併願校候補抽出部106から併願校候補の学校ID、学部ID、学科IDを取得する。制御部103は、学校DB管理部104により、併願校候補の学校ID、学部ID、学科IDに該当する学校の学校名、学部名、学科名及び合格可能偏差値を学校DB40から取得する。制御部103は、取得した学校名、学部名、学科名を合格可能偏差値順にソートして選定支援画像を生成する。制御部103は、上位から所定数(図4(a)では5校)の併願校候補の学校名、学部名、学科名を含む選定支援画像をディスプレイに表示する。なお出力装置3がプリンタの場合には、すべての併願校候補の学校名、学部名、学科名を含む選定支援画像がプリンタから出力される。
【0027】
また、制御部103は、受験生DB管理部105により、受験生DB41から受験生の第一志望校の学校ID、学部ID、学科IDを取得する。制御部103は、受験生DB管理部105により、実績DB42から、受験生の第一志望校の学校ID、学部ID、学科IDを進学実績情報に含む卒業生の実績データを抽出する。制御部103は、抽出した卒業生の実績データの進学実績情報に含まれる該卒業生が受験した学校ID、学部ID、学科IDを取得する。
【0028】
制御部103は、卒業生が受験した学校ID、学部ID、学科IDが併願校候補にあるか否かを判断する。併願校候補にある場合、制御部103は、この併願校候補の学校名を他の併願校候補の学校名よりも優先して表示する。例えば制御部103は、卒業生が受験した併願校候補の学校名を他の学校名よりも上位に表示する。例えば、図4(a)の場合、「C1大学C2学部C3学科」と「D1大学D2学部D3学科」は同じ合格難易度(合格可能偏差値68)である。ここでは、「C1大学C2学部C3学科」を受験した卒業生がいるために、「C1大学C2学部C3学科」が「D1大学D2学部D3学科」よりも上位に優先して表示される。このとき制御部103は、卒業生が受験した学校、学部、学科となる併願校候補の学校名を拡大表示、色の変更、ハイライト表示等により強調表示してもよい。
【0029】
また、例えば図5に例示する選定支援画像のように、合格難易度に応じた順序よりも上位に、卒業生が受験した併願校候補の学校名が合格難易度順に表示されてもよい。図5の例では、「C1大学C2学部C3学科」、「F1大学F2学部F3学科」、「J1大学J2学部J3学科」、「K1大学K2学部K3学科」が、卒業生が受験した併願校候補である。これらの学校名が、最も合格難易度の高い併願校候補(「A1大学A2学部A3学科」)よりも上位に表示される。卒業生が受験した併願校候補の学校名と他の併願校候補の学校名との間は、仕切り線により分けられている。これにより受験生は、卒業生が受験した実績のある併願校候補を容易に確認することができるようになる。
【0030】
卒業生が受験した実績のある併願校候補のうち、合格難易度が同等の併願校候補に対しては、以下のような処理により、優先して表示する併願校候補が決定されてもよい。
制御部103は、併願校候補毎に、卒業生の志願者数をカウントする。この場合、制御部103は、合格難易度が同等の併願校候補の学校名を、カウントした志願者数が多い順に表示することができる。
制御部103は、取得した進学実績情報により、卒業生が合格した学校名を確認することが可能である。そのために制御部103は、卒業生の合格者数を学校毎にカウントすることができる。例えば制御部103は、受験生と同じ学校に過去に在学していた卒業生の合格者数を学校毎にカウントする。制御部103は、合格難易度が同等の併願校候補の学校名を、合格者数の多い順に表示することができる。
制御部103は、学校DB管理部104により、学校DB40から併願校候補の学校の前年度実質倍率を取得することができる。この場合、制御部103は、合格者数が同じ併願校候補の学校名を前年度実質倍率が低い順に表示することができる。
制御部103は、第一志望校が受験生と同じ卒業生の合格した併願校候補を優先して表示するようにしてもよい。
【0031】
制御部103は、合格難易度が同等の複数の併願校候補の表示順を、これらを組み合わせて決定してもよい。例えば制御部103は、合格難易度が同等の各併願校候補に対して、卒業生の志願者数をカウントし、志願者数が多い順に併願校候補を表示する。志願者数も同じ場合、制御部103は、志願者数が同じ併願校候補に対して、受験生と同じ学校に過去に在学していた卒業生の合格者数をカウントし、合格者数が多い順に併願校候補を表示する。合格者数も同じ場合、制御部103は、合格者数が同じ併願校候補に対して、前年度実質倍率を確認し、実質倍率が低い順に併願校候補を表示する。実質倍率が同じ場合、第一志望校が同じ卒業生が合格した併願校候補を上位に表示する。
【0032】
図5に例示する選定支援画像では、卒業生が受験した実績のある併願校候補のうち、「J1大学J2学部J3学科」と「K1大学K2学部K3学科」とが同じ合格難易度(合格可能偏差値66)である。図5では、「J1大学J2学部J3学科」の方が「K1大学K2学部K3学科」よりも上位に表示されている。そのために「J1大学J2学部J3学科」の方が「K1大学K2学部K3学科」よりも志願者数が多い。志願者が同数であれば、「J1大学J2学部J3学科」の方が「K1大学K2学部K3学科」よりも合格者数が多い。志願者及び合格者が同じであれば、「J1大学J2学部J3学科」の方が「K1大学K2学部K3学科」よりも前年度実質倍率が低いことになる。前年度実質倍率が同じであれば、「J1大学J2学部J3学科」の方が「K1大学K2学部K3学科」よりも第一志望校が受験生と同じ卒業生の合格者数が多いことになる。
【0033】
制御部103は、合格可能性判定部107の判定結果に基く順序で併願校候補を表示する選定支援画像を生成してもよい。制御部103は、合格可能性判定部107から受験生の第一志望校及び併願校候補の合格可能性の判定結果を取得する。制御部103は、取得した判定結果に基づき、第一志望校の合格可能性よりも合格可能性が低いと判定された併願校候補を特定する。制御部103は、選定支援画像を生成する際に、特定した第一志望校の合格可能性よりも合格可能性が低いと判定された併願校候補の学校名を選定支援画像から除外する。これにより、第一志望校の合格可能性よりも合格可能性が低いと判定された併願校候補の学校名が表示されなくなる。受験生は、合格可能性の高い併願校候補から併願校を選定することが可能となる。
【0034】
図6は、合格可能性の判定結果を反映させた選定支援画像の例示図である。第一志望校(「X1大学X2学部X3学科」)の合格可能偏差値を67とする。この場合、合格可能偏差値が68以上の学校に対する受験生の合格可能性は、第一志望候補の合格可能性よりも低くなる。そのために図6の選定支援画像は、図5の選定支援画像から合格可能偏差値が68以上の学校が消去された画像となる。
【0035】
また、制御部103は、学校DB40を参照して併願校候補の入学試験日を確認し、併願校候補を入学試験日に応じて分けて表示する選定支援画像を出力装置3から出力させてもよい。図7は、この場合の選定支援画像の例示図である。この選定支援画像では、第一志望校の入学試験日が2月23日であり、併願校候補が入学試験日に応じて2月9日を境にして前後一週間分ずつ分けて表示される。このような選定支援画像は、併願校候補を、二週間より多くの週にわたって表示してもよい。各週の併願校候補の表示数は5校であるが、表示数はこれに限られない。また、選定支援画像の「もっと見る」をユーザが入力装置2により選択することで、当該週の他の併願校候補が、例えば図4(b)の選定支援画像に例示するような形態で出力される。また、一週間毎ではなく、例えば10日毎に分けて併願校候補が表示されてもよい。各週の併願校候補は、図5に示すように卒業生が受験した実績のある併願校候補が他の併願校候補よりも上位に表示されている。
【0036】
(併願校選定支援処理)
図8は、本実施形態の併願校選定支援処理を表すフローチャートである。この処理は、例えば制御部103が、入力部101を介して入力装置2から併願校選定支援処理の開始指示を受け付けることで開始される。開始指示には、受験生IDが含まれている。
【0037】
開始指示を受け付けた制御部103は、開始指示に含まれる受験生IDに該当する受験生の第一志望校を確認する(S101)。制御部103は、受験生DB管理部105により受験生DB41の該受験生IDの受験生データを参照することで、該受験生の第一志望校(学校ID、学部ID、及び学科ID)を確認することができる。
【0038】
第一志望校を確認した制御部103は、併願校候補抽出部106により第一志望校に応じた併願校候補を抽出する(S102)。併願校候補抽出部106は、学校DB管理部104により学校DB40を参照して、第一志望校の学校データと他の学校の学校データとの比較により併願校候補を抽出する。そのために併願校候補抽出部106は、まず、第一志望校の学校データから入学試験日及び試験科目を取得する。併願校候補抽出部106は、学校DB管理部104により学校DB40を検索し、第一志望校の入学試験日よりも入学試験日が前で、出願締切日が経過しておらず、且つ第一志望校の試験科目により受験可能な学校を併願校候補として抽出する。併願校候補抽出部106は、抽出した併願校候補の学校ID、学部ID、及び学科IDを制御部103へ送信する。
【0039】
制御部103は、第一志望校を受験した卒業生を抽出する(S103)。制御部103は、受験生DB管理部105により実績DB42のすべての実績データを検索し、進学実績情報に第一志望校の学校ID、学部ID、及び学科IDを含む実績データを抽出する。抽出した実績データが第一志望校を受験した卒業生の実績データである。
【0040】
制御部103は、抽出した卒業生の実績データの進学実績情報により、卒業生が受験した学校を確認する(S104)。制御部103は、併願校候補と卒業生が受験した学校とに基づいて図4図7に例示する選定支援画像を生成し、出力部102を介して出力装置3から選定支援画像を出力する(S105)。
【0041】
以上のような処理により、受験生に対して第一志望校に応じた最適な併願校の選定を支援する情報を供給することができる。受験生は、選定支援画像により自身の希望に応じた併願校を容易に選定することができるようになる。また、提示される併願校候補は、いずれも第一志望校の試験科目により受験可能な学校である。受験生は、第一志望校の受験勉強を行うことで併願校用の受験勉強を同時に行うことになるために、併願校用の受験勉強を特別に行う必要がなくなる。そのために受験生は、受験勉強の負担を軽減することができる。
【0042】
制御部103は、受験生が併願校を選定する際に、該受験生の第一志望校と該受験生が選択した併願校とのそれぞれの合格確率に基づいて、いずれか一つの学校に合格する確率、或いはいずれの学校にも合格しない確率を出力装置3により出力してもよい。例えば、制御部103は、受験生が併願校候補から選択した併願校と該受験生の第一志望校とのそれぞれの合格確率を乗算して、いずれか一つの学校に合格する確率、或いはいずれの学校にも合格しない確率を算出する。
制御部103は、算出した確率を出力装置3から出力する。このような処理では、受験生は、合格する可能性がより高い第一志望校と併願校の組み合わせを確認しながら、併願校を選定することができる。
【0043】
(変形例)
本実施形態の情報処理装置1は、受験生の得意科目・得意分野に基づいて、その得意科目・得意分野の配点が大きな学校を優先して表示してもよい。図9は、このような処理を行う場合の学校データ及び受験生データの説明図である。
【0044】
図9(a)は、学校データの説明図である。この学校データは、図3(a)の学校データの試験科目の項目が細分化されており、試験科目A~試験科目Cのそれぞれの配点比率が含まれている。図9(a)の例では、試験科目Aの配点比率が40%であり、試験科目B、Cの配点比率が30%である。
図9(b)は、受験生データの説明図である。この受験生データは、図3(b)の受験生データの成績履歴の項目が細分化されており、試験科目毎の成績履歴が含まれている。図9(b)の例では、試験科目A~Eのそれぞれの成績履歴が受験生データに含まれる。
【0045】
例えば、試験科目Aの成績が他の試験科目に比べて良好な場合、この受験生は、試験科目Aの配点比率が大きい図9(a)の学校に合格する可能性が高いと考えられる。このように受験生の試験科目毎の成績と、学校の試験科目毎の配点比率とを比較することで、合格する可能性が高い学校を受験生に推薦することができる。
【0046】
制御部103は、併願校候補抽出部106から取得する併願校候補について、学校DB40の学校データにより試験科目毎の配点比率を確認する。制御部103は、受験生データの試験科目毎の成績履歴に基づいて、受験生の得意科目・得意分野を分析する。例えば制御部103は、試験科目毎の直近の成績や、成績の変化の傾向により、受験生が得意とする科目や分野を判断する。複数回の試験結果の平均が高い科目や、過去の成績からの伸び率が高い科目が、受験生が得意とする科目や分野となる。
【0047】
制御部103は、受験生が得意とする科目や分野に関する試験科目毎の配点比率を、併願校候補毎に確認する。その結果、制御部103は、受験生の得意科目や得意分野の配点が大きい順に併願校候補の学校名を表示することが可能となる。例えば理系科目が得意な受験生は、数学や理科の得点が高い傾向にある。そのために制御部103は、数学や理科の配点比率が高い併願校候補を選定支援画像の上位に表示して、受験生に合格可能性が高い併願校候補を優先的に表示することができる。
【0048】
選定支援画像自体は、図4図7に例示する画像と同様になる。受験生が得意とする科目や分野に基づいて生成された選定支援画像は、受験生にとって合格しやすい併願校候補が優先して表示される。そのために受験生は、合格可能性の高い併願校を選定しやすくなる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9