(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094865
(43)【公開日】2022-06-27
(54)【発明の名称】ウイルス拡散防止部材及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20220620BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
A41D13/11 A
A62B18/02 C
A41D13/11 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020207994
(22)【出願日】2020-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】517348949
【氏名又は名称】株式会社斉藤正▲こしき▼工房
(74)【代理人】
【識別番号】100123489
【弁理士】
【氏名又は名称】大平 和幸
(72)【発明者】
【氏名】▲斉▼藤 正
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185CC32
(57)【要約】
【課題】ウイルスの拡散を防止できる部材およびウイルス拡散防止方法を提供する。
【解決手段】ハート形の部材であって、該ハート形の凹んだ部分がヒトの鼻にフィットする形状であり、該ハート形の尖った部分の先端に柄を有し、該柄に接着手段を備えたウイルス拡散防止部材。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハート形の部材であって、
該ハート形の凹んだ部分がヒトの鼻にフィットする形状であり、
該ハート形の尖った部分の先端に柄を有し、
該柄に接着手段を備えた
ウイルス拡散防止部材。
【請求項2】
前記接着手段により前記柄が折り曲げて結合させられた、請求項1のウイルス拡散防止部材。
【請求項3】
前記柄とハート部分の角度が5~10度である、請求項1または2のウイルス拡散防止部材。
【請求項4】
抗菌剤、抗ウイルス剤、銀粒子、および/または光触媒を表面に有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のウイルス拡散防止部材。
【請求項5】
広告を有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のウイルス拡散防止部材。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のウイルス拡散防止部材を用いてウイルスおよび/または病原菌の吸入および/または拡散を防止する方法。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載のウイルス拡散防止部材に広告を付して宣伝する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルス等の拡散防止部材及びその使用方法に関する。より詳しくは、食事時等におけるウイルス等の拡散防止部材及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、コロナウイルスの流行により、会食等が制限されている。会食する場合には、いわゆるマスク会食が推奨されている。これは、マスクを着用し、飲食の時だけマスクの一方を外し、飲食が終わったらまたマスクを付ける、というものであるが、かなり煩雑である。また、飲食した際のビールの泡や、ソースなどがマスクに付着するという問題もあった。
【0003】
飲食用フェイスシールド型のマスクもあるが(例えば、特許文献1)、呼気は防止できるものの、食事の際に大きな塊が食べにくく、ビールのジョッキも飲みにくいという問題があった。
【0004】
そこで、操作が煩雑でなく、マスク会食と同様にウイルスの飛散を防止できる部材や方法の開発が求められていた。
さらに、効果の高い広告方法も求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ウイルスの拡散を防止できる部材およびウイルス拡散防止方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)ハート形の部材であって、
該ハートの凹んだ部分がヒトの鼻にフィットする形状であり、
該ハートの尖った部分の先端に柄を有し、
該柄に接着手段を備えた
ウイルス拡散防止部材。ここで、接着手段とは、例えば、両面テープ、シール、接着剤などが挙げられるがこれらに限られない。柄の形状としては特に制限されないが、長方形、三角形などの多角形、楕円形などが挙げられる。要は、柄を持ったときに安定してハート部分を保持できればよい。
(2)前記接着手段により柄が中央で折り曲げられて結合させられた、(1)のウイルス拡散防止部材。柄は長軸方向(ハートの中央の方向)を中心として接着手段を挟むように折り曲げられるのが好ましい。
(3)前記柄とハートの角度が5~10度である、(1)または(2)のウイルス拡散防止部材。
(4)抗菌剤、抗ウイルス剤、銀粒子、および/または光触媒を表面に有する、(1)~(3)のいずれか1のウイルス拡散防止部材。
(5)広告を有することを特徴とする、(1)~(4)のいずれか1に記載のウイルス拡散防止部材。
(6)(1)~(5)のいずれか1のウイルス拡散防止部材を用いてウイルスおよび/または病原菌の吸入および/または拡散を防止する方法。
(7)(1)~(5)のいずれか1のウイルス拡散防止部材に広告を付して宣伝する方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡易な部材でウイルスの拡散を防止でき、、ウイルスなどの感染のリスクを低下できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明のウイルス拡散防止部材の使用前の図である。
【
図2】
図2は、本発明のウイルス拡散防止部材の使用方法を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明のウイルス拡散防止部材の使用時の形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、略ハート型の形状で、ハートの尖った先の部分(一般的な向きなら下側)に持つための柄を付けたものである。ハートの切れ込み部(凹部)は通常のハートの形状(尖った切れ込み)とは異なり、ヒトの鼻に自然な形で押し当てられるように丸みを帯びた曲線になっている(
図1)。これにより、鼻と本発明の部材との間の隙間を小さくできる。また、ハート型にすることで、インスタグラム映えして拡散される効果も期待できる。
【0011】
使用する場合は、まず、柄に付いている接着手段(例えば、両面テープなど)の側に、中央で内側に向けて柄の長軸方向に平行に折って接着手段(両面テープなど)で接着させる。この両面テープで接着させる部分は、他の接着手段、例えばシール、接着剤、面ファスナー、磁石、クリップなどであってもよく、要は、絵の部分を折り込み結合できればよい。
【0012】
柄を折り込むことで、側面から見た場合ハートの本体部分と柄の間に角度が付く。この角度の大きさの上限は、好ましくは20度以内、より好ましくは15度以内、さらに好ましくは10度以内であり、下限は、好ましくは3度以上、より好ましくは5度以上である。柄の部分を利き手でない方の手で持って、柄の反対側の凹部を顔の鼻に当て、飲食する(
図2、
図3)。
【0013】
このことにより、従来のフェイスガードでは難しい、大型の食材の飲食やビールなどのジョッキから飲むことが容易に可能になる。これは、マスク会食に比べて非常に簡単で、話したり、聞いたりする時だけ本発明の部材で顔を覆い、飲食の際は容易に部材を外せるという利点がある。また、口からの距離を自由に設定できるので、食材の大きさによりウイルス拡散防止部材を口から離したり、近づけたりが自由にできる。
【0014】
すなわち、本発明によれば、従来のマスクやフェイスガードの問題点を解消し、より簡便に、ウイルスや病原菌の飛散や吸入を防止できる。すなわち、ウイルスや病原菌の拡散を防止できる。拡散を防止できるウイルスや病原菌の種類は特に限定されないが、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、風邪ウイルスや、肺炎双球菌、マイコプラズマ、などが挙げられる。特に口や鼻から侵入して感染するウイルスや病原菌に効果が高いと考えられる。
【0015】
さらに、本発明のウイルス拡散防止部材の表面または内部に、抗ウイルス剤や抗菌剤などを塗布したり、埋め込んだり浸透させてもよい。抗ウイルス剤や抗菌剤の例としては、例えば、緑茶カテキン類、銀粒子、光触媒などがあげられるが、これらに限られない。要はウイルスや病原微生物などを殺菌、滅菌または不活化できればよい。ウイルス等を吸着する活性炭を抗ウイルス用途に使用してもよい。この場合は、臭いの強い食べ物(焼肉、くさやなど)にも好適に用いられる。
【0016】
また、ウイルスや病原微生物などが付着すれば発色する試薬を塗布しておいて、会食者の中にウイルス保持者がいればわかるようにしてもよい。さらに、ウイルスや病原菌の種類により、異なる部位が発色するようにして複数のウイルスや病原菌を検出できるようにしてもよい。
【0017】
さらに、持ち手の部分に温度により変色する示温塗料、示温インクまたは示温樹脂などを塗布するか、示温シールを貼ることで、手指の温度を測定できるようにしてもよい。この場合、35℃、36℃、37℃、37.5℃、38℃などを細かく区別できる示温手段が好ましく用いられる。例えば、コロナウイルスの場合、37.5℃以上で警告文字が表示されるようにしてもよい。この場合、手指と額とで温度差がある場合は、適宜補正して、適当な温度で警告が出るようにするのが好ましい。
【0018】
本発明のウイルス拡散防止部材の材質は、特に制限されないが、紙、プラスチック、ビニールなどが好ましい。その中でも、紙(和紙)が、廃棄した場合の環境への悪影響が少ないのでより好ましい。プラスチックやビニールを用いた場合は、透明や色付きなどのバリエーションが可能である。より好ましくは、ウイルスなどの微小な粒子を通しにくいように、空隙の孔径の小さな紙、プラスチック、ビニールなどが好ましい。紙の場合、繊維の方向は、より強度の出やすい縦目方向が好ましい。紙に加えて、柄の部分には両面テープや接着剤用の樹脂などが含まれる。うちわのように、木製の芯を入れてもよい。用途に応じて紙をコーティングしてもよい。
本発明のウイルス拡散防止部材の製造方法は、うちわの製造工程の一部と同様であってもよい。
【0019】
本発明の部材には、絵、似顔絵、ロゴ、マーク、写真や文字等を印刷することができ、広告にも使用できる。印刷は全面でも一部でもよく、片面でも両面でもよい。顔面に向く面とは反対の面に広告を入れることで、前方にいる人が広告を見ることができる。顔面側にもプリントしておけば使用者が見るので、どちらの面に広告を印刷しても宣伝効果が得られる。必要に応じてホログラム等の特殊な効果が出るような広告にしてもよい。
【0020】
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明は、何らこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例0021】
(実施例1)
製造方法
本発明のウイルス拡散防止部材の1実施形態は、
図1のように、ハート形の形状であり、紙などから切り抜いて製造することができる。製造前に片面又は両面に広告を印刷してもよい。紙で製造する場合、繊維4の方向は縦目で制作することが好ましい。これは縦目の方がより強度が高くなるためである。縦目というのは、持ち手5の点線の方向に略平行な方向をいう。必ずしも完全に平行である必要はなく、強度が出る限り持ち手5の点線に対して角度をつけてもよい。ただし、該点線に対して45度以内が好ましい。
【0022】
持ち手5の部分には、
図1のように両面テープ6が設置され、中央で折り合わせることで持ち手の部分が接着され、それに伴い、持ち手と残りの部分との間に角度がつく。この角度は5~10度が好ましい。また、接着部分や持ち手に芯材を入れても良い。広告印刷部は丸の部分に限られず、全面に広告を印刷できる。
【0023】
(実施例2)
図2に、本発明の使用方法を示す。
図2の1のように、持ち手の両面テープの中央に折り目をつけた後、両面テープのシールをはがし、折り合わせて接着させる。これにより、
図2の2、3、
図3のA,Bのように曲面を持った立体になる。持ち手の部分を持ち、傾いている側のハートの上の凹部を顔の鼻の部分に当て、口と鼻を覆う(
図2の4、
図3のC)。これにより、自分がウイルスに感染していてもウイルスの飛散を防止することができ、また、前方の会食者がウイルスに感染している場合の、ウイルス飛沫が自分の鼻や口から入るのを防止することができる。
【0024】
この場合、目は覆われていないので他人からの飛沫が入る可能性がある。そこで、眼鏡を着用するか、目の部分を覆う覆いを使用することがより好ましい。会話する場合は、必ず覆いをしてすることが好ましい。会話をせずに食事する場合は必要に応じて覆った状態で食事をしてもよく、一時的に覆いを取った状態で飲食をしてもよい。この使い方をすることで、本発明のウイルス拡散防止部材により、ウイルス等の感染を防止できるという効果がある。