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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094868
(43)【公開日】2022-06-27
(54)【発明の名称】抗菌性シートおよび抗菌性の薄形製品
(51)【国際特許分類】
   A01N 61/00 20060101AFI20220620BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20220620BHJP
   A01N 25/34 20060101ALI20220620BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20220620BHJP
   A45D 44/12 20060101ALI20220620BHJP
   A47G 9/10 20060101ALI20220620BHJP
   A47G 27/02 20060101ALI20220620BHJP
   A43B 17/00 20060101ALI20220620BHJP
   A47G 9/02 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
A01N61/00 B
A01P3/00
A01N25/34 A
A41D13/11 M
A45D44/12 C
A45D44/12 B
A47G9/10 W
A47G27/02 B
A47G27/02 101B
A43B17/00 C
A47G9/02 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020219990
(22)【出願日】2020-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】520036525
【氏名又は名称】大串 孝
(71)【出願人】
【識別番号】513288894
【氏名又は名称】古川 猛
(71)【出願人】
【識別番号】521010595
【氏名又は名称】水上 博
(72)【発明者】
【氏名】大串 孝
(72)【発明者】
【氏名】古川 猛
【テーマコード(参考)】
3B102
3B120
4F050
4H011
【Fターム(参考)】
3B102BA11
3B120AA14
3B120AB08
3B120AD18
3B120EA03
3B120EA04
3B120EB25
4F050EA01
4F050HA37
4F050HA57
4F050HA58
4F050HA60
4F050HA64
4F050HA91
4F050HA98
4H011AA01
4H011BB20
4H011BC19
4H011DA07
4H011DH02
(57)【要約】
【課題】 モンモリロナイト自体のデトックス性、遠赤外線放射性、抗菌・除菌・消臭性の特性を最大に利用できるようにした抗菌性シートおよび薄形製品を提供する。
【解決手段】 前記目的を達成するための抗菌性シートは、粒径10~300nmに微粉砕したモンモリロナイトを主成分とした微粉砕鉱石アドバンスクレイ(登録商標)をEVA樹脂100重量部に対し5~30重量部混入して成形し、発泡させて製品とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂にモンモリロナイトを主成分とした微粉砕鉱石を混入して成形したことを特徴とする抗菌性シート。
【請求項2】
前記微粉砕鉱石の粒径を10~300nmとし、前記合成樹脂100重量部に対し前記微粉砕鉱石を5~30重量部としたことを特徴とする請求項1に記載の抗菌性シート。
【請求項3】
前記抗菌性シートは気泡を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の抗菌性シート。
【請求項4】
前記合成樹脂をエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂樹脂(EVA)とし、前記微粉砕鉱石をアドバンスクレイ(登録商標)とし、これらを混合して成形し、発泡させて表面を除いて前記微粉砕鉱石を表面に露出させたシートとしたことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の抗菌性シート。
【請求項5】
前記請求項1~4のいずれか1項に記載の抗菌性シートを加工素材として利用したことを特徴とする抗菌性の薄形製品。
【請求項6】
熱可塑性合成樹脂に粒径10~300nmのモンモリロナイト主成分の微粉砕鉱石を合成樹脂100重量部に対し前記微粉砕鉱石を5~30重量部混入して成形したことを特徴とする抗菌性の薄形製品。
【請求項7】
前記微粉砕鉱石をアドバンスクレイ(登録商標)とし、熱可塑性合成樹脂100重量部に対し前記アドバンスクレイ(登録商標)を5~30重量部としたことを特徴とする請求項6に記載の抗菌性の薄形製品。
【請求項8】
前記抗菌性の薄形製品は、気泡を有していることを特徴とする請求項6または7に記載の抗菌性の薄形製品。
【請求項9】
前記の薄形製品が、トレイ、配管被覆材、玄関マットや岩盤浴マット等のマット、ベッドカバー、枕カバー、腹巻き・腕巻き・ふくらはぎ巻き・首巻き、首巻き、膝掛け・肩掛け・膝カバー、ふんどし、アイマスク・フェイスマスク、マスクと顔の間に挟むシート、インソールであることを特徴とする請求項6~8のいずれか1項に記載の抗菌性の薄形製品。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は大気、水、食品、人体等に接触することによりイオン吸着、遠赤外線放射等の作用で、接触物の細菌の増殖を抑えるとともに滅菌する作用や消臭する作用等を有するモンモリロナイトを主成分とした微粉砕鉱石を混入した抗菌性シートおよび抗菌性の薄形製品に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化が進む社会環境下、健康な日常生活を送るため、健康関連商品が多数出現している。その中で、衛生性が重視され、これに対応するように抗菌機能や消臭機能を有する多くの商品が出現している。商品に抗菌性を付与する方法としては、銀系無機抗菌剤に代表される無機抗菌剤や、光触媒機能を示す無機材料、モンモリロナイト等に抗菌剤を吸蔵・担持させる方法が主流(特許文献1、2)である。また、別の方法としては、抗菌性剤を商品の表面に塗工する方法もある。シートにおいても同様に抗菌性を付与されて製造する方法が採用されている。
【0003】
モンモリロナイト自体を抗菌剤としてエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)等の合成樹脂に混入して製造した汎用性の高い抗菌性のシートや製品はなかった。また、モンモリロナイトを主成分とした微粉砕鉱石アドバンスクレイ(登録商標)を抗菌剤としてエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)等の合成樹脂内に混入して製造したシート等の製品はなかった。
【0004】
すなわち、従来は抗菌性のモンモリロナイト粒子を樹脂組成物中に混入した場合、その粒子径は、数μm~数十μmである。そのため、モンモリロナイトをシート樹脂中に混入しても、その表面積も粒子径がμmのオーダーなので、その粒子の外部に露出する表面積が限定され、十分に活用できないことになり、それら粒子の持つ優れた抗菌性が活かされないことになる。また、モンモリロナイトが樹脂に覆われてモンモリロナイトの有する抗菌効果等を十分得ることができないことが多い等の問題点がある。さらに、ナノメートル単位のモンモリロナイトを主成分とした鉱石を母材に均一に分散させることが困難であって、表面積を大きくして活用する余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-142832号公報
【特許文献2】特開平1-313533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記課題を解決すべくなされたものであって、ナノメートル単位のモンモリロナイトを主成分とした鉱石を母材に均一に分散させることが困難であって、存在しなかったモンモリロナイトを主成分とした微粉砕した鉱石を混入した抗菌性シートおよび薄形製品を得ることを目的としている。また、自然界に多量に存在している粘土鉱物を微粉砕化したアドバンスクレイ(登録商標)を使用することで、安定した品質を得ることができる抗菌性シートおよび薄形製品を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための請求項1に記載の抗菌性シートは、合成樹脂にモンモリロナイトを主成分とした微粉砕鉱石を混入して成形したことを特徴とする。
【0008】
合成樹脂は、その種類により、成形加工性、透明性にすぐれ、耐候性、耐ストレスクラック性にすぐれているものを用途により選択することができる。そのため、抗菌性、消臭性の日用品として利用したとき、見映えを良くでき、衛生感があるうえ、超微細化して混合した鉱物のデトックス性、抗菌性、遠赤外線放射等の効能を十分利用できる材料である。
【0009】
合成樹脂としては、用途や加工性等を考慮して選択すればよい。熱可塑性合成樹脂の例としては、特にABS(アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー)、ポリアミド(PA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、または、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)およびポリエチレンジシクロペンタジエンポリマー(COC)等のポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルクロリド(PVC)、ポリラクチド(PLA)、ポリスチレン(PS)、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、または、エチレン-プロピレン-ジエン-ゴムまたはスチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマー(SBS)およびスチレン/エテンブテン/スチレン(SEBS)ならびにポリウレタンより選択される熱可塑性エラストマー等が挙げられる。熱硬化性合成樹脂の例としては、架橋エポキシド、ベークライト、架橋ポリエステル樹脂および架橋ポリウレタンが挙げられる。
【0010】
モンモリロナイトは、総称ベントナイト(ナノクレイ)と言われ、デトックス性や炎症や痛みを抑える抗菌性・殺菌性、皮膚の炎症や毒素の除去、遠赤外線放射の効果を有している鉱物である。本発明における微粉砕鉱石とはモンモリロナイト主成分の鉱物を超微粉化したクレイである。そのモンモリロナイトを超微粉化し、シート内に均一に分散したことにより、最大限に効果を発揮させることができる。
【0011】
シートの成形方法としては、通常の合成樹脂の成形に用いられる射出成形法,押出成形法、ブロー成形法、真空成形法、圧縮成形法等、微粉砕鉱石を均一に分散できる成形方法であれば、特に制限されない。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の抗菌性シートにおいて、前記微粉砕鉱石の粒径を10~300nmとし、前記合成樹脂100重量部に対し前記微粉砕鉱石を5~30重量部としたことを特徴とする。
【0013】
この発明の抗菌性シートは、10~300nmに微粉砕したモンモリロナイトを主成分とした微粉砕鉱石を前記合成樹脂100重量部に対し前記微粉砕鉱石を5~30重量部としたことで、モンモリロナイトのデトックス性等の効果を十分発揮させることができる。
【0014】
製品シート(以下、単にシートという)の厚みとしては、0.5~10mm程度がアドバンスクレイ(登録商標)の効能を効率よく発揮でき、使い勝手がよく、好ましい。
【0015】
モンモリロナイトを主成分とした微粉砕鉱石の粒径を10~300nmとしたのは、10nm未満では均一混合が困難になるからである。また、300nmを超えると、モンモリロナイトのデトックス性等の効果を十分発揮させることが難しいからである。
【0016】
また、合成樹脂100重量部に対し前記微粉砕鉱石を5~30重量部としたのは、5重量部未満では、モンモリロナイトのデトックス性等の効果を十分発揮させることが難しいからである。均一混合が困難になるからである。また、30重量部を超えると、シートの取り扱い難くなるからである。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の抗菌性シートにおいて、前記抗菌性シートは気泡を有していることを特徴とする。
【0018】
抗菌性シートの気泡は、連続気泡でも独立気泡でもよく、シートを使用する際に通気や通水が必要な場合に連続気泡となるように発泡成形すればよい。気泡を有することで重量を軽くできて、固くなるのを緩和でき、取り扱いやすくできる。
発泡シートの成形方法としては、通常の合成樹脂の発泡成形に用いられる射出成形法,押出成形法、ブロー成形法、真空成形法、圧縮成形法等発泡製品を製造できる成形方法であれば特に制限されない。なお、気泡に加えて貫通孔を別途設けて通気性をよくしたシートとしてもよい。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項1~3のいずれか1項に記載の抗菌性シートにおいて、前記合成樹脂をエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)とし、前記微粉砕鉱石をアドバンスクレイ(登録商標)とし、これらを混合して成形し、発泡させて表面を除いて前記微粉砕鉱石を表面に露出させたシートとしたことを特徴とする。
【0020】
エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)は、成形加工性、透明性にすぐれ、耐候性、耐ストレスクラック性にすぐれている。そのため、EVAは、アドバンスクレイ(登録商標)を混合してシートとしたとき、衛生感があるうえ、抗菌性等のモンモリロナイトを主成分とした微粉砕鉱石の効能を十分利用できる樹脂である。
【0021】
表面を除いて前記アドバンスクレイ(登録商標)を表面に露出させたシートとしたことにより、モンモリロナイトが有するデトックス性や炎症や痛みを抑える抗菌性・殺菌性、遠赤外線放射機能や各種のものに対する吸着性を有効に利用できる。
【0022】
請求項5に記載の発明は、請求項1~4のいずれか1項に記載の抗菌性シート加工素材として利用したことを特徴とする抗菌性の薄形製品である。
【0023】
シートから加工される薄形製品の例としては、布団用シート、ベッドカバー、枕カバー、腹巻き・腕巻き・ふくらはぎ巻き・首巻き、首巻き、膝掛け・肩掛け・膝カバー、ふんどし、アイマスク・フェイスマスク、マスクと顔の間に挟むシート、インソール、岩盤浴マットやペット用マット等のマットが挙げられる。効能からシートを利用する製品としては、除菌・抗菌・消臭を主に利用した用途では、冷蔵庫・食器棚・トレイ・弁当箱等用の製品がある。その他、除菌・抗菌・消臭を主に利用した用途では、タンス、トイレ、玄関、下駄箱、洗面所クローゼットで利用する製品がある。さらに、ペットの血流改善と除菌・消臭の利用する製品がある。さらに、植物の成長促進や日持ち延長、果物の円熟促進や日持ちの効果があるのを利用する製品がある。ワイン・焼酎・日本酒・ウイスキーの瓶に巻くとまろやかに美味しくなり、水道管に巻くと水がまろやかになりまた浴槽に水垢が着きにくくなり、また湯冷めしにくい、ガス管に巻くとガス消費量の節約になるとも考えられる効果があるのを利用する製品がある。さらに、袋状の物等が挙げられる。
【0024】
また、本発明のシートの用途としては、シートとして利用するのではなく、大型物品の表面や肉厚製品に貼り付けたり積層して利用しても良い。
【0025】
シートからどのような用途の商品に加工しても、モンモリロナイトを主成分とした微粉砕鉱石を利用するので、デトックス性、遠赤外線放射等に基づく、抗菌性、殺菌性、消臭性、遠赤外線放射性シートの性能をそのまま利用することができる。そのため、その商品においても、抗菌性と殺菌性等の性能が得られ且つ快適に使用できる。
【0026】
請求項6に記載の発明は、熱可塑性合成樹脂に粒径10~300nmのモンモリロナイト主成分の微粉砕鉱石を合成樹脂100重量部に対し前記微粉砕鉱石を5~30重量部混入し、発泡させて成形したことを特徴とする抗菌性の薄形製品である。
【0027】
この発明の抗菌性の薄形製品は、粒径10~300nmに微粉砕したモンモリロナイトを主成分とした微粉砕鉱石を前記熱可塑性樹脂100重量部に対し前記微粉砕鉱石を5~30重量部としたことで、モンモリロナイトのデトックス性等の効果を十分発揮させることができる薄形製品を得ることができる。
【0028】
熱可塑性合成樹脂の種類や混合割合は、前記シートの場合と同様である。また、微粉砕鉱石の粒径や混入割合も、前記シートの場合と同様である。
薄形製品(以下、単に製品という)の厚みとしては、0.5~10mm程度がモンモリロナイトを主成分とした微粉砕鉱石の効能を効率よく発揮でき、使い勝手がよく、好ましい。
【0029】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記微粉砕鉱石をアドバンスクレイ(登録商標)としたことを特徴とする。
【0030】
アドバンスクレイ(登録商標)は、総称ベントナイト(ナノクレイ)と言われているモンモリロナイトを超微粉化した粒径が10~300nmの範囲にあるクレイである。また、モンモリロナイト成分も安定しており、モンモリロナイトのデトックス性や炎症や痛みを抑える効果、消臭性、抗菌性や遠赤外線放射等に優れている。
【0031】
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の発明において、前記抗菌性の薄形製品は、気泡を有していることを特徴とする。
【0032】
抗菌性製品の気泡は、シートの場合と同じで、連続気泡でも独立気泡でもよく、シートを使用する際に通気や通水が必要な場合に連続気泡となるように発泡成形すればよい。通気、通水が必要な製品の場合には、気泡に加えて通気孔を設けても良い。
【0033】
請求項9に記載の発明は、請求項6~8のいずれか1項に記載の発明において、前記の薄形製品が、トレイ、配管被覆材、玄関マットや岩盤浴マットやペット用マット等のマット、ベッドカバー、枕カバー、腹巻き・腕巻き・ふくらはぎ巻き・首巻き、首巻き、膝掛け・肩掛け・膝カバー、ふんどし、アイマスク・フェイスマスク、マスクと顔の間に挟むシート、インソール等であることを特徴とする。
【0034】
シートから形成すると、立体製品の場合に、使い勝手が良くない物があるので、その製品に適合した形状に特別に成形することで、使い勝手の良い製品を得ることができる。
【発明の効果】
【0035】
この発明においては、抗菌性シートおよび薄形製品は、超微細化されたモンモリロナイトを主成分とした微粉砕鉱石を母材の樹脂中に均一に分散させている。これにより、モンモリロナイトを主成分とした微粉砕鉱石のデトックス性、抗菌性・殺菌性・消臭性、遠赤外線放射性等の性能を最大限に発揮させることができる。微粉砕鉱石としてアドバンスクレイ(登録商標)を用いることにより、より有効にモンモリロナイトの性能を最大限に発揮させることができる。さらに、微粉砕鉱石を表面に露出させることで、より効果的にデトックス性、抗菌性・殺菌性・消臭性、遠赤外線放射性等の性能を最大限に発揮させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0037】
この実施形態による抗菌性シートは、抗菌成分であるモンモリロナイトがナノメートル単位に超微粉化された粒径10~300nmのモンモリロナイトを主成分とした微粉砕鉱石アドバンスクレイ(登録商標)をEVA樹脂100重量部に対し5~30重量部混入れて成形し、加熱発泡させて素材シートを製造する。この素材シートを加熱発泡させて発泡シートとする。そして、発泡シートをスライスすることで、さらに、モンモリロナイトを主成分とした微粉砕鉱石であるアドバンスクレイ(登録商標)をシート表面に露出させている。
【0038】
EVA樹脂は、摂取しても毒性が無く、透明であり、耐候性、耐ストレスクラック性にすぐれ、成形が容易であることから使用される。この性質により、食品関連に広く使える抗菌性シートを得ることができる。
【0039】
モンモリロナイトを主成分とした微粉砕鉱石のアドバンスクレイ(登録商標)は、総称ベントナイトと言われているモンモリロナイトを粒径10~300nmの超微粉化している。これにより、モンモリロナイトの効能のデトックス、遠赤外線放射性等の効果をシートにおいても十分に得ることができる。
【0040】
モンモリロナイト(クレイ)は美容と健康にいい影響を与えてくれる要素がたくさんあり、デトックス、遠赤外線放射、抗菌・殺菌、消臭、炎症や痛みを抑える、瘢痕形成・皮膚の再生の効能があるとされている。
【0041】
モンモリロナイトを主成分とした微粉砕鉱石のアドバンスクレイ(登録商標)の粒径を10~300nmとしたのは、細かすぎると微細化のコストがかかりすぎるのと樹脂中への均一分散が難しくなるからである。また、粒径が300nm以上では殺菌・抗菌の効果が減衰される恐れがあるからである。
【0042】
モンモリロナイトを主成分とした微粉砕鉱石のアドバンスクレイ(登録商標)をEVA樹脂100重量部に対し5~30重量部としたのは、5重量部未満では、モンモリロナイトの効能のデトックス、抗菌・殺菌、消臭等の効果をシートにおいても十分に得ることができないからである。また、30重量部以下としたのは、使用時の違和感の軽減および成形時と型決定時の容易さからである。
【0043】
上記の構成のシートの製造方法の一例として、EVA樹脂を主成分とした樹脂にモンモリロナイトを主成分とした微粉砕鉱石アドバンスクレイ(登録商標)を混入して混練し、成形して素材シートを得、素材シートを加圧・加熱して、発泡シートを得る。次いで、発泡シートをスライスする成形例で説明したが、シート,薄形製品の成型方法はこれに限られないことは勿論である。
【0044】
以上のように、EVA樹脂に、微粉砕化したモンモリロナイトを主成分とした微粉砕鉱石アドバンスクレイ(登録商標)を混入することにより、シートに接触した物品や雰囲気の細菌の増殖を抑制することや遠赤外線の放射が可能となる。
【0045】
(実施の形態2)
抗菌性シートの派生製品のフェイスマスクやマスクと顔の間に挟むフィルム又はシートを、粒径が10~300nmのモンモリロナイトを主成分としたアドバンスクレイ(登録商標)をシリコン樹脂100重量部に対し5~30重量部混入し、成形して製造した。このフィルム、素材シート又は製品は厚さ0.2~0.3mmとした。このように、モンモリロナイトを主成分とした微粉砕鉱石であるアドバンスクレイ(登録商標)を製品に均一に分散させている。
【0046】
本発明のシート又はフィルムは、遠赤外線放射機能を利用した血流促進を図った、布団用シート、ベッドカバー、枕カバー、腹巻き・腕巻き・ふくらはぎ巻き・首巻き、首巻き、膝掛け・肩掛け・膝カバー、ふんどし、アイマスク・フェイスマスク、マスクと顔の間に挟むシート、インソール、岩盤浴等がある。除菌・抗菌・消臭を主に利用した用途では、冷蔵庫・食器棚・トレイ・弁当箱等がある。その他、除菌・抗菌・消臭を主に利用した用途では、タンス、トイレ、玄関、下駄箱、洗面所クローゼットでの利用がある。さらに、ペットの血流改善と除菌・消臭の利用がある。さらに、植物の成長促進や日持ち延長、果物の円熟促進や日持ちの効果がある。水道管に巻くと水がまろやかになり、ガス管に巻くとガス消費量の節約になるとも考えられる。
【0047】
上記実施形態による抗菌性シートを、EVA樹脂とアドバンスクレイ(登録商標)を用いてバッチ成形、加熱・加圧発泡成形する例で説明しているが、この成形方法に限られないことは勿論である。通常の射出成形法、押出成形法、ブロー成形法で発泡製品を製造できる。また、フィルムについても樹脂の種類、形方法は上記説明に限られない。