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▶ 松 俊彦の特許一覧

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  • 特開-雨水貯留槽の構築工法 図1
  • 特開-雨水貯留槽の構築工法 図2
  • 特開-雨水貯留槽の構築工法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094870
(43)【公開日】2022-06-27
(54)【発明の名称】雨水貯留槽の構築工法
(51)【国際特許分類】
   E03F 1/00 20060101AFI20220620BHJP
【FI】
E03F1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020219992
(22)【出願日】2020-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】508023710
【氏名又は名称】松 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】松 俊彦
【テーマコード(参考)】
2D063
【Fターム(参考)】
2D063AA01
2D063AA11
(57)【要約】
【課題】 従来雨水貯留に関してはポリプロピレン製の大型ブロックを積み重ね貯留槽を埋設する工法があるが、大型のインジェクション装置を持った一部の製造業者に供給が限られ、その為製造コスト並びに輸送コストが非常に高くつき、施工コストも含めた価格の低減とより簡便な工法が求められている。
【解決手段】 容易に手に入る合成樹脂製円筒管を並べ、あるいは積層し、緊結して雨水貯留ブロックを構築する。これにより低価格で簡便にかつ広く一般に供給できる雨水貯留槽を施工し、供給することができる。
この緊結した合成樹脂製円筒管の複数の設置により構築する雨水貯留槽工法を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂からなる円筒管を一層、あるいは多層に積み重ね、板材で保護の上、止水層あるいは浸透層と保護層を設置し、雨水貯留槽を形成することを特徴とする雨水貯留槽工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は合成樹脂からなる円筒管を一層あるいは多層に積み重ね、板材で保護の上止水層あるいは浸透層と保護シートを設置し、雨水貯留槽を形成する工法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来雨水貯留に関しては貯留池またはポリプロピレンによる空洞を有したブロックを積み重ね貯留槽を埋設する方法がとられている。従来技術のブロック貯留槽を埋設する工法においては、個々のブロックが大きい為、大型のインジェクション装置を持った一部の製造業者に供給が限られていた。
【0003】
その為製造コスト並びに、施工コストや輸送コストが地域により非常に高くついた。
【0004】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-044382
【0006】
【特許文献2】特開2019-138080
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した従来の施工法では、複数の大型ブロックを埋設するのであるが、ブロック毎の成型に大型のインジェクション装置での成型が必要であり、金型も大型で高価なものになるゆえに、償却の負担も大きくなり製品価格に大きく影響するとともに成型可能な製造業者が限られた。
【0008】
成型業者が数少ないため製造のリードタイム及び、消費地への遠距離の輸送となるため納品までのリードタイムが長くなり、製品のスムースな納材の妨げとなるとともに、輸送費も高くついた。
【0009】
成型品のコストが高く、製品のスムースな納材の妨げが工事価格に大きく影響を与えていた。
【0010】
スムースな納材面の支障及び価格面が、施工の簡便さにもかかわらずブロック設置による雨水貯留槽の普及の妨げになっていた。
【0011】
本発明は、容易に手に入る合成樹脂製円筒管を一層あるいは多層に重ねて設置し、雨水貯留槽の構築を提供することにより、従来の構成の材料が有していた問題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
雨水貯留槽を構築するため、合成樹脂製円筒管は直径150mmから直径750mmの範囲の物を使用するが、工事現場での施工性を考慮すると直径200mmから300mmの範囲が望ましい。
【0013】
合成樹脂製円筒管の長さは600mmから4,000mmの範囲の物を使用するが、望ましくは1,000mmから2,000mm程度の長さの範囲が望ましい。
【0014】
合成樹脂円筒管には10mmから100mm程度の開口を表面に任意にまたは整列させて、一定の間隔で表面積当たり0.1%から20%設置する。この開口が貯留槽内の雨水の流動性を確保する。
【0015】
雨水貯留槽の規模が大きく合成樹脂製円筒管が複数直列する場合、円筒管同志の間隔を30mmから100mm程度開けることにより、合成樹脂製円筒管への開口の設置を省略することができる。
【0016】
合成樹脂製円筒管の管頭・管尾は特に蓋をしなくてもいが、雨水貯留槽の外周に面する管頭・管尾は防水層、半浸透層の保護のためにキャップを設けることも望ましい。
【0017】
合成樹脂製円筒管同志の緊結は、必ずしも必要としないが、多層に渡るときは層の安定と崩れ防止のため、熱融着や溶着液などの接着剤での接着や、ステンレス製や樹脂製の緊結具で結束し、あるいは両者の併用、またビス・ボルトとの併用でもよい。ステンレス製ベルトや合成樹脂テープを合成樹脂円筒管の隣り合う2本の合成樹脂製円筒管の中を通し緊結し3本結束しブロックとすることも可能である。
【0018】
雨水貯留槽はその性格により貯留型、浸透型、貯留浸透型の槽を構築するが、シート類(遮水シート、透水シート、半浸透水シート)の組み合わせを変えて施工し、さらに保護シートで覆うことにより所定の機能の雨水貯留槽が構成される。
【0019】
底面、側面に要求性能に応じた機能のシートを設置した上に保護シートを敷設し、その上に円筒管をセットにし、2段3段に設置し必要m数の雨水貯留容積を確保し、保護板を設置し保護シートさらに必要機能のシートで覆い止付ける。
【0020】
上面の保護板の上に保護シートを敷設した上に500mmの土砂の埋め戻しを行い雨水貯留槽の完成とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明により、広く一般に流通している塩ビ管などを利用し雨水貯留槽の構築を簡便に施工することができ、また設置も非常に簡単に施工できため、全国一律にその製品を容易に流通させることができブロック埋設型の雨水貯留槽を普及させ、集中豪雨による雨水氾濫の被害防止に大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明にかかわる雨水貯留槽用の合成樹脂円筒管のブロックの正面図である。
図2】合成樹脂円筒管のブロックの側面図である。
図3】ブロックの敷設法の略図
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1の正面図、図2の側面図に示すように、この発明の実施例は、合成樹脂製円筒管を緊結し一体でブロックとする工法である。また、合成樹脂製円筒管には任意の位置に開口を設け、雨水貯留槽内の貯留水の流動性を保たせる。
【0024】
合成樹脂製円筒管は管頭・管尾の両側から緊結具やあるいは館内を通して、溶着、接着などで固定され、一体となり、全体でブロックを構成し雨水貯留槽となる。
【0025】
図3の方法で、合成樹脂製円筒管を敷設し、図3のように積層し雨水貯留槽の必要容積を確保する。
【0026】
合成樹脂製円筒管同志は施工中荷崩れしないようまた施工後の雨水貯留槽が安定するよう緊結方法をとり固定する。
【符号の説明】
【0027】
1.合成樹脂製円筒管
2.緊結具
3.開口
図1
図2
図3