IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社岸工業の特許一覧

<>
  • 特開-除菌およびウイルス不活化装置 図1
  • 特開-除菌およびウイルス不活化装置 図2
  • 特開-除菌およびウイルス不活化装置 図3
  • 特開-除菌およびウイルス不活化装置 図4
  • 特開-除菌およびウイルス不活化装置 図5
  • 特開-除菌およびウイルス不活化装置 図6
  • 特開-除菌およびウイルス不活化装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094881
(43)【公開日】2022-06-27
(54)【発明の名称】除菌およびウイルス不活化装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/18 20060101AFI20220620BHJP
   A61L 2/24 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
A61L2/18
A61L2/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021017318
(22)【出願日】2021-02-05
(31)【優先権主張番号】P 2020207757
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520168033
【氏名又は名称】株式会社岸工業
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸 真之介
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA30
4C058BB07
4C058DD11
4C058JJ07
4C058JJ08
4C058JJ24
(57)【要約】
【課題】購買者が自身で、製品を入れた状態の製品籠や製品に付着している可能性のある菌の除菌、ウイルスの不活化をする装置を提供する。
【解決手段】除菌およびウイルス不活化装置1は、本体11と、製品籠を噴霧体で処理する空間である上部処理室12と、処理液を貯留する処理液タンク151と、処理液タンク151から送られる処理液を、上部処理室内の製品籠へ向かって噴射する1つまたは1つ以上の噴射部21と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体の上方に設けられ、製品を入れた状態の製品籠または製品籠を噴霧体で処理する空間である上部処理室と、
前記上部処理室で処理される製品籠を載置するための載置部と、
処理液を貯留する処理液タンクと、
前記処理液タンクから送られる前記処理液の噴霧体を、前記上部処理室内の前記製品籠へ向かわせる噴霧体生成部と、を備える、除菌およびウイルス不活化装置。
【請求項2】
前記噴霧体生成部は、
前記処理液を噴射する1つまたは1つ以上の噴射部を備え、
前記噴射部から噴射された噴霧体が直接、前記上部処理室内へ送られる、および/または、
前記噴射部から噴射された噴霧体が跳返部で接触させてから、前記上部処理室内へ送られる、請求項1に記載の除菌およびウイルス不活化装置。
【請求項3】
非接触感知センサと、
制御部と、
コンプレッサーと、を備え、
前記制御部は、前記非接触感知センサで感知された信号に応じて、前記コンプレッサーを駆動し、前記処理液を所定時間噴射するように制御する、
請求項1または2に記載の除菌およびウイルス不活化装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は菌の除菌およびウイルスを不活化するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2は、店舗で使用される籠を洗浄する洗浄装置を開示している。特許文献3は、積み重ねたレジ籠を殺菌するレジ籠殺菌装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3059826号公報
【特許文献2】特開2020-75230号公報
【特許文献3】実用新案登録第3229167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1から3のいずれも、使用をしていない時の洗浄および殺菌を目的としており、複数の籠をまとめて処理している。
本発明は、購買者が自身で、製品を入れた状態の製品籠や製品に付着している可能性のある菌の除菌(あるいは殺菌)、ウイルスの不活化(抑制)をする装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の除菌およびウイルス不活化装置は、
本体と、
前記本体の上方に設けられ、製品を入れた状態の製品籠または製品籠を噴霧体で処理する空間である上部処理室と、
前記上部処理室で処理される製品籠を載置するための載置部と、
処理液を貯留する処理液タンクと、
前記処理液タンクから送られる前記処理液の噴霧体を、前記上部処理室内の前記製品籠へ向かわせる噴霧体生成部と、を備える。
前記噴霧体生成部は、
前記処理液を噴射する1つまたは1つ以上の噴射部を備え、
前記噴射部から噴射された噴霧体が直接、前記上部処理室内へ送られる、および/または、
前記噴射部から噴射された噴霧体が跳返部で接触させてから、前記上部処理室内へ送られる。
跳返部で、噴霧体を接触させることで、噴霧体の移動方向を籠に向かって変更させ、かつ噴霧体の平均粒径を小さくできる。
【0006】
前記除菌およびウイルス不活化装置は、
処理すべき製品籠を、前記上部処理室の外から内へ、および内から外へ自動で出し入れする自動搬送手段(コンベア、ロボットアームなど)と、
前記上部処理室の外にある製品籠を自動検知および/またはユーザの指示を検知するセンサと、
前記センサの検知信号を受信したことを応じて、前記自動搬送手段を駆動し、前記製品籠を前記上部処理室の外から内へ移動し、所定時間経過後に、前記製品籠を前記上部処理室の外から内へ移動することを制御する制御部と、を有していてもよい。
自動搬送手段の上に製品籠が直接載っている構成でもよく、かかる場合に、自動搬送手段が載置部の機能を兼ねていてもよい。
【0007】
好ましい実施形態の前記除菌およびウイルス不活化装置(1)は、
本体(11)と、
前記本体(11)の上方に設けられ、製品を入れた状態の製品籠(G)または製品籠を噴霧体で処理する空間である上部処理室(12)と、
前記上部処理室(12)で処理される製品籠(G)を載置するための載置部(117、118)と、
前記本体(11)の内部で、かつ前記上部処理室(12)より下方に設けられ、所定量の処理液が貯留している桶(112)と、
処理液を貯留する処理液タンク(151)と、
前記処理液タンク(151)から送られる前記処理液を、前記桶(112)の液面へ向かって上方から噴射する1つまたは1つ以上の噴射部(21)と、
を備えていてもよい。
前記除菌およびウイルス不活化装置(1)は、
非接触感知センサ(40)と、
制御部(30)と、
コンプレッサー(115)と、を備え、
前記制御部(30)は、前記非接触感知センサ(40)で感知された信号に応じて、前記コンプレッサー(115)を駆動し、前記噴射部(21)で前記処理液を前記桶(112)の液面に向かって、所定時間噴射するように制御してもよい。
前記本体(11)は、
その前面に突設され、製品籠(G)を載置可能な籠台(15)と、
前記桶(112)が載置される桶台(113)と、
前記桶(112)の上縁部と接続され、上部処理室(12)より下方または桶(112)よりも上方の本体(11)の側面(全周囲)に接続されるように設けられ、噴霧体を上部処理室(12)へ案内し、かつ噴霧体が液化した処理液を桶(112)へ案内する案内内壁(111)と、
前記本体(11)の下方に設けられる、コンプレッサー(115)が載置される底台(116)と、を備えていてもよい。
桶(112)の液面および/または案内内壁(111)は、噴霧体生成部の一構成要素(跳返部)として機能してもよい。
【0008】
他の好ましい実施形態の前記除菌およびウイルス不活化装置(1)は、
本体(11)と、
前記本体(11)の上方に設けられ、製品を入れた状態の製品籠(G)または製品籠を噴霧体で処理する空間である上部処理室(12)と、
製品を入れた状態の製品籠または1つ以上の製品籠が載置され、装置内へ出し入れ可能な構成の籠載置部(151a)と、
籠載置部(151a)を載せて移送するため移送部(117a、118a)と、
噴射案内部111aと、を有していてもよい。
前記噴射案内部(111a)は、案内内壁112a、および案内内壁の下方の縁に接続される底面(114a)を有していてもよい。
底面(114a)に1つまたは複数の噴射部(21a)が設けられていてもよい。噴射部(21a)は、案内内壁(112a)に向かって処理液を噴霧してもよい。
噴射案内部(111a)および/または案内内壁(112a)は、噴霧体生成部の一構成要素(跳返部)として機能してもよい。
【0009】
本発明によれば、購入者が自ら、製品を入れた状態の製品籠を本発明の装置へ入れて、殺菌あるいはウイルスの不活化を簡便に行える。
また、製品籠のみでも処理できるが、製品をいれた状態の製品籠に対して処理できるため、製品に付着した菌やウイルスに対しても処理できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】除菌およびウイルス不活化装置の外観の一例を示す図である。
図2】除菌およびウイルス不活化装置の内部構成の一例を示す図である。
図3】除菌およびウイルス不活化装置の内部構成の一例を示す図である。
図4】第二実施形態の除菌およびウイルス不活化装置の外観の一例を示す図である。
図5】第二実施形態の除菌およびウイルス不活化装置1aの開閉作業の一例を示す図である。
図6】第二実施形態の除菌およびウイルス不活化装置の内部構成の一例を示す図である。
図7】第二実施形態の除菌およびウイルス不活化装置1aによる処理液の噴射の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態1>
図1~3に、本実施形態の除菌およびウイルス不活化装置1の外観、構成を示す。
装置1は、本体11と、本体11の上方に設けられ、製品を入れた状態の製品籠Gまたは製品籠Gを噴霧体で処理する空間である上部処理室12と、を備える。
本体11は、特に制限されないが、直方体形状で、金属フレーム、金属パネルあるいは樹脂製パネルで構成されていてもよい。
【0012】
上部処理室12は、直方体形状で、金属フレーム、金属パネルあるいは樹脂製パネルで構成されていてもよい。本実施形態では、前面に配置され、製品籠Gの出し入れとなる開閉可能な出入口パネル121が設けられている。天面に透明パネルの窓123またはLEDライトが設けられる。左右の両側面および後面(奥面)は、透明または半透明板材で構成されている。
【0013】
上部処理室12で処理される製品籠Gは、棒状の第一載置部117、第二載置部118に載置される。第一載置部117、第二載置部118は、本体11と上部処理室12の境界において、前から奥へ向かって互いに平行に配置される。
出入口パネル121は、取っ手(不図示)を有し、取っ手側のパネルの1辺に磁力の開閉部材が設けられ、それと接する上部処理室12のフレーム(F1)に対応する開閉部材が設けられている。磁石が設けられた1辺と対向する1辺側は、ヒンジ部材で上部処理室12のフレームに取り付けられている。
【0014】
桶112は、本体11の内部で、かつ上部処理室12より下方に設けられ、所定量の処理液が貯留している。桶112は、本体11の中間高さに設けられた桶台113に載置される。
案内内壁111は、桶112の上縁部と接続され、上部処理室12より下方または桶112よりも上方の本体11の側面(全周囲)に接続されるように設けられる。これにより、噴霧体を上部処理室12へ案内し、かつ噴霧体が液化した処理液を桶112へ案内する(戻す)。
桶112は、本体11または案内内壁111と着脱可能に取り付けられる。これにより、処理液の交換や掃除などを簡便に行える。
【0015】
本体11は、その前面に突設され、製品籠Gを載置可能な籠台15を備える。籠第15の内部に、処理液を貯留する処理液タンク151が設けられる。
処理液タンク151は、籠台15の内部へ出し入れ可能に設置でき、処理液の交換や掃除などを簡便に行える。
処理液タンク151には、処理液を、各噴射部21の各液体噴射部へ送るための配管(不図示)が設けられている。
【0016】
棒状の噴射部設置部114は、本体11と上部処理室12の境界において、前から奥へ向かって配置される。本実施形態では、第一載置部117、第二載置部118と同様の高さで、取り付けられ、製品籠Gの載置部の機能も兼ねている。
複数の噴射部21は、噴射部設置部114に取り付けられ、処理液タンク151から送られる処理液を、桶112の液面へ向かって上方から垂直に噴射する。
【0017】
一つの噴射部21は、気体を噴射する、少なくとも2つの気体噴射部と、液体を噴射する一つの液体噴射部とを備え、前記気体噴射部から噴射した気体同士を前記液体噴射部の先端より前方で衝突させて形成した衝突部または当該衝突部を含む部分と、前記液体噴射部で噴射した液体とを衝突させて当該液体を霧化する液体霧化装置、で構成される。
液体霧化装置は、特許第5140712号、特許第5261367号、特許第5971640号に開示された装置で構成されることが好ましい。
噴射部21から噴霧される噴霧体は、平均粒子径(SMD)が30μm以下、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。
気体を噴射する圧力は、0.3MP以下、好ましくは0.2MPa以下で噴射される。
処理液を噴射する圧力は、0.3MP以下、好ましくは0.2MPa以下、より好ましくは0.1MPa以下で噴射される。
気水比(空気量/噴霧量)が600以下、好ましくは400以下、より好ましくは300以下である。空気量(NL/分)は、例えば30以下で、噴霧量(ml/分)は例えば100以下である。
【0018】
本体11の下方にコンプレッサー115が載置される底台116が設けられる。
本体側面の2つのフレームの底面または底台116の4角にそれぞれ車輪18が取り付けられる。
コンプレッサー115は、配管1151を介してエアを、各噴射部21の各気体噴射部へ送る。
【0019】
本体11または上部処理室12の側面フレームに非接触感知センサ40が設置される。非接触感知センサ40は、無線通信または有線で電気的に制御部30と接続される。
【0020】
制御部30は、非接触感知センサ40で感知された信号に応じて、コンプレッサー115を駆動し、エアが送られた噴射部21によって、処理液を桶112の液面に向かって噴射するように制御する。
制御部30は、噴射時間として、信号検知から噴射終了までの時間が予め設定されるが、この時間を可変に変更できる。
【0021】
制御部30は、プロセッサやメモリなどのハードウエアと、メモリに記憶されている制御内容を記述するプログラムとの協働で実現されていてもよく、専用回路、ファームウエアの組み合わせで実現されていてもよい。プログラムは、制御内容を変更できるように、サーバや情報端末などから更新プログラムをダウンロード可能に、通信ポートや無線通信手段などを備えていてもよい。
制御部30は、コンプレッサー115の近くに設置されていなくてもよく、本体11の内部、外面に設けられていてもよい。
【0022】
処理液は、例えば、次亜塩素酸ナトリウム水溶液、殺菌用アルコール水(エタノール濃度70%以上が好ましい。)、次亜塩素酸水などが挙げられる。
【0023】
製品は、例えば、食品、雑貨、小物などが挙げられるが、これらに限定されない。なお、製品籠は、例えば、レジ籠、買い物籠とも称される。
【0024】
(処理フロー)
(1)購買者は、製品をいれた製品籠Gを、籠台15に載せる。(なお、支払い清算の前でも後でもよい。)
(2)出入口121パネルを開け、内部へ製品籠Gを送り込み、第一載置部117、第二載置部118に載置する。
(3)出入口121パネルを閉じる。
(4)非接触感知センサ40に対し、購買者が手をかざす。
(5)非接触感知センサ40で検知され、検知信号が制御部30へ送られる。
制御部30は、検知信号を1回受信し、それに応じた1回の噴霧処理の制御を行う。噴霧処理期間において、購買者が誤って2回以上非接触感知センサ40に手をかざしたとしても、1回の噴霧処理のみが実行される。1回の噴霧処理が完了した後(コンプレサーを駆動する所定時間経過後)、購買者が連続して噴霧処理をしたい場合であっても、噴霧処理は1回に制限される。
(6)制御部30は、コンプレッサー115を所定時間、駆動する。エア圧は予め設定される。
(7)コンプレッサー115から、配管1151を介してエアが各噴射部21の各気体噴射部へ送られる。
制御部30は、検知信号に応じて、インジケータ(不図示)に、処理開始や処理時間などの表示を指示してもよい。
(8)噴射部21の気体噴射部からエアが噴射されることで、サイフォン効果により、処理液が処理液タンク151から配管(不図示)を介して各噴射部21の各液体噴射部へ送られる。
(9)2つの気体同士が液体噴射部の先端より前方で衝突し、この衝突している領域に、液体噴射部で噴射された処理液が衝突することで、平均粒子径が10μmから20μmの噴霧体を噴射する。
(10)図3に示すように、噴霧体は、桶112の液面にぶつかり、案内内壁111で案内されて、あるいは液面でバウンドしてそのまま上方の上部処理室12へ送られる。
(11)製品籠Gへ噴霧液が到達し、製品および製品籠Gへ接触し、除菌あるいは不活化の処理が行われる。
(12)噴霧時間である所定時間が経過すると、制御部30は、コンプレッサー115を停止する。制御部30は、インジケータ(不図示)へ処理終了の表示を指示してもよい。
(13)購買者は、出入口121パネルを開け、製品籠Gを取り出す。
【0025】
<実施形態2>
続いて、第二実施形態の除菌およびウイルス不活化装置について図4~7を参照して説明する。以下、第二実施形態の除菌およびウイルス不活化装置1aが第一実施形態の除菌およびウイルス不活化装置1と異なる点のみについて説明し、第一実施形態の除菌およびウイルス不活化装置1と同様の構成については、図面上同じ符号を付し、説明を省略する。
【0026】
図4に示すように、第二実施形態の除菌およびウイルス不活化装置1aは、籠台15aを有する。籠台15aは、製品を入れた状態の製品籠Gまたは1つ以上の製品籠Gが載置され、上部処理室12内へ出し入れ可能な構成の籠載置部151aを有する。
籠載置部151aは、ユーザが籠載置部151aを上部処理室12内へ出し入れする際のスライド取手152aが前側に設けられる。
籠台15aは、支持板部153a、支持板部153aの下面から装置1aの接地面へ延伸する脚部155a、および、脚部155aの下側端部に取り付けられるアジャスタ157aを有する。
籠載置部151aを載せて移送するため移送部117a、118aが籠台15aの支持板部153aの上面から上部処理室12へ向かって設けられる。移送部117a、118aは、一対(117a、118a)で平行に配置され、複数のホイールが並んで構成されるコロコン方式のホイールコンベヤである。購買者は、製品をいれた製品籠Gを籠載置部151aに置き、スライド取手152aを掴み、前から奥へと製品籠Gを送り込むことができる。
店員は、複数の製品籠Gを重ねた状態で籠載置部151aに置き、スライド取手152aを掴み、前から奥へと製品籠Gを送り込むことができる。
別実施形態として移送部は、複数のローラコンベアを有して構成されていてもよい。
【0027】
図5に第二実施形態の除菌およびウイルス不活化装置1aの開閉作業の一例を示す。図5に示すように、除菌およびウイルス不活化装置1aは、上部処理室12の前面に開閉シート121aを有する。図5左は上部処理室12が閉じた状態を示し、図5右は上部処理室12が開いた状態を示し、図5中央は当該閉じた状態から当該開いた状態(あるいは当該開いた状態から当該閉じた状態)への開閉作業の様子を示す。
開閉シート121aは、シート部122a及び取っ手123aを有する。シート部122aの1辺は、上部処理室12の前面を構成するフレームに取り付けられ、シート部122aの当該1辺に対向する1辺は、取っ手123aを取り付けられる。図5は、一例として、シート部122aの1辺が上部処理室12の前面上側のフレームF2に取り付けられた場合を示している。購入者は、取っ手123aを掴んで開閉シート121aを下から上へ上げることで上部処理室12を閉じた状態から開いた状態へ移行でき、また、開閉シート121aを上から下へ上げることで上部処理室12を開いた状態から閉じた状態へ移行できる。
なお、開閉シート121aのシート部122aは、一例として透明なビニールシートによって構成される。また、図5では、上部処理室12に複数の製品籠が収納された例を示しているが、製品を入れた状態の製品籠であっても構わない。
上部処理室12の他の面(背面、左右側面)も同様に、透明または非透明な軟質のシート材あるいは硬質の板材が設けられていてもよい。上部処理室12の天面の内側にはLED照明装置を設けている。
【0028】
図6に第二実施形態の除菌およびウイルス不活化装置1aの内部構成の一例を示す。図6に示されるように、除菌およびウイルス不活化装置1aは、処理液タンク16aを本体11の内部に有する。
除菌およびウイルス不活化装置1aは、処理液タンク16aの上方に噴射案内部111aを有する。噴射案内部111aは、4つの案内内壁112a、および案内内壁の下方の各辺に接続される底面114aを含んでなる。底面114a上には、1つの噴射部21aが取り付けられる。処理液タンク16aには、処理液を、噴射部21の液体噴射部へ送るための配管(不図示)が設けられている。なお、図6では、一例として底面114aの中央に1つの噴射部21aが載置される場合を示しているが、底面114a上に均等の間隔で複数個の噴射部21aが載置されても構わない。
コンプレッサーを駆動して、噴射部21aは、案内内壁112aに向かって処理液を噴霧する。噴射部21aは複数の噴霧ノズルを備え、案内内壁112aの1面以上、好ましくは2面以上に向かって噴霧させ、案内内壁112aに当たって跳ね返った噴霧体を上昇へ案内する機能である。案内内壁は円錐状であってもよく、円錘面の2箇所以上(好ましくは対向する位置関係または等角放射状)に向かって噴射される構成が好ましい。
【0029】
除菌およびウイルス不活化装置1aは、本体11の後面を構成するフレームにドレン排出口50を有する。噴射案内部111aは、図示を省略した配管によりドレン排出口50に接続され、噴射部21aから噴霧された処理液(噴霧体)は、当該配管を通ってドレン排出口50から装置1a外へと排出される。なお、ドレン排出口50に代わり、第一実施形態のように桶112を利用して処理液を排出可能としてもよく、この場合、桶112は、噴射案内部111aの下方に位置する桶台113a上に取り付けられても構わない。
【0030】
図7に第二実施形態の除菌およびウイルス不活化装置1aによる処理液の噴射の一例を示す。図7に示されるように、噴射部21aから噴霧された処理液(噴霧体)は、噴射案内部111aの案内内壁112aに当たり上方へ向かって方向変換することによって上部処理室12aへ案内される。
【0031】
(別実施形態)
(1)処理液タンク151は、その位置が噴射部21よりも上方に配置されていてもよい。
(2)処理液タンク151内または処理液タンク151から噴射部21までの配管上に液送ポンプが配置され、液送ポンプで処理液を所定圧で送り込むように構成してあってもよい。
(3)購買者が連続して噴霧処理をしたい場合には、噴霧処理は1回に制限されず、1回の噴霧処理が完了した後(コンプレサーを駆動する所定時間経過後)、購買者が非接触感知センサ40に手をかざして、2回目の噴霧処理を開始できるように制御部30が構成されていてもよい。
(4)天面に、霧体が排気される、開閉可能な排気口が設けられていてもよい。
(5)噴霧処理完了後に、噴霧体を強制的に排気するためのダクトおよび換気扇が、上部処理室12の側壁(側面パネル)または天面などに設けられていてもよい。
(6)処理液タンク151への処理液の補給は、手動でもよく、自動でもよい。
自動補給において、処理液タンク151と処理液サーバ(処理液製造装置またはタンクを含む)が補給配管で接続され、処理液サーバまたは補給配管上の弁を開け、液送ポンプを駆動して処理液を自動で送り込むように構成してあってもよい。
(7)非接触感知センサの代わりに、上部処理室内に第一センサを設け、出入口パネルの開閉を検知する第二センサを設け、第一センサで製品籠Gを検知した信号を第一センサから受信し、次いで第二センサで出入口パネルを閉めたことを検知した信号を第二センサから受信したことに応じて、制御部30が噴霧処理を開始するようにコンプレッサーを駆動してもよい。
(8)非接触センサ、上部処理室内に設けた第一センサ、出入口パネルの開閉を検知する第二センサを設け、第一センサで製品籠Gを検知した信号を第一センサから受信し、第二センサで出入口パネルを閉めたことを検知した信号を第二センサ受信し、非接触感知センサで検知した信号を非接触感知センサから受信したことに応じて、制御部30が噴霧処理を開始するようにコンプレッサーを駆動してもよい。
(9)非接触センサに代わり、フットスイッチが設けられていてもよい。
(10)上記噴射部21に代わり、上部処理室の天井面、室内側面、籠からみて上方側、籠からみて斜め上方側、籠からみて側方の内1つまたは2以上の箇所に、噴射部が設けられていてもよい。コンプレッサーから噴射部へエア配管が設けられ、制御部30によって駆動制御されてもよい。
(11)上記実施形態の噴射部21に追加して、上記(10)の噴射部がさらに設けられていてもよい。コンプレッサーから追加の噴射部へもエア配管が設けられ、制御部30によって駆動制御されてもよい。
(12)手動による製品籠の上部処理室への出し入れに限定されず、自動搬送手段(コンベア、ロボットアームなど)を用いて自動で出し入れする構成もできる。
【符号の説明】
【0032】
1 装置
11 本体
111 案内内壁
112 桶
113 桶台
114 噴射部設置部
115 コンプレッサー
116 底台
117 第一載置部
118 第二載置部
12 上部処理室
121 出入口パネル
123 窓
15 籠台
151 処理液タンク
21 噴射部
30 制御部
40 非接触感知センサ
G 製品籠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7