(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094884
(43)【公開日】2022-06-27
(54)【発明の名称】シート折装置
(51)【国際特許分類】
B65H 45/14 20060101AFI20220620BHJP
【FI】
B65H45/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021035693
(22)【出願日】2021-03-05
(31)【優先権主張番号】P 2020207864
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 株式会社デュプロ製の紙折機「DF-1300」を本願の発明に係るシート折装置とするための改造部品を令和2年8月7日に、変更プログラムを令和2年8月21日に、販売会社に提供した。 本願の発明に係るシート折装置の構成を備えた紙折機「DF-1300L」の仕様が記載されたリリース案内を、株式会社デュプロが、令和2年9月17日、令和2年10月8日及び令和2年10月13日に販売会社に配布した。 株式会社デュプロ製の紙折機「DF-1300」を本願の発明に係るシート折装置とした改造機を、株式会社デュプロが、令和2年10月8日から社内の展示室に設置し、来訪者に公開した。 本願の発明に係るシート折装置の構成を備えた紙折機「DF-1300L」を、株式会社デュプロが、令和2年11月18日及び令和2年11月30日に販売会社に販売した。 本願の発明に係るシート折装置の構成を備えた紙折機「DF-1300L」の仕様が記載された販促資料を、株式会社デュプロが、令和2年11月27日に販売会社に配布した。 本願の発明に係るシート折装置の構成を備えた紙折機「DF-1300L」について、株式会社デュプロが、令和2年12月1日に同社ウェブサイトにて公開した。 本願の発明に係るシート折装置の構成を備えた紙折機「DF-1300L」の仕様が記載された製品カタログを、株式会社デュプロが、令和2年11月12日及び令和3年1月5日に販売会社に頒布した。
(71)【出願人】
【識別番号】000109727
【氏名又は名称】株式会社デュプロ
(72)【発明者】
【氏名】干潟 誠司
(72)【発明者】
【氏名】秋永 幸一
【テーマコード(参考)】
3F108
【Fターム(参考)】
3F108AA01
3F108AB01
3F108BA03
3F108BA08
3F108BB02
3F108BB05
3F108BB14
3F108CC03
3F108CC04
(57)【要約】
【課題】装置サイズの大型化を抑制しつつ、一部の折形態については、より長いシートに対して折処理を施すことが可能となるバックル折式のシート折装置を提供する。
【解決手段】第一の折目を形成される前のシートPが進入する第一折搬送路23と、第二の折目を形成される前のシートPが進入する第二折搬送路28と、を備えるバックル折式のシート折装置1において、折処理の前のシートPのシート全長PLを取得するシート全長情報取得手段101と、折処理の後のシートの折形態の入力を受付ける折形態入力手段101と、を備え、折形態入力手段101は、シート全長PLに基づいて入力可能な折形態の種類を変更することを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の折目を形成される前のシートが進入する第一折搬送路と、
第二の折目を形成される前の前記シートが進入する第二折搬送路と、を備えるバックル折式のシート折装置において、
折処理の前の前記シートのシート全長を取得するシート全長情報取得手段と、
前記折処理の後の前記シートの折形態の入力を受付ける折形態入力手段と、を備え、
前記折形態入力手段は、前記シート全長に基づいて入力可能な前記折形態の種類を変更することを特徴とするシート折装置。
【請求項2】
請求項1のシート折装置において、
前記折形態入力手段は、前記シート全長が所定の長さよりも長い場合に、入力可能な前記折形態の種類を少なくすることを特徴とするシート折装置。
【請求項3】
請求項2のシート折装置において、
前記折形態入力手段は、観音折りを含む複数の前記折形態が入力可能であり、前記シート全長が所定の長さよりも長い場合に、前記折形態入力手段で前記観音折りを入力できなくすることを特徴とするシート折装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載のシート折装置において、
前記第一折搬送路に搬送される前記シートを給送する給送手段を備え、
前記第一折搬送路は前記給送手段に対して斜め上方に延在し、
前記第二折搬送路は前記給送手段に対して斜め下方に延在することを特徴とするシート折装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載のシート折装置において、
前記シートのサイズが、A3、A4、A5、B4、B5またはB6の何れか場合は、二つ折り、四つ折り、片袖折り、内三つ折り、外三つ折り及び観音折りの折形態を入力可能とし、
前記シートのサイズが、A4ランドスケープ用シートサイズの場合は、二つ折り、四つ折り、片袖折り、内三つ折り及び外三つ折りの折形態は入力可能で、観音折りの折形態は入力できなくすることを特徴とするシート折装置。
【請求項6】
請求項1乃至4の何れかに記載のシート折装置において、
前記シート全長が、A3、A4、A5、B4、B5またはB6の何れかの長手方向の長さに対応する場合は、二つ折り、四つ折り、片袖折り、内三つ折り、外三つ折り及び観音折りの折形態を入力可能とし、
前記シート全長が、A4ランドスケープ用シートサイズの長手方向の長さに対応する場合は、二つ折り、四つ折り、片袖折り、内三つ折り及び外三つ折りの折形態は入力可能で、観音折りの折形態は入力できなくすることを特徴とするシート折装置。
【請求項7】
第一の折目を形成される前のシートが進入する第一折搬送路と、
第二の折目を形成される前の前記シートが進入する第二折搬送路と、を備え、
前記第一の折目を形成する第一折ニップから前記第一折搬送路に配置された第一の突き当て部材までの距離を第一折長さと、
前記第二の折目を形成する第二折ニップから前記第二折搬送路に配置された第二の突き当て部材までの距離を第二折長さと、を変更可能なバックル折式のシート折装置において、
前記第一折長さの設定可能な最大値は、396[mm]以上、
前記第二折長さの設定可能な最大値は、210[mm]以上、297[mm]未満であることを特徴とするシート折装置。
【請求項8】
請求項7のシート折装置において、
前記第一折長さの設定可能な最大値は、420[mm]以上であり、
前記シートが通過する搬送路の搬送方向に直交する方向の長さである搬送幅は、297[mm]以上とすることが可能であることを特徴とするシート折装置。
【請求項9】
第一の折目を形成される前のシートが進入する第一折搬送路と、
第二の折目を形成される前の前記シートが進入する第二折搬送路と、を備え、
前記第一の折目を形成する第一折ニップから前記第一折搬送路に配置された第一の突き当て部材までの距離を第一折長さと、
前記第二の折目を形成する第二折ニップから前記第二折搬送路に配置された第二の突き当て部材までの距離を第二折長さと、を変更可能なバックル折式のシート折装置において、
前記第一折長さの設定可能な最大値は、396[mm]以上、
前記第二折長さの設定可能な最大値は、198[mm]以上、210[mm]未満であることを特徴とするシート折装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート折装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第一の折目を形成される前のシートが進入する第一折搬送路と、第二の折目を形成される前のシートが進入する第二折搬送路と、を備えるバックル折式のシート折装置が知られている。
【0003】
この種のシート折装置としては、例えば、特許文献1に記載のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種のバックル折式のシート折装置では、第一折搬送路や第二折搬送路が長いほど、より長いシートに対して折処理を施すことが可能となるが、想定する最も長いシートに合わせて第一折搬送路や第二折搬送路の長さを設定すると装置サイズの大型化に繋がる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、第一の折目を形成される前のシートが進入する第一折搬送路と、第二の折目を形成される前の前記シートが進入する第二折搬送路と、を備えるバックル折式のシート折装置において、折処理の前の前記シートのシート全長を取得するシート全長情報取得手段と、前記折処理の後の前記シートの折形態の入力を受付ける折形態入力手段と、を備え、前記折形態入力手段は、前記シート全長に基づいて入力可能な前記折形態の種類を変更することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置サイズの大型化を抑制しつつ、一部の折形態については、より長いシートに対して折処理を施すことが可能となる、という優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】紙折機の制御部を中心とする電気的接続関係の概略を示すブロック図。
【
図5】第一折込機構と、その周辺の構成とを表す側面図。
【
図6】第一折込機構と、その周辺の構成とを斜め下方から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用したシート折装置として、用紙P等のシートに折処理を施す紙折機1の一実施形態について図面を用いて説明する。
各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る紙折機1の外観を示す斜視図である。
図2は、折処理を施す対象である用紙Pが積載された状態の紙折機1を
図1中の矢印「α」方向から見た概略構成図である。
図1及び
図2に示すように、紙折機1は、折処理の対象となる用紙Pを送り出す給紙部2と、給紙部2から送り出された用紙Pを折り畳む折処理部4と、折処理部4で折り畳まれた用紙Pが排紙される排紙部3とを備える。また、紙折機1の各構成部品を保持するフレーム5として、前フレーム5aと後フレーム5bとを備える。紙折機1の上面の一部を構成する前フレーム5aの上面には、ユーザーが所定の操作入力を行うための操作部10が設けられている。
【0011】
紙折機1は、バックル式のシート折装置である。バックル折式のシート折装置では、シート(P)を第一折搬送路(23)に案内し、第一搬送路(23)に配置された第一突き当て部材(25)に突き当て、第一折部(N1)で第一の折目を形成する。そして、第一の折目が先頭となるようにシート(P)を第二折搬送路(28)に案内し、第二搬送路(28)に配置された第二突き当て部材(32)に突き当て、第二折部(N2)で第二の折目を形成し、二回の折りを行う折処理を施すことができる。
【0012】
操作部10は、タッチパネル101、スタートボタン111、ストップボタン112及びテストボタン113等を備える。
給紙部2は、紙折機1のフレーム5に対して上下に昇降可能に支持され、用紙Pが積載される給紙台6と、給紙台6を昇降させる昇降駆動機構と、前方エア吐出機構8と、側方エア吐出機構9と、給送機構7とを備える。前方エア吐出機構8及び側方エア吐出機構9は、給紙台6に積載された用紙P同士を互いに分離させるためのエアを吐出するものであり、給送機構7は、分離された用紙Pのうち最上位の用紙Pを送り出すものである。
【0013】
給紙台6には、積載された用紙Pの幅方向の位置がずれることを防止する一対のサイドガイド50と、用紙Pの長さ方向の位置がずれることを防止するエンドフェンス12とを備える。一対のサイドガイド50は、給紙台6に積載された用紙Pのサイズに応じて、用紙幅方向のセンターラインを中心に対称移動可能に構成され、用紙束の幅方向の両端面にそれぞれ当接して用紙Pの幅方向の移動を規制する。エンドフェンス12は、用紙束を後方(給紙部2における用紙搬送方向上流側、
図2中の左側)から接触して、用紙Pの長さ方向(用紙搬送方向)の移動を規制する。
幅方向に対称移動する手前サイドガイド50aと奥サイドガイド50bとの幅方向の距離は、120.0[mm]~311.0[mm]の間で調整可能である。エンドフェンス12は、磁力によって給紙台6に対して固定可能となっており、給紙台6に載置された用紙束の後端面に接触することで、用紙束の後方への移動を規制する。
【0014】
また、本実施形態の紙折機1は、一対のサイドガイドユニット55(55a、55b)と、一対の紙押さえガイド56(56a、56b)と、を給紙台6に取り付け可能となっている。サイドガイドユニット55(55a、55b)は、用紙Pの長さが416[mm]以上である場合、または、用紙PがA3(長さ「420[mm]」)以上である場合、に使用する。紙押さえガイド56(56a、56b)は、用紙Pの長さが457.2[mm]以上である場合にさらに追加して使用する。
サイドガイドユニット55及び紙押さえガイド56は、磁力によって給紙台6に対して固定可能となっており、幅方向の内側のガイド面が、サイドガイド50のガイド面と一致するように設置することで、用紙束の幅方向の端面に接触し、用紙束の幅方向への移動を規制する。
【0015】
給送機構7は、エアサクション式の機構であり、搬送ベルト14とサクションダクト16とを備える。搬送ベルト14は、不図示の駆動モータからの駆動が伝達されることで、用紙搬送面(下面)が用紙搬送方向(
図2中の右方向)に移動するように回転駆動する。サクションダクト16には、エア吸引用のファンが内蔵され、そのファンが回転することにより、搬送ベルト14の用紙搬送面近傍に設けられたサクションダクト16の吸引用開口部からエアが吸引される。吸引用開口部からエアを吸引しながら、所定の用紙給送タイミングで搬送ベルト14を駆動することで、給紙台6に積載された用紙束のうち最上位の用紙Pを搬送ベルト14の用紙搬送面に吸着させ、用紙Pを給送することができる。給送機構7としては、エアサクション式の機構に限らず、給紙ローラを用いたフリクション式の機構でもよい。
【0016】
前方エア吐出機構8は、給紙台6の給送方向前方(用紙搬送方向下流側)に設けられている。前方エア吐出機構8は、給紙台6に積載された用紙束の前端部に向けてエアを吹き出し、その用紙束の上層部の用紙Pを浮上させるとともに、浮上した用紙P同士を分離して給紙性能を高めるものである。前方エア吐出機構8には、用紙束の前端面に対してエアを吐出するための複数のエア吐出口が設けられている。前方エア吐出機構8には、ファンまたはブロアなどのエアフロー発生部に接続されており、このエアフロー発生部が作動することにより、エア吐出口からエアが吹き出される。これにより、給紙台6に積載された用紙束を構成する用紙Pのうち、搬送ベルト14の用紙搬送面に近い用紙P同士の間隔を空けることができ、用紙Pの分離性を向上させ、給紙性能を高めることができる。
【0017】
側方エア吐出機構9は、給紙台6の給送方向側方(装置手前奥方向の奥側)に設けられている。側方エア吐出機構9は、操作部10で入力された用紙Pの長さが420[mm]以上のとき(上述したサイドガイドユニット55を使用するとき)に稼働して、給紙台6に積載された用紙束の左側端に向けてエアを吹き出し、その用紙束の上層部の用紙Pを浮上させ、浮上した用紙P同士を分離して給紙性能を高めるものである。側方エア吐出機構9には、用紙束の側端面に対してエアを吐出するための複数のエア吐出口が設けられている。側方エア吐出機構9には、ファンまたはブロアなどのエアフロー発生部に接続されており、このエアフロー発生部が作動することにより、エア吐出口からエアが吹き出される。給紙台6に積載された用紙Pが長いときには、前方エア吐出機構8でエアを吹き出して用紙束の前方で用紙P同士の間隔を空けても、用紙束の後方では用紙P同士が接触し、用紙P同士の間の摩擦力が負荷となって給紙が遅れるおそれがある。これに対して、給紙台6に積載された用紙Pが長いときに側方エア吐出機構9を稼働させることで、用紙束の後方でも用紙P同士の間隔を空けることができ、給紙性能を高めることができる。
【0018】
折処理部4は、入口ローラ対18と、四つの折部ローラ20(20a~20d)と、内部に搬送路(23,28)を形成する二つの折込板(36,40)とを備える。排紙部3は、排紙搬送機構24及び排出トレイ26を備える。
図3は、紙折機1の四つの折部ローラ20近傍の拡大説明図であり、
図2に示す紙折機1の右半分の拡大図である。
【0019】
四つの折部ローラ20のうち、第一折部ローラ20aと第二折部ローラ20bとは当接または近接対向し、第一折込板36に向けて用紙Pを受け入れる受入ローラ対を構成する。第二折部ローラ20bと第三折部ローラ20cとは当接または近接対向し、先端側が第一折込板36に進入した用紙Pに対して一回目の折りを施すとともに、第二折込板40に向けて搬送する第一折ニップN1を形成する第一折ローラ対を構成する。第三折部ローラ20cと第四折部ローラ20dとは当接または近接対向し、先端側が第二折込板40に進入した用紙Pに対して二回目の折りを施すとともに、排紙部3に向けて用紙Pを搬送する第二折ニップN2を形成する第二折ローラ対を構成する。
【0020】
第一折込板36は、第一折込搬送路23と第一折ストッパ25とを直方体形状の第一折込板筐体34に収容した構成である。また、第二折込板40は、第二折込搬送路28と第二折ストッパ32とを直方体形状の第二折込板筐体38に収容した構成である。
【0021】
図3中の二点鎖線「PR」は、用紙Pの搬送経路の一部を示している。
給紙部2から送り出された用紙Pは、入口ローラ対18によって折処理部4の機構に向けて搬送される。
入口ローラ対18を通過した用紙Pは、受入ローラ対を形成する第一折部ローラ20aと第二折部ローラ20bとによって挟持搬送され、第一折込搬送路23に進入する。第一折込搬送路23の所定位置には第一折ストッパ25が設けられている。このため、第一折込搬送路23に進入した用紙Pの先端が第一折ストッパ25に当接すると、用紙Pはそれ以上搬送方向前方(第一折込搬送路23の奥側)に進むことができなくなる。
【0022】
先端が第一折ストッパ25に突き当たった後も、受入ローラ対による用紙Pへの搬送力に付与が継続されるため、用紙Pにおける受入ローラ対よりも下流側、且つ、第一折込搬送路23よりも上流側に位置する部分に撓みが生じる。この撓みが生じた部分が先頭となって、第二折部ローラ20bと第三折部ローラ20cとの間の第一折ニップN1に巻き込まれ、挟持搬送されることで、撓みが生じた部分が第一の折位置となって用紙Pに一つ目の折目が形成される。
【0023】
一つ目の折目が形成された用紙Pは、第一折ニップN1を通過した後、そのまま排紙部3に排紙される、または、二つ目の折目が形成されてから排紙部3に排紙される。第一折ニップN1の出口側には経路切替ガイド30(経路切り替え部材)が配置されており、不図示の駆動源によって経路切替ガイド30を移動させ、位置を変更する。これにより、用紙Pの搬送経路を、第二折ニップN2に向かう経路と、第二折込板40内の第二折込搬送路28に向かう経路との何れかの経路に切り替えることができる。
【0024】
経路切替ガイド30が第一折ニップN1の出口を覆う遮蔽位置(
図3中の実線の位置)にある状態では、第一折ニップN1を通過して二つ折りにされた用紙Pがそのまま排紙部3へと導かれる。一方、経路切替ガイド30が第一折ニップN1の出口を覆わない待機位置(
図3中の破線の位置)にある状態では、第一折ニップN1を通過して二つ折りにされた用紙Pは、第二折込搬送路28に進入する。
【0025】
図2に示すように、第一折込搬送路23の第一折ストッパ25と同様に、第二折込搬送路28の所定位置には第二折ストッパ32が設けられている。このため、第二折込搬送路28に進入した用紙Pの先端(一つ目の折目の部分)が第二折ストッパ32に当接すると、用紙Pはそれ以上搬送方向前方(第二折込搬送路28の奥側)に進むことができなくなる。先端が第二折ストッパ32に突き当たった後も、第一折ニップN1では第一折ローラ対による用紙Pへの搬送力の付与が継続されるため、用紙Pにおける第一折ニップN1よりも下流側、且つ、第二折込搬送路28よりも上流側に位置する部分に撓みが生じる。この撓みが生じた部分が先頭となって、第二折ローラ対を形成する第三折部ローラ20cと第四折部ローラ20dとの間の第二折ニップN2に巻き込まれ、挟持搬送されることで、撓みが生じた部分が第二の折位置となって用紙Pに二つ目の折目が形成される。
【0026】
このように、経路切替ガイド30を待機位置に位置させることで、用紙Pに対して三つ折りや四つ折りの折処理を施すことが可能となる。
折処理を施す際には、三つ折りや四つ折りといった折りの種類や折面(用紙Pにおける折目によって仕切られた複数の領域)の長さが所望のものとなるように、第一折込搬送路23における第一折ストッパ25の位置と、第二折込搬送路28における第二折ストッパ32の位置とを設定する必要がある。
【0027】
図4は、紙折機1の制御部100を中心とする電気的接続関係の概略を示すブロック図である。制御部100は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM等を有する。制御部100には、入力装置110の各種スイッチを介した操作入力、給紙処理用センサ120及び折処理用センサ130を含む各検出センサからの検出信号が入力される。入力装置110は、フレーム5の上面に設けられた操作部10として設けられている。折処理用センサ130は、後述する超音波式給紙エラーセンサ51、光学式給紙エラーセンサ52、排紙エラーセンサ54及びストッパ位置センサ90等を含む。
【0028】
操作部10は、ユーザーの操作入力を受付ける操作部であり、制御部100は、操作部10からの入力内容を受付けるとともに、その入力内容や各種センサからの入力内容に基づいて、給送機構7や折処理部4等を制御する制御手段である。
【0029】
制御部100は、各種スイッチやセンサからの入力に基づいて給紙制御や折り制御のための所定の演算処理を実行する。そして、給送機構7を作動する給紙作動アクチュエータ140や、折処理部4を作動する折処理作動アクチュエータ150等に制御指令信号を出力する。
折処理作動アクチュエータ150は、入口ローラ対18や折部ローラ20(20a~20d)を駆動するローラ駆動モータ152や後述するストッパ移動モータ70等を含む。また、制御部100は、各処理の設定画面や進行状況を表示装置160に表示させる。表示装置160は、フレーム5の上面にタッチパネル101が設けられている。
【0030】
図2及び
図3に示すように、入口ローラ対18と受入ローラ対(20a,20b)との間には、給紙エラーを検出する超音波式給紙エラーセンサ51及び光学式給紙エラーセンサ52が設けられている。超音波式給紙エラーセンサ51及び光学式給紙エラーセンサ52は、入口ローラ対18と受入ローラ対との間の用紙搬送路である受入搬送路53を通過する用紙Pの有無と、通過する用紙Pの重送発生の有無とを検出する。
制御部100は、給紙部2から給紙した旨の信号を受け取ると、その受信から予め設定された給紙時間内に超音波式給紙エラーセンサ51及び光学式給紙エラーセンサ52の両方または一方により用紙Pが検出されなければ、空送りが発生したと判定する。給紙時間内に用紙Pが検出されると、超音波式給紙エラーセンサ51及び光学式給紙エラーセンサ52の一方または両方の出力に応じて重送発生の有無を判定する。
制御部100は、超音波式給紙エラーセンサ51及び光学式給紙エラーセンサ52の両方または一方が用紙Pの前端を検知してから、用紙通過時間(用紙Pの全長に応じて予め設定された時間)が経過してもその検出状態が継続した場合には、ジャムが発生したと判定する。
【0031】
第二折ニップN2の出口近傍(排紙搬送機構24の上流部)には、排紙エラーを検出するための排紙エラーセンサ54が設けられている。排紙エラーセンサ54は、第二折ニップN2から排出トレイ26へ向けて排出される用紙Pの通過を検出する。制御部100は、用紙Pが超音波式給紙エラーセンサ51または光学式給紙エラーセンサ52を通過してから排紙到達時間(用紙Pの全長及び折処理の条件に応じて予め設定された用紙Pが排紙部3に到達するまでの時間)が経過しても、排紙エラーセンサ54によって用紙Pが検出されなければ、ジャムが発生したと判定する。また、制御部100は、排紙エラーセンサ54が用紙Pを検出してから排紙通過時間(用紙Pの全長及び折処理の条件に応じて予め設定された折処理後の用紙Pが任意の位置を通過するのに要する時間)が経過しても、排紙エラーセンサ54による用紙Pの検出状態が継続した場合にも、ジャムが発生したと判定する。
【0032】
上述した「排紙到達時間」や「排紙通過時間」については、折処理での折りの種類が二つ折りと三つ折りの何れであるか等、折処理の条件に応じて設定値を異ならせてもよい。また、「給紙時間」、「用紙通過時間」、「排紙到達時間」及び「排紙通過時間」の各設定時間に変えて、搬送モータの回転数を示すそれぞれの設定パルス数を設定し、設定パルス数に基づいて各搬送エラーを判定してもよい。
【0033】
図2及び
図3に示すように、第一折込板36は、第一折込板筐体34に第一折込機構60を収容した構成である。
図5は、第一折込機構60と、その周辺の各部とを表す側面図である。
図6は、第一折込機構60と、その周辺の各部とを斜め下方から見た斜視図である。
【0034】
第一折込機構60は、第一折込搬送ガイド62、第一折ストッパ25、ストッパガイドロッド64、ストッパ移動ベルト66及び駆動伝達ロッド68を含む。フレーム5には、第一折ストッパ25を移動させるためのストッパ移動モータ70が設置されている。ストッパ移動モータ70は、ステッピングモータからなる。
【0035】
図5及び
図6に示すように、第一折込搬送ガイド62は、長方形状の一対の板材を対向配置し、それらの間に第一折込搬送路23を形成するものである。 第一折込搬送ガイド62の下方にストッパガイドロッド64を備えている。ストッパガイドロッド64は、
図6に示すように第一折込搬送ガイド62の幅方向(
図5の紙面に直交する方向)中央に配置されており、第一折込搬送ガイド62の長手方向(用紙Pの搬送方向に沿う方向)に延在するように固定されている。
第一折込搬送ガイド62には、ストッパガイドロッド64の上方及びその幅方向両側に複数のガイド孔72が設けられている。それぞれのガイド孔72は長方形状をなし、ストッパガイドロッド64と平行となるように第一折込搬送ガイド62の長手方向に延設されている。第一折ストッパ25は、ストッパガイドロッド64に沿って移動するように配設されている。
【0036】
第一折ストッパ25は、第一折込搬送ガイド62の幅方向に延在する長方形状のストッパ基体部74と、このストッパ基体部74における搬送方向上流側端部(第一折込搬送ガイド62の出入口側の端部)に立設された複数の用紙当接部76とを有する。
ストッパ基体部74の幅方向中央には、第一折込搬送ガイド62の長手方向の両端から下方に突き出すように一対のロッド受部78が設けられており、このロッド受部78がストッパガイドロッド64に挿通されている。これにより、第一折ストッパ25は、ストッパガイドロッド64に対して長手方向に摺動可能に支持される。幅方向の複数箇所に立設された用紙当接部76は、複数のガイド孔72にそれぞれ対応する位置に設けられ、それぞれがガイド孔72を上下に貫通する。これにより、第一折込搬送ガイド62によって形成される第一折込搬送路23に導入された用紙Pの先端が、複数の用紙当接部76に突き当たる構造を実現できる。
【0037】
駆動伝達ロッド68は、第一折込搬送ガイド62の出入口側の端部近傍の下方に幅方向に延在して回転可能に配置され、その延在方向の一端に駆動出力プーリ79が設けられ、他端には駆動入力ギヤ80が設けられている。一方、第一折込搬送ガイド62の出入口側とは反対側の端部近傍の下方には、従動プーリ82が回転可能に支持されている。ストッパ移動ベルト66は、駆動出力プーリ79と従動プーリ82との間に架け渡されている。ストッパ移動ベルト66の所定の位置には、第一折ストッパ25のストッパ基体部74における幅方向中央付近の部分が固定されている。
【0038】
ストッパ移動モータ70の出力軸には減速ギヤ機構84(減速機)が接続されており、減速ギヤ機構84の筐体の外側には、ストッパ移動モータ70から伝達された駆動力を駆動入力ギヤ80に伝達する減速駆動出力ギヤ84aが配置されている。第一折込板36は、紙折機1のフレーム5に対して着脱自在となっており、第一折込板36がフレーム5に装着されると、第一折込板36側に設置された駆動入力ギヤ80が、フレーム5側に設置された減速駆動出力ギヤ84aにギヤ連結する。
【0039】
このような構成により、ストッパ移動モータ70が回転駆動すると、その駆動力が減速駆動出力ギヤ84a及び駆動入力ギヤ80を介して駆動伝達ロッド68に伝達され、駆動出力プーリ79が回転する。これにより、駆動出力プーリ79に掛け回されたストッパ移動ベルト66が回転し、ストッパ移動ベルト66に固定された第一折ストッパ25が、ストッパガイドロッド64にガイドされつつ第一折込搬送路23における用紙Pの搬送方向に沿って移動する。
第一折ストッパ25は、ストッパ移動モータ70が正転駆動されると第一折込搬送路23の出入口側とは反対側へ移動し、ストッパ移動モータ70が逆転駆動されると第一折込搬送路23の出入口側へ移動する。これにより、第一折込搬送ガイド62に対する第一折ストッパ25の位置の制御を行うことができる。
【0040】
一方、フレーム5の所定位置には、第一折ストッパ25が基準位置にあるか否かを検出するためのストッパ位置センサ90が設けられている。ストッパ位置センサ90は、透過型の光センサからなり、発光素子と受光素子とを有する。第一折ストッパ25のストッパ基体部74の幅方向一端部には、光遮蔽板86が設けられている。そして、第一折ストッパ25がその可動範囲における第一折込搬送路23の出入口側の端部の位置(基準位置)にあるときには、光遮蔽板86がストッパ位置センサ90の発光素子と受光素子との間に位置する状態(
図6に示す状態)となる。ストッパ位置センサ90は、発光素子から発せられた光が光遮蔽板86により遮蔽されることで、第一折ストッパ25が基準位置にあることを検出する。
【0041】
折処理実行の際には、第一折ストッパ25の位置決めのための初期化処理が行われ、第一折ストッパ25は一旦基準位置にセットされる。そして、この基準位置からのステップ数を設定することにより、第一折込板36における第一折ストッパ25の位置を制御することができる。
【0042】
上述した説明では、第一折込板36の第一折込機構60の基本構成について説明した。第二折込板40も、第一折込機構60と同様の第二折込機構61を備え、紙折機1本体は第二折込機構61に駆動を伝達するための第二ストッパ移動モータ71を備える。そして、上述した第一折込板36の第一折込機構60と同様に、第二ストッパ移動モータ71の駆動を制御することにより、第二折込板40における第二折ストッパ32の位置を制御できるため、第二折込板40についての詳細な説明は省略する。
【0043】
本実施形態の紙折機1は、第一折込板36における第一折ストッパ25の位置と、第二折込板40における第二折ストッパ32の位置とを制御することで、二つ折り、四つ折り、片袖折り、内三つ折り、外三つ折り及び観音折りの各種折処理を行うことができる。また、各種折りについて、用紙Pのサイズ毎に折目の位置が予め設定された定形折りと、折目の位置をユーザーが好みに応じて設定可能な特殊折りと、を行うことができる。
【0044】
図7は、第一折ニップN1から第一折ストッパ25までの距離である「第一折長さFL1」と、第二折ニップN2から第二折ストッパ32までの距離「第二折長さFL2」との説明図である。第一折込板36における第一折ストッパ25の位置を変更することで、第一折長さFL1を変更することができ、第二折込板40における第二折ストッパ32の位置を変更することで、第二折長さFL2を変更することができる。
【0045】
図8は、紙折機1の折処理によって用紙Pに施すことができる折形態の種類を示す説明図である。
図8(a)は二つ折り、
図8(b)は四つ折り、
図8(c)は片袖折り、
図8(d)は内三つ折り、
図8(e)は外三つ折り、
図8(f)は観音折りの説明図である。
図8中の破線で示す「FL1」は、折処理後の用紙Pの長さのうち、紙折機1における第一折長さFL1によって決まる長さであり、
図8中の一点鎖線で示す「FL2」は、折処理後の用紙Pの長さのうち、紙折機1における第二折長さFL2によって決まる長さである。
また、
図8中の(a)~(f)の各図の下方には、長さが「PL」(以下、「用紙長さPL」)の用紙Pに対して定形折りしたときの「第一折長さFL1」及び「第二折長さFL2」の長さを示す。
【0046】
本実施形態の紙折機1は、用紙サイズとして、「A3」、「A4」、「A5」、「B4」、「B5」及び「B6」の六種類を定形サイズとし、これら定形サイズの用紙Pに対して
図8の(a)~(f)で示す折態様の折処理が可能である。
さらに、本実施形態の紙折機1は、「A4ランドスケープ」とも呼ばれる成果物を得る折処理を行うことができる。「A4ランドスケープ」は、折を広げると、A4サイズを長さ方向に二つ繋げた横長形状となる成果物であり、「A4ランドスケープ」の作成に用いる「A4ランドスケープ用用紙」は、A4サイズの用紙を長手方向に二枚繋げた形状の用紙であり、「A4ランドスケープ用紙サイズ」は、長さが594[mm]、幅が210[mm]となる。
そして、本実施形態の紙折機1は、用紙Pが「A4ランドスケープ用用紙」の場合は、
図8(f)に示す観音折りの折処理を行う設定は入力できず、
図8(a)~(e)に示す観音折り以外の折処理を行う設定は入力できる構成となっている。
【0047】
図8に示すように、「用紙長さPL」に対して「第一折長さFL1」が最も長くなるのは観音折りの「3/4・PL」であり、「用紙長さPL」に対して「第二折長さFL2」が最も長くなるのも観音折りであって、その長さは「1/2・PL」である。観音折りの次に「第一折長さFL1」が長くなるのは、内三つ折りの「2/3・PL」であり、観音折りの次に「第二折長さFL2」が長くなるのは、内三つ折り及び外三つ折りの「1/3・PL」である。
A4ランドスケープ用用紙に対して観音折りを行う場合、「第一折長さFL1」は、445.5[mm]となり、「第二折長さFL2」は、297[mm]となる。これに対して、A4ランドスケープ用用紙に対して観音折りのみを設定できない構成とすると、「第一折長さFL1」として必要な長さは内三つ折りの「2/3・PL」に対応した「396[mm]」であり、「第二折長さFL2」として必要な長さは内三つ折りや外三つ折りの「1/3・PL」に対応した「198[mm]」である。
【0048】
上述した六種類の定形サイズのうち用紙長さPLが最大となる「A3」サイズ(用紙長さPL=420[mm])の用紙Pに対して観音折りを行う場合、「第一折長さFL1」は、315[mm]であり、「第二折長さFL2」は、210[mm]である。
A4ランドスケープ用用紙に対して観音折りを可能としようとすると、「A3」サイズに対して観音折りが可能な構成に比べて「第一折長さFL1」として必要な長さが、130.5[mm](445.5[mm]-315[mm]=130.5[mm])長くなる。また、「第二折長さFL2」として必要な長さが、87[mm](297[mm]-210[mm]=87[mm])長くなる。
これに対して、A4ランドスケープ用用紙に対して観音折りのみを設定できない構成とすると、「A3」サイズに対して観音折りが可能な構成に比べて「第一折長さFL1」として必要な長さが、81[mm](396[mm]-315[mm]=81[mm])長くなる。また、「第二折長さFL2」として必要な長さは、12[mm](198[mm]-210[mm]=-12[mm])短くなり、紙折機1が「第二折長さFL2」として必要な長さは、「A3」サイズに対して観音折りが可能な長さである「210[mm]」となる。
【0049】
紙折機1では、A4ランドスケープ用用紙に対して観音折りのみを設定できない構成とすることで、「第一折長さFL1」として必要な長さが「396[mm]」となり、観音折りも設定可能な構成に必要な長さである「445.5[mm]」に比べて「49.5[mm]」短くできる。さらに、「第二折長さFL2」として必要な長さが「210[mm]」となり、観音折りも設定可能な構成に必要な長さである「297[mm]」に比べて「87[mm]」短くできる。このように、A4ランドスケープ用用紙に対して観音折りのみを設定できない構成とすることで、「第一折長さFL1」や「第二折長さFL2」として必要な長さを短くでき、第一折込板36や第二折込板40の大型化を抑制できる。このため、上述した六種類の定形サイズの用紙Pに対しては観音折りを含めた六種類の折態様の折処理を施すことが可能で、A4ランドスケープ用用紙に対して観音折り以外の使用頻度の高い折態様の折処理を施すことが可能な構成としつつ、紙折機1の装置全体の大型化を抑制することができる。
【0050】
図2に示すように、紙折機1は、第一折込搬送路23に搬送される用紙Pを給紙する給送機構7を備え、第一折込搬送路23は給送機構7に対して斜め上方に延在し、第二折込搬送路28は給送機構7に対して斜め下方に延在する形状である。
一般的な定形サイズよりも用紙長さPLが長いA4ランドスケープ用用紙に対して、内三つ折りの折処理を可能とするために、第一折込搬送路23を長くしたとしても、給送機構7に対して斜め上方に延在する長さが長くなる。このため、A4ランドスケープ用用紙に内三つ折りの折処理を可能とするために装置における給送機構7よりも下となる部分を大きくする必要がなく、給送機構7で給紙する用紙Pが載置される給紙台6の高さを高くする必要がない。さらに、給送機構7を覆うように形成された筐体の上面に配置された操作部10の高さも高くする必要がない。給紙台6や操作部10といった使用者が作業を行う部分を高い位置に配置する必要がないことで、A4ランドスケープ用用紙のような長い用紙に折処理を施すことができる構成であっても、卓上に対する設置性が低下することを防止できる。
【0051】
また、第二折長さFL2に必要な長さが最も長くなる観音折りを、所定の長さ以上となるA4ランドスケープ用用紙に対する折処理の際には選択できない仕様とすることで、第二折込搬送路28が長くなることを抑制し、装置における給送機構7よりも下となる部分の大型化を抑制できる。これにより、給紙台6や操作部10といった使用者が作業を行う部分を高い位置に配置する必要がなくなり、卓上への設置性の低下を防止できる。
【0052】
本実施形態の紙折機1における「第二折長さFL2」として設定可能な最大値は「223.0[mm]」であり、A4ランドスケープ用用紙に対して観音折りのみを設定できない構成で、かつ、「A3」サイズの用紙に対して観音折りが可能な構成で、「第二折長さFL2」として必要な長さである「210[mm]」に対して「23[mm]」だけ長い構成である。
【0053】
本実施形態の紙折機1で折処理が可能な用紙Pの用紙長さPLの範囲は、182.0[mm]~648.0[mm]であり、用紙幅の範囲は、120.0[mm]~311.0[mm]である。
本実施形態の紙折機1における「第一折長さFL1」として設定可能な最大値は「442.0[mm]」であり、A4ランドスケープ用用紙に対して観音折りのみを設定できない構成で、「第一折長さFL1」として必要な長さである「396[mm]」よりも十分に長い。「第一折長さFL1」の最大値を大きくすることで第一折込板36が長くなっても、給紙台6や操作部10といった使用者が作業を行う部分の高さ方向の配置に影響なく、卓上への設置性の影響は限定的なものとなる。一方、「第一折長さFL1」の最大値を大きくすることで、「第一折長さFL1」によって長さが決まる折面の長さとして設定できる数値範囲の幅を広げることができる。
【0054】
紙折機1は、想定している最大の用紙長さPLをPLmax、第一折長さFL1の最大長をFL1max、第二折搬送路の最大長をFL2maxとしたときに、以下の(1)及び(2)式を満たす。
(1)FL1max>1/2・PLmax
(2)1/3・PLmax<FL2max<1/2・PLmax
上記(1)式を満たすことで、最大長の用紙Pに対して二つ折りを行うことができる構成となる。上記(2)式を満たすことで、最大長の用紙Pに対して外三つ折りを行うことができるが、観音折りは行うことができない構成となる。
【0055】
紙折機1は、上記(1)及び(2)式に加え、以下の(3)式を満たす。
(3)FL1max>2/3・PLmax
上記(3)式を満たすことで、最大長の用紙Pに対して内三つ折りを行うことができる構成となる。
なお、本実施形態の紙折機1では、PLmax=648[mm]、FL1max=442.0[mm]、FL2max=223.0[mm]である。
【0056】
また、A4ランドスケープ用用紙の用紙長さPLである「594[mm]」を上記(1)~(3)式の「PLmax」に代入しても上記(1)~(3)式が成り立つ。これにより、A4ランドスケープ用用紙に対して、二つ折り、内三つ折り、外三つ折りを行うことができる構成で、装置の大型化を抑制することが可能となる。
【0057】
さらに、用紙長さPLが「A4」サイズの用紙の短辺(210[mm])の三倍である「630[mm]」を上記(1)~(3)式の「PLmax」に代入しても上記(1)~(3)式が成り立つ。これにより、用紙長さPLが「630[mm]」となる用紙Pに対して、二つ折り、内三つ折り、外三つ折りを行うことができる構成で、装置の大型化を抑制することが可能となる。
また、上述したように、本実施形態の紙折機1で折処理が可能な用紙Pの折処理が可能な用紙幅の範囲は、120.0[mm]~311.0[mm]であるため、用紙幅が「297[mm]」の用紙Pに対して折処理が可能である。
そして、用紙長さPLが「630[mm]」で、用紙幅が「297[mm]」の用紙Pに対して、内三つ折りまたは外三つ折りの折処理を施すことで、三つ折りした成果物としてA4サイズの成果物(「内三つ折りA4仕上り」または「外三つ折りA4仕上り」)を得ることができる。
【0058】
[実施例1]
次に、紙折機1での折形態の設定の一つ目の実施例(以下、「実施例1」と呼ぶ)について説明する。
図9は、実施例1でタッチパネル101に表示される用紙サイズ選択画面を示す図である。実施例1の用紙サイズ選択画面では、六つの定形サイズ選択ボタン102(102a~102f)と、A4ランドスケープ選択ボタン103とが表示される。
図10は、実施例1でタッチパネル101に表示される折りモード(折形態)選択画面を示す図である。折りモード選択画面では六つの折りモード選択ボタン104(104a~104f)が表示される。
表示装置160を構成するタッチパネル101の表示内容は、制御部100が制御する。
【0059】
図9に示す用紙サイズ選択画面で、定形サイズ選択ボタン102とA4ランドスケープ選択ボタン103とのうち、六つの定形サイズ選択ボタン102の何れかが押されると、タッチパネル101には、
図10に示すように、六つの折りモード選択ボタン104の何れも選択可能な折りモード選択画面が表示される。
一方、
図9に示す用紙サイズ選択画面でA4ランドスケープ選択ボタン103が押されると、タッチパネル101には、
図10に示す六つの折りモード選択ボタン104のうち、観音折り選択ボタン104fをグレーアウトさせた折りモード選択画面が表示される。この折りモード選択画面では、観音折り選択ボタン104fが選択できず、他の五つの折りモード選択ボタン104(104a~104e)は選択可能である。これにより、用紙サイズとしてA4ランドスケープ用用紙サイズが入力されたときには、折りモードとして観音折りを入力できなくなる構成を実現できる。
【0060】
[実施例2]
次に、紙折機1での折形態の設定の二つ目の実施例(以下、「実施例2」と呼ぶ)について説明する。
図11は、実施例2でタッチパネル101に表示される用紙サイズ選択画面の説明図である。実施例2の用紙サイズ選択画面では、六つの定形サイズ選択ボタン102(102a~102f)が表示される。
【0061】
実施例2の紙折機1では、用紙サイズ選択画面では、A4ランドスケープ用用紙サイズの入力はできず、A4ランドスケープ用用紙に折処理を行う際には、「定形外用紙の定形折り」を行う設定を入力し、用紙幅「210[mm]」と、用紙長さ「594[mm]」を入力する。
【0062】
実施例2の紙折機1では、
図11に示す用紙サイズ選択画面で、定形サイズ選択ボタン102の何れかが押されると、タッチパネル101には、
図10に示すように、六つの折りモード選択ボタン104の何れも選択可能な折りモード選択画面が表示される。
また、「定形外用紙の定形折り」を行う設定が入力され、用紙長さとして、「432[mm]」以下の数値が入力された場合も、
図10に示すように、六つの折りモード選択ボタン104の何れも選択可能な折りモード選択画面が表示される。
一方、「定形外用紙の定形折り」を行う設定が入力され、用紙長さとして、「432[mm]」よりも大きい数値が入力された場合は、
図10に示す六つの折りモード選択ボタン104のうち、観音折り選択ボタン104fをグレーアウトさせた折りモード選択画面が表示される。この折りモード選択画面では、観音折り選択ボタン104fが選択できず、他の五つの折りモード選択ボタン104(104a~104e)は選択可能である。
これにより、用紙長さとしてA4ランドスケープ用用紙の「594[mm]」が入力されると、観音折り選択ボタン104fをグレーアウトさせた折りモード選択画面が表示され、折りモードとして観音折りを入力できなくなる構成を実現できる。
【0063】
用紙長さの入力は、「定形外用紙の定形折り」を行う設定で、タッチパネル101に表示される用紙長さ入力画面によって入力できる。
【0064】
上述した実施例1及び2では、観音折りができない条件が入力された場合に、観音折り選択ボタン104fをグレーアウトする構成について説明した。観音折りができない条件が入力された場合に、観音折り選択ボタン104fをグレーアウトする構成に限らず、観音折り選択ボタン104fを選択すると、エラーメッセージ等の警告を表示する構成してもよい。
【0065】
また、給紙台6に積載された用紙Pの長さを自動で検知して入力する構成としてもよい。自動で検知する構成としては、給紙台6に用紙検知センサを複数配置して、用紙Pを検知したセンサの位置に基づいて用紙長さを検知する構成を用いることができる。また、給送機構7によって給送された用紙Pが通過する搬送路中に用紙検知センサを配置し、センサが用紙先端を検知してから用紙後端を検知するまでの時間に基づいて用紙長さを検知する構成を用いることができる。
【0066】
[変形例]
次に、紙折機1の変形例について説明する。変形例の紙折機1は、第二折込板40の長さと「第二折長さFL2」として設定可能な最大値とが上述した実施形態の紙折機1とは異なり、他の点は共通である。
【0067】
上述した実施形態の紙折機1では、「第二折長さFL2」として設定可能な最大値は「223.0[mm]」である。これは、A4ランドスケープ用用紙に対して観音折りのみを設定できない構成(FL2<297[mm])で、且つ、「A3」サイズの用紙に対して観音折りが可能な構成(FL2≧210[mm])である。
これに対して、変形例の紙折機1では、「第二折長さFL2」として設定可能な最大値を、「200[mm]」としている。
これは、A4ランドスケープ用用紙に対して観音折りを設定できない構成(FL2<297[mm])で、さらに、「A3」サイズの用紙に対しても観音折りを設定できない構成(FL2<210[mm])であるが、A4ランドスケープ用用紙に対して内三つ折り及び外三つ折りが可能な構成(FL2≧198[mm])であり、「A3」サイズの用紙に対しても内三つ折り及び外三つ折りが可能な構成である。すなわち、A4ランドスケープ用用紙及び「A3」サイズの用紙に対して、
図8に示した六種類の折りモードのうち、観音折り以外の五種類の折りモードを設定可能となっている。
【0068】
変形例の紙折機1は、上述した実施形態の紙折機1では可能であった「A3」サイズの用紙に対する観音折りができなくなっている。しかし、「第二折長さFL2」として設定可能な最大値の範囲を、「200[mm]」として、第二折込板40の長さを短くすることが可能となり、A4ランドスケープ用用紙に対して内三つ折り及び外三つ折りが可能な構成で、紙折機1の全体のさらなる小型化を図ることができる。
【0069】
変形例の紙折機1は、「第二折長さFL2」として設定可能な最大値が「200[mm]」で、A4ランドスケープ用用紙に対して内三つ折り及び外三つ折りが可能な構成の「第二折長さFL2」として必要な長さである「198[mm]」に対して「2[mm]」だけ長い構成である。「第二折長さFL2」として設定可能な最大値を、「198[mm]」以上、「210[mm]」未満とし、「第一折長さFL1」として設定可能な最大値を396[mm]以上とすることで、A4ランドスケープ用用紙に対して内三つ折り及び外三つ折りが可能な構成で、第二折込板40の小型化による紙折機1全体の小型化を図ることができる。
【0070】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
【0071】
〔態様1〕
第一の折目を形成される前の用紙P等のシートが進入する第一折込搬送路23等の第一折搬送路と、第二の折目を形成される前のシートが進入する第二折込搬送路28等の第二折搬送路と、を備える紙折機1等のバックル折式のシート折装置において、折処理の前のシートの用紙長さPL等のシート全長を取得するシート全長情報取得手段(タッチパネル101を含む入力装置110等)と、折処理の後のシートの折形態(折りモード等)の入力を受付ける折形態入力手段(タッチパネル101を含む入力装置110等)と、を備え、折形態入力手段は、シート全長に基づいて入力可能な折形態の種類を変更することを特徴とする。
このシート折装置によれば、装置サイズの大型化を抑制しつつ、一部の折形態については、より長いシートに対して折処理を施すことが可能となる、という優れた効果がある。
上述した実施形態では、折形態入力手段が紙折機1に設けられたタッチパネル101である構成について説明したが、折形態入力手段としては、紙折機1の外部のパーソナルコンピューター等からの入力を受付ける外部装置情報入力部でもよい。
【0072】
〔態様2〕
態様1のシート折装置において、折形態入力手段は、シート全長が、432[mm]等の所定の長さよりも長い場合に、観音折りを入力できなくなる等、入力可能な折形態の種類を少なくすることを特徴とする。
これによれば、入力されたシート全長が長いときに、シート全長に対する第一折搬送路や第二折搬送路で必要とする長さが他の折形態よりも長くなる折形態の入力をできなくすることによって、第一折搬送路や第二折搬送路に必要な長さを抑制し、装置の大型化を防ぐことができる。
【0073】
〔態様3〕
態様2のシート折装置において、折形態入力手段は、観音折りを含む六種類の折りモード等の複数の折形態が入力可能であり、シート全長が432[mm]等の所定の長さよりも長い場合に、折形態入力手段で前記観音折りを入力できなくすることを特徴とする。
これによれば、入力されたシート全長が長いときに、シート全長に対する第一折搬送路や第二折搬送路で必要とする長さが他の折形態よりも長くなる観音折りの入力をできなくすることによって、第一折搬送路や第二折搬送路に必要な長さを抑制し、装置の大型化を防ぐことができる。
【0074】
〔態様4〕
態様1乃至3の何れかに係るシート折装置において、第一折搬送路に搬送されるシートを給送する給送機構7等の給送手段を備え、第一折搬送路は給送手段に対して斜め上方に延在し、第二折搬送路は給送手段に対して斜め下方に延在することを特徴とする。
これによれば、A4ランドスケープ用用紙等のシート全長が最大となることを想定しているシートに対して、内三つ折りが可能となるように、第一折搬送路を長くしても、給送手段よりも斜め上方に延在する長さが長くなるため、使用するシートのうちシート全長が最大のシートに対して内三つ折りを可能とするために、装置における給送手段よりも下となる部分を大きくする必要がなく、卓上への設置性の低下を防止できる。
また、第二折搬送路に必要な長さが最も長くなる観音折りを、所定の長さ以上のシートに対しては選択できない仕様とすることで、第二折搬送路の長さが長くなることを抑制し、装置における給送手段よりも下となる部分の大型化を抑制でき、卓上への設置性の低下を防止できる。また、給送手段で給送するシートが積載される給紙台6等の給送積載台を高くする必要がないことで、シートの積載し易さの悪化を防止できる。
【0075】
〔態様5〕
態様1乃至4の何れかに係るシート折装置において、シートのサイズが、A3、A4、A5、B4、B5またはB6の何れかの場合は、二つ折り、四つ折り、片袖折り、内三つ折り、外三つ折り及び観音折りの折形態を入力可能とし、シートのサイズが、A4ランドスケープ用用紙サイズ等のA4ランドスケープ用シートサイズの場合は、二つ折り、四つ折り、片袖折り、内三つ折り及び外三つ折りの折形態は入力可能で、観音折りの折形態は入力できなくすることを特徴とする。
これによれば、A4ランドスケープ用用紙等のA4ランドスケープ用シートに折処理を施す場合に、シート全長に対する第一折搬送路や第二折搬送路で必要とする長さが他の折形態よりも長くなる観音折りの入力をできなくすることによって、第一折搬送路や第二折搬送路に必要な長さを抑制し、A4ランドスケープ用シートに対して観音折り以外の折形態の折処理を実行可能としつつ、装置の大型化を防ぐことができる。
【0076】
〔態様6〕
態様1乃至4の何れかに係るシート折装置において、シート全長が、A3、A4、A5、B4、B5またはB6の何れかの長手方向の長さに対応する場合は、二つ折り、四つ折り、片袖折り、内三つ折り、外三つ折り及び観音折りの折形態を入力可能とし、シート全長が、A4ランドスケープ用用紙サイズ等のA4ランドスケープ用シートサイズの長手方向の長さに対応する場合は、二つ折り、四つ折り、片袖折り、内三つ折り及び外三つ折りの折形態は入力可能で、観音折りの折形態は入力できなくすることを特徴とする。
これによれば、A4ランドスケープ用用紙等のA4ランドスケープ用シートのように、シート全長が長いシートに折処理を施す場合に、シート全長に対する第一折搬送路や第二折搬送路で必要とする長さが他の折形態よりも長くなる観音折りの入力をできなくすることによって、第一折搬送路や第二折搬送路に必要な長さを抑制し、シート全長が長いシートに観音折り以外の折形態の折処理を実行可能としつつ、装置の大型化を防ぐことができる。
【0077】
〔態様7〕
第一の折目を形成される前の用紙P等のシートが進入する第一折込搬送路23等の第一折搬送路と、第二の折目を形成される前のシートが進入する第二折込搬送路28等の第二折搬送路と、を備え、第一の折目を形成する第一折ニップN1等の第一折ニップから第一折搬送路に配置された第一折ストッパ等の第一の突き当て部材までの距離である第一折長さFL1等の第一折長さと、第二の折目を形成する第二折ニップから前記第二折搬送路に配置された第二の突き当て部材までの距離である第二折長さFL2等の第二折長さと、を変更可能な紙折機1等のバックル折式のシート折装置において、第一折長さの設定可能な最大値は、396[mm]以上、第二折長さの設定可能な最大値は、210[mm]以上、297[mm]未満であることを特徴とする。
【0078】
第一折長さの設定可能な最大値を396[mm]以上とし、第二折長さの設定可能な最大値を210[mm]以上とすることで、A3サイズ以下のシートに対して、二つ折り、四つ折り、片袖折り、内三つ折り、外三つ折り及び観音折りの折処理が可能となる。さらに、A4ランドスケープ用用紙等のA4ランドスケープ用シートに対して、二つ折り、四つ折り、片袖折り、内三つ折り及び外三つ折りの折処理が可能となる。また、第二折長さの設定可能な最大値を297[mm]未満とすると、A4ランドスケープ用シートに対して観音折りの折処理ができなくなるものの、A4ランドスケープ用シートに対して観音折りが可能な装置に比べて、小型化を図ることができる。このように態様7のシート折装置では、装置サイズの大型化を抑制しつつ、二つ折り、四つ折り、片袖折り、内三つ折り及び外三つ折りといった一部の折形態については、より長いシートであるA4ランドスケープに対して折処理を施すことが可能となる。
また、第一折長さの設定可能な最大値を445.5[mm]未満とすることで、A4ランドスケープ用シートに対して観音折りが可能な装置に比べて、小型化を図りつつ、A4ランドスケープ用シートに対して二つ折り、四つ折り、片袖折り、内三つ折り及び外三つ折りの折処理が可能なシート折装置を実現できる。
【0079】
〔態様8〕
態様7のシート折装置において、第一折長さの設定可能な最大値は、420[mm]以上であり、シートが通過する搬送路の搬送方向に直交する方向の長さである搬送幅は、297[mm]以上とすることが可能であることを特徴とするものである。
これによれば、内三つ折りした成果物としてA4サイズの成果物(内三つ折りA4仕上り等)を得ることができる。
なお、上述した実施形態の紙折機1は、用紙幅として、120.0[mm]~311.0[mm]の範囲で設定可能であり、給紙台6における手前サイドガイド50aと奥サイドガイド50bとの幅方向の距離は、120.0[mm]~311.0[mm]の間で調整可能である。また、給紙台6よりも搬送方向下流側の搬送路(第一折込搬送路23及び第二折込搬送路28等)は、用紙幅として設定可能な最大幅の用紙Pが通過できるようにその幅は311.0[mm]以上であるため、搬送幅は、297[mm]以上とすることは可能である。
【0080】
〔態様9〕
第一の折目を形成される前の用紙P等のシートが進入する第一折込搬送路23等の第一折搬送路と、第二の折目を形成される前のシートが進入する第二折込搬送路28等の第二折搬送路と、を備え、第一の折目を形成する第一折ニップN1等の第一折ニップから第一折搬送路に配置された第一折ストッパ等の第一の突き当て部材までの距離である第一折長さFL1等の第一折長さと、第二の折目を形成する第二折ニップから前記第二折搬送路に配置された第二の突き当て部材までの距離である第二折長さFL2等の第二折長さと、を変更可能な紙折機1等のバックル折式のシート折装置において、第一折長さの設定可能な最大値は、396[mm]以上、第二折長さの設定可能な最大値は、198[mm]以上、210[mm]未満であることを特徴とする。
これによれば、第二折長さの設定可能な最大値を210[mm]未満とすると、A4ランドスケープ用シート及びA3サイズのシートに対して観音折りの折処理ができなくなるものの、装置の小型化を図りつつ、A4ランドスケープ用シート及びA3サイズのシートに対して、二つ折り、四つ折り、片袖折り、内三つ折り及び外三つ折りの折処理が可能なシート折装置を実現できる。
【符号の説明】
【0081】
1 :紙折機
2 :給紙部
3 :排紙部
4 :折処理部
5 :フレーム
6 :給紙台
7 :給送機構
8 :前方エア吐出機構
9 :側方方エア吐出機構
10 :操作部
12 :エンドフェンス
18 :入口ローラ対
20 :折部ローラ
20a :第一折部ローラ
20b :第二折部ローラ
20c :第三折部ローラ
20d :第四折部ローラ
23 :第一折込搬送路
25 :第一折ストッパ
28 :第二折込搬送路
32 :第二折ストッパ
34 :第一折込板筐体
36 :第一折込板
38 :第二折込板筐体
40 :第二折込板
60 :第一折込機構
61 :第二折込機構
62 :第一折込搬送ガイド
100 :制御部
101 :タッチパネル
102 :定形サイズ選択ボタン
103 :A4ランドスケープ選択ボタン
104 :折りモード選択ボタン
FL1 :第一折長さ
FL2 :第二折長さ
N1 :第一折ニップ
N2 :第二折ニップ