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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094930
(43)【公開日】2022-06-27
(54)【発明の名称】表示パネル
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/50 20060101AFI20220620BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220620BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20220620BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20220620BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20220620BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20220620BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
H05B33/14 B
H01L27/32
H05B33/12 E
H05B33/12 B
H05B33/12 C
H05B33/22 Z
H05B33/22 A
H05B33/02
C09K11/06 650
C09K11/06 603
G09F9/30 365
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021190304
(22)【出願日】2021-11-24
(31)【優先権主張番号】10-2020-0175784
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】特許業務法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョンピル
(72)【発明者】
【氏名】スン ビョンフン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC04
3K107CC21
3K107DD52
3K107DD53
3K107DD54
3K107DD58
3K107DD59
3K107DD69
3K107DD75
3K107DD89
3K107EE22
3K107EE24
3K107EE28
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA13
5C094FB01
5C094HA05
5C094HA07
5C094HA08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】効率及び寿命が改善された発光素子を含む表示パネル提供する。
【解決手段】表示パネルは、第1光を発光する第1画素領域と、第1光とは異なる第2光を発光する第2画素領域と、第1光及び第2光とは異なる第3光を発光する第3画素領域と、を含む上部表示基板と、第1画素領域に重畳する第1発光素子と、第2画素領域に重畳する第2発光素子と、第3画素領域に重畳する第3発光素子と、を含む下部表示基板と、を含み、第1発光素子及び第2発光素子はそれぞれ第2光を放出する第1発光層を含む第1スタック部及び第1電荷生成層を一つ以上含み、第3発光素子は、第3光を放出する第2発光層を含む第2スタック部及び第2電荷生成層を一つ以上含み、第1電荷生成層は有機ドーパントを含み、第2電荷生成層は無機ドーパントを含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光を発光する第1画素領域と、前記第1光とは異なる第2光を発光する第2画素領域と、前記第1光及び前記第2光とは異なる第3光を発光する第3画素領域と、を含む上部表示基板と、
前記第1画素領域に重畳する第1発光素子と、前記第2画素領域に重畳する第2発光素子と、前記第3画素領域にする第3発光素子と、を含む下部表示基板と、を含み、
前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、それぞれ前記第2光を放出する第1発光層を含む第1スタック部及び第1電荷生成層を一つ以上含み、
前記第3発光素子は、前記第3光を放出する第2発光層を含む第2スタック部及び第2電荷生成層を一つ以上含み、
前記第1電荷生成層は有機ドーパントを含み、
前記第2電荷生成層は無機ドーパントを含む表示パネル。
【請求項2】
前記第1電荷生成層は、p型の第1電荷生成層及びn型の第1電荷生成層を含み、
前記第2電荷生成層は、p型の第2電荷生成層及びn型の第2電荷生成層を含み、
前記p型の第1電荷生成層は、前記有機ドーパントを含み、
前記p型の第2電荷生成層は、前記無機ドーパントを含む請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記有機ドーパントは、4-[[2,3-ビス[シアノ-(4-シアノ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)メチリデン]シクロピロピリデン]-シアノメチル]-2,3,5,6-テトラフルオロベンゾニトリル(NDP9)、1,4,5,8,9,11-ヘキサアザトリフェニレン-ヘキサカルボニトリル(HAT-CN)、2,3,5,6-テトラフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(FA-TCNQ)、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)のうち少なくとも一つを含む請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記無機ドーパントは、ポスト遷移金属、準金属、ポスト遷移金属と準金属との化合物、及び遷移金属とハロゲンとの化合物のうち少なくとも一つを含む請求項1に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第1スタック部は、前記第1発光層の下に配置される第1正孔輸送領域及び前記第1発光層の上に配置される第1電子輸送領域を更に含み、
前記第2スタック部は、前記第2発光層の下に配置される第2正孔輸送領域及び前記第2発光層の上に配置される第2電子輸送領域を更に含む請求項1に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記下部表示基板は、前記第2発光素子と前記第3発光素子との間に配置されるバンクを更に含み、
前記第1発光素子と前記第2発光素子との間には前記バンクが配置されない請求項1に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記上部表示基板は、前記第1領域乃至前記第3画素領域に隣接する非画素領域を更に含み、
前記下部表示基板は、前記非画素領域に重畳する画素定義膜を更に含み、
前記バンクは、前記画素定義膜に重畳する請求項6に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記第1発光素子の第1スタック部及び前記第2発光素子の第1スタック部は、一体の形状を有する請求項1に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、それぞれ一つ以上の前記第2スタック部及び前記第2電荷生成層を更に含む請求項1に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記上部表示基板は、
前記第1画素領域に重畳し、第1量子ドットを含む第1光制御部と、
前記第2画素領域に重畳し、前記第2光を透過させる第2光制御部と、
前記第3画素領域に重畳し、前記第3光を透過させる第3光制御部と、を含み、
前記第1量子ドットは、前記第2光を前記第1光に変換させる請求項1に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記上部表示基板は、
前記第1画素領域に重畳し、第1量子ドットを含む第1光制御部と、
前記第2画素領域に重畳し、第2量子ドットを含む第2光制御部と、
前記第3画素領域に重畳し、前記第3光を透過させる第3光制御部と、を含み、
前記第1量子ドットは、前記第2光または第3光を前記第1光に変換させ、
前記第2量子ドットは、前記第3光を前記第2光に変換させる請求項9に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記第1発光素子の第2スタック部及び前記第2発光素子の第2スタック部は、前記第3発光素子の第2スタック部のうち少なくとも一つと一体の形状を有する請求項9に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記第3発光素子は前記第1スタック部を含まない請求項1に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記第1発光素子と前記第2発光素子とは互いに同じ構造を有する請求項1に記載の表示パネル。
【請求項15】
前記第1光は赤色光で、前記第2光は緑色光で、前記第3光は青色光である請求項1に記載の表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示パネルに関し、より詳しくは、寿命及び発光効率が向上された発光素子を含む表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン、携帯電話、タブレットコンピュータ、ナビゲーション、ゲーム機などのようなマルチメディア装置に使用される多様な表示装置が開発されている。このような表示装置は、発光材料を発光させて表示を実現する、いわゆる自発光型の表示装置を利用する。
【0003】
詳しくは、発光素子は第1電極及び第2電極から注入された正孔及び電子を発光層で再結合させることで励起子を生成し、生成された励起子を底状態に落として光を発生させる。
【0004】
タンデム(tandem)有機発光素子は、アノード電極とカソード電極との間に正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層のスタック(stack)が2つ以上の複数個からなる構造であり、各スタックの間に電荷の生成及び移動を助ける電荷生成層(Charge Generation Layer)が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2020-0014045号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2016/0254323号明細書
【特許文献3】韓国公開特許第10-2016-0061718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、効率及び寿命が改善された発光素子を含む表示パネル提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施例において、第1光を発光する第1画素領域と、前記第1光とは異なる第2光を発光する第2画素領域と、前記第1光及び前記第2光とは異なる第3光を発光する第3画素領域と、を含む上部表示基板と、前記第1画素領域に重畳する第1発光素子と、前記第2画素領域に重畳する第2発光素子と、前記第3画素領域に重畳する第3発光素子と、を含む下部表示基板と、を含み、前記第1発光素子及び前記第2発光素子はそれぞれ前記第2光を放出する第1発光層を含む第1スタック部及び第1電荷生成層を一つ以上含み、前記第3発光素子は、前記第3光を放出する第2発光層を含む第2スタック部及び第2電荷生成層を一つ以上含み、前記第1電荷生成層は有機ドーパントを含み、前記第2電荷生成層は無機ドーパントを含む表示パネルを提供する。
【0008】
前記第1電荷生成層はp型の第1電荷生成層及びn型の第1電荷生成層を含み、前記第2電荷生成層はp型の第2電荷生成層及びn型の第2電荷生成層を含み、前記p型の第1電荷生成層は前記有機ドーパントを含み、前記p型の第2電荷生成層は前記無機ドーパントを含む。
【0009】
前記有機ドーパントは、4-[[2,3-ビス[シアノ-(4-シアノ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)メチリデン]シクロピロピリデン]-シアノメチル]-2,3,5,6-テトラフルオロベンゾニトリル(NDP9)、1,4,5,8,9,11-ヘキサアザトリフェニレン-ヘキサカルボニトリル(HAT-CN)、2,3,5,6-テトラフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(FA-TCNQ)、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)のうち少なくとも一つを含む。
【0010】
前記無機ドーパントは、ポスト遷移金属、準金属、ポスト遷移金属と準金属との化合物、及び遷移金属とハロゲンとの化合物のうち少なくとも一つを含む。
【0011】
前記第1スタック部は前記第1発光層の下に配置される第1正孔輸送領域及び前記第1発光層の上に配置される第1電子輸送領域を更に含み、前記第2スタック部は前記第2発光層の下に配置される第2正孔輸送領域及び前記第2発光層の上に配置される第2電子輸送領域を更に含む。
【0012】
前記下部表示基板は前記第2発光素子と前記第3発光素子との間に配置されるバンクを更に含み、前記第1発光素子と前記第2発光素子との間には前記バンクが配置されない。
【0013】
前記上部表示基板は、前記第1領域乃至前記第3画素領域に隣接する非画素領域を更に含み、前記下部表示基板は前記非画素領域に重畳する画素定義膜を更に含み、前記バンクは前記画素定義膜に重畳する。
【0014】
前記第1発光素子の第1スタック部及び前記第2発光素子の第1スタック部は一体の形状を有する。
【0015】
前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、それぞれ一つ以上の前記第2スタック部及び前記第2電荷生成層を更に含む。
【0016】
前記上部表示基板は、前記第1画素領域に重畳し、第1量子ドットを含む第1光制御部と、前記第2画素領域に重畳し、前記第2光を透過させる第2光制御部と、前記第3画素領域に重畳し、前記第3光を透過させる第3光制御部と、を含み、前記第1量子ドットは前記第2光を前記第1光に変換させる。
【0017】
前記上部表示基板は、前記第1画素領域に重畳し、第1量子ドットを含む第1光制御部と、前記第2画素領域に重畳し、第2量子ドットを含む第2光制御部と、前記第3画素領域に重畳し、前記第3光を透過させる第3光制御部と、を含み、前記第1量子ドットは前記第2光または第3光を前記第1光に変換させ、前記第2量子ドットは前記第3光を前記第2光に変換させる。
【0018】
前記第1発光素子の第2スタック部及び前記第2発光素子の第2スタック部は、前記第3発光素子の第2スタック部のうち少なくとも一つと一体の形状を有する。
【0019】
前記第3発光素子は前記第1スタック部を含まない。
【0020】
前記第1発光素子と前記第2発光素子とは互いに同じ構造を有する。
【0021】
前記第1光は赤色光で、前記第2光は緑色光で、前記第3光は青色光である。
【0022】
一実施例において、第1方向から隣り合って配置される第1画素領域、第2画素領域、及び第3画素領域を含む上部表示基板と、前記第1画素領域に重畳する第1発光素子、前記第2画素領域に重畳する第2発光素子、前記第3画素領域に重畳する第3発光素子、及び前記第2発光素子と前記第3発光素子との間に配置されるバンクを含む下部表示基板と、を含み、前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、それぞれ第2光を放出する第1発光層を含む第1スタック部を一つ以上含み、前記第3発光素子は、前記第2光とは異なる第3光を放出する第2発光層を含む第2スタック部を2つ以上含み、前記第1スタック部を含まない表示パネルを提供する。
【0023】
前記下部表示基板は、前記第1発光層の下に配置されるp型の第1電荷生成層、及び前記第2発光層の下に配置されるp型の第2電荷生成層を更に含み、前記p型の第1電荷生成層は有機ドーパントを含み、前記p型の第2電荷生成層は無機ドーパントを含む。
【0024】
前記下部表示基板は、前記第1発光層上に配置されるn型の第1電荷生成層、及び前記第2発光層の上に配置されるn型の第2電荷生成層を更に含む。
【0025】
第1発光素子乃至第3発光素子のそれぞれは、前記第1方向と直交する第2方向に順次積層される第1スタック乃至第3スタックをそれぞれ含み、前記第1発光素子及び前記第2発光素子の第1スタック乃至第3スタックは、それぞれ一体の形状を有する第1スタック部を含み、前記第3発光素子の第1スタック乃至第3スタックは、それぞれ第2スタック部を含む。
【0026】
第1発光素子乃至第3発光素子のそれぞれは、前記第1方向と直交する第2方向に順次積層される第1スタック乃至第3スタックをそれぞれ含み、前記第1発光素子及び前記第2発光素子の第1スタック乃至第3スタックのうち少なくともいずれか一つの層に第2スタック部を含み、残りの層に第1スタック部を含み、前記第3発光素子の第1スタック乃至第3スタックは、それぞれ第2スタック部を含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明の一実施例による表示装置は、発光効率及び寿命が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施例による表示パネルの斜視図である。
図2】本発明の一実施例による表示パネルの断面図である。
図3】本発明の一実施例による表示パネルの表示領域の平面図である。
図4】一実施例による表示パネルの断面図である。
図5】一実施例による発光素子の断面図である。
図6】一実施例による発光素子の断面図である。
図7】一実施例による表示パネルの断面図である。
図8】一実施例による発光素子の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することができるゆえ、特定の実施例を図面に例示し、本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定な開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物または代替物を含むと理解すべきである。
【0030】
各図面を説明しながら、類似した参照符号が類似した構成要素に対して使用されている。添付した図面において、構造物の寸法は本発明の明確性のために実際より拡大して示されている。第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使用されるが、前記構成要素は前記用語に限らない。前記用語は一つの構造要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しない範囲で第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、類似して第2構成要素も第1構成要素と命名されてもよい。単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0031】
「及び/または」は、関連する構成が定義する一つ以上の組み合わせを全て含む。
【0032】
異なるように定義されない限り、本明細書で使用された全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明の属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。また、一般的に使用される辞書に定義されている用語は、関連技術の脈絡における意味と同じ意味を有すると解釈すべきであり、明示的に定義されない限り、理想的な、または過度に形式的な意味に解釈されない。
【0033】
本出願において、「含む」または「有する」などの用語は明細書の上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないと理解すべきである。
【0034】
本出願において、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」または「上部に」あるとする場合、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。逆に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下に」または「下部に」にあるとする場合、これは他の部分の「直下」にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。また、本出願において、「上に」配置されるとは、上部だけでなく下部に配置される場合も含む。
【0035】
一方、本出願において、「直接接する」とは、層、膜、領域、板などの部分と他の部分の間に追加される層、膜、領域、板などがないことを意味する可能性がある。例えば、「直接接する」とは、2つの層または2つの部材の間に接着部材などの追加の部材を使用せずに配置することを意味する可能性がある。
【0036】
以下、図面を参照して、本発明の一実施例による表示パネルについて説明する。
【0037】
図1は、本発明の実施例による表示パネルDPの斜視図である。図2は、本発明の実施例による表示パネルDPの断面図である。
【0038】
図1及び図2を参照すると、表示パネルDPは、下部表示基板100と、下部表示基板100と向かい合って離隔されている上部表示基板200と、を含む。下部表示基板100と上部表示基板200との間には充填層BFLが充填される。図示していないが、一実施例による表示パネルDPでは充填層BFLが省略されて、下部表示基板100と上部表示基板200との間には所定のセルギャップが設けられてもよい。
【0039】
別途図示していないが、表示パネルDPはシャシー部材またはモールディング部材を更に含んでもよく、表示パネルDPの種類によってバックライトユニットを更に含んでもよい。
【0040】
一実施例による表示パネルDPは、非表示領域NDAにおいて下部表示基板100と上部表示基板200とを結合するシーラントSLMを含む。シーラントSLMは有機接着部材または無機接着部材を含む。シーラントSLMはフリットを含む。但し、これに限らず、シーラントSLMは省略されてもよい。
【0041】
表示パネル100は、表示面DP-ISを介してイメージを表示する。表示面DP-ISは、第1方向軸DR1及び第2方向軸DR2が定義する面と平行する。表示面DP-ISは表示領域DAと非表示領域NDAを含む。表示領域DAには画素PXが配置される。非表示領域NDAは表示面DP-ISの縁に沿って定義される。表示領域DAは非表示領域NDAによって囲まれる。
【0042】
表示面DP-ISの法線方向、つまり、表示パネルDPの厚さ方向は第3方向DR3である。以下で説明する各層またはユニットの前面(または上面)と背面(または下面)は、第3方向DR3によって区分される。しかし、本実施例において、図示した第1乃至第3方向DR1、DR2、DR3は例示に過ぎない。
【0043】
本発明の一実施例において、平面型表示面DP-ISを備える表示パネルDPを示したが、これに限らない。表示パネルDPは曲面型表示面または立体型表示面を含んでもよい。立体型表示面は互いに異なる方向を指示する複数個の表示領域を含んでもよい。
【0044】
表示パネルDP、液晶表示パネル(liquid crystal display panel)、電気泳動表示パネル(electrophoretic display panel)、MEMS表示パネル(micro electro mechanical system display panel)、電気湿潤表示パネル(electrowetting display panel)、有機発光表示パネル(organic light emitting display panel)、マイクロLED表示パネル(micro LED display panel)、量子ドット表示パネル(Quantum dot display panel)、量子ロッド表示パネル(Quantum rod display panel)のうちいずれか一つであってもよく、特に限らない。
【0045】
図3は、本発明の実施例による表示パネルDPの表示領域DAの平面図である。図4は、一実施例の表示パネルDPの断面図である。図4は、図3のI-I’線に対応する部分を示す断面図である。
【0046】
図3を参照すると、表示パネルDPの表示領域DAは非画素領域NPXA及び画素領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bを含む。画素領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bが順次交互に配列される縞状構造を有する形態を例示的に示したが、画素領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bの配列構造はこれに限らず、多様な配列形態を有してもよい。一実施例において、画素領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bはダイヤモンド配列構造、またはペンタイル配列構造を有してもよい。
【0047】
画素領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bは互いに離隔されて配置される第1画素領域PXA-Rと、第2画素領域PXA-Gと、第3画素領域PXA-Bと、を含む。図3では、平面上矩形の第1乃至第3画素領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bを示したが、これに限らない。平面上において、第1乃至第3画素領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bは他の多角形状を有してもよく、角領域が丸い正多角形を有してもよい。
【0048】
第1乃至第3画素領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bの周辺には非表示領域NPXAが配置される。非画素領域NPXAは第1乃至第3画素領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bの境界を設定し、第1乃至第3画素領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bの間の混色を防止する。また、非画素領域NPXAは光源がユーザに視認されないように光源を遮断する。
【0049】
図4を参照すると、表示パネルDPの下部表示基板100は、ベース層BSと、ベース層BSの上に提供される回路層DP-CLと、表示素子層DP-EDと、を含む。表示素子層DP-EDは、画素定義膜PDLと、画素定義膜PDLに設けられる開口部OHに重畳して配置される発光素子ED1、ED2、ED3とを含む。
【0050】
画素定義膜PDLは、画素領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bを区分する。非画素領域NPXAは隣り合う画素領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bの間の領域であって、画素定義膜PDLと対応する領域である。
【0051】
発光素子ED1、ED2、ED3は画素領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bに重畳して配置される。画素領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bのそれぞれは、発光素子ED1、ED2、ED3から生成された光がそれぞれ放出される領域である。
【0052】
例えば、表示パネルDPは互いに離隔されて配置される第1画素領域PXA-R、第2画素領域PXA-G、及び第3画素領域PXA-Bを含み、第1画素領域PXA-Rに重畳する第1発光素子ED1、第2画素領域PXA-Gに重畳する第2発光素子ED2、及び第3画素領域PXA-Rに重畳する第3発光素子ED3を含んでもよい。
【0053】
一実施例において、第1画素領域PXA-Rは赤色光の画素領域である。赤色光は625nm以上675nm以下の波長領域の光に該当する。第2画素領域PXA-Gは緑色光の画素領域である。緑色光は500nm以上570nm以下の波長領域の光に該当する。第3画素領域PXA-Bは青色光の画素領域である。青色光は410nm以上480nm以下の波長を有する光に該当する。
【0054】
一実施例の表示装置DDにおいて、第1発光素子ED1と第2発光素子ED2は同じ波長領域の光を放出し、第3発光素子ED3は第1発光素子ED1及び第2発光素子ED2とは異なる波長領域の光を放出する。例えば、第1発光素子ED1及び第2発光素子ED2は緑色光を放出し、第3発光素子ED3は青色光を放出してもよい。但し、これに限らず、第1発光素子ED1及び第2発光素子ED2は緑色光及び青色光を放出してもよい。
【0055】
図3及び図4では、画素領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bの面積がいずれも類似しているように示したが、実施例はこれにかぎらず、画素領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bの面積は放出する光の波長領域によって互いに異なり得る。一方、画素領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bの面積は、第1方向DR1と第2方向DR2が定義する平面上から見た際の面積を意味する。
【0056】
ベース層BSは、表示素子層EP-EDが配置されるベース面を提供する部材である。ベース層BSは、ガラス基板、金属基板、プラスチック基板などである。しかし、実施例はこれに限らず、ベース層BSは無機層、有機層、または複合材料層であってもよい。
【0057】
一実施例において、回路層DP-CLはベース層BSの上に配置されるが、回路層DP-CLは複数のトランジスタ(図示せず)を含む。トランジスタ(図示せず)は、それぞれ制御電極、入力電極、及び出力電極を含む。例えば、回路層DP-CLは第1乃至第3発光素子ED1、ED2、ED3を駆動するためのスイッチングトランジスタ及び駆動トランジスタを含んでもよい。
【0058】
回路層DP-CLの上には画素定義膜PDLが配置される。画素定義膜PDLは、高分子樹脂からなる。例えば、画素定義膜PDLは、ポリアクリレート系樹脂、またはポリイミド系樹脂を含んで形成されてもよい。また、画素定義膜PDLは、高分子樹脂以外に無機物を更に含んで形成されてもよい。また、画素定義膜PDLは、光吸収物質を含んで形成されるか、ブラック顔料またはブラック染料を含んで形成されてもよい。ブラック顔料またはブラック染料を含んで形成された画素定義膜PDLは、ブラック画素定義膜を具現する。画素定義膜PDLを形成する際、ブラック顔料またはブラック染料としてはカーボンブラックなどを使用してもよいが、実施例はこれに限らない。
【0059】
また、画素定義膜PDLは無機物からなる。例えば、画素定義膜PDLは、窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO)、窒酸化ケイ素(SiO)などを含んで形成されてもよい。
【0060】
画素定義膜PDLによって第1乃至第3発光素子ED1、ED2、ED3が区分される。
【0061】
第1乃至第3発光素子ED1、ED2、ED3のそれぞれは互いに向かい合う第1電極EL1と第2電極EL2、及び第1電極EL1と第2電極EL2との間に第3方向DR3に積層される複数のスタック層SF1、SF2、SF3を含む。複数のスタック層SF1、SF2、SF3のそれぞれは、正孔輸送領域HTR(図5)と、発光層EML(図5)と、電子輸送領域ETR(図5)と、を含む。つまり、一実施例の表示パネルDPに含まれる発光素子は複数の発光層を含むタンデム構造の発光素子である。一方、図4において、第1乃至第3発光素子ED1、ED2、ED3のそれぞれが第1層スタックSF1、第2層スタックSF2、及び第3層スタックSF3を含む構成を示したが、これに限らない。
【0062】
一実施例において、第1発光素子ED1及び第2発光素子ED2に含まれる複数のスタック層SF1、SF2、SF3は互いに同じ構造及び材料を有する。一方、第3発光素子ED3は第1発光素子ED1及び第2発光素子ED2に含まれる複数のスタック層SF1、SF2、SF3に比べ構造及び/または材料が異なるスタック層SF1、SF2、SF3を一つ以上含む。それについては図6及び図8を参照してより詳細に後述する。
【0063】
第3発光素子ED3との境界にはバンクBKが配置される。例えば、第1発光素子ED1と第3発光素子ED3との間にはバンクBKが配置されてもよい。第2発光素子ED2と第3発光素子ED3との間にはバンクBKが配置されてもよい。バンクBKによって、第3発光素子ED3は第1発光素子ED1及び第2発光素子ED2と区分されるスタック層SF1、SF2、SF3を含む。
【0064】
一実施例において、バンクBKは画素定義膜PDLの上に配置され、画素定義膜PDLに重畳する。バンクBKは画素定義膜PDLと同じ物質を含むか、または異なる物質を含む。例えば、バンクBKは撥液性物質を含んでもよい。バンクBKは画素定義膜PDLとは区別される層であるか、または画素定義膜PDLと一体の形状を有する。
【0065】
第1乃至第3発光素子ED1、ED2、ED3の上には封止層TFEが配置される。封止層TFEは第1乃至第3発光素子ED1、ED2、ED3をカバーする。封止層TFEは、表示素子層DP-EDを密封する。封止層TFEは薄膜封止層である。封止層TFEは一層または複数の層が積層されている。封止層TFEは少なくとも一つの絶縁層を含む。一実施例による封止層TFEは、少なくとも一つの無機膜(以下、封止無機膜)を含む。また、一実施例による封止層TFEは、少なくとも一つの有機膜(以下、封止有機膜)、及び少なくとも一つの封止無機膜を含む。
【0066】
封止無機膜は水分/酸素から表示素子層DP-EDを保護し、封止有機膜はほこり粒子のような異物から表示素子層DP-EDを保護する。封止無機膜は、シリコンナイトライド、シリコンオキシナイトライド、シリコンオキサイド、チタンオキサイド、またはアルミニウムオキサイドなどを含んでもよいが、特にこれに限らない。封止有機膜はアクリル系化合物、エポキシ系化合物などを含む。封止有機膜は光重合可能な有機物質を含むが、特にこれに限らない。
【0067】
封止層TFEの上には第1充填層BFL1が配置される。第1充填層BFL1は、下部表示基板100と上部表示基板200との間に配置されて、上部表示基板200に含まれる光制御層CCLなどの構成が下部表示基板100の封止層TFEと接触することを防止し、表示パネルDPの光抽出効果を向上させる。第1充填層BFL1は封止層TFEの上面をカバーする。
【0068】
図4では下部表示基板100と上部表示基板200との間に第1充填層BFL1が充填されている構成を例示したが、これに限らず、本発明の一実施例による表示パネルDPにおいて第1充填層BFL1は省略されてもよい。この場合、下部表示基板100と上部表示基板200との間には所定のセルギャップが設けられてもよい。
【0069】
表示パネルDPの上部表示基板200は、ベース基板BLと、カラーフィルタ層CFLと、光制御層CCLと、を含む。上部表示基板200は封止層TFEの上に配置される。
【0070】
光制御層CCLは下部表示基板100の上に配置される。光制御層CCLは光変換体を含む。光変換体は量子ドット(Quantum dot)または蛍光体などである。光変換体は、提供された光を波長変換して放出する。つまり、光制御層CCLは量子ドットを含む層であるか、または蛍光体を含む層である。
【0071】
一実施例において、量子ドットは、コアとしてII-VI族化合物、III-VI族化合物、I-III-VI族、III-V族化合物、III-II-V族化合物、IV-VI族化合物、IV族元素、IV族化合物、及びこれらの組み合わせを含む。
【0072】
II-VI族化合物は、CdSe、CdTe、CdS、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、MgSe、MgS、及びこれらの混合物からなる群より選択される二元素化合物、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HeZnSe、HeZnTe、MgZnSe、MgZnS、及びこれらの混合物からなる群より選択される三元素化合物、及びHgZnTeS、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe、及びこれらの混合物せからなる群より選択される四元素化合物からなる群より選択される。
【0073】
III-VI族化合物は、In、InSeなどのような二元素化合物、InGaS、InGaSeなどのような三元素化合物、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0074】
I-III-VI族化合物は、AgInS、AgInS、CuInS、CuInS、AgGaS、CuGaS、CuGaO、AgGaO、AgAlO、及びこれらの混合物からなる群より選択される三元素化合物、またはAgInGaS、CuInGaSなどの四元素化合物から選択される。
【0075】
III-V族化合物は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSb、及びこれらの混合物からなる群より選択される二元素化合物と、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InGaP、InAlP、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、及びこれらの混合物からなる群より選択される三元素化合物と、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSb、及びこれらの混合物からなる群より選択される四元素化合物とからなる群より選択される。一方、III-V族化合物はII族金属を更に含む。例えば、III-II-V族化合物としてInZnP、InGaZnP、及びInAlZnPなどが選択されてもよい。
【0076】
IV-VI族化合物は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、及びこれらの混合物からなる群より選択される二元素化合物と、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、及びこれらの混合物からなる群より選択される三元素化合物と、SnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTe、及びこれらの混合物からなる群より選択される四元素化合物とからなる群より選択される。IV族元素としては、Si、Ge、及びこれらの混合物からなる群より選択される。IV族化合物としては、SiC、SiGe、及びこれらの混合物からなる群より選択される二元素化合物である。
【0077】
この場合、二元素化合物、三元素化合物、または四元素化合物は均一な濃度で粒子内に存在するか、濃度分布が部分的に異なる状態に分けられて同一粒子内に存在する。また、一つの量子ドットが他の量子ドットを囲むコア/シェル構造を有してもよい。コア/シェル構造において、シェルに存在する元素の濃度がコアに行くほど低くなる濃度勾配(gradient)を有する。
【0078】
前記量子ドットのシェルは、前記コアの化学的変性を防止して半導体特性を維持するための保護層の役割をするか、及び/または量子ドットに電気泳動特性を与えるためのチャージング層(charging layer)の役割をする。前記シェルは単層または多重層である。前記量子ドットのシェルの例としては、金属または非金属の酸化物、半導体化合物、またはこれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0079】
例えば、前記金属または非金属の酸化物は、SiO、Al、TiO、ZnO、MnO、Mn、Mn、CuO、FeO、Fe、Fe、CoO、Co、NiOなどの二元素化合物、またはMgAl、CoFe、NiFe、CoMnなどの三元素化合物などが挙げられるが、本発明はこれに限らない。
【0080】
また、前記半導体化合物は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnSeS、ZnTeS、GaAs、GaP、GaSb、HgS、HgSe、HgTe、InAs、InP、InGaP、InSb、AlAs、AlP、AlSbなどが挙げられるが、本発明はこれに限らない。
【0081】
量子ドットは約45nm以下、好ましくは約40nm以下、より好ましくは約30nm以下の発光波長スペクトルの半値幅(full width of half maximum、FWHM)を有し、この範囲で色純度や色再現性を向上させることができる。また、このような量子ドットを介して発光される光は全方向に放出されるゆえ、光視野角が向上される。
【0082】
また、量子ドットの形態は当分野で一般的に使用する形態のものであって特に限らないが、より詳しくは、球状、ピラミッド状、多腕(multi-arm)状、立方体(cubic)のナノ粒子、ナノチューブ、ナノワイヤ、ナノ繊維、ナノ板状粒子などの形態のものを使用してもよい。
【0083】
量子ドットは粒子のサイズに応じて放出する光の色相を調節するが、それによって量子ドットは赤色、緑色、青色など多様な発光色相を有する。
【0084】
光制御層CCLは散乱体SPを含む。散乱体SPは光を散乱させるが、例えば、無機粒子であってもよい。一実施例において、散乱体SPは、TiO、ZnO、Al、SiO、及び中空シリカのうち少なくとも一つを含む。散乱体SPは、TiO、ZnO、Al、SiO、及び中空シリカのうちいずれか一つを含むか、TiO、ZnO、Al、SiO、及び中空シリカのうちから選択される2種以上の物質が混合されたものである。本発明の他の実施例において、散乱体SPは省略されてもよい。
【0085】
光制御層CCLは量子ドット及び散乱体SPを分散させるベース樹脂BR1、BR2、BE3を含む。ベース樹脂BR1、BR2、BR3は量子ドット及び散乱体SPが分散される媒質であって、一般にバインダと称される多様な樹脂組成物からなる。例えば、ベース樹脂BR1、BR2、BR3はアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂などであってもよい。ベース樹脂BR1、BR2、BR3は透明樹脂である。一実施例において、第1ベース樹脂BR1、第2ベース樹脂BR2、及び第3ベース樹脂BR3それぞれは互いに同じであるか、または異なる。
【0086】
光制御層CCLは、複数個の光制御部CCP1、CCP2、CCP3を含む。光制御部CCP1、CCP2、CCP3は互いに離隔されている。図示したように、互いに離隔されている光制御部CCP1、CCP2、CCP3の間に分割パターンBMPが配置されるが、実施例はこれに限らない。分割パターンBMPは光制御部CCP1、CCP2、CCP3と重畳しないように示されているが、光制御部CCP1、CCP2、CCP3のエッジは分割パターンBMPと少なくとも一部が重畳してもよい。
【0087】
光制御層CCLは、下部表示基板100から提供される光を透過されるかまたは変換される第1光制御部CCP1と、第2光制御部CCP2と、第3光制御部CCP3と、を含む。例えば、第1光は赤色光であってもよく、第2光は緑色光であってもよく、第3光は青色光であってもよい。
【0088】
図4を参照すると、第1光制御部CCP1は第2光または第3光を第1光に変換させる。第1光制御部CCP1は第1ベース樹脂BR1内に分散されている第1量子ドットQD1と散乱体SPを含む。第1量子ドットQD1は第2光または第3光を第1光に変換させる。例えば、第1光制御部CCP1に含まれる第1量子ドットQD1は赤色の量子ドットであってもよい。
【0089】
第2光制御部CCP2は第2光を透過させる。第2光制御部CCP2は第2ベース樹脂BR2内に分散されている散乱体SPを含み、光変換体を含まない。
【0090】
第3光制御部CCP3は第3光を透過させる。第3光制御部CCP3は第3ベース樹脂BR3内に分散されている散乱体SPを含み、光変換体を含まない。
【0091】
但し、光制御層CCLの実施例はこれに限らず、第2光制御部CCP2及び/または第3光制御部CCP3が量子ドットを含んでもよい。
【0092】
上部表示基板200は第2充填層BFL2を含む。第2充填層BFL2は光制御部CCP1、CCP2、CCP3とカラーフィルタ部CF1、CF2、CF3との間に配置される。第2充填層BFL2は水分及び/または酸素(以下、「水分/酸素」と称する)の浸透を防ぐ役割をする。
【0093】
一方、図示していないが、光制御部CCP1、CCP2、CCP3の下に配置されるバリア層を更に含む。バリア層は光制御部CCP1、CCP2、CCP3をカバーし、光制御部CCP1、CCP2、CCP3が水分/酸素に露出されることを遮断する。
【0094】
カラーフィルタ層CFLは、光制御層CCLの上に配置される。例えば、カラーフィルタ層CFLは色制御層CCLの上に直接配置されてもよい。この場合、第2充填層BFL2は省略される。
【0095】
カラーフィルタ層CFLは、遮光部BMと、カラーフィルタ部CF1、CF2、CF3とを含む。詳しくは、カラーフィルタCFLは、第1光を透過させる第1カラーフィルタCF1と、第2光を透過させる第2カラーフィルタCF2と、第3光を透過させる第3カラーフィルタCF3とを含む。例えば、第1カラーフィルタCF1は赤色カラーフィルタで、第2カラーフィルタCF2は緑色カラーフィルタで、第3カラーフィルタCF3は青色カラーフィルタであってもよい。
【0096】
第1乃至第3カラーフィルタCF1、CF2、CF3のそれぞれは、高分子感光樹脂と、顔料または染料を含む。第1カラーフィルタCF1は赤色の顔料または染料を含み、第2カラーフィルタCF2は緑色の顔料または染料を含み、第3カラーフィルタCF3は青色の顔料または染料を含む。一方、実施例はこれに限らない。例えば、第3カラーフィルタCF3は顔料または染料を含まなくてもよい。第3カラーフィルタCF3は高分子感光樹脂を含み、顔料または染料を含まなくてもよい。
【0097】
遮光部BMはブラックマトリックスである。遮光部BMは、黒色顔料または黒色染料を含む有機遮光物質または無機遮光物質を含んで形成される。遮光部BMは光漏れ現象を防止し、隣接するカラーフィルタCF1、CF2、CF3の間の境界を区分する。また、一実施例において、遮光部BMは青色フィルタで形成される。
【0098】
第1乃至第3カラーフィルタCF1、CF2、CF3のそれぞれは、第1画素領域PXA-R、第2画素領域PXA-G、及び第3画素領域PXA-Bのそれぞれに対応して配置される。
【0099】
ベース基板BLは、カラーフィルタ層CFL及び光制御層CCLなどが配置されるベース面を提供する。ベース基板BLは、ガラス基板、金属基板、プラスチック基板などである。しかし、実施例はこれに限らず、ベース基板BLは無機層、有機層、または複合材料層であってもよい。また、図示とは異なって、一実施例においてベース基板BLは省略されてもよい。ベース基板BLが省略される場合、下部表示基板100の上に光制御層CCL及びカラーフィルタ層CFLがこの順に積層される。
【0100】
一方、上部表示基板200の構成はこれに限らず、例えば、上部表示基板200は偏光層を更に含んでもよく、またはカラーフィルタ層CFLが省略されてもよい。偏光層は外部から表示パネルDPに入射する外部光を遮断する。
【0101】
図5は、一実施例による発光素子EDを概略的に示す断面図である。一実施例による第1乃至第3発光素子ED1、ED2、ED3のそれぞれは図示した発光素子EDの構造を有する。
【0102】
図5を参照すると、発光素子EDは、第1電極EL1、第2電極EL2、及び第1電極EL1と第2電極EL2との間に配置されるn個のスタック層SF1、SFnを含み、nは2以上の整数である。つまり、発光素子EDは少なくとも2つ以上のスタック層を含むが、例えば、2つのスタック層、3つのスタック層、または4つ以上のスタック層を含んでもよい。
【0103】
複数のスタックSF1、SFnのそれぞれは、正孔輸送領域HTRと、発光層EMLと、電子輸送領域ETRと、を含む。複数のスタックSF1、SFnのうち隣り合うスタックの間には電荷生成層CGLが配置される。電荷生成層CGLは、p型の電荷生成層及び/またはn型の電荷生成層を含む。電荷生成層CGLは正孔及び/または電荷の移動を促す。
【0104】
第1電極EL1は導電性を有する。第1電極EL1は金属材料、金属合金、または導電性化合物からなる。第1電極EL1はアノード(anode)またはカソード(cathode)である。しかし、実施例はこれに限らない。また、第1電極EL1は画素電極である。第1電極EL1は、透過型電極、半透過型電極、または反射型電極である。第1電極EL1が透過型電極であれば、第1電極EL1は透明金属酸化物、例えば、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、ZnO(zinc oxide)、ITZO(indium tin zinc oxide)などを含む。第1電極EL1が半透過型電極または反射型電極であれば、第1電極EL1はAg、Mg、Cu、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Mo、Ti、W、またはこれらの化合物や混合物(例えば、AgとMgの混合物)を含む。または、第1電極EL1は前記物質からなる反射膜や半透過膜、及びITO、IZO、ZnO、ITZOなどからなる透明導電膜を含む複数の層構造である。例えば、第1電極EL1はITO/Ag/ITOの3槽構造を有してもよいが、これに限らない。また、実施例はこれに限らず、第1電極EL1は上述した金属材料、上述した金属材料のうちから選択される2種以上の金属材料の組み合わせ、または上述した金属材料の酸化物などを含んでもよい。第1電極EL1の厚さは約700Å以上約10000Å以下である。例えば、第1電極EL1の厚さは、約1000Å以上約3000Å以下であってもよい。
【0105】
正孔輸送領域HTRは第1電極EL1の上に提供される。正孔輸送領域HTRは、正孔輸送層HTL及び電子阻止層EBLのうち少なくとも一つを含む。しかし、実施例はこれに限らず、正孔輸送領域HTRは正孔注入層(図示せず)、バッファ層(図示せず)または発光補助層(図示せず)を更に含んでもよい。正孔輸送領域HTRの厚さは、例えば、約50Å以上約15,000Å以下であってもよい。
【0106】
正孔輸送領域HTRは、単一物質からなる単一層、複数の互いに異なる物質からなる単一層、または複数の互いに異なる物質からなる複数の層を有する多層構造を有する。
【0107】
例えば、正孔輸送領域HTRは正孔注入層または正孔輸送層の単一層の構造を有してもよく、正孔注入物質及び正孔輸送物質からなる単一層の構造を有してもよい。また、正孔輸送領域HTRは、複数の互いに異なる物質を有する単一層の構造を有する、または第1電極EL1から順番に積層される正孔注入層/正孔輸送層、正孔注入層/正孔輸送層/バッファ層、正孔注入層/バッファ層、正孔注入層/バッファ層、正孔輸送層/バッファ層、または正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層の構造を有してもよいが、実施例はこれに限らない。
【0108】
正孔輸送領域HTRは、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法(Langmuir-Blodgett)、インクジェットプリント法、レーザプリント法、レーザ熱転写法(Laser Induced Thermal Imaging、LITI)などのような多様な方法を利用して形成される。
【0109】
上述したように、正孔輸送領域HTRは、正孔注入層及び正孔輸送層以外に、バッファ層及び電子阻止層のうち少なくとも一つを更に含む。バッファ層は、発光層EMLから放出される光の波長による共振距離を補償して光放出効率を増加させる。バッファ層に含まれる物質としては、正孔輸送領域HTRに含まれ得る物質を使用する。電子阻止層は、電子輸送領域ETRから正孔輸送領域HTRへの電子の注入を防止する役割をする。
【0110】
発光層EMLは正孔輸送領域HTRの上に提供される。発光層EMLは、例えば、約100Å以上約1000Å以下、または約100Å以上約300Å以下の厚さを有する。発光層EMLは、単一物質からなる単一層、複数の互いに異なる物質からなる単一層、または複数の互いに異なる物質からなる複数の層を有する多層構造を有する。
【0111】
発光層EMLは発光物質として低分子有機物または高分子有機物を含む。発光層EMLはホスト物質及びドーパント物質を含む。発光層EMLはホスト物質にりん光または蛍光発光物質をドーパントとして含んで形成される。発光層EMLはホスト物質に熱活性遅延蛍光(TADF)ドーパントとして含んで形成される。
【0112】
発光層EMLは、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、フルオランテン誘導体、クリセン誘導体、ジヒドロベンズアントラセン誘導体、またはトリフェニレン誘導体を含む。詳しくは、発光層EMLは、アントラセン誘導体またはピレン誘導体を含んでもよい。
【0113】
また、発光層MELは、スチリル誘導体(例えば、1,4-ビス[2-(3-N-エチルカルバゾリル)ビニル]ベンゼン(BCzVB)、4-(ジ-p-トリルアミノ)-4’-[(ジ-p-トリルアミノ)スチリル]スチルベン(DPAVB)、N-(4-((E)-2-(6-((E)-4-(ジフェニルアミノ)スチリル)ナフタレン-2-イル)ビニル)フェニル)-N-フェニルベンゼンアミン(N-BDAVBi)、ぺリレン及びその誘導体(例えば、2,5,8,11-テトラ-t-ブチルぺリレン(TBP))、ピレン及びその誘導体(例えば、1,1-ジピレン、1,4-ジピレニルベンゼン、1,4-ビス(N,N-ジフェニルアミノ)ピレン)、N1,N6-ジ(ナフタレン-2-イル)-N1,N6-ジフェニルピレン-1,6-ジアミン)などを含んでもよい。但し、これに限らず、必要によっては公知の物質を含んでもよい。
【0114】
複数のスタックSF1、SFnは互いに異なる光を放出する発光層EMLを含む。例えば、第1層スタックSF1に含まれる発光層EMLと第n層スタックSFnに含まれる発光層EMLは互いに異なる光を放出してもよい。しかし、実施例はこれに限らず、複数のスタック層SF1、SFnに含まれる発光層EMLはいずれも同じ光を放出してもよく、または一部のスタック層に含まれる発光層EMLが互いに同じ光を放出してもよい。
【0115】
電子輸送領域ETRは発光層EMLの上に配置される。正孔輸送領域HTRは、電子輸送層ETL及び正孔阻止層HBLのうち少なくとも一つを含む。しかし、実施例はこれに限らず、電子輸送領域ETRは電子注入層、バッファ層(図示せず)または発光補助層(図示せず)を更に含んでもよい。
【0116】
電子輸送領域ETRは、単一物質からなる単一層、複数の互いに異なる物質からなる単一層、または複数の互いに異なる物質からなる複数の層を有する多層構造を有する。
【0117】
例えば、電子輸送領域ETRは電子注入層のまたは電子輸送層ETLの単一層構造を有してもよく、電子注入物質と電子輸送物質からなる単一層構造を有してもよい。また、電子輸送領域ETRは、複数の互いに異なる物質からなる単一層の構造を有するか、発光層EMLから順番に積層される電子輸送層/電子注入層、正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層の構造を有してもよいが、これに限らない。
【0118】
電子輸送領域ETRは、真空蒸着法、スピンコート法、LB法、インクジェットプリント法、レーザプリント法、レーザ熱転写法(LITI)などのような多様な方法を利用して形成される。
【0119】
一実施例の発光素子EDは、第2電極EL2の下に電子注入層EILを含む。但し、実施例はこれに限らず、複数のスタック層SF1、SFnのそれぞれに含まれる電子輸送領域ETRに電子注入層が配置されてもよい。
【0120】
電子注入層EILはYbのようなランタン族金属を含む。但し、実施例はこれに限らず、電子注入層EILとして、LiF、NaCl、CsF、RbCl、RbIのようなハロゲン化金属、LiO、BaOのような金属酸化物、またはLiq(リチウムキノラート)などが使用されてもよい。また、電子注入層EILは、電子輸送物質と絶縁性の有機金属塩(organo metal salt)が混合された物質からなる。有機金属塩は、エネルギーバンドギャップ(energy band gap)が約4eV以上の物質である。詳しくは、例えば、有機金属塩は、酢酸金属塩(metal acetate)、安息香酸金属塩(metal benzoate)、アセト酢酸金属塩(metal acetoacetate)、金属アセチルアセトネート(metal acetylacetonate)、またはステアリン酸金属塩(stearate)を含む。
【0121】
第2電極EL2は共通電極である。第2電極EL2はカソードまたはアノードであってもよいが、実施例はこれに限らない。例えば、第1電極EL1がアノードであれば第2電極はカソードで、第1電極EL1がカソードであれば第2電極はアノードであってもよい。
【0122】
第2電極EL2は、透過型電極、半透過型電極、または反射型電極である。第2電極EL2が透過型電極であれば、第2電極EL2は透明金属酸化物、例えば、ITO、IZO、ZnO、ITZOなどからなる。
【0123】
第2電極EL2が半透過型電極または反射型電極であれば、第2電極EL2はAg、Mg、Cu、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Mo、Ti、Yb、W、またはこれらを含む化合物や混合物(例えば、AgMg、AgYb、またはMgAg)を含む。または、第2電極EL2は前記物質からなる反射膜や半透過膜、及びITO、IZO、ZnO、ITZOなどからなる透明導電膜を含む複数の層構造である。例えば、第2電極EL2は上述した金属材料、上述した金属材料のうちから選択される2種以上の金属材料の組み合わせ、または上述した金属材料の酸化物などを含んでもよい。
【0124】
図示していないが、第2電極EL2は補助電極と連結される。第2電極EL2が補助電極と連結されれば、第2電極EL2の抵抗を減少させることができる。
【0125】
図6は、一実施例による発光素子ED1、ED2、ED3を概略的に示す断面図である。詳しくは、図6図4の発光素子ED1、ED2、ED3の構造を示す図である。
【0126】
図6を参照すると、一実施例において、第1乃至第3発光素子ED1、ED2、ED3のそれぞれが3つのスタック層を含む構成が示されている。詳しくは、第1乃至第3発光素子ED1、ED2、ED3のそれぞれが、図4で説明した第1層乃至第3層スタックSF1、SF2、SF3に対応する3つのスタック層を含む構成が示されている。但し、実施例はこれに限らず、例えば、第1乃至第3発光素子ED1、ED2、ED3のそれぞれは2つのスタック層または4つ以上のスタック層を含んでもよい。
【0127】
一実施例の第1発光素子ED1及び第2発光素子ED2は、それぞれ図4で説明した第1層スタックSF1として第1スタック部ST-Gを含み、第2層スタックSF2として第1スタック部ST-Gを含み、第3層スタックSF3として第1スタック部ST-Gを含む。つまり、第1発光素子ED1及び第2発光素子ED2に含まれる複数のスタック層はいずれも第1スタック部ST-Gを含む。
【0128】
それによって、第1発光素子ED1及び第2発光素子ED2のそれぞれに含まれる第1層スタックSF1の第1スタック部ST-Gは一定の形状を有し、第2層スタックSF2の第1スタック部ST-Gは一定の形状を有し、第3層スタックSF3の第1スタック部ST-Gは一定の形状を有する。但し、これに限らない。
【0129】
一実施例の第3発光素子ED3は、第1発光素子ED1及び第2発光素子ED2とは異なる構造を有する。例えば、第3発光素子ED3は3つの第2スタック部ST-Bを含んでもよい。詳しくは、第3発光素子ED3は、第1層乃至第3層スタックSF1、SF2、SF3がいずれも第2スタック部ST-Bである。
【0130】
第1スタック部はST-Gは第2光を放出し、第2スタック部ST-Bは第3光を放出する。例えば、第1スタック部ST-Gは緑色光を発光し、第2スタック部ST-Bは青色光を放出してもよい。
【0131】
第3発光素子ED3に含まれる各層の第2スタック部ST-Bは第1発光素子ED1及び第2発光素子ED2の各層に含まれる第1スタック部ST-Gと一体の形状を有しない。つまり、第3発光素子ED3の第2スタック部ST-BはバンクBKによって第1発光素子ED1及び第2発光素子ED2の第1スタック部ST-Gと離隔される。一方、第3発光素子ED3の境界にバンクBKが配置されることで、第3発光素子ED3の各スタック層の第2スタック部ST-Bに含まれる正孔輸送領域HTR、発光層EML、及び電子輸送領域ETRなどはインクジェットプリント法でパターニングされて提供される。
【0132】
一方、図6では画素定義膜PDL及びバンクBKが別途の形状を有すると示されているが、これに限らず、画素定義膜PDL及びバンクBKは一体の形状を有してもよい。例えば、画素定義膜PDL及びバンクBKは互いに同じ材料を含んでもよい。
【0133】
第1スタック部ST-G及び第2スタック部ST-Bそれぞれは上述した正孔輸送領域、発光層、及び電子輸送領域を含む。図6では正孔輸送領域が電子輸送層ETL1、ETL2を含み、正孔輸送領域が正孔輸送層HTL1、HTL2を含む構成を簡単に示している。
【0134】
例えば、第1スタック部ST-Gは、第1正孔輸送HTL1と、第1発光層EML-Gと、第1電子輸送層ETL1と、を含んでもよい。第1発光層EML-Gは第2光を放出する。
【0135】
例えば、第2スタック部ST-Bは、第2正孔輸送HTL2と、第2発光層EML-Bと、第2電子輸送層ETL2と、を含んでもよい。第2発光層EML-Bは第3光を放出する。
【0136】
但し、実施例はこれに限らず、第1スタック部ST-G及び第2スタック部ST-Bのそれぞれは電子注入層、正孔阻止層、正孔注入層、電子阻止層、バッファ層などを更に含んでもよい。
【0137】
第1発光素子ED1は第1スタック部ST-Gのみを含んで第2光を発光する。図4を参照すると、第1発光素子ED1に重畳する第1光制御部CCP1は第1量子ドットQD1を含み、第2光を第1光に変換させる。
【0138】
第2発光素子ED2は第1スタック部ST-Gのみを含んで第2光を発光する。図4を参照すると、第2発光素子ED2に重畳する第2光制御部CCP2は光変換体を含まず、第2光を透過させる。
【0139】
第3発光素子ED3は第2スタック部ST-Bのみを含んで第3光を発光する。図4を参照すると、第3発光素子ED3に重畳する第3光制御部CCP3は光変換体を含まず、第3光を透過させる。
【0140】
スタック部ST-G、ST-Bの間には電荷生成層が配置される。電荷生成層は、p型の電荷生成層P-CGL1、P-CGL2及びn型の電荷生成層N-CGL1、N-CGL2を含み、スタック部ST-G、ST-Bの間の正孔及び/または電荷の移動を促す。電荷生成層P-CGL1、P-CGL2、N-CGL1、N-CGL2はそれぞれいずれか一つのスタック部ST-G、ST-Bに接して配置される。
【0141】
一実施例において、第1スタック部ST-Gの間には第1電荷生成層N-CGL1、P-CGL1が積層されて配置される。第2スタック部ST-Bの間には第2電荷生成層N-CGL2、P-CGL2が積層されて配置される。
【0142】
詳しくは、第1層スタックSF1の第1スタック部ST-Gの上には第1層スタックSF1の第1スタック部ST-Gに電子を提供するn型の第1電荷生成層N-CGL1が配置される。第2層スタックSF2の第1スタック部ST-Gの下には第2層スタックSF2の第1スタック部ST-Gに正孔を提供するp型の第1電荷生成層P-CGL1が配置される。第1層スタックSF1の第2スタック部ST-Bの上には第1層スタックSF1の第2スタック部ST-Bに電子を提供するn型の第2電荷生成層N-CGL2が配置される。第2層スタックSF2の第2スタック部ST-Bの下には第2層スタックSF2の第2スタック部ST-Bに正孔を提供するp型の第2電荷生成層P-CGL2が配置される。
【0143】
一方、順次積層されるスタック層が互いに異なるスタック部を含む場合、n型の電荷生成層及びp型の電荷生成層は直接接するスタック部の種類に応じて決定される。詳しくは、図8を参照すると、第2層スタックSF2の第1スタック部ST-Gの上にはn型の第1電荷生成層N-CGL1が配置され、第3層スタックSF3の第2スタック部ST-Bの下にはp型の第2電荷生成層P-CGL2が配置される。
【0144】
p型の第1電荷生成層P-CGL1及びn型の第1電荷生成層N-CGL1と、p型の第2電荷生成層P-CGL2及びn型の第2電荷生成層N-CGL2は互いに異なる材料を含む。電荷生成層の材料をそれぞれ異なるようにして、電荷生成層の特性を調節することができる。但し、これに限らない。
【0145】
一実施例において、p型の第2電荷生成層P-CGL2はp型の第1電荷生成層P-CGL1より電荷生成特性が高い。例えば、p型の第2電荷生成層P-CGL2に含まれる物質はp型の第1電荷生成層P-CGL1に含まれる物質より電荷生成特性が高くてもよい。
【0146】
p型の第1電荷生成層P-CGL1は有機ドーパントを含む。有機ドーパントは、例えば、p型のドーパントであってもよい。詳しくは、p型のドーパントは、4-[[2,3-ビス[シアノ-(4-シアノ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)メチリデン]シクロピロピリデン]-シアノメチル]-2,3,5,6-テトラフルオロベンゾニトリル(以下、NDP9)、1,4,5,8,9,11-ヘキサアザトリフェニレン-ヘキサカルボニトリル(HAT-CN)、2,3,5,6-テトラフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(FA-TCNQ)、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)のうち少なくとも一つを含む。一実施例において、p型の第1電荷生成層P-CGL1に含まれる有機ドーパントのドーピング濃度は0.5%以上30%以下である。
【0147】
p型の第2電荷生成層P-CGL2は無機ドーパントを含む。無機ドーパントは、例えば、Al、Ga、In、Tl、Sn、Pb、Fl、Bi、及びPoのようなポスト遷移金属、B、Si、Ge、As、Sb、Te、Atなどのような準金属、BiTe、BiTe、SbTe、InTe、GaTe、AlTe、TlTe、AsTe、GeSbTe、SnTe、PbTe、SiTe、GeTe、FlTe、SiGe、AlInSb、AlGaSb、AlAsSb、GaAs、InSb、AlSb、AlAs、AlInSb、AlIn(1-x)Sb、AlSb、GaSb、AlInGaAsなどのようなこれらの化合物、及びCuI、AgI、AuI、CoI、NiI、PtI、CuCl、CuBr、AgCl、AgBrなどのような遷移金属とハロゲン化合物のうち少なくとも一つを含んでもよい。一実施例において、p型の第2電荷生成層P-CGL2に含まれる無機ドーパントのドーピング濃度は0.5%以上30%以下である。
【0148】
図6において、電子注入層EILが第1乃至第3画素領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bに重畳し、一体の形状を有すると示されている。しかし、実施例はこれに限らず、電子注入層EILは重畳する画素領域によって、画素領域別に異なる材料を含むか、または含む材料の濃度が異なるように調節されてもよい。
【0149】
一実施例において、第1乃至第3発光素子ED1、ED2、ED3の上にキャッピング層CPLが更に配置される。キャピング層CPLは、多層または単層を含む。一実施例において、キャッピング層CPLは有機層または無機層である。例えば、キャッピング層CPLが無機物を含む場合、無機物はLiFなどのアルカリ金属化合物、MgFなどのアルカリ土類化合物、SiON、SiN、SiOなどを含んでもよい。
【0150】
例えば、キャッピング層CPLが有機物を含む場合、有機物は、α-NPD、NPB、TPD、m-MTDATA、Alq、CuPc、TPD15(N4,N4,N4’,N4’-テトラ(ビフェニル-4-イル)ビフェニル-4,4’-ジアミン)、TCTA(4,4’,4”-トリス(カルバゾール ソル-9-イル)トリフェニルアミン)などを含むか、エポキシ樹脂、またはメタクリレートなどのようなアクリレートを含んでもよい。
【0151】
但し、実施例はこれに限らず、キャッピング層CPLは省略されてもよい。
【0152】
図7は、一実施例による表示パネルDPの断面図である。図8は、図7の一実施例による発光素子ED1、ED2、ED3の断面図である。以下、図7及び図8では上述した説明の構成については同じ参照符号を付与して説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0153】
一実施例において、第1発光素子ED1は、図4で説明した第1層スタックSF1として第1スタック部ST-Gを含み、第2層スタックSF2として第1スタック部ST-Gを含み、第3層スタックSF3として第2スタックST-Bを含む。つまり、第1発光素子ED1は2つの第1スタック部ST-G及び一つの第2スタック部ST-Bを含む。但し、第1スタック部ST-G及び第2スタック部ST-Bの積層順はこれに限らない。例えば、第2スタック部ST-Bは、第1層スタックSF1であってもよく、第2層スタックSF2であってもよい。また、第1発光素子ED1の構成はこれに限らない。例えば、第1発光素子ED1は、4つのスタック部を含んでもよいが、例えば、3つの第2スタック部ST-B及び一つの第1スタック部ST-Gを含んでもよい。
【0154】
一実施例の第2発光素子ED2は第1発光素子ED1と同じ構造を有する。例えば、第2発光素子ED2は、図4で説明した第1層スタックSF1として第1スタック部ST-Gを含み、第2層スタックSF2として第1スタック部ST-Gを含み、第3層スタックSF3として第2スタックST-Bを含む。但し、積層順及び構造はこれに限らず、第1発光素子ED1のように多様な積層順及び構造を有してもよい。
【0155】
一実施例の第3発光素子ED3は、第1発光素子ED1及び第2発光素子ED2とは異なる構造を有する。例えば、第3発光素子ED3は3つの第2スタック部ST-Bを含んでもよい。詳しくは、第3発光素子ED3は、第1層乃至第3層スタックSF1、SF2、SF3がいずれも第3スタック部ST-Bである。
【0156】
図7及び図8に示した一実施例の発光素子ED1、ED2、ED3において、第1乃至第3発光素子ED1、ED2、ED3の第3層スタックSF3がいずれも第2スタック部ST-Bであることで、第1乃至第3発光素子ED1、ED2、ED3の第3層スタックSF3は一体の形状を有する。一部のスタック層を一体の形状で構成すれば、工程が簡素化される。
【0157】
一方、画素定義膜PDLの上に配置されるバンクBKは、第3方向DR3の上で第3発光素子ED3の第1層スタックSF1及び第2層スタックSF2と重畳し、第3層スタックSF3とは重畳しない。つまり、一体の形状を有する第3層スタックの間にはバンクBKが配置されない。但し、実施例はこれに限らない。
【0158】
第1発光素子ED1は第1スタック部ST-G及び第2スタック部ST-Bをいずれも含んで第2光及び第3光を発光する。図7を参照すると、第1発光素子ED1に重畳する第1光制御部CCP1は第1量子ドットQD1を含み、第2光及び第3光を第1光に変換させる。
【0159】
第2発光素子ED2は第1スタック部ST-G及び第2スタック部ST-Bをいずれも含んで第2光及び第3光を発光する。図7を参照すると、第2発光素子ED2に重畳する第2光制御部CCP2は第2光を透過させる。また、第2光制御部CCP2は第2量子ドットQD2を含み、第3光を第2光に変換させる。例えば、第2光制御部CCP2に含まれる第2量子ドットQD2は第3光を第2光に変換させる緑色の量子ドットであってもよい。
【0160】
本発明の表示パネルDPについて、第1発光を子ED1及び第2発光素子ED2が第1発光層EML-Gを含む第1スタック部ST-Gを含むことで、表示パネルDPの発光効率が向上される。
【0161】
詳しくは、本発明の表示パネルについて、発光層が緑色光及び青色光をいずれも発光することで、光制御層CCLにおける緑色光の光転換率が向上される。それによって、発光層が青色光のみを発光する表示パネルに比べ、本発明の表示パネルは500nm以上550nm以下の中心波長を有する光の光量が60%以上上昇する。
【0162】
以下、具体的な実施例を参照して本発明の表示パネルの特性評価の結果を説明する。但し、本発明は下記実施例に制限されない。
【0163】
(表示パネルの製作及び評価)
【0164】
表1のようにp型の第2電荷生成層P-CGL2の無機材料及びドーピング濃度のみを異なるようにし、他の構成は全て同じようにして、図6のような第1乃至第3発光素子を含む実施例1乃至実施例5、及び比較例1の表示パネルを製作した。
【0165】
【表1】
【0166】
表1を参照すると、実施例1乃至実施例5は無機材料をドーピングしてp型の第2電荷生成層を形成している。比較例1はp型の第1電荷生成層と同じ有機材料をドーピングしてp型の第2電荷生成層を形成している。
【0167】
表2は、表1で製作した表示パネルの駆動電圧を測定して示している。表2に示した駆動電圧は10mA/cmの電流密度を基準に測定した電圧値を示している。
【0168】
【表2】
【0169】
表2を参照すると、実施例1乃至実施例5の発光素子は、比較例に比べ低電圧、高効率、長寿命を達成することが分かる。
【0170】
それを介し、本発明の一実施例の表示パネルは、発光層によってp型の電荷生成層の電荷生成特性を調節し、特に、p型の第2電荷生成層の電荷生成特性をp型の第1電荷生成層より高く調節して、素子駆動時の駆動電圧が低くなり、それによって効率及び寿命が向上されることを確認した。
【0171】
本発明の表示パネルDPは、互いに異なる色を発光する第1スタック部ST-G及び第2スタック部ST-Bを含み、青色光を放出する第2スタック部ST-Bの間に配置されるp型の第2電荷生成層は、緑色光を放出する第1スタック部ST-Gの間に配置されるp型の第2電荷生成層より高い電荷生成度を有することで、素子の効率及び寿命を向上させることができる。
【0172】
これまで本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野における熟練した当業者または該当技術分野における通常の知識を有する者であれば、後述する請求の範囲に記載された本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更し得ることを理解できるはずである。
【0173】
よって、本発明の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載の内容に限らず、特許請求の範囲によって決められるべきである。
【符号の説明】
【0174】
EL1:第1電極、 EL2:第2電極、 ED1、ED2、ED3:第1乃至第3発光素子、 ST-G:第1スタック部、 ST-B:第2スタック部、 SF1、SF2、SF3:第1層乃至第3層スタック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8