IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 阿辻 茂夫の特許一覧

特開2022-94968紙葉類計数装置及び紙葉類計数システム
<>
  • 特開-紙葉類計数装置及び紙葉類計数システム 図1
  • 特開-紙葉類計数装置及び紙葉類計数システム 図2
  • 特開-紙葉類計数装置及び紙葉類計数システム 図3
  • 特開-紙葉類計数装置及び紙葉類計数システム 図4
  • 特開-紙葉類計数装置及び紙葉類計数システム 図5
  • 特開-紙葉類計数装置及び紙葉類計数システム 図6
  • 特開-紙葉類計数装置及び紙葉類計数システム 図7
  • 特開-紙葉類計数装置及び紙葉類計数システム 図8
  • 特開-紙葉類計数装置及び紙葉類計数システム 図9
  • 特開-紙葉類計数装置及び紙葉類計数システム 図10
  • 特開-紙葉類計数装置及び紙葉類計数システム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094968
(43)【公開日】2022-06-28
(54)【発明の名称】紙葉類計数装置及び紙葉類計数システム
(51)【国際特許分類】
   G06M 9/00 20060101AFI20220621BHJP
   G06M 7/00 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
G06M9/00 A
G06M7/00 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020208001
(22)【出願日】2020-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】518340108
【氏名又は名称】阿辻 茂夫
(74)【代理人】
【識別番号】100169926
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 康文
(72)【発明者】
【氏名】阿辻 茂夫
(72)【発明者】
【氏名】吉田 幸弘
(57)【要約】      (修正有)
【課題】小型で持ち運びが可能であり、かつ、積層した複数の紙葉類の枚数計測を正確かつ迅速に行うことができる紙葉類計数装置及び紙葉類計数システムを提供する。
【解決手段】積層した紙葉類の側縁部Sbに光を照射する光源15と、光源15が照射された側縁部Sbからの反射光を受光して、反射光を光学データとして出力する受光部16とを有する光学センサ部17と、光学データから紙葉類の枚数を検出する枚数検出部と、積層した紙葉類を保持する紙葉類保持部とを備え、紙葉類保持部は、積層した紙葉類の積層方向の一端側の表面に当接する表面当接面と、積層した紙葉類の側縁部Sbが当接し、表面当接面に対して鋭角の傾斜角を有する側縁部当接面とを有し、光学センサ部17の受光部16は、側縁部当接面に当接した状態の紙葉類の側縁部Sbからの反射光を受光するように構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層した紙葉類の側縁部に光を照射する光源と、当該光源が照射された前記側縁部からの反射光を受光して、当該反射光を光学データとして出力する受光部とを有する光学センサ部と、前記光学データから前記紙葉類の枚数を検出する枚数検出部と、を備えた紙葉類計数装置であって、
前記積層した紙葉類を保持する紙葉類保持部を備え、
前記紙葉類保持部は、前記積層した紙葉類の積層方向の一端側の表面に当接する表面当接面と、前記積層した紙葉類の側縁部が当接し、前記表面当接面に対して鋭角の傾斜角を有する側縁部当接面とを有し、
前記光学センサ部の受光部は、前記側縁部当接面に当接した状態の前記紙葉類の側縁部からの反射光を受光するように構成されている紙葉類計数装置。
【請求項2】
前記紙葉類保持部は、前記側縁部当接面として、
前記積層した紙葉類の一側縁部が当接し且つ前記表面当接部に対して鋭角の第1傾斜角を有する一側縁部当接面と、前記積層した紙葉類の一側縁部に隣接する他の側縁部である他側縁部が当接し且つ前記表面当接面に対して鋭角の第2傾斜角を有する他側縁部当接面を有し、
前記光学センサ部の受光部は、前記一側縁部からの反射光を受光するように構成されている第1受光部と、前記他側縁部からの反射光を受光するように構成されている第2受光部とを有し、前記枚数検出部は、前記第1受光部から出力される第1光学データと、前記第2受光部から出力された第2光学データとに基づいて前記紙葉類の枚数を検出する請求項1に記載の紙葉類計数装置。
【請求項3】
前記光学センサ部と前記紙葉類保持部とが本体に設けられ、当該本体とは別体に形成された別体光学センサ部を備え、
前記別体光学センサ部は、積層した紙葉類の側縁部に光を照射する別体光源と、当該別体光源が照射された前記積層した紙葉類の側縁部の反射光を受光して、当該反射光を光学データとして出力する別体受光部とを有し、前記別体光学センサ部の計測部を前記積層した紙葉類の側縁部に接触させつつ移動させることにより、前記積層した紙葉類の側縁部からの反射光を受光するように構成され、
前記枚数検出部は、前記受光部から出力された光学データ及び前記別体受光部から出力された光学データに基づいて前記紙葉類の枚数を検出する請求項1または2に記載の紙葉類計数装置。
【請求項4】
画像を撮影可能な撮像手段と、当該撮像手段により撮影した画像に映っている人の人数を検出可能な画像分析手段と、当該画像分析手段により検出された人数と前記計数検出部により検出された前記積層した紙葉類の枚数とを比較する比較部とを備えた請求項1から3のいずれか1項に記載の紙葉類計数装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載の紙葉類計数装置を複数備え、夫々の前記紙葉類計数装置の前記計数検出部により検出された前記積層した紙葉類の枚数と、夫々の前記紙葉類計数装置の前記画像分析手段により検出された人数と、夫々の前記紙葉類計数装置に予め設定した紙葉類の設定枚数又は予め設定した設定人数とを表示する表示部を備えた紙葉類計数システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層した紙葉類の側縁部に光を照射する光源と、当該光源が照射された前記積層した紙葉類の側縁部からの反射光を受光して、当該反射光を光学データとして出力する受光部とを有する光学センサ部と、前記光学データから前記紙葉類の枚数を検出する枚数検出部と、を備えた紙葉類計数装置及び紙葉類計数システムに関する。
【背景技術】
【0002】
かかる紙葉類計数装置は、計数対象物である積層した複数の紙葉類の枚数を、非接触で一括計測するための装置である。このように非接触で測定することにより、計測の際に紙葉類に傷や汚れが発生することを防止することができる。
【0003】
このような紙葉類計数装置として、積層した複数の紙葉類の一方側の端部を揃えて固定した状態で略直角以上折り曲げることにより、複数の紙葉類の他方側の端部にずれを生じる紙葉類ずらし機構が備えられたものがある(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、この紙葉類ずらし機構により、複数の紙葉類の他方側の端部において各紙葉類の端部を段差として生じさせて、この段差に光を照射して形成される影を撮像して、その影の数と幅に基づいて複数の紙葉類の枚数を計測するという構成とされている。また、この特許文献1の紙葉類計数装置は、小型で持ち運びが可能なサイズに形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3 0 5 1 1 4 6 号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、複数の紙葉類の一方側の端部を揃えて固定した状態で湾曲させて、複数の紙葉類の他方側の端部に生じるずれにより複数の紙葉類の枚数を計測するので、複数の紙葉類の夫々の一方側から他方側までの長さにばらつきがある場合は、そのばらつきにより複数の紙葉類の他方側の端部に生じるずれが適切に発生せず、複数の紙葉類の枚数計測を正確に行うことができなくなるという問題がある。また、計数対象物の枚数計測のために、計数対象物の固定と湾曲との作業を行う必要があるため、枚数計測に時間がかかる虞がある。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、小型で持ち運びが可能であり、かつ、積層した複数の紙葉類の枚数計測を正確かつ迅速に行うことができる紙葉類計数装置及び紙葉類計数システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る紙葉類計数装置は、
積層した紙葉類の側縁部に光を照射する光源と、当該光源が照射された前記側縁部からの反射光を受光して、当該反射光を光学データとして出力する受光部とを有する光学センサ部と、前記光学データから前記紙葉類の枚数を検出する枚数検出部と、を備えた紙葉類計数装置であって、
前記積層した紙葉類を保持する紙葉類保持部を備え、
前記紙葉類保持部は、前記積層した紙葉類の積層方向の一端側の表面に当接する表面当接面と、前記積層した紙葉類の側縁部が当接し、前記表面当接面に対して鋭角の傾斜角を有する側縁部当接面とを有し、
前記光学センサ部の受光部は、前記側縁部当接面に当接した状態の前記紙葉類の側縁部からの反射光を受光するように構成されている点にある。
【0008】
上記特徴構成によれば、積層した紙葉類を紙葉類保持部に収容することで、積層した紙葉類の一方側の表面が表面当接面に当接する状態で、積層した紙葉類の一側縁が表面当接面に対して鋭角の傾斜角を有する側部当接面に当接して、積層した紙葉類の側縁部が鋭角の傾斜角に沿って収容された状態となる。
【0009】
これにより、積層した紙葉類の側縁部が鋭角の傾斜角に沿って傾斜する状態になるので、夫々の紙葉類の側縁部が階段状に露出することになる。よって、紙葉類の側縁部からの反射光を受光するように構成されている光学センサの受光部は、積層している夫々の紙葉類の側縁部が明確に露出した状態での反射光を受光しつつ光学データとして出力することができるので、その光学データを用いて枚数検出部において紙葉類の枚数を正確に検出することができる。
【0010】
本発明に係る紙葉類計数装置の更なる特徴構成は、
前記紙葉類保持部は、前記側部当接面として、
前記積層した紙葉類の一側縁部が当接し且つ前記表面当接部に対して鋭角の第1傾斜角を有する第1側部当接面と、前記積層した紙葉類の一側縁部に隣接する他の側縁部である他側縁部が当接し、かつ、前記表面当接面の平面視において前記一側縁部当接面に直行する状態で設けられ、且つ、前記表面当接面に対して鋭角の第2傾斜角を有する他側縁部当接面を有し、
前記光学センサ部の受光部は、前記一側縁部からの反射光を受光するように構成されている第1受光部と、前記他側縁部からの反射光を受光するように構成されている第2受光部とを有し、前記枚数検出部は、前記第1受光部から出力される第1光学データと、前記第2受光部から出力された第2光学データとに基づいて前記紙葉類の枚数を検出する点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、第1側部当接面と第2側部当接面とを有するので、紙葉類の少なくとも隣り合う2辺が直角となるように構成されている場合、例えば、紙葉類が長方形状である場合には、短辺又は長辺のいずれか一方を第1側部当接面に当接させて、他方を第2側部当接面に当接させた状態で、紙葉類を紙葉類保持部に収容することができる。
【0012】
これにより、積層した紙葉類は、一側縁が第1側部当接面に沿って傾斜する状態、かつ、積層した紙葉類の一側縁に隣接する他の一側縁が第2側部当接面に沿って傾斜する状態になるので、夫々の紙葉類の一側縁及び他の一側縁が階段状に露出する状態になる。よって、第1受光部及び第2受光部において、夫々の紙葉類の一側縁及び他の一側縁が明確となった状態での反射光を受光しつつ第1光学データ及び第2光学データとして出力することができるので、それらの光学データを用いて枚数検出部において紙葉類の枚数を正確に検出することができる。
【0013】
また、枚数検出部は、前記第1受光部から出力された第1光学データと、前記第2受光部から出力された第2光学データとから紙葉類の枚数を検出するので、第1光学データから検出した紙葉類の枚数及び第2光学データから検出した紙葉類の枚数を組み合わせて枚数検出部において紙葉類の枚数を検出することができる。例えば、第1光学データから検出された紙葉類の枚数と、第2光学データから検出された紙葉類の枚数とが一致した場合のみに紙葉類の枚数を検出することができる。
【0014】
本発明に係る紙葉類計数装置の更なる特徴構成は、
前記光学センサ部と前記紙葉類保持部とが本体に設けられ、当該本体とは別体に形成された別体光学センサ部を備え、
前記別体光学センサ部は、積層した紙葉類の側縁部に光を照射する別体光源と、当該別体光源が照射された前記積層した紙葉類の側縁部の反射光を受光して、当該反射光を光学データとして出力する別体受光部とを有し、前記別体光学センサ部の計測部を前記積層した紙葉類の側縁部に接触させつつ移動させることにより、前記積層した紙葉類の側縁部からの反射光を受光するように構成され、
前記枚数検出部は、前記受光部から出力された光学データ及び前記別体受光部から出力された光学データに基づいて前記紙葉類の枚数を検出する点にある。
【0015】
上記特徴構成によれば、別体光学センサの別体受光部から出力する光学データによって、紙葉類の枚数を検出することができる。また、別体光学センサは、積層した紙葉類の側縁部に接触させつつ移動させることにより、積層した紙葉類の側縁部からの反射光を受光するように構成されているので、より正確に紙葉類の枚数を検出することができる。
【0016】
本発明に係る紙葉類計数装置の更なる特徴構成は、
画像を撮影可能な撮像手段と、当該撮像手段により撮影した画像に映っている人の人数を検出可能な画像分析手段と、当該画像分析手段により検出された人数と前記計数検出部により検出された前記積層した紙葉類の枚数とを比較する比較部とを備えた点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、画像分析手段により検出された人数と計数検出部により検出された紙葉類の枚数とを比較する比較部を備えているので、紙葉類の配布時や紙葉類の回収時において、計数検出部により検出された紙葉類の枚数と、撮像手段により撮影した画像に映っている人の人数とを比較することができる。
【0018】
具体的には、紙葉類の配布時においては、紙葉類の配布対象となる人が映る状態で画像を撮影して、その画像に映っている人の人数を画像分析手段により検出し、回収した紙葉類の枚数を計数検出部により検出し、検出された人の人数と紙葉類の枚数とを比較することで、配布する紙葉類の枚数が配布対象となる人に対して十分な枚数であるかを確認することができる。
【0019】
また、紙葉類の回収時においては、紙葉類の回収対象となる人が映る状態で画像を撮影して、その画像に映っている人の人数を画像分析手段により検出するとともに、回収した紙葉類の枚数を計数検出部により検出し、検出された人の人数と紙葉類の枚数とを比較することで、回収した紙葉類の枚数が回収対象である人の人数に対して十分な枚数であるかを確認することができる。
【0020】
上記目的を達成するための本発明に係る紙葉類計数システムは、
前記紙葉類計数装置を複数備え、夫々の前記紙葉類計数装置の前記計数検出部により検出された前記積層した紙葉類の枚数と、夫々の前記紙葉類計数装置の前記画像分析手段により検出された人数と、夫々の前記紙葉類計数装置において予め設定した紙葉類の設定枚数又は予め設定した設定人数とを表示する表示部を備えた点にある。
【0021】
上記特徴構成によれば、複数の紙葉類計数装置の夫々の計数検出部により検出された紙葉類の枚数と、夫々の画像分析手段により検出された人数とが表示部において表示されるので、表示部の表示を確認することで、複数の紙葉類計数装置において検出された紙葉類の枚数と検出された人数を把握することができる。
【0022】
また、表示部には、複数の紙葉類計数装置の紙葉類計数装置において予め設定した紙葉類の設定枚数又は予め設定した設定人数が表示されるので、表示部の表示を確認することで、夫々の紙葉類計数装置において検出された紙葉類の枚数及び検出された人数を、夫々、設定枚数及び設定人数と比較することができる。よって、例えば、検出された紙葉類の枚数が設定枚数に一致しているかどうかを容易に確認するこができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】紙葉類計数装置の外観斜視図
図2】計数ユニットの使用状態を示す図
図3】計数ユニットの開状態において内部側を示す平面図
図4】計数ユニットの開状態および閉状態を示す側面図
図5】他側縁部支持板の断面図
図6】計数ユニットの開状態において外部側を示す平面図
図7】ペン型計数部の内部構成を示す図
図8】ペン型計数部の使用状態を示す図
図9】紙葉類計数装置の使用状態を示す図
図10】紙葉類計数装置の制御系のブロック図
図11】紙葉類計数装置を複数備えた紙葉類計数システムを示す図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る紙葉類計数装置1の外観斜視図である。紙葉類計数装置1は持ち運びが可能なハンディータイプの小型の装置であり、例えば、各種試験の際に試験会場等において、試験官等の操作者により図2に示すような使用状態で、紙葉類Sとしての答案用紙の枚数計測を簡単に行うことができる。紙葉類計数装置1は、用紙保持ユニット2 および用紙保持ユニット2に取り付けられた計数ユニット3 を備えており、用紙保持ユニット2 および計数ユニット3で計数装置本体4(本体に相当する)が構成されている。また、詳しくは後述するが、計数装置本体4とは別体に形成された別体光学センサ部としてのペン型計数部30が設けられている。
【0025】
図3は計数ユニット3の開状態において、計数ユニット3の内部側を示す平面図であり、図4は計数ユニット3の開状態および閉状態を示す側面図である。図3及び図4に示すように、計数ユニット3は用紙保持ユニット2に対して開閉可能に取り付けられており、計数ユニット3は、図4において実線で示した開状態と2点鎖線で示した閉状態(図1参照)との間で、開閉自在に構成されている。
【0026】
紙葉類計数装置1において紙葉類Sの枚数計測を行う際は、計数ユニット3を閉状態にして、用紙保持ユニット2に保持された紙葉類Sを計測する。具体的には、図3に示すように、積層した紙葉類Sを用紙保持ユニット2に保持された状態とした後に計数ユニット3を閉状態にし、積層した紙葉類Sの側縁部Sbに光源としてのLED光源15より光を照射し、側縁部Sbを受光部としてのCCDラインセンサ16により読み取ることで、積層した紙葉類Sの枚数を計測する。
【0027】
図1図4を参照して、用紙保持ユニット2について説明する。図4に示すように、用紙保持ユニット2は、平面視が長方形状で、厚みが薄い直方体状に形成されている平板部21を備えている。平板部21には、平板部21の右側の端部において立設する状態で設けられた側板部22と、平板部21の左側の端部において立設する状態で設けられた計数ユニット当接部23が設けられている。
【0028】
平板部21において、閉状態の計数ユニット3に対向する表面が平板部内面21aであり、平板部内面21aの反対側の表面が平板部外面21bである。側板部22の先端側には、計数ユニット3の支持部3cに対して回動可能に接続する被支持部22aが形成されている。また、計数ユニット当接部23の先端側には、閉状態において計数ユニット3に当接して計数ユニット3を支持する当接面23aが形成されている(図1参照)。
【0029】
側板部22の外側面22bには、操作部5、及び、後述する撮影手段としてのカメラ6の撮影スイッチ6aが備えられている(図1参照)。操作部5には、図示はしないが、電源スイッチや、紙葉類Sの計数を開始する際の計数開始スイッチ等が設けられている。
【0030】
図3図5に示すように、平板部内面21aには、紙葉類Sを保持する紙葉類保持部7が設けられている。図5は、後述する他側縁部支持板11の断面図である。紙葉類保持部7は、積層した紙葉類Sの積層方向Z(図4参照)の一端側の表面Saに当接する表面当接面8と、積層した紙葉類Sの側縁部Sbが当接し、表面当接面8に対して鋭角の傾斜角Xを有する側縁部当接面9とを有する。なお、表面当接面8は、平板部内面21aの一部で構成されている。
【0031】
積層した紙葉類Sの積層方向Zの一端側の表面Saが表面当接面8に当接する状態とは、図3図5に示すように、表面当接面8に積層する紙葉類Sの積層方向の最下面を載置した状態である。このように、表面当接面8に積層状態の紙葉類Sを載置する状態で紙葉類Sの枚数を計測する。
【0032】
また、側縁部当接面9として、積層した紙葉類Sの側縁部Sbとしての一側縁部Sb1が当接する一側縁部当接面9a(図4参照)と、積層した紙葉類Sの一側縁部Sb1に隣接する他の側縁部Sbである他側縁部Sb2が当接する他側縁部当接面9b(図5参照)とが設けられている。
【0033】
具体的には、側縁部当接面9として、積層した紙葉類Sの一側縁部Sb1が当接し且つ表面当接面8に対して鋭角の第1傾斜角X1を有する一側縁部当接面9a(図4参照)と、積層した紙葉類Sの一側縁部Sb1に隣接する他の側縁部Sbである他側縁部Sb2が当接し且つ表面当接面8に対して鋭角の第2傾斜角X2を有する他側縁部当接面9bを有する(図5参照)。
【0034】
一側縁部当接面9aは、平板部内面21aに傾斜する状態で形成された一側縁部支持板10の側面であり、他側縁部当接面9bは、平板部内面21aに傾斜する状態で形成された他側縁部支持板11の側面である。一側縁部当接面9aが形成する第1傾斜角X1及び第2傾斜角X2は20°~80°の範囲で形成されることが好ましい。また、第1傾斜角X1と第2傾斜角X2とを異なる傾斜角で形成することが好ましい。この場合、第1傾斜角X1が35°以上45°未満とし、第2傾斜角X2が25°以上35°未満とすることがより好ましい。本実施形態では、第1傾斜角X1が35°、第2傾斜角X2が30°となるように形成されている。
【0035】
また、図3に示すように、一側縁部支持板10には一側縁部支持板切欠部10aが設けられている。一側縁部支持板切欠部10aは、計数ユニット3に設けられたLED光源15から積層した紙葉類Sの一側縁部Sb1に光を照射しつつ、その反射光をCCDラインセンサ16から受光するための開口部である。この、一側縁部支持板切欠部10aは、計数ユニット3を閉状態としたときに、計数ユニット3に設けられたCCDラインセンサ16の読み取り対象位置に一側縁部支持板10の開口部として形成することにより、光学センサ部17による積層した紙葉類Sの計数を可能にしている。同様に、他側縁部支持板11には他側縁部支持板切欠部11aが設けられている。
【0036】
用紙保持ユニット2はこのように形成され、一側縁部支持板10の側面である一側縁部当接面9a及び他側縁部支持板11の側面である他側縁部当接面9bに、夫々、積層状態の紙葉類Sの一側縁部Sb1及び他側縁部Sb2が当接する状態で紙葉類Sの枚数を計測する。
【0037】
また、図6に示すように、用紙保持ユニット2の平板部21の平板部外面21bには、液晶モニタ12が設けられている。この液晶モニタ12には、撮影手段としてのカメラ6で撮影した画像等や、紙葉類計数装置1による枚数計測の結果等が表示される。
【0038】
次に、図1図4を参照して、計数ユニット3について説明する。計数ユニット3を閉状態として、用紙保持ユニット2に対向する表面が計数ユニット内面3aであり、計数ユニット内面3aの反対側の表面が計数ユニット外面3bである。図1及び図2に示すように、計数ユニット外面3bには、カメラ6のレンズ6bが設けられている。また、図3及び図4に示すように、計数ユニット3の計数ユニット内面3aには、積層した紙葉類Sの側縁部Sbに光を照射する光源としてのLED光源15と、LED光源15が照射された紙葉類Sの側縁部Sbからの反射光を受光して、反射光を光学データとして出力する受光部としてのCCDラインセンサ16とを有する光学センサ部17を備えている。なお、
【0039】
光学センサ部17について詳細に説明する。光源としてのLED光源15は、複数のLEDが並べられえ構成され、側縁部当接面9に対して斜め方向からの光が積層した紙葉類Sの側縁部Sbに照射するようにしたものである。このように斜め方向からの光を積層した紙葉類Sの側縁部Sbに照射することで、紙葉類Sの夫々の紙葉類Sの間の段差において発生する明暗がはっきりし、計数精度がより高く なる。
【0040】
受光部としてのCCDラインセンサ16について説明する。CCDラインセンサ16は、複数の受光素子が配設されたもので、各受光素子に光の強弱を電気信号の強弱に変換するものである。このCCDラインセンサ16によって読み取られた画像は、積層した紙葉類Sの側縁部Sbからの 反射(明るい部分)を受光した受光素子では高レベルの信号を出力し、積層した紙葉類S相互間の僅かな隙間部分では反射がほとんどなく影(暗い部分)となるのでその受光素子からは低レベルの信号が出力される。
【0041】
したがって、このCCDラインセンサ16が 読み取った画像のうち、高レベルの信号出力数または低レベルの信号出力数のいずれかをカウントすることで積層した紙葉類Sを構成する紙葉類Sの枚数を検出することができる。
【0042】
また、光学センサ部17には、図示はしないが、CCDラインセンサ16に積層した紙葉類Sの側縁部Sbを読み取らせるための集光レンズが設けられている。これらCCDラインセンサ16、集光レンズ、およびLED光源15により光学センサ部17が構成されている。集光レンズは、積層した紙葉類Sの側縁部Sbの像をCCDラインセンサ16上に結像するように設置されている。CCDラインセンサ16は集光レンズによって結像された像を光電変換し、光学データとしての画像情報を生成する。
【0043】
具体的には、LED光源15は、計数ユニット3を閉状態とした場合に、一側縁部Sa1に光を照射する一側縁部用光源としての一側縁部用LED光源15aと、他側縁部Sa2に光を照射する他側縁部用光源としての他側縁部用LED光源15bとを有する。また、受光部としてのCCDラインセンサ16は、計数ユニット3を閉状態とした場合に、一側縁部Sa1からの反射光を受光するように構成されている一側縁部用CCDラインセンサ16a(第1受光部に相当)と、他側縁部Sa2からの反射光を受光するように構成されている他側縁部用CCDラインセンサ16b(第2受光部に相当)とを有する。そして、一側縁部用LED光源15aと一側縁部用CCDラインセンサ16aとで光学センサ部17としての一側縁部用光学センサ部17aが構成され、他側縁部用LED光源15bと他側縁部用CCDラインセンサ16b(第2受光部に相当)とで光学センサ部17としての他側縁部用光学センサ部17bが構成されている。
【0044】
また、詳しくは後述するが、一側縁部用CCDラインセンサ16aから出力される第1光学データと、他側縁部用CCDラインセンサ16bから出力された第2光学データとに基づいて紙葉類Sの枚数を検出する枚数検出部を備えている。なお、後述する紙葉類計数装置1に設けられたMCU40が枚数検出部として機能する。
【0045】
また、本実施形態に係る紙葉類計数装置1では、上述の如く、用紙保持ユニット2と計数ユニット3とで構成される計数装置本体4(本体に相当する)とは別体に形成された別体光学センサ部としてのペン型計数部30が設けられている。
【0046】
図7を参照して、ペン型計数部30について説明する。図7は、ペン型計数部30の内部構成を示す図である。ペン型計数部30は、ペン型計数部用LED光源15cと、ペン型計数部用CCDラインセンサ16cと、ペン型計数部用レンズ31と、操作ボタン33と、ペン型計数部用MCU34と、メモリ35と、送受信機36とを有する。
【0047】
具体的には、ペン型計数部30は、積層した紙葉類Sの側縁部Sbに光を照射する別体光源としてのペン型計数部用LED光源15cと、このペン型計数部用LED光源15cが照射された積層した紙葉類Sの側縁部Sbの反射光を受光して、反射光を光学データとしての第3光学データとして出力する別体受光部としてのペン型計数部用CCDラインセンサ16cとを有し、ペン型計数部30の計測部30aを積層した紙葉類Sの側縁部Sbに接触させつつ紙葉類Sの積層方向に移動させることにより、積層した紙葉類Sの側縁部Sbからの反射光が、ペン型計数部用CCDラインセンサ16cによって受光するように構成されている。なお、計測部30aは、ペン型計数部30の一方側の先端部であり、ペン型計数部用LED光源15cからの光を積層した紙葉類Sの側縁部Sbに照射するとともに、紙葉類Sの側縁部Sbからの反射光をペン型計数部用CCDラインセンサ16cで受光するための開口部30bが設けられている。
【0048】
ペン型計数部用レンズ31は、ペン型計数部用LED光源15cによって照らされた紙葉類Sの側縁部Sbの像をペン型計数部用CCDラインセンサ16c上に結像する。ペン型計数部用CCDラインセンサ16cは、ペン型計数部用レンズ31によって結像された像を光電変換し、第3光学データとして出力する。MCU34は、ペン型計数部30を制御する装置である。例えば、MCU34は、ペン型計数部用CCDラインセンサ16cが生成した第3光学データを取得し、メモリ35に格納する。メモリ35は、各種データが格納される記憶装置である。
【0049】
ペン型計数部30は、操作ボタン33が押下されることで、ペン型計数部30が動作状態となる。つまり、ペン型計数部30のペン型計数部用LED光源15cが発光し、ペン型計数部用CCDラインセンサ16cによって読み取りが開始される。読み取りが開始されると、操作ボタン33の押下が解除されるまで、所定の時間ごとにペン型計数部用CCDラインセンサ16cによって第3光学データが取得される。MCU34は、メモリ35に格納された複数の第3光学データを組み合わせて紙葉類Sの側縁部Sbの画像情報を生成してメモリ35に格納する。よって、ペン型計数部30によって紙葉類Sの枚数計測を行う場合は、ペン型計数部30の計測部30aを積層した紙葉類Sの側縁部Sbに接触させつつ紙葉類Sの積層方向に移動させることにより(図8参照)、積層した紙葉類Sの側縁部Sbからの反射光がペン型計数部用CCDラインセンサ16cによって取得され、その取得された光学データに基づいて紙葉類Sの枚数計測結果が出力される。
【0050】
送受信機36は、計数装置本体4との間で、無線によって各種データを送受信する装置である。例えば、送受信機36は、メモリ35に格納されたペン型計数部用CCDラインセンサ16cが生成した紙葉類Sの側縁部Sbを計数装置本体4に送信する。計数装置本体4は、ペン型計数部用CCDラインセンサ16cが生成した紙葉類Sの側縁部Sbの画像情報に基づいて紙葉類Sの枚数計測を行う。
【0051】
詳しくは後述するが、本実施形態に係る紙葉類計数装置1では、枚数検出部は、一側縁部用CCDラインセンサ16aと他側縁部用CCDラインセンサ16bから出力された夫々第1光学データと第2光学データに加えて、別体受光部としてのペン型計数部用CCDラインセンサ16cから出力された光学データとしての第3光学データに基づいて紙葉類Sの枚数を検出する。
【0052】
また、紙葉類計数装置1は、画像を撮影可能な撮影手段としてのカメラ6と、この撮影手段により撮影した画像に映っている人の人数を検出可能な画像分析部と、画像分析手部により検出された人数と枚数検出部により検出された積層した紙葉類Sの枚数とを比較する比較部とを備えている。なお、後述する紙葉類計数装置1に設けられたMCU40が比較部として機能する。
【0053】
カメラ6は、例えばデジタルカメラ、ウェブカメラ、ネットワークカメラである。画像分析部は、撮影手段により撮影された画像に対して顔検出を行うことにより、画像に写っている人数を計数する。よって、例えば、紙葉類計数装置1を試験会場等で使用する場合、比較部は、カメラ6により撮影した画像から検出した受験者全員の人数と、紙葉類Sとしての受験者が提出した答案用紙の枚数の計測結果とを比較する。この場合、試験会場となる教室等の受験者全員が画像に写るような位置で撮影することにより、画像から検出した受験者全員の人数と、受験者が提出した答案用紙の枚数計測結果とを比較して、それらが一致しているか否かを検出することができる(図9参照)。
【0054】
図10に紙葉類計数装置1の制御系のブロック図を示す。本実施形態では、CCDラインセンサ16、LED光源15、液晶モニタ12、カメラ6、操作部5がMCU40に接続されている。操作部5に設けられた計数開始スイッチを操作することで、MCU40は、CCDラインセンサ16及びLED光源15を作動させて、CCDラインセンサ16により取得されたデータから積層する紙葉類Sの枚数を計数する枚数検出部として機能する。また、このMCU40は、画像分析部および比較部としても機能する。
【0055】
MCU40は紙葉類Sの枚数を計数した計数結果を保存する記憶部42を備えている。また、MCU40は通信部41を有している。これにより、MCU40は紙葉類Sの枚数計測結果を、後述する複数の紙葉類計数装置1を備えた紙葉類計数システム50において、紙葉類計数装置1同士や情報センタサーバ51との間で通信可能に構成されている。
【0056】
紙葉類計数装置1の紙葉類Sの枚数計測時の動作について説明する。MCU40は、操作部5に設けられた計数開始スイッチを操作されると、一側縁部用LED光源15aと他側縁部用LED光源15bを発光させ、一側縁部用CCDラインセンサ16a及び他側縁部用CCDラインセンサ16bに画像読み取り開始の指示を与える。この指示により、一側縁部用LED光源15aと他側縁部用LED光源15bが発光して、紙葉類Sの側縁部Sbの画像が一側縁部用CCDラインセンサ16a及び他側縁部用CCDラインセンサ16bにより読み込まれる。
【0057】
一側縁部用CCDラインセンサ16a及び他側縁部用CCDラインセンサ16bによって読み取られた画像は、上述の如く、一側縁部用LED光源15aと他側縁部用LED光源15bからの発光が照射された夫々の紙葉類Sの側縁部Sbからの反射光を受光した画素では高レベルの信号を出力し、積層する夫々の紙葉類Sの側縁部Sbの相互間の隙間部分では反射光がほとんどなく、その反射光を受光した画素からは低レベルの信号が出力される。このように紙葉類Sの側縁部Sbの明暗の差が、一側縁部用CCDラインセンサ16a及び他側縁部用CCDラインセンサ16bの夫々における各画素からの信号の強弱としてMCU40に認識される。この一側縁部用CCDラインセンサ16a及び他側縁部用CCDラインセンサ16bが読み取った画像のうち、高レベルの信号出力数または低レベルの信号出力数のいずれかをカウントすることで積層する紙葉類Sの枚数を計測される。
【0058】
枚数検出部として機能するMCU40は、一側縁部用CCDラインセンサ16aが読み取った画像から計測された紙葉類Sの枚数計測結果と、他側縁部用CCDラインセンサ16bが読み取った画像から計測された紙葉類Sの枚数計測結果とが一致した場合は、その枚数計測結果を液晶モニタ12に表示するとともに、MCU40の記憶部42に記憶する。一方、一側縁部用CCDラインセンサ16aが読み取った画像から計測された紙葉類Sの枚数計測結果と、他側縁部用CCDラインセンサ16bが読み取った画像から計測された紙葉類Sの枚数計測結果とが一致しない場合は、液晶モニタ12に第1エラーを表示する。
【0059】
そして、液晶モニタ12に第1エラー表示が表示された場合は、ペン型計数部30を使用して、ペン型計数部30の計測部30aを積層した紙葉類Sの側縁部Sbに接触させつつ紙葉類Sの積層方向に移動させることにより、積層した紙葉類Sの側縁部Sbからの反射光がペン型計数部用CCDラインセンサ16cによって受光され、ペン型計数部用CCDラインセンサ16cから出力された光学データに基づいて、ペン型計数部30の紙葉類Sの枚数計測結果が出力される。
【0060】
そして、ペン型計数部30の紙葉類Sの枚数計測結果が、一側縁部用CCDラインセンサ16aが読み取った画像から計測された紙葉類Sの枚数計測結果、又は、他側縁部用CCDラインセンサ16bが読み取った画像から計測された紙葉類Sの枚数計測結果と一致した場合は、その枚数計測結果を採用する。ペン型計数部30の紙葉類Sの枚数計測結果が、一側縁部用CCDラインセンサ16aが読み取った画像から計測された紙葉類Sの枚数計測結果及び他側縁部用CCDラインセンサ16bが読み取った画像から計測された紙葉類Sの枚数計測結果と一致しない場合は、第2エラーを表示する。第2エラーが表示された場合は、再度、ペン型計数部30により枚数計測を行う。
【0061】
また、例えば、紙葉類計数装置1を試験会場等で使用する際に、カメラ6により撮影した画像から検出した受験者全員の人数と、紙葉類Sとしての受験者が提出した答案用紙の枚数の計測結果とを比較する場合には、比較部として機能するMCU40において、画像から検出した受験者全員の人数と、受験者が提出した答案用紙の枚数計測結果とを比較する。その結果、それらが一致していない場合は、人数不一致エラーを液晶モニタ12に表示する。
【0062】
次に、図11を参照して紙葉類計数装置1を複数備えた紙葉類計数システム50について説明する。紙葉類計数システム50は、複数の紙葉類計数装置1として紙葉類計数装置1a~紙葉類計数装置1dと、各紙葉類計数装置は通信ネットワークNと、表示部52を有する情報センタサーバ51とを備えており、紙葉類計数装置1a~紙葉類計数装置1d及び情報センタサーバ51は通信ネットワークNを介して接続されている。
【0063】
情報センタサーバ51には、夫々の紙葉類計数装置1の計数検出部により検出された積層した紙葉類Sの枚数と、夫々の紙葉類計数装置1の画像分析部により検出された人数と、夫々の紙葉類計数装置1に予め設定した紙葉類Sの設定枚数又は予め設定した設定人数とを表示する表示部52が備えられている。
【0064】
この紙葉類計数システム50は、例えば、紙葉類計数装置1を試験会場等で使用する場合に、試験会場が複数の部屋から構成されているときに利用されるものである。試験会場が4つの部屋で構成されている場合には、試験会場である部屋毎に、それぞれ紙葉類計数装置1a~紙葉類計数装置1dを配置するとともに、表示部52を有する情報センタサーバ51を試験会場に隣接する試験管理室等に設ける。
【0065】
また、情報センタサーバ51には入力部53が設けられている。試験管理室等において試験管理者等は、入力部53から試験会場である部屋毎に設置される紙葉類計数装置1の夫々に、部屋毎に予定されている受験者人数を設定人数として、または、部屋毎に予定されている答案用紙の配布枚数を紙葉類Sの設定枚数として通信ネットワークNを介して入力することができる。
【0066】
このように、試験管理室等において試験管理者は、表示部52を確認することにより、試験会場の各部屋において、夫々の紙葉類計数装置1の計数検出部により検出された積層した紙葉類Sとしての答案用紙の枚数と、夫々の紙葉類計数装置1の画像分析部により検出された受験者の人数と、夫々の紙葉類計数装置1に予め設定した紙葉類Sの設定枚数又は予め設定した設定人数とを確認することができる。
【0067】
〔別実施形態〕
以下に別実施形態を列挙する。
(1)上記実施形態では、紙葉類計数装置1に、一側縁部用LED光源15aと一側縁部用CCDラインセンサ16aとで構成された一側縁部用光学センサ部17aと、他側縁部用LED光源15bと他側縁部用CCDラインセンサ16bとで構成された他側縁部用光学センサ部17bとの両方が設けられたが、これに限らず、一側縁部用光学センサ部17a及び他側縁部用光学センサ部17bのいずれか一方のみが設けられていてもよい。この場合、一側縁部用光学センサ部17aに対応する一側縁部当接面9a又は他側縁部用光学センサ部17bに対応する他側縁部当接面9bのいずれか一方のみが設けられていてもよい。
【0068】
(2)上記実施形態では、第1傾斜角X1と第2傾斜角X2とは異なる角度としたが、これに限らず、第1傾斜角X1と第2傾斜角X2とは同じ角度としてもよい。
【0069】
(3)上記実施形態では、受光部をCCDラインセンサ16としたが、これに限らず、受光部は種々変更使用することができるものである。例えば、受光部は、CCDラインセンサに限らずエリアセンサを用いてもよく、また、計数装置本体4に設けられた集光レンズ及びペン型計数部30に設けられたペン型計数部用レンズ31は、単焦点レンズとしてもよく、焦点距離や倍率を適宜変更することのできるズームレンズなどを用いてもよい。
【0070】
(4)上記実施形態では、一側縁部用CCDラインセンサ16aが読み取った画像から計測された紙葉類Sの枚数計測結果と、他側縁部用CCDラインセンサ16bが読み取った画像から計測された紙葉類Sの枚数計測結果とが一致しない場合は、液晶モニタ12に第1エラーを表示して、ペン型計数部30による紙葉類Sの枚数計測を行ったが、これに限らず、一側縁部用CCDラインセンサ16aが読み取った画像から計測された紙葉類Sの枚数計測結果、他側縁部用CCDラインセンサ16bが読み取った画像から計測された紙葉類Sの枚数計測結果、及び、ペン型計数部30のペン型計数部用CCDラインセンサ16cが読み取った画像から計測された紙葉類Sの枚数計測結果が一致しない場合は、液晶モニタ12に第1エラーを表示してもよい。
【0071】
(5)上記実施形態では、紙葉類計数装置1に、計数装置本体4とは別体に形成された別体光学センサ部としてのペン型計数部30が設けられたが、これに限らず、ペン型計数部30を設けずに、紙葉類計数装置1が計数装置本体4のみで構成されていてもよい。
【0072】
(6)上記実施形態では、枚数検出部が、受光部としての一側縁部用CCDラインセンサ16aと他側縁部用CCDラインセンサ16bから出力された夫々第1光学データと第2光学データに加えて、別体受光部としてのペン型計数部用CCDラインセンサ16cから出力された光学データとしての第3光学データに基づいて紙葉類Sの枚数を検出したが、これに限らず、一側縁部用CCDラインセンサ16aと他側縁部用CCDラインセンサ16bから出力された夫々第1光学データと第2光学データに基づいて紙葉類Sの枚数を検出してもよい。
【0073】
(7)上記実施形態では、受光部を一側縁部用CCDラインセンサ16aと他側縁部用CCDラインセンサ16bとで構成したが、これに限らず、受光部を一側縁部用CCDラインセンサ16a及び他側縁部用CCDラインセンサ16bのいずれか一方で構成してもよい。この場合、その一側縁部用CCDラインセンサ16a及び他側縁部用CCDラインセンサ16bのいずれか一方から出力され光学データに基づいて紙葉類Sの枚数を検出してもよいし、その光学データと、ペン型計数部用CCDラインセンサ16cから出力された光学データとしての第3光学データに基づいて紙葉類Sの枚数を検出してもよい。
【0074】
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上説明したように、小型で持ち運びが可能であり、かつ、積層した複数の紙葉類の枚数計測を正確かつ迅速に行うことができる紙葉類計数装置及び紙葉類計数システムを提供することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 紙葉類計数装置
4 本体(計数装置本体)
6 カメラ(撮像手段)
7 紙葉類保持部
8 表面当接面
9 側縁部当接面
9a 一側縁部当接面
9b 他側縁部当接面
15 LED光源(光源)
15c ペン型計数部用LED光源(別体光源)
16 CCDラインセンサ(受光部)
16c ペン型計数部用CCDラインセンサ(別体受光部)
16a 一側縁部用CCDラインセンサ(第1受光部)
16b 他側縁部用CCDラインセンサ(第2受光部)
17 光学センサ部
30 ペン型計数部(別体光学センサ部)
30a 計測部
52 表示部
50 紙葉類計数システム
S 紙葉類
Sa 表面
Sb 側縁部
Sa1 一側縁部
Sb2 他側縁部
X 傾斜角
X1 第1傾斜角
X2 第2傾斜角


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11