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特開2022-95002ICタグ実装プレートを備えた金属部材
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  • 特開-ICタグ実装プレートを備えた金属部材 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022095002
(43)【公開日】2022-06-28
(54)【発明の名称】ICタグ実装プレートを備えた金属部材
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20220621BHJP
   H05K 9/00 20060101ALI20220621BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20220621BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
G06K19/077 248
H05K9/00 M
G06K19/077 220
G06Q50/08
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020208070
(22)【出願日】2020-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】592123853
【氏名又は名称】株式会社昭和螺旋管製作所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 勇
【テーマコード(参考)】
3C100
5E321
5L049
【Fターム(参考)】
3C100AA29
3C100BB05
3C100DD07
3C100DD14
3C100DD22
5E321AA21
5E321BB23
5E321BB44
5E321CC16
5E321CC30
5E321GG11
5L049CC07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スプリンクラー巻出し配管などのような消火配管に用いられ、立ち上げられたICタグ実装プレートを電磁障害なきよう保護した金属部材を提供する。
【解決手段】軸方向に伸びるフレキシブルな金属管10aの表面の半径方向に、ICタグ実装プレートを半径方向に立設してなる金属部材で10あって、ICタグ実装プレートを、製品情報を読み取り書き換え可能に格納すると共に、金属管の所望箇所に電磁干渉抑制領域を設けて保護し、製品情報を読み取ると共に、システムの基地局に伝達してこれを処理する読み取り用リーダを備える。。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に伸びるフレキシブルな金属管の表面の半径方向に、I Cタグ実装プレートを半径方向に立設してなる金属部材であって、
上記I Cタグ実装プレートは、製品情報を読み取り書き換え可能に格納すると共に、上記金属管の所望箇所に電磁干渉抑制領域を設けて保護し、
上記製品情報を読み取ると共に、システムの基地局に伝達してこれを処理する読み取り用リーダを備えたことを特徴としたICタグ実装プレートを備えた金属部材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプリンクラー巻出し配管などのような消火配管に用いられ、立ち上げられたICタグ実装プレートを電磁障害なきよう保護した金属部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建築・土木分野などで適用される金属製品、特にICタグ(RFID:Radio Frequency Identification;無線自動認識)を取り付けた金属部材が多く試みられるようになってきた。
非金属の製品に対して、例えば衣料品などをICタグを取り付け、その管理をすることは既に行われており、その物流管理や製品管理も様々に行われている。
【0003】
一方、非金属製品以外の金属部材にあっては、さほど進展はしていない。
その理由は、金属部材の近くにICタグを置くと、電磁波が金属に吸収されることにより、ICタグの読み書きに支障をきたす恐れがあるためである。
このため、従来からICタグは、できるだけ導電性部材から遠ざけて設置するのが一般的であった。
UHF帯(極超短波)は、アパレル業界や医療器具の管理・手術履歴など様々な業界で用いられており、数cmの近いところにあるタグから十数メートル離れたタグも一括で読み取れることから、近年急速に採用されている。
しかし、金属製品に対しては弱く、水分にも弱く、ゴムに吸収されるなど、電磁波障害の点で難点がある。
なお、電磁波障害は、UHF帯域において顕著に顕れるといわれており、UHF帯域における金属製品に対して、安価で安全に読み書きを行うと共に、電磁障害除去の技術開発が望まれている。
【0004】
すなわち、UHF帯域において使用される製品であって、電磁障害なき金属部材とICタグとの関係が模索されている。
また、ICタグ実装プレートは、読み書きができるラベルであるが、これを金属部材に取り付けた場合には、電磁障害を防ぐために金属部材に対して立ち上げられた状態で立設したりしている。
換言すれば、金属部材とICタグ実装プレートとの距離をおいて、電磁障害を防ぐという技術手段が主としてとられている。
【0005】
これらの技術を示すものを例示すれば次のようである。
特許文献1(特開2009-116438)は、無線タグ2はテープ状に形成された無線タグラベルのラベル本体を、折り曲げ線に沿って折り曲げて自立部3を立体化することによって電磁障害啼きように形成されるものである。
特許文献2(特開2011-197765)は、金属製の被貼付け体に貼り付けるにあたって、RFIDインレットの部分を起立可能なRFIDラベル1を提供するもので、このRFIDの領域1はラベル本体領域に対してこれを折り返して、ラベル本体領域の平面から起立3可能とするものである。
特許文献3(特許第6492206号)は、当社の発明に係る文献で、金属部材の属性情報を容易に検知・判別可能とするもので、その生産段階から流通段階並びに最終段階までの各種の情報を容易に検知・判別可能とすると共に、製品のトレーサビリティ管理に優れ、かつ製品の属性情報を書き換え可能に格納し、電波障害の除去に優れた安価で容易なICタグを有する金属部材、またそのICタグを有した金属部材によるトレーサビリティに優れた製品履歴管理システムに関するものである。
なお、金属部材の属性情報とは、文献の明細書中に示されているように、金属製品自体の固有の系統を示す固有番号及び製品自体の品質・履歴の各種の製品情報を示す任意番号とからなるなどと提案されており、この特許文献3は本願発明の前提とされる文献である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009-116438号
【特許文献2】特開2011-197765号
【特許文献3】特許第6492206号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したように、特許文献1(特開2009-116438号)は、無線タグはテープ状に形成された無線タグラベルのラベル本体を、折り曲げ線に沿って折り曲げて自立部を立体化して形成されるものであり、金属部材とICタグとの距離を離すことによって、非接触で電磁障害を防ぐという技術手段であり、それ以外の他の技術手段を示唆するものではない。
特許文献2(特開2011-197765号)は、RFIDインレットは、ICチップおよびRFIDアンテナを有し、UHF帯、HF帯あるいはマイクロ波帯その他所定の周波数帯の対応を考慮しているものであり、蛇腹菅に無線タグラベルのラベル本体を折り曲げて立体化して形成されるものであるが、製品自体の円筒形状体は、外径が約120cm、長さが最大150cm、結束バンドの幅が約2~3cmであって大型であって、本発明のように、スプリンクラー巻出し配管など消火配管に用いられる ICタグ実装プレートに適用するものではなく、それ以外の他の技術手段を示唆するものではない。
【0008】
本願発明は、特許文献3(特許第6492206号)を前提としつつも、金属部材に装着されるICタグをその距離を離すことによって、非接触で電磁障害を防ぐという技術手段以外の他の技術を研究し、広く使用されているUHF帯において、電磁障害を防ぐという技術手段を研究し模索するものである。
【0009】
本発明の目的は、金属部材に立ち上がって立設されるI Cタグ実装プレートに、製品情報を読み取り書き換え可能に格納すると共に、金属管の所望箇所に電磁干渉抑制領域を設けて保護し、さらに電波障害を起こすことなくICタグ実装プレートを備えた金属部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ICタグを有する金属製構造部材として、請求項1記載のように、軸方向に伸びるフレキシブルな金属管の表面の半径方向に、I Cタグ実装プレートを半径方向に立設してなる金属部材であって、
上記I Cタグ実装プレートは、製品情報を読み取り書き換え可能に格納すると共に、上記金属管の所望箇所に電磁干渉抑制領域を設けて保護し、上記製品情報を読み取ると共に、システムの基地局に伝達してこれを処理する読み取り用リーダを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果としては、金属部材に立ち上がるように立設されるI Cタグ実装プレートに、製品情報を読み取り書き換え可能に格納し、かつ金属管の所望箇所に電磁干渉抑制領域を設けて保護しているので、従来のように距離を話すことのみでなく、さらに電波障害を起こすこともなくICタグ実装プレートを備えた金属部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るICタグ実装プレートを立設した金属造部材を示す断面図である。
図2図1における金属造部材を示す斜視図である。
図3図1におけるプレート体を示す説明用の断面図である。
図4】固定金具類を装着した金属部材を示す側面図である。
図5】従来のプレート体の立ち上がりを示す説明図である。
図6】従来のプレート体の立ち上がりを示す他の説明図である。
図7】本発明の前提とするシステム図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明に係るICタグ実装プレートを立ち上げて立設した金属造部材を示す断面図である。
なお、特許文献3と同一の部材は同一の名称及び同一の符号で説明する。
10(10a)は金属部材であり、軸方向に伸びるフレキシブルな金属管であって、スプリンクラー用巻出し管などの消火配管などに適応される。
この金属管10aは、円筒状の蛇腹菅である金属管であって、その円筒状内には消火液などが流される。
また、金属管10aの所望箇所の表面には、I Cタグ実装プレート11が取り付けられている。
なお、金属管10aに対するI Cタグ実装プレート11の取付け箇所は、金属管10aの所望の箇所であるので、図2に限定されず、他の箇所の金属管10aに装着取付けすることができる。
また、図2に示したように、金属管10aには、管体に巻き付けられた状態であるが、金属管10a のI Cタグ実装プレート11に対する取付けは種々の取付け方法を選択できる。
【0014】
I C タグ実装プレート11は、図3に示すように、I C タグ実装部分とプレート部分とより構成される。
このI C タグ実装プレート11には、製品情報を読み取り書き換え可能に格納されている(22)。
I C タグ実装プレート11のプレート体20について説明する。
図3に示すように、このI C タグ実装プレート11は、プラスチックなどの長尺な基体よりなる。
図中左側の一方領域を巻き付け領域20aとし、中央領域であるIC実装部分を立ち上がり領域20bとし、図中右側の他方領域を立ち上がり補強領域20cとして構成されている。
【0015】
巻き付け領域20aは、長尺な基体よりなるプレート体20とされ、蛇腹管である金属管1aに巻き付けられて取り付けられるが、貼付けやその他の方法で取り付けられても構わない。
【0016】
立ち上がり領域20bは、プレート体20の表面側に設けられる印字部21と、プレート体20の裏面側に設けられICタグを実装したアンテナ部であるインレイ部22とよりなる。
なお、この印字部21及びインレイ部22は、製品属性情報が書き換え可能に格納されている。
印字部21は、社名や製品番号など必要事項21aが書き換え可能に印刷されている。
インレイ部22は、プレート体20の裏面側において貼着された粘着層23によって保護され、通信電波に対する感度が最もよい方向、すなわちアンテナ指向方向が好感度となるように設定されている。
なお、通信電波の周波数は、長波~短波の周波数のうちから適宜選択できるが、この実施例では、UHF帯域を使用すると共に、金属管10aとインレイ部22の距離はデータ読み込み時の作業性と、通信の確実性の維持を考慮して設定される。
【0017】
立ち上がり補強領域20cは、ICタグを実装したプレート体20を補強・保護するもので、他方領域におけるプレート体端部分を折り返すようにして金属管10aと非接触状態として補強・保護して形成する。
金属対応のICタグとプレート体20との関係は密接な関係を有するので、次に詳細に述べるがいずれにせよ、このプレート体20自体はRFIDとして構成されている。
なお、上記実施例は本発明の一実施例を示すもので、本発明の範囲内において種々変更可能である。
【0018】
I C タグ実装プレート11は、図1に示すように、金属部材10の所望箇所に電磁干渉抑制領域30が設けられ、電磁的にI C タグ実装プレート11を保護する。
この電磁干渉抑制領域30は、電子機器内の不要電磁波の干渉によって生じる電磁障害を抑制するために用いられる電磁干渉抑制体であって、無線通信を改善するために、近傍金属の影響を減らす目的で用いられる。
すなわち、不要電磁波を取り除くあるいは遮蔽する電磁干渉抑制体の使用である。
しかして、この電磁干渉抑制領域30は、金属部材10とICタグ実装プレート11の間に生じる電磁障害を抑制するために、金属部材10の表面に被覆されるのがよい。
被覆形成されるのは、金属部材10に対して、電磁干渉抑制用のテープ(図示略)を巻く、電磁干渉抑制用の塗料(図示略)を塗布するなどの方法がある。
いずれにせよ、金属部材10とICタグ実装プレート11の間に電磁干渉抑制領域30を設けて保護領域を形成すると共に、この保護領域の厚みが金属部材10とICタグ実装プレート11の間の距離をかせぐこととなる。
貼付型:外面に電波吸収体を貼り付ける形態で、ゴムシート状のフェライトやカーボンなどが使用される。
塗装型:外面に電波吸収体を塗装する形態で、厚さを一定にする、厚く塗る必要がある点などに問題がある。
【0019】
図2において40は電気絶縁体よって形成される電気絶縁領域である。
電気絶縁領域40は、金属部材10の表面に設けられ、建物内と金属部材10とを連結する固定金具を取り付ける領域であり、電気絶縁体40が装着されている。
図2に示した電気絶縁領域40のように、樹脂部材を介して形成されているので、建物の中に生じる迷走電流(漏れ電流など)や金属管との異種金属間に生じる電位差による電蝕を防止することができる。
なお、この電気絶縁材料40としては、図示しないが、絶縁テープ、絶縁塗料、絶縁用雲母製品、絶縁用紙製品、絶縁用ゴム製品・絶縁用布製品・電気絶縁用バンドなどから選択することができる。
但し、この電磁干渉抑制領域30に電気絶縁領域40を兼務させて電磁・電気絶縁領域とすることもできる。
【0020】
この実指例は、図1及び図2に示したように、
スプリンクラー配管などの金属部材の端部側に、電気絶縁領域が外嵌形成されると共に、その近傍にICタグ実装プレートが立設され、ICタグ実装プレートの下部と金属部材との間には、電磁干渉抑制領域が設けられている。
したがって、このICタグ実装プレートは、電磁干渉抑制領域によって電磁干渉抑制が図られ、保護されているので、金属部材との間で電波干渉等を抑制し起さない。
また、立ち上がり補強領域20cなどは、プレート体端部分を折り返すようにして補強・保護している。
【0021】
第1番目:プレート体20において所謂「こし」がないと金属管に密着してしまうため、プレート体20を折り畳んで補強・保護しあるいはプレート体20の幅方向に凸部を設け横方向から折り畳んで補強するように工夫する。
第2番目:金属管とICタグとの距離を好適にもたせ、ICタグのアンテナ部が金属管に密着させないようにするため、金属管とICタグ装着箇所との間に予め厚み(1ミリ~10ミリ)のあるスペーサなどを巻付け、その上からICタグを巻くように工夫する。
厚みのあるものとしては、例えば、発泡プラスチックシートやプラスチック成型品などを選択する。
第3番目:金属管とICタグとの距離を好適にもたせるため、ICタグのアンテナ部が金属管に密着させないため、シールであるプレート体同士を貼付し密着できないように工夫する。
なお、剛性が確保できるものであれば、プラスチックフィルムをラミネートした紙などでもよい。
第4番目;金属管とICタグとの距離を好適にもたせるため、また、ICタグのアンテナ部が金属管に密着させないため、ICタグをプラスチック射出成形時にインサートするなどの方法の工夫をする。
その場合には、熱と圧力によりICタグが破損する恐れもあるため、直接熱と圧力がかからないようにするなどの工夫が必要となる。
【0022】
よって、本発明は、金属部材に立設されたI Cタグ実装プレートに、製品情報を読み取り書き換え可能に格納し、金属管の所望箇所に電磁干渉抑制領域を設けたので、従来よりもさらに電波障害を起こすことがなく、ICタグ実装プレートを備えた金属部材を提供することができる。
【符号の説明】
【0023】
10 金属部材
10a 金属管
20 プレート体
20a 巻き付け領域
20b 立ち上がり領域
20c 立ち上がり補強領域
21 印字部
22 インレイ部
23 粘着層
30 電磁干渉抑制領域
40 電気絶縁体
R リーダ
T タブレッド
P パソコン
D データーベース
B 基地局
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7