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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022095022
(43)【公開日】2022-06-28
(54)【発明の名称】レーザヘッド
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/064 20140101AFI20220621BHJP
【FI】
B23K26/064 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020208099
(22)【出願日】2020-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】玉城 怜士
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168AD07
4E168BA00
4E168BA41
4E168EA11
4E168EA17
4E168EA22
4E168EA24
4E168EA25
4E168KB03
4E168KB05
(57)【要約】
【課題】 より容易に光学素子を交換することが可能なレーザヘッドを提供すること。
【解決手段】 入射したレーザ光を屈折させて出射するレンズ21を備えるレーザヘッドでA1あって、レーザ光を透過させる複数の光学素子31,32,33,34と、複数の光学素子31,32,33,34の各々を、レーザ光の光路に交差する位置である機能位置と、光路Opから退避した退避位置と、に移動させる移動機構6と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射したレーザ光を屈折させて出射するレンズを備えるレーザヘッドであって、
前記レーザ光を透過させる複数の光学素子と、
前記複数の光学素子の各々を、前記レーザ光の光路に交差する位置である機能位置と、前記光路から退避した退避位置と、に移動させる移動機構と、を備える、レーザヘッド。
【請求項2】
前記複数の光学素子の前記機能位置は、前記光路に沿った方向における位置が互いに異なる2つの前記光学素子を含む、請求項1に記載のレーザヘッド。
【請求項3】
前記移動機構は、前記複数の光学素子の各々を、円弧軌道に沿って移動させる、請求項1または2に記載のレーザヘッド。
【請求項4】
前記複数の光学素子は、回折光学素子を含む、請求項1ないし3のいずれかに記載のレーザヘッド。
【請求項5】
前記レンズは、コリメーターレンズであり、
前記複数の光学素子の前記機能位置は、前記光路に沿った方向において前記レンズに対して出射側に位置する、請求項1ないし4のいずれかに記載のレーザヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ光を用いたレーザ加工は、レーザ溶接、レーザ切断等の種々の加工手段として用いられる。特許文献1,2には、従来のレーザ加工に用いられるレーザヘッドの例が開示されている。これらの文献に開示されたレーザヘッドは、コリメーターレンズと回折光学素子とを備える。コリメーターレンズは、入射したレーザ光を所望のスポット径に集光する光学部品である。回折光学素子は、コリメーターレンズから出射された光を透過することにより、たとえばレーザ光の照射形状を任意に設定するためのものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭64-5790号公報
【特許文献2】実開昭63-101185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献に開示されたレーザヘッドは、回折光学素子が交換可能に構成されている。しかしながら、回折光学素子の交換に際しては、ねじ止め等の固定機構を手作業によって解除し、使用中の回折光学素子を取り除く。そして、新たな回折光学素子をレーザヘッドに装着し、ねじ止め等の固定作業を行う。このため、レーザ加工を行う状態から、レーザヘッドを退避させ、交換作業を行った後に、レーザヘッドを再び加工可能な状態に設定することが強いられていた。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、より容易に光学素子を交換することが可能なレーザヘッドを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供されるレーザヘッドは、入射したレーザ光を屈折させて出射するレンズを備えるレーザヘッドであって、前記レーザ光を透過させる複数の光学素子と、前記複数の光学素子の各々を、前記レーザ光の光路に交差する位置である機能位置と、前記光路から退避した退避位置と、に移動させる移動機構と、を備える。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記複数の光学素子の前記機能位置は、前記光路に沿った方向における位置が互いに異なる2つの前記光学素子を含む。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記移動機構は、前記複数の光学素子の各々を、円弧軌道に沿って移動させる。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記複数の光学素子は、回折光学素子を含む。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記レンズは、コリメーターレンズであり、
前記複数の光学素子の前記機能位置は、前記光路に沿った方向において前記レンズに対して出射側に位置する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るレーザヘッドによれば、より容易に光学素子を交換することができる。
【0012】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0013】
本発明によれば、より容易に光学素子を交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係るレーザヘッドが用いられたレーザ加工システムを示す概略斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るレーザヘッドを示す要部平面図である。
図3図2のIII-III線に沿う断面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るレーザヘッドの使用状態の一例を示す、(a)は要部平面図であり、(b)は要部断面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係るレーザヘッドの使用状態の他の例を示す、(a)は要部平面図であり、(b)は要部断面図である。
図6】本発明の第2実施形態に係るレーザヘッドを示す要部平面図である。
図7】本発明の第3実施形態に係るレーザヘッドを示す要部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
<第1実施形態 レーザヘッドA1>
図1図5は、本発明の第1実施形態に係るレーザヘッドが用いられたレーザ加工システムを示している。本実施形態のレーザヘッドA1は、レーザ発振器Lo等のレーザ供給源から光ファイバ等を経由して送られてきたレーザ光が入射され、加工対象物Obの加工に適した光を出射するものである。レーザヘッドA1を用いたレーザ加工は何ら限定されず、レーザ溶接、レーザ切断、レーザ表面処理等が適宜挙げられる。また、レーザ溶接は、レーザ光を単独で用いた溶接に限定されず、たとえばレーザ溶接とアーク溶接とを同時に行うハイブリッド溶接であってもよい。
【0017】
本実施形態のレーザヘッドA1は、ケース1、複数のレンズ21,22、複数の保護ガラス25,26、複数の光学素子31~34および移動機構6を備えている。なお、図1図2図4(a)、図5(a)においては、理解の便宜上、光学素子31~34のそれぞれに離散点からなるハッチングを付している。また、図2図4(a)、図5(a)においては、理解の便宜上、ケース1を省略している。また、レーザヘッドA1に入射し、その後出射されるレーザ光の光路Opは、z方向に沿って延びており、レーザ光は、図1および図3のz方向の図中上方から下方に向かって進行する。
【0018】
〔ケース1〕
ケース1は、複数のレンズ21,22、複数の保護ガラス25,26、複数の光学素子31~34および移動機構6を支持したり、収容したりするものである。ケース1の材質は何ら限定されず、レーザヘッドA1を用いたレーザ加工に起因する温度等の環境に適したものが適宜選択され、たとえば金属が選択される。また、ケース1は、水冷機構または空冷機構(いずれも図示略)等が適宜設けられていてもよい。また、ケース1内には、不活性ガス等が適宜吹き込まれていてもよい。
【0019】
本実施形態においては、ケース1は、箱状部11、筒状部12および筒状部13を有する。箱状部11は、全体として箱状の部位である。箱状部11は、開口111および開口112を有する。開口111および開口112は、z方向に貫通する貫通孔からなり、光路Opが通過する部位である。開口111は、光路Opの入射側に位置しており、開口112は、光路Opの出射側に位置している。
【0020】
筒状部12は、箱状部11の入射側に設けられており、図示された例においては、円筒形状である。筒状部12は、開口121および開口122を有する。開口121は、光路Opの入射側に位置しており、開口122は、光路Opの出射側に位置している。筒状部13は、箱状部11の出射側に設けられており、図示された例においては、円筒形状である。筒状部13は、開口131および開口132を有する。開口131は、光路Opの入射側に位置しており、開口132は、光路Opの出射側に位置している。
【0021】
〔レンズ21,22〕
複数のレンズ21,22は、レーザ発振器Loからのレーザ光を所望のスポット径に集光等するための光学部品であり、光路Opと交差している。レンズ21,22の具体的構成は何ら限定されず、本実施形態においては、レンズ21は、コリメーターレンズである。レンズ21は、筒状部12の開口122に対して若干入射側の位置に配置されている。レンズ22は、筒状部13の開口131に対して若干出射側の位置に配置されている。
【0022】
〔保護ガラス25,26〕
複数の保護ガラス25,26は、レンズ21,22および光学素子31~34等を保護するためのものであり、レーザ発振器Loからのレーザ光を極力減衰させない透明なガラス等からなる。保護ガラス25は、筒状部12の開口121に配置されている。保護ガラス26は、筒状部13の開口132に配置されている。
【0023】
〔光学素子31~34〕
複数の光学素子31~34は、レーザ光を透過させることにより、レーザヘッドA1のレーザ加工に適した性状にレーザ光を変化させる素子である。なお、本発明のレーザヘッドが備える光学素子の個数は何ら限定されず、2個および3個であってもよいし、5個以上であってもよい。光学素子31~34の具体例は何ら限定されず、たとえば回折光学素子(Diffractive Optical Element:DOE)、各種の光学フィルタ、各種のレンズ等が適宜挙げられる。本実施形態においては、複数の光学素子31~34が回折光学素子である場合を例に説明する。複数の光学素子31~34が回折光学素子である場合、各々は扁平な板状の部材であり、図示された例においては、円形状とされている。回折光学素子は、光の回折を利用して、レーザ光の照射形状や照射パターンを任意に設定するものである。
【0024】
〔移動機構6〕
移動機構6は、複数の光学素子31~34を移動させる機構である。本実施形態においては、移動機構6は、光学素子31を退避位置Pe1と機能位置Pwとに移動させ、光学素子32を退避位置Pe2と機能位置Pwとに移動させ、光学素子32を退避位置Pe3と機能位置Pwとに移動させ、光学素子34を退避位置Pe4と機能位置Pwとに移動させる。機能位置Pwは、レーザ光の光路Opに交差する位置であり、複数の光学素子31~34の各々が位置することにより、複数の光学素子31~34が回折光学素子として機能する位置である。退避位置Pe1~Pe4は、光路Opから退避した退避位置であり、複数の光学素子31~34が光路Opと交差しないため回折光学素子として機能しない位置である。
【0025】
移動機構6の具体的構成は、何ら限定されず、複数の光学素子31~34を上述の機能位置Pwと退避位置Pe1~Pe4とにそれぞれ移動させる構成であればよい。本実施形態の移動機構6は、フレーム71~フレーム74およびモータ81~モータ84を有する。
【0026】
フレーム71およびモータ81は、光学素子31を円弧軌道である軌道R1に沿って移動させるものである。フレーム71は、たとえば金属からなり支持部711およびロッド712を有する。支持部711は、円形のリング状の部位であり、光学素子31を支持している。ロッド712は、支持部711から延出しており、モータ81に連結されている。モータ81は、たとえばサーボモータであり、フレーム71を旋回させる駆動源である。なお、上述の機能位置Pwおよび退避位置Pe1に光学素子31を位置させるために、ロータリーエンコーダ、近接スイッチ等のセンサや、ストッパ部材等を適宜採用してもよい。
【0027】
フレーム72~フレーム74は、フレーム71と類似の構成であり、フレーム72が支持部721およびロッド722を有し、フレーム73が支持部731およびロッド732を有し、フレーム74が支持部741およびロッド742を有する。光学素子32が支持部721に支持されており、光学素子33が支持部731に支持されており、光学素子34が支持部741に支持されている。また、ロッド722がモータ82に連結されており、ロッド732がモータ83に連結されており、ロッド742がモータ84に連結されている。これにより、光学素子31と同様に、光学素子32は、軌道R2に沿って移動させられ、光学素子33は、軌道R3に沿って移動させられ、光学素子34は、軌道R4に沿って移動させられる。軌道R2~R4は、いずれも円弧軌道である。
【0028】
図2および図3に示すように、光学素子31,32は、機能位置Pwに対してx方向の図中右方に設けられている。光学素子33,34は、機能位置Pwに対してx方向の図中左方に設けられている。また、図1および図3から理解されるように、光学素子31と光学素子32とは、光路Opに沿った方向であるz方向において互いに異なる位置に配置されている。また、光学素子33と光学素子34とは、z方向において互いに異なる位置に配置されている。また、図示された例においては、光学素子31と光学素子33とのz方向における位置が同じであり、光学素子32と光学素子34とのz方向における位置が同じである。
【0029】
また、光学素子31~34は、z方向においてコリメーターレンズであるレンズ21に対して出射側に位置している。また、光学素子31~34は、z方向においてレンズ21とレンズ22との間に位置している。
【0030】
図3に示すように、本実施形態においては、モータ81およびモータ83が、箱状部11のz方向における入射側の部分に取り付けられており、モータ82およびモータ84が、箱状部11のz方向における出射側の部分に取り付けられている。モータ81とモータ82との間にフレーム71およびフレーム72が配置されており、モータ83とモータ84との間にフレーム73およびフレーム74が配置されている。
【0031】
図4は、レーザヘッドA1の使用状態の一例を示している。図示された状態においては、モータ81の駆動によってフレーム71が旋回し、光学素子31が軌道R1に沿って退避位置Pe1から機能位置Pwに位置している。一方、モータ82~84は、フレーム72~74を旋回させておらず、光学素子32~光学素子34は、それぞれ退避位置Pe2~Pe4に位置している。この場合、レンズ21から出射されたレーザ光は、光学素子31を透過してレンズ22に入射する。このため、レーザヘッドA1から出射されるレーザ光は、光学素子31の機能によって所望の照射形状や照射パターンに設定される。
【0032】
図5は、レーザヘッドA1の使用状態の他の例を示している。図示された状態においては、モータ81の駆動によってフレーム71が旋回し、光学素子31が軌道R1に沿って退避位置Pe1から機能位置Pwに位置している。また、モータ84の駆動によってフレーム74が旋回し、光学素子34が軌道R4に沿って退避位置Pe4から機能位置Pwに位置している。この場合、同図(b)に示すように、光学素子31と光学素子34とは、z方向において異なる位置に配置されており、いずれもが光路Opと交差している。そして、レンズ21から出射されたレーザ光は、光学素子31と光学素子34とを透過してレンズ22に入射する。このため、レーザヘッドA1から出射されるレーザ光は、光学素子31と光学素子34との機能によって所望の照射形状や照射パターンに設定される。
【0033】
なお、レーザヘッドA1の構成によれば、機能位置Pwに、光学素子31~34のいずれか一つのみが位置する状態と、光学素子31および光学素子34が位置する状態と、光学素子31および光学素子32が位置する状態と、光学素子33および光学素子34が位置する状態と、光学素子32および光学素子33が位置する状態と、が選択可能である。
【0034】
次に、レーザヘッドA1の作用について説明する。
【0035】
本実施形態によれば、移動機構6によって、複数の光学素子31~34のいずれかを機能位置Pwから退避させ、複数の光学素子31~34の他のものを機能位置Pwに移動させることが可能である。このため、レーザヘッドA1をレーザ加工を行う状態から退避させ、光学素子の交換作業を行った後に、再び加工可能な状態にレーザヘッドA1を設定することが不要である。したがって、レーザヘッドA1によれば、より容易に光学素子を交換することができる。
【0036】
光学素子31および光学素子33と、光学素子32および光学素子34とは、z方向における位置が互いに異なる。これにより、図5に示すように、複数の光学素子31~34のうちz方向における位置が互いに異なる2つを、機能位置Pwに同時に配置することが可能である。したがって、機能位置Pwにおける複数の光学素子31~34の配置バリエーションを増加させることが可能であり、レーザヘッドA1によるレーザ加工をより多様化させることができる。
【0037】
複数の光学素子31~34が移動させられる軌道R1~R4が円弧軌道であることにより、それぞれの移動がこじたりすることを低減し、よりスムーズな移動を実現可能である。また、移動機構6の小型化に有利である。
【0038】
複数の光学素子31~34が回折光学素子であることにより、機能位置Pwにおける光学素子31~34の光路Opに対する位置に若干の誤差があっても、光学素子31~34の機能が即座に乱されにくい。したがって、移動機構6の移動精度を過度に高める必要がなく、機構の簡素化やコスト低減に有利である。
【0039】
複数の光学素子31~34は、機能位置Pwにおいてコリメーターレンズであるレンズ21の出射側に配置されている。これにより、レンズ21による集光機能を不当に妨げることなく、複数の光学素子31~34のそれぞれによる照射形状や照射パターンの設定を適切に機能させることができる。
【0040】
図6および図7は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0041】
<第2実施形態 レーザヘッドA2>
図6は、本発明の第2実施形態に係るレーザヘッドを示している。本実施形態のレーザヘッドA2においては、移動機構6の構成が上述した実施形態と異なっている。本実施形態においては、複数の光学素子31~34が、直線状の軌道である軌道R1~R4に沿って移動させられる。
【0042】
軌道R1~R4に沿って移動させるための移動機構6の具体的構成は何ら限定されない。本実施形態においては、移動機構6は、直動アクチュエータ85~88を有する。直動アクチュエータ85~88は、フレーム71~74を、軌道R1~R4に沿って機能位置Pwと退避位置Pe1~Pe4の間をそれぞれ往復動させる駆動源である。直動アクチュエータ85~88は、たとえば電動シリンダやエアシリンダ等を適宜用いればよい。また、複数の光学素子31~34のz方向における位置は、レーザヘッドA1と同様であってもよいし、異なっていてもよい。
【0043】
本実施形態によっても、複数の光学素子31~34をより容易に交換することができる。また、本実施形態から理解されるように、複数の光学素子31~34を移動させる軌道R1~R4の軌道形状は何ら限定されず、円弧形状、直線形状、曲線形状等の種々の形状を適宜採用可能である。また、複数の軌道R1~R4は、互いの軌道形状が異なっていてもよい。
【0044】
<第3実施形態 レーザヘッドA3>
図7は、本発明の第3実施形態に係るレーザヘッドを示している。本実施形態のレーザヘッドA3は、移動機構6の構成が上述した実施形態と異なっている。本実施形態においては、複数の光学素子31~34が、単一の円形状の軌道Rに沿って、一括して移動させられる。
【0045】
本実施形態の移動機構6は、フレーム75を有する。フレーム75は、全体として円形状であり、複数の開口750~754および回転軸759を有する。回転軸759は、図示しないモータ等の駆動源に連結されており、フレーム75の回転中心である。複数の開口750~754は、各々がフレーム75をz方向に貫通する貫通孔であり、回転軸759を中心とする同一の円上に等ピッチで配置されている。
【0046】
開口751には光学素子31が配置されており、開口752には光学素子32が配置されており、開口753には光学素子33が配置されており、開口754には光学素子34が配置されている。開口750には、光学素子等が配置されていない。また、本実施形態においては、複数の光学素子31~34は、z方向において互いに同じ位置に配置されている。レーザヘッドA3の使用時には、フレーム75を回転させることにより、機能位置Pwに開口750または光学素子31~34のいずれかを択一的に位置させる。
【0047】
本実施形態によっても、複数の光学素子31~34をより容易に交換することができる。また、本実施形態においては、移動機構6として、フレーム75を回転させる1つのみのモータ等の駆動源を備えればよい。また、複数の光学素子31~34がz方向における位置が同じであることにより、レーザヘッドA3のz方向の寸法を縮小させることができる。
【0048】
本発明に係るレーザヘッドは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るレーザヘッドの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0049】
A1 ,A2,A3:レーザヘッド
1 :ケース
11 :箱状部
12,13:筒状部
111,112,121,122,131,132:開口
21,22:レンズ
25,26:保護ガラス
31,32,33,34:光学素子
6 :移動機構
71,72,73,74,75:フレーム
81,82,83,84:モータ
85,86,87,88:直動アクチュエータ
711,721,731,741:支持部
712,722,732,742:ロッド
750,751,752,753,754:開口
759 :回転軸
Lo :レーザ発振器
Ob :加工対象物
Op :光路
Pe1,Pe2,Pe3,Pe4,Pw:機能位置
R ,R1,R2,R3,R4:軌道
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7