(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022095033
(43)【公開日】2022-06-28
(54)【発明の名称】マスク塗布用製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/34 20060101AFI20220621BHJP
A61Q 15/00 20060101ALI20220621BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20220621BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20220621BHJP
A41D 13/11 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
A61K8/34
A61Q15/00
A61K8/9789
A61K8/86
A41D13/11 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020208117
(22)【出願日】2020-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】306018365
【氏名又は名称】クラシエホームプロダクツ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石渡 大貴
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC431
4C083AC432
4C083AC441
4C083AC442
4C083AD391
4C083AD392
4C083AD531
4C083AD532
4C083CC17
4C083CC41
4C083DD12
4C083DD23
4C083EE06
4C083EE34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マスクへ塗布することでマスク着用時のニオイの不快感、ムレ感を軽減し、香りの持続性に優れるマスク塗布用製剤を提供する。
【解決手段】(A)エタノールを全体質量中0.1~50質量%、(B)HLB値が12~15の非イオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を全体質量中0.1質量%以上、(C)ハッカ油又はメントールから選ばれる1種または2種を0.01質量%以上、を含有することを特徴とするマスク塗布用製剤とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)~(C)成分を含有することを特徴とするマスク塗布用製剤。
(A)エタノールを全体質量中0.1~50質量%
(B)HLB値が12~15の非イオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を全体質量中 0.1質量%以上
(C)ハッカ油またはメントールから選ばれる1種または2種を0.01質量%以上
【請求項2】
前記(B)成分が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、アルキルグルコシドから選択される請求項1に記載のマスク塗布用製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク塗布用製剤に関し、更に詳しくは、マスクへ塗布することで、マスク着用時のニオイの不快感、ムレ感を軽減し、香りの持続性に優れるマスク塗布用製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インフルエンザウィルスやコロナウィルス等の感染症の流行により、感染症の予防を目的としたマスクの需要が高まっている。長時間マスクの着用をする機会も増えているが、長時間マスクを着用するとニオイによる不快感やムレ感につながる。
【0003】
これまでに口腔内細菌由来のニオイを防ぐために殺菌効果のあるマスク用組成物が提案されている(特許文献1、2、3)。しかしこれらでは口臭由来の悪臭成分への効果は不十分であった。
【0004】
また、特許文献4のようにマスクへ塗布することで、香りによって鼻孔の不快感を解消することできるマスク用組成物も提案されているが、ニオイの原因への対処はできていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5553563号
【特許文献2】特開平11-199403号公報
【特許文献3】特開2012-106963号公報
【特許文献4】特願平5-226365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、マスクへ塗布することでマスク着用時のニオイの不快感、ムレ感を軽減し、香りの持続性に優れるマスク塗布用製剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、本発明の目的を達成するために鋭意研究した結果、マスク塗布用組成物にエタノール、HLB値が12~15の非イオン性界面活性剤及びハッカ油またはメントールを所定量組み合わせることで、マスク着用時のニオイの不快感、ムレ感を軽減し、香りの持続性に優れるマスク塗布用組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本願第一の発明は、下記(A)~(C)成分を含有することを特徴とするマスク塗布用製剤である。
(A)エタノールを全体質量中0.1~50質量%
(B) HLB値が12~15の非イオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を全体質量中 0.1質量%以上
(C) ハッカ油またはメントールから選ばれる1種または2種を0.01質量%以上
【0009】
好ましくは、前記(B)成分が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、アルキルグルコシドから選択されるマスク塗布用製剤である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、マスクへ塗布することで、マスク着用時のニオイの不快感、ムレ感を軽減し、香りの持続性に優れるマスク塗布用製剤を提供することができる。さらには、消臭効果、香り立ちの良さ、低刺激、経時安定性に優れたマスク塗布用製剤である、
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のマスク塗布用製剤について詳細に説明する。
【0012】
本明細書において、「マスク着用時のニオイ不快感」とは、マスクを着用した際に感じる口臭や唾液由来の不快な臭いを意味する、また「香りの持続性」とは、マスクへ塗布し、ある一定時間経過後にマスクに残った香りの強さが十分である意味する。
【0013】
本発明のマスク塗布用製剤は、以下に詳述する(A)、(B)、(C)成分を組み合わせることで、マスク着用時のニオイの不快感、ムレ感を軽減し、香りの持続性を向上させて、本発明の効果を発揮することができる。
【0014】
<(A)成分 エタノール>
本発明のマスク塗布用組成物で用いる(A)成分はエタノールである。エタノールは、揮発性を有し、香り立ちを良好にし、またマスク内のムレ感を改善するために用いる。
【0015】
(A)成分の配合量は、マスク塗布用製剤における全体質量中0.1~50質量%であることが必要で、香り立ちや香りの持続性の観点から好ましくは1.0~30質量%、さらに好ましくは5.0~20質量%である。0.1質量%以上であればムレ感の軽減が図れ、50%以下であれば香りの持続性が良好となる。
【0016】
<(B)成分 非イオン性界面活性剤>
本発明で使用する(B)成分は、HLB値が12~15の非イオン性界面活性剤である。(B)成分は、後述する(C)成分などの油性成分を可溶化させる成分であり、さらには悪臭物質に対する消臭効果が目的で配合される。(B)成分のHLB値が12以上であれば消臭効果に優れ、HLB値が15以下であれば(C)成分などの油性成分の可溶化能を十分発揮できなくなる。
【0017】
HLB値とは、親水性-親油性のバランス(Hydrophilic-Lypophilic Balance)を示す指標であり、本発明においては、小田・寺村らによる次式を用いて算出した値を用いている。
HLB値=(Σ無機性値/Σ有機性値)×10
【0018】
上記HLB値が12~15の非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらのHLB値が12~15の非イオン界面活性剤を具体的に例示すると、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(80E.O.)等が挙げられる。ポリオキシエチレンヒマシ油としては、ポリオキシエチレンヒマシ油(40E.O.)、ポリオキシエチレンヒマシ油(50E.O.)、ポリオキシエチレンヒマシ油(60E.O.)等が挙げられる。
【0019】
ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルとしては、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(15E.O.)、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(20E.O.)、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(25E.O.)、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(15E.O.)、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(20E.O.)、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(25E.O.)、オレイン酸ポリオキシエチレングリセリル(10E.O.)、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル(15E.O.)、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(30E.O.)、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(40E.O.)、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(50E.O.)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(50E.O.)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(60E.O.)、トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル(50E.O.)、トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル(60E.O.)等が挙げられる。
【0020】
ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルとしては、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(40E.O.)、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(60E.O.)、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)等が挙げられる。
【0021】
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレンセチルエーテル(10E.O.)、ポリオキシエチレン2級アルキルエーテル(7E.O.)、ポリオキシエチレン2級アルキルエーテル(9E.O.)、ポリオキシエチレン水添ダイマージオール(30E.O.)、ポリオキシエチレン水添ダイマージオール(40E.O.)、ポリオキシエチレン水添ダイマージオール(50E.O.)、ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテル(20E.O.)、ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテル(25E.O.)、ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテル(30E.O.)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(7~15E.O.)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(10E.O.)、ポリオキシエチレンラノリンアルコール(5E.O.)、ポリオキシエチレンラノリンアルコール(10E.O.)、ポリオキシエチレンフィトステロール(10E.O.)、ポリオキシエチレンフィトステロール(20E.O.)、ポリオキシエチレン(20E.O.)ポリオキシプロピレン(8P.O.)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(12E.O.)ポリオキシプロピレン(6P.O.)デシルテトラデシルエーテル、リオキシエチレン(30E.O.)ポリオキシプロピレン(6P.O.)デシルテトラデシルエーテル等が挙げられる。
【0022】
ポリエチレングリコール脂肪酸エステルとしては、モノラウリン酸ポリエチレングリコール(8E.O.)、モノラウリン酸ポリエチレングリコール(12E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(15E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(20E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25E.O.)、モノイソステアリン酸ポリエチレングリコール(12E.O.)、モノイソステアリン酸ポリエチレングリコール(20E.O.)等が挙げられる。
【0023】
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、モノオレイン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノリノール酸デカグリセリル等が挙げられる。本発明においては、これらHLB値が12~15の非イオン界面活性剤の中から一種又は二種以上を組み合わせて配合することができる。
【0024】
(B)成分の配合量は、マスク塗布用製剤における全体質量中0.1質量%以上である
。0.1質量%以上であれば、ニオイによる不快感を軽減でき、さらには経時安定性にも優れる。
【0025】
<(C)成分 ハッカ油またはメントール>
本発明で使用する成分(C)は、ハッカ油またはメントールである。(C)成分は、ムレ感を解消する目的で配合され、ハッカ油およびメントールから選ばれる1種を単独で、或いは、2種を適宜混合して用いる。
【0026】
(C)成分の配合量は、マスク塗布用製剤における全体質量中0.01質量%以上である。0.01質量%以上であれば、ムレ感を軽減することができる。
【0027】
<その他の成分>
本発明のマスク塗布用製剤は、上述した成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン化高分子、非イオン性高分子、粉体(顔料、色素、樹脂等)、防腐剤、香料、保湿剤、生理活性成分、塩類、溶媒、パール化剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、酵素等の成分を適宜配合することができる。
【0028】
上記アニオン界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、例えばα-ラウロイルスルホン酸ナトリウム、ミリストイルアリルスルホン酸ナトリウム、ラウリルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミドエーテル硫酸カリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、パルチミン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム、N-ヤシ油脂肪酸グルタミン酸カリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム等が挙げられ、適宜1種又は2種以上選択して用いればよい。
【0029】
上記両性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム、β-アミノプロピオン酸ナトリウム、N-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等が挙げられ、適宜1種又は2種以上選択して用いればよい。
【0030】
上記カチオン化高分子としては、特に限定されるものではないが、例えば塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]グァーガム、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、及びアクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体等が挙げられ、適宜1種又は2種以上選択して用いればよい。
【0031】
上記非イオン性高分子としては、特に限定されるものではないが、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、高重合ポリエチレングリコール、及びポリビニルアルコール等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0032】
また、上記粉体としては、例えば赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号Alレーキ、黄色203号Baレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、シリコーンパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマ
ー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状など)に特に制限はない。
【0033】
上記生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。上記生理活性成分は、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分や、化合物等が挙げられるが、これらの中でも、特に天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が安全性の点で好ましい。
【0034】
上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分の例としては、例えばアシタバエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アロエエキス、アンズエキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オトギリソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カキョクエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クロレラエキス、クワエキス、紅茶エキス、酵母エキス、コラーゲン、サルビアエキス、サボンソウエキス、サンザシエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シャクヤクエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、センキュウエキス、センブリエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウニンエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、ブクリョウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズマリーエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0035】
また、上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分以外の成分としては、例えばデオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β-グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミン類(A、B2、B6、C、D、E)、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ-オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム等の殺菌剤、l-メントール、ハッカ油等の冷感剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤等が挙げられる。
【実施例0036】
次に本発明について実施例をもって詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。実施例に先立ち、各実施例で採用した試験法、評価法を説明する。
【0037】
[悪臭物質に対する消臭効果]
悪臭物質(アンモニア)を精製水により希釈した。実施例、比較例に記載の検体を300mL用の容器に10mL入れ、希釈した悪臭物質を入れ5分間振とう、5分間静置した。ヘッドスペースのガスをガス検知管(光明理化学工業製)で測定した。
コントロールの悪臭物質残留量を1とした時の相対値により下記のような評価を行った。[悪臭物質に対する消臭効果]
◎:極めて良好 コントロールに対する相対値が0.1未満
○:良好 コントロールに対する相対値が0.1以上、0.3未満
△:やや悪い コントロールに対する相対値が0.3以上、0.7未満
×:悪い コントロールに対する相対値が0.7以上
【0038】
10名の専門パネルにより、表1の配合で調製した実施例及び比較例のマスク塗布用製剤を塗布したマスクを着用し、香りの持続感、ニオイによる不快感の軽減、ムレ感の軽減、肌への刺激(使用時のピリピリ感)の無さの各項目について官能評価した。尚、評価基準は以下の通りである。
【0039】
[香りの持続感]
◎:極めて良好 香りの持続感が長いと答えた被験者の数が8人以上
○:良好 香りの持続感が長いと答えた被験者の数が6人以上、8人未満
△:やや悪い 香りの持続感が長いと答えた被験者の数が4人以上、6人未満
×:悪い 香りの持続感が長いと答えた被験者の数が4人未満
【0040】
[ニオイによる不快感の軽減]
◎:極めて良好 ニオイによる不快感の軽減が良好と答えた被験者の数が8人以上
○:良好 ニオイによる不快感の軽減が良好と答えた被験者の数が6人以上、8人未満
△:やや悪い ニオイによる不快感の軽減が良好と答えた被験者の数が4人以上、6人未満
×:悪い ニオイによる不快感の軽減が良好と答えた被験者の数が4人未満
【0041】
[ムレ感の軽減]
◎:極めて良好 ムレ感の軽減が良好と答えた被験者の数が8人以上
○:良好 ムレ感の軽減が良好と答えた被験者の数が6人以上、8人未満
△:やや悪い ムレ感の軽減が良好と答えた被験者の数が4人以上、6人未満
×:悪い ムレ感の軽減が良好と答えた被験者の数が4人未満
【0042】
[肌への刺激の無さ]
◎:極めて良好 刺激の無さが良好と答えた被験者の数が8人以上
○:良好 刺激の無さが良好と答えた被験者の数が6人以上、8人未満
△:やや悪い 刺激の無さが良好と答えた被験者の数が4人以上、6人未満
×:悪い 刺激の無さが良好と答えた被験者の数が4人未満
【0043】
[保存安定性]
実施例及び比較例の洗浄剤組成物をガラス瓶に充填し、40℃で静置したときの経時安定性について、下記判断基準により評価を行った。
<評価基準>
◎:3ヶ月間分離、濁りなし
○:2ヶ月間分離、濁りなし(3ヶ月後分離、濁り有り)
△:1ヶ月間分離、濁りなし(2ヶ月後分離、濁り有り)
×:1週間分離、濁りなし(1ヶ月後分離、濁り有り)
【0044】
実施例1~16及び比較例1~6
表1及び2に示す組成のマスク塗布用組成物を調製し、これらを使用したときの香りの持続感、ニオイによる不快感の軽減、ムレ感の軽減、肌への刺激の無さについて調べ、その結果を表1及び2に示した。なお、以下の全ての実施例及び比較例における配合量は全て質量%である。
【0045】
【0046】
【0047】
表1及び2より明らかなように、本発明の成分を用いた実施例1~16のマスク塗布用組成物は比較例1~6の組成物に比べていずれも優れた性能を見出した。
【0048】
以下、本発明のマスク塗布用製剤のその他の処方例1を記載する。なお、本処方例のマスク塗布用製剤についても、上記の香りの持続感、ニオイによる不快感の軽減、ムレ感の軽減、肌への刺激の無さの各項目を検討した。
【0049】
処方例1 マスク塗布用製剤
・ エタノール 10.0
・ PEG-60水添ヒマシ油 0.8
・ ポリソルベート20 0.5
・ ラウリルグルコシド 0.2
・ ハッカ油 0.1
・ メントール 0.1
・ グリセリン 1.0
・ BG 0.5
・ セラミド 0.1
・ ホホバ油 0.1
・ ハッカ葉エキス 0.1
・ アロエベラ葉エキス 0.1
・ チャ葉エキス 0.1
・ メマツヨイグサ種子エキス 0.1
・ 安息香酸ナトリウム 0.2
・ クエン酸 0.01
・ クエン酸ナトリウム 0.03
・ 香料 0.1
・ 精製水 残 余
【0050】
常法により上記組成のマスク塗布用組成物を香りの持続感、ニオイによる不快感の軽減、ムレ感の軽減、肌への刺激の無さを評価したところ、いずれの特性も実施例と同様に優れており良好な結果を得た。