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特開2022-95122バッテリの保持構造及びバッテリの組付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022095122
(43)【公開日】2022-06-28
(54)【発明の名称】バッテリの保持構造及びバッテリの組付け方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/20 20210101AFI20220621BHJP
【FI】
H01M2/10 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020208267
(22)【出願日】2020-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】館 龍
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY03
5H040AY10
5H040CC06
5H040CC20
5H040CC25
5H040DD03
(57)【要約】
【課題】バッテリを収容部内に簡単に組付けして安定して保持することができるバッテリの保持構造及びバッテリの組付け方法を提供すること。
【解決手段】バッテリの保持構造は、バッテリと、バッテリを挿入して収容する筒状の収容部と、バッテリと収容部との間に設けられる弾性部材と、弾性部材と接して弾性部材と収容部との間に配置され、弾性部材よりも摩擦係数が低い部材からなる受圧部材と、収容部に接して収容部と受圧部材との間に圧入され、受圧部材を介して弾性部材を圧縮することによって、バッテリを収容部の内面に押圧する圧入部材と、を備える。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと、
前記バッテリを挿入して収容する筒状の収容部と、
前記バッテリと前記収容部との間に設けられる弾性部材と、
前記弾性部材と接して前記弾性部材と前記収容部との間に配置され、前記弾性部材よりも摩擦係数が低い部材からなる受圧部材と、
前記収容部と接して前記収容部と前記受圧部材との間に圧入され、前記受圧部材を介して前記弾性部材を圧縮することによって、前記バッテリを前記収容部の内面に押圧する圧入部材と、を備える、バッテリの保持構造。
【請求項2】
前記受圧部材と前記圧入部材とが互いに接する面のうち、少なくともいずれか一方の面は、平面である、請求項1に記載のバッテリの保持構造。
【請求項3】
前記受圧部材は、前記圧入部材の圧入動作を前記受圧部材の延伸方向に案内するガイドレールを有する、請求項1又は2に記載のバッテリの保持構造。
【請求項4】
前記弾性部材は、前記受圧部材の方向に突出する凸部を有し、
前記受圧部材は、前記凸部が挿入される凹部を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のバッテリの保持構造。
【請求項5】
バッテリと、
前記バッテリを挿入して収容する筒状の収容部と、
前記バッテリと前記収容部との間に設けられる弾性部材と、
前記弾性部材と接して前記弾性部材と前記収容部との間に配置され、前記弾性部材よりも摩擦係数が低い部材からなる受圧部材と、
前記収容部に接して前記収容部と前記受圧部材との間に圧入され、前記受圧部材を介して前記弾性部材を圧縮することによって、前記バッテリを前記収容部の内面に押圧する圧入部材と、を使用し、
前記バッテリ、前記弾性部材及び前記受圧部材を前記収容部に収容した後、前記バッテリと前記収容部との間に治具部材を挿入して、前記バッテリを、前記弾性部材及び前記受圧部材を介して、前記弾性部材及び前記受圧部材が配置される側と反対側の前記収容部の内面に向けて押圧する第1の工程と、
前記受圧部材と前記収容部との間に前記圧入部材を圧入する第2の工程と、
前記治具部材を取り外す第3の工程と、を含む、バッテリの組付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリの保持構造及びバッテリの組付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッドカーや電気自動車等の車両には、リチウムイオン二次電池等のバッテリセルを複数積層して構成されるバッテリが搭載されている。一般に、バッテリは、収容部内に収容されて車両に搭載される。そのため、バッテリは、車両の振動等に対して振動することのないように、収容部内で安定して保持される必要がある。
【0003】
従来、電池モジュールを、複数のL字形状のブラケットを用いてバッテリケース内にボルトによって締結することによって、バッテリケース内に保持するバッテリの保持構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6024895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のバッテリの保持構造では、バッテリを保持するために、複数のブラケットをバッテリケースに一つずつボルトによって締結しなくてはならず、バッテリの組立て作業性が悪い、という課題がある。
【0006】
本発明は、バッテリを収容部内に簡単に組付けして安定して保持することができるとともに組立性が向上したバッテリの保持構造及びバッテリの組付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明に係るバッテリの保持構造は、バッテリ(例えば、後述のバッテリ3)と、前記バッテリを挿入して収容する筒状の収容部(例えば、後述の収容部2)と、前記バッテリと前記収容部との間に設けられる弾性部材(例えば、後述の弾性部材55,64,66)と、前記弾性部材と接して前記弾性部材と前記収容部との間に配置され、前記弾性部材よりも摩擦係数が低い部材からなる受圧部材(例えば、後述の受圧部材8)と、前記収容部と接して前記収容部と前記受圧部材との間に圧入され、前記受圧部材を介して前記弾性部材を圧縮することによって、前記バッテリを前記収容部の内面(例えば、後述の上壁部21の内面21a、隔壁部24の表面24a)に押圧する圧入部材(例えは、後述の圧入部材7)と、を備える。
【0008】
(2) 上記(1)に記載のバッテリの保持構造において、前記受圧部材と前記圧入部材とが互いに接する面(例えば、後述の挿入溝84の底面84a、圧入部材7の面7a)のうち、少なくともいずれか一方の面は、平面であってもよい。
【0009】
(3) 上記(1)又は(2)に記載のバッテリの保持構造において、前記受圧部材は、前記圧入部材の圧入動作を前記受圧部材の延伸方向(例えば、後述のX1-X2方向)に案内するガイドレール(例えば、後述のガイドレール83)を有してもよい。
【0010】
(4) 上記(1)~(3)のいずれかに記載のバッテリの保持構造において、前記弾性部材は、前記受圧部材の方向に突出する凸部(例えば、後述の弾性凸部552,642,662)を有し、前記受圧部材は、前記凸部が挿入される凹部(例えば、後述の凹部85)を有してもよい。
【0011】
(5) 本発明に係るバッテリの組付け方法は、バッテリ(例えば、後述のバッテリ3)と、前記バッテリを挿入して収容する筒状の収容部(例えば、後述の収容部2)と、前記バッテリと前記収容部との間に設けられる弾性部材(例えば、後述の弾性部材55,64,66)と、前記弾性部材と接して前記弾性部材と前記収容部との間に配置され、前記弾性部材よりも摩擦係数が低い部材からなる受圧部材(例えば、後述の受圧部材8)と、前記収容部に接して前記収容部と前記受圧部材との間に圧入され、前記受圧部材を介して前記弾性部材を圧縮することによって、前記バッテリを前記収容部の内面(例えば、後述の上壁部21の内面21a、隔壁部24の表面24a)に押圧する圧入部材(例えば、後述の圧入部材7)と、を使用し、前記バッテリ、前記弾性部材及び前記受圧部材を前記収容部に収容した後、前記バッテリと前記収容部との間に治具部材(例えば、後述の治具部材100)を挿入して、前記バッテリを、前記弾性部材及び前記受圧部材を介して、前記弾性部材及び前記受圧部材が配置される側と反対側の前記収容部の内面に向けて押圧する第1の工程と、前記受圧部材と前記収容部との間に前記圧入部材を圧入する第2の工程と、前記治具部材を取り外す第3の工程と、を含む。
【発明の効果】
【0012】
上記(1)によれば、受圧部材と収容部との間に圧入部材を圧入するだけで、弾性部材の弾性復元力を利用して、バッテリを収容部の内面に押圧することができる。そのため、バッテリを収容部内に簡単に安定して保持することができる。受圧部材は、弾性部材よりも摩擦係数が低い部材からなるため、圧入部材の圧入時に、弾性部材が引っ掛かることによって、弾性部材に意図しない変形が発生することによる位置ずれを防止するとともに、圧入部材を円滑に圧入することができ、バッテリの組立性が向上する。
【0013】
上記(2)によれば、圧入部材を圧入する際に、受圧部材と圧入部材との引っ掛かりが抑制される。そのため、圧入部材の圧入動作を容易に行うことができ、バッテリの組立性がさらに向上する。
【0014】
上記(3)によれば、圧入部材の圧入動作が、ガイドレールによって受圧部材の延伸方向に円滑に案内される。そのため、圧入部材が横ブレすることがなく、バッテリの組立性がさらに向上する。
【0015】
上記(4)によれば、弾性部材の凸部が受圧部材の凹部に挿入されることによって、弾性部材の圧縮方向及び横方向の位置が規定されるため、圧入部材を圧入する際に、弾性部材と受圧部材との位置ずれが防止される。そのため、弾性部材を円滑に圧縮することができるとともに、圧入部材をさらに円滑に圧入することができ、バッテリの組立性がさらに向上する。
【0016】
上記(5)によれば、受圧部材と収容部との間に圧入部材を圧入するだけで、弾性部材の弾性復元力を利用して、バッテリを収容部の内面に押圧することができる。圧入部材を圧入する前に、バッテリは、治具部材によって、弾性部材及び受圧部材を介して収容部の内面に向けて押圧されるため、圧入部材の圧入動作を円滑に行うことができ、バッテリを収容部内に簡単に安定して保持することができる。受圧部材は、弾性部材よりも摩擦係数が低い部材からなるため、圧入部材を円滑に圧入することができ、バッテリの組立性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】保持構造によって保持されたバッテリを備えるバッテリ装置の分解斜視図である。
図2】バッテリ装置における収容部内の1つのバッテリを示す正面図である。
図3】バッテリの構成を示す分解斜視図である。
図4】バッテリの上側のバッテリ保持構造体の一部を示す斜視図である。
図5】上下のバッテリ保持構造体によって保持されたバッテリを示す断面図である。
図6】上側のバッテリ保持構造体の一部を示す斜視図である。
図7】下側のバッテリ保持構造体の一部を示す斜視図である。
図8】下側のバッテリ保持構造体を図7中のX2方向に沿って見た図である。
図9】下側のバッテリ保持構造体を図7中のZ1方向に沿って見た図である。
図10図1中のA部の拡大図である。
図11】バッテリの保持構造における弾性部材、受圧部材及び圧入部材を示す分解斜視図である。
図12図11中のB-B線に沿う断面図である。
図13】バッテリを収容部に挿入する様子を示す斜視図である。
図14】バッテリと収容部との間に治具部材が挿入される様子を示す斜視図である。
図15】治具部材が挿入された収容部の正面図である。
図16】バッテリの受圧部材と収容部の下壁部との間に圧入部材を圧入する様子を示す斜視図である。
図17】バッテリの受圧部材と収容部の下壁部との間に圧入部材が圧入された状態を示す拡大正面図である。
図18】バッテリの受圧部材と収容部の側壁部との間に圧入部材を圧入する様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、本発明のバッテリの保持構造を備えるバッテリ装置1は、並列して配置される2つのバッテリ3,3を収容する筒状の収容部2と、収容部2の長さ方向の両端面2a,2aをそれぞれ封止する2つのエンドプレート4,4と、を有する。
【0019】
ここで、本明細書の各図中に示される矢印の方向について定義する。X1-X2方向は、バッテリ装置1、収容部2、及びバッテリ3の長さ方向である。Y1-Y2方向は、バッテリ装置1、収容部2、及びバッテリ3の幅方向である。Z1-Z2方向は、バッテリ装置1、収容部2、及びバッテリ3の高さ方向である。Z1方向は上方、Z2方向は下方である。X1-X2方向、Y1-Y2方向及びZ1-Z2方向は、相互に直交する。
【0020】
収容部2は、アルミニウム等の金属材料を一方向(X1-X2方向)に押出し成形することによって形成される押出し成形品である。収容部2は、高さ方向よりも幅方向が長い横長角筒状に形成されている。押出し成形品からなる収容部2は、容易に形成可能であるとともに、板材同士を接合した接合部を有しないため、接合部に起因する組み付けばらつきや熱歪みが発生することがなく、安定した形状を有する。
【0021】
収容部2は、図1及び図2に示すように、上壁部21、下壁部22及び側壁部23,23と、収容部2の内部において側壁部23,23と平行に配置される1つの隔壁部24と、を有する。隔壁部24は、収容部2の幅方向の中央部において、上壁部21と下壁部22とを繋ぎ、収容部2の長さ方向に延在している。
【0022】
収容部2の内部は、2つのバッテリ3,3を収容する2つの収容室20,20を有する。収容室20,20は、上壁部21、下壁部22、側壁部23、23及び隔壁部24で囲まれる空間によって構成される。収容室20,20は、筒状の収容部2の長さ方向の全長に亘って延在し、隔壁部24を挟んで収容部2の幅方向に平行に並んでいる。収容部2の両端面2a,2aには、それぞれ収容室20,20を外部と連通させる横長矩形状の開口部20a,20aが開口している。
【0023】
収容部2の側壁部23,23の内部及び隔壁部24の内部には、それぞれ冷媒が通流する冷媒通路25,26がそれぞれ一体成形されている。冷媒通路25,26は、側壁部23,23及び隔壁部24を介して、収容室20,20内に収容されるバッテリ3,3を構成する後述の各バッテリセル30との間で熱の授受を行い、各バッテリセル30を冷却する。
【0024】
収容部2に収容される2つのバッテリ3,3は同一構成であるため、図3を用いて1つのバッテリ3の構成について説明する。バッテリ3は、例えばリチウムイオン二次電池からなる直方体形状の複数のバッテリセル30を一方向(X1-X2方向)に沿って積層することによって構成される。各バッテリセル30は、アルミニウム等からなるセルケース内に電極体(図示せず)を収容することによって構成され、上面に正負の電極端子32,32をそれぞれ有する。積層方向に隣り合うバッテリセル30,31の電極端子32,32同士は、バスバー33によって電気的に接続される。これによって、バッテリ3を構成する全てのバッテリセル30は、直列又は並列に電気的接続される。
【0025】
バッテリ3は、複数のバッテリセル30が一方向に沿って積層された状態において、複数のバッテリセル30の積層方向に沿って配置される一側面と、その一側面に相反する他側面とが、バッテリ保持構造体5,6によってそれぞれ保持されている。詳しくは、本実施形態のバッテリ3は、積層された複数のバッテリセル30の上側面3aが、上側のバッテリ保持構造体5によってそれぞれ保持され、下側面3bが、下側のバッテリ保持構造体6によってそれぞれ保持されている。バッテリ保持構造体5,6は、いずれも隣り合うバッテリセル30,30間を所定の間隔を保つように支持すると同時に、全てのバッテリセル30を一体に保持する機能を有する。
【0026】
まず、図3図6を参照して、上側のバッテリ保持構造体5について詳細に説明する。バッテリ保持構造体5は、絶縁性の樹脂材料によって一体に成形された一体成形品である。バッテリ保持構造体5は、複数の支持部51と、隣り合う支持部51,51同士を連結する複数の連結部52と、を有する。
【0027】
支持部51は、バッテリセル30の幅方向に沿って延びる平板状部材からなる。支持部51の面方向は、積層されたバッテリセル30の積層方向と直交する外面30a,30b(X1-X2方向に面する外面)に沿うように配置されている。支持部51の幅方向の寸法は、バッテリセル30の幅方向の寸法とほぼ同じである。しかし、支持部51の高さ方向の寸法は、バッテリセル30の高さ方向の寸法よりも十分に小さい。
【0028】
複数の支持部51は、複数のバッテリセル30の積層方向に沿う各バッテリセル30の長さ(バッテリセル30のX1-X2方向の長さ)に対応する略一定のピッチで平行に配置され、X1-X2方向に並べられている。これによって、各支持部51は、図5に示すように、バッテリ保持構造体5が積層された複数のバッテリセル30の上側面3aに配置された際に、隣り合うバッテリセル30,31の間に配置される。1つの支持部51は、隣り合うバッテリセル30,31の一方のバッテリセル30におけるX1方向に面する外面30aを支持すると同時に、他方のバッテリセル30におけるX1方向に面する外面30bを支持する。
【0029】
なお、図3に示すように、バッテリ保持構造体5において、最もX1方向側に配置される支持部51Aは、バッテリセル30の積層方向における一方の末端である最もX1方向側に配置されるバッテリセル30におけるX1方向に面する外面30aのみを支持し、最もX2方向側に配置される支持部51Bは、バッテリセル30の積層方向における他方の末端である最もX2方向側に配置されるバッテリセル30におけるX2方向に面する外面30bのみを支持する。
【0030】
複数の連結部52は、バッテリ保持構造体5の幅方向のほぼ中央部において、隣り合う支持部51,51間に亘ってそれぞれ設けられる。これによって、各連結部52は、隣り合う支持部51,51同士を、X1-X2方向に沿って、上記略一定のピッチとなるようにそれぞれ連結する。バッテリ保持構造体5に設けられる全ての隣り合う支持部51,51間は、両端に配置される支持部51A,51Bと、それらの支持部51A,51Bに隣り合う支持部51,51と、を除いて連結部52以外の部位では同一の樹脂材料で一体に連結されていない。
【0031】
連結部52は、平板部521と弾性部522とを有する。平板部521は、積層された複数のバッテリセル30の上側面3aに対して平行に配置されている。平板部521の一端は、隣り合う支持部51,51のうちの一方の支持部51(本実施形態では、X2方向側に配置される支持部51)の上端部51aに接続されている。平板部521は、一方の支持部51の上端部51aから他方の支持部51(本実施形態では、X1方向側に配置される支持部51)の上端部51aに向けて延びている。
【0032】
弾性部522は、上方に向けて凸となる波型に形成されている。弾性部522は平板部521と支持部51の上端部51aとの間に配置され、平板部521と支持部51とを連結している。本実施形態の弾性部522は、所定の幅を有する波状に折り曲げられた形状を有する板部材によって形成されている。これによって、弾性部522は、X1-X2方向に沿ってそれぞれ弾性的に伸縮可能である。
【0033】
本実施形態の連結部52は、隣り合う支持部51,51の間において、X2方向側に平板部521をそれぞれ有し、X1方向側に弾性部522をそれぞれ有する。しかし、連結部52において、平板部521と弾性部522との配置は逆でもよい。また、弾性部522は、連結部52において少なくとも一部にあればよい。したがって、各連結部52には、2以上の弾性部522がそれぞれ配置されてもよいし、各連結部52は、隣り合う支持部51,51同士を、1以上の弾性部522のみによって連結するように構成されてもよい。
【0034】
バッテリ保持構造体5は、図4に示すように、幅方向における収容部2の隔壁部24側の端部に、隔壁部24に対向するように配置される端壁部53を有する。端壁部53は、各バッテリセル30に1対1に対応して、各バッテリセル30の隔壁部24側に配置される側面の上端側を覆うように、各支持部51の隔壁部24側の端部に一体に設けられている。端壁部53の表面には、それぞれ隔壁部24に向けて突出する横凸部531が一体に設けられている。
【0035】
バッテリ保持構造体5の支持部51は、幅方向の両端部に収容部2の上壁部21に対向するように配置される上面部54,54をそれぞれ有する。上面部54,54は、各バッテリセル30に1対1に対応して、各バッテリセル30の上壁部21側に配置される上面の両端部側を覆うように、各支持部51の両端部側に一体に設けられている。上面部54,54の上面には、それぞれ上壁部21に向けて一定の高さで突出する上凸部541,541が一体に設けられている。
【0036】
バッテリ保持構造体5は、図6に示すように、幅方向における収容部2の側壁部23側の端部に、側壁部23に対向するように配置される1つの弾性部材55を有する。弾性部材55はゴム等の弾性材料によって構成される。弾性部材55は、バッテリ保持構造体5の長さ方向の全長に亘って延びる弾性部材本体551と、弾性部材本体551の側面から側壁部23に向けて突出する円柱形の弾性凸部552とを一体に有する。弾性凸部552は、複数のバッテリセル30に1対1に対応するように、隣り合う支持部51,51の間に配置されている。
【0037】
バッテリ保持構造体5の幅方向における側壁部23側の端部には、弾性部材55を引っ掛けて保持するためのL型の保持部56が設けられている。保持部56は、隣り合う支持部51,51において、弾性部材55の弾性部材本体551の上側と下側とをそれぞれ交互に引っ掛けて保持するように、各支持部51の端部に一体に設けられている。各保持部56は、隣り合う弾性凸部552,552の間にそれぞれ配置されている。これによって、バッテリ保持構造体5を型成形する際に、成形型を上下方向(Z1-Z2方向)に沿って型抜きすることができる。
【0038】
バッテリ保持構造体5は、図3及び図5に示すように、バッテリ3において、バッテリセル30の上部を隣り合う支持部51,51によって挟むように、積層された複数のバッテリセル30の上側面3aに装着される。このとき、各支持部51は、隣り合うバッテリセル30,30の間に挿入される。これによって、バッテリ保持構造体5は、隣り合う支持部51,51、連結部52、上面部54、及び端壁部53によって、バッテリセル30の上部をそれぞれ囲うように一体に保持する。隣り合うバッテリセル30,30の間に挿入された支持部51は、バッテリセル30,30同士が直に接触しないように離隔させるセパレータとしても機能する。また、各連結部52は、上側面3aに沿うように配置される。
【0039】
次に、図3図7図9を参照して、下側のバッテリ保持構造体6について詳細に説明する。図7図9は、上下を反転させたバッテリ保持構造体6を示している。バッテリ保持構造体6は、上側のバッテリ保持構造体5と同様に、絶縁性の樹脂材料によって一体に成形された一体成型品である。バッテリ保持構造体6は、複数の支持部61と、隣り合う支持部61,61同士を連結する複数の連結部62と、を有する。
【0040】
支持部61は、バッテリセル30の幅方向に沿って延びる樹脂製の平板状部材からなる。支持部61の面方向は、上側のバッテリ保持構造体5の支持部51と同様に、積層されたバッテリセル30の積層方向と交差する外面30a,30b(X1-X2方向に面する外面)に沿うように配置されている。支持部61の幅方向の寸法は、バッテリセル30の幅方向の寸法とほぼ同じである。しかし、支持部61の高さ方向の寸法は、バッテリセル30の高さ方向の寸法よりも十分に小さい。
【0041】
複数の支持部61は、複数のバッテリセル30の積層方向に沿う各バッテリセル30の長さ(バッテリセル30のX1-X2方向の長さ)に対応する略一定のピッチで平行に配置され、X1-X2方向に並べられている。これによって、各支持部61は、バッテリ保持構造体5が積層された複数のバッテリセル30の下側面3bに配置された際に、隣り合うバッテリセル30,30の間に配置される。1つの支持部61は、隣り合うバッテリセル30,30の一方のバッテリセル30におけるX1方向に面する外面31aを支持すると同時に、他方のバッテリセル30におけるX1方向に面する外面30bを支持する。
【0042】
なお、バッテリ保持構造体6において、最もX1方向側に配置される支持部61Aは、最もX1方向側に配置されるバッテリセル30におけるX1方向に面する外面30aのみを支持し、最もX2方向側に配置される支持部61Bは、最もX2方向側に配置されるバッテリセル30におけるX2方向に面する外面30bのみを支持する。
【0043】
複数の連結部62は、バッテリ保持構造体6の幅方向のほぼ中央部において、隣り合う支持部61,61間に亘ってそれぞれ設けられる。これによって、各連結部62は、隣り合う支持部61,61同士を、X1-X2方向に沿って、上記略一定のピッチとなるようにそれぞれ連結する。バッテリ保持構造体6に設けられる全ての隣り合う支持部61,61間は、連結部62以外の部位では同一の樹脂材料で一体に連結されていない。
【0044】
連結部62は、平板部621と弾性部622とを有する。平板部621は、積層された複数のバッテリセル30の下側面3bに対して平行に配置され、各支持部61の下端部61aの中央部に一体に取り付けられている。平板部621は矩形状を有し、各支持部61の下端部61aの中央部からX1-X2方向に沿う両方向に向けて僅かに延びている。
【0045】
弾性部622は、平板部621の面方向に対して平行に配置される円弧状に形成されている。弾性部622は、隣り合う支持部61,61に取り付けられる平板部621,621の間に配置され、円弧の両端部において平板部621,621同士を連結している。本実施形態の弾性部622は、隣り合う平板部621,621の間に、凸側が互いに内側を向くように2つずつ配置されている。これによって、弾性部622は、X1-X2方向に沿ってそれぞれ弾性的に伸縮可能である。しかし、1つの連結部62は、1つの弾性部622のみを有してもよいし、3つ以上の弾性部622を有してもよい。また、弾性部622は、連結部62において少なくとも一部にあればよい。したがって、各連結部62は、隣り合う支持部61,61同士を、1以上の弾性部622のみによって連結するように構成されてもよい。
【0046】
バッテリ保持構造体6は、図3及び図5に示すように、バッテリ3において、バッテリセル30の下部を隣り合う支持部61,61によって挟むように、積層された複数のバッテリセル30の下側面3bに装着される。このとき、各支持部61は、隣り合うバッテリセル30,31の間に挿入される。これによって、バッテリ保持構造体6は、隣り合う支持部61,61、連結部62,及び端壁部63によって、バッテリセル30の下部をそれぞれ囲うように一体に保持する。隣り合うバッテリセル30,31の間に挿入された支持部61は、バッテリセル30,30同士が直に接触しないように離隔させるセパレータとしても機能する。また、各連結部62は、下側面3bに沿うように配置される。
【0047】
バッテリ保持構造体6の支持部61は、図7に示すように、幅方向における収容部2の隔壁部24側の端部に、隔壁部24に対向するように配置される端壁部63をそれぞれ有する。端壁部63は、各バッテリセル30の隔壁部24側に配置される側面の下端側を覆うように、各支持部61の隔壁部24側の端部に一体に設けられている。端壁部63の表面には、それぞれ隔壁部24に向けて一定の高さで突出する横凸部631が一体に設けられている。
【0048】
さらに、バッテリ保持構造体6は、図7及び図8に示すように、幅方向における収容部2の側壁部23側の端部に、側壁部23に対向するように配置される1つの弾性部材64を有する。弾性部材64はゴム等の弾性材料によって構成される。弾性部材64は、バッテリ保持構造体6の長さ方向の全長に亘って延びる弾性部材本体641と、弾性部材本体641の側面から側壁部23に向けて突出する円柱形の弾性凸部642とを一体に有する。弾性凸部642は、複数のバッテリセル30に1対1に対応するように、隣り合う支持部61,61の間に配置されている。
【0049】
バッテリ保持構造体6の各支持部61の幅方向における側壁部23側の端部には、弾性部材64を引っ掛けて保持するためのL型の保持部65がそれぞれ設けられている。保持部65は、隣り合う支持部61,61において、弾性部材64の上側と下側とをそれぞれ交互に引っ掛けて保持するように配置されている。各保持部65は、隣り合う弾性凸部642,642の間にそれぞれ配置されている。これによって、バッテリ保持構造体6を型成形する際に、成形型を上下方向(Z1-Z2方向)に沿って型抜きすることができる。
【0050】
バッテリ保持構造体6の幅方向の両端部には、収容部2の下壁部22に対向するように配置される弾性部材66,66をそれぞれ有する。弾性部材66は、弾性部材64と同様に、ゴム等の弾性材料によって構成される。弾性部材66は、バッテリ保持構造体6の長さ方向の全長に亘って延びる弾性部材本体661と、弾性部材本体661の下面から下壁部22に向けて突出する円柱形の弾性凸部662とをそれぞれ一体に有する。弾性凸部662は、複数のバッテリセル30に1対1に対応するように、隣り合う支持部61,61の間に配置されている。
【0051】
バッテリ保持構造体6の幅方向の両端部には、弾性部材66,66を引っ掛けて保持するためのL型の保持部67,67がそれぞれ設けられている。保持部67,67は、隣り合う支持部61,61において、弾性部材66,66を幅方向の両側から挟むように、各支持部61の端部に一体に設けられている。各保持部67,67は、隣り合う弾性凸部662,662の間にそれぞれ配置されている。
【0052】
以上のように構成されるバッテリ3は、収容部2の収容室20内において、図2に示すように、上側のバッテリ保持構造体5の弾性部材55及び下側のバッテリ保持構造体6の弾性部材64と側壁部23との間、及び下側のバッテリ保持構造体6の弾性部材66,66と下壁部22との間に、収容部2に接して圧入部材7が圧入される。圧入部材7は、ステンレス等の金属材料又は樹脂材料によって、バッテリ3の長さ方向の全長に亘って長尺に形成された棒状体である。本実施形態の圧入部材7は角棒状に形成されるが、具体的な形状は特に限定されない。圧入部材7は、弾性部材55,64,66を圧縮し、それら弾性部材55,64,66の弾性復元力によって、バッテリ3を収容部2の内面、すなわち、上壁部21の内面21a及び隔壁部24の表面24aに向けて押圧する。これによって、バッテリ3は収容部2内に安定して保持される。
【0053】
ここで、圧入部材7がそれぞれ挿入される弾性部材55,64,66の各部位の構造は同一構造である。そのため、図2中のA部に示す下側のバッテリ保持構造体6の一方の弾性部材66の部位のバッテリ3の保持構造について、図10図12を用いて説明する。弾性部材55,64の部位は、以下の弾性部材66を弾性部材55,64に置き換えることによって同様に説明することができる。
【0054】
圧入部材7と弾性部材66との間には、受圧部材8が配置される。受圧部材8は、圧入部材7と同様に、バッテリ3の長さ方向の全長に亘って長尺に形成される。受圧部材8は、金属材料及び樹脂材料によって形成される。本実施形態の受圧部材8は、弾性部材66よりも摩擦係数が低い部材からなる。しかし、受圧部材8は、受圧部材8を形成する素材だけでなく、受圧部材8の形状によって、弾性部材66よりも摩擦係数が低くなるように構成されてもよい。例えば、図示しないが、受圧部材8の挿入溝84の底面84aに、受圧部材8の長さ方向に沿う細かなレール形状の複数の突条を形成してもよい。これによって、圧入部材7と受圧部材8の挿入溝84の底面84aとの接触面積が減少するため、圧入部材7の圧入時に、圧入部材7を受圧部材8に対して滑り易くすることができる。
【0055】
受圧部材8は、長尺な平板状の受圧部材本体81を有する。受圧部材本体81の一方の面(図10に示す受圧部材8では受圧部材本体81の下面)には、幅方向の両端部に、受圧部材8の長さ方向に沿って延伸する一対の平行な係合溝82,82と、係合溝82,82の間に受圧部材8の長さ方向に沿って延伸する一対の平行なガイドレール83,83と、が設けられる。一対のガイドレール83,83の間には、圧入部材7を挿入するための挿入溝84が形成される。受圧部材本体81の他方の面(図10に示す受圧部材8では受圧部材本体81の上面)には、弾性部材66の弾性凸部662に対応する位置に、各弾性凸部662の先端がそれぞれ挿入される凹部85が設けられる。凹部85は、受圧部材本体81を貫通していない。
【0056】
収容部2の内部において、受圧部材8は、図10に示すように、弾性部材66と接して、弾性部材66と収容部2との間に配置される。圧入部材7は、収容部2と接して、収容部2と受圧部材8との間に圧入されることによって配置される。
【0057】
次に、収容部2の収容室20内にバッテリ3を組み付けるバッテリ3の組付け方法について、図13図18を用いて説明する。上下のバッテリ保持構造体5,6によって複数のバッテリセル30が一体に保持されたバッテリ3は、図13に示すように、バッテリ保持構造体5,6に取り付けられた弾性部材55,64,66の外側に、それぞれ受圧部材8を配置させた状態で、収容部2の収容室20に挿入される。受圧部材8は、凹部85に弾性部材55,64,66の弾性凸部552,642,662をそれぞれ挿入し、係合溝82,82及び挿入溝84を下壁部22及び側壁部23に向けてそれぞれ配置される。
【0058】
バッテリ3が収容室20に収容された後、図14に示すように、バッテリ3の下側のバッテリ保持構造体6と収容部2の下壁部22との間に、治具部材100を挿入する。治具部材100は、収容部2の長さ方向の全長よりも長尺な薄い板状体からなる。治具部材100は、バッテリ保持構造体6の2つの受圧部材8,8の外側に配置される外側治具部材101,101と、2つの受圧部材8,8の間に配置される内側治具部材102,102と、によって構成される。治具部材100は、受圧部材8を外側治具部材101及び内側治具部材102によって、受圧部材8の幅方向の両側から挟むように挿入される。
【0059】
外側治具部材101及び内側治具部材102には、受圧部材8の一対の係合溝82,82に係合する係合凸部101a,102aをそれぞれ有する。治具部材100は、係合凸部101a,102aを受圧部材8の係合溝82,82に係合させつつ、バッテリ保持構造体6と収容部2の下壁部22との間に挿入される。
【0060】
バッテリ保持構造体6と収容部2の下壁部22との間に、受圧部材8,8に沿ってそれぞれ治具部材100,100が挿入された後、図15に示すように、治具部材100,100を収容部2の上壁部21側に向けて押し付ける。これによって、弾性部材66,66及び受圧部材8,8を介して、バッテリ3を、弾性部材66,66及び受圧部材8,8が配置される側と反対側に配置される収容部の上壁部21の内面21aに向けて押圧する(第1の工程)。
【0061】
バッテリ3が収容部の上壁部21の内面21aに向けて押圧されることによって、受圧部材8,8を介して弾性部材66,66の弾性凸部662が、受圧部材8,8の凹部85内で圧縮される。これによって、受圧部材8,8と収容部2の下壁部22の内面22aとの間隔が大きくなる。弾性部材66の弾性凸部662は受圧部材8の凹部85に挿入されているため、弾性部材66の弾性凸部662の圧縮方向及び横方向の位置が規定される。そのため、圧入部材7を圧入する際に、弾性部材66と受圧部材8との位置ずれが防止され、弾性部材66の弾性凸部662を円滑に圧縮することができるとともに、圧入部材7をさらに円滑に圧入することができる。
【0062】
その後、図16及び図17に示すように、間隔が大きくなった受圧部材8,8と収容部2の下壁部22との間に、挿入溝84,84に沿って圧入部材7,7を圧入する(第2の工程)。
【0063】
図11及び図12に示すように、受圧部材8の挿入溝84の底面84aは、受圧部材8の延伸方向に沿って延びる平面によって構成されている。また、挿入溝84に挿入される圧入部材7において、この底面84aに対向する面7aも、圧入部材7の延伸方向に沿って延びる平面によって構成されている。そのため、圧入部材7を圧入する際に、受圧部材8と圧入部材7との引っ掛かりが抑制される。
【0064】
圧入部材7,7を圧入した後、治具部材100,100をバッテリ3と収容部2との間から取り外す(第3の工程)。
【0065】
治具部材100,100が取り外されることによって、弾性部材66,66の弾性凸部662は、弾性復元力によって、圧入部材7,7を収容部2の下壁部22の内面22aに押し付け続けるとともに、バッテリ3を収容部2の上壁部21の内面21aに押し付け続ける。これによって、上側のバッテリ保持構造体5の上凸部541が上壁部21の内面21aに当接し、収容室20内におけるバッテリ3の上下方向の位置が規定される。
【0066】
収容部2の側壁部23に対向して配置されるバッテリ保持構造体5,6の弾性部材55,64についても、図16に示すように、受圧部材8,8と収容部2の側壁部23との間に圧入部材7,7が同様に圧入される。これによって、上下のバッテリ保持構造体5,6の横凸部531,631が隔壁部24の表面24aに当接し、収容室20内におけるバッテリ3の横方向の位置が規定される。これによって、バッテリ3は、収容部2に安定して保持される。なお、受圧部材8,8と収容部2の側壁部23との間に圧入部材7,7を挿入する際、上記と同様に治具部材100を挿入することによって、バッテリ3を隔壁部24側に向けて押圧するようにしてもよい。
【0067】
このようにして2つのバッテリ3,3が収容部2内に収容された後、収容部2の両端面2a,2aがそれぞれエンドプレート4,4によって封止される。エンドプレート4,4は、例えばアルミニウム等の金属材料からなる。エンドプレート4,4は、収容部2内の2つのバッテリ3,3を、バッテリセル30の積層方向(X1-X2方向)の両端から挟んで圧縮しつつ、複数のボルト41によって収容部2の両端面2a,2aにそれぞれ固定される。これによって、バッテリ装置1が構成される。
【0068】
次に、本実施形態に係るバッテリの保持構造及びバッテリの組付け方法の効果について説明する。
【0069】
本実施形態に係るバッテリ3の保持構造は、バッテリ3と、バッテリ3を挿入して収容する筒状の収容部2と、バッテリ3と収容部2との間に設けられる弾性部材55,64,66と、弾性部材55,64,66と接して弾性部材55,64,66と収容部2との間に配置され、弾性部材55,64,66よりも摩擦係数が低い部材からなる受圧部材8と、収容部2と接して収容部2と受圧部材8との間に圧入され、受圧部材8を介して弾性部材55,64,66を圧縮することによって、バッテリ3を収容部2の内面(上壁部21の内面21a、隔壁部24の表面24a)に押圧する圧入部材7と、を備える。これによれば、受圧部材8と収容部2との間に圧入部材7を圧入するだけで、弾性部材55,64,66の弾性復元力を利用して、バッテリ3を収容部2の下壁部22の内面及び隔壁部24の表面24aに押圧することができる。そのため、バッテリ3を収容部2内に簡単に安定して保持することができる。受圧部材8は、弾性部材55,64,66よりも摩擦係数が低い部材からなるため、圧入部材7を円滑に圧入することができ、バッテリ3の組立性が向上する。
【0070】
本実施形態に係るバッテリ3の保持構造において、受圧部材8と圧入部材7とが互いに接する面である挿入溝84の底面84a及び圧入部材7の面7aは、平面である。これによって、圧入部材7を圧入する際に、受圧部材8と圧入部材7との引っ掛かりが抑制される。そのため、圧入部材7の圧入動作を容易に行うことができ、バッテリ3の組立性がさらに向上する。なお、受圧部材8の挿入溝84の底面84aと圧入部材7の面7aとのうち、少なくともいずれか一方が平面であればよい。
【0071】
本実施形態に係るバッテリ3の保持構造において、受圧部材8は、圧入部材7の圧入動作を受圧部材8の延伸方向に案内するガイドレール83,83を有する。これによって、圧入部材7の圧入動作が、ガイドレール83,83によって受圧部材8の延伸方向に円滑に案内される。そのため、圧入部材7が横ブレすることがなく、バッテリ3の組立性がさらに向上する。
【0072】
本実施形態に係るバッテリ3の保持構造において、弾性部材55,64,66は、受圧部材8の方向に突出する弾性凸部552,642,662を有する。受圧部材8は、弾性凸部552,642,662が挿入される凹部85を有する。弾性部材55,64,66の弾性凸部552,642,662が受圧部材8の凹部85に挿入されることによって、弾性部材55,64,66の圧縮方向及び横方向の位置が規定されるため、圧入部材7を圧入する際に、弾性部材55,64,66と受圧部材8との位置ずれが防止される。そのため、弾性部材55,64,66を円滑に圧縮することができるとともに、圧入部材7をさらに円滑に圧入することができ、バッテリ3の組立性がさらに向上する。
【0073】
本実施形態に係るバッテリ3の組付け方法は、バッテリ3と、バッテリ3を挿入して収容する筒状の収容部2と、バッテリ3と収容部2との間に設けられる弾性部材55,64,66と、弾性部材55,64,66と接して弾性部材55,64,66と収容部2との間に配置され、弾性部材55,64,66よりも摩擦係数が低い部材からなる受圧部材8と、収容部2に接して収容部2と受圧部材8との間に圧入され、受圧部材8を介して弾性部材55,64,66を圧縮することによって、バッテリ3を収容部2の上壁部21の内面21a及び隔壁部24の表面24aに押圧する圧入部材7と、を使用し、バッテリ3、弾性部材55,64,66及び受圧部材8を収容部2に収容した後、バッテリ3と収容部2との間に治具部材100を挿入して、バッテリ3を、弾性部材55,64,66及び受圧部材8を介して、弾性部材55,64,66及び受圧部材8が配置される側と反対側の収容部2の上壁部21の内面21a及び隔壁部24の表面24aに向けて押圧する第1の工程と、受圧部材8と収容部2との間に圧入部材7を圧入する第2の工程と、治具部材100を取り外す第3の工程と、を含む。これによれば、受圧部材8と収容部2との間に圧入部材7を圧入するだけで、弾性部材55,64,66の弾性復元力を利用して、バッテリ3を収容部2の上壁部21の内面21a及び隔壁部24の表面24aに押圧することができる。圧入部材7を圧入する前に、バッテリ3は、治具部材100によって、弾性部材55,64,66及び受圧部材8を介して収容部2の上壁部21の内面21a及び隔壁部24の表面24aに向けて押圧されるため、圧入部材7の圧入動作を円滑に行うことができ、バッテリ3を収容部2内に簡単に安定して保持することができる。受圧部材8は、弾性部材55,64,66よりも摩擦係数が低い部材からなるため、圧入部材7を円滑に圧入することができ、バッテリ3の組立性が向上する。
【0074】
本実施形態のバッテリ装置1は、収容部2内に2つのバッテリ3,3を収容している。しかし、収容部2内に収容されるバッテリ3は2つに制限されない。
【符号の説明】
【0075】
2 収容部
21 上壁部
21a 内面
24 隔壁部
24a 表面
3 バッテリ
55,64,66 弾性部材
552,642,662 弾性凸部
7 圧入部材
7a 面
8 受圧部材
83 ガイドレール
84 挿入溝
84a 底面
85 凹部
100 治具部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18