(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022095149
(43)【公開日】2022-06-28
(54)【発明の名称】磁性異物除去装置およびマグネットユニット
(51)【国際特許分類】
B03C 1/02 20060101AFI20220621BHJP
B03C 1/28 20060101ALI20220621BHJP
B03C 1/00 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
B03C1/02 Z
B03C1/28
B03C1/00 J
B03C1/00 A
B03C1/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020208304
(22)【出願日】2020-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】594107996
【氏名又は名称】株式会社マグネテックジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100160314
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 公芳
(74)【代理人】
【識別番号】100134038
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 薫央
(74)【代理人】
【識別番号】100150968
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 悠有子
(72)【発明者】
【氏名】物集 高彦
(72)【発明者】
【氏名】大西 貴
(57)【要約】
【課題】異物の除去性能を向上できる磁性異物除去装置を提供する。
【解決手段】被処理物が投入される入口11と、入口11に対して鉛直方向下側に設けられ被処理物が排出される出口12と、入口11と出口12とを結ぶ被処理物の通路15を形成し鉛直方向に沿う壁面13と、を有するケース10と、長さ方向の一端21と、一端21と反対の他端21bと、を有するバーマグネット21と、バーマグネット21の一端21が鉛直方向上側になりかつ他端21bが鉛直方向下側になるよう傾斜させて一端21を固定する内側面36aと、壁面13に固定される内側面36aと反対の外側面36bと、を有し、バーマグネット21を通路15に支持する支持部材1と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物が投入される入口と、前記入口に対して鉛直方向下側に設けられ前記被処理物が排出される出口と、前記入口と前記出口とを結ぶ前記被処理物の通路を形成し前記鉛直方向に沿う壁面と、を有するケースと、
長さ方向の一端と、前記一端と反対の他端と、を有するバーマグネットと、
前記バーマグネットの前記一端が鉛直方向上側になりかつ前記他端が鉛直方向下側になるよう傾斜させて前記一端を固定する内側面と、前記壁面に固定される前記内側面と反対の外側面と、を有し、前記バーマグネットを前記通路に支持する支持部材と、を備える磁性異物除去装置。
【請求項2】
前記バーマグネットは、複数の前記バーマグネットであり、
前記支持部材は、前記鉛直方向に積み重ねられた複数の前記支持部材であり、
前記複数の前記支持部材は、前記複数の前記バーマグネットが平行になり、かつ前記鉛直方向に隣接する複数の前記支持部材に支持された前記バーマグネットが鉛直方向視において少なくとも一部において重なり合わないよう、前記バーマグネットを支持する、請求項1記載の磁性異物除去装置。
【請求項3】
前記支持部材は、前記バーマグネットの前記一端が鉛直方向上側になりかつ前記他端が鉛直方向下側になるようさらに傾斜させる傾斜面を有する、請求項1または2記載の磁性異物除去装置。
【請求項4】
前記バーマグネットは、前記鉛直方向に対し25度から65度の角度をなすように支持される、請求項1から3のいずれか一項記載の磁性異物除去装置。
【請求項5】
前記バーマグネットは、長さ方向に沿って交互に配列されるマグネットおよびヨークと、前記マグネットおよび前記ヨークの中心を貫通するシャフトと、を有する、請求項1から4のいずれか一項記載の磁性異物除去装置。
【請求項6】
前記バーマグネットを被覆するアウターパイプをさらに備え、
前記アウターパイプは、前記バーマグネットの磁力に吸着されることにより前記バーマグネットに固定される、請求項1から5のいずれか一項記載の磁性異物除去装置。
【請求項7】
前記バーマグネットは、長さ方向に直交する断面形状が、頂点を有する尖頭部分と、前記尖頭部分以外の非尖頭部分と、を有する、請求項1から6のいずれか一項記載の磁性異物除去装置。
【請求項8】
被処理物が投入される入口と、前記入口に対して鉛直方向下側に設けられ前記被処理物が排出される出口と、前記入口と前記出口とを結ぶ前記被処理物の通路を形成し前記鉛直方向に沿う壁面と、を有するケースに固定されるマグネットユニットであって、
長さ方向の一端と、前記一端と反対の他端と、を有するバーマグネットと、
前記バーマグネットの前記一端が鉛直方向上側になりかつ前記他端が鉛直方向下側になるよう傾斜させて前記一端を固定する内側面と、前記壁面に固定される前記内側面と反対の外側面と、を有し、前記バーマグネットを前記通路に支持する支持部材と、を備える、マグネットユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性異物除去装置およびマグネットユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粉粒状、液状、流動体状などの各種原料や製品中に混入した鉄系およびステンレス系の金属摩耗粉や金属片などの異物を吸着除去する磁性異物除去装置として、例えば特許文献1の磁性異物除去装置が知られている。この磁性異物除去装置は、複数本のバーマグネットが先端が下流側に傾斜するように取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
確実に異物の除去を行う方法の一つとして、各バーマグネットの吸着力を向上させる方法がある。しかしながら、磁石の吸着力が増すと、互いの吸着力によって磁性異物除去装置の組立や取扱が困難になるという課題がある。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、異物の除去性能を向上できる磁性異物除去装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る磁性異物除去装置は、上述した課題を解決するために、被処理物が投入される入口と、前記入口に対して鉛直方向下側に設けられ前記被処理物が排出される出口と、前記入口と前記出口とを結ぶ前記被処理物の通路を形成し前記鉛直方向に沿う璧面と、を有するケースと、長さ方向の一端と、前記一端と反対の他端と、を有するバーマグネットと、前記バーマグネットの前記一端が鉛直方向上側になりかつ前記他端が鉛直方向下側になるよう傾斜させて前記一端を固定する内側面と、前記壁面に固定される前記内側面と反対の外側面と、を有し、前記バーマグネットを前記通路に支持する支持部材と、を備える。
本発明に係るマグネットユニットは、上述した課題を解決するために、被処理物が投入される入口と、前記入口に対して鉛直方向下側に設けられ前記被処理物が排出される出口と、前記入口と前記出口とを結ぶ前記被処理物の通路を形成し前記鉛直方向に沿う璧面と、を有するケースに固定されるマグネットユニットであって、長さ方向の一端と、前記一端と反対の他端と、を有するバーマグネットと、前記バーマグネットの前記一端が鉛直方向上側になりかつ前記他端が鉛直方向下側になるよう傾斜させて前記一端を固定する内側面と、前記壁面に固定される前記内側面と反対の外側面と、を有し、前記バーマグネットを前記通路に支持する支持部材と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る磁性異物除去装置およびマグネットユニットにおいては、異物の除去性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る磁性異物除去装置の一実施形態を示す斜視図。
【
図2】磁性異物除去装置の内部を説明する鉛直方向に沿う断面図。
【
図4】マグネットユニットの鉛直方向に沿う断面図。
【
図5】磁性異物除去装置の変形例としての磁性異物除去装置の鉛直方向に沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る磁性異物除去装置およびマグネットユニットの実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は、本発明に係る磁性異物除去装置の一実施形態を示す斜視図である。
【0011】
図2は、磁性異物除去装置1の内部を説明する鉛直方向に沿う断面図である。
【0012】
【0013】
図4は、マグネットユニット20の鉛直方向に沿う断面図である。
【0014】
以下、「鉛直方向」を各図の上下方向に沿う方向と定義する。
【0015】
磁性異物除去装置1は、粉粒状、液状、流動体状などの各種原料や製品(以下、「被処理物」という。)中に混入した鉄系およびステンレス系の金属摩耗粉や金属片などの異物を吸着除去する。磁性異物除去装置1は、ケース10と、複数のマグネットユニット20と、スペーサ40と、を有する。
【0016】
ケース10は、四角柱の筒状を有する、例えば非磁性体金属(例えばSUS304、SUS316Lなどのステンレス鋼、チタン)からなる。ケース10は、入口11と、出口12と、壁面13と、を有する。入口11は、鉛直方向上側に配置されたケース10の開口端であり、被処理物が投入される。出口12は、入口11に対して鉛直方向下側に設けられたケース10の開口端であり、被処理物が排出される。壁面13は、鉛直方向に沿う互いに直交する4つの面からなる。壁面13は、入口11と出口12とを結ぶ被処理物の通路15としての空間を形成する。
【0017】
各マグネットユニット20は、複数本のバーマグネット21と、アウターパイプ31と、支持部材35と、を有する。
【0018】
バーマグネット21は、長さ方向の一端21aと、一端21aと反対の他端21bと、を有する棒状である。バーマグネット21は、長さ方向に直交する断面形状が、頂点を有する尖頭部分22aと、尖頭部分以外の非尖頭部分22bと、を有する雫型である。すなわち、バーマグネット21の断面形状は、尖頭部分22aと、尖頭部分以外の非尖頭部分22bと、で形成された雫型であり、鉛直方向に関し左右対称の形状を有している。尖頭部分22aは、上方側の部分であり、2本の交わる線により鋭角をなすことにより尖頭状を有する部分である。非尖頭部分22bは、下方側の部分であり、これら2本の線と連続して形成された、半円形部分である。尖頭部分22aの傾斜(水平面と尖頭部分22aの傾斜面とが成す角)は、例えば粉体などの被処理物の安息角度以上となるように形成されるのが好ましい。
【0019】
バーマグネット21は、複数のマグネット23と、複数のヨーク24と、一対のエンドプラグ25と、シャフト26と、マグネットパイプ27と、を有している。
【0020】
複数のマグネット23は、厚さ方向(バーマグネット21の長さ方向)に着磁され、厚さ方向に直交する面形状が雫型の磁石(例えばネオジウム系の希土類磁石)である。マグネット23は、軸方向に同極同士が対向するように配置されている。
【0021】
複数のヨーク24は、マグネット23と同一の面形状を有する、雫型の磁性体である。ヨーク24は、隣接するマグネット23の間に挿入されている。
【0022】
一対のエンドプラグ25は、所要の形状を有する非磁性体(例えばSUS304などのステンレス鋼、チタン)であり、マグネット23およびヨーク24をバーマグネット21の両端でこれらを挟んで支持する。
【0023】
シャフト26は、長さ方向に沿って交互に配列されるマグネット23およびヨーク24の中心を貫通する。シャフト26の両端は、エンドプラグ25とネジ止めされ一体となっている。
【0024】
マグネットパイプ27は、一体となったマグネット23およびヨーク24を内部に収容可能な寸法を有する。具体的には、マグネットパイプ27は、長さ方向の断面形状が雫型の中空形状を有している。マグネットパイプ27は、非磁性体金属(例えばSUS304などのステンレス鋼、チタン)からなる。
【0025】
アウターパイプ31は、非磁性体金属(例えばSUS304などのステンレス鋼、チタン)からなる。アウターパイプ31(鞘管)は、被処理物に対する異物除去処理時においては、各バーマグネット21を被覆し、外表面にバーマグネット21の磁力を作用させて異物を吸着する。アウターパイプ31は、被処理物の処理終了後などにおいて、異物とともにバーマグネット21から取り外されることにより、バーマグネット21から速やかに異物を除去できる。
【0026】
アウターパイプ31は、先端に、バーマグネットに吸着する磁性体(例えばSUS430)を有する。これにより、アウターパイプ31は、バーマグネット21の磁力に吸着されることによりバーマグネット21に固定される。なお、
図3においては、アウターパイプ31が各バーマグネット毎に設けられているが、複数本のバーマグネット21を覆う複数本のアウターパイプ31が一体になっていてもよい。
【0027】
支持部材35は、鉛直方向視略コ字状を有するように形成された板状部材であり、バーマグネット21を通路15に支持する。具体的には、支持部材35は、第一固定面36と、第一固定面36の対向する辺に第一固定面36と略直交するようにそれぞれ連続した第二固定面37と、を有する。
【0028】
第一固定面36は、バーマグネット21を固定する面である。第一固定面36は、通路側に面する内側面36aにおいて、バーマグネット21の一端21aが鉛直方向上側になりかつ他端21bが鉛直方向下側になるよう傾斜させて、一端21aを固定する。第一固定面36は、例えばバーマグネット21と第一固定面36(鉛直方向)とが45度をなすように、バーマグネット21を固定する。このため、バーマグネット21の一端21aは、支持部材35と45度でネジ止めされるようなネジ孔38および固定構造を有する。また、第一固定面36は、内側面36aと反対の外側面36bにおいては、溶接などにより壁面13に固定される。
【0029】
第二固定面37は、主に支持部材35をケース10に固定するための面であり、第一固定面36の外側面36bと同様に、溶接などにより壁面13に固定される。
【0030】
本実施形態においては、マグネットユニット20は、バーマグネット21の配置と本数が異なる、第1ユニット20aおよび第2ユニット20bを有する。第1ユニット20aは、3本のバーマグネット21を、バーマグネット21の幅(長さ方向に直交する水平方向の寸法)に相当する間隔を開けて配置する。第2ユニット20bは、2本のバーマグネット21を、バーマグネット21の幅に相当する間隔を開けて、かつ第1ユニット20aのバーマグネット同士の隙間に対応する位置にバーマグネット21を配置する。
【0031】
マグネットユニット20(支持部材35)は、ケース10内において、支持部材35が鉛直方向視でコ字状になる態様で、第1ユニット20aおよび第2ユニット20bが交互になるように鉛直方向に積み重ねられている。これにより、支持部材35は、複数のバーマグネット21の一端21aの方向と、他端21bの方向とが揃い、バーマグネット21同士が平行になるように各バーマグネット21を支持し配置する。かつ、支持部材35は、鉛直方向に隣接する複数の支持部材35に支持されたバーマグネット21が鉛直方向視において重なり合わないよう、支持し配置する。
【0032】
スペーサ40は、鉛直方向最下段のマグネットユニット20の下方に、ケース下端10aとマグネットユニット20との間に空間を作るための、枠状部材である。スペーサ40は、マグネットユニット20のバーマグネット21の他端21bがケース下端10aの出口12より突出しないような寸法を有する。
【0033】
このような磁性異物除去装置1は、バーマグネット21を傾斜させて支持部材35を介してケース10に配置した。これにより、磁性異物除去装置1は、被処理物の通路15において、被処理物がバーマグネット21と接触する範囲を延ばすことができる。また、複数のバーマグネット21を傾斜方向が揃うように壁面13側から通路15側(対向する壁面13側)に延びるように配置したため、例えば通路15の中心位置から放射状や対称的に傾斜するようにバーマグネット21が配置される場合に比べて、バーマグネット21の長さを長く取ることができる。その結果、バーマグネット21の有効範囲を大きくでき、磁性異物除去装置1は吸着効率を向上できる。
【0034】
また、バーマグネット21を鉛直方向視において重なり合わないように多段的に配置したため、異物が除去されないまま被処理物が排出されることを低減できる。また、バーマグネット21が尖頭部分22aを有する形状であるため、バーマグネット21自体に被処理物が滞ることを低減でき、より一層の吸着効率を向上できる。
【0035】
さらに、バーマグネット21はマグネット23およびヨーク24がシャフト26により支持されているため、仮にマグネットパイプ27が破損した場合であっても、マグネット23が飛び出すことがなく、安全性も向上できる。また、バーマグネット21は、シャフト26を有することにより、シャフト26がない場合に比べて強度を有することができる。ゆえに、強度の観点からもバーマグネット21の長さを長くでき、より一層吸着効率を向上できる。
【0036】
さらにまた、例えば特許文献1のように、アウターパイプ31(スリーブ)をケース10に固定し、ケース10の外側からバーマグネット21を抜差しする場合、バーマグネット21の磁力により、バーマグネット21同士が引寄せられ、その動作が困難となったり安全性に課題を有したりする虞がある。また、バーマグネット21の磁力により、アウターパイプ31を介して互いにバーマグネット21同士が引寄せられる結果、アウターパイプ31自体も引寄せられてしまい、歪みの原因となったり、または溶接などによる固定箇所の耐久性に問題が生じたりする虞もある。さらに、バーマグネット21の有効範囲を延ばすためにはその長さを延ばすことが有効であるが、これに伴いアウターパイプ31の長さも延びることから、上述した歪みはより一層発生しやすくなる。
【0037】
これに対し、本実施形態における磁性異物除去装置1は、バーマグネット21を支持部材35を介してケース10に固定したため、組立が容易である。また、アウターパイプ31はバーマグネット21に対して挿抜されるため、上述したようなアウターパイプ31に対するマグネット23の挿抜もなく、メンテナンス性および安全性にも優れている。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0039】
例えば、バーマグネット21をさらに傾斜させるため、支持部材35が傾斜面を有していてもよい。ここで、
図5は、磁性異物除去装置の変形例としての磁性異物除去装置100の鉛直方向に沿う断面図である。
図5の磁性異物除去装置100は、
図2の磁性異物除去装置1に対して、図視左側から見た図に対応する。
【0040】
磁性異物除去装置100が、磁性異物除去装置1と異なる点は、支持部材135の第一固定面136がV字状であり、バーマグネット21の一端21aが固定される内側面136aが壁面13に対して離れ鉛直方向下方を向く方向に傾斜を有する傾斜面138を有する点である。この傾斜面138は、第一固定面136が鉛直方向に沿う面方向を有する平坦面である場合に比べて、バーマグネット21の一端21aが鉛直方向上側になりかつ他端21bが鉛直方向下側になるようさらに傾斜させる。
【0041】
これにより、支持部材135に対する固定方法は、磁性異物除去装置100におけるバーマグネット21の鉛直方向に対する角度によらずに、常に同様の角度で固定できる。例えば、鉛直方向に対してバーマグネット21が65度の角度をなすように支持する場合には、第一固定面136とバーマグネット21との間においては、鉛直方向に対してバーマグネット21が45度の角度をなすようにネジ止めするためのネジ孔などの固定構造はそのまま流用でき、第一固定面136に鉛直方向と20度の角度をなすように傾斜面138を形成すればよい。
【0042】
これにより、複数の角度を有するマグネットユニット20を支持部材135の角度を調整することに簡便に製造できる。
【0043】
なお、バーマグネット21は、鉛直方向に対し25度から65度の角度をなすように配置されるのが好ましく、被処理物の種類やその流量などに応じて適宜設定されればよい。
【0044】
また、支持部材35、135が複数のバーマグネット21を支持する例を説明したが、1本のバーマグネット21を支持してもよい。マグネットユニット20(支持部材35、135)が鉛直方向に複数積み重ねられる例を説明したが、単体でケース10内に配置されていてもよい。
【0045】
鉛直方向視において、バーマグネット21が重なり合わないように配置される例を説明したが、少なくとも一部で重なり合わなければ、一部が重なり合っていてもよい。アウターパイプ31は、省略してもよい。
【符号の説明】
【0046】
1、100 磁性異物除去装置
10 ケース
11 入口
12 出口
13 壁面
15 通路
20 マグネットユニット
21 バーマグネット
21a 一端
21b 他端
22a 尖頭部分
22b 非尖頭部分
23 マグネット
24 ヨーク
26 シャフト
31 アウターパイプ
35、135 支持部材
36a、136a 内側面
36b 外側面
135 支持部材
138 傾斜面