(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022095192
(43)【公開日】2022-06-28
(54)【発明の名称】料金設定装置、料金設定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220621BHJP
【FI】
G06Q30/02 318
G06Q30/02 380
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020208373
(22)【出願日】2020-12-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.電気通信回線を通じた公開 ウェブサイトの掲載日 令和 1年12月17日 ウェブサイトのURL https://onecompath.com/news/release/4845/(電子チラシサービス「Shufoo!」、個店販促改革に向けビジネスモデル刷新)
(71)【出願人】
【識別番号】510298300
【氏名又は名称】株式会社ONE COMPATH
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】柴田 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】本間 俊平
(72)【発明者】
【氏名】森谷 尚平
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 太陽
(72)【発明者】
【氏名】和田 織恵
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB04
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】コンテンツ提供業者に支払う料金の設定に関する合理性が高められるようにする。
【解決手段】商圏範囲と、想定有効ユーザ数と、上限金額とのうちいずれか1つの料金設定パラメータが指定されることに応じて、他の2つの料金設定パラメータの値を計算することにより、料金算定期間における料金設定パラメータごとの値として設定するパラメータ設定部と、料金算定期間において、設定された商圏範囲においてコンテンツ提供サービスを利用した実利用ユーザ数を取得するユーザ数取得部と、料金算定期間が満了したタイミングにおける実利用ユーザ数に対応して求められる実利用ユーザ数対応金額と、上限金額とを比較した結果に基づいて、料金算定期間における料金を設定する料金設定部とを備えて料金設定装置を構成する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ提供サービスによるコンテンツ提供の対象となる地域範囲である商圏範囲と、
前記商圏範囲に含まれる想定有効ユーザ数であって、コンテンツ提供サービスの利用者として登録された登録ユーザのうち前記商圏範囲に含まれる登録ユーザの数に所定の係数を乗算する結果を用いて求める想定有効ユーザ数と、
前記想定有効ユーザ数に対応して定められる上限金額と、
のうちいずれか1つの料金設定パラメータが指定されることに応じて、他の2つの料金設定パラメータの値を計算することにより、指定された1の料金設定パラメータの値と計算された他の2つの料金設定パラメータの値を、料金算定期間における前記料金設定パラメータごとの値として設定するパラメータ設定部と、
前記料金算定期間において、前記パラメータ設定部により設定された商圏範囲において前記コンテンツ提供サービスを利用した実利用ユーザ数を取得するユーザ数取得部と、
前記料金算定期間が満了したタイミングにおける実利用ユーザ数に対応して求められる実利用ユーザ数対応金額と、前記上限金額とを比較した結果に基づいて、前記料金算定期間における料金を設定する料金設定部と
を備える料金設定装置。
【請求項2】
前記パラメータ設定部は、指定された商圏範囲における実利用ユーザ数についての過去の実績を含む係数設定情報に基づいて、前記係数を決定する
請求項1に記載の料金設定装置。
【請求項3】
前記パラメータ設定部は、設定された料金の請求先の店舗の業態種別を含む係数設定情報に基づいて、前記係数を決定する
請求項1または2に記載の料金設定装置。
【請求項4】
前記パラメータ設定部は、設定された料金の請求先の店舗の存在する地域特性の情報を含む係数設定情報に基づいて、前記係数を決定する
請求項1から3のいずれか一項に記載の料金設定装置。
【請求項5】
前記パラメータ設定部は、前記料金算定期間の途中において、前記いずれか1つの料金設定パラメータが指定されることに応じて他の2つの料金設定パラメータの値を導出することにより、前記商圏範囲と、前記想定有効ユーザ数と、前記上限金額との設定を変更する
請求項1から4のいずれか一項に記載の料金設定装置。
【請求項6】
コンテンツ提供サービスによるコンテンツ提供の対象となる地域範囲である商圏範囲と、
前記商圏範囲に含まれる想定有効ユーザ数であって、コンテンツ提供サービスの利用者として登録された登録ユーザのうち前記商圏範囲に含まれる登録ユーザの数に所定の係数を乗算する結果を用いて求める想定有効ユーザ数と、
前記想定有効ユーザ数に対応して定められる上限金額と、
のうちいずれか1つの料金設定パラメータが指定されることに応じて、他の2つの料金設定パラメータの値を計算することにより、指定された1の料金設定パラメータの値と計算された他の2つの料金設定パラメータの値を、料金算定期間における前記料金設定パラメータごとの値として設定するパラメータ設定ステップと、
前記料金算定期間において、前記パラメータ設定ステップにより設定された商圏範囲において前記コンテンツ提供サービスを利用した実利用ユーザ数を取得するユーザ数取得ステップと、
前記料金算定期間が満了したタイミングにおける実利用ユーザ数に対応して求められる実利用ユーザ数対応金額と、前記上限金額とを比較した結果に基づいて、前記料金算定期間における料金を設定する料金設定ステップと
を備える料金設定方法。
【請求項7】
コンピュータを、
コンテンツ提供サービスによるコンテンツ提供の対象となる地域範囲である商圏範囲と、
前記商圏範囲に含まれる想定有効ユーザ数であって、コンテンツ提供サービスの利用者として登録された登録ユーザのうち前記商圏範囲に含まれる登録ユーザの数に所定の係数を乗算する結果を用いて求める想定有効ユーザ数と、
前記想定有効ユーザ数に対応して定められる上限金額と、
のうちいずれか1つの料金設定パラメータが指定されることに応じて、他の2つの料金設定パラメータの値を計算することにより、指定された1の料金設定パラメータの値と計算された他の2つの料金設定パラメータの値を、料金算定期間における前記料金設定パラメータごとの値として設定するパラメータ設定部、
前記料金算定期間において、前記パラメータ設定部により設定された商圏範囲において前記コンテンツ提供サービスを利用した実利用ユーザ数を取得するユーザ数取得部、
前記料金算定期間が満了したタイミングにおける実利用ユーザ数に対応して求められる実利用ユーザ数対応金額と、前記上限金額とを比較した結果に基づいて、前記料金算定期間における料金を設定する料金設定部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、料金設定装置、料金設定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等のオンライン上で配信したコンテンツの閲覧数等の情報に応じて、広告料金等を算出するようにされた技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば或る1つの店舗が、電子チラシやクーポン等の店舗に関連する情報のユーザへの提供をコンテンツ提供業者に依頼するにあたっては、店舗がコンテンツ提供業者に支払う料金を定めることが行われる。このような料金の設定については、店舗にとって合理性が高いことが好ましい。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、コンテンツ提供業者に支払う料金の設定に関する合理性が高められるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、コンテンツ提供サービスによるコンテンツ提供の対象となる地域範囲である商圏範囲と、前記商圏範囲に含まれる想定有効ユーザ数であって、コンテンツ提供サービスの利用者として登録された登録ユーザのうち前記商圏範囲に含まれる登録ユーザの数に所定の係数を乗算する結果を用いて求める想定有効ユーザ数と、前記想定有効ユーザ数に対応して定められる上限金額と、のうちいずれか1つの料金設定パラメータが指定されることに応じて、他の2つの料金設定パラメータの値を計算することにより、指定された1の料金設定パラメータの値と計算された他の2つの料金設定パラメータの値を、料金算定期間における前記料金設定パラメータごとの値として設定するパラメータ設定部と、前記料金算定期間において、前記パラメータ設定部により設定された商圏範囲において前記コンテンツ提供サービスを利用した実利用ユーザ数を取得するユーザ数取得部と、前記料金算定期間が満了したタイミングにおける実利用ユーザ数に対応して求められる実利用ユーザ数対応金額と、前記上限金額とを比較した結果に基づいて、前記料金算定期間における料金を設定する料金設定部とを備える料金設定装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、コンテンツ提供サービスによるコンテンツ提供の対象となる地域範囲である商圏範囲と、前記商圏範囲に含まれる想定有効ユーザ数であって、コンテンツ提供サービスの利用者として登録された登録ユーザのうち前記商圏範囲に含まれる登録ユーザの数に所定の係数を乗算する結果を用いて求める想定有効ユーザ数と、前記想定有効ユーザ数に対応して定められる上限金額と、のうちいずれか1つの料金設定パラメータが指定されることに応じて、他の2つの料金設定パラメータの値を計算することにより、指定された1の料金設定パラメータの値と計算された他の2つの料金設定パラメータの値を、料金算定期間における前記料金設定パラメータごとの値として設定するパラメータ設定ステップと、前記料金算定期間において、前記パラメータ設定ステップにより設定された商圏範囲において前記コンテンツ提供サービスを利用した実利用ユーザ数を取得するユーザ数取得ステップと、前記料金算定期間が満了したタイミングにおける実利用ユーザ数に対応して求められる実利用ユーザ数対応金額と、前記上限金額とを比較した結果に基づいて、前記料金算定期間における料金を設定する料金設定ステップとを備える料金設定方法である。
【0008】
また、本発明の一態様は、コンピュータを、コンテンツ提供サービスによるコンテンツ提供の対象となる地域範囲である商圏範囲と、前記商圏範囲に含まれる想定有効ユーザ数であって、コンテンツ提供サービスの利用者として登録された登録ユーザのうち前記商圏範囲に含まれる登録ユーザの数に所定の係数を乗算する結果を用いて求める想定有効ユーザ数と、前記想定有効ユーザ数に対応して定められる上限金額と、のうちいずれか1つの料金設定パラメータが指定されることに応じて、他の2つの料金設定パラメータの値を計算することにより、指定された1の料金設定パラメータの値と計算された他の2つの料金設定パラメータの値を、料金算定期間における前記料金設定パラメータごとの値として設定するパラメータ設定部、前記料金算定期間において、前記パラメータ設定部により設定された商圏範囲において前記コンテンツ提供サービスを利用した実利用ユーザ数を取得するユーザ数取得部、前記料金算定期間が満了したタイミングにおける実利用ユーザ数に対応して求められる実利用ユーザ数対応金額と、前記上限金額とを比較した結果に基づいて、前記料金算定期間における料金を設定する料金設定部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明によれば、ンテンツ提供業者に支払う料金の設定に関する合理性が高められるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態におけるコンテンツ提供システムの構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態における上限金額と上限月間ユニークユーザ数との関係を示す図である。
【
図3】本実施形態における商圏範囲を示す図である。
【
図4】本実施形態における上限金額設定の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態における店舗関連コンテンツ情報の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態における店舗情報の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態におけるユーザ情報の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態における消費行動圏の導出手法例を説明する図である。
【
図9】本実施形態における料金設定サーバの構成例を説明する図である。
【
図10】本実施形態における料金設定履歴情報の一例を説明する図である。
【
図11】本実施形態における料金設定サーバが実行する処理手順を示すフローチャートである。
【
図12】本実施形態の変形例におけるシミュレーションサーバの構成例を説明する図である。
【
図13】本実施形態の変形例における商圏地図画面の一例を示す図である。
【
図14】本実施形態の変形例における商圏地図画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
以下、本発明の一実施形態としてのコンテンツ提供システムについて図面を参照して説明する。本実施形態においては、コンテンツ提供業者が、広告主である店舗運営者(コンテンツ提供者の一例)との契約に応じて、電子チラシ、クーポン等の店舗に関連するコンテンツ(店舗関連コンテンツ)をユーザに向けて配信するコンテンツ提供サービスを運用するようにされている。
【0012】
図1は、本実施形態におけるコンテンツ提供システムの全体構成例を示す図である。同図のコンテンツ提供システムは、店舗関連コンテンツサーバ100、ユーザ端末装置200、料金設定サーバ300(料金設定装置の一例)、及び料金設定端末400を備える。
なお、シミュレーション端末500については後述の変形例に対応することから、ここでの説明を省略する。
【0013】
店舗関連コンテンツサーバ100とユーザ端末装置200とは例えばインターネットなどのネットワークを介して通信可能に接続される。また、店舗関連コンテンツサーバ100と料金設定サーバ300はネットワークを介して通信可能に接続される。また、料金設定サーバ300と料金設定端末400はネットワークを介して通信可能に接続される。
【0014】
店舗関連コンテンツサーバ100は、店舗関連コンテンツを配信するコンテンツ提供業者が運用するサーバである。店舗関連コンテンツサーバ100は、ユーザへの店舗関連コンテンツの配信に関連するサービスを提供する。
店舗関連コンテンツは、店舗に関連するコンテンツ等の情報である。具体的に、店舗関連コンテンツは、店舗に対応する広告主から投稿された電子チラシを含む。電子チラシは、例えば新聞などの折り込み広告などに相当するチラシを電子化したコンテンツである。
また、店舗関連コンテンツサーバ100がユーザに向けて提供する店舗関連コンテンツは、店舗の端末からの広告記事の投稿をユーザの端末装置にプッシュ通知により提供するようなものあってもよい。また、店舗関連コンテンツサーバ100がユーザに向けて提供する店舗関連コンテンツは、クーポン、求人の記事や広告等であってもよい。
【0015】
ユーザ端末装置200は、ユーザが使用する端末装置である。ユーザ端末装置200は、例えばスマートフォン、タブレット端末、携帯電話、パーソナルコンピュータ(PC)などのように、ネットワーク通信機能を有する端末装置である。
【0016】
ユーザ端末装置200には閲覧アプリケーションをインストールすることができる。閲覧アプリケーションは、店舗関連コンテンツサーバ100から配信される店舗関連コンテンツを閲覧するためのアプリケーションである。
ユーザ端末装置200にインストールされた閲覧アプリケーションは、起動に応じて店舗関連コンテンツサーバ100にアクセスする。店舗関連コンテンツサーバ100にアクセスした閲覧アプリケーションは、ユーザの操作によって指定された店舗関連コンテンツを店舗関連コンテンツサーバ100から取得し、取得された店舗関連コンテンツを表示する。ユーザが表示された店舗関連コンテンツを見ることにより、店舗関連コンテンツの閲覧が行われる。
【0017】
また、ユーザ端末装置200には、ウェブブラウザをインストールすることができる。ウェブブラウザがユーザ端末装置200にインストールされている場合、ユーザは、ユーザ端末装置200上で動作するウェブブラウザに対する操作により店舗関連コンテンツ提供ウェブサイトにアクセスさせることができる。店舗関連コンテンツ提供ウェブサイトは、店舗関連コンテンツサーバ100が店舗関連コンテンツの配信に関連するサービスの提供のためにインターネット上で提供するウェブサイトである。
ユーザ端末装置200が店舗関連コンテンツ提供ウェブサイトにアクセスしている状態のもと、ユーザが店舗関連コンテンツ提供ウェブサイト内の店舗関連コンテンツのウェブページへのリンクを指定する操作を行うと、指定されたウェブページがウェブブラウザ上で表示される。このように表示される店舗関連コンテンツをユーザが見ることで、店舗関連コンテンツの閲覧が行われる。
【0018】
店舗関連コンテンツサーバ100は、上記のようにユーザにより行われる店舗関連コンテンツの閲覧に関する履歴(閲覧履歴)を示す閲覧履歴情報を記憶する。閲覧履歴情報は、ユーザごとに対応付けられて管理される。つまり、本実施形態における閲覧履歴情報は、ユーザを一意に示すユーザIDごとに対応のユーザの閲覧履歴が対応付けられた構造である。
ユーザIDは、閲覧アプリケーションによるアクセスに対応しては、閲覧アプリケーションごとに一意となるように付与された識別子(アプリケーションID)を利用することができる。
また、ユーザIDは、ウェブブラウザによるアクセスに対応しては、アクセスに際して店舗関連コンテンツサーバ100から付与されるセッションIDを利用することができる。
また、ユーザIDは、ユーザアカウント認証によってログインしたうえで閲覧アプリケーションまたはウェブブラウザにより店舗関連コンテンツサーバ100にアクセスしている場合にはユーザアカウントと対応付けられたユーザの識別情報を利用することができる。
【0019】
また、本実施形態においては、例えば、ユーザ端末装置200からのリクエストに応じて店舗関連コンテンツサーバ100が店舗関連コンテンツを送信したことを以て、1つの店舗関連コンテンツについて1回の閲覧が行われたものして扱うことができる。なお、店舗関連コンテンツサーバ100は、例えば所定時間内に同じ店舗関連コンテンツがリクエストされた場合には、1つの店舗関連コンテンツについて1回の閲覧が行われたものとして扱ってよい。
【0020】
店舗運営者は、店舗関連コンテンツサーバ100により店舗関連コンテンツをユーザに提供してもらう対価としての料金(コンテンツ配信手数料)をコンテンツ提供業者に支払う。
以下に、本実施形態におけるコンテンツ配信手数料の料金体系について説明する。本実施形態では、本実施形態におけるコンテンツ配信手数料の設定にあたり、店舗運営者は、上限金額を設定するようにされる。本実施形態においては、月度単位で料金が決定され、決定された料金の請求と請求に応じた支払が行われる。
【0021】
上限金額は、当月度において店舗運営者がコンテンツ配信手数料を支払う場合における上限の金額である。
上限金額は、上限月間ユニークユーザ数(想定有効ユーザ数の一例)と商圏範囲の設定に応じて変化する。
想定有効ユニークユーザ数は、ユーザ端末装置200を利用して対応の対象店舗の店舗関連コンテンツを閲覧することが想定される月度単位のユニークユーザの数であって、(月間ユニークユーザ数)として、料金体系(料金プラン)のもとで定められる段階制の上限金額に対応付けられるものとなる。
【0022】
本実施形態における料金体系では、段階的に定められた料金の上限金額ごとに対応付けて上限月間ユニークユーザ数が定められる。上限金額が段階的に高くなっていくのに応じて、上限金額に対応付けられる上限月間ユニークユーザ数も段階的に高くなっていく。
【0023】
また、商圏範囲は、店舗に対応する商圏としての地域範囲である。具体的には、
図3に示すように、商圏範囲BDRは、地理上での店舗STの位置を基準とする半径の値として表されてよい。
【0024】
あるいは、商圏範囲BDRは、店舗の位置を基準とする郵便番号、市区町村等の区分による地域範囲とされてもよい。以下の説明では、商圏範囲は、店舗の位置を基準とする半径の値として表される場合を例に挙げる。
【0025】
このような商圏範囲の値は、上限月間ユニークユーザ数に対応して定まる。本実施形態においては、店舗関連コンテンツサーバ100が記憶するユーザ情報において、登録されたユーザ(登録ユーザ)ごとに店舗関連コンテンツの閲覧に応じた位置(ユーザ位置)を示す情報(ユーザ位置情報)が対応付けられている。本実施形態におけるユーザ位置としては、ユーザが店舗関連コンテンツの提供を受けたい店舗を含む地域範囲を指定した「配信地域」と、ユーザの閲覧履歴に基づいて導出されたユーザの「消費行動圏」である。
【0026】
店舗に対応して設定される商圏範囲は、店舗の位置を基準として、指定された上限月間ユニークユーザ数に応じた数の登録ユーザのユーザ位置が含まれる円形の範囲となる。
【0027】
図2は、商圏範囲と上限月間ユニークユーザ数と上限金額との関係を示している。同図に示されるように、上限金額は段階的に定められており、上限金額の段階ごとに所定の上限月間ユニークユーザ数が対応付けられている。
なお、このような商圏範囲と上限金額と上限月間ユニークユーザ数との関係において、商圏範囲と上限月間ユニークユーザ数との関係は店舗に応じて異なる。また、上限月間ユニークユーザ数に応じた上限金額の設定については、店舗の業態、地域や年間における季節等の条件に応じて適宜変更されてよい。
【0028】
店舗関連コンテンツサーバ100は、店舗運営者がコンテンツ提供者と契約した料金(上限金額)に応じて設定される商圏範囲を配信対象の地域範囲として定めたうえで、店舗関連コンテンツの配信を行うようにされる。
また、ユーザは、店舗関連コンテンツの提供を受けたい店舗を含む地域範囲を指定した「配信地域」をユーザ情報として登録することができる。これにより、例えば店舗関連コンテンツサーバ100は、店舗運営者が投稿した店舗関連コンテンツを、契約された料金に応じて定まる商圏範囲に「配信地域」が含まれるユーザのユーザ端末装置200に配信することができる。
なお、配信地域は、例えばユーザが指定した地図上の地点(緯度及び経度)を中心とする所定の半径による地域範囲とされてもよい。この際、ユーザは、例えば郵便番号、市区町村(住所)等を指定すればよく、店舗関連コンテンツサーバ100により指定された郵便番号、市区町村(住所)に対応する1の中心となる地点を算出してもよい。
また、配信地域は、例えばユーザが指定した郵便番号に対応する郵便番号区域を含む1以上の郵便番号区域による地域範囲として定められてよい。また、配信地域は、ユーザが指定した市区町村等の区域を含む1以上の市区町村等の区域による地域範囲とされてよい。
【0029】
一方、店舗運営者が商圏範囲の値を変更した場合、指定された商圏範囲の値に応じて上限月間ユニークユーザ数が変更される。上限月間ユニークユーザ数は、指定された商圏範囲に含まれるユーザ位置情報の数(即ち、登録ユーザ数)を利用して所定の演算を行って求められたユーザ数である。
【0030】
登録ユーザによって注目する店舗は異なる。このため、商圏範囲にユーザ位置情報が含まれる全ての登録ユーザの数に対して、或る1の店舗の店舗関連コンテンツを閲覧する可能性のある登録ユーザの数(即ち、上限月間ユニークユーザ数)は或る水準にまで少なくなると考えてよい。
【0031】
そこで、本実施形態においては、上記のことを考慮して、上限月間ユニークユーザ数と商圏範囲との関係については、例えば商圏範囲にユーザ位置情報が含まれる登録ユーザ数に1未満の所定の係数を乗算して求められる数を、同じ商圏範囲に対応する上限月間ユニークユーザ数として扱うようにされる。
【0032】
上記の係数は、例えばこれまでの月度ごとに店舗関連コンテンツの閲覧履歴に基づいて計上されたユニークユーザ数(計上ユニークユーザ数:実利用ユーザ数の一例)の実績に基づいて料金設定サーバ300が求めるようにされてもよい。この場合において、料金設定サーバ300は、設定された商圏範囲に対応する計上ユニークユーザ数の実績等を学習データとして構築された学習モデルを用いた機械学習、あるいはディープラーニング等によって係数を求めるようにされてもよい。
【0033】
また、店舗の業態、店舗の存在する位置(場所)の地域特性、季節等の条件等によっても、同じ登録ユーザ数に対して対象店舗の店舗関連コンテンツを閲覧する可能性のある登録ユーザ数は異なってくる。そこで、上記の係数については、対象店舗の業態、地域特性、季節等の所定の条件が加味されてもよい。
【0034】
なお、商圏範囲にユーザ位置情報が含まれる登録ユーザ数から一定数を減算して求められる数を、同じ商圏範囲に対応する上限月間ユニークユーザ数として扱ってもよい。
【0035】
上記の説明から理解されるように、商圏範囲と上限月間ユニークユーザ数とは相関関係を有する。また、上限月間ユニークユーザ数と上限金額とは対応する関係にある。従って、上限金額、商圏範囲、上限月間ユニークユーザ数の3つの項目の間には相関関係がある。上限金額、商圏範囲、上限月間ユニークユーザ数の3つの項目のうち1つの項目の値を変更することに伴って、残る2つの項目の値が変化する。
また、これらの3つの項目は、それぞれが上限金額の設定要因となる。つまり、上限金額自体の項目を設定することで上限金額が定まり、商圏範囲と上限月間ユニークユーザ数とのいずれか1つを定めることによっても上限金額が定まる。このように、上限金額、商圏範囲、上限月間ユニークユーザ数の3つの項目については、上限金額の設定要因となることから、以降の説明において、料金設定パラメータともいう。
【0036】
本実施形態において、月度ごとに決定される料金は、設定された上限金額を上限として、計上ユニークユーザ数に応じた従量制となる。
具体的に、例えば、5000円の上限金額に対して5000の上限月間ユニークユーザ数が対応付けられているとした場合、月度内における店舗関連コンテンツの閲覧履歴に基づいて計上されたユニークユーザ数(計上ユニークユーザ数)が、5000未満である場合には、上限金額である5000円未満の範囲で計上ユニークユーザ数に応じた従量制で料金が算出される。一方、計上ユニークユーザ数が5000以上となった場合には、計上ユニークユーザ数に関わらず、料金は上限金額である5000円で一律となる。
なお、ここではユニークユーザ数の計上期間を月単位としているが、これは一例であり、例えば週単位、所定の数ヶ月単位など、適宜変更されてよい。
【0037】
また、店舗運営者は、例えば計上ユニークユーザ数の変化の状況に応じて、月度の途中で上限金額を変更することができる。
図4においては、第1月及び第2月の2ヶ月における上限金額についての具体的な設定例が計上ユニークユーザ(UU)数の関係とともに示されている。同図において線L1は上限金額を示し、線L2は計上ユニークユーザ数を示す。
【0038】
例えば第1月において、月初は、低めの上限金額を設定していたのであるが、計上ユニークユーザ数が想定ほど増加しなかった。そこで、店舗運営者は、第1月のA日において、上限金額を上げるよう設定し、コンテンツを配信する商圏範囲を広げることとした。
【0039】
このように上限金額を変更するにあたり、店舗運営者が目標値を設定して数値を変更する料金設定パラメータはいずれであってもよい。例えば、店舗運営者は、上限金額自体を所望の値に変更してもよいし、コンテンツが配信される商圏範囲を所望の値に増加させるように変更することで上限金額を高くしてもよいし、上限月間ユニークユーザ数を目標値とするように変更することで上限金額を高くしてもよい。
【0040】
店舗運営者は、上限金額の変更が料金設定サーバ300にて反映されるようにするにあたり、コンテンツ提供業者に連絡をとるようにされてよい。連絡を受けたコンテンツ提供業者は、料金設定端末400を操作して、店舗運営者から連絡された上限金額を指定する操作を行う。なお、この際には、コンテンツ提供業者は、上限金額の変更にあたり、商圏範囲の値、もしくは上限月間ユニークユーザ数を店舗運営者から伝えられている場合には、商圏範囲の値、もしくは上限月間ユニークユーザ数を指定する操作を行うようにされてよい。つまり、コンテンツ提供業者は、料金設定端末400に対する操作として、料金設定パラメータのうちのいずれを指定することによっても、上限金額を変更することができる。
料金設定サーバ300は、料金設定端末400により指定された料金設定パラメータの値に応じて、他の料金設定パラメータを再計算し、再計算された料金設定パラメータを、現在の料金設定内容を示す料金設定情報として記憶する。
【0041】
なお、店舗運営者も料金設定端末を有し、店舗運営者が店舗運営者を介することなく料金設定端末により料金設定パラメータを指定するようにされてもよい。
【0042】
上記のようにして上限金額の増加とともに商圏範囲が広げられた結果、計上ユニークユーザ数が増加した。そこで、店舗運営者は、さらに計上ユニークユーザ数を増加させる目的で、第1月のB日においてさらに上限金額を上げてコンテンツを配信する商圏範囲を広げた。この結果、さらに計上ユニークユーザ数が増加した。
【0043】
料金設定サーバ300は、月度が満了したときの上限金額と計上ユニークユーザ数に対応する従量金額とを比較して、低い方の金額を、当月度の料金(請求金額)として設定する。具体的に、同図の第1月が満了した時点での上限金額と、計上ユニークユーザ数に対応する従量金額とでは、上限金額のほうが低かった。そこで、料金設定サーバ300は、第1月については、設定されていた上限金額を、当月度の料金として決定する。
【0044】
また、料金設定サーバ300は、月度のはじめにおいては、前の月度の満了時における上限金額(及び商圏範囲、上限月間ユニークユーザ数)の設定を引き継ぐようにされる。このため、同図の第2月のはじめにおいては、第1月の満了時において競ってされていたのと同じ上限金額が設定されている。
しかしながら、店舗運営者は、第2月においては広告の費用を抑えたいと考えていたため、第2月のC日において上限金額を低くするように設定した。
そして、第2月が満了した時点では、上限金額と、計上ユニークユーザ数に対応する従量金額とでは、従量金額のほうが低かった。そこで、この場合の料金設定サーバ300は、第1月については、設定されていた上限金額を、当月度の料金として決定する。
【0045】
このような料金設定であれば、店舗運営者は、自分で定めた上限金額以上の料金を支払う必要の無いことが保証されることから、店舗運営者にとっては合理的な料金設定となる。そのうえで、店舗運営者は、月度の途中において自分の都合で上限金額を変更することもできる。なお、1の月度において上限金額を変更可能な回数や時期、金額の変更幅等の制限などが定められてもよい。
【0046】
上記のような料金体系が定められたコンテンツ配信システムの構成例について説明する。
店舗関連コンテンツサーバ100は、配信対象のコンテンツに関連する店舗関連コンテンツ情報を記憶する。
図5は、店舗関連コンテンツ情報の一例を示している。1レコード(1行)が1つの店舗関連コンテンツに対応する店舗関連コンテンツ情報である。1つの店舗関連コンテンツ情報は、コンテンツID、メタデータ、店舗ID、コンテンツデータの領域を含む。
コンテンツIDの領域は、対応の店舗関連コンテンツ(ここでは、電子チラシ)を示す識別子であるコンテンツIDを格納する。
メタデータの領域は、対応の店舗関連コンテンツのメタデータを格納する。メタデータには、例えば対応の店舗関連コンテンツの有効期間が含まれる。また、店舗関連コンテンツ情報記憶部131において、電子チラシ以外の店舗関連コンテンツの種別の店舗関連コンテンツ情報も記憶される場合には、対応の店舗関連コンテンツの種別を示す情報等が含まれてよい。
店舗IDの領域は、対応の店舗関連コンテンツを投稿した店舗を示す識別子である店舗ID(店舗番号)を格納する。
コンテンツデータの領域は、対応の店舗関連コンテンツとしてのデータ(コンテンツデータ)を格納する。店舗関連コンテンツが電子チラシである場合のコンテンツデータは、電子チラシとしての画像データを含む。
【0047】
また、店舗関連コンテンツサーバ100は、店舗情報を記憶する。
図6は、店舗情報の一例を示している。同図における1レコード(1行)が1つの店舗に対応する店舗情報である。1つの店舗に対応する店舗情報には店舗ID(店舗番号)が対応付けられている。
1つの店舗情報は、例えば店舗名、住所、店舗位置等の領域を含む。店舗名の領域は、対応の店舗の名称(店舗名)を格納する。住所の領域は、対応の店舗の住所を格納する。店舗位置の領域は、対応の店舗位置を格納する。本実施形態において、店舗位置は、緯度及び経度によって表される。
【0048】
また、店舗関連コンテンツサーバ100は、ユーザ情報を記憶する。ユーザ情報は、閲覧アプリケーションのユーザ(コンテンツ提供サービスの利用者の一例)として登録を行ったユーザ(登録ユーザ)に関する情報である。
図7は、ユーザ情報の一例を示している。同図における1レコード(1行)が1のユーザに対応するユーザ情報である。1のユーザに対応するユーザ情報は、ユーザID、配信地域、消費行動圏、閲覧履歴情報、ユーザ属性情報の領域を含む。
ユーザIDの領域は、対応のユーザを示すユーザIDを格納する。
配信地域は、ユーザにより指定された地域範囲であり、ユーザが店舗関連コンテンツの提供を受けたい店舗を含む地域範囲である。店舗関連コンテンツサーバ100は、配信地域に住所が含まれる店舗の店舗関連コンテンツをユーザに配信する。
消費行動圏の領域は、対応のユーザについて導出された消費行動圏を示す情報が格納される。同図の例では、消費行動圏は、基準位置と圏半径との組み合わせによって表される。つまり、同図の例における消費行動圏は、基準位置を中心として圏半径を有する円の地域範囲として表される。また、同図では、基準位置は、緯度及び経度によって示される例を挙げている。配信地域と消費行動圏の情報は、それぞれユーザ位置情報の一例である。
【0049】
また、同図では、ユーザID「U000001」に対応して複数(この場合は2つ)の消費行動圏の情報が格納されている。即ち、本実施形態においては、後述するように、ユーザの現実の消費行動圏が複数の異なる地域範囲に分散している場合、複数の消費行動圏が導出されてよい。
【0050】
閲覧履歴情報の領域は、対応のユーザの閲覧履歴情報を格納する。閲覧履歴情報の領域に格納される閲覧履歴情報は、店舗関連コンテンツサーバ100の閲覧履歴情報記憶部132に記憶される閲覧履歴情報から取得される。
ユーザ属性情報の領域は、対応のユーザについての属性を示すユーザ属性情報を格納する。ユーザ属性情報の領域に格納されるユーザ属性情報は、店舗関連コンテンツサーバ100のユーザ情報に記憶されるユーザ属性情報から取得される。
【0051】
図8を参照して、本実施形態の店舗関連コンテンツサーバ100による、1ユーザに対応する消費行動圏の導出手法例について説明する。なお、消費行動圏の導出は、店舗関連コンテンツサーバ100以外で消費行動圏の導出機能を有する所定の装置、サーバ等が行ってもよいが、ここでは、店舗関連コンテンツサーバ100が消費行動圏を導出するようにされた場合を例に挙げる。
【0052】
図8(A)には、1のユーザの閲覧履歴に対応する店舗が地
図MP上に反映されている。つまり、同図においては、地
図MP上にて、ユーザが過去の一定期間において閲覧した電子チラシが対応する店舗の位置(店舗位置)が展開されている。同図には、地
図MP上において12個の店舗位置PS-1~PS-12が配置された例が示されている。以下の説明において店舗位置PS-1~PS-12について特に区別しない場合には、店舗位置PSと記載する。
【0053】
店舗関連コンテンツサーバ100は、1ユーザの消費行動圏の導出にあたり、同図に示されるように、ユーザが過去の或る一定期間において閲覧した店舗関連コンテンツが対応する店舗ごとの店舗位置を取得する。このため、店舗関連コンテンツサーバ100は、対応のユーザについての過去の一定期間の閲覧履歴情報を、自己が記憶するユーザ情報から取得する。店舗関連コンテンツサーバ100は、取得された閲覧履歴情報を利用して、ユーザが閲覧した店舗関連コンテンツに対応する店舗の店舗IDを抽出する。そのうえで、店舗関連コンテンツサーバ100は、抽出した店舗IDごとの店舗位置を、自己が記憶する店舗情報から取得する。このような処理の結果、同図に示されるように、店舗関連コンテンツサーバ100は、ユーザが過去の一定期間において閲覧した店舗関連コンテンツが対応する店舗の位置(店舗位置)を取得することができる。
【0054】
ここで、上記のように取得された店舗位置のうちには、例えばユーザが、たまたま何らかの事情で閲覧してしまった、ユーザの日常生活の行動範囲から大きく離れている店舗の店舗関連コンテンツを閲覧したことにより得られたノイズ的なものも含まれている可能性がある。このようなノイズ的な店舗位置が得られる状況としては、例えば、ユーザが旅行などで滞在している場所に対応する店舗関連コンテンツを適当に閲覧したような場合を挙げることができる。このようなノイズ的な店舗位置が消費行動圏の導出に用いられると、導出される消費行動圏の精度が低くなる。
【0055】
そこで、店舗関連コンテンツサーバ100は、取得された店舗位置PS-1~PS-12のうちでノイズとして除外すべき店舗位置PSとしての条件(除外条件)を満たす店舗位置PSを、消費行動圏の導出に用いる店舗位置PSから除外する処理(除外処理)を実行する。同図においては、除外処理の結果、2つの店舗位置PS-11、PS-12が除外された例が示される。
除外条件としては特に限定されない。一例として、除外条件は、最も距離が近い他の店舗位置PSとの距離が一定以上であり、かつ対応の店舗関連コンテンツの閲覧頻度が一定以下である、としてよい。
【0056】
この場合、消費行動圏の導出に利用する店舗位置PSは、店舗位置PS-1~PS-10となる。同図では、利用店舗位置PS-1~PS-10を全て含む最小の円を消費行動圏RGとして導出した例が示されている。
しかしながら、ユーザとしては、日常生活において、利用店舗位置PS-1~PS-10のそれぞれに対応する店舗を均等に利用しているとは限らず、特定の店舗のロイヤルティ(例えば、利用頻度、依存度、愛着度、信頼度等)が高い場合も多い。このような観点からすると、同図のように設定される消費行動圏RGでは、単にユーザが日常生活において利用する可能性のある店舗を含む地域を示すに留まり、ユーザの店舗に対するロイヤルティは反映されない。消費行動圏RGについてユーザの店舗へのロイヤルティが反映されるものとなれば、消費行動圏RGを用いたユーザの消費活動に対する施策を図るにあたり、消費行動圏RGがより有用なものとなって好ましい。
【0057】
そこで、本実施形態の店舗関連コンテンツサーバ100は、以下に説明するように消費行動圏RGを導出する。
図8(B)には、
図8(A)と同様の店舗位置PS-1~PS-12が地
図MP上に展開されている。本実施形態においても、店舗関連コンテンツサーバ100は、
図7(A)にて説明したのと同様の除外処理によって、店舗位置PS-1~PS-12のうち、2つの店舗位置PS-11、PS-12を利用店舗位置PSから除外し、利用店舗位置PS-1~PS-10を得る。
【0058】
そのうえで、本実施形態の店舗関連コンテンツサーバ100は、利用店舗位置PS-1~PS-10に対応する店舗ごとの店舗関連コンテンツの閲覧回数を取得する。店舗関連コンテンツサーバ100は、店舗ごとの店舗関連コンテンツの閲覧回数について、対応のユーザの閲覧履歴情報を参照することで取得できる。
【0059】
店舗関連コンテンツサーバ100は、取得した店舗ごとの店舗関連コンテンツの閲覧回数を利用して、利用店舗位置PS-1~PS-10のそれぞれに重み付け値を付与する。店舗関連コンテンツサーバ100は、付与された重み付け値に基づいて基準位置PRを算出する。このために、店舗関連コンテンツサーバ100は、例えば、店舗位置PS-1~PS-10の重心を算出してよい。重心の算出にあたり、店舗関連コンテンツサーバ100は、利用店舗位置PS-1~PS-10ごとの重み付け値を利用する。店舗関連コンテンツサーバ100は、このように算出された重心を基準位置PRとしてよい。本実施形態において、基準位置PRは、緯度及び経度によって表される。
上記のように算出される基準位置PRは、店舗位置PS-1~PS-10ごとに対応する店舗のうちで、ユーザのロイヤルティの高い店舗に近い位置に存在している可能性が高い。
【0060】
店舗関連コンテンツサーバ100は、上記のように算出した基準位置PRを中心として、利用店舗位置PS-1~PS-10を含む最小の円(基準位置PRから最も遠い利用店舗位置PS-3までの距離を半径とする円)を導出する。このように導出される円が本実施形態の消費行動圏RGである。消費行動圏RGは、基準位置PRを中心とし、基準位置PRから最も遠い距離の店舗位置PSまでの半径として表すことができる。
このように導出された消費行動圏RGは、中心である基準位置PRに近いほど、消費行動においてユーザにとっての価値が高くなることを表すものとして捉えることができる。
【0061】
また、ユーザによっては、例えば自宅周辺及び勤務地周辺とのそれぞれで日常の消費活動を行うような場合もある。つまり、1のユーザが複数の消費行動圏を持つような場合がある。本実施形態においては、このような場合に対応して、1のユーザについて複数の消費行動圏を導出するようにされてよい。
この場合、店舗関連コンテンツサーバ100は、利用店舗位置の地
図MP上での利用店舗位置PSの分布に基づいて、利用店舗位置PSの集合を、複数の利用店舗位置の集合に分割するようにグループ化を行う。利用店舗位置のグループ化にあたっては、例えば相互の距離が一定以下の利用店舗位置PSを1つの集合に属させていくように処理を行うようにされればよい。この場合、相互の距離が一定以上となる利用店舗位置PSについてはそれぞれが異なる集合に属するようにされ、結果的に、同図のように複数の利用店舗位置PSの集合が得られる。そのうえで、店舗関連コンテンツサーバ100は、
図8と同様にして、複数の集合ごとに対応する消費行動圏RGを導出すればよい。
【0062】
なお、ユーザごとの消費行動圏については、例えば店舗関連コンテンツサーバ100以外のサーバが導出し、当該サーバが導出された消費行動圏を記憶するようにされてもよい。
【0063】
図9は、料金設定サーバ300の構成例を示している。同図の料金設定サーバ300は、通信部301、制御部302、及び記憶部303を備える。
通信部301は、ネットワーク経由で店舗関連コンテンツサーバ100、料金設定端末400と通信を行う。
【0064】
制御部302は、料金設定サーバ300における各種制御を実行する。制御部302としての機能は、料金設定サーバ300が備えるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
制御部302は、パラメータ設定部321と、ユーザ数取得部322と、料金設定部323とを備える。
【0065】
パラメータ設定部321は、料金設定パラメータ(商圏範囲、想定有効ユーザ数、及び上限金額)のうちの1つが指定されることに応じて、他の2つの料金設定パラメータの値を計算する。パラメータ設定部321は、指定された1の料金設定パラメータの値と計算された他の2つの料金設定パラメータの値を、料金算定期間における料金設定パラメータごとの値として設定する。
【0066】
ユーザ数取得部322は、当月度(料金算定期間)において、パラメータ設定部321により設定された商圏範囲においてコンテンツ提供サービスを利用した計上ユニークユーザ数を取得する。
【0067】
料金設定部323は、当月度が満了したタイミングにおける計上ユニークユーザ数に対応して求められる従量金額(実利用ユーザ数対応金額)と、上限金額とを比較した結果に基づいて、当月度における料金を設定する。
【0068】
記憶部303は、料金設定サーバ300に対応する所定の情報を記憶する。同図の記憶部303は、料金設定履歴情報記憶部331を備える。
料金設定履歴情報記憶部331は、店舗ごとの料金設定履歴情報を記憶する。1の店舗に対応する料金設定履歴情報は、現在までにおける料金設定パラメータの変更履歴と、現在までにおける計上ユニークユーザ数の履歴と、前月度までにおいて決定された料金の履歴とを含む。
【0069】
図10は、料金設定履歴情報記憶部331が記憶する料金設定履歴情報の一例を示している。同図に示されるように、料金設定履歴情報記憶部331は、月度単位で店舗ごとの料金設定履歴情報を格納する。同図においては、前月度が1月度で今月度が2月度である場合の例を示している。
料金設定パラメータ変更履歴の領域は、対応の月度において店舗運営者からの指示に応じ変更された料金設定パラメータの履歴の情報を格納する。
計上ユニークユーザ数履歴の領域は、対応の月度における所定時間ごと(例えば日ごと)の計上ユニークユーザ数の履歴情報を格納する。
請求料金の領域は、対応の月度が満了したときの上限金額と計上ユニークユーザ数に対応する従量金額とを比較して設定された請求金額を格納する。
同図において、当月度である2月度の料金設定パラメータ変更履歴において示される最後の履歴は、現在における料金設定パラメータの値を示す。同様に、当月度である2月度の計上ユニークユーザ数変更履歴において示される最後の履歴は、現在における計上ユニークユーザ数を示す。当月度である2月度は未だ満了していないことから、2月度の請求料金は未確定の状態となっている。2月度が満了して請求料金が確定されると、2月度の請求金額の領域に確定された金額が格納される。
【0070】
図11のフローチャートを参照して、本実施形態の料金設定サーバ300が実行する処理手順例について説明する。同図の処理は、1の店舗に対応する月度の開始から満了までの期間において実行される。
【0071】
ステップS101:料金設定サーバ300において、パラメータ設定部321は、今月度が開始されるタイミングで、前月度が満了した時点において設定されていた料金設定パラメータの値を、例えば料金設定履歴情報記憶部331が記憶する前月度の料金設定パラメータ変更履歴から取得する。
【0072】
ステップS102:パラメータ設定部321は、ステップS102により前月度が満了した時点において設定されていた料金設定パラメータの値を取得すると、取得した料金設定パラメータの値を当月度の料金設定情報における料金設定パラメータとして、料金設定履歴情報記憶部331に記憶させる。
【0073】
ステップS103:料金設定サーバ300のユーザ数取得部322は、月度ごとにおける所定のタイミングで、対応の店舗の計上ユニークユーザ数を、店舗関連コンテンツサーバ100から取得するようにされている。計上ユニークユーザ数を取得するタイミングは、例えば所定時間ごと、日ごと、周ごとといったように定期的に設定されてよい。
ユーザ数取得部322は、対応の店舗の計上ユニークユーザ数を取得するタイミングに至ったか否かを判定する。
【0074】
ステップS104:対応の店舗の計上ユニークユーザ数を取得するタイミングに至ったと判定した場合、ユーザ数取得部322は、対応の店舗の計上ユニークユーザ数を店舗関連コンテンツサーバ100から取得する。この際、ユーザ数取得部322は、対応の店舗の計上ユニークユーザ数を店舗関連コンテンツサーバ100に要求し、要求に応じて店舗関連コンテンツサーバ100が送信した計上ユニークユーザ数の情報を取得するようにされてよい。
なお、店舗関連コンテンツサーバ100が所定タイミングで料金設定サーバ300に計上ユニークユーザ数の情報を送信するようにされたうえで、ユーザ数取得部322は、送信された計上ユニークユーザ数の情報を取得するようにされてもよい。
ユーザ数取得部322は、取得した計上ユニークユーザ数の情報を利用して、料金設定履歴情報記憶部331が記憶する対応の店舗の当月度における計上ユニークユーザ数履歴を更新する。
【0075】
ステップS105:ステップS103にて計上ユニークユーザ数の取得タイミングでないことが判定された場合、あるいはステップS104の処理の後、パラメータ設定部321は、料金設定端末400からの料金設定パラメータの変更指示が受信されたか否かを判定する。
【0076】
ステップS106:ステップS105にて料金設定パラメータの変更指示が受信されたと判定された場合、パラメータ設定部321は、受信された変更指示により値が変更された料金設定パラメータに対応させて、他の2つの料金設定パラメータの値を再計算する。
【0077】
ステップS107:パラメータ設定部321は、変更指示により値が変更された料金設定パラメータと、ステップS106により再計算した料金設定パラメータとにより、料金設定履歴情報記憶部331が記憶する対応の店舗の当月度における料金設定パラメータ変更履歴を更新する。
【0078】
ステップS108:ステップS105により料金設定パラメータの変更指示が受信されなかったと判定された場合、あるいはステップS107の処理の後、料金設定部323は、今月度が満了したか否かを判定する。
今月度が満了していない場合には、ステップS103に処理が戻される。
【0079】
ステップS109:ステップS108にて今月度が満了したことが判定された場合、料金設定部323は、現時点における計上ユニークユーザ数に基づく従量金額と、現時点において設定されている料金設定パラメータのうちの上限金額とを比較する。ここでは、料金設定部323は、従量金額と上限金額との比較として、従量金額が上限金額よりも大きいか否かを判定している。
【0080】
ステップS110:ステップS109にて従量金額が上限金額よりも大きいと判定された場合、料金設定部323は、上限金額を請求金額として設定する。
ステップS111:一方、ステップS109にて従量金額が上限金額以下であると判定された場合、料金設定部323は、従量金額を請求金額として設定する。
【0081】
<変形例>
これまでの説明から理解されるように、店舗運営者は、店舗関連コンテンツサーバ100により店舗関連コンテンツをユーザに提供してもらう対価としてコンテンツ配信手数料をコンテンツ提供業者に支払う。この際、店舗運営者は、予算の範囲や、店舗周辺の商圏等の規模も意識しながら、どの程度の数のユーザを対象にすればよいのかといったことを考慮しながら料金を検討することになる。
本変形例において、店舗運営者は、料金設定サーバ300に接続されたシミュレーション端末500を操作することによって、料金検討に関するシミュレーションを行うことができる。つまり、料金設定サーバ300は、シミュレーション端末500からの要求に応じて、料金検討に関するシミュレーションを実行し、シミュレーション結果をシミュレーション端末500に送信する。料金設定サーバ300は、例えばコンテンツ提供業者が運用する。
シミュレーション端末500は、シミュレーション結果を表示等により出力することができる。シミュレーション端末500は、例えばネットワークと接続が可能なパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどであってよい。
【0082】
図12~
図14を参照して、本実施形態のシミュレーション端末500を操作して店舗運営者が行うシミュレーションの一例について説明する。
図12は、シミュレーション端末500が料金設定サーバ300にアクセスしたことに応じてシミュレーション端末500にて表示されるメインシミュレーション画面の一例を示している。シミュレーション端末500は、ウェブブラウザのアプリケーションがインストールされている。シミュレーション端末500は、ウェブブラウザにより、料金設定サーバ300のシミュレーション画面を提供するウェブサイトにアクセスすることによって、ウェブブラウザ上でメインシミュレーション画面を表示させることができる。
【0083】
同図のメインシミュレーション画面においては、シミュレーション項目操作領域AR11、アップロードボタンBT11、ダウンロードボタンBT12、店舗追加領域AR12、商圏地図画面表示ボタンBT41、総合情報領域AR13、再計算ボタンBT51が配置されている。
【0084】
シミュレーション項目操作領域AR11は、シミュレーションの対象とした店舗(対象店舗)ごとに対応するシミュレーション項目の値を変更する操作が行われるエリアである。
シミュレーション項目操作領域AR11においては、対象店舗ごとに、対象店舗情報(店舗番号(「No」と表記)、店舗名、住所)と、シミュレーション項目(上限月間ユニークユーザ数(「UU数/月」と表記)、上限金額(「月額費用」と表記)、商圏範囲(「商圏」と表記))とが示される。
ここでのシミュレーション項目が上記実施形態における料金設定パラメータである。
【0085】
対象店舗情報は、対象店舗とされた店舗を示す情報である。対象店舗情報において、店舗番号は、対応の対象店舗に一意に付与された店舗識別子としての番号である。店舗名は、対応の対象店舗の名称を示す。住所は、対応の対象店舗の住所を示す。
【0086】
一方、シミュレーション項目としての上限月間ユニークユーザ数、上限金額、商圏範囲は、それぞれ、シミュレーションにあたって値の変更が可能とされる。
【0087】
前述のように、上限金額、商圏範囲、上限月間ユニークユーザ数の3つのシミュレーション項目の間には相関関係がある。上限金額、商圏範囲、上限月間ユニークユーザ数の3つのシミュレーション項目のうち1つのシミュレーション項目の値を変更することに伴って、残る2つのシミュレーション項目の値が変化する。
【0088】
また、シミュレーション項目操作領域AR11においては、対象店舗ごとに対応して、チェックボックスCBと削除ボタンBT21が配置されている。チェックボックスCBは、商圏地図画面にて商圏の画像を表示させる対象店舗を選択する際に使用される。削除ボタンBT21は、対応の対象店舗を削除するために操作されるボタンである。
【0089】
店舗追加領域AR12は、シミュレーション項目操作領域AR11にて対象店舗を追加する操作が行われる領域である。
商圏地図画面表示ボタンBT41は、商圏地図画面を表示させる操作が行われるボタンである。
総合情報領域AR13は、シミュレーション項目操作領域AR11にて示される対象店舗についての総合的な情報を示す領域である。具体的に、同図の総合情報領域AR13においては、シミュレーション項目操作領域AR11にて示される対象店舗の総数、対象店舗の上限月間ユニークユーザ数の合計値、対象店舗の料金(月額費用)の合計値等が示されている。
再計算ボタンBT51は、シミュレーション項目操作領域AR11におけるシミュレーション項目の値を変更する操作が行われた対象店舗についての、変更された値に応じたシミュレーション(再計算)の実行を指示する操作が行われるボタンである。
【0090】
同図のメインシミュレーション画面が最初に表示された段階では、シミュレーション項目操作領域AR11においては、対象店舗ごとの対象店舗情報及びシミュレーション項目の値は示されていない。これに伴い、総合情報領域AR13においても、具体的な値が示されていない状態である。
この状態のもとで、例えばシミュレーション端末500に記憶させておいたシミュレーションファイルを料金設定サーバ300にアップロードさせる操作を行う。
シミュレーションファイルは、シミュレーション項目操作領域にて表示される対象店舗ごとの対象店舗情報及びシミュレーション項目ごとの値が記述された内容を有する。このようなシミュレーションファイルは、店舗運営者が予め作成してローカルに保存していたものであってもよいし、店舗運営者が前回のシミュレーションで用いたシミュレーションファイルをローカルに保存していたものであってもよい。
シミュレーションファイルのアップロードに際して、店舗運営者は、例えばアップロードボタンBT11を操作し、ファイル選択ウィンドウを表示させる。店舗運営者は、表示されたファイル選択ウィンドウに対する操作により、アップロード対象のシミュレーションファイルを指定してアップロードの実行を指示する。
【0091】
料金設定サーバ300は、アップロードされたシミュレーションファイルに含まれる対象店舗ごとのシミュレーションファイルの内容が反映されたシミュレーション項目操作領域AR11と、総合情報領域AR13とを含むメインシミュレーション画面を、シミュレーション端末500に送信する。
シミュレーション端末500は、メインシミュレーション画面の表示を、送信されたメインシミュレーション画面により更新する。これにより、メインシミュレーション画面は、同図に示されるように、シミュレーション項目操作領域AR11において対象店舗ごとの対象店舗情報及びシミュレーション項目(上限月間ユニークユーザ数、上限金額、商圏範囲)ごとの値が表示され、総合情報領域AR13において総合情報の具体的な値が表示された状態となる。
【0092】
なお、シミュレーション項目操作領域AR11における対象店舗ごとの対象店舗情報は、店舗運営者が、店舗追加領域AR12に対して店舗情報の入力と、入力した店舗情報のアップロードの操作を行うことによっても表示させることができる。
【0093】
そして、店舗運営者は、シミュレーション項目操作領域AR11において表示された対象店舗ごとのシミュレーション項目のうち、任意のシミュレーション項目の値を変更する操作を行うことができる。
一例として、店舗運営者は、A店における料金の検討にあたって、上限月間ユニークユーザ数を変更すると、上限金額と商圏範囲とがどのように変化するのか試してみることとした。この場合、店舗運営者は、シミュレーション項目操作領域AR11におけるA店の上限月間ユニークユーザ数を現在の値から他の所望の値に変更する操作を行う。
再計算ボタンBT51は、シミュレーション項目操作領域AR11におけるシミュレーション項目の値に変更が生じていない状態では、操作が不可の非アクティブの状態である。非アクティブの状態では、再計算ボタンBT51は、例えばグレーアウトの状態により操作が不可であることを示す。そして、上記のように操作に応じてシミュレーション項目の値に変更が生じると、再計算ボタンBT51は操作が可能なアクティブの状態となる。店舗運営者は、再計算ボタンBT51に対する操作を行う。
再計算ボタンBT51に対する操作が行われたことに応じて、シミュレーション端末500は、A店についての変更後の上限月間ユニークユーザ数の値に応じた上限金額と商圏範囲との再計算を料金設定サーバ300に要求する。
再計算の要求に応じて、料金設定サーバ300は、A店についての変更後の上限月間ユニークユーザ数の値に応じた上限金額と商圏範囲とを導出する。料金設定サーバ300は、A店についての変更後の上限月間ユニークユーザ数と、導出された上限金額と商圏範囲とが反映されたシミュレーション項目操作領域AR11と総合情報領域AR13とを含むメインシミュレーション画面をシミュレーション端末500に送信する。シミュレーション端末500は、送信されたメインシミュレーション画面により表示を更新する。
【0094】
同様にして、店舗運営者が、或る対象店舗についての商圏範囲の値を変更して再計算ボタンBT51を操作することによっては、変更後の商圏範囲の値に応じて再計算された上限月間ユニークユーザ数と上限金額との各値が反映されたメインシミュレーション画面の表示に更新される。
また、店舗運営者が、或る対象店舗についての上限金額の値を変更して再計算ボタンBT51を操作することによっては、変更後の上限金額の値に応じて再計算された上限月間ユニークユーザ数と商圏範囲との各値が反映されたメインシミュレーション画面の表示に更新される。
【0095】
このようにして、メインシミュレーション画面に対する操作が可能とされることで、店舗運営者は、店舗ごとのシミュレーション項目における上限月間ユニークユーザ数、上限金額、商圏範囲のうちのいずれかの値を変更すると、他のシミュレーション項目の値がどのような値となるのかを容易に確認できる。
これにより、店舗運営者は、対象店舗の上限月間ユニークユーザ数と商圏範囲とのそれぞれを考慮して上限料金の金額についてどうするのかを適切に判断することができる。
【0096】
また、本実施形態では、シミュレーション画面として、商圏範囲を地図上にて反映させるようにした画面(商圏地図画面)を表示させることができる。商圏地図画面においては、1以上の対象店舗の商圏範囲画像を同一の地図上にて同時に表示させることができる。
【0097】
商圏範囲画像を地図上で表示させるにあたり、店舗運営者は、メインシミュレーション画面のシミュレーション項目操作領域AR11において示される対象店舗のうち、商圏範囲画像を地図上で表示させる対象とする対象店舗に対応して配置されたチェックボックスCBにチェックを付す操作を行う。
メインシミュレーション画面において配置される商圏地図画面表示ボタンBT41は、いずれのチェックボックスCBにもチェックが付されていない状態では、操作が不可の非アクティブの状態である。そして、チェックボックスCBのうちの少なくともいずれか1つにチェックが付されると、商圏地図画面表示ボタンBT41は、操作が可能なアクティブの状態となる。
店舗運営者は、アクティブとなった状態の商圏地図画面表示ボタンBT41を操作する。商圏地図画面表示ボタンBT41が表示されたことに応じて、シミュレーション画面の表示として、メインシミュレーション画面から商圏地図画面に切り替わる。
【0098】
図13は、商圏地図画面の一例を示している。同図の商圏地図画面は、
図12のメインシミュレーション画面において示されていた対象店舗のうち、A店、B店、C店の3店舗を、商圏範囲画像の表示対象として指定した場合に対応する。
同図の商圏地図画面においては、商圏地図領域AR20と、シミュレーション項目操作領域AR30とが配置されている。
【0099】
商圏地図領域AR20においては、指定された対象店舗ごとの商圏範囲画像が地図上にて配置される。具体的に、同図においては、同一の地図上にて、A店、B店、C店のそれぞれに対応する商圏範囲画像BD-A、BD-B、BD-Cが配置されている。商圏範囲画像BD-A、BD-B、BD-Cは、それぞれ、対応の対象店舗であるA店、B店、C店の所在地を示すマークMK-A、MK-B、MK-Cを基準(中心)として、シミュレーション項目としての商圏範囲の値に応じた半径による円として地図上に配置される。
【0100】
このように商圏範囲画像BD(BD-A、BD-B、BD-C)が表示される商圏地図領域AR20を見ることで、店舗運営者は、指定された対象店舗ごとの現在の商圏範囲が具体的にどのような地域範囲に対応するものであるのかを的確に把握できる。
また、同図の例のように複数の対象店舗の商圏範囲画像BDが配置されている場合には、対象店舗ごとの商圏範囲画像BDの位置関係についても的確に把握できる。例えば、隣り合う対象店舗の商圏範囲画像BDが重複する面積が比較的広いような場合には、商圏範囲画像BDの重複する面積が小さくなるように商圏範囲を縮小したほうがよいと判断することができる。逆に、隣り合う対象店舗の商圏範囲画像BD間において商圏範囲に含まれない地域が広いような場合には、商圏範囲に含まれない地域が少なくなるように商圏範囲画像BDを拡大したほうがよいと判断することもできる。
【0101】
商圏地図画面のシミュレーション項目操作領域AR30においては、指定された対象店舗ごとの対象店舗情報とシミュレーション項目(上限月間ユニークユーザ数、上限金額、商圏範囲)ごとの値が表示されている。
シミュレーション項目操作領域AR30においては対象店舗ごとに対応してそれぞれ異なる色のマークが見出しとして配置されている。対象店舗ごとのマークの色は、商圏地図領域AR20において配置される対象店舗ごとのマークMK(MK-A、MK-B、MK-C)及び商圏範囲画像BDの色と対応している。
【0102】
シミュレーション項目操作領域AR30においては、シミュレーション項目操作領域AR11と同様に、対象店舗ごとのシミュレーション項目の値を変更する操作が可能である。
一具体例として、店舗運営者は、店舗Bのシミュレーション項目(上限月間ユニークユーザ数、上限金額、商圏範囲)のいずれか1つの値を変更する操作を行った。ここでは、上限月間ユニークユーザ数について「5000」から「13000」を変更する操作を行った場合を例に挙げる。そのうえで、店舗運営者は、商圏地図画面において配置された再計算ボタンBT51に対する操作を行う。
このように操作が行われたことに応じて、シミュレーション端末500は、変更された上限月間ユニークユーザ数の値に応じた他のシミュレーション項目の再計算を料金設定サーバ300に要求する。要求に応じて、シミュレーション端末500は、再計算を実行し、再計算の結果が反映された商圏地図画面を生成する。シミュレーション端末500は、生成された商圏地図画面を送信する。シミュレーション端末500は、送信された商圏地図画面により、商圏地図画面の表示を更新する。
【0103】
図14は、更新後の商圏地図画面の一例を示している。更新後の商圏地図画面のシミュレーション項目操作領域AR30における店舗Bのシミュレーション項目については、上限月間ユニークユーザ数が「13000」に変更されたことに応じて、上限金額については「5000(円)」から「13000(円)」に変更され、商圏範囲については、「5(km)」から「15(km)」に変更されている。
これに伴い、商圏地図領域AR20においては、店舗Bの商圏範囲画像BD-Bについて、マークMN-Bを基準とする15kmの半径を有する円に拡大して表示された状態となっている。
【0104】
このようにして、商圏地図画面においては、商圏範囲画像BDの表示対象とされた対象店舗のシミュレーション項目の値を変更して再計算を指示する操作が可能とされている。そして、再計算の結果が反映された商圏地図画面の商圏地図領域AR20においては、再計算の対象とされた対象店舗の商圏範囲画像BDの大きさが変更されるようにして表示される。
【0105】
商圏地図画面が表示された状態のもとで、メインシミュレーション画面の表示に戻したい場合、店舗運営者は、商圏地図画面における閉ボタンBT61を操作する。閉ボタンBT61が操作されたことに応じて、商圏地図画面が消去され、メインシミュレーション画面が表示される。このように表示されたメインシミュレーション画面のシミュレーション項目操作領域AR11と総合情報領域AR13とにおいては、商圏地図画面に対する操作に応じて再計算された後のシミュレーション項目の値が反映されている。
【0106】
また、シミュレーションを終了させるにあたり、今回のシミュレーション結果を保存しておきたい場合には、店舗運営者は、メインシミュレーション画面におけるダウンロードボタンBT12を操作する。
ダウンロードボタンBT12が操作されたことに応じて、シミュレーション端末500は、料金設定サーバ300に、シミュレーションファイルのダウンロード要求を送信する。料金設定サーバ300は、ダウンロード要求に応じて、最後に更新したシミュレーションファイルをシミュレーション端末500に送信する。シミュレーション端末500は、受信されたシミュレーションファイルをローカルに記憶(保存)する。なお、店舗運営者は、メインシミュレーション画面が表示されている状態であれば、ダウンロードボタンBT12に対する操作を任意のタイミングで行うことができる。
シミュレーションを終了させる際には、店舗運営者は、メインシミュレーション画面を閉じる操作を行う。
【0107】
このようなシミュレーションを行うことで、店舗運営者は、適切に料金設定パラメータの変更を行うことができる。
【0108】
なお、上述の店舗関連コンテンツサーバ100、ユーザ端末装置200、料金設定サーバ300、料金設定端末400等としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の店舗関連コンテンツサーバ100、ユーザ端末装置200、料金設定サーバ300、料金設定端末400等としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0109】
100 店舗関連コンテンツサーバ、200 ユーザ端末装置、300 料金設定サーバ、301 通信部、302 制御部、303 記憶部、321 パラメータ設定部、322 ユーザ数取得部、323 料金設定部、331 料金設定履歴情報記憶部、400 料金設定端末