(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022095244
(43)【公開日】2022-06-28
(54)【発明の名称】帯掛け包装容器および帯掛け包装容器の製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 25/28 20060101AFI20220621BHJP
【FI】
B65D25/28 107
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020208449
(22)【出願日】2020-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】307027717
【氏名又は名称】株式会社彫刻プラスト
(71)【出願人】
【識別番号】394022141
【氏名又は名称】アイプラス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116713
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 正己
(74)【代理人】
【識別番号】100179844
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 芳國
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 宏道
(72)【発明者】
【氏名】高橋 盛
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA03
3E062AB14
3E062AC02
3E062AC05
3E062HA06
3E062HB04
3E062HB07
3E062HD21
(57)【要約】
【課題】本発明は、レジ袋を必要とせず、またエコバッグ等の買い物袋に収納せずとも持ち運びが容易な帯掛け包装容器を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の実施形態の一例に係る帯掛け包装容器10は、帯掛け包装が施された、容器本体11および蓋12を有する帯掛け包装容器であって、帯13の長辺に対し垂直方向にヒダが形成された折り重ね部14を少なくとも1箇所有するものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯掛け包装が施された、容器本体および蓋を有する帯掛け包装容器であって、帯の長辺に対し垂直方向にヒダが形成された折り重ね部を少なくとも1箇所有する、帯掛け包装容器。
【請求項2】
前記帯掛け包装容器の側面部の1箇所または2箇所に帯の折り重ね部が位置する、
請求項1に記載の帯掛け包装容器。
【請求項3】
前記帯掛け包装容器の底面部の1箇所に帯の折り重ね部が位置する、
請求項1に記載の帯掛け包装容器。
【請求項4】
前記帯掛け包装容器の上面部の1箇所に帯の折り重ね部が位置する、
請求項1に記載の帯掛け包装容器。
【請求項5】
前記容器本体の底面部と略等しい形状に前記帯の1箇所がくり抜かれており、
前記帯のくり抜かれた部分に前記容器本体の底面部が通されて前記帯と前記容器本体とが固定されている、
請求項1、2または4に記載の帯掛け包装容器。
【請求項6】
前記帯の折り重ね部は、前記帯の内面側同士または外面側同士が、一部または全面で弱接着されている、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の帯掛け包装容器。
【請求項7】
前記帯を折り重ねた状態で、前記折り重ね部の帯の長辺方向の長さの合計が、前記帯掛け包装容器の上面部の短辺または直径の1/6~1/2である、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の帯掛け包装容器。
【請求項8】
被包装物が充填されている、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の帯掛け包装容器。
【請求項9】
請求項1に記載の帯掛け包装容器の製造方法であって、
容器本体および蓋を帯掛け可能であり、かつ折り重ね部を形成可能な長さと同幅の薄膜をロールから繰り出し、一定の幅の帯に切断する工程と、
折り重ね部の長さを余した状態で帯の両端を互いに接着するまたは容器本体に貼着することで容器本体および蓋に帯掛けする工程と、
帯の長辺に対し垂直方向にヒダが形成されるように帯を折り込み、折り重ね部を形成する工程と、
折り重ね部の帯の内面側同士または外面側同士を一部または全部で弱接着する工程と、
を有する、帯掛け包装容器の製造方法。
【請求項10】
請求項1に記載の帯掛け包装容器の製造方法であって、
帯の幅と同幅の薄膜をロールから繰り出し、容器本体および蓋を帯掛け可能であり、かつ折り重ね部を形成可能な長さの帯に切断する工程と、
折り重ね部の長さを余した状態で帯の両端を互いに接着するまたは容器本体に貼着することで容器本体および蓋に帯掛けする工程と、
帯の長辺に対し垂直方向にヒダが形成されるように帯を折り込み、折り重ね部を形成する工程と、
折り重ね部の帯の内面側同士または外面側同士を一部または全部で弱接着する工程と、
を有する、帯掛け包装容器の製造方法。
【請求項11】
請求項1に記載の帯掛け包装容器の製造方法であって、
容器本体および蓋を帯掛け可能であり、かつ折り重ね部を形成可能な長さと同幅の薄膜をロールから繰り出し、一定の幅の帯に切断する工程と、
帯の長辺に対し垂直方向にヒダが形成されるように帯を一定寸法折り重ねる工程と、
折り重ね部の帯の内面側同士または外面側同士を一部または全部で弱接着する工程と、
折り重ねた帯の両端を互いに接着するまたは容器本体に貼着することで容器本体および蓋に帯掛けする工程と、
を有する、帯掛け包装容器の製造方法。
【請求項12】
請求項1に記載の帯掛け包装容器の製造方法であって、
帯の幅と同幅の薄膜をロールから繰り出し、容器本体および蓋を帯掛け可能であり、かつ折り重ね部を形成可能な長さの帯に切断する工程と、
帯の長辺に対し垂直方向にヒダが形成されるように帯を一定寸法折り重ねる工程と、
折り重ね部の帯の内面側同士または外面側同士を一部または全部で弱接着する工程と、
折り重ねた帯の両端を互いに接着するまたは容器本体に貼着することで容器本体および蓋に帯掛けする工程と、
を有する、帯掛け包装容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯掛け包装容器および帯掛け包装容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プラスチックごみによる海洋汚染や地球温暖化といった地球規模の環境問題への対策の一環として、脱石油・脱プラスチックの取り組みが進められている。我が国においてもプラスチックの過剰な使用を抑制すべく、プラスチック製買い物袋(所謂レジ袋)の有料化が開始された。これまでは、スーパー等の小売店での会計時にはレジ袋がサービスとして無料で提供されていたが、これが有料化されたことにより、消費者は自前で買い物袋(所謂エコバッグ)を用意することが多くなった。エコバッグは繰り返し利用が可能であるため、これを消費者が用意することによりレジ袋の消費が削減されることが期待されている。
【0003】
エコバッグとしては、コンパクトに折り畳み可能なものや持ち運びが便利なものなど種々のものが提案されている(例えば、特許文献1、2等参照)。特許文献1(実用新案登録第3229326号公報)に記載のエコバッグは、長期にわたって容易かつ確実に小型に折り畳むことが可能なエコバッグを提供することを目的として考案されたものである。また、特許文献2(実用新案登録第3228545号公報)に記載のエコバッグは、不使用時にはアクセサリー(リボン型のバッグチャーム)として使用しつつ、使用時には迅速にエコバッグに変形させて使用することが可能なエコバッグを提供することを目的として考案されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3229326号公報
【特許文献2】実用新案登録第3228545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように多くの消費者はエコバッグを持参して買い物をするようになった。しかしながら、会計時に無料でレジ袋が提供されるというサービスに長年にわたって慣れ親しんだ消費者は、うっかりエコバッグを所持せずに、時には手ぶらで買い物に出てしまうこともある。また、エコバッグの容積は必ずしも購入物の容量に適したものではないため、エコバッグ内で購入物が傾いてしまうこともある。このとき、購入物が弁当などの場合には具材が端に寄ってしまったり、また、麺類などの場合には汁がこぼれやすくなるという問題もある。
【0006】
そこで本発明は、レジ袋を必要とせず、またエコバッグ等の買い物袋に収納せずとも持ち運びが容易な帯掛け包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の帯掛け包装容器は、以下に記載する通りのものである。
帯掛け包装が施された、容器本体および蓋を有する帯掛け包装容器であって、帯の長辺に対し垂直方向にヒダが形成された折り重ね部を少なくとも1箇所有する、
帯掛け包装容器。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、レジ袋を必要とせず、またエコバッグ等の買い物袋に収納せずとも持ち運びが容易な帯掛け包装容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る帯掛け包装容器の一例の概略を表す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す帯掛け包装容器の帯の折り重ね部を拡大した部分拡大図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す帯掛け包装容器の帯の折り重ね部を拡大して側面から観た部分拡大図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す帯掛け包装容器の帯の折り重ね部をほどいて把持した状態の概略を表す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る帯掛け包装容器の別の一例の概略を表す斜視図(底面側からみた斜視図)である。
【
図6】
図6は、
図5に示す帯掛け包装容器の帯の折り重ね部を拡大した部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[帯掛け包装容器]
上記の本発明の目的は、通常の帯掛け包装容器に比べ僅かな追加材料を使用するという本発明により達成することが可能となる。以下に本発明の具体的な態様を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に、本発明の実施形態に係る帯掛け包装容器の一例の概略図を示す。また、
図1に示す帯掛け包装容器の帯の折り重ね部を拡大した部分拡大図を
図2に示す。さらに、
図3に、
図1に示す帯掛け包装容器の帯の折り重ね部を拡大して側面から観た部分拡大図を示す。
【0011】
図1に示すように、本発明に係る帯掛け包装容器10は、帯13によって容器本体11および蓋12が帯掛け包装されており、帯13は長辺に対して垂直方向にヒダが形成された折り重ね部14を少なくとも1箇所有する。帯掛け包装容器10は、商品として棚に陳列されている際には帯13の折り重ね部14が折り畳まれた状態で帯掛け包装がされている。
容器本体11、蓋12および帯13の材質は特に限定されるものではなく、弁当容器等に利用可能なものを好ましく用いることができる。例えば、プラスチック樹脂、紙、不織布などが挙げられる。
容器本体11には被包装物を収容可能である。被包装物は特に限定されるものではないが、弁当や麺類などの食品が挙げられる。
【0012】
図1に示す帯掛け包装容器10は、帯13の折り重ね部14を1つ有しており、折り重ね部14は包装容器の上面部(蓋側)に位置している。そして、
図2および
図3に示すように、帯13の折り重ね部14では、帯13が帯13の長辺に対して垂直方向にヒダが形成されるように折り重ねられており、ヒダは帯13の内面側18に位置している。
なお、帯13の「内面側(18)」とは、折り重ね部14を解いて伸ばした場合に容器本体11または蓋12と接する側の帯13の面のことをいうものとする。また、同様に、帯13の「外面側(17)」とは、折り重ね部14を解いて伸ばした場合に容器本体11または蓋12と接しない側の帯13の面のことをいうものとする。
【0013】
図1に示す帯掛け包装容器10の折り重ね部14は、
図2および
図3に示すように、帯13の外面側同士の一部が弱接着して固定されている。また、弱接着部15の端部には帯が接着していない非接着部16がある。これにより、折り重ね部14の非接着部16を起点として弱接着部15を剥離させることが容易となる。
【0014】
図4に、
図1に示す帯掛け包装容器10の帯13の折り重ね部14をほどいて把持した状態の概略を示す。帯掛け包装容器10は帯13の折り重ね部14をほどいて伸ばすことで帯13と蓋12との間に隙間ができるため、そこに指を入れることで帯13を把持して持ち運ぶことが可能となる。帯13の折り重ね部14に弱接着部15が形成されている場合には、折り重ね部14をほどき易くするために弱接着部15の端部に非接着部16が設けられていることが好ましい。これにより、前述のように非接着部16を起点として容易に弱接着部15を解離させることができるため、折り重ね部14をほどいて帯13を伸ばし易くなる。
【0015】
帯13を把持して帯掛け包装容器10を持ち運ぶという観点からは、帯13と容器本体11とは何らかの方法で固定されていることが好ましい。例えば、帯13の内面側と容器本体11とが底面部や側面部で接着していたり、また後述するように帯13に設けられた穴(帯がくり抜かれた部分)に容器本体11の底面部が通されて固定されていたりすることが好ましい。
【0016】
図1に示す帯掛け包装容器10は、帯13の折り重ね部14が帯掛け包装容器10の上面部に1つ設けられているが、折り重ね部14の位置や数はこれに限定されるものではない。折り重ね部14は、帯掛け包装容器10の底面部や側面部に位置していても構わず、また、2つ以上設けられていてもよい。すなわち、折り重ね部14は、ほどかれて帯13が延ばされた際に、帯13と蓋12との間に指を通すのに十分な隙間を形成することができるものであればよい。
【0017】
帯13と蓋12との間に指を通すのに十分な隙間を形成可能にするという観点からは、折り重ね部14の帯13の長辺方向の長さの合計は、帯掛け包装容器10の上面部の短辺または直径の1/6~1/2であることが好ましく、1/5~2/5であることがより好ましく、1/4~1/3であることがさらに好ましい。なお、「上面部の短辺」とは、蓋12の形状が長方形状である場合の短辺、または帯12の形状が正方形状である場合の一辺のことをいう。また、「上面部の直径」とは、蓋12の形状が円形状の場合の直径のことをいう。
【0018】
図5に、本発明の実施形態に係る帯掛け包装容器の別の一例の概略図(底面側からみた斜視図)を示す。また、
図5に示す帯掛け包装容器の帯の折り重ね部を拡大した部分拡大図を
図6に示す。
図5に示す帯掛け包装容器10は、容器本体11の底面部と略等しい形状に帯13の1箇所がくり抜かれている。そして、帯13のくり抜かれた部分19に容器本体11の底面部の一部が通されており、帯13と容器本体11とがずれないように固定されている。これにより、帯13の折り重ね部14をほどいて
図4に示す様に帯13を把持した場合に、帯13と容器本体11とがずれないため持ち運び性が向上する。
【0019】
また、
図5に示す帯掛け包装容器10は、帯13の折り重ね部14が側面部に位置している。そして、
図6に示す様に、帯13の折り重ね部14には弱接着部15が形成されており、弱接着部15に隣接して非接着部16が形成されている。
図1および
図5に示す帯掛け包装容器10は、帯13の折り重ね部14は、帯13の外面側同士の一部が弱接着された弱接着部14を有しているが、折り重ね部14の構成はこれに限定されるものではなく、帯13の内面側同士が弱接着されていてもよい。また、折り重ね部14の帯の内面側または外面側の全面が弱接着されていてもよい。
【0020】
[帯掛け包装容器の製造方法]
本発明に係る帯掛け包装容器の製造方法は、上記の本発明に係る帯掛け包装容器を製造するための方法であり、大別して以下の4つの態様を有する。
なお、以下に説明する4つの態様においては、いずれも各工程の順序は限定されるものではなく、入れ替えたり同時に行ったりしても構わない。また、容器本体11に被包装物を充填する工程も適宜行えばよい。
【0021】
(第1の態様)
第1の態様に係る帯掛け包装容器の製造方法は、帯の長辺と接着しろとの合計の長さと同幅の薄膜をロールから繰り出して、帯の短辺の長さに切断し、容器本体および蓋を帯掛け包装してからヒダを形成する方法である。
より具体的には、本発明の第1の態様に係る帯掛け包装容器の製造方法は
容器本体および蓋を帯掛け可能であり、かつ折り重ね部を形成可能な長さと同幅の薄膜をロールから繰り出し、一定の幅の帯に切断する工程(工程1-1)と、
折り重ね部の長さを余した状態で帯の両端を互いに接着するまたは容器本体に貼着することで容器本体および蓋に帯掛けする工程(工程1-2)と、
帯の長辺に対し垂直方向にヒダが形成されるように帯を折り込み、折り重ね部を形成する工程(工程1-3)と、
折り重ね部の帯の内面側同士または外面側同士を一部または全部で弱接着する工程(工程1-4)と、
を有する。
【0022】
上記の工程1-1では、容器本体11および蓋12を帯掛け可能であり、かつ折り重ね部14を形成可能な長さ(すなわち、帯13の長辺と接着しろとの合計の長さ)と同幅の薄膜を用いる。薄膜は帯13となるものであるから、素材は帯13と同じものであればよい。
そして、用意した薄膜をロールから繰り出し、一定の幅に切断して帯13を形成する。切断された薄膜の幅は帯13の短辺の長さとなる。
【0023】
上記の工程1-2では、帯13の折り重ね部14の長さを余した状態で(すなわち、ヒダを形成せずに)、帯13の両端を互いに接着するか、あるいは容器本体11に貼着する。これにより、帯13により容器本体11および蓋12が帯掛けされる。
帯13の両端を互いに接着する場合には、帯掛け包装容器10の底面部に位置する帯13に、容器本体11の底面部と略等しい形状に穴をあけてくり抜き、その帯13のくり抜かれた部分に容器本体11の底面部を通すことが好ましい。これにより、帯13と容器本体11とがずれないように固定することができる。
【0024】
上記の工程1-3では、帯13の長辺に対して垂直方向にヒダが形成されるように帯13を折り込む。これにより折り重ね部14が形成される。ヒダは帯の外面側に形成されてもよいし、内面側に形成されてもよい。
形成する折り重ね部14の数は1つでもよいし、2つ以上でもよい。また、形成する折り重ね部14の位置は、帯掛け包装容器10の底面部、上面部および側面部のいずれの位置でもよい。
【0025】
上記の工程1-4では、折り重ね部14の帯13の内面側18同士または外面側17同士を一部または全部で弱接着することにより、弱接着部15を形成する。このとき、帯13の折り重ね部14をほどき易くなるように弱接着部15と隣接するように非接着部16を形成しておくことが好ましい。
【0026】
(第2の態様)
第2の態様に係る帯掛け包装容器の製造方法は、帯の短辺と同幅の薄膜をロールから繰り出して、帯の長辺と接着しろとの合計の長さに切断し、容器本体および蓋を帯掛け包装してからヒダを形成する方法である。
より具体的には、本発明の第2の態様に係る帯掛け包装容器の製造方法は
帯の幅と同幅の薄膜をロールから繰り出し、容器本体および蓋を帯掛け可能であり、かつ折り重ね部を形成可能な長さの帯に切断する工程(工程2-1)と、
折り重ね部の長さを余した状態で帯の両端を互いに接着するまたは容器本体に貼着することで容器本体および蓋に帯掛けする工程(工程2-2)と、
帯の長辺に対し垂直方向にヒダが形成されるように帯を折り込み、折り重ね部を形成する工程(工程2-3)と、
折り重ね部の帯の内面側同士または外面側同士を一部または全部で弱接着する工程(工程2-4)と、
を有する。
【0027】
第2の態様に係る帯掛け包装容器の製造方法は、工程2-1において用意する薄膜の幅が帯13の短辺と同幅であるという点が第1の態様に係る帯掛け包装容器の製造方法と異なっているのみであり、その他の点は第1の態様に係る帯掛け包装容器の製造方法と同様である。
このため、工程2-1においては、用意した薄膜をロールから繰り出し、容器本体11および蓋12を帯掛け可能であり、かつ折り重ね部14を形成可能な長さ(すなわち、帯13の長辺と接着しろとの合計の長さ)の帯に切断するという点が工程1-1と異なっている。
それ以外の工程2-2、工程2-3および工程2-4は、第1の態様に係る帯掛け包装容器の製造方法について説明した工程1-2、工程1-3および工程1-4とそれぞれ同様にして行うことができる。
【0028】
(第3の態様)
第3の態様に係る帯掛け包装容器の製造方法は、帯の長辺と接着しろとの合計の長さと同幅の薄膜をロールから繰り出して、帯の短辺の長さに切断し、ヒダを形成してから容器本体および蓋を帯掛け包装する方法である。
より具体的には、本発明の第3の態様に係る帯掛け包装容器の製造方法は
容器本体および蓋を帯掛け可能であり、かつ折り重ね部を形成可能な長さと同幅の薄膜をロールから繰り出し、一定の幅の帯に切断する工程(工程3-1)と、
帯の長辺に対し垂直方向にヒダが形成されるように帯を一定寸法折り重ねる工程(工程3-2)と、
折り重ね部の帯の内面側同士または外面側同士を一部または全部で弱接着する工程(工程3-3)と、
折り重ねた帯の両端を互いに接着するまたは容器本体に貼着することで容器本体および蓋に帯掛けする工程(工程3-4)と、
を有する。
【0029】
第3の態様に係る帯掛け包装容器の製造方法は、第1の態様に係る包装容器の製造方法において工程1-2および工程1-3の前に工程1-4を行うという点が第1の態様に係る包装容器の製造方法とは異なっている。
工程3-1は工程1-1と同様にして行うことができる。
工程3-2では、容器本体11および蓋12が帯13によって帯掛けされていない状態で、帯13にヒダを形成する。具体的には、帯13の長辺に対して垂直方向にヒダが形成されるように帯13を折り込むことで、折り重ね部14を形成する。ヒダは帯の外面側に形成されてもよいし、内面側に形成されてもよい。
形成する折り重ね部14の数は1つでもよいし、2つ以上でもよい。また、形成する折り重ね部14の位置は、帯掛け包装容器10の底面部、上面部および側面部のいずれの位置でもよい。
工程3-3では、容器本体11および蓋12が帯13によって帯掛けされていない状態で、折り重ね部14の帯13の内面側18同士または外面側17同士を一部または全部で弱接着することにより、弱接着部15を形成する。このとき、帯13の折り重ね部14をほどき易くなるように弱接着部15と隣接するように非接着部16を形成しておくことが好ましい。
工程3-4では、折り重ね部14が形成された状態で、帯13の両端を互いに接着するか、あるいは容器本体11に貼着する。これにより、折り重ね部14を有する帯13により容器本体11および蓋12が帯掛けされる。
帯13の両端を互いに接着する場合には、帯掛け包装容器10の底面部に位置する帯13に、容器本体11の底面部と略等しい形状に穴をあけてくり抜き、その帯13のくり抜かれた部分に容器本体11の底面部を通すことが好ましい。これにより、帯13と容器本体11とがずれないように固定することができる。
【0030】
(第4の態様)
第4の態様に係る帯掛け包装容器の製造方法は、帯の短辺と同幅の薄膜をロールから繰り出して、帯の長辺と接着しろとの合計の長さに切断し、ヒダを形成してから容器本体および蓋を帯掛け包装する方法である。
より具体的には、本発明の第4の態様に係る帯掛け包装容器の製造方法は
帯の幅と同幅の薄膜をロールから繰り出し、容器本体および蓋を帯掛け可能であり、かつ折り重ね部を形成可能な長さの帯に切断する工程(工程4-1)と、
帯の長辺に対し垂直方向にヒダが形成されるように帯を一定寸法折り重ねる工程(工程4-2)と、
折り重ね部の帯の内面側同士または外面側同士を一部または全部で弱接着する工程(工程4-3)と、
折り重ねた帯の両端を互いに接着するまたは容器本体に貼着することで容器本体および蓋に帯掛けする工程(工程4-4)と、
を有する。
【0031】
第4の態様に係る帯掛け包装容器の製造方法は、工程4-1において用意する薄膜の幅が帯13の短辺と同幅であるという点が第3の態様に係る帯掛け包装容器の製造方法と異なっているのみであり、その他の点は第3の態様に係る帯掛け包装容器の製造方法と同様である。
このため、工程4-1においては、用意した薄膜をロールから繰り出し、容器本体11および蓋12を帯掛け可能であり、かつ折り重ね部14を形成可能な長さ(すなわち、帯13の長辺と接着しろとの合計の長さ)の帯に切断するという点が工程3-1と異なっている。
それ以外の工程4-2、工程4-3および工程4-4は、第3の態様に係る帯掛け包装容器の製造方法について説明した工程3-2、工程3-3および工程3-4とそれぞれ同様にして行うことができる。
【0032】
本発明の帯掛け包装容器および帯掛け包装容器の製造方法の実施の態様を示すと以下の通りである。
(1)帯掛け包装が施された、容器本体および蓋を有する帯掛け包装容器であって、帯の長辺に対し垂直方向にヒダが形成された折り重ね部を少なくとも1箇所有する、帯掛け包装容器。
(2)前記帯掛け包装容器の側面部の1箇所または2箇所に帯の折り重ね部が位置する、
上記(1)に記載の帯掛け包装容器。
(3)前記帯掛け包装容器の底面部の1箇所に帯の折り重ね部が位置する、
上記(1)に記載の帯掛け包装容器。
(4)前記帯掛け包装容器の上面部の1箇所に帯の折り重ね部が位置する、
上記(1)に記載の帯掛け包装容器。
(5)前記容器本体の底面部と略等しい形状に前記帯の1箇所がくり抜かれており、
前記帯のくり抜かれた部分に前記容器本体の底面部が通されて前記帯と前記容器本体とが固定されている、
上記(1)、(2)または(4)に記載の帯掛け包装容器。
(6)前記帯の折り重ね部は、前記帯の内面側同士または外面側同士が、一部または全面で弱接着されている、
上記(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の帯掛け包装容器。
(7)前記帯を折り重ねた状態で、前記折り重ね部の帯の長辺方向の長さの合計が、前記帯掛け包装容器の上面部の短辺または直径の1/6~1/2である、
上記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の帯掛け包装容器。
(8)被包装物が充填されている、
上記(1)乃至(7)のいずれか一項に記載の帯掛け包装容器。
(9)上記(1)に記載の帯掛け包装容器の製造方法であって、
容器本体および蓋を帯掛け可能であり、かつ折り重ね部を形成可能な長さと同幅の薄膜をロールから繰り出し、一定の幅の帯に切断する工程と、
折り重ね部の長さを余した状態で帯の両端を互いに接着するまたは容器本体に貼着することで容器本体および蓋に帯掛けする工程と、
帯の長辺に対し垂直方向にヒダが形成されるように帯を折り込み、折り重ね部を形成する工程と、
折り重ね部の帯の内面側同士または外面側同士を一部または全部で弱接着する工程と、
を有する、帯掛け包装容器の製造方法。
(10)上記(1)に記載の帯掛け包装容器の製造方法であって、
帯の幅と同幅の薄膜をロールから繰り出し、容器本体および蓋を帯掛け可能であり、かつ折り重ね部を形成可能な長さの帯に切断する工程と、
折り重ね部の長さを余した状態で帯の両端を互いに接着するまたは容器本体に貼着することで容器本体および蓋に帯掛けする工程と、
帯の長辺に対し垂直方向にヒダが形成されるように帯を折り込み、折り重ね部を形成する工程と、
折り重ね部の帯の内面側同士または外面側同士を一部または全部で弱接着する工程と、
を有する、帯掛け包装容器の製造方法。
(11)上記(1)に記載の帯掛け包装容器の製造方法であって、
容器本体および蓋を帯掛け可能であり、かつ折り重ね部を形成可能な長さと同幅の薄膜をロールから繰り出し、一定の幅の帯に切断する工程と、
帯の長辺に対し垂直方向にヒダが形成されるように帯を一定寸法折り重ねる工程と、
折り重ね部の帯の内面側同士または外面側同士を一部または全部で弱接着する工程と、
折り重ねた帯の両端を互いに接着するまたは容器本体に貼着することで容器本体および蓋に帯掛けする工程と、
を有する、帯掛け包装容器の製造方法。
(12)上記(1)に記載の帯掛け包装容器の製造方法であって、
帯の幅と同幅の薄膜をロールから繰り出し、容器本体および蓋を帯掛け可能であり、かつ折り重ね部を形成可能な長さの帯に切断する工程と、
帯の長辺に対し垂直方向にヒダが形成されるように帯を一定寸法折り重ねる工程と、
折り重ね部の帯の内面側同士または外面側同士を一部または全部で弱接着する工程と、
折り重ねた帯の両端を互いに接着するまたは容器本体に貼着することで容器本体および蓋に帯掛けする工程と、
を有する、帯掛け包装容器の製造方法。
【符号の説明】
【0033】
10 帯掛け包装容器
11 容器本体
12 蓋
13 帯
14 折り重ね部
15 弱接着部
16 非接着部
17 帯の外面側
18 帯の内面側
19 くり抜かれた部分