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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022095346
(43)【公開日】2022-06-28
(54)【発明の名称】ドラムヘッドの緩止具
(51)【国際特許分類】
   G10D 13/10 20200101AFI20220621BHJP
   G10D 13/02 20200101ALI20220621BHJP
【FI】
G10D13/10 110
G10D13/02 100
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020208620
(22)【出願日】2020-12-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】516206060
【氏名又は名称】細川 佳尚
(74)【代理人】
【識別番号】100148688
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 裕行
(72)【発明者】
【氏名】細川 佳尚
(57)【要約】
【課題】簡単な構造で低コストでラグボルトの緩みを防止でき、ラグボルトの角頭部とフープの側壁部との距離が異なるドラムにも対応でき、フープへの接触面積を最小限に止めて音響性能への影響を抑えつつ、ラグボルトが緩み方向に回転することを強い力で抑えることができるドラムヘッドの緩止具を提供する。
【解決手段】可撓性を有する樹脂製の板体21からなり、板体21は、ラグボルト8の角頭部8aに押し込まれる回止孔22が形成された装着部23と、フープ4の側壁部4bとフランジ部4cとが繋がるコーナー部4dに当接される直線状の当接部24と、当接部24と装着部23との間の撓み部25とを備えており、回止孔22がラグボルト8の角頭部8aに回転不能に押し込まれ、当接部24がコーナー部4dに当接されたとき、撓み部25が断面く字状に撓み、その復元力で当接部24がコーナー部4dに押し付けられる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のドラムシェルの開口にドラムヘッドを押し付けるため、該ドラムヘッドに被せられた円環状のフープのボルト挿通孔に挿通されたラグボルトが、前記ドラムシェルの外周面に支持されたラグナットに締め込まれており、前記フープが、前記ドラムシェルの外周面と平行な側壁部と該側壁部から径方向外方に形成されたフランジ部とを有するドラムのドラムヘッドの緩止具であって、
可撓性を有する樹脂製の板体からなり、該板体は、前記ラグボルトの角頭部に押し込まれる回止孔が形成された装着部と、前記フープの前記フランジ部と前記側壁部とが繋がるコーナー部に当接される直線状の当接部と、該当接部と前記装着部との間の撓み部とを備え、
前記装着部の回止孔が前記ラグボルトの角頭部に回転不能に押し込まれた状態で前記当接部が前記コーナー部に当接されたとき、前記撓み部が断面く字状に撓み、その復元力で前記当接部が前記コーナー部に押し付けられる、ことを特徴とするドラムヘッドの緩止具。
【請求項2】
前記板体に前記回止孔の中心から前記当接部に向けて垂線を仮想的に描き、該垂線と前記当接部との交点を垂下点とし、該垂下点から前記当接部の前記ラグボルト緩み方向前方端までの長さをL1とし、前記垂下点から前記当接部の前記ラグボルト緩み方向後方端までの長さをL2としたとき、L1<L2となっている、ことを特徴とする請求項1に記載のドラムヘッドの緩止具。
【請求項3】
前記板体の一方の縁に前記装着部から前記当接部の前記ラグボルト緩み方向前方端の部分に凹状に形成された第1円弧部と、前記板体の他方の縁に前記装着部から前記当接部の前記ラグボルト緩み方向後方端の部分に凹状に形成された第2円弧部とを備え、前記第1円弧部の曲率半径をR1とし、前記第2円弧部の曲率半径をR2としたとき、R1<R2となっている、ことを特徴とする請求項2に記載のドラムヘッドの緩止具。
【請求項4】
前記装着部の回止孔を前記ラグボルトの角頭部に押し込む際に上面となる前記板体の表面に、前記回止孔の中心から前記当接部に向けて垂直に指示線が描かれており、該指示線が、装着時の前記板体の表裏を示し、前記板体の前記フープに対する適切な装着方向の目安となり、ドラムによって異なる前記角頭部から前記コーナー部までの距離に応じて前記撓み部の撓み量を調整するため前記当接部を切断する際の垂直ガイドとなる、ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のドラムヘッドの緩止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒状のドラムシェルの開口に、振動膜として装着されたドラムヘッドの緩みを抑えるためのドラムヘッドの緩止具に関する。
【背景技術】
【0002】
図1にドラム(スネアドラム)1の斜視図を示し、図2(b)にドラム1の部分側断面図を示す。図示するように、ドラム1は、円筒状のドラムシェル2と、ドラムシェル2の開口を覆う振動膜としてのドラムヘッド3と、ドラムヘッド3をドラムシェル2に保持する円環状のフープ4とを備えている。なお、ドラム1には、スネアドラムの他、タムタム、フロアタム等も含まれる。
【0003】
ドラムシェル2の側部の外周面には、周方向に間隔を隔ててラグ(ボルト固定器具)5が設けられ、ラグ5には、ラグナット6が装着されている。ドラムヘッド3の外周部には、円環状のヘッド枠3aが設けられている。フープ4の外周部には、リム部4aが形成され、リム部4aには、周方向に間隔を隔ててボルト挿通孔7が設けられている。ボルト挿通孔7には、ラグボルト(テンションボルト)8が挿通され、ラグボルト8はラグナット6に螺合される。この螺合により、ヘッド枠3aがフープ4に押し付けられ、ドラムヘッド3がドラムシェル2の開口に押し付けられ、ドラムヘッド3に張力が加わる。
【0004】
ラグボルト8の頭部には角頭部8aが形成されている。角頭部8aを専用工具(チューニングキー)で回転させてラグボルト8のラグナット6への螺合の度合を調節することで、ドラムヘッド3の張力を変更し、ドラムヘッド3の音程の調整(チューニング)を行う。一旦、チューニングされた音程は、ドラムヘッド3の張力によって、ラグボルト8のネジ山がラグナット6のネジ孔に、ボルト軸方向に押し付けられることで保持される。
【0005】
ところで、演奏中、ドラムヘッド3をスティック等で打撃することになるが、この打撃による衝撃や振動がフープ4やドラムシェル2に伝わると、ラグボルト8がボルト軸方向に微小に振動し、ラグボルト8が徐々に緩んで、チューニングした音程のピッチが下がってしまう。特に、打撃力が強い程、振動が大きく、ラグボルト8が緩みやすく、ピッチの低下も大きくなる。
【0006】
また、ドラムヘッド3のみを打撃する通常のヘッドショットとは異なり、スティックでドラムヘッド3とフープ4とを同時に打撃するオープン・リムショットにおいては、フープ4を打撃した瞬間にフープ4が沈み込み、その瞬間、ラグボルト8がフリーの状態となるため、ラグボルト8の緩みが顕著となる。
【0007】
このように、打撃によってラグボルト8が緩み、一旦チューニングしたドラムヘッド3の音程が低下(ピッチ下がり)すると、楽曲全体に対する構成音としてのドラム1の音程が乱れ、不調和が生じてしまう。
【0008】
従来、ラグボルト8の緩みを防止するため、種々の発明が提案されている。例えば、特許文献1には、ラグボルト8を内部に軸方向に沿った孔が形成された中空構造とし、ボルト軸部に軸方向にスリットを形成し、孔にロッド状の芯金を挿入することでスリットを広げ、ラグボルト8の軸部のネジ山をラグナット6のネジ孔に押し付け、ラグボルト8の緩みを防止するドラムのヘッド固定機構が開示されている。
【0009】
しかし、特許文献1に開示されたドラムのヘッド固定機構は、複雑で特殊な構造のラグボルトを用いており、高精度が要求される部品数が多く、コストアップが避けられない。この点を説明すると、例えばスネアドラムの場合、ドラムヘッド3は、円筒状のドラムシェル2の開口に、通常、片面8本~10本程度、両面では合計16本~20本程度のラグボルトによって装着される。タムタムの場合、通常片面で4本~8本程度、フロアタムの場合、通常片面で6本~8本程度のラグボルトが用いられ、両面の場合、それらの倍の数となる。このため、一つのドラム1について、複雑で特殊な構造の高価なラグボルトを多数使用しなければならず、大きなコストが必要となる。よって、簡単な構造でラグボルト8の緩みを防止できる安価な緩止具の開発が望まれている。
【0010】
また、特許文献2には、ドラムの胴本体の外周にラグを介して配設されたラグナットと、胴本体にドラムヘッドを緊張固定するための締め枠(フープ)と、フープに掛けられる掛け金と、掛け金とラグナットを連結する締めボルト(ラグボルト)を備えたドラムヘッド緊張装置において、ラグボルトの抜けを防止する抜け防止部材を掛け金に取り付け、抜け防止部材の回転を防止する回転防止部を掛け金に設けたものが開示されている。しかし、このドラムヘッド緊張装置においては、抜け防止部材がラグボルトのボルト角頭部ではなくボルト軸部に嵌着されているため、十分な回り止め効果を発揮できず、ラグボルトの緩みによる音程低下が避けられない。
【0011】
なお、特許文献3には、外周に複数個のラグを有する胴本体の開口部に締め枠(フープ)を嵌装し、フープのボルト用取付孔に締めボルト(ラグボルト)をワッシャーを介して挿通してラグのラグナットに螺合することにより、締め枠をヘッド枠に押圧するドラムの締め枠取付構造において、ワッシャーとフープまたはラグボルトが磁気的に吸着されるように構成したドラムの締め枠取付構造が開示されている。しかし、このドラムの締め枠取付構造は、ラグボルトをラグから取り外してフープのボルト用取付孔から抜き取ったとき、ワッシャーがラグボルトまたはフープから脱落して紛失することを防止したものであり、ラグボルトの緩みを防止するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2014-190989号公報
【特許文献2】特開2004-4702号公報
【特許文献3】特開2002-366140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、簡単な構造で低コスト化を図ったラグボルト8の緩止具9としては、図2(a)に示すように、厚さ3.0mm程度の樹脂製の板体にラグボルト8の角頭部8aが押し込まれる回止孔9aが形成され、回止孔9aから板体の端面9bまでの距離がラグボルト8の角頭部8aからフープ4の側壁部4bまでの距離に合わせて設定されたもの(パール楽器製造株式会社製の商品名「テンションキーパー」)が知られている。この緩止具9は、図2(b)に示すように、板体の回止孔9aをラグボルト8の角頭部8aに回転不能に押し込み、板体の端面9bをフープ4の側壁部4bに当接させることで、ラグボルト8の角頭部8aの回り止め(緩み止め)を図るものである。
【0014】
しかし、この緩止具9は、板体の端面9bをフープ4の側壁部4bに当接させてラグボルト8の回り止めを図っているため、ラグボルト8の角頭部8aからフープ4の側壁部4bまでの距離が、回止孔9aから板体の端面9bまでの距離と適合しないドラムには使用できない。例えば、ラグボルト8の角頭部8aからフープ4の側壁部4bまでの距離が回止孔9aから板体の端面9bまでの距離より長いドラムに緩止具9を装着する場合、板体の端面9bとフープ4の側壁部4bとの間に隙間が生じるため、その隙間の範囲でラグボルト8の緩みが許容され音程が下がってしまう。また、板体の回止孔9aがラグボルト8の角頭部8aに押し込まれることで装着状態が保持されているため、演奏中、ドラムヘッド3を打撃したときの衝撃力によるラグボルト8の軸方向の振動によって、回止孔9aの角頭部8aへの押し込みが緩み、緩止具9が脱落する可能性がある。
【0015】
一方、上述した緩止具9を、ラグボルト8の角頭部8aからフープ4の側壁部4bまでの距離が、回止孔9aから板体の端面9bまでの距離より短いドラムに装着する場合、ラグボルト8の角頭部8aに回止孔9aが押し込まれた板体は、板面に沿って座屈するように圧縮された状態となって板体の端面9bがフープ4の側壁部4bに強く押し付けられる。このように、一定の板厚(3.0mm程度)の樹脂製の板体がフープ4の側壁部4bに強く押し付けられると、緩止具9はフープ4の周方向に間隔を隔てて複数配設されているため、フープ4への接触面積が板厚に応じて或る程度大きい押圧部材(板体)が周方向に間隔を隔ててフープ4を径方向内方に押圧することになり、全周に亘ってフープ4の振動が抑制され、ドラムの楽器としての音響性能に影響が生じる。
【0016】
なお、この緩止具9は、実際には、ラグボルト8の角頭部8aからフープ4の側壁部4bまでの距離に応じて、緩止具9を成す板体を端面9bと平行にハサミやカッター等で切断して装着することも可能である。しかし、短く切り過ぎると、切断後の板体の端面9bとフープ4の側壁部4bとの間に隙間が生じるため、その隙間の範囲でラグボルト8の緩みが許容され音程が下がってしまい、切断長さが足りないと、切断後の板体の端面9bがフープ4の側壁部4bに強く押し付けられ、音響性能に影響が生じる。このため、切断長さの調節が難しい。また、ラグボルト8の角頭部8aからフープ4の側壁部4bまでの距離の短さによっては、緩止具9を、回止孔9aを中心に90度回転させて、図2(a)に示す板体の別の端面9cをフープ4の側壁部4bに当接させることも考えられるが、距離が合っていないと既述した問題が生じることに変わりはない。
【0017】
すなわち、この緩止具9は、基本的には、板体の板面方向の圧縮の復元力によってラグボルト8の角頭部8aとフープ4の側壁部4bとの間に挟まれて装着状態が保持されるものではなく、板体の回止孔9aがラグボルト8の角頭部8aに押し込まれることで装着状態が保持され、一定の板厚(3.0mm程度)の板体の端面9bがフープ4の側壁部4bに当接することでラグボルト8の緩みを防止するものである。このため、この緩止具9は、上述のように、ラグボルト8の角頭部8aとフープ4の側壁部4bとの距離が回止孔9aから板体の端面9b(または端面9c)までの距離と適合しないドラムには対応できず、また、フープ4への接触面積が大きいためドラムの音響性能に影響が生じてしまう等の問題が生じ得る。
【0018】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、簡単な構造で低コストでラグボルトの緩みを防止でき、ラグボルトの角頭部とフープの側壁部との距離が異なる各種のドラムにも対応でき、フープへの接触面積を最小限に止めて音響性能への影響を抑えつつ、ラグボルトが緩み方向に回転することを強い力で抑えられるドラムヘッドの緩止具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成すべく創案された本発明によれば、円筒状のドラムシェルの開口にドラムヘッドを押し付けるため、ドラムヘッドに被せられた円環状のフープのボルト挿通孔に挿通されたラグボルトが、ドラムシェルの外周面に支持されたラグナットに締め込まれており、フープが、ドラムシェルの外周面と平行な側壁部と側壁部から径方向外方に形成されたフランジ部とを有するドラムのドラムヘッドの緩止具であって、可撓性を有する樹脂製の板体からなり、板体は、ラグボルトの角頭部に押し込まれる回止孔が形成された装着部と、フープのフランジ部と側壁部とが繋がるコーナー部に当接される直線状の当接部と、当接部と装着部との間の撓み部とを備え、装着部の回止孔がラグボルトの角頭部に回転不能に押し込まれた状態で当接部がコーナー部に当接されたとき、撓み部が断面く字状に撓み、その復元力で当接部が前記コーナー部に押し付けられる、ことを特徴とするドラムヘッドの緩止具が提供される。
【0020】
本発明に係るドラムヘッドの緩止具においては、板体に回止孔の中心から当接部に向けて垂線を仮想的に描き、垂線と当接部との交点を垂下点とし、垂下点から当接部のラグボルト緩み方向前方端までの長さをL1とし、垂下点から当接部のラグボルト緩み方向後方端までの長さをL2としたとき、L1<L2となっていてもよい。
【0021】
本発明に係るドラムヘッドの緩止具においては、板体の一方の縁に装着部から当接部のラグボルト緩み方向前方端の部分に凹状に形成された第1円弧部と、板体の他方の縁に装着部から当接部の前記ラグボルト緩み方向後方端の部分に凹状に形成された第2円弧部とを備え、第1円弧部の曲率半径をR1とし、第2円弧部の曲率半径をR2としたとき、R1<R2となっていてもよい。
【0022】
本発明に係るドラムヘッドの緩止具においては、装着部の回止孔をラグボルトの角頭部に押し込む際に上面となる板体の表面に、回止孔の中心から当接部に向けて垂直に指示線が描かれており、指示線が、装着時の板体の表裏を示し、板体のフープに対する適切な装着方向の目安となり、ドラムによって異なる角頭部からコーナー部までの距離に応じて撓み部の撓み量を調整するため当接部を切断する際の垂直ガイドとなっていてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るドラムヘッドの緩止具によれば、次の如き効果を発揮できる。
(1)可撓性を有する樹脂製の板体から構成されているので、極めて簡単な構造であり、打抜加工等によって低コストで製造できる。
(2)装着部の回止孔がラグボルトの角頭部に回転不能に押し込まれた状態で当接部がコーナー部に当接されたとき、撓み部が断面く字状に弾性的に撓むことで、ラグボルトの角頭部とフープの側壁部との距離が異なる各種のドラムにも適切に装着できる。
(3)断面く字状に撓んだ撓み部の復元力を利用して、板体の当接部をフープのコーナー部に押し付けるようにしているので、板体の板厚を上述した従来の「テンションキーパー」よりも薄くしても、ラグボルトの緩みを撓みの復元力によって保持できる。この結果、フープへの接触面積を最小限に止め、音響性能への影響を抑えつつ、ラグボルトの緩みを的確に抑えられる。
(4)断面く字状に撓んだ撓み部の復元力によって、常に、当接部がフープのコーナー部に押し付けられ、その反力によって装着部の回止孔がラグボルトの角頭部に押し込まれる方向に力を受けるので、演奏中、ドラムヘッドが打撃された際に生じる振動による脱落を防止できる。
(5)フープの側壁部とフランジ部とが繋がるコーナー部を、断面く字状に撓んだ板体の反力受としているので、所謂外巻きフランジフープの外巻きフランジ形状を利用して容易に装着でき、フープへの接触が上述した「テンションキーパー」のようにフープの側壁部ではなくコーナー部のみとなるので、側壁部に接触させる場合と比べてフープの振動を減衰させることなく反力を支持でき、音響性能への影響が抑えられる。
(6)以上要するに、本発明に係るドラムヘッドの緩止具によれば、簡単な構造で低コストでラグボルトの緩みを防止でき、ラグボルトの角頭部とフープの側壁部との距離が異なるドラムにも対応でき、フープへの接触面積を最小限に止めて音響性能への影響を抑えつつ、ラグボルトが緩み方向に回転することを強い力で抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】ドラム(スネアドラム)の概要を示す斜視図である。
図2】(a)は従来の「ドラムヘッドの緩止具」を示す平面図、(b)はその緩止具が装着されたドラムの部分側断面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る「ドラムヘッドの緩止具」が装着されたドラムの部分断面図である。
図4】(a)は本発明の一実施形態に係る緩止具の平面図、(b)はその緩止具がラグボルトの角頭部とフープのコーナー部との間に断面く字状に撓んで装着された様子を示す部分側断面図である。
図5】本実施形態に係る緩止具が装着されたドラムを斜め上から見た部分斜視図である。
図6】本実施形態に係る緩止具が装着されたドラムを斜め右の側方から見た部分斜視図である。
図7】本実施形態に係る緩止具が装着されたドラムを斜め下の側方から見た部分斜視図である。
図8】本発明の変形実施形態に係る緩止具の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。係る実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0026】
(ドラム1の概要)
図1にドラム(スネアドラム)1の斜視図を示し、図3にドラム1の部分側断面図を示す。図示するように、ドラム1は、円筒状のドラムシェル2と、ドラムシェル2の開口を覆う振動膜としてのドラムヘッド3と、ドラムヘッド3をドラムシェル2に保持する円環状のフープ4とを備えている。なお、ドラム1には、スネアドラムの他、タムタム、フロアタム等も含まれる。
【0027】
図3に示すように、ドラムシェル2の側部には、周方向に間隔を隔ててラグ(ボルト固定器具)5がネジ10によって取り付けられ、ラグ5には、ラグナット6が装着されている。ドラムヘッド3の外周部には、円環状のヘッド枠3aが設けられている。フープ4の外周部には、リム部4aが形成され、リム部4aには、周方向に間隔を隔ててボルト挿通孔7が設けられている。ボルト挿通孔7には、ラグボルト(テンションボルト)8がワッシャー11を介して挿通され、ラグボルト8はその軸部8bに形成されたネジ部がラグナット6に螺合される。この螺合により、ドラムヘッド3のヘッド枠3aがフープ4に押し付けられ、ドラムヘッド3がドラムシェル2の開口に押し付けられ、ドラムヘッド3に張力が加わる。ラグボルト8の頭部には、ラグナット6への螺合の度合を調節し、ドラムヘッド3の音程を調整(チューニング)するための角頭部8aが形成されている。
【0028】
図1図3に示すドラム1においては、フープ4には、プレスフープ4xが用いられている。プレスフープ4xは、板厚1.6~2.3mm程度のプレス成形されたスチール製のフープ4であり、ダイキャストフープと比べると剛性が低くドラムシェル2の振動を過度に抑制しないため、中低音が豊かで且つ明るく伸びのあるサウンドとなる。また、プレスフープ4xは、ダイキャストフープと比べると適度な柔軟性があるため、チューニングが容易である。ダイキャストフープは、硬質なため、或る1本のラグボルト8を締め付けるとそれに隣接するラグボルト8の張力にまで干渉し、チューニングが容易ではない。図1図3に示すフープ4(プレスフープ4x)は、ラグボルト8が挿通される部分のリム部4aと、ドラムシェル2の外周面2aと平行な側壁部4bと、側壁部4bの上端から径方向外方に曲げられたフランジ部4cとを備えた、所謂外巻き(外曲げ)フランジフープとなっている。外巻き(外曲げ)フランジフープ4は、側壁部4bの上端を径方向内方に曲げた所謂内巻き(内曲げ)フランジフープと比べると、広がりのあるオープンな音となり、音質面でよく好まれている。以上により、世界で最も広く普及しているのは、プレス成形によるスチール製の外巻き(外曲げ)フランジフープである。なお、フープ4の材質としては、スチールの他、ブラス(真鍮)、ステンレス、アルミ等も知られている。
【0029】
(ドラムヘッド3の緩止具20)
図4図7を用いて本発明の一実施形態に係る「ドラムヘッドの緩止具」20を説明する。この緩止具20は、ドラムシェル2の外周面2aと平行な側壁部4bと、側壁部4bから径方向外方に形成されたフランジ部4cとを有するフープ4が、組み込まれたドラム1に、装着される。斯様なフープ4として、例えば所謂外巻きフランジフープが挙げられる。
【0030】
図4(a)、図4(b)に示すように、本実施形態に係る緩止具20は、可撓性を有する樹脂(例えばポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等)製の板体21からなり、板体21は、ラグボルト8の角頭部8aに押し込まれる回止孔22が形成された装着部23と、フープ4のフランジ部4cと側壁部4bとが繋がるコーナー部4dに当接される直線状の当接部24と、当接部24と装着部23との間の撓み部25とを備えている。係る緩止具20は、装着部23の回止孔22がラグボルト8の角頭部8aに回転不能に押し込まれた状態で当接部24がコーナー部4dに当接されたとき、撓み部25が断面く字状に撓み、その復元力で当接部24が前記コーナー部4dに押し付けられる。
【0031】
図4(a)に示すように、この緩止具20においては、板体21に回止孔22の中心から当接部24に向けて垂線を仮想的に描き、垂線と当接部24との交点を垂下点26とし、垂下点26から当接部24のラグボルト緩み方向前方端27までの長さをL1とし、垂下点26から当接部24のラグボルト緩み方向後方端28までの長さをL2としたとき、L1<L2となっている。図4(b)、図5に示すように、緩止具20を成す板体21を断面く字状に撓ませてドラム1に装着したとき、当接部24のL1の部分は板体21の撓みによる反力を支持し、当接部24のL2の部分は板体21の撓みによる反力に加えてラグボルト8の緩みトルクによる反力を支持するところ、L1<L2とすることで、L2の部分によってラグボルト8の緩みトルクを適切に受けることができ、垂下点26を挟んで当接部24の左右の支持力(単位面積当たりの支持力)のバランスが取れる。
【0032】
図4(a)に示すように、この緩止具20においては、板体21の一方の縁に、装着部23から当接部24のラグボルト緩み方向前方端27の部分に凹状に第1円弧部29が形成され、板体21の他方の縁に、装着部23から当接部24のラグボルト緩み方向後方端28の部分に凹状に第2円弧部30が形成されており、第1円弧部29の曲率半径をR1とし、第2円弧部30の曲率半径をR2としたとき、R1<R2となっている。このように、板体21の指示線31を挟んだ左右の縁の形状を左右非対称(R1<R2)とすることで、図4(b)に示すように、緩止具20をドラムに装着して板体21が断面く字状に屈曲した際、当接部21の垂下点26を挟んだL1の部分とL2の部分の長さが異なっていても、指示線31を挟んだ左右の反力が均衡化し、板体21の屈曲姿勢が安定する。すなわち、この緩止具20は、L1<L2とすると共にR1<R2として、板体21の形状を左右非対称とすることで、ラグボルト8の緩みトルクを考慮した全体としての左右の反力が均衡化し、装着した際に適切な姿勢で安定する。
【0033】
図4(a)に示すように、この緩止具20においては、装着部23の回止孔22をラグボルト8の角頭部8aに押し込む際に上面となる板体21の表面に、回止孔22の中心から当接部24に向けて垂直に指示線31が描かれている。指示線31は、装着時、板体21の上面を示すマークとなり、図5図7に示すように、指示線31が上方から目視できる状態で、回止孔22をラグボルト8の角頭部8aに押し込むことで、当接部24のL1の部分がラグボルト8の緩み方向前方に位置し、当接部24のL2の部分がラグボルト8の緩み方向後方に位置することが確保される。
【0034】
図4(a)に示す回止孔22の内径は、ラグボルト8の角頭部8aのサイズに応じて定められるが、本実施形態では5.5mmとなっている。また、当接部24の長さ(ラグボルト緩み方向前方端27からラグボルト緩み方向後方端28までの長さ)は16mm、当接部24から装着部23の端部までの長さ(板体21の全長)は26mm、装着部23の円部分の直径は16.5mm、板体21の板厚は1.5mmとなっている。なお、これらの数値は、例示であり、限定されるものではない。
【0035】
(作用・効果)
本実施形態に係る「ドラムヘッドの緩止具」20によれば、図4(a)に示すように、可撓性を有する樹脂製の板体21から一体的に構成されているので、極めて簡単な構造であり、打抜加工等によって低コストで製造できる。
【0036】
図4(b)に示すように、装着部23の回止孔22がラグボルト8の角頭部8aに回転不能に押し込まれた状態で当接部24がフープ4のコーナー部4dに当接されたとき、撓み部25が断面く字状に弾性的に撓むため、ラグボルト8の角頭部8aとフープ4の側壁部4bとの距離Xが或る程度異なる各種のドラム1にも適切に装着できる。すなわち、板体21が断面く字状に撓むことで、距離Xの或る程度の長さ違いを吸収することができる。
【0037】
図4(b)に示すように、断面く字状に撓んだ撓み部25の復元力を利用して、板体21の当接部24をフープ4のコーナー部4dに押し付けるようにしているので、板体21の板厚を上述した従来の「テンションキーパー」よりも薄くしても、ラグボルト8の緩みを撓みの復元力によって保持できる。この結果、フープ4への接触面積を最小限に止め、音響性能への影響を抑えつつ、ラグボルト8の緩みを的確に抑えることができる。
【0038】
図4(b)に示すように、断面く字状に撓んだ撓み部25の復元力によって、常に、当接部24がフープ4のコーナー部4dに押し付けられ、その反力によって装着部23の回止孔22がラグボルト8の角頭部8aに押し込まれる方向に力を受けるので、演奏中、ドラムヘッド3が打撃された際に生じる振動による脱落を防止できる。
【0039】
図4(b)に示すように、フープ4の側壁部4bとフランジ部4cとが繋がるコーナー部4dを、断面く字状に撓んだ板体21の反力受としているので、所謂外巻きフランジフープの外巻きフランジ形状を利用して容易に装着できる。また、フープ4への接触が上述した従来の「テンションキーパー」のようにフープ4の側壁部4bではなく(図2(b)参照)コーナー部4dのみとなるので、側壁部4bに接触させる場合と比べるとフープ4の振動を減衰させることなく反力を支持でき、音響性能への影響が抑えられる。
【0040】
以上要するに、本実施形態に係る「ドラムヘッドの緩止具」20によれば、簡単な構造で低コストでラグボルト8の緩みを防止でき、ラグボルト8の角頭部8aとフープ4の側壁部4bとの距離Xが異なる各種のドラムにも対応でき、フープ4への接触面積を最小限に止めて音響性能への影響を抑えつつ、ラグボルト8が緩み方向に回転することを強い力で抑えることができる。
【0041】
(L1<L2)
また、本実施形態に係る緩止具20においては、図4(a)に示すように、当接部24の垂下点26からラグボルト緩み方向前方端27までの長さをL1とし、当接部24の垂下点26からラグボルト緩み方向後方端28までの長さをL2としたとき、L1<L2となっている。このため、図5に示すように、当接部24のL2の部分でラグボルト8の緩みトルクを適切に受けることができ、ラグボルト8の緩みを的確に抑えることができる。
【0042】
(R1<R2)
また、この緩止具20においては、図4(a)に示すように、第1円弧部29の曲率半径をR1とし、第2円弧部30の曲率半径をR2としたとき、R1<R2となっている。このため、L1<L2となっていても、板体21の指示線31を挟んだ左右の撓み量が均衡化し、ドラム1に装着されて断面く字状に撓んだ板体21の姿勢が安定し、装着の固定力が高まる。また、板体21の左右の縁に第1円弧部29および第2円弧部30を凹設することで緩止具20を軽量化でき、緩止具20が装着されたドラム1の楽器本体の振動の減衰を抑えることができ、楽器本来の音響性能への影響を最小限に止めることができる。
【0043】
(指示線31)
また、この緩止具20においては、図4(a)に示すように、板体21の表面に回止孔22の中心から当接部24に向けて垂直に指示線31が描かれており、この指示線31が、装着時、板体21の上面を示すマークとなる。すなわち、図5に示すように、指示線31が上方から目視できる状態で、回止孔22をラグボルト8の角頭部8aに押し込むことで、当接部24のL1の部分がラグボルト8の緩み方向前方に位置し、当接部のL2の部分がラグボルト8の緩み方向後方に位置することが確保され、上述したようにラグボルト8の緩みを適切に抑えることができる。これにより、ユーザーが緩止具20をドラム1に装着する際、板体21の上下面を間違って装着してしまい、ラグボルト8の緩みを適切に抑えられなくなる事態を回避できる。
【0044】
また、指示線31は、緩止具20の上面を示す機能の他、この緩止具20を装着するラグボルト8とは対角線上にあるラグボルト8に対し緩止具20を適正な向きに装着するための目安としても機能する。指示線31がドラムヘッド3(若しくはドラムシェル2)の円の中心を通過し対角線上に向かっていることを前提として緩止具20全体の設計を行っているため、指示線31の向きが左右にズレると緩止具20の装着姿勢が崩れ、緩み止め効果を十分に発揮できなくなる。すなわち、指示線31が円環状のフープ4のコーナー部4dにおける接線と垂直となるように緩止具20をラグボルト8の角頭部8aに装着することで、緩止具20の当接部24がフープ4のコーナー部4dの接線に沿った状態となり、緩止具20の装着姿勢が安定し、適切な緩み止め効果を発揮できる。
【0045】
図4(a)に示す緩止具20は、図5図6図7に示すようにラグボルト8の角頭部8aに装着されるとき、指示線31の向かう先がドラムシェル2の円の中心を通り対角線上のラグボルトとなるように、適切に装着される。このように、緩止具20が適切にラグボルト8の角頭部8aに装着されると、図4(b)に示すように、緩止具20の装着部23の姿勢が略水平となる。この状態は、緩止具20に傾きや捻れを生じておらず、装着姿勢が安定していることを示す。
【0046】
仮に、緩止具20の装着部23の姿勢が水平ではない装着状態で使用を継続すると、回止孔22が楕円に引き延ばされたり左右何れかに捻れたりして角頭部8aに押し込まれた状態となるため長期使用で回止孔22に亀裂が生じ易く、また、緩止具20全体が左右の何れかに傾いた状態となるため長期使用で板体21の左右の何れかの縁に亀裂が生じ易くなってしまう。図4(b)に示すように、装着時に緩止具20の装着部23の姿勢が略水平となることで、これらの問題点を回避できる。なお、このような指示線31の作用効果は、後述する図8の緩止具20aをラグボルト8の角頭部8aに装着するときも同様に発揮される。
【0047】
ところで、図4(b)に示すラグボルト8の角頭部8aとフープ4のコーナー部4dとの距離Yが、緩止具20(板体21)の回止孔22の中心から当接部24までの距離に対して余りに短いドラム1に対しては、その距離Yに応じて当接部24を適宜切断して撓み量を適切に調節することが好ましい。ここで、図4(a)に示す指示線31は、当接部24をハサミやカッター等で切断する際の垂直ガイドとして機能するため、切断した後の当接部24は切断前と同様に指示線31に対して垂直な状態となり、L1<L2が維持される。よって、この緩止具20は、切断後も切断前と同様に適切に撓むことを確保でき、ラグボルト8の緩みを適切に抑えることができる。
【0048】
(直線部32、33)
また、図4(a)に示すように、本実施形態に係る緩止具20においては、板体21の左の縁に第1直線部32が、右の縁に第2直線部33が夫々形成されている。第1直線部32の端部32aは第1円弧部29に接続されており、第2直線部33の端部33aは第2円弧部30に接続されている。これら端部32a、33aを繋ぐ直線Aは、緩止具20の当接部24と平行となっている。この構成によれば、直線Aと、第1直線部32の他の端部32bと第2直線部33の他の端部33bとを繋ぐ直線Bと、第1直線部32と、第2直線部33とで囲まれた四角形の部位に「張り=コシ」が与えられるため、装着時に端部32a、33aを繋ぐ直線Aにて屈曲して当接部24がフープ4のコーナー部4dに沿った状態となり、緩止具20の捻れの防止と、装着部23を水平に保持し易くなるという効果を発揮できる。なお、直線A、Bは仮想線であり、実際には板体21に描かれていない。
【0049】
(変形実施形態)
図8を用いて本発明の変形実施形態に係る「ドラムヘッドの緩止具」20aを説明する。この緩止具20aは、図4(a)に示す前実施形態の緩止具20の第1円弧部29および第2円弧部30を省略し、それぞれ直線部としたものであり、L1<L2は前実施形態と同様である。この緩止具20aの基本的な作用効果は、指示線31の効果も含めて前実施形態と基本的に同様であるので、説明を省略する。
【0050】
以上、添付図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した各実施形態に限定されないことは勿論であり、特許請求の範囲に記載された範疇における各種の変更例又は修正例についても、本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、円筒状のドラムシェル2の開口に、振動膜として装着されたドラムヘッド3の緩みを抑えるためのドラムヘッド3の緩止具に利用できる。
【符号の説明】
【0052】
1 ドラム
2 ドラムシェル
3 ドラムヘッド
4 フープ
4a リム部
4b 側壁部
4c フランジ部
4d コーナー部
6 ラグナット
7 ボルト挿通孔
8 ラグボルト
8a 角頭部
8b 軸部
20 緩止具
21 板体
22 回止孔
23 装着部
24 当接部
25 撓み部
26 垂下点
27 ラグボルトの緩み方向前方端
28 ラグボルトの緩み方向後方端
29 第1円弧部
30 第2円弧部
31 指示線
X 角頭部から側壁部までの距離
Y 角頭部からコーナー部までの距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8