(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022095359
(43)【公開日】2022-06-28
(54)【発明の名称】半導体装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3205 20060101AFI20220621BHJP
H01L 25/065 20060101ALI20220621BHJP
H01L 27/11582 20170101ALI20220621BHJP
H01L 27/11556 20170101ALI20220621BHJP
H01L 27/11548 20170101ALI20220621BHJP
H01L 27/11575 20170101ALI20220621BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
H01L21/88 T
H01L25/08 B
H01L27/11582
H01L27/11556
H01L27/11548
H01L27/11575
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020208637
(22)【出願日】2020-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】澤田 元気
(72)【発明者】
【氏名】田上 政由
(72)【発明者】
【氏名】飯島 純
(72)【発明者】
【氏名】久米 一平
(72)【発明者】
【氏名】吉田 樹誉満
【テーマコード(参考)】
5F033
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F033HH07
5F033HH08
5F033HH11
5F033HH18
5F033JJ07
5F033JJ08
5F033JJ11
5F033JJ18
5F033MM01
5F033MM02
5F033MM13
5F033RR01
5F033RR04
5F033RR06
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5F033VV16
5F083EP02
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5F083EP22
5F083EP76
5F083ER21
5F083GA06
5F083GA10
5F083GA25
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA37
5F083JA39
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083PR40
5F101BA02
5F101BA46
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
(57)【要約】
【課題】好適なパッドを形成することが可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】一の実施形態によれば、半導体装置は、第1絶縁膜内に設けられた第1パッドであって、前記第1絶縁膜の側面および下面に設けられた第1層と、前記第1絶縁膜の側面および下面に前記第1層を介して設けられた第2層とを含む第1パッドを備える。前記装置はさらに、前記第1絶縁膜上に設けられた第2絶縁膜内で前記第1パッド上に設けられた第2パッドであって、前記第2絶縁膜の側面および上面に設けられた第3層と、前記第2絶縁膜の側面および上面に前記第3層を介して設けられた第4層とを含む第2パッドを備える。前記装置はさらに、前記第1パッドの上面と前記第2絶縁膜の下面との間、または、前記第2パッドの下面と前記第1絶縁膜の上面との間に設けられ、前記第1層または前記第3層に含まれる金属元素と同じ金属元素を含む第1部分を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜内に設けられた第1パッドであって、前記第1絶縁膜の側面および下面に設けられた第1層と、前記第1絶縁膜の側面および下面に前記第1層を介して設けられた第2層とを含む第1パッドと、
前記第1絶縁膜上に設けられた第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜内で前記第1パッド上に設けられた第2パッドであって、前記第2絶縁膜の側面および上面に設けられた第3層と、前記第2絶縁膜の側面および上面に前記第3層を介して設けられた第4層とを含む第2パッドと、
前記第1パッドの上面と前記第2絶縁膜の下面との間、または、前記第2パッドの下面と前記第1絶縁膜の上面との間に設けられ、前記第1層または前記第3層に含まれる金属元素と同じ金属元素を含む第1部分と、
を備える半導体装置。
【請求項2】
前記第1部分は、前記金属元素と酸素とを含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記金属元素は、チタン、アルミニウム、またはマンガンを含む、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1層は、前記第1絶縁膜の側面および下面に接している、または、
前記第3層は、前記第2絶縁膜の側面および上面に接している、
請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1絶縁膜は、酸素を含み前記第1部分の下面に接する第1膜を含む、または、
前記第2絶縁膜は、酸素を含み前記第1部分の上面に接する第2膜を含む、
請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1膜または前記第2膜は、自然酸化膜である、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1絶縁膜は、前記第1膜と、炭素と窒素とを含み前記第1膜の下面に接する第3膜とを含む、または、
前記第2絶縁膜は、前記第2膜と、炭素と窒素とを含み前記第2膜の上面に接する第4膜とを含む、
請求項5または6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1パッドと前記第2パッドは、同じ幅を有している、請求項1から7のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1パッドと前記第2パッドは、異なる幅を有している、請求項1から7のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1パッドは、前記第1層および前記第2層を含む第1プラグ上に設けられ、前記第1プラグ内の前記第2層は、前記第1パッド内の前記第2層に接している、または、
前記第2パッドは、前記第3層および前記第4層を含む第2プラグ下に設けられ、前記第2プラグ内の前記第4層は、前記第2パッド内の前記第4層と接している、
請求項1から9のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項11】
第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜内に設けられた第1パッドであって、前記第1絶縁膜の側面および下面に設けられた第1層と、前記第1絶縁膜の側面および下面に前記第1層を介して設けられた第2層とを含む第1パッドと、
前記第1絶縁膜上に設けられた第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜内で前記第1パッドに接しない位置に設けられた第2パッドであって、前記第2絶縁膜の側面および上面に設けられた第3層と、前記第2絶縁膜の側面および上面に前記第3層を介して設けられた第4層とを含む第2パッドと、
前記第1パッドの上面と前記第2絶縁膜の下面との間、または、前記第2パッドの下面と前記第1絶縁膜の上面との間に設けられ、前記第1層または前記第3層に含まれる金属元素と同じ金属元素を含む第1部分と、
を備える半導体装置。
【請求項12】
前記第1部分は、前記金属元素と酸素とを含む、請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記金属元素は、チタン、アルミニウム、またはマンガンを含む、請求項11または12に記載の半導体装置。
【請求項14】
第1絶縁膜内に、前記第1絶縁膜の側面および底面に設けられた第1層と、前記第1絶縁膜の側面および底面に前記第1層を介して設けられた第2層とを含む第1パッドを形成し、
第2絶縁膜内に、前記第2絶縁膜の側面および底面に設けられた第3層と、前記第2絶縁膜の側面および底面に前記第3層を介して設けられた第4層とを含む第2パッドを形成し、
前記第1絶縁膜上に前記第2絶縁膜を配置し、かつ前記第1パッド上に前記第2パッドを配置し、
前記第1パッドの上面と前記第2絶縁膜の下面との間、または、前記第2パッドの下面と前記第1絶縁膜の上面との間に、前記第1層または前記第3層に含まれる金属元素と同じ金属元素を含む第1部分を形成する、
ことを含む半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記第1部分は、前記第1層または前記第3層から拡散した前記金属元素により形成される、請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ある基板上の金属パッドおよび絶縁膜を、別の基板上の金属パッドおよび絶縁膜と貼り合わせて半導体装置を製造する場合、一方の基板上の金属パッドの表面が、他方の基板上の絶縁膜の表面に露出する場合がある。この場合、絶縁膜の表面に露出した金属パッドの表面から金属原子(例えば銅原子)が拡散するなどの問題が生じる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-79901号公報
【特許文献2】特開2020-43120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
好適なパッドを形成することが可能な半導体装置およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態によれば、半導体装置は、第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜内に設けられた第1パッドであって、前記第1絶縁膜の側面および下面に設けられた第1層と、前記第1絶縁膜の側面および下面に前記第1層を介して設けられた第2層とを含む第1パッドとを備える。前記装置はさらに、前記第1絶縁膜上に設けられた第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜内で前記第1パッド上に設けられた第2パッドであって、前記第2絶縁膜の側面および上面に設けられた第3層と、前記第2絶縁膜の側面および上面に前記第3層を介して設けられた第4層とを含む第2パッドとを備える。前記装置はさらに、前記第1パッドの上面と前記第2絶縁膜の下面との間、または、前記第2パッドの下面と前記第1絶縁膜の上面との間に設けられ、前記第1層または前記第3層に含まれる金属元素と同じ金属元素を含む第1部分を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図2】第1実施形態の柱状部CLの構造を示す断面図である。
【
図3】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/2)である。
【
図4】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/2)である。
【
図5】第1実施形態の比較例の半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図6】第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図7】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/5)である。
【
図8】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/5)である。
【
図9】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(3/5)である。
【
図10】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(4/5)である。
【
図11】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(5/5)である。
【
図12】第2実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図13】第2実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/4)である。
【
図14】第2実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/4)である。
【
図15】第2実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(3/4)である。
【
図16】第2実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(4/4)である。
【
図17】第3実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図18】第4実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図19】第5実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図20】第6実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1~
図20において、同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
図1の半導体装置は、アレイチップ1と回路チップ2が貼り合わされた3次元メモリである。
【0009】
アレイチップ1は、複数のメモリセルを含むメモリセルアレイ11と、メモリセルアレイ11上の絶縁膜12と、メモリセルアレイ11下の層間絶縁膜13とを備えている。絶縁膜12は例えば、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜である。層間絶縁膜13は例えば、シリコン酸化膜、または、シリコン酸化膜とその他の絶縁膜とを含む積層膜である。層間絶縁膜13は、第2絶縁膜の例である。
【0010】
回路チップ2は、アレイチップ1下に設けられている。符号Sは、アレイチップ1と回路チップ2との貼合面を示す。回路チップ2は、層間絶縁膜14と、層間絶縁膜14下の基板15とを備えている。層間絶縁膜14は例えば、シリコン酸化膜、または、シリコン酸化膜とその他の絶縁膜とを含む積層膜である。層間絶縁膜14は、第1絶縁膜の例である。基板15は例えば、シリコン基板などの半導体基板である。
【0011】
図1は、基板15の表面に平行で互いに垂直なX方向およびY方向と、基板15の表面に垂直なZ方向とを示している。本明細書では、+Z方向を上方向として取り扱い、-Z方向を下方向として取り扱う。-Z方向は、重力方向と一致していても一致していなくてもよい。
【0012】
アレイチップ1は、メモリセルアレイ11内の複数の電極層として、複数のワード線WLと、ソース線SLとを備えている。
図1は、メモリセルアレイ11の階段構造部21を示している。各ワード線WLは、コンタクトプラグ22を介してワード配線層23と電気的に接続されている。複数のワード線WLを貫通する各柱状部CLは、ビアプラグ24を介してビット線BLと電気的に接続されており、かつソース線SLと電気的に接続されている。ソース線SLは、半導体層である第1層SL1と、金属層である第2層SL2とを含んでいる。
【0013】
回路チップ2は、複数のトランジスタ31を備えている。各トランジスタ31は、基板15上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極32と、基板15内に設けられた不図示のソース拡散層およびドレイン拡散層とを備えている。また、回路チップ2は、これらのトランジスタ31のゲート電極32、ソース拡散層、またはドレイン拡散層上に設けられた複数のコンタクトプラグ33と、これらのコンタクトプラグ33上に設けられ、複数の配線を含む配線層34と、配線層34上に設けられ、複数の配線を含む配線層35とを備えている。
【0014】
回路チップ2はさらに、配線層35上に設けられ、複数の配線を含む配線層36と、配線層36上に設けられた複数のビアプラグ37と、これらのビアプラグ37上に設けられた複数の金属パッド38とを備えている。金属パッド38は例えば、Cu(銅)層を含む金属層である。金属パッド38は第1パッドの例であり、ビアプラグ37は第1プラグの例である。回路チップ2は、アレイチップ1の動作を制御する制御回路(論理回路)として機能する。この制御回路は、トランジスタ31などにより構成されており、金属パッド38に電気的に接続されている。
【0015】
アレイチップ1は、金属パッド38上に設けられた複数の金属パッド41と、金属パッド41上に設けられた複数のビアプラグ42とを備えている。また、アレイチップ1は、これらのビアプラグ42上に設けられ、複数の配線を含む配線層43と、配線層43上に設けられ、複数の配線を含む配線層44とを備えている。金属パッド41は例えば、Cu層を含む金属層である。金属パッド41は第2パッドの例であり、ビアプラグ42は第2プラグの例である。上述のビット線BLは、配線層44に含まれている。上記の制御回路は、金属パッド41、38等を介してメモリセルアレイ11に電気的に接続されており、金属パッド41、38等を介してメモリセルアレイ11の動作を制御する。
【0016】
アレイチップ1はさらに、配線層44上に設けられた複数のビアプラグ45と、これらのビアプラグ45上や絶縁膜12上に設けられた金属パッド46と、金属パッド46上や絶縁膜12上に設けられたパッシベーション膜47とを備えている。金属パッド46は例えば、Cu層を含む金属層であり、
図1の半導体装置の外部接続パッド(ボンディングパッド)として機能する。パッシベーション膜47は例えば、シリコン酸化膜などの絶縁膜であり、金属パッド46の上面を露出させる開口部Pを有している。金属パッド46は、この開口部Pを介してボンディングワイヤ、はんだボール、金属バンプなどにより実装基板や他の装置に接続可能である。
【0017】
図2は、第1実施形態の柱状部CLの構造を示す断面図である。
【0018】
図2に示すように、メモリセルアレイ11は、層間絶縁膜13(
図1)上に交互に積層された複数のワード線WLと複数の絶縁層51とを備えている。ワード線WLは、例えばW(タングステン)層である。絶縁層51は、例えばシリコン酸化膜である。
【0019】
柱状部CLは、ブロック絶縁膜52、電荷蓄積層53、トンネル絶縁膜54、チャネル半導体層55、およびコア絶縁膜56を順に含んでいる。電荷蓄積層53は、例えばシリコン窒化膜であり、ワード線WLおよび絶縁層51の側面にブロック絶縁膜52を介して形成されている。電荷蓄積層53は、ポリシリコン層などの半導体層でもよい。チャネル半導体層55は、例えばポリシリコン層であり、電荷蓄積層53の側面にトンネル絶縁膜54を介して形成されている。ブロック絶縁膜52、トンネル絶縁膜54、およびコア絶縁膜56は、例えばシリコン酸化膜または金属絶縁膜である。
【0020】
図3および
図4は、第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0021】
図3は、複数のアレイチップ1を含むアレイウェハW1と、複数の回路チップ2を含む回路ウェハW2とを示している。アレイウェハW1は「メモリウェハ」とも呼ばれ、回路ウェハW2は「CMOSウェハ」とも呼ばれる。
【0022】
図3のアレイウェハW1の向きは、
図1のアレイチップ1の向きとは逆であることに留意されたい。本実施形態では、アレイウェハW1と回路ウェハW2とを貼り合わせることで半導体装置を製造する。
図3は、貼合のために向きを反転される前のアレイウェハW1を示しており、
図1は、貼合のために向きを反転されて貼合およびダイシングされた後のアレイチップ1を示している。
【0023】
図3において、符号S1はアレイウェハW1の上面を示し、符号S2は回路ウェハW2の上面を示している。アレイウェハW1は、絶縁膜12下に設けられた基板16を備えていることに留意されたい。基板16は例えば、シリコン基板などの半導体基板である。
【0024】
本実施形態ではまず、
図3に示すように、アレイウェハW1の基板16上にメモリセルアレイ11、絶縁膜12、層間絶縁膜13、階段構造部21、金属パッド41などを形成し、回路ウェハW2の基板15上に層間絶縁膜14、トランジスタ31、金属パッド38などを形成する。例えば、基板16上にビアプラグ45、配線層44、配線層43、ビアプラグ42、および金属パッド41が順に形成される。また、基板15上にコンタクトプラグ33、配線層34、配線層35、配線層36、ビアプラグ37、および金属パッド38が順に形成される。次に、
図4に示すように、アレイウェハW1と回路ウェハW2とを機械的圧力により貼り合わせる。これにより、層間絶縁膜13と層間絶縁膜14とが接着される。次に、アレイウェハW1および回路ウェハW2を400℃でアニールする。これにより、金属パッド41と金属パッド38とが接合される。
【0025】
その後、基板15をCMP(Chemical Mechanical Polishing)により薄膜化し、基板16をCMPにより除去した後、アレイウェハW1および回路ウェハW2を複数のチップに切断する。このようにして、
図1の半導体装置が製造される。
図1は、金属パッド38および層間絶縁膜14を含む回路チップ2と、金属パッド38および層間絶縁膜14上にそれぞれ配置された金属パッド41および層間絶縁膜13を含むアレイチップ1とを示している。なお、金属パッド46とパッシベーション膜47は例えば、基板15の薄膜化および基板16の除去の後に、絶縁膜12上に形成される。
【0026】
なお、本実施形態ではアレイウェハW1と回路ウェハW2とを貼り合わせているが、代わりにアレイウェハW1同士を貼り合わせてもよい。
図1~
図4を参照して前述した内容や、
図5~
図20を参照して後述する内容は、アレイウェハW1同士の貼合にも適用可能である。
【0027】
また、
図1は、層間絶縁膜13と層間絶縁膜14との境界面や、金属パッド41と金属パッド38との境界面を示しているが、上記のアニール後はこれらの境界面が観察されなくなることが一般的である。しかしながら、これらの境界面のあった位置は、例えば金属パッド41の側面や金属パッド38の側面の傾きや、金属パッド41の側面と金属パッド38との位置ずれを検出することで推定することができる。
【0028】
また、本実施形態の半導体装置は、複数のチップに切断された後の
図1の状態で取引の対象となってもよいし、複数のチップに切断される前の
図4の状態で取引の対象となってもよい。
図1は、チップの状態の半導体装置を示し、
図4は、ウェハの状態の半導体装置を示している。本実施形態では、1つのウェハ状の半導体装置(
図4)から、複数のチップ状の半導体装置(
図1)が製造される。
【0029】
図5は、第1実施形態の比較例の半導体装置の構造を示す断面図である。
図6は、第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
図5に示す半導体装置と、
図6に示す半導体装置との違いは、例えば金属層61の有無である。金属層61は、第1部分の例である。
【0030】
以下、
図6を参照して、本実施形態の半導体装置の構造を説明し、その後に
図5および
図6を参照して、本実施形態の半導体装置と比較例の半導体装置とを比較する。
【0031】
本実施形態(
図6)では、層間絶縁膜14は、貼合面S下に順に設けられた絶縁膜14e、14d、14c、14b、14aを含んでおり、層間絶縁膜13は、貼合面S上に順に設けられた絶縁膜13e、13d、13c、13b、13aを含んでいる。さらに、金属パッド38は、層間絶縁膜14内に順に設けられたバリアメタル層38aとパッド材層38bとを含んでおり、金属パッド41は、層間絶縁膜13内に順に設けられたバリアメタル層41aとパッド材層41bとを含んでいる。本実施形態の半導体装置はさらに、上述の金属層61を備えている。
【0032】
絶縁膜14a、14c、14e、13a、13c、13eは、例えばSiO2膜(シリコン酸化膜)である。絶縁膜14b、13bは、例えばSiN膜(シリコン窒化膜)である。本実施形態の絶縁膜14b、13bは例えばそれぞれ、金属パッド38、41を埋め込むための穴をエッチングにより層間絶縁膜14、13内に形成する際に、エッチングストッパとして使用される。絶縁膜14d、13dは、例えばSiCN膜(シリコン炭窒化膜)である。本実施形態の絶縁膜14d、13dは例えばそれぞれ、金属パッド38、41内のCu原子が層間絶縁膜14、13内に拡散するのを防止するために形成される。絶縁膜14d、13dは、それぞれ第3膜と第4膜の例である。また、絶縁膜14e、13eは、それぞれ第1膜と第2膜の例である。
【0033】
本実施形態の絶縁膜14e、13eは、アレイウェハW1と回路ウェハW2とを貼り合わせる前に、それぞれ絶縁膜14d、13dの自然酸化により形成された自然酸化膜である。そのため、本実施形態の絶縁膜14eの下面は、絶縁膜14dの上面に接しており、本実施形態の絶縁膜13eの上面は、絶縁膜13eの下面に接している。また、本実施形態の絶縁膜14eの上面は、絶縁膜13eの下面に接している。なお、絶縁膜14e、13eは、自然酸化以外の原因で形成されてもよく、例えば、層間絶縁膜14、13の表面のCMPやプラズマ処理により形成されてもよい。
【0034】
バリアメタル層38aは、層間絶縁膜14の側面と下面(底面)とに形成されており、層間絶縁膜14の側面と下面とに接している。パッド材層38bは、層間絶縁膜14の側面と下面とにバリアメタル層38aを介して形成されている。同様に、バリアメタル層41aは、層間絶縁膜13の側面と上面(底面)とに形成されており、層間絶縁膜13の側面と上面とに接している。パッド材層41bは、層間絶縁膜13の側面と上面とにバリアメタル層41aを介して形成されている。バリアメタル層38a、41aは、それぞれ第1層と第3層の例である。パッド材層38b、41bは、それぞれ第2層と第4層の例である。
【0035】
バリアメタル層38a、41aは例えば、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)、またはMn(マンガン)を含む金属層であり、ここではTi層である。本実施形態のバリアメタル層38a、41aは例えばそれぞれ、金属パッド38、41内のCu原子が層間絶縁膜14、13内に拡散するのを防止するために形成される。バリアメタル層38a、41aは、金属元素と非金属元素とを含む金属化合物層でもよく、例えば、金属酸化膜や金属窒化膜でもよい。また、バリアメタル層38a、41aは、2種類以上の金属元素を含む合金層でもよい。パッド材層38b、41bは例えば、Cuを含む金属層であり、ここではCu層である。パッド材層38b、41bは、Cu層以外の金属層でもよい。
【0036】
本実施形態の金属パッド38と金属パッド41は、同じ平面形状を有している。これらの平面形状はここでは、X方向に延びる二辺と、Y方向に延びる二辺とを有する正方形または長方形である。よって、本実施形態の金属パッド41のX方向の幅とY方向の幅はそれぞれ、金属パッド38のX方向の幅とY方向の幅と同じになっている。
【0037】
そのため、もし金属パッド41が金属パッド38の真上に配置されていれば、金属パッド41の下面は、金属パッド38の上面のみと接することになり、金属パッド38以外の層の上面には接しないことになる。同様に、金属パッド38の下面は、金属パッド41の下面のみと接することになり、金属パッド41以外の層の下面には接しないことになる。
【0038】
しかしながら、本実施形態の金属パッド41は金属パッド38の真上には配置されていない。そのため、本実施形態の金属パッド41の下面は、金属パッド38の上面と接しているだけでなく、層間絶縁膜14の上面上に設けられている。同様に、本実施形態の金属パッド38の上面は、金属パッド38の下面と接しているだけでなく、層間絶縁膜13の下面下に設けられている。そして、本実施形態では、金属層61が、金属パッド38の上面と層間絶縁膜13の下面との間と、金属パッド41の下面と層間絶縁膜14の上面との間とに形成されている。
【0039】
金属層61は例えば、バリアメタル層38a、41a内に含まれる金属元素と同じ金属元素を含んでいる。この金属元素は、例えばTi、Al、またはMnである。金属層61はさらに、酸素を含んでいてもよい。本実施形態では、バリアメタル層38a、41aはTi層であり、金属層61はTiOx(酸化チタン)層である。
【0040】
本実施形態の金属層61は、バリアメタル層38a、41a内のTi原子が、パッド材層38bと絶縁膜13eとの界面や、パッド材層41bと絶縁膜14eとの界面に拡散されることで形成され、これらの界面の位置に自己整合的に形成される。本実施形態の金属層61は、バリアメタル層38a、41aに由来するTi原子と、絶縁膜14e、13eに由来するO原子とを含むTiOx層となる。よって、本実施形態の金属層61の下面は、絶縁膜14eの上面やパッド材層38bの上面に接しており、本実施形態の金属層61の上面は、絶縁膜13eの下面やパッド材層41bの下面に接している。
【0041】
なお、金属層61は、バリアメタル層38aとバリアメタル層41aのいずれか一方のみに含まれる金属元素と同じ金属元素を含んでいてもよい。例えば、バリアメタル層38a、41aのうちのバリアメタル層38aのみがTi原子を含み、バリアメタル層38aから拡散したTi原子により金属層61が形成される場合には、バリアメタル層38aと金属層61がTiを含み、バリアメタル層41aがTiを含まないこととなる。
【0042】
また、本実施形態の金属層61は、層とは呼べないほどの薄い厚さや小さいサイズで、金属パッド38と層間絶縁膜13との間や、金属パッド41と層間絶縁膜14との間に形成されていてもよい。本実施形態の金属層61が形成される過程のさらなる詳細については、後述する。
【0043】
次に、
図5および
図6を参照して、本実施形態の半導体装置と比較例の半導体装置とを比較する。
【0044】
比較例(
図5)では、バリアメタル層38a、41aが、Ti層ではなくTa(タンタル)層となっている。Ta原子は、Ti原子に比べて拡散されにくい。そのため、比較例では、金属パッド38と層間絶縁膜13との間や、金属パッド41と層間絶縁膜14との間に、金属層61が形成されていない。
【0045】
また、比較例では、絶縁膜14e、13e(SiO2膜)が、本実施形態と同様に絶縁膜14d、13d(SiCN膜)間に形成されている。SiO2膜は、SiCN膜に比べて、Cu原子の拡散を防止する作用が小さい。そのため、比較例では、金属パッド38、41内のCu原子が、絶縁膜14e、13eを介して層間絶縁膜14、13内に拡散してしまう。Cu原子の拡散は例えば、半導体装置を製造する際のアニール工程で生じる可能性がある。層間絶縁膜14、13内に拡散したCu原子は例えば、金属パッド38同士の間、金属パッド41同士の間、金属パッド38と金属パッド41との間などでリーク電流が生じる原因となる。
【0046】
層間絶縁膜14、13内へのCu原子の拡散は、金属パッド38、41が同じ平面形状を有し、金属パッド41が金属パッド38の真上に配置されていれば、ほとんど問題とならない。この場合には、金属パッド41の下面は、金属パッド38の上面のみと接することになり、金属パッド38の上面も、金属パッド41の下面のみと接することになるからである。
【0047】
しかしながら、アレイウェハW1と回路ウェハW2とを貼り合わせる際に、金属パッド38と金属パッド41との位置合わせに誤差が生じる場合がある。この場合には、金属パッド41が金属パッド38の真上に配置されず、金属パッド41の下面は、層間絶縁膜14の上面にも接することになり、金属パッド38の上面は、層間絶縁膜13の下面にも接することになる。
【0048】
この場合でも、層間絶縁膜14の上面が絶縁膜14d(SiCN膜)で形成され、層間絶縁膜13の下面が絶縁膜13d(SiCN膜)で形成されていれば、層間絶縁膜14、13内へのCu原子の拡散を抑制できる。SiCN膜は、Cu原子の拡散を防止する作用が大きいからである。しかしながら、自然酸化などにより層間絶縁膜14、13が絶縁膜14e、13e(SiO2膜)を含んでいると、金属パッド38、41内のCu原子が、絶縁膜14e、13eを介して層間絶縁膜14、13内に拡散してしまう。
【0049】
一方、本実施形態(
図6)では、バリアメタル層38a、41aが、Ti層となっている。Ti原子は、Ta原子に比べて拡散されやすい。そのため、本実施形態では、金属パッド38と層間絶縁膜13との間や、金属パッド41と層間絶縁膜14との間に、金属層61が形成されている。よって、本実施形態によれば、金属パッド41が金属パッド38の真上に配置されておらず、かつ、自然酸化などにより層間絶縁膜14、13が絶縁膜14e、13e(SiO
2膜)を含んでいる場合でも、金属パッド38、41から層間絶縁膜14、13へのCu原子の拡散を金属層61により抑制することが可能となる。なお、金属層61をもたらすTi原子の拡散は例えば、半導体装置を製造する際のアニール工程で生じる。
【0050】
バリアメタル層38a、41aとしてTi層を使用することには、TiOx層(金属層61)のバリア性が高いという利点や、Ti層を形成するコストが安く済むという利点がある。なお、このようなバリア効果は、Al層を使用してAlOx層を形成する場合や、Mn層を使用してMnOx層を形成する場合にも得ることができる。
【0051】
なお、本実施形態の金属パッド41が金属パッド38の真上にない構造は、金属パッド38と金属パッド41との位置合わせの誤差により生じてもよいし、半導体装置を製造する際に意図的に生じさせてもよい。
【0052】
図7~
図11は、第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
図7~
図11に示す方法は、
図3および
図4に示す方法の具体例に相当する。
【0053】
まず、アレイウェハW1および回路ウェハW2を、
図7に示す構造に加工する。具体的には、基板16(
図3参照)の上方に絶縁膜13aを形成し、絶縁膜13a内にビアプラグ42を形成し、絶縁膜13aおよびビアプラグ42上に絶縁膜13b、13c、13dを順に形成し、絶縁膜13b、13c、13d内にバリアメタル層41aとパッド材層41bとを順に形成する。同様に、基板15(
図3参照)の上方に絶縁膜14aを形成し、絶縁膜14a内にビアプラグ37を形成し、絶縁膜14aおよびビアプラグ37上に絶縁膜14b、14c、14dを順に形成し、絶縁膜14b、14c、14d内にバリアメタル層38aとパッド材層38bとを順に形成する。その結果、層間絶縁膜13、14内にそれぞれ金属パッド41、38が形成される。
【0054】
次に、絶縁膜13d、14dの表面に、酸化によりそれぞれ絶縁膜13e、14eが形成される(
図8)。絶縁膜13e、14eは例えば、自然酸化により形成される。
【0055】
次に、金属パッド41が金属パッド38上に配置され、層間絶縁膜13が層間絶縁膜14上に配置されるように、アレイウェハW1と回路ウェハW2とを機械的圧力により貼り合わせる(
図9)。これにより、層間絶縁膜13と層間絶縁膜14とが接着される。
図9では、金属パッド38と金属パッド41との位置合わせに誤差が生じており、金属パッド38の上面の一部と金属パッド41の下面の一部とが接している。
【0056】
次に、アレイウェハW1および回路ウェハW2をアニールする(
図10)。これにより、金属パッド41と金属パッド38とが接合される。
図10はさらに、パッド材層38b、41b内の結晶粒間の粒界αと、粒界αや貼合面Sに沿って拡散するTi原子群βとを示している。本実施形態では、
図10に示す工程におけるアニールにより、バリアメタル層38a、41aからTi原子が拡散する。
【0057】
その結果、バリアメタル層38a、41a内のTi原子が、パッド材層38bと絶縁膜13eとの界面や、パッド材層41bと絶縁膜14eとの界面に拡散され、これらの界面の位置に金属層61が自己整合的に形成される(
図11)。具体的には、バリアメタル層38a、41aからこれらの界面に拡散されたTi原子が、絶縁膜14e、13e内のO原子と反応し、金属層61としてTiO
x層が形成される。よって、本実施形態によれば、金属パッド38、41から層間絶縁膜14、13へのCu原子の拡散を金属層61により抑制することが可能となる。
【0058】
このようにして、
図6の半導体装置が製造される。その後、基板15をCMPにより薄膜化し、基板16をCMPにより除去した後、アレイウェハW1および回路ウェハW2を複数のチップに切断する。このようにして、
図1の半導体装置が製造される。
【0059】
以上のように、本実施形態の半導体装置は、金属パッド38の上面と層間絶縁膜13の下面との間や、金属パッド41の下面と層間絶縁膜14の上面との間に、バリアメタル層38a、41aに含まれる金属元素と同じ金属元素を含む金属層61を備えている。よって、本実施形態によれば、パッド材層38b、41bから絶縁膜14e、13eへの金属原子(例えばCu原子)の拡散を抑制できるなど、好適な金属パッド38、41を形成することが可能となる。
【0060】
(第2実施形態)
図12は、第2実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0061】
本実施形態の層間絶縁膜13、14は、絶縁膜13d、14d(SiCN膜)を備えておらず、その結果、絶縁膜13e、14e(SiO2膜)も備えていない。本実施形態では、層間絶縁膜13内の絶縁膜13c(SiO2膜)と、層間絶縁膜14内の絶縁膜14c(SiO2膜)が、貼合面Sで互いに接している。
【0062】
本実施形態の半導体装置も、金属層61を備えている。本実施形態の金属層61は、バリアメタル層38a、41aから拡散されたTi原子が、絶縁膜14c、13c内のO原子と反応して形成される。
【0063】
本実施形態によれば、絶縁膜13d、14dを形成する手間を省略することが可能となる。また、本実施形態によれば、層間絶縁膜13、14の表面付近に絶縁膜13d、14dが存在しないため、層間絶縁膜13、14の表面をCMPにより容易に平坦化することが可能となる。一方、第1実施形態によれば、Cu原子の拡散を、金属層61によって抑制できるだけでなく、絶縁膜13d、14dによっても抑制することができる。
【0064】
【0065】
まず、アレイウェハW1および回路ウェハW2を、
図13に示す構造に加工する。具体的には、基板16(
図3参照)の上方に絶縁膜13aを形成し、絶縁膜13a内にビアプラグ42を形成し、絶縁膜13aおよびビアプラグ42上に絶縁膜13b、13cを順に形成し、絶縁膜13b、13c内にバリアメタル層41aとパッド材層41bとを順に形成する。同様に、基板15(
図3参照)の上方に絶縁膜14aを形成し、絶縁膜14a内にビアプラグ37を形成し、絶縁膜14aおよびビアプラグ37上に絶縁膜14b、14cを順に形成し、絶縁膜14b、14c内にバリアメタル層38aとパッド材層38bとを順に形成する。その結果、層間絶縁膜13、14内にそれぞれ金属パッド41、38が形成される。
【0066】
次に、金属パッド41が金属パッド38上に配置され、層間絶縁膜13が層間絶縁膜14上に配置されるように、アレイウェハW1と回路ウェハW2とを機械的圧力により貼り合わせる(
図14)。これにより、層間絶縁膜13と層間絶縁膜14とが接着される。
図14では、金属パッド38と金属パッド41との位置合わせに誤差が生じており、金属パッド38の上面の一部と金属パッド41の下面の一部とが接している。
【0067】
次に、アレイウェハW1および回路ウェハW2をアニールする(
図15)。これにより、金属パッド41と金属パッド38とが接合される。
図15はさらに、パッド材層38b、41b内の結晶粒間の粒界αと、粒界αや貼合面Sに沿って拡散するTi原子群βとを示している。本実施形態では、
図15に示す工程におけるアニールにより、バリアメタル層38a、41aからTi原子が拡散する。
【0068】
その結果、バリアメタル層38a、41a内のTi原子が、パッド材層38bと絶縁膜13cとの界面や、パッド材層41bと絶縁膜14cとの界面に拡散され、これらの界面の位置に金属層61が自己整合的に形成される(
図16)。具体的には、バリアメタル層38a、41aからこれらの界面に拡散されたTi原子が、絶縁膜14c、13c内のO原子と反応し、金属層61としてTiO
x層が形成される。よって、本実施形態によれば、金属パッド38、41から層間絶縁膜14、13へのCu原子の拡散を金属層61により抑制することが可能となる。
【0069】
このようにして、
図12の半導体装置が製造される。その後、基板15をCMPにより薄膜化し、基板16をCMPにより除去した後、アレイウェハW1および回路ウェハW2を複数のチップに切断する。このようにして、
図1の半導体装置が製造される。
【0070】
以上のように、本実施形態の半導体装置は、金属パッド38の上面と層間絶縁膜13の下面との間や、金属パッド41の下面と層間絶縁膜14の上面との間に、バリアメタル層38a、41aに含まれる金属元素と同じ金属元素を含む金属層61を備えている。よって、本実施形態によれば、パッド材層38b、41bから絶縁膜14c、13cへの金属原子(例えばCu原子)の拡散を抑制できるなど、好適な金属パッド38、41を形成することが可能となる。
【0071】
(第3実施形態)
図17は、第3実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0072】
本実施形態の層間絶縁膜13は、絶縁膜13d(SiCN膜)を備えておらず、その結果、絶縁膜13e(SiO2膜)も備えていない。一方、本実施形態の層間絶縁膜14は、絶縁膜14d(SiCN膜)を備えており、その結果、絶縁膜14e(SiO2膜)も備えている。本実施形態では、層間絶縁膜13内の絶縁膜13c(SiO2膜)と、層間絶縁膜14内の絶縁膜14e(SiO2膜)が、貼合面Sで互いに接している。
【0073】
本実施形態の半導体装置も、金属層61を備えている。本実施形態の金属層61は、バリアメタル層38a、41aから拡散されたTi原子が、絶縁膜14e、13c内のO原子と反応して形成される。
【0074】
本実施形態によれば、層間絶縁膜14については第1実施形態と同様の利点を享受することが可能となり、層間絶縁膜13については第2実施形態と同様の利点を享受することが可能となる。本実施形態の半導体装置は例えば、アレイウェハW1について
図13~
図16に示す方法を適用し、回路ウェハW2について
図7~
図11に示す方法を適用することで製造可能である。
【0075】
なお、本実施形態の半導体装置は、層間絶縁膜13が絶縁膜13d、13eを備えていてもよく、層間絶縁膜14が絶縁膜14d、14eを備えていなくてもよい。
【0076】
(第4実施形態)
図18は、第4実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0077】
第1~第3実施形態の金属パッド38とビアプラグ37は、シングルダマシン配線となっているのに対し、本実施形態の金属パッド38とビアプラグ37は、デュアルダマシン配線となっている。よって、本実施形態のビアプラグ37内のバリアメタル層37aおよびプラグ材層37bはそれぞれ、金属パッド38内のバリアメタル層38aおよびパッド材層38bと同じであり、ビアプラグ37内のプラグ材層37bは、金属パッド38内のパッド材層38bと接している。別言すると、パッド材層38bとプラグ材層37bとの境界面には、バリアメタル層38a、37bが設けられていない。バリアメタル層38aとバリアメタル層37bは第1層の例であり、パッド材層38bとプラグ材層37bは第2層の例である。
【0078】
同様に、第1~第3実施形態の金属パッド41とビアプラグ42は、シングルダマシン配線となっているのに対し、本実施形態の金属パッド41とビアプラグ42は、デュアルダマシン配線となっている。よって、本実施形態のビアプラグ42内のバリアメタル層42aおよびプラグ材層42bはそれぞれ、金属パッド41内のバリアメタル層41aおよびパッド材層41bと同じであり、ビアプラグ42内のプラグ材層42bは、金属パッド41内のパッド材層41bと接している。別言すると、パッド材層41bとプラグ材層42bとの境界面には、バリアメタル層41a、42bが設けられていない。バリアメタル層41aとバリアメタル層42bは第3層の例であり、パッド材層41bとプラグ材層42bは第4層の例である。
【0079】
本実施形態によれば、金属パッド38とビアプラグ37とを少ない工程で形成することが可能となり、金属パッド41とビアプラグ42とを少ない工程で形成することが可能となる。本実施形態の半導体装置は例えば、
図7~
図11に示す方法を適用する際に、
図7の工程でシングルダマシン法の代わりにデュアルダマシン法を使用することで製造可能である。
【0080】
(第5実施形態)
図19は、第5実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0081】
本実施形態の金属パッド38と金属パッド41は、異なる平面形状を有している。本実施形態の金属パッド38と金属パッド41の平面形状は、いずれも正方形または長方形であるが、金属パッド41のX方向の幅が、金属パッド38のX方向の幅と異なっており、金属パッド41のY方向の幅が、金属パッド38のY方向の幅と異なっている。例えば、金属パッド41のX方向の幅が、金属パッド38のX方向の幅より短くなっており、金属パッド41のY方向の幅が、金属パッド38のY方向の幅より短くなっており、金属パッド41の下面の全体が、金属パッド38の上面の一部と接している。
【0082】
本実施形態の半導体装置も、金属層61を備えている。本実施形態の金属層61は、バリアメタル層38a、41aから拡散されたTi原子が、主に絶縁膜13e内のO原子と反応して形成される。
【0083】
第1~第4実施形態では、金属パッド38と金属パッド41との位置合わせに誤差が生じると、金属パッド38と金属パッド41との接触面積が変化し、金属パッド38と金属パッド41との接触抵抗が変化してしまう。一方、本実施形態では、金属パッド38と金属パッド41との位置合わせに小さな誤差が生じても、金属パッド38と金属パッド41との接触面積は変化せず、金属パッド38と金属パッド41との接触抵抗は変化しない。よって、本実施形態によれば、金属パッド38と金属パッド41との位置合わせの誤差に伴う問題を抑制することが可能となる。
【0084】
本実施形態の金属パッド38と金属パッド41は異なる平面形状を有しているため、金属パッド38と金属パッド41との位置合わせの誤差が生じなくても、金属パッド38の上面が層間絶縁膜13の下面下に位置する部分、または、金属パッド41の下面が層間絶縁膜14の上面上に位置する部分が出現する。本実施形態では、このような部分に金属層61を形成することができる。よって、本実施形態によれば、金属パッド38と金属パッド41が異なる平面形状を有する場合の利点を享受しつつ、金属パッド38と金属パッド41が異なる平面形状を有する場合の欠点を抑制することが可能となる。
【0085】
本実施形態の半導体装置は例えば、
図7~
図11に示す方法を適用する際に、
図7の工程で金属パッド38の平面形状と金属パッド41の平面形状とを異ならせることで製造可能である。なお、本実施形態ではデュアルダマシン法の代わりにシングルダマシン法を使用してもよい。
【0086】
(第6実施形態)
図20は、第6実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0087】
本実施形態の半導体装置は、互いに接する金属パッド38、41だけでなく(
図1などを参照)、
図20に示すように互いに接しない金属パッド38、41を備えている。このような金属パッド38、41は例えば、アレイウェハW1と回路ウェハW2とを電気的に接続するのに使用されないダミーパッドとして形成される。ダミーパッドは例えば、貼合面Sにおける金属パッド38、41の密度を調整するために形成される。
【0088】
本実施形態の半導体装置も、金属層61を備えている。本実施形態の金属パッド38上の金属層61は、バリアメタル層38aから拡散されたTi原子が、主に絶縁膜13e内のO原子と反応して形成される。一方、本実施形態の金属パッド41下の金属層61は、バリアメタル層41aから拡散されたTi原子が、主に絶縁膜14e内のO原子と反応して形成される。
【0089】
本実施形態の半導体装置は例えば、
図7~
図11に示す方法を適用する際に、
図9の工程において、
図20に示す金属パッド38と金属パッド41とが接しないようにアレイウェハW1と回路ウェハW2とを貼り合わせることで製造可能である。
【0090】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置および方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置および方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
【符号の説明】
【0091】
1:アレイチップ、2:回路チップ、
11:メモリセルアレイ、12:絶縁膜、13:層間絶縁膜、13a:絶縁膜、
13b:絶縁膜、13c:絶縁膜、13d:絶縁膜、13e:絶縁膜、
14:層間絶縁膜、14a:絶縁膜、14b:絶縁膜、14c:絶縁膜、
14d:絶縁膜、14e:絶縁膜、15:基板、16:基板、
21:階段構造部、22:コンタクトプラグ、
23:ワード配線層、24:ビアプラグ、
31:トランジスタ、32:ゲート電極、33:コンタクトプラグ、
34:配線層、35:配線層、36:配線層、
37:ビアプラグ、37a:バリアメタル層、37b:プラグ材層、
38:金属パッド、38a:バリアメタル層、38b:パッド材層、
41:金属パッド、41a:バリアメタル層、41b:パッド材層、
42:ビアプラグ、42a:バリアメタル層、42b:プラグ材層、
43:配線層、44:配線層、
45:ビアプラグ、46:金属パッド、47:パッシベーション膜、
51:絶縁層、52:ブロック絶縁膜、53:電荷蓄積層、54:トンネル絶縁膜、
55:チャネル半導体層、56:コア絶縁膜、61:金属層