(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022095496
(43)【公開日】2022-06-28
(54)【発明の名称】ポータブル発電機用防音装置
(51)【国際特許分類】
F02B 77/13 20060101AFI20220621BHJP
F02B 63/04 20060101ALI20220621BHJP
F01P 5/06 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
F02B77/13 M
F02B63/04 B
F02B63/04 Z
F01P5/06 508
F01P5/06 511A
F01P5/06 511E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020208855
(22)【出願日】2020-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】508241602
【氏名又は名称】有限会社エコルート
(74)【代理人】
【識別番号】100133802
【弁理士】
【氏名又は名称】富樫 竜一
(74)【代理人】
【識別番号】100197181
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 泰子
(72)【発明者】
【氏名】菊田昌志
(57)【要約】 (修正有)
【課題】排気ダクト入口をポータブル発電機の排気口に合わせることができる防音装置および収容空間内での排気ガスの滞留を防ぐことができる防音装置を提供する。
【解決手段】ポータブル発電機用の防音装置1であって、底面8を開口させるとともに一側面の全面若しくは一部に開口12を設けたカバー体3と、前記開口12の内面に外形若しくは外形の一部が密に接触して当該開口を塞ぐ排気ユニット4を設け、前記カバー体3と当該カバー体3に装着した前記排気ユニット4によって底面8を開口させた収容空間2を形成し、前記排気ユニット4の内部に前記収容空間2と外部空間とを連通させるダクト5を設け、前記ダクト5に通じる排気入口6を、前記ポータブル発電機の排気口に近接して配置若しくは前記ポータブル発電機の排気口から吐出される排気を前記ダクトに誘導可能な排気入口調整手段7によって構成したことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポータブル発電機を覆う収容空間を有したカバー体と、
当該カバー体の一側に排気ユニットを設け、
前記排気ユニットは内部に前記収容空間と外部空間とを連通させるダクトを設けたものであり、
前記収容空間側に設けられた前記ダクトの排気入口を、前記ポータブル発電機の排気口に近接若しくは接続可能な排気入口調整手段によって構成したことを特徴とするポータブル発電機用防音装置。
【請求項2】
底面を開口させるとともに一側面の全面若しくは一部に開口を設けたカバー体と、
前記開口の内面に外形若しくは外形の一部が密に接触して当該開口を塞ぐ排気ユニットを設け、
前記カバー体と当該カバー体に装着した前記排気ユニットによって底面を開口させた収容空間を形成し、
前記排気ユニットの内部に前記収容空間と外部空間とを連通させるダクトを設け、
前記ダクトに通じる排気入口を、前記ポータブル発電機の排気口に近接して配置若しくは前記ポータブル発電機の排気口から吐出される排気を前記ダクトに誘導可能な排気入口調整手段によって構成したことを特徴とするポータブル発電機用防音装置。
【請求項3】
前記排気入口調整手段を、排気入口を構成する開口を設けた着脱可能な装着部材によって構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のポータブル発電機用の防音装置。
【請求項4】
前記カバー体の他側面に吸気口を設けた給気部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項記載のポータブル発電機用防音装置。
【請求項5】
前記給気部を前記カバー体に対して着脱可能に設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項記載のポータブル発電機用防音装置。
【請求項6】
前記給気部を内部に電動ファンを設けた強制給気ユニットによって構成したことを特徴とする請求項4乃至5記載のポータブル発電機用の防音装置。
【請求項7】
収容したポータブル発電機の電源出力端子に接続して電力を取得する電力取得手段を有し、当該電力取得手段を前記吸気ファンおよび外部出力端子に接続したことを特徴とする請求項6記載のポータブル発電機用の防音装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポータブル発電機用の防音装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポータブル発電機を覆う特許文献1記載の防音装置がある。ポータブル発電機は動力源としてガソリン等の燃料を燃焼させるエンジンを使用しているため排気ガスと騒音を発生する。ポータブル発電機は、災害が発生した場合に使用する避難所等の長時間人々が存在する場所の近くで使用する場合が想定される。特許文献1は、このような使用状況を想定してポータブル発電機から生じる騒音の軽減とカバー内で生じる燃焼ガスの排出を円滑に行わせるようにした防音装置を開示している。
【0003】
ポータブル発電機によって生じる騒音は、エンジンや発電部等の駆動部分によって生じるメカノイズと、燃料の爆発音および燃焼に伴って膨張した燃焼ガスが大気側に放出される際の排気音である。メカノイズと爆発音は、ポータブル発電機を覆うカバーによって減衰させることができる。また、膨張した燃焼ガスと大気との圧力差によって生じる騒音は、大気に到達するまでの経路を長くすることで緩和させることができる。このような観点から上記防音装置は、防音効果の高いシェルによってカバーを形成し、ダクトを設けて排気経路を長くしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、ポータブル発電機には様々の形態のものが存在する。多くは吸気口を設けた側面とは異なる側面に排気口を設けており、排気口の位置も様々である。エンジンから排出された排気ガスは、防音装置内に留まること無く外部に排出されることが好ましいが、ポータブル発電機の排気口と防音装置内の排気ダクト入口が近接して対向していないと排気ガスを円滑に排出することができない。
一方、同一の防音装置を機種の異なる多くのポータブル発電機に使用すると、ポータブル発電機の排気口と排気ダクト入口が対向しない場合が生じる。本発明は当該事情に鑑み、排気ダクト入口をポータブル発電機の排気口に合わせることができる防音装置の提供を課題とするものである。
【0006】
また、ポータブル発電機の大きさは概ねポータブル発電機の発電出力によって変わるものである。発電出力の異なる複数機種のポータブル発電機に対応した防音装置を構成しようとすると、必然的に大きめのポータブル発電機を収容できるサイズに構成し、これに小さめのポータブル発電機を収容して使用する場合が生じる。小さめのポータブル発電機を使用する場合、ポータブル発電機の吸気口や排気口に対して防音装置の給気口若しくは排気入口との距離が大きくなり、効率よく排気できずポータブル発電機を収容した空間に排気ガスが滞留しやすくなる。本発明は当該事情に鑑み上記課題に加えて防音装置内で生じる排気ガスの滞留を防止することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は以下の構成を有する。すなわち、
ポータブル発電機を覆う収容空間を有したカバー体と、当該カバー体の一側に排気ユニットを設け、前記排気ユニットは内部に前記収容空間と外部空間とを連通させるダクトを設けたものであり、前記収容空間側に設けられた前記ダクトの排気入口を、前記ポータブル発電機の排気口に近接若しくは接続可能な排気入口調整手段によって構成したことを特徴とするポータブル発電機用防音装置。
【0008】
また、本発明は以下の構成を有する。すなわち、
底面を開口させるとともに一側面の全面若しくは一部に開口を設けたカバー体と、前記開口の内面に外形若しくは外形の一部が密に接触して当該開口を塞ぐ排気ユニットを設け、前記カバー体と当該カバー体に装着した前記排気ユニットによって底面を開口させた収容空間を形成し、前記排気ユニットの内部に前記収容空間と外部空間とを連通させるダクトを設け、前記ダクトに通じる排気入口を、前記ポータブル発電機の排気口に近接して配置若しくは前記ポータブル発電機の排気口から吐出される排気を前記ダクトに誘導可能な排気入口調整手段によって構成したことを特徴とするポータブル発電機用防音装置。
【0009】
また、本発明は上記ポータブル発電機用防音装置において、前記排気入口調整手段を、排気入口を構成する開口を設けた着脱可能な装着部材によって構成したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は上記ポータブル発電機用防音装置において、前記カバー体の他側面に吸気口を設けた給気部を設けたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は上記ポータブル発電機用防音装置において、前記給気部を前記カバー体に対して着脱可能に設けたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は上記ポータブル発電機用防音装置において、前記給気部を内部に電動ファンを設けた強制給気ユニットによって構成したことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は上記ポータブル発電機用防音装置において、収容したポータブル発電機の電源出力端子に接続して電力を取得する電力取得手段を有し、当該電力取得手段を前記吸気ファンおよび外部出力端子に接続したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るポータブル発電機用防音装置は、様々なタイプのポータブル発電機を使用した場合であっても排気口の位置に合わせてダクトの排気入口を配置する排気ユニットを設けることにより、発生する排気ガスを適切に外部に排出できるという効果を有している。
また、強制給気ユニットを装着できるように構成したため、排気ユニットのみでは排気ガスを適切に外部に排出できない場合に、防音装置内への強制的な吸気によって確実に排気ガスを外部に排出することができるという効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係るポータブル発電機用の防音装置の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態を図を用いて説明する。
図1は、本発明に係るポータブル発電機用の防音装置1の全体的な技術的概要を表した概要図である。
防音装置1は、ポータブル発電機(H1/H2)を覆う収容空間2を有したカバー体3とカバー体3の一側に設けた排気ユニット4を有している。ポータブル発電機は、一例として全体を樹脂カバーで覆った比較的軽量の取っ手付きタイプ(H1)、比較的重量のあるタイプ(H2)および図示しない様々な形式のものがある。収容空間2の大きさ(容積)は、方形的な外観を有する発電機であれば重量が概ね100kg程度のポータブル発電機を収容できる程度のものが理想である。なお、ポータブル発電機については、当然ながら使用できない機種も存在するが、特定の機種に使用を限定するものではないので以下の説明は符号付けずに説明する。
【0017】
本明細書では、ポータブル発電機の吸気部が設けられた側を背面、後部若しくは後面、その反対側を前部若しくは前面といい、後部側から前面側を見た場合を基準として右側の側壁を右側壁といい、左側の側壁を左側壁という。また、上下については重力方向に沿って上あるいは下と表現する。
カバー体3によって構成される収容空間2の内部は概ね矩形の空間を有しており最下面である底部8は開口している。この形態によってカバー体3は、床上若しくは台車や振動吸収機構を設けたトレー上に載置したポータブル発電機を上方から覆うことができるようなっている。
【0018】
カバー体3は、少なくとも左側壁9、右側壁10および上壁11を有し、前部には開口12を設けている。開口12は、排気ユニット4を装着することによって塞がれるようになっている。排気ユニット4の外形若しくは外形の一部が開口12の内面に密に接触することで開口12を塞ぐようになっている。なお、密に接触するというのは開口12の内面と排気ユニット4の外形との間にパッキンや緩衝材を介在させることによって行われるものでもよく、この部位において防音効果を低下させるような構造を有しないということを意味している。
【0019】
排気ユニット4の内部には、収容空間2と外部空間とを連通させるダクト5が設けられており、収容空間2側にポータブル発電機の排気口に近接若しくは接続可能な排気入口調整手段7が設けられている。
排気入口調整手段7は、一例として排気入口6を構成する手段の一つとして着脱可能な装着部材13aによって構成されている。装着部材13aは、排気ユニット4の収容空間2側に装着されるものであり、ダクト5の一部を構成するとともにダクト5内にポータブル発電機が吐出した排気ガスを流入させる開口14を設けた板状体である。装着部材13aの装着方法は、一例として図示したようなネジを用いた方法でもよいし他の方法でもよい。
【0020】
装着部材13aは、一礼として正方形の外形を有する板状体として形成されており、中心から偏位した位置に開口14を設けている。これにより、装着部材13aの装着角度に応じて排気ユニット4に設けられる開口14の位置を変動させることが可能になっている。また、装着部材13aを表裏反転させて装着することによっても排気ユニット4に設けられる開口14の位置が変動する。このように、排気ユニット4に対する装着部材13の装着の仕方によって、排気入口6としての開口14の位置をポータブル発電機の排気口に近接する位置に調整することが可能になっている。
【0021】
なお、開口14の位置を異ならせた複数の装着部材を用意しておき、ポータブル発電機の排気口の位置に応じて装着部材13を選択的に取り替えて使用するように構成してもよい。
また、装着部材13を装着したまま、開口14の位置を変更することができる機構を搭載してもよい。このような開口14の位置を変更する方法には種々の手段があり、ポータブル発電機の排気口の位置に合わせて開口14を配置するという目的が達成されるものであれば如何なる手段を用いてもよい。
【0022】
また排気入口調整手段7は、ポータブル発電機の排気口から吐出される排気をダクト5内に誘導可能する手段として構成してもよい。例えば、図示した装着部材13bの開口14に着脱可能なフレキシブルパイプ15(15a、15b)を設け、フレキシブルパイプ15の先端開口をポータブル発電機の排気口に近接させるように構成してもよい。この場合、フレキシブルパイプ15はダクト5に通じる排気通路を構成する。また、フレキシブルパイプ15の先端開口18(18a、18b)をポータブル発電機の排気口に近接させた状体を維持させるためポータブル発電機に取り付けるフックやその他の取り付け手段等を設けてもよい。
フレキシブルパイプ15a、15bは、屈曲させた姿勢を維持できる金属製の蛇腹パイプであることが好ましく、開口14の開口面積を超える必要はないが、管路内に生じる流動抵抗によって排気の流れを阻害しないようにある程度の大きさの内径を有することが好ましい。
【0023】
さらに一例として、フレキシブルパイプ15aの先端にポータブル発電機の排気口に接続できる接続手段19を設けてもよい。ポータブル発電機の機種によっては、排気口が突出したパイプとして設けられているものがある。このパイプ状の排気口に接続可能な接続手段19を設けると、排気ガスを漏出させることなくフレキシブルパイプ15a内に流動させ、ダクト5を介して排気ガスを排出させることが可能になる。
なお、図示したフレキシブルパイプ15aとフレキシブルパイプ15bは、パイプの内径が異なるものを例示として示したものであり、効率よく排気ガスの排出ができるものであればどちらを用いてもよい。ポータブル発電機の排気口に直接装着可能なフレキシブルパイプ15を設けると、フレキシブルパイプ15自体にサイレンサとしての機能を発揮させることができ防音効果を高めることが可能になる。さらに、フレキシブルパイプ15内に防音効果を高める手段を内蔵してもよい。
【0024】
排気ユニット4は、一例として6面体(方形)の外観形状を成しており、防音効果のある板状の部材を組み合わせることによって各側面を形成している。排気ユニット4の収容空間2側は、前述したように装着部材13(13a、13b)を着脱可能に取り付けている。また、収容空間2の反対面には、ダクト5の出口となる排気口16を設けている。ダクト5は、排気ユニット4の内に配置した仕切板17および各側壁によって屈曲した流路を形成するようになっている。
【0025】
カバー体3の後部には吸気口20を設け た給気部21が着脱可能に取り付けられている。給気部21は、収容空間2内に空気を取り込むための手段である。一例として強制的に給気を行う電動ファン22を内蔵した強制給気ユニット23と、強制的な給気手段を設けない自然給気ユニット24を設けており、何れかを選択的に取り付けることが可能になっている。
【0026】
強制給気ユニット23は、吸気口20を設けた背面パネル25を有している。背面パネル25の収容空間2側に軸流式の電動ファン22を取り付ける開口を設けた装着パネル26を取り付けている。また、背面パネル25と装着パネルの間には空間が設けられており、電動ファン22によって生じた気流の通路を構成する。
この構成により電動ファン22を駆動すると、吸気口20を介して空気を取り込み、背面パネル25と装着パネル26の間の空間を経由して電動ファン22通過し、収容空間2内に空気が強制的に送り込まれる。
【0027】
電動ファン22の駆動電力は、接続ケーブル(図示せず)を用いて収容空間2内に配置したポータブル発電機の出力端子から取得するようになっている。また、背面パネル25の後部表面には、前記接続ケーブルによって取得した電力を分配した電力取得手段を構成する電源タップ27を設けている。また、電動ファン22を駆動する電圧を制御して回転数を制御する調整手段28を設けてもよい。
なお、電力取得手段はインバータ回路を有していてもよく、調整手段28によってパルスを制御して回転数を制御するように構成してもよい。この場合収容空間2内の温度を計測し、計測した温度に応じてモータの回転数を制御して、温度を一定以下に保つように構成してもよい。また、インバータ回路を搭載した場合にはDC出力も可能になるので、携帯端末の充電に使用することができる電圧に調整された電力をUSB端子によって出力できるように構成してもよい。
【0028】
自然給気ユニット24は、吸気口30を設けた背面パネル31を有している。背面パネル31の収容空間2側に間隔を開けて仕切壁32を設けている。仕切壁32の一部には開口33を設けており、吸気口20を介して空気を取り込み、背面パネル31と仕切壁32の間の空間を流路として、仕切壁32に設けた開口から収容空間2内に空気を流入させるようになっている。なお、図示した例は、背面パネル31と仕切壁32の間の空間をさらに仕切る中間板34を設けており、空気の流入通路を長くすることで騒音の漏れを軽減させている。
【0029】
自然給気ユニット24の場合、空気の流入は自然換気によって行われるので収容空間2内若しくは仕切壁32の開口付近が負圧である必要がある。この負圧は、ポータブル発電機の吸気作用によって生じるものである。
前述した排気ユニット4がポータブル発電機の排気を効率よく排出して収容空間2内に逆流しなければ、ポータブル発電機の吸気作用によって開口33付近は負圧になるので、この場合には自然給気ユニット24を用いることができる。
例えば、前述したポータブル発電機の排気口にフレキシブルパイプ15aを直接装着した場合、排気を全て外部に放出することで収容空間2内部は負圧になるので、自然給気ユニット24の使用が適している。なお、強制給気ユニット23を装着した場合であっても、フレキシブルパイプ15を直接装着した場合には電動ファンを停止させておくことで、自然給気ユニット24と同様に機能させることが可能である。
【0030】
強制給気ユニット23および自然給気ユニット24の装着は、カバー体3の後部開口縁に対するネジを使用した固定方法によって行うようになっている。なお、固定方法はどのような手段を用いてもよい。
【0031】
以上説明した防音装置1を構成するカバー体は、先行技術文献1と同様に、防音素材となるグラスウール等の断熱材を封入した厚さ50~60mmの肉厚を有する板状の壁面部材によって構成することができる。防音素材がより防音効果の高い吸音材である場合には、その肉厚を20mm前後の肉厚にすることができる。この場合、各壁面の薄肉化に応じて各部位の形状を適宜変化させることはいうまでもない。防音素材には、グラスウールの他、不燃性のフェルトやウレタン系の素材を用いることができる。また、これらの素材は、排気ユニット4や強制給気ユニット23および自然給気ユニット24の構成に用いてもよい。
その他、本明細書において説明していない事項については、先行技術文献1に開示された技術を応用して適宜用いることが可能である。
【0032】
以上説明した本発明に係るポータブル発電機用の防音装置1は、様々なタイプのポータブル発電機に合わせてダクトの排気入口を調整できるようになっている。この構造により、発生する排気ガスを適切に外部に排出できるという効果を有している。また、効率よく排気ガスを排出することによって、防音装置1内の温度上昇を防ぐとともに、排気ガスの環流を防止して効率よく発電を行わせることが可能となっている。
また、強制給気ユニットを装着できるように構成したため、排気ユニットのみでは排気ガスを適切に外部に排出できない場合に、防音装置内への強制的な吸気によって確実に排気ガスを外部に排出することができるという効果を有している。強制給気ユニットは電動ファンを使用するものであるが、その動力源は収容したポータブル発電機から取得することができるので、実質的に外部電源を必要とすることがないものである。
【0033】
以上の説明は本発明の一例であって、特許請求の範囲を上記の例に限定することを意図したものではない。また、上記発明の実施の形態は、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更、追加、組み合わせ、置き換え、省略等を行うことが可能であり、これらについても特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、ポータブル発電機用の防音装置および防音方法に利用可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 防音装置
2 収容空間
3 カバー体
4 排気ユニット
5 ダクト
6 排気入口
7 排気入口調整手段
8 底部
9 左側壁
10 右側壁
11 上壁
12 開口
13 装着部材
14 開口
15 フレキシブルパイプ
16 排気口
17 仕切板
18 先端開口
20 吸気口
21 給気部
22 電動ファン
23 強制給気ユニット
24 自然給気ユニット
25 背面パネル
26 装着パネル
27 電源タップ
28 調整手段
30 吸気口
31 背面パネル
32 仕切壁
33 開口
34 中間板