IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社CBD L JAPANの特許一覧

<>
  • 特開-電子タバコカートリッジ 図1
  • 特開-電子タバコカートリッジ 図2
  • 特開-電子タバコカートリッジ 図3
  • 特開-電子タバコカートリッジ 図4
  • 特開-電子タバコカートリッジ 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022095503
(43)【公開日】2022-06-28
(54)【発明の名称】電子タバコカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20220621BHJP
【FI】
A24F40/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020208864
(22)【出願日】2020-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】520497450
【氏名又は名称】株式会社CBD L JAPAN
(74)【代理人】
【識別番号】100074181
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 明博
(74)【代理人】
【識別番号】100206139
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 匡
(72)【発明者】
【氏名】長田 勉
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB17
4B162AC08
4B162AC13
4B162AC14
4B162AC22
4B162AC41
(57)【要約】
【課題】 粒状の大麻植物を基材とするエアロゾル生成基材が好適に収容され、且つ製造が簡単な電子タバコカートリッジを得る。
【解決手段】 一端側を電子タバコ本体に挿入する挿入部位2とし、他端側を吸口部3とする筒状の支持部材4と、支持部材4の電子タバコ本体挿入部位2側に、一部が支持部材4から露出した状態で支持されるエアロゾル生成基材5を収容したカプセル6と、支持部材4の吸口部3内に装着されるフィルター7とからなり、カプセル6の軸方向露出側端部には電子タバコ本体に設けられているピン状の加熱要素が差し込まれる加熱要素差込孔9を形成し、支持部材4内側の端部にはカプセル6内で生成されたエアロゾルが通過するエアロゾル通孔10を形成した。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状の大麻植物を基材とするエアロゾル生成基材を備えた電子タバコカートリッジであって、
一端側を電子タバコ本体に挿入する挿入部位とし、他端側を吸口部とする筒状の支持部材と、前記支持部材の電子タバコ本体挿入部位側に、一部が前記支持部材から露出した状態で支持されるエアロゾル生成基材を収容したカプセルと、前記支持部材の吸口部内に装着されるフィルターとからなり、
前記カプセルの軸方向露出側端部には電子タバコ本体に設けられているピン状の加熱要素が差し込まれる加熱要素差込孔が形成され、支持部材内側端部には前記カプセル内で生成されたエアロゾルが通過するエアロゾル通孔が形成されていることを特徴とする電子タバコカートリッジ。
【請求項2】
前記カプセルに形成された加熱要素差込孔およびエアロゾル通孔は、エアロゾル生成基材の粒径よりも小径に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子タバコカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状の大麻植物を基材とするエアロゾル生成基材を備えた電子タバコカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
大麻は依存症、中毒症、精神障害等の症状を引き起こすとされ、違法薬物としてその喫煙、吸引等による摂取が禁止されている。このような症状は大麻の葉に含まれる成分のTHC(テトラヒドロカンナビノール)にあり、葉以外の部位にあってはこのような症状を引き起こすTHCは生成されず、違法薬物としての規制の対象とはなっていない。
特に、大麻の茎、幹、種子にあっては、CBD(カンナビジオール)といった成分が生成され、このCBDは精神安定、不眠症などに効果があるとされており、大麻の茎、幹、種子からCBDを注出しオイルに配合したCBDオイル(大麻油)が多方面で使用されるに至っている。
【0003】
しかし、CBDオイルは製造に手間が掛かり、また、取り扱いも面倒である。
そこで、大麻の茎、幹、種子などに含まれるCBDを手軽に摂取できるようにするものとして、大麻の茎、幹、種子などを粒状に加工し、これを加熱してCBDを含んだエアロゾルを生成させ、このエアロゾルを吸引して摂取する、といったことが考えられる。
大麻の茎、幹、種子などを粒状に形成したエアロゾル生成基材を加熱し吸引する手段として、電子タバコとしての使用が考えられる。
【0004】
電子タバコとしては、加熱要素を備えた電子タバコ本体に、タバコ成分を含むエアロゾル生成基材を備えた筒状の電子タバコカートリッジを挿入し、加熱要素をエアロゾル生成基材に挿入して加熱し、エアロゾル生成基材から生成されたエアロゾルを吸引するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6000451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記した電子タバコで使用される電子タバコカートリッジは、粒状の大麻植物を基材とするエアロゾル生成基材を収容するのに適した構成にはなっていない。
【0007】
本発明の目的は、粒状の大麻植物を基材とするエアロゾル生成基材が好適に収容され、且つ製造が簡単な電子タバコカートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、粒状の大麻植物を基材とするエアロゾル生成基材を備えた電子タバコカートリッジであって、一端側を電子タバコ本体に挿入する挿入部位とし、他端側を吸口部とする筒状の支持部材と、前記支持部材の電子タバコ本体挿入部位側に、一部が前記支持部材から露出した状態で支持されるエアロゾル生成基材を収容したカプセルと、前記支持部材の吸口部内に装着されるフィルターとからなり、前記カプセルの軸方向露出側端部には電子タバコ本体に設けられているピン状の加熱要素が差し込まれる加熱要素差込孔が形成され、支持部材内側端部には前記カプセル内で生成されたエアロゾルが通過するエアロゾル通孔が形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、粒状のエアロゾル生成基材はカプセルに収容されているので、カプセル外にこぼれ出るおそれはなく、そして、エアロゾル生成基材を収容したカプセルを前記支持部材の電子タバコ本体挿入部位側に圧入あるいは包み込みといった簡単な作業によりカプセルを前記支持部材に容易に支持させることができる。
【0010】
前記支持部材に支持されている前記カプセルは、その軸方向における前記支持部材からの露出側端部に電子タバコ本体に設けられているピン状の加熱要素が差し込まれる加熱要素差込孔が形成されているので、前記カプセルを支持している前記支持部材を前記電子タバコ本体に挿入したとき、前記電子タバコ本体に設けられている前記ピン状加熱要素が前記加熱要素差込孔に差し込まれ、カプセル内に容易に挿入することができる。
【0011】
また、前記カプセルの前記支持部材内側端部には前記カプセル内で生成されたエアロゾルが通過する前記エアロゾル通孔が形成されているので、前記支持部材の前記吸口部からの吸引により、前記カプセル内で生成されたエアロゾルが前記エアロゾル通孔を通り前記支持部材内を前記吸口部方向へ流れ、前記フィルターを通して前記吸口部から吸引することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記カプセルに形成された加熱要素差込孔およびエアロゾル通孔は、エアロゾル生成基材の粒径よりも小径に形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、前記カプセルに形成された加熱要素差込孔およびエアロゾル通孔は、エアロゾル生成基材の粒径よりも小径に形成されているので、前記カプセル内に収容されている前記エアロゾル生成基材が、前記加熱要素差込孔や前記エアロゾル通孔からこぼれ出ることを防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明に係る電子タバコカートリッジによれば、粒状の大麻植物を基材とするエアロゾル生成基材が好適に収容され、且つ製造が簡単な電子タバコカートリッジを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る電子タバコカートリッジの使用の形態の一例を示す説明図である。
図2】本発明に係る電子タバコカートリッジの一例を示す断面図である。
図3図2に示す電子タバコカートリッジの支持部材に支持されるカプセルの一例を示す拡大断面図である。
図4図2に示す電子タバコカートリッジの製造工程の一例を示す説明図である。
図5図2に示す電子タバコカートリッジの製造工程の他例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る電子タバコカートリッジを実施するための形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る電子タバコカートリッジの使用の形態の一例を示す説明図、図2は本発明に係る電子タバコカートリッジの一例を示す断面図、図3図2に示す電子タバコカートリッジの支持部材に支持されるカプセルの一例を示す拡大断面図、図4図2に示す電子タバコカートリッジの製造工程の一例を示す説明図、図5図2に示す電子タバコカートリッジの製造工程の他例を示す説明図である。
【0017】
先ず、本例の電子タバコカートリッジ1の使用の形態の一例を図1により説明する。
本例の電子タバコカートリッジ1が使用される電子タバコ本体100は、電子タバコカートリッジ1を挿入する挿入穴部101が設けられている。挿入穴部101内の奥底にはその中央に先端が尖ったピン状の加熱要素102が設けられている。
【0018】
そして、電子タバコ本体100の挿入穴部101内に電子タバコカートリッジ1を挿入することにより、挿入穴部101内の奥底に設けられている加熱要素102が電子タバコカートリッジ1備えた後述するエアロゾル生成基材に挿入され、エアロゾル生成基材が加熱されてエアロゾルが生成され、電子タバコカートリッジ1備えた後述する吸口部から吸引される。
【0019】
このようにして使用される本例の電子タバコカートリッジ1は、一端側を電子タバコ本体100の挿入穴部101に挿入する挿入部位2とし、他端側を吸口部3とする筒状の支持部材4と、支持部材4の挿入部位2側に、一部が支持部材4から露出した状態で支持される、エアロゾル生成基材5を収容したカプセル6と、支持部材4の吸口部3内に装着されるフィルター7とからなり、支持部材4内には、カプセル6とフィルター7の間にカプセル6から流れ出た高温のエアロゾルを冷却する冷却空間8が配置されている。
【0020】
筒状の支持部材4にあっては、本例では紙製となっているが特に限定されるものではなく、プラスチックやシリコンで形成してもよい。支持部材4の外径にあっては電子タバコ本体100の挿入穴部101の内径より小径であれば特に限定されない。また長さにあっても特に限定されない。
【0021】
エアロゾル生成基材5を収容し、一部が支持部材4から露出した状態で支持部材4の挿入部位2側に支持されるカプセル6は、軸方向露出側端部に電子タバコ本体100に設けられている加熱要素102が差し込まれる加熱要素差込孔9が形成され、支持部材4内側端部にはカプセル6内で生成されたエアロゾルが通過するエアロゾル通孔10が形成されている。
【0022】
カプセル6に形成された加熱要素差込孔9およびエアロゾル通孔10は、エアロゾル生成基材5の粒径よりも小径に形成されている。カプセル6の形状にあっては特に限定されないが、本例では、軸方向の途中で2分割され、露出側部材6aと支持部材内側部材6bの2部材で構成されている。本例では、露出側部材6aと支持部材内側部材6bの開口部を嵌合して一体として形成されている。
カプセル6の材質にあっては、本例では弾性変形可能な厚さのプラスチックで形成されているが、これに限定されるものではない。
【0023】
カプセル6内に収容されるエアロゾル生成基材5としては、大麻の茎、幹、種子等を粒状化したものが使用される。大麻の茎、幹、種子等の粒状化は、本例では、大麻の茎、幹、種子等を粉末化し、これをグリセリンやオイルと混合して練り、乾燥させて粒状化している。
【0024】
このようにして製造した粒状のエアロゾル生成基材5をカプセル6内に収容するが、その収容にあっては緊密状態にならないように収容する。緊密状態に収容すると、電子タバコ本体100の挿入穴部101内に電子タバコカートリッジ1を挿入したとき、挿入穴部101内の奥底に設けられている加熱要素102の支持部材4に支持されているカプセル6内への挿入が困難になり、また、エアロゾル生成基材5が焦げて、煙が発生するおそれがあり、また、エアロゾル生成されてもカプセル6内を流れ難く、カプセル6から流れが阻害されるといった事態が発生する場合がある。
したがって、粒状のエアロゾル生成基材5のカプセル6内への収容量にあっては、カプセル6の容積の60%から80%が好ましい。収容量がカプセル6の容積の80%を超えると前記した事態は発生する場合があり、また60%以下の場合は、エアロゾル生成基材5と加熱要素102との接触が少なく、十分なエアロゾルを生成できない場合がある。
【0025】
支持部材4の吸口部3内に装着されるフィルター7にあっては、生成されたエアロゾルに含まれる微粒子を取り除くことができるものあれば特に限定されない。本例では、セルロースアセテートフィルターを使用している。
【0026】
このように構成される電子タバコカートリッジ1の製造にあっては、図4に示すように、まず、筒状の支持部材4を形成し、また、別途形成したエアロゾル生成基材5を収容したカプセル6と、支持部材4の吸口部3内に装着されるフィルター7を用意しておき、支持部材4の挿入部位2側からカプセル6を圧入して、一部が支持部材4から露出した状態で支持させ、支持部材4の吸口部3側から吸口部3内にフィルター7を挿入して装着することにより、電子タバコカートリッジ1製造してもよく、あるいは、図5に示すように、支持部材4の材料となる紙材4aを広げ、この紙の一端側にカプセル6を載せ、他端側にフィルター7を載せて、紙材4aを巻き付け、カプセル6とフィルター7を内包した筒状の支持部材4を形成することにより電子タバコカートリッジ1を製造することもできる。
【0027】
以上のように構成された電子タバコカートリッジ1によれば、上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、粒状の大麻植物を基材とするエアロゾル生成基材を備えた電子タバコカートリッジであって、一端側を電子タバコ本体に挿入する挿入部位とし、他端側を吸口部とする筒状の支持部材と、前記支持部材の電子タバコ本体挿入部位側に、一部が前記支持部材から露出した状態で支持されるエアロゾル生成基材を収容したカプセルと、前記支持部材の吸口部内に装着されるフィルターとからなり、前記カプセルの軸方向露出側端部には電子タバコ本体に設けられているピン状加熱要素が差し込まれる加熱要素差込孔が形成され、支持部材内側端部には前記カプセル内で生成されたエアロゾルが通過するエアロゾル通孔が形成されていることを特徴とする。
【0028】
請求項1に記載の発明によれば、粒状のエアロゾル生成基材5はカプセル6に収容されているので、カプセル6外にこぼれ出るおそれはなく、そして、エアロゾル生成基材5を収容したカプセル6を支持部材4の電子タバコ本体100へ挿入する挿入部位2側に圧入あるいは包み込みといった簡単な作業によりカプセル6を支持部材4に容易に支持させることができる。
【0029】
また、支持部材4に支持されているカプセル6は、その軸方向における支持部材4からの露出側端部に電子タバコ本体100に設けられているピン状の加熱要素102が差し込まれる加熱要素差込孔9が形成されているので、カプセル6を支持している支持部材4を電子タバコ本体100の挿入穴部101に挿入したとき、電子タバコ本体100に設けられている状加熱要素102が加熱要素差込孔9に差し込まれ、カプセル6内に容易に挿入することができる。
【0030】
また、カプセル6の支持部材4内側の端部にはカプセル6内で生成されたエアロゾルが通過するエアロゾル通孔10が形成されているので、支持部材4の吸口部3からの吸引により、カプセル6内で生成されたエアロゾルがエアロゾル通孔10を通り支持部材4内の冷却空間8を経て吸口部3方向へ流れ、フィルター7を通して吸口部3から吸引することができる。
【0031】
また、本例では、カプセル6に形成された加熱要素差込孔9およびエアロゾル通孔10は、エアロゾル生成基材5の粒径よりも小径に形成されているので、カプセル6内に収容されているエアロゾル生成基材5が、加熱要素差込孔9やエアロゾル通孔10からこぼれ出ることを防止することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 電子タバコカートリッジ
2 挿入部位
3 吸口部
4 支持部材
4a 紙材
5 エアロゾル生成基材
6 カプセル
6a 露出側部材
6b 支持部材内側部材
7 フィルター
8 冷却空間
9 加熱要素差込孔
10 エアロゾル通孔
100 電子タバコ本体
101 挿入穴部
102 加熱要素
図1
図2
図3
図4
図5