(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022095517
(43)【公開日】2022-06-28
(54)【発明の名称】スペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造
(51)【国際特許分類】
B62D 25/20 20060101AFI20220621BHJP
B60G 7/00 20060101ALI20220621BHJP
B62D 21/08 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
B62D25/20 H
B60G7/00
B62D21/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021064989
(22)【出願日】2021-04-06
(31)【優先権主張番号】10-2020-0176382
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】徐 成 旭
(72)【発明者】
【氏名】車 ムン 洙
(72)【発明者】
【氏名】呉 熙 大
(72)【発明者】
【氏名】閔 憲 植
(72)【発明者】
【氏名】姜 銓 雄
【テーマコード(参考)】
3D203
3D301
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203AA31
3D203AA33
3D203AA34
3D203BA05
3D203BB12
3D203BB24
3D203BB56
3D203CB19
3D203DA73
3D203DA83
3D203DA88
3D301DB10
3D301DB22
3D301DB60
(57)【要約】
【課題】スペースフレーム車両に適用でき、車両重量が軽減できるトレーリングアームマウンティング構造を提供する。
【解決手段】本発明のスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造は、トレーリングアームを装着するトレーリングアームマウンティング部、トレーリングアームマウンティング部がその後方に装着されるサイドシル、およびサイドシル後方上部に結合するリアピラー、を含んで構成される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレーリングアームを装着するトレーリングアームマウンティング部、
前記トレーリングアームマウンティング部がその後方に装着されるサイドシル、および
前記サイドシル後方上部に結合するリアピラー、
を含むことを特徴とするスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造。
【請求項2】
前記トレーリングアームマウンティング部は、
前記サイドシル内側に結合するインナーブラケット、および
前記サイドシル外側に結合するアウターブラケット、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造。
【請求項3】
前記サイドシル、前記インナーブラケットおよび前記アウターブラケットは、前記トレーリングアームが装着される装着空間を形成することを特徴とする請求項2に記載のスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造。
【請求項4】
前記サイドシルは、
サイドシルアッパ部と、前記サイドシルアッパ部から車体内側に屈曲形成されたサイドシルインナー部を含み、
前記インナーブラケットは、前記サイドシルインナー部に結合し、
前記アウターブラケットは、前記サイドシルアッパ部に結合することを特徴とする請求項3に記載のスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造。
【請求項5】
前記サイドシル内側に結合するフロアメンバー、をさらに含み、
前記インナーブラケットの上部は、前記フロアメンバー下部に結合することを特徴とする請求項2に記載のスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造。
【請求項6】
前記フロアメンバーは、その上部に屈曲した屈曲部を含み、
前記リアピラーは、前記屈曲部に結合することを特徴とする請求項5に記載のスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造。
【請求項7】
前記リアピラーと前記サイドシル後方上部を支持するリアピラーブラケット、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造。
【請求項8】
前記リアピラーブラケットは、前記リアピラーから前記サイドシル後方上部に向かって傾斜形成された部、を含むことを特徴とする請求項7に記載のスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造。
【請求項9】
前記サイドシルの側部に結合するリアサイドメンバー、をさらに含み、
前記アウターブラケットが前記リアサイドメンバーと結合することを特徴とする請求項2に記載のスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造。
【請求項10】
前記サイドシルは、
前記サイドシル一端から延長形成されたサイドシルアッパ部と、前記サイドシル一端から延長形成され、前記サイドシルアッパ部から車体内側に屈曲形成されたサイドシルインナー部を含み、
前記アウターブラケットは、前記リアサイドメンバーの一端および前記サイドシル一端と結合することを特徴とする請求項9に記載のスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーリングアームマウンティング構造に関し、より詳細には、スペースフレーム車両に適用できるトレーリングアームマウンティング構造に関する。
【背景技術】
【0002】
トレーリングアームサスペンションは、一つ以上のアームまたはリンクがアクスルとピボットポイントとの間に連結されている車両サスペンションの一種である。一般的に自動車のリアアクスルに使用される。スペースフレームは、自動車とオートバイのシャーシデザインに使用される。スペースフレームとチューブフレームシャーシの全てにおいて、サスペンション、エンジンおよび車体パネルがチューブの骨格フレームに設けられており、車体パネルには構造的機能がなく、単一体(unibody)またはモノコック(monocoque)デザインで本体は構造の一部として使用される。
【0003】
しかし、トレーリングアームサスペンションをスペースフレームに適用するためには、マウンティングブラケットなど剛性を確保するための構成が要求され、車両重量が増加するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、スペースフレーム車両に適用でき、車両重量が軽減できるトレーリングアームマウンティング構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造は、トレーリングアームを装着するトレーリングアームマウンティング部、前記トレーリングアームマウンティング部がその後方に装着されるサイドシル、および前記サイドシル後方上部に結合するリアピラーを含むことを特徴とする。
【0007】
前記トレーリングアームマウンティング部は、前記サイドシル内側に結合するインナーブラケット、および前記サイドシル外側に結合するアウターブラケットを含むことを特徴とする。
【0008】
前記サイドシル、前記インナーブラケットおよび前記アウターブラケットは、前記トレーリングアームが装着される装着空間を形成することを特徴とする。
【0009】
前記サイドシルは、サイドシルアッパ部と、前記サイドシルアッパ部から車体内側に屈曲形成されたサイドシルインナー部を含み、前記インナーブラケットは、前記サイドシルインナー部に結合し、前記アウターブラケットは、前記サイドシルアッパ部に結合することを特徴とする。
【0010】
前記サイドシル内側に結合するフロアメンバーをさらに含み、前記インナーブラケットの上部は、前記フロアメンバー下部に結合することを特徴とする。
【0011】
前記フロアメンバーは、その上部に屈曲した屈曲部を含み、前記リアピラーは、前記屈曲部に結合することを特徴とする。
【0012】
本発明の実施形態によるスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造は、前記リアピラーと前記サイドシル後方上部を支持するリアピラーブラケットをさらに含むことを特徴とする。
【0013】
前記リアピラーブラケットは、前記リアピラーから前記サイドシル後方上部に向かって傾斜形成されたリアピラーサイド部を含むことを特徴とする。
【0014】
前記サイドシルの側部に結合するリアサイドメンバーをさらに含み、前記アウターブラケットが前記リアサイドメンバーと結合することを特徴とする。
【0015】
前記サイドシルは、前記サイドシル一端から延長形成されたサイドシルアッパ部と、前記サイドシル一端から延長形成され、前記サイドシルアッパ部から車体内側に屈曲形成されたサイドシルインナー部を含み、前記アウターブラケットは、前記リアサイドメンバーの一端および前記サイドシル一端と結合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によるトレーリングアームマウンティング構造によれば、スペースフレーム車両に適用でき、単純な構成で車体剛性を確保でき、車両重量も減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明によるスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造が適用される車体の斜視図である。
【
図2】本発明によるスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造の一部斜視図である。
【
図3】本発明によるスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造の一部斜視図である。
【
図4】本発明によるスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0019】
同一の参照番号は同一の構成要素とする。複数の層や領域は、明確に表現するため拡大している。構成要素を「含む」という時、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができる。
【0020】
図1は、本発明によるスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造が適用される車体の斜視図である。本発明のトレーリングアームマウンティング構造は、スペースフレームを有する車体10に後輪用トレーリングアーム20を装着できる。
【0021】
図2乃至
図3は、本発明によるスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造の一部斜視図であり、
図4は、本発明によるスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造の斜視図であり、
図5は、
図1のV-Vに沿った断面図である。
図1乃至
図5を参照すると、スペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造は、トレーリングアーム20を車体10に装着するトレーリングアームマウンティング部30、トレーリングアームマウンティング部30がその後方に装着されるサイドシル(side sill)50、およびサイドシル50後方上部に結合するリアピラー70を含む。
【0022】
リアピラー70は、Cピラーで称される。トレーリングアームマウンティング部30は、サイドシル50内側に結合するインナーブラケット32、およびサイドシル50外側に結合するアウターブラケット38を含む。サイドシル50、インナーブラケット32およびアウターブラケット38は、トレーリングアーム20が装着される装着空間100を形成する。
【0023】
サイドシル50は、サイドシルアッパ部52と、サイドシルアッパ部52から車体10内側に屈曲形成されたサイドシルインナー部54を含み、インナーブラケット32は、サイドシルインナー部54に結合し、アウターブラケット38は、サイドシルアッパ部52に結合される。
【0024】
サイドシル50の端部51からその一部52、54が延長形成されて、サイドシルインナー部54、サイドシルアッパ部52、インナーブラケット32およびアウターブラケット38が装着空間100を形成する。スペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造は、サイドシル50内側に結合するフロアメンバー60をさらに含み、インナーブラケット32の上部は、フロアメンバー60下部に結合される。
【0025】
インナーブラケット32は、装着空間100を形成するインナーブラケット内側面33、フロアメンバー60の下部と結合するインナーブラケットフランジ34を含み、インナーブラケット内側面33にはインナーブラケットホール35が形成されてトレーリングアーム20がインナーブラケットホール35を通じて装着される。スペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造は、サイドシル50の側部に結合するリアサイドメンバー90をさらに含み、アウターブラケット38がリアサイドメンバー90と結合される。
【0026】
リアサイドメンバー90の一端91とサイドシル50の一端51が共にアウターブラケット38に結合される。リアサイドメンバー90の一端91とサイドシル50の一端51が同一のプロファイルを形成してアウターブラケット38が結合される。例えばリアサイドメンバー90の一端91とサイドシル50の一端51がアウターブラケット38と溶接で結合され、アウターブラケット38の溶接面積を相対的に広くして堅固に結合できる。
【0027】
アウターブラケット38は、装着空間100を形成するアウターブラケット第1面39と、リアサイドメンバー90の一端91とサイドシル50の一端51と結合するアウターブラケット第2面40を含む。そして、アウターブラケット38は、アウターブラケット第1面39と、アウターブラケット第2面40とを連結するように上下に備えられるアウターブラケットサイド面41、42をさらに含む。アウターブラケットサイド面41、42がアウターブラケット第1面39と、アウターブラケット第2面40とを連結してトレーリングアーム20から伝達される路面の荷重がアウターブラケット38を通じて車体10に分散されて伝達される。
【0028】
上部に備えられるアウターブラケットサイド面41がサイドシルアッパ部52に連結される。アウターブラケット第1面39にはアウターブラケットホール44が形成されてトレーリングアーム20がアウターブラケットホール44を通じて装着される。
【0029】
フロアメンバー60は、その上部に屈曲した屈曲部62を含み、リアピラー70は、屈曲部62に結合することができる。排気ガスの規制によりEV車両の開発が進むと、EV車両は高容量バッテリーの装着で一般的な内燃機関車両に比べて荷重が増大する。EV車両は、ハイブリッド車両、バッテリー貯蔵EV車両および水素燃料EV車両を含む。高容量バッテリーの安定した搭載と車両のレイアウトを考慮して高容量バッテリーを車体下部に装着する方法が利用され、高容量バッテリーを車体下部に装着すればフロアメンバーが車両外側に配置される。
【0030】
本発明によるスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造では、フロアメンバー60がサイドシル50に結合することができ、屈曲部62形状によって車体10の上部下方に延長形成される。そして、
図3乃至
図5に示されているように、リアピラー70の側面と屈曲部62の側面が結合してリアピラー70とフロアメンバー60の剛性を確保することができる。本発明によるスペースフレーム車両のトレーリングアームマウンティング構造は、リアピラー70とサイドシル50後方上部を支持するリアピラーブラケット80をさらに含み、リアピラー70とサイドシル50の剛性を増大できる。
【0031】
図5を参照すると、リアピラーブラケット80は、リアピラー70からサイドシル50後方上部に向かって傾斜形成されたリアピラーサイド部84(点線)を含むことができる。つまり、リアピラーブラケット80の一部が傾斜形成されてリアピラー70とサイドシル50の剛性を増大できる。
【0032】
本発明によるスペースフレーム車両に適用できるトレーリングアームマウンティング構造によれば、インナーブラケット32、アウターブラケット38およびサイドシル50の一部がトレーリングアーム20を装着する装着空間100を形成して単純な構成で車体剛性を確保し、車両重量を減らすことができる。
【0033】
本発明によるスペースフレーム車両に適用できるトレーリングアームマウンティング構造によれば、リアピラー70が装着空間100の上部に結合し、フロアメンバー60がリアピラー70を支持してトレーリングアーム20から伝達される路面荷重を車体10に適切に分散させることができる。
【符号の説明】
【0034】
10 車体
20 トレーリングアーム
30 トレーリングアームマウンティング部
32 インナーブラケット
33 インナーブラケット内側面
34 インナーブラケットフランジ
35 インナーブラケットホール
38 アウターブラケット
39 アウターブラケット第1面
40 アウターブラケット第2面
41、42 アウターブラケットサイド面
44 アウターブラケットホール
50 サイドシル
51 一端
52 サイドシルアッパ部
54 サイドシルインナー部
60 フロアメンバー
62 屈曲部
70 リアピラー
80 リアピラーブラケット
84 リアピラーサイド部
90 リアサイドメンバー
91 一端
100 装着空間