(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022095522
(43)【公開日】2022-06-28
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/68 20060101AFI20220621BHJP
B65G 47/46 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
B65G47/68 A
B65G47/46 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021103858
(22)【出願日】2021-06-23
(31)【優先権主張番号】P 2020208610
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】511305106
【氏名又は名称】アイカム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】田中 正明
【テーマコード(参考)】
3F015
3F070
【Fターム(参考)】
3F015AA06
3F015FA02
3F015GA01
3F070AA07
3F070BB05
3F070BB08
3F070BD01
3F070EA21
3F070EA24
3F070EE07
(57)【要約】
【課題】 排出レバーを用いた皿の払い出しでは、搬送路と隣り合う位置に排出レバーの駆動機構を設置するスペースを確保しなければならない。
【解決手段】 搬送装置は、複数のベルトコンベヤと、複数の第1ガイドと、第1駆動機構を備える。複数のベルトコンベヤは、搬送方向と直交する幅方向に間隔を空けて並んでおり、物品を載せた器を共に搬送する。複数の第1ガイドは、各ベルトコンベヤに対して幅方向で隣り合う位置であって、搬送方向で互いに異なる位置に配置されており、搬送方向の下流側に位置するほど幅方向の一方側に位置する。第1駆動機構は、突出状態及び退避状態の間で駆動する。突出状態では、複数の第1ガイドをベルトコンベヤの搬送面よりも上方に突出させ、複数の第1ガイド及び器の接触によって器を複数のベルトコンベヤから一方側へ払い出す。退避状態では、複数の第1ガイドを搬送面よりも下方の位置に退避させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向と直交する幅方向に間隔を空けて並び、物品を載せた器を共に搬送する複数のベルトコンベヤと、
前記各ベルトコンベヤに対して前記幅方向で隣り合う位置であって、前記搬送方向で互いに異なる位置に配置されており、前記搬送方向の下流側に位置するほど前記幅方向の一方側に位置する複数の第1ガイドと、
前記複数の第1ガイドを前記ベルトコンベヤの搬送面よりも上方に突出させ、前記複数の第1ガイド及び前記器の接触によって前記器を前記複数のベルトコンベヤから前記一方側へ払い出す突出状態と、前記複数の第1ガイドを前記搬送面よりも下方の位置に退避させる退避状態との間で駆動する第1駆動機構と、を備える搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送装置において、
前記各ベルトコンベヤに対して前記幅方向の両側に前記第1ガイドがそれぞれ配置されている搬送装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の搬送装置において、
前記第1駆動機構は、
伸縮運動を行う第1アクチュエータと、
前記第1アクチュエータの伸縮運動を、前記突出状態及び前記退避状態の間での前記第1ガイドの移動に変換する第1伝達機構と、を備える搬送装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の搬送装置において、
前記各ベルトコンベヤに対して前記幅方向で隣り合う位置であって、前記搬送方向で互いに異なる位置に配置され、前記搬送方向の下流側に位置するほど前記幅方向の他方側に位置する複数の第2ガイドと、
前記複数の第2ガイドを前記搬送面よりも上方に突出させ、前記複数の第2ガイド及び前記器の接触によって前記器を前記複数のベルトコンベヤから前記他方側へ払い出す突出状態と、前記複数の第2ガイドを前記搬送面よりも下方の位置に退避させる退避状態との間で駆動する第2駆動機構と、を備える搬送装置。
【請求項5】
請求項4に記載の搬送装置において、
前記各ベルトコンベヤに対して前記幅方向の両側に前記第2ガイドがそれぞれ配置されている搬送装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の搬送装置において、
前記第2駆動機構は、
伸縮運動を行う第2アクチュエータと、
前記第2アクチュエータの伸縮運動を、前記突出状態及び前記退避状態の間での前記第2ガイドの移動に変換する第2伝達機構と、を備える搬送装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1つに記載の搬送装置において、
前記搬送方向の上流側に位置し、搬送させる前記器を待機させる待機領域において、前記ベルトコンベヤに対して前記幅方向で隣り合う位置に配置されたストッパと、
前記ストッパを前記搬送面よりも上方に突出させ、前記ストッパ及び前記器の接触によって前記器を停止させる突出状態と、前記ストッパを前記搬送面よりも下方の位置に退避させる退避状態との間で駆動するストッパ駆動機構と、を備える搬送装置。
【請求項8】
請求項8に記載の搬送装置において、
複数の前記ストッパを有しており、
複数の前記ストッパは、前記幅方向に並んでいる搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、器を搬送路から払い出す搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食物等を載せた器の搬送路を備える搬送装置において、客へ注文品を搬送したり、鮮度が落ちた飲食物を廃棄したりするために、器を搬送路から払い出すものがある(例えば、特許文献1)。特許文献1の搬送装置では、搬送路上に設置された排出レバーによって、器を側方から押して搬送路から払い出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の搬送装置では、器の搬送路と隣り合う位置に排出レバーを駆動するための駆動機構を設ける必要があり、この駆動機構の設置スペースを確保しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明である搬送装置は、複数のベルトコンベヤと、複数の第1ガイドと、第1駆動機構を備える。複数のベルトコンベヤは、搬送方向と直交する幅方向に間隔を空けて並んでおり、物品を載せた器を共に搬送する。複数の第1ガイドは、各ベルトコンベヤに対して幅方向で隣り合う位置であって、搬送方向で互いに異なる位置に配置されており、搬送方向の下流側に位置するほど幅方向の一方側に位置する。第1駆動機構は、突出状態及び退避状態の間で駆動する。突出状態では、複数の第1ガイドをベルトコンベヤの搬送面よりも上方に突出させ、複数の第1ガイド及び器の接触によって器を複数のベルトコンベヤから一方側へ払い出す。退避状態では、複数の第1ガイドを搬送面よりも下方の位置に退避させる。
【0006】
各ベルトコンベヤに対して幅方向の両側に第1ガイドをそれぞれ配置することができる。第1駆動機構は、伸縮運動を行う第1アクチュエータと、第1アクチュエータの伸縮運動を、突出状態及び退避状態の間での第1ガイドの移動に変換する第1伝達機構とで構成することができる。
【0007】
複数の第1ガイドに加えて、複数の第2ガイドを設けるとともに、第1駆動機構に加えて、第2駆動機構を設けることができる。複数の第2ガイドは、各ベルトコンベヤに対して幅方向で隣り合う位置であって、搬送方向で互いに異なる位置に配置され、搬送方向の下流側に位置するほど幅方向の他方側に位置する。ここで、第2駆動機構は、突出状態及び退避状態の間で駆動する。突出状態では、複数の第2ガイドを搬送面よりも上方に突出させ、複数の第2ガイド及び器の接触によって器を複数のベルトコンベヤから他方側へ払い出す。退避状態では、複数の第2ガイドを搬送面よりも下方の位置に退避させる。
【0008】
各ベルトコンベヤに対して幅方向の両側に第2ガイドをそれぞれ配置することができる。第2駆動機構は、伸縮運動を行う第2アクチュエータと、第2アクチュエータの伸縮運動を、突出状態及び退避状態の間での第2ガイドの移動に変換する第2伝達機構とで構成することができる。
【0009】
搬送装置の待機領域には、ストッパ及びストッパ駆動機構を配置することができる。待機領域は、搬送方向の上流側に位置し、搬送させる器を待機させる領域である。ストッパは、ベルトコンベヤに対して幅方向で隣り合う位置に配置することができる。ストッパ駆動機構は、ストッパを突出状態及び退避状態の間で駆動する。突出状態では、ストッパが搬送面よりも上方に突出し、ストッパ及び器の接触によって器を停止させる。退避状態では、ストッパが搬送面よりも下方の位置に退避する。ここで、複数のストッパを設けることができ、複数のストッパは、幅方向に並べることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の第1ガイドをベルトコンベヤの搬送面よりも上方に突出させることにより、複数のベルトコンベヤによって搬送される器を払い出すことができる。また、複数の第1ガイドをベルトコンベヤの搬送面よりも下方の位置に退避させることにより、複数のベルトコンベヤによって、複数の第1ガイドよりも下流側に器を搬送することができる。このような機構では、特許文献1のように搬送路と隣り合う位置に排出レバーの駆動機構を設置するためのスペースは不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図5】第1実施形態において、第1ガイドを駆動するための第1駆動機構を示す側面図である。
【
図6】第1実施形態において、第2ガイドを駆動するための第2駆動機構を示す側面図である。
【
図7】第1実施形態において、第1ガイド及び第1保持プレートの平面図(a)及び側面図(b)である。
【
図8】第1実施形態において、第2ガイド及び第2保持プレートの平面図(a)及び側面図(b)である。
【
図9】第1実施形態において、第1駆動機構及び第2駆動機構の位置関係を示す平面図である。
【
図10】第2実施形態において、搬送装置のうち、皿を待機させる待機領域の平面図である。
【
図11】第2実施形態において、皿を待機領域で停止させるストッパ駆動機構を示す側面図である。
【
図12】第3実施形態において、第1ガイド及び第2ガイドを駆動するための駆動機構を示す側面図である。
【
図13】第3実施形態において、第1ガイド及び第2ガイドを駆動するための駆動機構をX方向から見たときの図である。
【
図14】第3実施形態において、スライダを駆動する機構を説明する図である。
【
図15】第4実施形態であるストッパ駆動機構を示す平面図である。
【
図16】第4実施形態において、ストッパ駆動機構をX方向から見たときの図である。
【
図17】第4実施形態において、ストッパ駆動機構の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
図1は、搬送装置1の平面図である。
搬送装置1は、例えば寿司店に設置され、寿司や飲み物等の注文品を載せた皿Pを注文客へ搬送する。皿Pは、底に向かって窄んでいる。皿Pの底面Pbには、円環状の足Plが立設されるとともに、足Plの内側の領域に、足Plの高さよりも厚みが小さいIC(Integrated Circuit)タグPtが取り付けられる。ICタグPtは、識別情報を記憶する。
【0013】
なお、ICタグPtを内蔵する札を皿Pに載せてもよい。皿Pは、寿司の搬送に適した平面視円形のものを例示したが、適宜の平面形状、立体形状を取り得る。また、搬送装置1の搬送対象は、皿Pに替えて、多数の皿を載せることが可能なお盆であってもよく、物品を載せることが可能な器であればよい。搬送装置1は、焼き肉や定食屋等の飲食店に設置されてもよいし、飲食以外の用途、例えば物品の仕分け(物品を載せた器の搬送)にも適用できる。
【0014】
搬送装置1は、直線状の搬送路2を備える。以下、搬送路2による搬送方向をX方向と記載し、搬送方向の上流側を+X方向と記載し、下流側を-X方向と記載する場合がある。搬送方向と直交する搬送路2の幅方向をY方向と記載し、幅方向の一方側を+Y方向と記載し、他方側を-Y方向と記載することがある。なお、搬送路2は、皿Pを後述するテーブルTに搬送するための通路であり、テーブルTの位置に応じて、搬送路2の形状を適宜決めることができる。
【0015】
搬送路2は、Y方向に互いに隙間を空けて並び皿Pを共に搬送するベルトコンベヤ3A~3Cを備える。+Y方向側のベルトコンベヤから3A、3B、3Cの順に符号を付す。ベルトコンベヤ3A~3Cの幅はそれぞれ同一であり、ベルトコンベヤ3A,3B間やベルトコンベヤ3B,3C間の隙間の大きさは同一である。ベルトコンベヤ3A~3Cの搬送面(上面)は、搬送路2の路面21よりも上方の位置にある。ベルトコンベヤ3A~3Cは、Y方向において、皿Pの足Plの外周面よりも内側にある。なお、ベルトコンベヤ3A~3Cの幅は互いに異なっていてもよいし、Y方向で隣り合う2つのベルトコンベヤの間隔は互いに異なっていてもよい。
【0016】
搬送路2に沿ってテーブルT及び座席Sが設置される。テーブルTは、Y方向に搬送路2を挟んで向き合うように設置される。テーブルTには、搬送路2に沿ってローラコンベヤRCが設置される。ローラコンベヤRCには、Y方向に沿う従動ローラRC1が搬送方向に沿って複数設置されており、ローラコンベヤRCに複数枚の皿Pを載せることができる。
【0017】
図2は、搬送装置1の制御ブロックを示す図である。
各テーブルTには、注文端末101が設置される。客は、注文端末101を利用して飲食物の注文を行う。注文端末101が受け付ける注文は、計算装置102に出力される。計算装置102は、店内または店外にある1台または適宜のネットワークを介して接続する複数台のコンピュータにより構成される。計算装置102は、オーダリングシステムを提供し、店舗状況管理、調理配信、飲食物の到着案内、オーダー集計等を行う。計算装置102は、後述する調理場用端末103及びアンテナ104と通信するとともに、後述する払い出し機構4におけるアクチュエータ51A、51Bを制御する。計算装置102及び端末101,103は、コンピュータであり、通信機能、計算機能、記憶機能、表示機能、入力受付機能を有する。
【0018】
図1に戻り、搬送路2の上流側(
図1の右側)の端部は調理場内にある。客が注文すると、調理スタッフにより、注文品を載せた皿Pが搬送路2に載せられ、載せたことが調理場用端末103に入力される。搬送路2は、皿Pを搬送方向の下流側(
図1の左側)に搬送する。
【0019】
搬送路2には、各テーブルTに対応して払い出し機構4が設けられる。払い出し機構4は、皿Pを搬送路2(ベルトコンベヤ3A、3B、3C)からテーブルTに払い出す。皿Pの払い出しに係る機械的な構成は後述する。払い出し機構4よりも搬送方向の上流側にはアンテナ104が設けられる。アンテナ104は、搬送路2上や、搬送路2の脇に設置される。
【0020】
アンテナ104は、皿PのICタグPtを読み取り、識別情報を計算装置102に出力する。計算装置102は、客の注文品を載せた皿Pが注文客のテーブルT付近まで搬送されたと判定すると、払い出し機構4によって皿Pを搬送路2から注文客のテーブルT側に払い出す。本実施形態では、搬送路2に対してY方向の両側にテーブルTが配置されているため、計算装置102は、注文客のテーブルTに応じて、皿Pを払い出す方向を決定する。皿Pは、注文客のテーブルTのローラコンベヤRCに排出される。このようにして、注文品を載せた皿PがローラコンベヤRCに排出されていく。客は、ローラコンベヤRCから皿Pを取り出し、皿Pに載せられた注文品を飲食する。
【0021】
なお、皿Pは、搬送路2から分岐する他の搬送路に払い出されてもよい。皿Pの識別を行う識別機構として、皿P毎に設置したICタグPtとアンテナ104を用いる例を説明したが、他のバリエーションを採用してもよいし、他の機構も利用できる。例えば、注文品を載せた複数枚の皿Pの一群の前にICタグPtを搭載した皿Pを1枚送ることで、後続の一群の皿Pが連続して客側に払い出されるようになっていてもよい。また、払い出す皿Pの識別を、カメラによって撮像した皿Pの画像を計算装置102が解析することで行ってもよい。
【0022】
図3は、
図1に示す平面図において、搬送路2に対して-Y方向側に位置する払い出し機構4の拡大図である。
払い出し機構4は、実施形態では、Y方向に向かい合うテーブルTに対応してY方向に併設される。まず、-Y方向側の払い出し機構4について説明する。なお、搬送路2のY方向の両側のテーブルTは、搬送方向にずれていてもよく、この場合、払い出し機構4は、各テーブルTの搬送方向の位置に応じてそれぞれ設けられる。
【0023】
-Y方向側の払い出し機構4は、2つの第1ガイド41A、上流第1ガイド42A、下流第1ガイド43A、及び補助排出装置44を備える。なお、補助排出装置44は省略することができる。
【0024】
第1ガイド41Aは、断面円形のピンであり、ベルトコンベヤ3A,3B間やベルトコンベヤ3B,3C間の各隙間にある。本実施形態では3本のベルトコンベヤ3A~3Cを設置するため、第1ガイド41Aは2つあるが、第1ガイド41Aの数は任意に設定できる。ベルトコンベヤを4本設置する場合、第1ガイド41Aは、全てのベルトコンベヤ間の隙間に設置されて計3つ設置されてもよいし、一つの隙間には設置されず計2つが設置されてもよい。第1ガイド41Aの断面形状は円形に限られず、適宜の形状であってよい。なお、ベルトコンベヤの数は、2本以上であればよい。
【0025】
2つの第1ガイド41Aでは、搬送路2の下流側に位置するものほど-Y方向側に位置する。第1ガイド41Aは、3つ以上配置される場合、直線上に位置するように配置されてもよいし、曲線上に位置するように配置されてもよく、適宜の位置に配置できる。
【0026】
第1ガイド41Aは、搬送路2の路面21に設けられた孔を介して上下動する。第1ガイド41Aは、路面21上に共に突出しベルトコンベヤ3A~3Cの搬送面よりも上方に突出する突出状態に遷移可能である。また、第1ガイド41Aは、路面21よりも下方、換言するとベルトコンベヤ3A~3Cの搬送面よりも下方、に共に位置する退避状態に遷移可能である。第1ガイド41Aは、突出状態と退避状態との間を遷移する。
【0027】
各第1ガイド41Aは、後述の第1保持部材52Aの第1保持プレート521Aに共に保持され、計算装置102の制御下で同時に駆動される。なお、第1ガイド41Aは、個別の機構により個別に駆動されてもよい。
【0028】
第1ガイド41Aは、通常時は退避状態とされ、皿Pが下流側へ搬送されることを妨げない。第1ガイド41Aは、注文品を載せた皿Pが客の-Y方向側のテーブルTに近づくと突出状態にされる。ベルトコンベヤ3A~3Cによって搬送される皿Pは、上流側の第1ガイド41Aから順に接触していくところ、第1ガイド41Aは、下流側に位置するものほど-Y方向側に位置するので、皿Pをベルトコンベヤ3A~3Cから-Y方向に払い出し、皿Pを補助排出装置44へ送ることができる。ここで、第1ガイド41Aには、第1ガイド41Aの長手方向(鉛直方向)を軸として回転するローラ(不図示)を設けることができ、このローラに皿Pを接触させることができる。
【0029】
本実施形態では、皿Pをより円滑に払い出すことができるように、ベルトコンベヤ3A~3Cの+Y方向側に上流第1ガイド42Aが設置され、-Y方向側に下流第1ガイド43Aが設置される。上流第1ガイド42A及び下流第1ガイド43Aは、例えば断面円形のピンである。上流第1ガイド42Aは、複数の第1ガイド41Aよりも上流側であって+Y方向側に位置する。下流第1ガイド43Aは、複数の第1ガイド41Aよりも下流側であって-Y方向側に位置する。
【0030】
上流第1ガイド42A及び下流第1ガイド43Aは、第1ガイド41Aと直線上に位置するように配置される。上流第1ガイド42A及び下流第1ガイド43Aは、第1ガイド41Aと同様に駆動され、路面21の各孔を介して突出状態と退避状態との間を遷移する。上流第1ガイド42A及び下流第1ガイド43Aは、後述の第1保持部材52Aの第1保持プレート521Aに共に保持され、計算装置102の制御下で、同時に(第1ガイド41Aとも同時に)駆動されるものとするが、個別の機構により個別に駆動されてもよい。
【0031】
払い出し機構4は、上流第1ガイド42A及び下流第1ガイド43Aを利用することで、皿PをY方向においてより広い範囲で案内でき、皿Pのベルトコンベヤ3A~3Cからの払い出しをより円滑に行える。ここで、上流第1ガイド42Aや下流第1ガイド43Aには、第1ガイド42A、43Aの長手方向(鉛直方向)を軸として回転するローラ(不図示)を設けることができ、このローラに皿Pを接触させることができる。
【0032】
補助排出装置44は、搬送路2上、かつ下流第1ガイド43Aよりも-Y方向側にある。補助排出装置44は、ベルトコンベヤ3A~3Cから払い出された皿Pを搬送路2から払い出し先へ送るものであり、適宜の構成を取り得る。本実施形態では、補助排出装置44は、長手方向が搬送方向に沿う姿勢で設置された駆動ローラ44aを備え、計算装置102の制御下で駆動ローラ44aを駆動させ、ベルトコンベヤ3A~3Cから払い出された皿Pを搬送路2からローラコンベヤRCに送る。
【0033】
なお、駆動ローラ44aは、計算装置102の制御によって駆動されなくてもよく、駆動力を受けずに自由に回転可能な状態で配置されているだけでもよい。この場合には、第1ガイド41A、上流第1ガイド42A及び下流第1ガイド43Aによってベルトコンベヤ3A~3Cから払い出された皿Pが駆動ローラ44a上に移動したとき、駆動ローラ44aは、皿Pの移動に応じて回転する。
【0034】
図4は、
図1に示す平面図において、搬送路2に対して+Y方向側に位置する払い出し機構4の拡大図である。
+Y方向側の払い出し機構4は、搬送路2からの皿Pを+Y方向側に払い出すものであり、
図3の-Y方向側の払い出し機構4と同様の構成を有する。以下、+Y方向側の払い出し機構4について簡略に説明する。払い出し機構4は、2つの第2ガイド41B、上流第2ガイド42B、下流第2ガイド43B、及び補助排出装置44を備える。なお、補助排出装置44は省略することができる。
【0035】
第2ガイド41B、42B、43Bは、例えば断面円形のピンである。各第1ガイド41Aは各第2ガイド41Bと、上流第1ガイド42Aは上流第2ガイド42Bと、下流第1ガイド43Aは下流第2ガイド43BとY方向に並ぶ。すなわち、第2ガイド41B、42B、43Bは、第1ガイド41A、42A、43Aと、搬送路2の幅方向の中心線(ベルトコンベヤ3B)に対して対称に位置する。
【0036】
第2ガイド41Bは、下流側に位置するものほど+Y方向側に位置し、後述する第2保持部材52Bの第2保持プレート521Bに保持される。第2ガイド41Bは、ベルトコンベヤ3A~3Cの搬送面からの突出状態と搬送面下に位置する退避状態との間で遷移する。第2ガイド41Bは、通常時は退避状態とされる。第2ガイド41Bは、注文品を載せた皿Pが注文客の+Y方向側のテーブルTに近づくと突出状態にされ、ベルトコンベヤ3A~3Cによって搬送される皿Pをベルトコンベヤ3A~3Cから+Y方向に払い出し、皿Pを補助排出装置44へ送る。ここで、第2ガイド41Bには、第2ガイド41Bの長手方向(鉛直方向)を軸として回転するローラ(不図示)を設けることができ、このローラに皿Pを接触させることができる。
【0037】
ベルトコンベヤ3A~3Cの-Y方向側に上流第2ガイド42Bが設置され、+Y方向側に下流第2ガイド43Bが設置される。上流第2ガイド42Bは、複数の第2ガイド41Bよりも上流側であって-Y方向側に位置する。下流第2ガイド43Bは、複数の第2ガイド41Bよりも下流側であって+Y方向側に位置する。第2ガイド41B、42B、43Bは、第2保持プレート521Bに保持され、直線上に位置し、第2保持プレート521Bにより上下に同時に駆動される。第2ガイド41B、42B、43Bは、路面21の各孔を介して突出状態と退避状態との間を遷移する。
【0038】
なお、第2ガイド41B、42B、43Bは、個別に駆動されてもよいし、配置位置も適宜に設定できる。ここで、上流第2ガイド42Bや下流第2ガイド43Bには、第2ガイド42B、43Bの長手方向(鉛直方向)を軸として回転するローラ(不図示)を設けることができ、このローラに皿Pを接触させることができる。
【0039】
図5は、第1ガイド41A、42A、43Aを駆動するための第1駆動機構5Aを示す側面図である。
図5は、第1ガイド41A、42A、43Aが突出状態にあるときの第1駆動機構5Aを示す。なお、
図5では、1つの第1ガイド41Aだけを示しており、この第1ガイド41Aに対してY方向で異なる位置に配置される第1ガイド41A、42A、43Aは示していない。
【0040】
第1駆動機構5Aは、ベルトコンベヤ3A、3B、3Cの搬送面(搬送路2の路面21)の下方に設置され、第1ガイド41A、42A、43Aを上下動させて突出状態と退避状態との間で遷移させる。第1駆動機構5Aは、適宜の機構を採用できるところ、以下では一例を説明する。第1駆動機構5Aは、第1アクチュエータ51A、第1保持部材52A、第1伝達機構53Aを備える。
【0041】
第1アクチュエータ51Aは、X方向(搬送方向)に伸縮する。第1アクチュエータ51Aとしては、例えば、ソレノイドアクチュエータを用いることができる。
第1保持部材52Aは、上面において第1ガイド41A、42A、43Aを保持する第1保持プレート521Aを有しており、第1保持プレート521Aの下面には、ガイドピン522が設けられている。また、第1保持部材52Aは、ガイドピン522が挿入されて第1保持プレート521Aの移動方向を上下方向に規制する規制部523と、を備える。
【0042】
第1伝達機構53Aは、第1アクチュエータ51Aの伸縮運動を上下運動に変換して第1保持部材52Aの第1保持プレート521Aに伝達するものであり、第1部材531と、第2部材532とを備える。第1部材531の+X方向(
図5の右方向)の端部は、第1アクチュエータ51Aに接続する。第1部材531は、下端部がX方向(
図5の左右方向)に延びるキー溝535に差し込まれ、移動方向がX方向に規制される。第1部材531には、-X方向に進むにしたがって上方に延びる直線状のスリット533がある。
【0043】
第2部材532は、スリット533に挿入されるピン534を備える。第2部材532は、-X方向の端部が第1保持プレート521Aに固定され、第1保持プレート521Aを介して規制部523により移動方向が上下方向に規制される。
【0044】
計算装置102が第1ガイド41A、42A、43Aを突出状態にする際には、第1アクチュエータ51Aを縮め、第1部材531を+X方向に移動させる。第2部材532は、スリット533及びピン534の係合と、規制部523の作用により上方に移動し、第1保持プレート521Aを上方に移動させる。これにより、第1ガイド41A、42A、43Aは、上方に移動して突出状態となる。
【0045】
計算装置102が第1ガイド41A、42A、43Aを退避状態にする際には、第1アクチュエータ51Aを伸ばし、第1部材531を-X方向に移動させる。第2部材532は、スリット533及びピン534の係合と、規制部523の作用により下方に移動し、第1保持プレート521Aを下方に移動させる。これにより、第1ガイド41A、42A、43Aは、下方に移動し、退避状態となる。
【0046】
図6は、第2ガイド41B、42B、43Bを駆動するための第2駆動機構5Bを示す側面図である。
図6は、第2ガイド41B、42B、43Bが突出状態にあるときの第2駆動機構5Bを示す。なお、
図6では、1つの第2ガイド41Bだけを示しており、この第2ガイド41Bに対してY方向で異なる位置に配置される第2ガイド41B、42B、43Bは示していない。
図6において、
図5で説明した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を用いている。
【0047】
第2駆動機構5Bは、ベルトコンベヤ3A、3B、3Cの搬送面(搬送路2の路面21)の下方に設置され、第2ガイド41B、42B、43Bを上下動させて突出状態と退避状態との間で遷移させる。第2駆動機構5Bは、適宜の機構を採用できるところ、以下では一例を説明する。第2駆動機構5Bは、第2アクチュエータ51B、第2保持部材52B、第2伝達機構53Bを備える。
【0048】
第2アクチュエータ51Bは、X方向(搬送方向)に伸縮する。第2アクチュエータ51Bとしては、例えば、ソレノイドアクチュエータを用いることができる。
第2保持部材52Bは、上面において第2ガイド41B、42B、43Bを保持する第2保持プレート521Bを有しており、第2保持プレート521Bの下面には、ガイドピン522が設けられている。また、第2保持部材52Bは、ガイドピン522が挿入されて第2保持プレート521Bの移動方向を上下方向に規制する規制部523と、を備える。
【0049】
第2伝達機構53Bは、第2アクチュエータ51Bの伸縮運動を上下運動に変換して第2保持部材52Bの第2保持プレート521Bに伝達するものであり、第1部材531と、第2部材532とを備える。第1部材531の+X方向(
図6の左方向)の端部は、第2アクチュエータ51Bに接続する。第1部材531は、下端部がX方向(
図6の左右方向)に延びるキー溝535に差し込まれ、移動方向がX方向に規制される。第1部材531には、+X方向に進むにしたがって上方に延びる直線状のスリット533がある。
【0050】
第2部材532は、スリット533に挿入されるピン534を備える。第2部材532は、+X方向の端部が第2保持プレート521Bに固定され、第2保持プレート521Bを介して規制部523により移動方向が上下方向に規制される。
【0051】
計算装置102が第2ガイド41B、42B、43Bを突出状態にする際には、第2アクチュエータ51Bを縮め、第1部材531を-X方向に移動させる。第2部材532は、スリット533及びピン534の係合と、規制部523の作用により上方に移動し、第2保持プレート521Bを上方に移動させる。これにより、第2ガイド41B、42B、43Bは、上方に移動して突出状態となる。
【0052】
計算装置102が第2ガイド41B、42B、43Bを退避状態にする際には、第2アクチュエータ51Bを伸ばし、第1部材531を+X方向に移動させる。第2部材532は、スリット533及びピン534の係合と、規制部523の作用により下方に移動し、第2保持プレート521Bを下方に移動させる。これにより、第2ガイド41B、42B、43Bは、下方に移動して退避状態となる。
【0053】
次に、上述した第1保持プレート521A及び第2保持プレート521Bの位置関係について、
図7及び
図8を用いて説明する。
【0054】
図7には、第1ガイド41A~43A及び第1保持プレート521Aの平面図(a)と、第1ガイド41A~43A及び第1保持プレート521Aの側面図(b)を示す。また、
図7(b)には、第1保持プレート521Aが突出状態にあるときの位置と、第1保持プレート521Aが退避状態にあるときの位置を示す。
【0055】
図8には、第2ガイド41B~43B及び第2保持プレート521Bの平面図(a)と、第2ガイド41B~43B及び第2保持プレート521Bの側面図(b)を示す。また、
図8(b)には、第2保持プレート521Bが突出状態にあるときの位置と、第2保持プレート521Bが退避状態にあるときの位置を示す。
【0056】
図7に示すように、第1保持プレート521Aは平板状に形成されている。第1保持プレート521Aの上面には、第1ガイド41A~43Aが設けられており、第1ガイド41A~43Aの高さ(
図7の上下方向の長さ)は同じである。
【0057】
図8に示すように、第2保持プレート521Bは、第1保持プレート521Aとの干渉を避けるための凹部521B1を有する。
図3や
図4から分かる通り、第1保持プレート521A及び第2保持プレート521Bは、平面視において互いに交差している。このため、第1保持プレート521Aや第2保持プレート521Bを突出状態及び退避状態の間で移動させるときには、第1保持プレート521A及び第2保持プレート521Bが互いに干渉しないようにする必要がある。そこで、第2保持プレート521Bに凹部521B1を形成することにより、第1保持プレート521A及び第2保持プレート521Bの干渉を避けるようにしている。
【0058】
図8(b)に示すように、2つの第2ガイド41Bは、第2保持プレート521Bの凹部521B1に設けられており、第2ガイド41Bの高さ(
図8の上下方向の長さ)は、上流第2ガイド42Bや下流第2ガイド43Bの高さ(
図8の上下方向の長さ)よりも高くなっている。そして、第2ガイド41B~43Bの上端の位置を同じ高さに揃えている。
【0059】
図8(b)に示すように、第1保持プレート521Aは、突出状態にある第2保持プレート521Bの凹部521B1よりも上方において、突出状態及び退避状態の間で移動する。また、第2保持プレート521Bは、突出状態の位置よりも下方に移動することにより、退避状態となる。これにより、第1保持プレート521A及び第2保持プレート521Bが互いに干渉することなく、第1保持プレート521A及び第2保持プレート521Bのそれぞれを突出状態及び退避状態の間で移動させることができる。
【0060】
図9は、上述した第1駆動機構5A及び第2駆動機構5Bを示す平面図である。第1駆動機構5A及び第2駆動機構5Bは、搬送路2の搬送方向(X方向)に沿って並んで配置されている。第1駆動機構5Aの第1アクチュエータ51Aは、第1保持プレート521A及び第2保持プレート521Bが交差する位置から最も離れた位置に配置されている。また、第2駆動機構5Bの第2アクチュエータ51Bは、第1保持プレート521A及び第2保持プレート521Bが交差する位置から最も離れた位置に配置されている。
【0061】
なお、本実施形態では、第1アクチュエータ51AがX方向(搬送方向)に伸縮するが、第1アクチュエータ51Aの伸縮方向はX方向(搬送方向)とは異なる方向であってもよい。すなわち、第1アクチュエータ51Aの伸縮運動を、上述した第1ガイド41A、42A、43Aの移動に変換すればよい。
【0062】
また、本実施形態では、第2アクチュエータ51BがX方向(搬送方向)に伸縮するが、第2アクチュエータ51Bの伸縮方向はX方向(搬送方向)とは異なる方向であってもよい。すなわち、第2アクチュエータ51Bの伸縮運動を、上述した第2ガイド41B、42B、43Bの移動に変換すればよい。
【0063】
本実施形態によれば、第1ガイド41A~43Aや第2ガイド41B~43Bを突出状態及び退避状態の間で移動させるため、搬送路2の路面21と隣り合う位置に、皿Pを払い出すための機構を設置する必要が無い。
【0064】
なお、本実施形態では、搬送路2に対してY方向の両側にテーブルTが配置されているため、第1ガイド41A~43Aと第2ガイド41B~43Bを設けているが、これに限るものではない。具体的には、搬送路2に対してY方向の片側にテーブルTが配置されている場合には、このテーブルTに皿Pを搬送するために、第1ガイド41A~43A又は第2ガイド41B~43Bだけを設けることができる。
【0065】
(第2実施形態)
次に、搬送路2の上流側(
図1の右側)の端部における機構について、
図10及び
図11を用いて説明する。
【0066】
注文品を載せた皿Pは、調理スタッフによって搬送路2(ベルトコンベヤ3A、3B、3C)の待機領域2A(
図10参照)に載せられる。待機領域2Aは、後述するストッパ60の位置よりも調理場側に位置する領域であり、搬送しようとする皿Pを一時的に待機させる領域である。搬送路2の路面21の下方には、
図11に示すストッパ駆動機構6が配置されており、ストッパ駆動機構6は、ストッパ60、アクチュエータ61、保持部材62、伝達機構63を備える。
【0067】
図10に示すように、本実施形態では、2つのストッパ60が設けられており、一方のストッパ60は、ベルトコンベヤ3A、3Bの間に位置しており、他方のストッパ60は、ベルトコンベヤ3B、3Cの間に位置している。2つのストッパ60は、皿Pの搬送方向(言い換えれば、ベルトコンベヤ3A~3Cの移動方向)と直交する方向に並んでいる。各ストッパ60は、ベルトコンベヤ3A~3Cの搬送面よりも上方に突出する突出状態と、ベルトコンベヤ3A~3Cの搬送面よりも下方に退避する退避状態との間で動作する。
【0068】
ストッパ60は、断面円形のピンであるが、ストッパ60の形状は適宜決めることができる。また、ストッパ60には、ストッパ60の長手方向(鉛直方向)を軸として回転するローラ(不図示)を設けることができ、このローラに皿Pを接触させることができる。
【0069】
ストッパ60が突出状態にあるとき、待機領域2Aに載せられた皿Pの足Plがストッパ60に接触することにより、この接触位置において皿Pを停止させることができる。ここで、突出状態にあるストッパ60から離れた位置に皿Pを載せたときには、ベルトコンベヤ3A~3Cの駆動によって、ストッパ60に接触する位置まで皿Pを移動させることができる。複数の皿Pを待機領域2Aに載せる場合、最先頭の皿Pをストッパ60の位置で停止させることができ、最先端の皿Pに対して後続の皿Pをベルトコンベヤ3A~3Cに沿って並べることができる。
【0070】
ストッパ60が退避状態にあるとき、待機領域2Aに載せられた皿Pは、ベルトコンベヤ3A~3Cの駆動によってテーブルTに向かって搬送される。複数の皿Pが待機領域2Aに載せられているとき、複数の皿Pは、互いに並んだ状態において、ベルトコンベヤ3A~3Cの駆動によってテーブルTに向かって搬送される。これにより、客が注文したすべての注文品の皿Pを注文客に届けることができる。
【0071】
次に、ストッパ60を駆動する機構について説明する。アクチュエータ61は、X方向(搬送方向)に伸縮する。アクチュエータ61としては、例えば、ソレノイドアクチュエータを用いることができる。保持部材62は、2つのストッパ60を一体的に保持する保持プレート621と、保持プレート621の下面に設けられたガイドピン622と、ガイドピン622が挿入されてガイドピン622の移動を上下方向に規制する規制部623と、を備える。
【0072】
伝達機構63は、アクチュエータ61の伸縮運動を上下運動に変換して保持プレート621に伝達するものであり、第1部材631と、第2部材632とを備える。第1部材631の+X方向(
図11の右方向)の端部は、アクチュエータ61に接続されている。第1部材631は、下端部がX方向(
図11の左右方向)に延びるキー溝635に差し込まれ、移動方向がX方向に規制される。第1部材631には、-X方向に進むにしたがって上方に延びる直線状のスリット633が形成されている。
【0073】
第2部材632は、スリット633に挿入されるピン634を備える。第2部材632は、-X方向の端部が保持プレート621に固定され、保持プレート621を介して規制部623により移動方向が上下方向に規制される。
【0074】
計算装置102がストッパ60を突出状態にする際には、アクチュエータ61を縮め、第1部材631を+X方向に移動させる。第2部材632は、スリット633及びピン634の係合と、規制部623の作用により上方に移動し、保持プレート621を上方に移動させる。これにより、ストッパ60が上方に移動して突出状態となる。
【0075】
計算装置102がストッパ60を退避状態にする際には、アクチュエータ61を伸ばし、第1部材631を-X方向に移動させる。第2部材632は、スリット633及びピン634の係合と、規制部623の作用により下方に移動し、保持プレート621を下方に移動させる。これにより、ストッパ60が下方に移動して退避状態となる。
【0076】
なお、本実施形態では、アクチュエータ61がX方向(搬送方向)に伸縮するが、アクチュエータ61の伸縮方向はX方向(搬送方向)とは異なる方向であってもよい。すなわち、アクチュエータ61の伸縮運動を、上述したストッパ60の移動に変換すればよい。
【0077】
本実施形態では、皿Pをベルトコンベヤ3A~3C上で停止させるために、2つのストッパ60を用いているが、これに限るものではない。すなわち、ストッパ60を用いて皿Pを停止させることができればよく、ストッパ60の数は適宜決めることができる。例えば、1つのストッパ60を用いる場合であっても、ストッパ60の形状を、皿Pを停止させることができる形状に形成すればよい。
【0078】
本実施形態では、
図10に示すように、ベルトコンベヤ3A、3Bの間と、ベルトコンベヤ3B、3Cの間にストッパ60を配置しているが、これに限るものではない。すなわち、ストッパ60を用いて皿Pを停止させることができればよく、ストッパ60を配置する位置は適宜決めることができる。ここで、ストッパ60を配置する位置は、ベルトコンベヤ3A~3Cと干渉しない位置であればよい。例えば、ベルトコンベヤ3Aに対して、ベルトコンベヤ3Bの側とは反対側にストッパ60を配置したり、ベルトコンベヤ3Cに対して、ベルトコンベヤ3Bの側とは反対側にストッパ60を配置したりすることができる。
【0079】
(第3実施形態)
本実施形態は、第1実施形態と比べて、第1ガイド41A~43Aや第2ガイド41B~43Bを突出状態及び退避状態の間で移動させる機構が異なっている。本実施形態において、第1実施形態で説明した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を用い、詳細な説明は省略する。以下、
図12から
図14を用いて、第1実施形態と異なる点について、主に説明する。
【0080】
図12は、
図5及び
図6に対応する図である。
図13は、第1ガイド41A~43Aや第2ガイド41B~43Bを移動させる機構をX方向から見たときの図である。
図14は、後述するラック76を駆動するための機構を説明する図である。
【0081】
第1ガイド41A~43Aを突出状態及び退避状態の間で移動させる機構と、第2ガイド41B~43Bを突出状態及び退避状態の間で移動させる機構とは、実質的に同一であるため、以下では、第1ガイド41A~43Aを突出状態及び退避状態の間で移動させる機構について説明する。ここで、第1ガイド41A~43Aを移動させる機構と、第2ガイド41B~43Bを移動させる機構とにおいて、同一の機能を有する部材については、同一の符号を用いている。
【0082】
図12において、第1保持プレート521Aは、駆動部71に固定されている。駆動部71には第1アーム72の先端部が接続されており、第1アーム72の基端部は、ギヤ73の軸部73aに接続されている。また、ギヤ73の軸部73aには、第2アーム74の基端部が接続されており、第2アーム74にはウェイト75が取り付けられている。ギヤ73が軸部73aの周りで回転することにより、第1アーム72や第2アーム74を移動させることができる。
【0083】
ウェイト75は、ギヤ73の軸部73aに対して、第1保持プレート521Aが位置する側とは反対側に配置されており、第1ガイド41A~43Aを突出状態に維持させるために用いられる。なお、ウェイト75は省略することができ、ウェイト75を省略する場合には、第2アーム74も省略することができる。
【0084】
ギヤ(ピニオンギヤ)73は、ラック76と噛み合っており、ラック76がX方向に移動することにより、ギヤ73を回転させることができる。ラック76が-X方向又は+X方向に移動することに応じて、ギヤ73の回転方向を変更することができる。ラック76にはスライダ77が接続されており、スライダ77は、スライドレール78に係合している。スライドレール78は、スライダ77をX方向にガイドする。
【0085】
図12に示す状態(第1ガイド41Aの突出状態)において、ギヤ73を反時計方向に回転させると、第1アーム72によって第1保持プレート521Aを下方に移動させて、第1ガイド41Aを突出状態から退避状態に移動させることができる。一方、第1ガイド41Aが退避状態にあるとき、ギヤ73を時計方向に回転させることにより、第1アーム72によって第1保持プレート521Aを上方に移動させて、第1ガイド41Aを退避状態から突出状態に移動させることができる。
【0086】
なお、第1実施形態で説明したように、第1保持プレート521Aは
図7に示す形状を有しているとともに、第2保持プレート521Bは
図8に示す形状を有しており、第1保持プレート521A及び第2保持プレート521Bが互いに干渉しないようになっている。
図12に示すように、第2保持プレート521Bの凹部521B1は、駆動部71よりも下方に位置している。
【0087】
一方、
図13に示すように、軸受79は、ギヤ73及びアーム72,74を回転可能に支持している。軸受79は、ホルダ80によって支持されている。
【0088】
【0089】
ラック76の上面には、上述したギヤ73と噛み合うギヤ部76aが形成されている。ラック76の一端には、駆動部81が接続されており、駆動部81には、アクチュエータ82が接続されている。アクチュエータ82は、第1実施形態で説明したアクチュエータ51A,51Bと同様に伸縮することができ、アクチュエータ82としては、例えば、ソレノイドアクチュエータを用いることができる。アクチュエータ82は、ホルダ83によって保持されている。
【0090】
アクチュエータ82の作動によって、駆動部81をX方向に移動させることができる。ここで、駆動部81にはラック76が接続されているため、ラック76もX方向に移動させることができる。アクチュエータ82の動作は、計算装置102(
図2参照)によって制御される。
【0091】
(第4実施形態)
本実施形態は、第2実施形態と比べて、ストッパ60を突出状態及び退避状態の間で移動させる機構が異なっている。本実施形態において、第2実施形態で説明した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を用い、詳細な説明は省略する。以下、
図15から
図17を用いて、第2実施形態と異なる点について、主に説明する。
【0092】
本実施形態では、
図15に示すように、2種類のストッパ60A,60Bが用いられている。一対のストッパ60Aは、搬送路2の下流側に配置されており、一対のストッパ60Bは、搬送路2の上流側に配置されている。一対のストッパ60Aは、第1保持プレート621Aによって保持されており、一対のストッパ60Bは、第2保持プレート621Bによって保持されている。
【0093】
第1保持プレート621Aには、第1アーム91aの先端部が接続されており、第2保持プレート621Bには、第2アーム91bの先端部が接続されている。第1アーム91aの基端部及び第2アーム91bの基端部は、ギヤ92の軸部92aに接続されている。軸受93は、ギヤ92の軸部92a及びアーム91a,91bを回転可能に支持している。軸受93は、ホルダ94によって支持されている。
【0094】
ギヤ92は、軸部92aの周りで回転することにより、
図17に示すように、第1アーム91aや第2アーム91bを移動させることができる。ギヤ(ピニオンギヤ)92は、ラック95と噛み合っており、ラック95がX方向に移動することにより、ギヤ92を回転させることができる。ラック95が-X方向又は+X方向に移動することに応じて、ギヤ92の回転方向を変更することができる。
【0095】
ラック95には駆動部96が接続されており、駆動部96の底面にはスライダ97が取り付けられている。スライダ97は、スライドレール98に係合しており、スライドレール98は、スライダ97をX方向にガイドする。
図16に示すように、駆動部96には、アクチュエータ99が接続されている。ここで、
図16では、ストッパ60Aや第1保持プレート621Aを省略している。
【0096】
アクチュエータ99は、第1実施形態で説明したアクチュエータ51A,51Bと同様に伸縮することができ、アクチュエータ99としては、例えば、ソレノイドアクチュエータを用いることができる。アクチュエータ99を伸縮させると、駆動部96を介して、ラック95をX方向に移動させることができる。アクチュエータ99の動作は、計算装置102(
図2参照)によって制御される。
【0097】
図17に示す状態では、ストッパ60Aが退避状態にあり、ストッパ60Bが突出状態にある。一方、ストッパ60Aが突出状態にあるときには、ストッパ60Bが退避状態となる。このように、ストッパ60A,60Bの一方が突出状態にあるときには、ストッパ60A,60Bの他方が退避状態となるように、ギヤ92に対するアーム91a,91bの角度が決められている。
【0098】
図17に示す状態(ストッパ60Bの突出状態)において、ギヤ92を時計方向に回転させると、第2アーム91bによって第2保持プレート621Bを下方に移動させて、ストッパ60Bを突出状態から退避状態に移動させることができる。また、第1アーム91aによって第1保持プレート621Aを上方に移動させて、ストッパ60Aを退避状態から突出状態に移動させることができる。
【0099】
一方、ストッパ60Aが突出状態にあるとき、ギヤ92を反時計方向に回転させることにより、第1アーム91aによって第1保持プレート621Aを下方に移動させて、ストッパ60Aを突出状態から退避状態に移動させることができる。また、第2アーム91bによって第2保持プレート621Bを上方に移動させて、ストッパ60Bを退避状態から突出状態に移動させることができる。
【0100】
本実施形態によれば、ストッパ60Aを突出状態とすることにより、ストッパ60Aに皿Pを接触させて一時的に待機させることができる。そして、
図17に示すように、ストッパ60Aを退避状態にするとともに、ストッパ60Bを突出状態にすれば、ベルトコンベヤ3A~3Cを駆動することにより、
図17に示す左側の皿Pを注文客のテーブルTまで搬送することができる。ここで、
図17に示す右側の皿Pは、突出状態にあるストッパ60Bと接触して停止することになる。これにより、搬送させようとする皿P(
図17に示す左側の皿P)を搬送させることができるとともに、停止させておく皿P(
図17に示す右側の皿P)を停止させたままとすることができる。
【符号の説明】
【0101】
1:搬送装置、3A、3B、3C:ベルトコンベヤ、5A:第1駆動機構、5B:第2駆動機構、6:ストッパ駆動機構、41A:第1ガイド、41B:第2ガイド、42A:上流第1ガイド、42B:上流第2ガイド、43A:下流第1ガイド、43B:下流第2ガイド、51A:第1アクチュエータ、51B:第2アクチュエータ、52A:第1保持部材、52B:第2保持部材、53A:第1伝達機構、53B:第2伝達機構、60:ストッパ、91:皿、X:搬送方向、Y:幅方向。