IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社SPIエンジニアリングの特許一覧

<>
  • 特開-内視鏡 図1
  • 特開-内視鏡 図2
  • 特開-内視鏡 図3
  • 特開-内視鏡 図4
  • 特開-内視鏡 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022095547
(43)【公開日】2022-06-28
(54)【発明の名称】内視鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/07 20060101AFI20220621BHJP
   A61B 1/06 20060101ALI20220621BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20220621BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
A61B1/07 732
A61B1/06 530
A61B1/00 680
G02B23/24 A
G02B23/24 B
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189825
(22)【出願日】2021-11-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】P 2020208245
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】510211125
【氏名又は名称】株式会社SPIエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本 長武
(72)【発明者】
【氏名】原山 広一郎
(72)【発明者】
【氏名】小平 正樹
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040CA11
2H040DA16
2H040DA17
2H040GA02
4C161AA00
4C161BB01
4C161CC06
4C161FF45
4C161FF46
4C161LL02
(57)【要約】
【課題】小型サイズであるとともに、従来構造よりも光量アップおよびケーブルを長くすることが可能な構造の内視鏡ケーブルを提供することを目的とする。
【解決手段】内視鏡ケーブル1は、撮像部2と伝送ケーブル3とコネクタ部4とが順に連なって構成され、伝送ケーブル3は撮像部2に内蔵されたイメージセンサ5を外部機器M1に接続するための複数の絶縁電線6と対象物への照明のための複数の光ファイバ7とを有し、光ファイバ7の光源としてLED9がコネクタ部4に内蔵されており、伝送ケーブル3の一端側はイメージセンサ5の外側における複数個所に光ファイバ7の出射側が配されており、伝送ケーブル3の中央部は軸線周りに集合した絶縁電線6の外側に光ファイバ7が長手方向に螺旋状に巻かれて熱収縮チューブ16に覆われた状態で外被8に覆われている構成である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と伝送ケーブルとコネクタ部とが順に連なって構成され、前記伝送ケーブルは前記撮像部に内蔵されたイメージセンサを外部機器に接続するための複数の絶縁電線と対象物への照明のための複数の光ファイバとを有し、前記光ファイバの光源としてLEDが前記コネクタ部に内蔵されており、前記伝送ケーブルの一端側は前記イメージセンサの外側における複数個所に前記光ファイバの出射側が配されており、前記伝送ケーブルの中央部は軸線周りに集合した前記絶縁電線の外側に前記光ファイバが長手方向に螺旋状に巻かれて熱収縮チューブに覆われた状態で外被に覆われている構成であること
を特徴とする内視鏡ケーブル。
【請求項2】
前記絶縁電線の外周はテープが巻回された状態で前記光ファイバの入射側と分岐している構成であり、前記熱収縮チューブはエラストマー製であり、前記外被はシリコーン製であること
を特徴とする請求項1に記載の内視鏡ケーブル。
【請求項3】
前記撮像部は前記イメージセンサを囲んで開口部が多角形状の第1筒状体が配されており、前記第1筒状体の外側に前記光ファイバの出射側が配されており、前記光ファイバの出射側を囲んで第2筒状体が配されており、前記コネクタ部は前記光ファイバの入射側の束を囲んで第3筒状体が配されている構成であること
を特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡ケーブル。
【請求項4】
前記伝送ケーブルは軸線上に前記絶縁電線の導体よりもヤング率の大きな材質からなる芯線が配されていること
を特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の内視鏡ケーブル。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の内視鏡ケーブルを備えた内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡ケーブル、及び内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡のうち、観察対象に光を照射し反射光をイメージセンサにて受光し電気信号に変換してモニタ等に画像表示する構成は、短時間で効率的に観察対象を観察できるとともに観察画像のデータ保存が容易であることから、工業用途や医療用途で広く利用されている。
【0003】
従来、固体撮像素子の周縁部に連通路を設けて光ファイバ束を挿通、配設した内視鏡が提案されている(特許文献1:特開昭60-088923号公報)。また、CMOSカメラの外周に光ファイバ束を配して当該光ファイバ束の外周に円形保護管を配した撮像装置が提案されている(特許文献2:特開2017-099485号公報)。また、カテーテル用のガイドワイヤを通す孔を設けたホルダに撮像素子を配するとともに当該撮像素子の両側に光ファイバ配した内視鏡が提案されている(特許文献3:特開2020-010744号公報)。市販の内視鏡としては、超極細外径のケーブルを備えたものがある(非特許文献1:「超極細工業用内視鏡カタログ」インターネット<URL:https://www.spieng.com/product/pdf/catalog#0.95#1.8.pdf>)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭60-088923号公報
【特許文献2】特開2017-099485号公報
【特許文献3】特開2020-010744号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「超極細工業用内視鏡カタログ」インターネット<URL:https://www.spieng.com/product/pdf/catalog#0.95#1.8.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、内視鏡の需要はより高まっており、小型サイズであるとともに、細部を観察するための光量アップや観察位置などの観察条件に応じてケーブルを長くしたいとの市場からの要求がある。しかし、現行の内視鏡ケーブルは構造上、小型サイズと、光量アップおよびケーブルを長くすることの両立が困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、小型サイズであるとともに、従来構造よりも光量アップおよびケーブルを長くすることが可能な構造の内視鏡ケーブルを提供することを目的とする。
【0008】
一実施形態として、以下に開示する解決策により、前記課題を解決する。
【0009】
本発明に係る内視鏡ケーブルは、撮像部と伝送ケーブルとコネクタ部とが順に連なって構成され、前記伝送ケーブルは前記撮像部に内蔵されたイメージセンサを外部機器に接続するための複数の絶縁電線と対象物への照明のための複数の光ファイバとを有し、前記光ファイバの光源としてLEDが前記コネクタ部に内蔵されており、前記伝送ケーブルの一端側は前記イメージセンサの外側における複数個所に前記光ファイバの出射側が配されており、前記伝送ケーブルの中央部は軸線周りに集合した前記絶縁電線の外側に前記光ファイバが長手方向に螺旋状に巻かれて熱収縮チューブに覆われた状態で外被に覆われている構成であることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、複数の光ファイバを設けたことで光量アップが図れる。螺旋状に巻かれた光ファイバは熱収縮チューブに覆われているので、ほつれが防止できるとともに、伝送ケーブルの組立が容易にできる。そして、熱収縮チューブにて引き締められて外被に覆われた二重構造にしたことで細くて丈夫な構造にできる。また、光ファイバの光源としてLEDがコネクタ部に内蔵されているので、小型サイズであるとともに、伝送ケーブルを長くした構成においても高い柔軟性を有する構成にできる。したがって、入り組んだ狭い場所の対象物に対して撮像部を近づけることができる。
【0011】
前記絶縁電線の外周はテープが巻回された状態で前記光ファイバの入射側と分岐している構成であり、前記熱収縮チューブはエラストマー製であり、前記外被はシリコーン製であることが好ましい。この構成によれば、伝送ケーブルの他端側を光ファイバの入射側の束とテープ巻きされた絶縁電線とに分岐したことで、コネクタ部の組立が容易にできる。そして、エラストマー製の熱収縮チューブとシリコーン製の外被との二重構造にしたことで伝送ケーブルに必要な伸びや曲げ性やキンク性が得られるとともに、滅菌処理も容易にできる。
【0012】
前記撮像部は前記イメージセンサを囲んで開口部が多角形状の第1筒状体が配されており、前記第1筒状体の外側に前記光ファイバの出射側が配されており、前記光ファイバの出射側を囲んで第2筒状体が配されており、前記コネクタ部は前記光ファイバの入射側の束を囲んで第3筒状体が配されている構成であることが好ましい。この構成によれば、第1筒状体と第2筒状体とによってイメージセンサおよび光ファイバを保護するとともに位置決めすることが容易にできる。尚且つ、光ファイバの入射側の束を囲んで第3筒状体が配された状態で効率的にLEDからの光を入射させることが容易にできる。そして、一つのLEDにすることで、合理的かつ小型にできる。前記第1筒状体は、開口部をイメージセンサの外形に対応させた形状にしており、一例として、開口部は四角形状である。前記第2筒状体は、開口部を入り組んだ狭い場所に近づけやすい形状にしており、一例として、開口部は円形状である。前記第3筒状体は、開口部をLEDの出射面に対応させた形状にしており、一例として、開口部は円形状である。
【0013】
一例として、前記伝送ケーブルは軸線上に前記絶縁電線の導体よりもヤング率の大きな材質からなる芯線が配されている。この構成によれば、伝送ケーブルを長くした場合においても当該伝送ケーブルに求められる柔軟性を活かして入り組んだ狭い場所の対象物に撮像部を近づけるとともに当該伝送ケーブルの復元性を高めることが容易にできるので伝送ケーブルの外径を小さくするとともに長さを長くすることが容易にできる。一例として前記芯線はピアノ線である。ここで、前記中央部の軸線上は空洞または樹脂若しくは前記絶縁電線の導体よりもヤング率の小さな材質からなる芯材にする場合がある。
【0014】
本発明によれば、複数の光ファイバを設けたことで光量アップが図れる。螺旋状に巻かれた光ファイバは熱収縮チューブに覆われているので、ほつれが防止できるとともに、伝送ケーブルの組立が容易にできる。そして、熱収縮チューブにて引き締められて外被に覆われた二重構造にしたことで細くて丈夫な構造にできる。また、光ファイバの光源としてLEDがコネクタ部に内蔵されているので、小型サイズであるとともに、伝送ケーブルを長くした構成においても高い柔軟性を有する構成にできる。したがって、入り組んだ狭い場所の対象物に対して撮像部を近づけることができ、従来品よりも使い勝手がよくて細部を観察することが可能な内視鏡が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は本発明の実施形態に係る内視鏡ケーブルの例を示す概略の正面図である。
図2図2A図1を撮像部の先端側から視た概略の平面図であり、図2B図1における撮像部の先端側の概略の縦断面図である。
図3図3A図1における伝送ケーブルの第1例を示す概略のIIIA-IIIA断面図であり、図3B図1におけるコネクタ部の概略の内部構造図である。
図4図4Aは伝送ケーブルの第2例を示す横断面図であり、図4Bは伝送ケーブルの第3例を示す横断面図である。
図5図5は本発明の実施形態に係る内視鏡ケーブルを適用した内視鏡の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について図面を参照して以下に詳しく説明する。本実施形態は、工場等の製造ラインや製品の不具合解析室、または医療現場などで用いられる内視鏡に適用可能な内視鏡ケーブル1である。図1に示すように、内視鏡ケーブル1は、撮像部2と伝送ケーブル3とコネクタ部4とが順に連なって構成されている。伝送ケーブル3は撮像部2に内蔵されたイメージセンサ5を外部機器M1に接続するための複数の絶縁電線6と対象物への照明のための複数の光ファイバ7とを有している。イメージセンサ5は一例としてCMOSセンサである。外部機器M1は一例としてイメージセンサ5からの出力信号を映像信号に変換する処理回路と当該映像信号に基づいて画像表示するディスプレイモニタを備える。
【0017】
図2A図1を撮像部2の先端側から視た概略の平面図であり、図2B図1における撮像部2の先端側の概略の縦断面図である。撮像部2の先端側において、伝送ケーブル3の一端側はイメージセンサ5の外側における複数個所に光ファイバ7の出射側7bが配されている。図2Aの例では、撮像部2はイメージセンサ5を囲んで開口部が四角形状の第1筒状体11が配されており、第1筒状体11の外側の4つの側面にそれぞれ光ファイバ7の出射側7bが配されている。そして、光ファイバ7の出射側7bを囲んで開口部が円形状の第2筒状体12が配されており、伝送ケーブル3の外被8と第2筒状体12の外側面との両方を囲んで開口部が円形状の第4筒状体14が配されている。外被8と第4筒状体14とは、一例として接着剤によって接着固定される。なお、上記構成に限定されず、第1筒状体11の外側の側面のうちの対向する2つの側面にそれぞれ光ファイバ7の出射側7bが配されている場合がある。したがって、光ファイバ7の出射側7bは撮像部2の外側側面に沿って2箇所ないしは4箇所で配設されている。なお、第1筒状体11の開口部は四角形状に限られず、六角形状や八角形状など既知の多角形状にする場合がある。
【0018】
図2Aの例では、第1筒状体11の側面の一部は、光ファイバ7の出射側7bが配されている場所と光ファイバ7の出射側7bが配されている場所とに光ファイバ7が配されていない箇所があり、イメージセンサ5と絶縁電線6との接続部分が視認可能な隙間が形成されている。これにより、前記隙間を利用してイメージセンサ5と絶縁電線6との半田付けなどの電気接続が容易にできる。図2Bに示すように、軸線P1に対して第1筒状体11、第2筒状体12及び第4筒状体14は回転対称配置になっている。第1筒状体11と第2筒状体12は、それぞれニッケル、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス、鉄、またはこれらの合金からなる。また、必要に応じて、高い導電率や高い摺動性を確保するための金属めっきが施される。第1筒状体11はイメージセンサ5と光ファイバ7とを区画しており、第1筒状体11と第2筒状体12とを組み合わせたことで、光ファイバ7を位置決めしつつ熱伝導作用によって撮像部2の温度上昇が防止できる。第4筒状体14はニッケル、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス、鉄、またはこれらの合金、若しくはプラスチックなどからなる。なお、第2筒状体12を延設して光ファイバ7を位置決めしつつ外被8を接着固定することで、第4筒状体14を省いた構成にすることも可能である。
【0019】
図3Aは伝送ケーブル3の第1例を示す概略のIIIA-IIIA断面図であり、図3Bはコネクタ部4の概略の内部構造図である。図3Aおよび図3Bに示すように、複数の絶縁電線6は、3本の同軸ケーブルから構成されており、軸線P1周りに集合した絶縁電線6の外側に光ファイバ7が囲んで配されるとともに長手方向に螺旋状に巻かれて熱収縮チューブ16に覆われた状態で外被8に覆われている構成である。熱収縮チューブ16はエラストマー製であり、一例として、ポリオレフィン製、またはナイロン製である。外被8はシリコーン製のチューブからなる場合があり、または外被8は共重合ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂からなる場合がある。
【0020】
図3Bに示すように、コネクタ部4の内部は、光ファイバ7の光源としてLED9が内蔵されており、伝送ケーブル3における絶縁電線6の外周は長手方向に沿ってテープ同士が一部重なるようにテープ21が巻回された状態で光ファイバ7の入射側7aと分岐している構成である。コネクタ部4の内部は、ホルダ17の後端側にLED9が位置決めされており、ホルダ17の先端側に位置決めされた第3筒状体13の貫通穴に光ファイバ7の入射側7aの束が貫通した状態で、LED9から出射された光が光ファイバ7の入射側7aの束に入射される構成である。そして、コネクタ部4の後端側に配された接続端子部18に絶縁電線6の内部導体が半田付けなどによって電気接続されている。テープ21は一例として片面接着層付きの樹脂フィルムまたは片面粘着剤層付きの紙テープから構成される。第3筒状体13は一例としてフランジを有する円筒形状を呈しており、一例としてニッケル、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス、鉄、またはこれらの合金から構成される。LED9は、一例としてチップ形状であり、可視光を出射する構成である。伝送ケーブル3は、外周にテープ巻きされた状態の絶縁電線6の外側に光ファイバ7が長手方向に螺旋状に巻かれて熱収縮チューブ16に覆われた状態で外被8に覆われている構成である。
【0021】
絶縁電線6は、銅線や銅合金線などからなる導体線が、ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂などからなる絶縁被覆で覆われた構成であり、イメージセンサ5への給電、及びイメージセンサ5からの出力信号の信号伝達を行っている。光ファイバ7は、石英ガラスやプラスチックで形成される細い繊維状であって、中心部のコアと当該コアの周囲を覆うクラッドを有し、可視光を入射し伝搬して出射する構成である。
【0022】
図4Aは伝送ケーブル3の第2例を示す横断面図である。図4Aに示すように、伝送ケーブル3は軸線上に絶縁電線6の導体よりもヤング率の大きな材質からなる芯線15が配されている。一例として伝送ケーブル3の中央部は芯線15としてピアノ線が配されている。この構成によれば、伝送ケーブル3を長くした場合においても当該伝送ケーブル3に求められる柔軟性を活かして入り組んだ狭い場所の対象物に撮像部2を近づけるとともに当該伝送ケーブル3の復元性を高めることが容易にできるので伝送ケーブル3の外径を小さくするとともに長さを長くすることが容易にできる。図4Bは伝送ケーブル3の第3例を示す横断面図である。一例として、絶縁電線6は複数の導体線が撚り合わさって構成される。これにより、単線からなる構成と比較して絶縁電線6の柔軟性をより高めることができる。なお、絶縁電線6、光ファイバ7、熱収縮チューブ16、並びに外被8は既知の材料を適用してもよい。また、上記以外の構成として、テープ巻きに代えて、自己融着性の絶縁電線6を互いに融着させた構成にすることも可能である。
【0023】
図5は本実施形態に係る内視鏡ケーブル1を適用した内視鏡10の例を示す図である。一例として、内視鏡10は、内視鏡ケーブル1のコネクタ部4をインターフェース部19に接続し、インターフェース部19のUSB端子19aを外部機器M1としてのパーソナルコンピュータに接続した構成である。この構成によれば、市販の外部機器M1に接続することで、対象物の観察が容易にできるので汎用性が高い。上記の構成に加えて、インターフェース部19の機能を備えたコネクタ部4にする場合がある。または、上述のとおり、イメージセンサ5からの出力信号を映像信号に変換する処理回路と当該映像信号に基づいて画像表示するディスプレイモニタを備えた専用の外部機器M1に接続する構成とする場合がある。この構成によれば、ハンディタイプの外部機器M1によって、対象物の観察場所を選ばずに観察できる。
【0024】
[実施例]
一例として、伝送ケーブル3の中央部は、軸線周りに集合した絶縁電線6の外側に光ファイバ7を長手方向に螺旋状に巻いてエラストマー製の熱収縮チューブ16にて覆い、熱収縮チューブ16に覆われた状態でシリコーン製のチューブからなる外被8に覆われている構成にした。そして、一辺の幅が0.65[mm]で先端側から視て略四角形状のCMOSセンサにニッケル製の四角パイプを取り付けて伝送ケーブル3における同軸線の導体の一端をCMOSセンサに接続し、かつ、伝送ケーブル3における直径が50[μm]の光ファイバ7の出射側を20本ずつの束にして四角パイプの4箇所の側面に沿って各々配した後、光ファイバ7の出射側を囲んでステンレス製の丸パイプを取り付けて、当該丸パイプと伝送ケーブル3の外被8とのそれぞれの外周に保護パイプを取り付けた。そして、同軸線の導体の他端を接続端子部における外部接続端子に接続し、かつ、光ファイバ7の入射側の80本の束をコネクタ部4に内蔵した筒状体に通して一つのLED9からの出射光を入射する位置に配設した。
【0025】
そして、外径が1.2[mm]、全長が1200[mm]の内視鏡ケーブル1を作製した。内視鏡ケーブル1は、用途に応じて全長50[mm]以上に設定することができ、また、5000[mm]以上に設定することができる。また、伝送ケーブル3の芯線として直径0.2~0.5[mm]のピアノ線を用いることで、伝送ケーブル3に求められる柔軟性を活かして入り組んだ狭い場所の対象物に撮像部2を近づけるとともに当該伝送ケーブル3の復元性を高めることが容易にできる。この構成によって、伝送ケーブル3の外径を小さくするとともに長さを長くしても対象物への照明に必要な十分な光量を確保することができた。
【0026】
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。
【符号の説明】
【0027】
1 内視鏡ケーブル
2 撮像部
3 伝送ケーブル
4 コネクタ部
5 イメージセンサ
6 絶縁電線
7 光ファイバ
8 外被
9 LED
10 内視鏡
11 第1筒状体
12 第2筒状体
13 第3筒状体
14 第4筒状体
15 芯線
16 熱収縮チューブ
17 ホルダ
18 接続端子部
19 インターフェース部
21 テープ
M1 外部機器
P1 軸線
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-01-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と伝送ケーブルとコネクタ部とが順に連なって構成された内視鏡ケーブルを有する内視鏡であって、前記伝送ケーブルは前記撮像部に内蔵されたイメージセンサを外部機器に接続するための複数の絶縁電線と対象物への照明のための複数の光ファイバとを有し、前記光ファイバの光源としてチップ形状のLEDが前記コネクタ部に内蔵されており、前記伝送ケーブルの一端側は前記イメージセンサの外側における複数個所に前記光ファイバの出射側が配されており、前記伝送ケーブルの中央部は軸線周りに集合した前記絶縁電線の外側に前記光ファイバが長手方向に螺旋状に巻かれて熱収縮チューブに覆われた状態で外被に覆われており、前記コネクタ部の内部において前記絶縁電線は外周にテープが巻回された状態で前記光ファイバの入射側と分岐しているとともに前記光ファイバの入射側の束を囲んで第3筒状体が配されている構成であって、前記撮像部は前記イメージセンサを囲んで開口部が多角形状の第1筒状体が配されており、前記第1筒状体の外側に前記光ファイバの出射側が配されており、前記光ファイバの出射側を囲んで第2筒状体が配されており、前記外被と前記第2筒状体の外側面との両方を囲んで円形状開口部を有する第4筒状体が接着固定されている構成であること
を特徴とする内視
【請求項2】
前記熱収縮チューブはエラストマー製であり、前記外被はシリコーン製であること
を特徴とする請求項1に記載の内視
【請求項3】
前記伝送ケーブルは軸線上に前記絶縁電線の導体よりもヤング率の大きなピアノ線からなる芯線が配されていること
を特徴とする請求項1または2に記載の内視
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、視鏡に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、小型サイズであるとともに、従来構造よりも光量アップおよびケーブルを長くすることが可能な構造の内視を提供することを目的とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明に係る内視は、撮像部と伝送ケーブルとコネクタ部とが順に連なって構成された内視鏡ケーブルを有する内視鏡であって、前記伝送ケーブルは前記撮像部に内蔵されたイメージセンサを外部機器に接続するための複数の絶縁電線と対象物への照明のための複数の光ファイバとを有し、前記光ファイバの光源としてチップ形状のLEDが前記コネクタ部に内蔵されており、前記伝送ケーブルの一端側は前記イメージセンサの外側における複数個所に前記光ファイバの出射側が配されており、前記伝送ケーブルの中央部は軸線周りに集合した前記絶縁電線の外側に前記光ファイバが長手方向に螺旋状に巻かれて熱収縮チューブに覆われた状態で外被に覆われており、前記コネクタ部の内部において前記絶縁電線は外周にテープが巻回された状態で前記光ファイバの入射側と分岐しているとともに前記光ファイバの入射側の束を囲んで第3筒状体が配されている構成であって、前記撮像部は前記イメージセンサを囲んで開口部が多角形状の第1筒状体が配されており、前記第1筒状体の外側に前記光ファイバの出射側が配されており、前記光ファイバの出射側を囲んで第2筒状体が配されており、前記外被と前記第2筒状体の外側面との両方を囲んで円形状開口部を有する第4筒状体が接着固定されている構成であることを特徴とする。