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特開2022-95586ボタン電池用のホルダ、ホルダを備える配列体、及びホルダを自動的に取り付ける方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022095586
(43)【公開日】2022-06-28
(54)【発明の名称】ボタン電池用のホルダ、ホルダを備える配列体、及びホルダを自動的に取り付ける方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/202 20210101AFI20220621BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20220621BHJP
   H01M 50/50 20210101ALI20220621BHJP
   H01R 12/57 20110101ALI20220621BHJP
【FI】
H01M50/202 501B
H01M50/244 Z
H01M50/202 301
H01M50/50
H01R12/57
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021203337
(22)【出願日】2021-12-15
(31)【優先権主張番号】20214694
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】515278949
【氏名又は名称】ビュルト エレクトロニク アイソス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー トレメル
(72)【発明者】
【氏名】ユリア ザンバルト
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン クリングラー
【テーマコード(参考)】
5E223
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5E223AA28
5E223AC27
5E223AC35
5E223BA27
5E223BA30
5E223BB01
5E223BB12
5E223CA19
5E223CB31
5E223DB08
5E223DB11
5H040AA03
5H040AS22
5H040AT03
5H040AY02
5H040AY05
5H040CC17
5H040CC25
5H040DD13
5H040DD15
5H040JJ10
5H040NN01
5H043AA19
5H043CA07
5H043FA40
5H043JA09F
5H043JA12F
5H043KA44F
5H043LA02F
(57)【要約】
【課題】本発明は、ボタン電池用のホルダに関する。
【解決手段】本発明のホルダは、印刷回路板に締結されることを意図し、ホルダは、ホルダが取付け状態のとき印刷回路板から突出する少なくとも2つの第1ラッチアームを有し、ボタン電池が、ボタン電池が取付け状態のとき第1ラッチアームの間に受け入れられ、第1ラッチアームが、一端において、各々、ホルダが取付け状態のとき印刷回路板に接続されるベースエリアを有する本体に接続され、第1ラッチアームが、各々、印刷回路板上にボタン電池を保持するために少なくとも1つの第1ラッチラグを有し、第1ラッチラグが、本体のベースエリアから第1距離に配列される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのボタン電池(16、50)用のホルダ(12)であって、
前記ホルダ(12)が、印刷回路板(14)上に締結されることを目的とし、前記ホルダ(12)が、前記ホルダ(12)が取付け状態のとき前記印刷回路板(14)から突出する少なくとも2つの第1ラッチアーム(22a、22b、22c)を有し、前記ボタン電池(16、50)が、前記ボタン電池(16、50)が取付け状態のとき前記第1ラッチアーム(22a、22b、22c)の間に受け入れられ、前記第1ラッチアーム(22a、22b、22c)が、各々、その一端において、前記ホルダ(12)が取付け状態のとき前記印刷回路板(14)に接続されるベースエリアを有する本体(18)に接続され、前記第1ラッチアーム(22a、22b、22c)が、各々、前記印刷回路板(14)上に前記ボタン電池(16、50)を保持するために少なくとも1つの第1ラッチラグを有し、前記第1ラッチラグが、前記本体(18)の前記ベースエリアから第1距離に配列される、ホルダ(12)。
【請求項2】
前記ホルダ(12)が、前記ホルダ(12)が取付け状態のとき前記印刷回路板(14)から突出する少なくとも2つの第2ラッチアーム(24a、24b、24c)を有し、前記ボタン電池(16、50)が、前記ボタン電池(16、50)が取付け状態のとき前記第2ラッチアーム(24a、24b、24c)の間に受け入れられ、前記第2ラッチアーム(24a、24b、24c)が、一端において、各々前記本体(18)に接続され、前記第2ラッチアーム(24a、24b、24c)が、各々、前記印刷回路板(14)上に第1ボタン電池(16)とは異なる高さのボタン電池(50)又は別のボタン電池を保持するために少なくとも1つの第2ラッチラグを有し、前記第2ラッチラグが、前記本体(18)の前記ベースエリアから第2距離に配列され、前記第2距離が前記第1距離とは異なる、ことを特徴とする、請求項1に記載のホルダ。
【請求項3】
前記ラッチアーム(22a、22b、22c、24a、24b、24c)及び前記本体(18)が導電体設計であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のホルダ。
【請求項4】
前記ラッチアーム(22a、22b、22c、24a、24b、24c)が曲げシートメタルストリップとして設計されることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載のホルダ。
【請求項5】
前記ホルダ(12)が一体型打抜き曲げシートメタル部品として設計されることを特徴とする、請求項1~4の少なくとも1項に記載のホルダ。
【請求項6】
前記ラッチラグの少なくとも1つが、少なくとも部分的に前記印刷回路板に対して平行に及び/又は少なくとも部分的に前記印刷回路板に対して傾斜して配列された保持区分(34、40)によって形成される、ことを特徴とする、請求項1~5の少なくとも1項に記載のホルダ。
【請求項7】
各ラッチアームが、一端において前記本体(18)に接続され他方の端において前記保持区分(34、40)に接続される接続区分(32、38)を有し、前記保持区分(34、40)が前記接続区分(32、38)の反対側で挿入区分(36、42)に接続され、前記挿入区分が、前記ホルダ(12)が取付け状態のとき少なくとも部分的に前記印刷回路板(14)に対して、前記接続区分(32、38)に対して及び/又は前記本体(18)に対して傾斜して配列される、ことを特徴とする、請求項6に記載のホルダ。
【請求項8】
前記ホルダ(12)が、前記ホルダ(12)が取付け状態のとき前記印刷回路板(14)から突出する少なくとも2つの挿入アーム(26a、26b、26c、26d、26e、26f)を有し、前記ボタン電池(16、50)が、前記ボタン電池(16、50)が取付状態のとき前記挿入アーム(26a、26b、26c、26d、26e、26f)の間に受け入れられ、前記挿入アーム(26a、26b、26c、26d、26e、26f)が、その一端において前記本体(18)に接続され、第1端の反対側に位置する前記挿入アーム(26a、26b、26c、26d、26e、26f)の第2端が第1及び第2ラッチラグより前記本体(18)の前記ベースエリアから離れる、ことを特徴とする、請求項1~7の少なくとも1項に記載のホルダ。
【請求項9】
前記本体(18)が、曲げ形状を有し、前記ホルダ(12)及び前記ボタン電池(16、50)が取付け状態のとき少なくとも部分的に前記ボタン電池(16、50)の縁部を取り囲む、ことを特徴とする、請求項1~8の少なくとも1項に記載のホルダ。
【請求項10】
前記本体(18)がリング状又はリングセグメント状設計である、ことを特徴とする、請求項9に記載のホルダ。
【請求項11】
前記本体(18)の前記ベースエリアが、前記ホルダ(12)が取付け状態のとき前記印刷回路板(14)上に在る少なくとも2つの締結区分(20a、20b、20c、20d)を有する、ことを特徴とする、請求項1~10の少なくとも1項に記載のホルダ。
【請求項12】
前記締結区分(20b)の少なくとも1つが、真空式グリッパのための吸引エリアとして設計される、ことを特徴とする、請求項11に記載のホルダ。
【請求項13】
3つの第1ラッチアーム(22a、22b、22c)、3つの第2ラッチアーム(24a、24b、24c)及び/又は少なくとも3つの挿入アーム(26a、26b、26c、26d、26e、26f)、特に6つの挿入アームが、前記本体(18)に接続される、ことを特徴とする、請求項1~12の少なくとも1項に記載のホルダ。
【請求項14】
請求項1~13項の少なくとも1項に記載のホルダ(12)と、印刷回路板(14)とを備える配列体であって、前記ホルダ(12)が、少なくとも2つの第1ラッチラグが前記印刷回路板(14)の上方の第1高さに配列されるように前記印刷回路板(14)に締結される、配列体。
【請求項15】
第2ラッチラグが、前記印刷回路板(14)の上方の前記第1高さとは異なる第2高さに配列される、ことを特徴とする、請求項14に記載の配列体。
【請求項16】
少なくとも2つの挿入アーム(26a、26b、26c、26d、26e、26f)が前記印刷回路板(14)から見たとき前記第1ラッチアーム(22a、22b、22c)及び/又は第2ラッチアーム(24a、24b、24c)を越えて突出する、ことを特徴とする、請求項14又は15に記載の配列体。
【請求項17】
前記ホルダ(12)の少なくとも1つの区分が、前記ホルダに配列されたボタン電池に接触するための第1電気接点を形成し、前記ホルダ(12)に配列された前記ボタン電池(16,50)に接触するための少なくとも1つの第2電気接点(28)が前記印刷回路板(14)上に配列され、前記第2電気接点(28)が少なくとも1つの円形リングセグメント状又は円形リング状の接触エリア(30a、30b)を有する、ことを特徴とする、請求項14~16のいずれかに記載の配列体。
【請求項18】
前記接触エリア(30a、30b)の外側境界が、前記印刷回路板(14)に対して半径方向にかつ平行に見たとき、前記第1及び/又は第2ラッチアーム(22a、22b、22c、24a、24b、24c)から前記ボタン電池(16、50)の半径の1/20~1/5、特に前記ボタン電池の半径の1/20~1/10だけ周囲から離れた距離に在る、ことを特徴とする、請求項17に記載の配列体。
【請求項19】
請求項1~13の少なくとも1つに記載のホルダ(12)を印刷回路板(14)上に自動的に取り付ける方法であって、前記ホルダ(12)が、グリッパが係合できる少なくとも1つの締結区分(20b)を有し、前記方法が、前記締結区分(20b)に係合する前記グリッパによって前記ホルダ(12)を把握するステップと、前記印刷回路板(14)上の接続エリアに対して前記ホルダ(12)を位置付けるステップと、前記印刷回路板(14)上に前記ホルダ(12)を配置するステップと、を含む、方法。
【請求項20】
前記印刷回路板(14)上の少なくとも1つの接続エリアに前記ホルダをはんだ付けするステップを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボタン電池用のホルダに関するものであり、ホルダは、印刷回路板に締結されることを意図する。本発明は、又、本発明に係るホルダ及び印刷回路板を備える配列体にも関する。本発明は、更に、印刷回路板上にホルダを自動的に取り付ける方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ボタン電池用のホルダを備える配列体を開示し、ホルダは、印刷回路板上に配置される。ホルダは、印刷回路板上のはんだ付けエリアにはんだ付けされる。ホルダは、概ねU字形の断面を持ち、概ねU字形のホルダは、概ねU字形のホルダの中へ印刷回路板に対して平行にボタン電池が押し入れられるように、印刷回路板上に配置される。ホルダは、U字形ブラケットから始まって、ボタン電池の上面を抑えてその結果前記ボタン電池を印刷回路板に押し付ける3つの保持アームを有する。第2電気接点が、印刷回路板上のホルダのU字形ブラケット内に配列され、ボタン電池は、保持アームによって前記第2電気接点に押し付けられる。電気接点は、正方形開口を持つ円形設計なので、その結果、電気接点はワッフル型のような外観を持つ。ボタン電池は、側面からホルダの中へ、印刷回路板に対して平行に押し入れなければならない。これは、完全に自動的に行うのは不可能であるか又は容易に行うことはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6722916号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ボタン電池用のホルダ、ホルダ及び印刷回路板を備える配列体及び印刷回路板にホルダを自動的に取り付ける方法を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、請求項1に記載の特徴を有するホルダ、請求項14に記載の特徴を有する配列体及び請求項19に記載の特徴を有する方法が、上記の目的のために提供される。本発明の有利な展開を、従属請求項において明記する。
【0006】
本発明に係るボタン電池用のホルダは、印刷回路板上に締結されることを意図しており、ホルダが取付け状態のとき印刷回路板から突出する少なくとも2つの第1ラッチアームを有しており、ボタン電池は、ボタン電池が取付け状態のとき第1ラッチアームの間に受け入れられ、第1ラッチアームは、その一端において、各々、ホルダが取付け状態のとき印刷回路板に接続されるベースエリアを有する本体に接続され、第1ラッチアームは、各々印刷回路板上にボタン電池を保持するために少なくとも1つの第1ラッチラグを有し、第1ラッチラグは、本体のベースエリアから第1距離に配列される。
【0007】
印刷回路板から突出するラッチアーム及びラッチアーム上のラッチラグによって、ボタン電池は、手動で又はグリッパによってラッチアームの間に容易に押し入れることができる。これは、ラッチラグが特定程度までボタン電池に張り出してスナップ留めして、その結果印刷回路板上に前記ボタン電池をしっかりと保持するまで行われる。したがって、ホルダは、ボタン電池をまず確実に電気接続できるようにし、同時にボタン電池をホルダの中へ単純に押し入れることによって印刷回路板上に確実に保持できるように、設計される。したがって、ボタン電池は、印刷回路板に対して垂直にホルダの中へ押し入れることができる。その結果、ボタン電池の完全な自動挿入が、単純にかつ信頼できるプロセスで可能である。
【0008】
本発明の展開において、ホルダは、ホルダが取付け状態のとき印刷回路板から突出する少なくとも2つの第2ラッチアームを有し、ボタン電池は、ボタン電池が取付け状態のとき第2ラッチアームの間に受け入れられ、第2ラッチアームは、その一端において、各々本体に接続され、第2ラッチアームは、印刷回路板上で第1ボタン電池とは異なる高さのボタン電池を保持するために各々少なくとも1つの第2ラッチラグを有し、第2ラッチラグは、本体のベースエリアから第1距離とは異なる第2距離に配列される。
【0009】
本発明に係るホルダによって、結果として、異なる高さのボタン電池は、印刷回路板上に保持するか、或いは、異なる高さ又は同じ高さの2つのボタン電池を上下に保持できる。ホルダの中へ第1高さのボタン電池を挿入するか第2高さのボタン電池を挿入するかに応じて、第1ラッチラグ又は第2ラッチラグが、部分的にボタン電池の上面を覆って係合する。例えば、比較的小さい高さのボタン電池が挿入される場合、第2ラッチラグが、最終取付け状態において印刷回路板上でボタン電池を保持し、第1ラッチラグは、フリーであり、実際には必要ない。第1の比較的大きい高さのボタン電池が挿入される場合、第2ラッチラグは、第2ラッチアームと一緒に反るが、ボタン電池の上面にスナップ式に戻らない。したがって、第1ラッチラグのみが、ボタン電池を部分的に覆って係合して、ボタン電池は、印刷回路板上に保持される。第2ラッチアームは、第2ラッチラグと一緒に、ホルダが導電体から構成される場合、ボタン電池の外壁とホルダとの間の優れた電気接触に寄与するのみである。その結果、異なる高さのボタン電池を、非常に単純に、1つの同じホルダに配列できる。2つのボタン電池を上下に配列する場合には、例えば、第2ラッチラグは、第1の低い方のボタン電池を部分的に覆って係合し、第1ラッチラグは、第2の上の方のボタン電池を部分的に覆って係合する。これによって、本発明に係るホルダを非常に大量にかつコスト効率よく生産できる。この場合、ホルダは、異なる高さであるが同じ半径のボタン電池に適する。
【0010】
本発明の展開において、ラッチアーム及び本体は、導電体設計である。
【0011】
このように、ホルダは、ボタン電池のための第1電気接点として役立つことができる。
【0012】
本発明の展開において、ラッチアームは、曲げシートメタルストリップとして設計される。
【0013】
第1に確実な電気接触が、第2に非常に信頼できるラッチ作用が、曲げシートメタルストリップによって、得られる。
【0014】
本発明の展開において、ホルダは、ワンピース打抜き曲げシートメタル部品として設計される。
【0015】
このように、ホルダ全体が導電体であり、ボタン電池の接触のための第1電気接点として役立つことができる。次に、要求されるバネ力を持つラッチアームは、非常に単純に生産できる。ラッチアームのバネ力は、ラッチアームを形成するシートメタルストリップの幅によって、及び当然に、シートメタルの材料の選択によって設定できる。ホルダ全体は、コスト効率よくかつ非常に大量に打抜き曲げシートメタル部品として生産できる。
【0016】
本発明の展開において、ラッチラグの少なくとも1つは、少なくとも部分的に印刷回路板に対して平行に及び/又は少なくとも部分的に印刷回路板に対して傾斜して配列された保持区分によって形成される。
【0017】
その結果、保持区分はアンダーカット(undercut)を形成し、その背後に、ボタン電池がホルダに挿入されるときボタン電池がスナップ式に嵌まる。ラッチアームがシートメタルストリップとして設計される場合、保持区分と、それに従ってラッチラグは、単にシートメタルストリップを折り曲げることによって生産できる。
【0018】
本発明の展開において、各ラッチアームは、一端において本体に接続され他方の端において保持区分に接続される接続区分を有し、保持区分は接続区分の反対側で挿入区分に接続され、挿入区分は、ホルダが取付け状態のとき少なくとも部分的に印刷回路板に対して傾斜して配列される。
【0019】
その結果、挿入区分は、保持区分から始まって、ホルダ又はボタン電池の中心から離れて傾斜して延びて、その結果、ボタン電池のための挿入斜面として役立つことができる。ボタン電池が挿入斜面上を通行するとき、ラッチアームは、半径方向外向きに反る。ボタン電池がホルダの中へ充分に押し入れられて、挿入斜面を離れたら、ラッチアームは、スナップ式に元に戻るので、保持区分は、少なくとも部分的にボタン電池の上面を覆って係合して、その結果印刷回路板上にボタン電池をしっかりと保持できる。
【0020】
本発明の展開において、ホルダは、ホルダが取付け状態のとき印刷回路板から突出する少なくとも2つの挿入アームを有し、ボタン電池は、ボタン電池が取付け状態のとき挿入アームの間に受け入れられ、挿入アームは、第1端において本体に接続され、挿入アームの第2端は、第1端の反対側に位置し、第1及び第2ラッチラグより本体のベースエリアから離れる。
【0021】
ボタン電池は、印刷回路板へ向かって印刷回路板に対して垂直方向の動きによってホルダの中へ挿入されるとき、最初に挿入アーム上を通行する。挿入アームは、自動的に正確にボタン電池を位置付ける挿入斜面を備えることができる。例えば、各々挿入斜面を持つ3~6つの挿入アームが設置される。ボタン電池は、前記挿入アーム及び挿入斜面によってホルダに対して半径方向に正確にセンタリングされる。挿入アームはボタン電池をセンタリングするので、ボタン電池が印刷回路板の方向に更に前進するとき、ボタン電池は、ボタン電池がその最終位置に到達してラッチアームがその保持位置へスナップ式に戻るまで、問題なく第1ラッチアーム及び/又は第2ラッチアームを反らすことができる。
【0022】
本発明の展開において、本体は、曲げ形状を持ち、ホルダ及びボタン電池が取付け状態のとき少なくとも部分的にボタン電池の縁部を取り囲む。
【0023】
本発明の展開において、本体は、リング状又はリングセグメント状設計である。
【0024】
本発明の展開において、本体のベースエリアは、ホルダが取付け状態のとき印刷回路板上に在る少なくとも2つの締結区分を有する。
【0025】
この締結区分によってホルダは、印刷回路板上の適切なはんだ付けエリアに配置され、簡単にはんだ付けエリアにはんだ付けできる。その結果、ホルダは、高い信頼度のプロセスで自動的に取り付けし固定できる。
【0026】
本発明の展開において、締結区分の少なくとも1つは、真空式グリッパのための吸引エリアとして設計される。
【0027】
例えば、締結区分の1つは、比較的大きく、取付け状態において、印刷回路板の上面に対して平行に配列される。ホルダは、この締結区分上に、例えば、真空式グリッパによって係合でき、その後印刷回路板の上面に完全に自動的に配置されて、上面に締結(例えば、はんだ付け)できる。その結果、ホルダは、印刷回路板に完全に自動的に取り付けることができる。
【0028】
本発明の展開において、3つの第1ラッチアーム、3つの第2ラッチアーム及び少なくとも3つの挿入アーム、特に6つの挿入アームが、本体に接続される。
【0029】
好ましくはホルダの本体の円周上において相互に対して120°の間隔で分散する3つのラッチアームによって、ボタン電池は、第1ラッチアーム及び/又は第2ラッチアームの間にしっかりと保持できる。それぞれのラッチアームの間の角度は、正確に120°とすることができるが、例えば、空間条件が要求する場合にはこの角度と異なっても良い。
【0030】
挿入アームは、本体の円周上にラッチアームに隣接して設置できる。例えば、円周に沿って見たとき、各場合に、第1ラッチアーム及び第2ラッチアームは、2つの挿入アームの間に配列される。これによって、ボタン電池がホルダの中へ挿入されるとき、下側縁部が第1又は第2ラッチアーム上を通行する前に、ボタン電池の下側縁部は、それぞれ第1ラッチアーム及び第2ラッチアームに対して正確な向きに定められる。
【0031】
本発明は、本発明に係るホルダ及び印刷回路板を備える配列体にも関する。ホルダは、少なくとも2つの第1ラッチラグが印刷回路板上の第1高さに配列されるように印刷回路板上に締結される。したがって、第1ラグを持つ第1ラッチアームは、印刷回路板上に第1高さのボタン電池を保持することを意図する。
【0032】
本発明の展開において、第2ラッチラグは、印刷回路板上の第1高さとは異なる第2高さに配列される。
【0033】
したがって、第2ラッチアーム及び第2ラッチラグは、印刷回路板上に第2高さのボタン電池を保持することを意図する。
【0034】
本発明の展開において、少なくとも2つの挿入アームは、印刷回路板から見たとき第1ラッチアーム及び/又は第2ラッチアームを越えて突出する。
【0035】
したがって、ボタン電池がホルダの中に挿入されるとき、まず、挿入アームと接触して、前記挿入アームによって印刷回路板に対して平行の方向を向くことができる。ボタン電池の下側縁部がその後第1ラッチアーム及び/又は第2ラッチアームにぶつかると、ボタン電池は、正確な向きとなる。即ち、ホルダに対してセンタリングされるので、第1ラッチラグ及び/又は第2ラッチラグは、ボタン電池が印刷回路板の方向に前進して、第1ラッチラグ及び/又は第2ラッチラグがスナップ式に戻って部分的にボタン電池の上面を覆って係合するまで、半径方向外向きに押し広げることができる。
【0036】
本発明の展開において、ホルダの少なくとも1つの区分は、ホルダに配列されたボタン電池に接触するための第1電気接点を形成し、ホルダに配列されたボタン電池を接触するための少なくとも1つの第2電気接点は、印刷回路板上に配列され、第2電気接点は、少なくとも1つの円形リングセグメント状又は円形リング状の接触エリアを持つ。
【0037】
ボタン電池の底面は、円形リング状又は円形リングセグメント状接触エリアによって特にしっかりと接触できる。ボタン電池の底面が正確に平坦ではない場合が多く、通常僅かに凸面状である。円形リングセグメント状又は円形リング状接触エリアによって、このような形状の公差又は偏差は、問題なく補正でき、確実な電気接触が得られる。本発明の範囲内で、ボタン電池の底面は、任意の所望の形状の接点によっても接触できる。
【0038】
本発明の展開において、接触エリアの外側境界は、印刷回路板に対して半径方向にかつ平行に見て、第1及び/又は第2ラッチアームからボタン電池の半径の1/20~1/5だけ、特にボタン電池の半径の1/20~1/10だけ周囲から離れた距離に在る。
【0039】
ボタン電池の縁部において、金属ボタン電池は、特に、縁部と底面との間の境界線によって安定しており、通常、この領域において、少なくともボタン電池の底面の中心に比較して小さい公差しか持たない。その結果、ボタン電池は、前記ボタン電池の外側縁部から短い距離においてしか確実に電気接触できない。
【0040】
ボタン電池が本発明に係る配列体へ自動的に挿入されるとき、ボタン電池は、ボタン電池の底面が印刷回路板の上面に対して平行を向き且つボタン電池がホルダ上方に配列されるように、グリッパ又はマニピュレータによって向きを定められる。ボタン電池の向きが定められた後、ボタン電池の円周の下側縁部が第1及び/又は第2ラッチアームのそれぞれの上端と接触するまで、ボタン電池は、印刷回路板の上面に対して垂直方向に印刷回路板へ向かって前進する。その後、第1及び/又は第2ラッチアームを半径方向に反らせるために、ボタン電池は、更に印刷回路板に対して垂直方向に印刷回路板へ向かって前進する。その後、第1及び/又は第2ラッチアーム上のラッチラグが、半径方向にスナップ式に戻って、ボタン電池の上面を部分的に覆って係合するまで、ボタン電池は、印刷回路板に対して垂直方向直交して印刷回路板へ向かって更に前進する。
【0041】
したがって、本発明に係るホルダには、自動的に非常に単純にボタン電池を装填できる。本発明に従ってホルダに設置できる挿入アームは、ボタン電池の半径方向の向きを定めることができる。即ち、ボタン電池がラッチアームにぶつかる前に、印刷回路板の上面に対して平行にボタン電池の向きを定めることできるので、ボタン電池は、正確に指定された位置においてラッチアームにぶつかって、その結果半径方向に前記ラッチアームを確実に反らすことができる。又、ホルダに、手動で非常に単純にかつ速やかにボタン電池を装填できる。
【0042】
印刷回路板上に自動的にホルダを取り付けるための本発明に係る方法において、ホルダは、グリッパが係合できる少なくとも1つの締結区分を有し、方法は、係合区分に係合するグリッパによってホルダを把握するステップと、印刷回路上の接続エリアに対してホルダを位置付けるステップと、印刷回路板にホルダを配置するステップと、を含む。
【0043】
取付け状態において特に印刷回路板に対して平行に配列される少なくとも1つの締結区分を設置することによって、例えば真空式グリッパによって非常に単純にホルダを把握し、位置付けて、印刷回路板上に配置できる。締結区分又は複数の締結区分は、締結区分のそれぞれの底面が印刷回路板上の適切な接続エリアのための電気接触エリアとしても使用できるように設計できる。
【0044】
本発明に係る方法は、印刷回路板上の少なくとも1つの接続エリアにホルダをはんだ付けするステップを含むことができる。その結果、印刷回路板の接続エリアとホルダとの間でまずしっかりと機械的に締結し、次に電気的に接続することが、単にはんだ付けによって可能になる。但し、ホルダを印刷回路板に機械的に締結し、その後例えば配線などによって別個に電気接触を与えることも、本発明の範囲で完全に可能である。
【0045】
本発明の更なる特徴及び利点は、請求項及び図面と一緒に本発明の好ましい実施形態の下記の説明を読めば推測できる。図示する実施形態の個別の特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、相互に任意の所望の方法で組合せできる。これは、一緒に説明及び図示される他の個別の特徴なしの個別の特徴の組み合わせにも言える。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1図1は、印刷回路板上に配列されるホルダを備えかつホルダに挿入された第1ボタン電池を備える、本発明に係る配列体の上面斜視図である。
図2図2は、ボタン電池抜きの図1の配列体を示す。
図3図3は、図2の配列体の上面図である。
図4図4は、本発明に係るホルダの上面斜視図である。
図5図5は、図4のホルダの底面斜視図である。
図6図6は、図4及び5のホルダの拡大詳細図である。
図7図7は、図1の配列体の断面図である。
図8図8は、切断平面の位置を示すために上から見た図7の配列体の図である。
図9図9は、本発明に係る配列体の断面図であり、図7に示すより小さい高さの第2ボタン電池がホルダに挿入されている。
図10図10は、切断平面の位置を示すために上から見た図9の配列体の図である。
図11図11は、本発明に係る配列体の別の断面図であり、図11の切断平面は、2つの対向する挿入アームを通過する。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、斜め上から見た本発明に係る配列体10を示す。配列体10は、印刷回路板14の上面に配置されるホルダ12を有する。ホルダ12は、印刷回路板14の上面のはんだ付けエリア及び導体路(図示せず)に電気的に接続される。その結果、ホルダ12は、印刷回路板14の上面に固定的かつ不動に締結される。
【0048】
第1ボタン電池16は、ホルダ12の中へ挿入される。ボタン電池は、CR2032型ボタン電池であり、直径20mm、高さ3.2mmを持つ。
【0049】
ホルダ12は、一体型打抜き曲げシートメタル部品の形式の導電体設計である。ホルダは、合計で4つの締結区分20a、20b、20c及び20dを備える円形リングセグメント状の本体18を持ち、締結区分20cは、図1においてはボタン電池16によって隠されている。締結区分20bは、吸引グリッパのための吸引エリアとして役立つように大きい。印刷回路板14の上面にホルダ12を取り付けるために、ホルダ12は、締結区分20bにおいて真空式グリッパによって把握でき、印刷回路板14の上面の所望の位置に下ろすことができる。この所望の位置において、ホルダ12は、締結区分20a、20b、20c及び20dが印刷回路板上14の締結エリア(図示せず)にはんだ付けされる間、真空式グリッパによって保持される。一方、印刷回路板14上の締結エリアは、印刷回路板14上の導体路(図示せず)に接続される。その結果、ホルダ12は、印刷回路板14に完全に自動的に締結でき、同時に、信頼できるプロセスで速やかに電気的に接触できる。
【0050】
ホルダ12は、以下で更に説明するように、各々第1ラッチラグを有する3つの第1ラッチアーム22a、22b及び22cを備え、各第1ラッチラグは、部分的にボタン電池16の上面を覆って係合し、その結果、印刷回路板14上にボタン電池16をしっかりと保持する。ラッチアーム22aは、各々一端において本体18に接続され、本体18から印刷回路板14の上面に対して垂直に突出する。第1ラッチアーム22a、22b及び22cは、ホルダ12の円周上から見て相互に約120°の距離に在る。第1ラッチアームは2つだけでも又は3つ超えでも、本発明の範囲内で設置できる。第1ラッチアームが相互に置く距離の角度は、3つのラッチアームがある場合でも変えることができる。
【0051】
ホルダ12は、更に、3つの第2ラッチアーム24a、24b、24cを有する。第2ラッチアーム24a、24b、24cも、一端において、本体18に接続され、印刷回路板14の上面から垂直に突出する。第2ラッチアーム24a、24b、24cは、各々、第2ラッチラグを備えるが、図1の状態において、第2ラッチラグは、ボタン電池16の外側縁部を圧している。以下で更に説明するように、第2ラッチアーム24a、24b、24cは、ボタン電池16より小さい高さの第2ボタン電池例えばCR2025型ボタン電池を保持することを意図する。図1に係るボタン電池16の場合、第2ラッチアーム24a、24b、24cのラッチラグは、第1ボタン電池16の外側縁部を圧して、ボタン電池16の縁部とホルダ12との間の良好な電気接触に寄与する。本発明の範囲内で、第2ラッチアーム24a、24b、24cは、同じサイズの又は異なるサイズの2つのボタン電池例えば2つのCR2025型ボタン電池が上下に配列されるとき、上側のボタン電池を保持するようにも設計できる。
【0052】
ホルダ12は、更に、合計で6つの挿入アーム26a~26fを有する。挿入アーム26a~26fは、印刷回路板14から見たとき、第1ラッチアーム及び第2ラッチアームを越えて突出する。図14においてその上端において、したがって印刷回路板14から最も離れた位置において、挿入アーム26a~26fは、各々、進行斜面(run-on bevel)の形式の挿入区分を備える。この進行斜面は、半径方向外向きに傾斜して配列され、ラッチアーム26a~26fは、更に印刷回路板14の上面から垂直に突出し、本体18に接続される。本発明の範囲内で、挿入アームを省くか、又は異なる数の挿入アームを備えることができる。
【0053】
図1のボタン電池16が印刷回路板14に対して垂直に印刷回路板14へ向かって上から動かされる場合、ボタン電池16の下側縁部は、まず、挿入アーム26aの図1において上端の進行斜面と接触する。挿入アーム26a~26fの進行斜面は、このとき、ボタン電池が半径方向にホルダ12に関して正確に中心に定められるようにする。言い換えると、ホルダ12に対してセンタリングされる。ボタン電池16が更に印刷回路板14の方向に前進する場合、第1ラッチアーム22a~22c、次に第2ラッチアーム24a~24cは、その結果、半径方向に確実に反る。ボタン電池16は、図1においてボタン電池16の底面が印刷回路板14の上面の第2接点(図では見えない)と接触して、第1ラッチアーム22a~22cが再び半径方向内向きにスナップ式に戻るまで、印刷回路板の方向に前進するので、第1ラッチアーム22a、22b、22cの第1ラッチラグは部分的にボタン電池16の上面を覆って係合し、その結果、印刷回路板14上にボタン電池16をしっかりと保持する。
【0054】
図2は、ボタン電池16抜きで図1の配列体10を示す。第1例において、ボタン電池16の底面に電気接触するために設置される第2電気接点28が、印刷回路板14の上面にホルダ12内に形成されることが分かる。これは、通常、アース接点である。第2接点28は、相互に対向して配列される2つの円形リングセグメント状接触エリア30a、30bを有する。接触エリア30a、30bの外側縁部は、それぞれホルダ12の本体18に対して平行に配列される。接触エリア30a、30bの外側縁部は、本体18の内周から比較的小さい距離に配列される。距離は、ホルダ12の半径の約1/10である。距離は、ホルダ12の半径の約1/5~1/20とすることができる。その結果、接触エリア30a、30bは、その外側縁部内で僅かだけボタン電池16の底面に接触する。この領域において、ボタン電池16は、比較的寸法的に安定しており、その寸法に関して小さい公差しか持たない。その結果、円形のリングセグメント状接触エリア30a、30b又は円形リング状接触エリアを設置するだけで、ボタン電池16の接触を信頼できるものにできる。接触エリア30a、30bの形状により、ボタン電池の取付け中の短絡の危険も、最小化される。接触エリア30a、30bは、ボタン電池16のバッテリ電圧を印刷回路板14上の回路(図示せず)へ供給するために、印刷回路板14の上面の導体路(図示せず)に接続される。本発明の範囲内で、アース接点も所望の任意の形状で設計できる。
【0055】
図3は、上から見た図2の配列体10を示す。図3から、第1ラッチアーム22a、22b及び22cがそれぞれ相互に約120°の距離に在ることが分かる。第2ラッチアーム24a、24b、24cもそれぞれ相互に約120°の距離に在る。
【0056】

各場合において、2つのラッチアーム22a、24a、22b、24b及び22c、24cは、ホルダ12の円周方向に見たとき、それぞれ2つの挿入アーム26a~26fに囲まれる。図3から、第1ラッチアーム22a及び第2ラッチアーム24aは、そのラッチラグによって、各々、ホルダ12の仮想上の中点の方向に挿入アーム26a~26fより突出することが分かる。その結果、ラッチアーム22a~22c及び24a~24cの上のラッチラグは、部分的にボタン電池16の上面を覆って係合でき、その結果、印刷回路板14の上面に、特に印刷回路板14上の接触エリア30a、30bにボタン電池を保持できる。
【0057】
図4は、ホルダ12の上面斜視図を示す。
【0058】
図5は、ホルダ12の底面斜視図を示す。
【0059】
図6は、ホルダ12の断面の拡大図であり、2つの挿入アーム26a及び26b及び第1ラッチアーム22c及び第2ラッチアーム24c及び締結エリア20dの一部のみが見える。
【0060】
挿入アーム26a~26fの全て、第1ラッチアーム22a~22cの全て及び第2ラッチアーム24a~24cの全ては、一方の端において、ホルダ12の本体18に接続される。本体18から始まって、第1ラッチアーム22cの全て(図6にはラッチアーム22cのみ示される)は、直線的に延びるシートメタルストリップとして設計される接続区分32を有する。接続区分は、内向きに傾斜して延びる保持区分34に合流する。ホルダ12が印刷回路板14に取り付けられた状態のとき、保持区分34は、印刷回路板14に対して傾斜して延びる。図6から分かるように、保持区分は、接続区分32に対して傾斜してホルダ12の内側の方向に延び、ボタン電池16は、この内側へ挿入される。保持区分34は、ラッチラグを形成し、ボタン電池16が完全挿入状態のとき、部分的にボタン電池16の上面を覆ってスナップ留めする(図1)。
【0061】
接続区分32の反対側の保持区分34の側において、保持区分は、挿入区分36と合流する。挿入区分36は、同様に接続区分32に対して傾斜して配列されるが、ホルダ12の内側から反対の方向に傾斜して延びる。挿入区分36は、ボタン電池がホルダ12へ挿入されるときボタン電池16の下側縁部のための進行斜面を形成する。ボタン電池16の下側縁部が挿入区分36上を通行するとき、ラッチアーム22cは、半径方向外向きに反る。即ち、図6において右へ反る。その結果、ボタン電池の縁部は、ラッチラグ又は保持区分34が再びホルダ12の内側の方向に移動するまで、内側の最も奥に位置する保持区分34の部分又は内側の最も奥に位置するラッチラグの部分を通過してスライドできる。言い換えると、ラッチアーム22cはその後バネ式に戻るので、保持区分34は、部分的にボタン電池16の上面を覆って係合できる。
【0062】
第2ラッチアーム24c及び別の第2ラッチアームの全て24a~24cは、第2ラッチラグ又は第2保持区分40が第1ラッチアーム22cの保持区分34より本体18から離れていないことを除いて、第1ラッチアーム22a~22cと同様に構成される。これは、第2ラッチアーム24cの接続区分38を第1ラッチアーム22cの接続区分32より短くすることによって可能である。ボタン電池が挿入されるとき、ボタン電地16の下側縁部は、第2ラッチアーム24の挿入区分42にぶつかって、第2ラッチアーム24cを半径方向外向きに即ち図6において右上に反らす。その結果、ボタン電池の下側縁部は、第2ラッチアーム24cのラッチラグ又は保持区分40を通過してスライドできる。但し、ボタン電池16が挿入されると(図1)、第2ラッチアーム24cは半径方向外向きに反って、ラッチラグ40は、ボタン電池16の外側縁部を圧する状態のままである。ボタン電池16より小さい高さのボタン電池50が挿入される場合(図9)、第2ラッチアーム24a、24b、24cはバネ式に戻ることができる。
【0063】
挿入アーム26e、26fは、各々本体18に接続され印刷回路板14に対して垂直に上向きに突出する接続区分44e、44fを各々有する(図1)。挿入アーム26e、26fの接続区分44e、44fは、本体18から逸れる端において、各々挿入区分46e、46fに合流し、挿入区分46e、46fは、上向きに傾斜してホルダ12の内側から離れて延びて、その結果、進行斜面を形成する。
【0064】
ボタン電池16がホルダ12の方向に移動する場合、ボタン電池16の下側縁部は、最初に挿入アーム26a~26fの挿入区分46e、46fと接触する。挿入区分は、進行斜面として作用し、ボタン電池16をグリッパに関して又はグリッパと一緒に、印刷回路板に対してできれば平行に移動することによって、ボタン電池をホルダ12に対して正確に中央に向かうようにする。この状態で、ボタン電池16の外側縁部は、挿入アーム26a~26fの内面から僅かな距離に在るか、又は前もって荷重を加えずに挿入アーム26a~26fの内面を圧する。挿入アーム26a~26fの接続区分44e、44fは、ボタン電池16が更に印刷回路板14の方向に前進するとき、ボタン電池がホルダ12に対するその半径方向の位置を保持して、その後第1ラッチアーム22a~22c又は第2ラッチアーム24a~24cの挿入区分36、42に正確にぶつかって、その後、ラッチアームを半径方向外向きに反らすことができるようにする。
【0065】
図7は、図1の配列体10の断面図であり、切断平面の位置は、第1ラッチアーム26aを通過するように選択されている。
【0066】
切断平面の位置は、図7に従って切断された配列体10の平面図である図8から分かる。
【0067】
図7から、第1ラッチアーム26aのラッチラグ40が部分的にボタン電池16の上面を覆って係合し、その結果、印刷回路板14上にボタン電池16を保持するのが分かる。図7において、ボタン電池16は、印刷回路板14から離れて上向きに容易に動けない。動かすためには、第1ラッチアーム26a~26cの予荷重(preloading force)を凌ぐためにボタン電池をホルダ12からてこ式に出さなければならない。
【0068】
ボタン電池16の底面は、同様に図7から分かるように、印刷回路板14上の円形リングセグメント状の接触エリア30a、30bに押し付けられる。
【0069】
図9は、本発明に係る配列体10の別の断面図であり、第1ボタン電池16より小さい高さの第2ボタン電池50がホルダ12に挿入されている。具体的には、第2ボタン電池50はCR2025型ボタン電池である。したがって、ボタン電池50の直径は20mm、高さは2.5mmである。
【0070】
図9の切断平面は、切断平面が2つの第2ラッチアーム24a~24cを通過するように選択されている(図10)。図9から、第2ラッチアーム24a、24cのラッチラグ40が、部分的にボタン電池50の上面を覆って係合して、その結果、ボタン電池をホルダ12の中に保持し、印刷回路板14の上面に押し付けることが分かる。ボタン電池50の底面は、印刷回路板14の上面上の接触エリア30a、30bに押し付けられる。
【0071】
本発明に係る配列体10を使用すると、その結果異なる高さのボタン電池を接触させ、これを印刷回路板上14に保持することが可能である。また、異なる高さ又は同じ高さの2つ以上のボタン電池を上下にホルダの中へ挿入し、前記ボタン電池を電気的に接触させることが可能である。
【0072】
図11は、図1の配列体10の別の断面図である。但し、切断平面は、図11において、2つの挿入アーム26b及び26eを通過するように選択されている。この図から、ボタン電池16の外側縁部が、挿入アーム26b、26eの内面から非常に小さい距離に在るか又は前もって荷重を掛けずに挿入アーム26b、26eの内面を圧することが分かる。既述のように、挿入アーム26a~26fの挿入区分46は、ボタン電池16又はボタン電池50が半径方向においてホルダ12に対して正確な向きに、即ち印刷回路板14に対して平行になるようにする。挿入アーム26a~26fの接続区分44は、ボタン電池が更に印刷回路板14へ向かって前進するときボタン電池を半径方向において案内するようにする。これによって、ボタン電池の下側縁部がラッチアームの挿入斜面と接触するので、ボタン電池が更に印刷回路板14へ向かって前進するときラッチアームが半径方向に反るようにできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-06-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
ホルダ12は、更に、合計で6つの挿入アーム26a~26fを有する。挿入アーム26a~26fは、印刷回路板14から見たとき、第1ラッチアーム及び第2ラッチアームを越えて突出する。図においてその上端において、したがって印刷回路板14から最も離れた位置において、挿入アーム26a~26fは、各々、進行斜面(run-on bevel)の形式の挿入区分を備える。この進行斜面は、半径方向外向きに傾斜して配列され、挿入アーム26a~26fは、更に印刷回路板14の上面から垂直に突出し、本体18に接続される。本発明の範囲内で、挿入アームを省くか、又は異なる数の挿入アームを備えることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
図7は、図1の配列体10の断面図であり、切断平面の位置は、第1ラッチアーム2aを通過するように選択されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
図7から、第1ラッチアーム2aの保持区分34が部分的にボタン電池16の上面を覆って係合し、その結果、印刷回路板14上にボタン電池16を保持するのが分かる。図7において、ボタン電池16は、印刷回路板14から離れて上向きに容易に動けない。動かすためには、第1ラッチアーム2a~2cの予荷重(preloading force)を凌ぐためにボタン電池をホルダ12からてこ式に出さなければならない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7
【外国語明細書】