(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022009559
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】スポークループを有するタイヤ
(51)【国際特許分類】
B29D 30/02 20060101AFI20220106BHJP
B60C 7/00 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
B29D30/02
B60C7/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021175370
(22)【出願日】2021-10-27
(62)【分割の表示】P 2019557787の分割
【原出願日】2018-04-04
(31)【優先権主張番号】62/490,954
(32)【優先日】2017-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515168916
【氏名又は名称】ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス・ビー・コストロウ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ヴィ・ハイデット
(72)【発明者】
【氏名】アダム・ケイ・ネスビット
(72)【発明者】
【氏名】シャロン・イー・ラインハルト
【テーマコード(参考)】
3D131
4F215
【Fターム(参考)】
3D131BB19
3D131BC31
3D131CC03
4F215AH20
4F215VA02
4F215VC06
4F215VK04
4F215VL26
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ループ材料によって形成された複数のスポークを有する非空気式タイヤの製造方法を提供する。
【解決手段】複数の部材が、第1の直径を有する第1の円を画定する第1の組の部材を含み、かつ、複数の部材が、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する第2の円を画定する第2の組の部材を提供し、次に可撓性材料を提供し、可撓性材料を複数の部材の周りにかけて環状形状を形成し、更に可撓性材料を硬化させることを含む方法である。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非空気式タイヤの作製方法であって、
形成治具を提供することであって、前記形成治具は、前記形成治具から延在する複数の部材を有し、
前記複数の部材が、第1の直径を有する第1の円を画定する第1の組の部材を含み、 かつ
前記複数の部材が、前記第1の直径よりも大きい第2の直径を有する第2の円を画定する第2の組の部材を含む、提供することと、
可撓性材料を提供することと、
前記可撓性材料を前記複数の部材の周りにかけて、環状形状を形成することであって、
前記かけることが、前記第1の組の部材のうちの第1の部材から前記第2の組の部材のうちの第1の部材へ前記可撓性材料をかけることを含み、かつ
前記かけることが、前記第2の組の部材のうちの第2の部材から前記第1の組の部材のうちの第2の部材へ前記可撓性材料をかけることを更に含む、形成することと、
前記可撓性材料を硬化させることと、
前記形成治具から前記可撓性材料を取り外すことと、を含む、方法。
【請求項2】
前記可撓性材料を、それ自体の上に周方向に巻き付けて、外側フープを形成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記可撓性材料が、材料プライであり、前記材料プライが、一緒にカレンダー加工された少なくとも2つの材料プライによって形成され、前記少なくとも2つの材料プライが、それらの間に挟まれた補強材料を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記可撓性材料が、材料コードである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の部材のうちのいくつかに隣接して押出ゴム化合物を配置して、フィレットを形成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スポークを有するタイヤに関する。より具体的には、本開示は、ループ材料によって形成された複数のスポークを有する非空気式タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤが非膨張状態又は膨張不足状態で走行することを可能にする様々なタイヤの構造が開発されている。「ランフラットタイヤ」は、パンクし、加圧空気の完全又は部分的な喪失を経験した後で、長期間、比較的高速で動作し続けることができる。非空気式タイヤは、膨張を必要とせず、オフロード用途及びタイヤを修理又は交換することが困難な場所において特に有用であり得る。いくつかの公知の非空気式タイヤは、内側フープと外側フープとの間に延びる複数のスポークを含む。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、非空気式タイヤは、中心軸及び赤道面を有する。非空気式タイヤは、タイヤの中心軸を中心として連続的に配置された蛇行スポークプライを含み、蛇行スポークプライは、内径と外径との間の迂曲経路を進む。蛇行スポーク経路はまた、内径の周囲に、実質的に周方向に延在する複数の内側部分、及び外径の周囲に、実質的に周方向に延在する複数の外側部分を有する。蛇行スポーク経路は、内径と外径との間に延在する複数のスポーク部分を更に有する。タイヤはまた、蛇行スポークプライの複数の外側部分に接続された外側フープと、蛇行スポークプライの複数の内側部分に接続されたハブと、を有する。
【0004】
別の実施形態では、非空気式タイヤの作製方法は、そこから延在する複数の部材を有する形成治具を提供することを含む。複数の部材は、第1の直径を有する第1の円を画定する第1の組の部材、及び第1の直径よりも大きい第2の直径を有する第2の円を画定する第2の組の部材を含む。本方法は、可撓性材料を提供することと、可撓性材料を複数の部材にかけて、環状形状を形成することを更に含む。このかけることは、第1の組の部材のうちの第1の部材から第2の組の部材のうちの第1の部材へ可撓性材料をかけることと、第2の組の部材のうちの第2の部材から第1の組の部材のうちの第2の部材へ可撓性材料をかけることとを含む。本方法はまた、可撓性材料を硬化させることと、治具から可撓性材料を取り外すことと、を含む。
【0005】
更に別の実施形態では、非空気式タイヤ組立体は、外側フープと、外側フープから内側
に延在する複数のループと、複数の部材を有するハブと、を含む。複数の部材の各々は、複数のループのうちの1つに接続される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付の図面では、以下の詳細な説明と共に、特許請求される本発明の例示的実施形態を説明する構造が図示される。同様の要素は、同一の参照番号で特定される。単一の構成要素として示される要素は、複数の構成要素に置き換えられてもよく、複数の構成要素として示されている要素は、単一の構成要素に置き換えられてもよいことが理解されるべきである。図面は正確な縮尺ではなく、特定の要素の比率が説明のために誇張されている場合がある。
【0007】
【
図1A】非空気式タイヤ100の一実施形態の正面図を図解する。
【
図1B】非空気式タイヤ100のクローズアップ図を図解する。
【
図2A】非空気式タイヤのためのスポークループの代替的実施形態を図解する概略図である。
【
図2B】非空気式タイヤのためのスポークループの代替的実施形態を図解する概略図である。
【
図3】非空気式タイヤを構成するための治具のプレート300の一実施形態の正面図を図解する。
【
図4】プレート300及び突出ピンを含む部分的に組み立てられた治具の斜視図を図解する。
【
図5A】それぞれ、部分的に組み立てられた治具上の部分的に組み立てられた非空気式生タイヤの一実施形態の正面図及び斜視図を図解する。
【
図5B】それぞれ、部分的に組み立てられた治具上の部分的に組み立てられた非空気式生タイヤの一実施形態の正面図及び斜視図を図解する。
【
図6】部分的に組み立てられた治具上の組み立てられた非空気式生タイヤの一実施形態の斜視図を図解する。
【
図7】組み立てられた治具上の組み立てられた非空気式生タイヤの一実施形態の斜視図を図解する。
【
図8】非空気式タイヤの一実施形態の斜視図を図解する。
【
図9】非空気式タイヤの代替的実施形態のクローズアップ正面図を図解する。
【
図10】非空気式タイヤを構成するための治具のプレート500の代替的実施形態の正面図を図解する。
【
図11】プレート500及び突出ピンを含む部分的に組み立てられた治具の斜視図を図解する。
【
図12A】それぞれ、部分的に組み立てられた治具上の部分的に組み立てられた非空気式生タイヤの一実施形態の正面図及び斜視図を図解する。
【
図12B】それぞれ、部分的に組み立てられた治具上の部分的に組み立てられた非空気式生タイヤの一実施形態の正面図及び斜視図を図解する。
【
図13A】それぞれ、部分的に組み立てられた治具上の組み立てられた非空気式生タイヤの一実施形態の正面図及び斜視図を図解する。
【
図13B】それぞれ、部分的に組み立てられた治具上の組み立てられた非空気式生タイヤの一実施形態の正面図及び斜視図を図解する。
【
図14】部分的に組み立てられた治具上の組み立てられた非空気式生タイヤの一実施形態の斜視図を図解する。
【
図15】組み立てられた治具上の組み立てられた非空気式生タイヤの一実施形態の斜視図を図解する。
【
図16】非空気式タイヤの一実施形態の斜視図を図解する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下は、本明細書において採用される選択用語の定義を含む。定義は、用語の範囲内にあり、そして、実施のために使用され得る構成要素の様々な例又は形式を含む。例は、限定的であることを意図しない。用語の単数形及び複数形は、いずれも定義の範囲内であってよい。
【0009】
「軸方向の」又は「軸方向に」は、タイヤの回転軸と平行する方向を指す。
【0010】
「周方向の」及び「周方向に」は、軸方向に対して垂直であるトレッドの表面の外周部に沿って延在する方向を指す。
【0011】
「径方向の」及び「径方向に」は、タイヤの回転軸に対して垂直である方向を指す。
【0012】
「トレッド」は、標準的な膨張度及び負荷において、道路と接触するタイヤの部分を指す。
【0013】
本明細書では、方向は、タイヤの回転軸を基準にして述べられる。「上向きの」及び「上向きに」という用語は、タイヤのトレッドに向かう一般方向を指し、「下向きの」及び「下向きに」は、タイヤの回転軸に向かう一般方向を指す。したがって、「上部の」及び「下部の」又は「頂部の」及び「底部の」など相対的な方向用語が要素に関連して使用されるとき、「上部の」又は「頂部の」要素は、「下部」又は「底部」の要素よりもトレッドに近い位置に離間配置される。加えて、「上」又は「下」など相対的な方向用語が要素に関連して使用されるとき、別の要素の「上」にある要素は、他の要素よりもトレッドに近い。
【0014】
同様に、用語「内側の」及び「内側に」は、回転軸に向かう一般方向を指し、「外側の」及び「外側に」は、回転軸から離れ、タイヤのトレッドに向かう一般方向を指す。したがって、「内部」及び「外部」など相対的な方向用語が要素と関連して使用されるとき、「内部」要素は、「外部」要素よりもタイヤの回転軸の近くに離間配置される。
【0015】
図1Aは、非空気式タイヤ100の一実施形態の正面図を図解し、
図1Bは、非空気式タイヤ100のクローズアップ図を図解する。タイヤ100は、中心軸及び赤道面を有し、
図1A及び
図1Bの両方を参照して、以下に更に説明される。
【0016】
タイヤ100は、外側フープ110を含む。図解された実施形態では、外側フープ110は、それ自体の周りに複数回巻き付けられたゴムプライ120で構成されている。ゴムプライ120は、タイヤ100の幅と等しい幅を有する。代替的に、ゴムプライは、タイヤよりも狭い幅を有してもよく、タイヤの周りに螺旋状に巻き付けられてもよい。代替的実施形態では、単一プライをそれ自体の周りに巻き付けるのではなく、複数のゴムプライを使用して、一緒に継ぎ合わせてもよい。そのような実施形態では、異なるゴムプライは、異なる材料で構成されてもよい。
【0017】
一実施形態では、ゴムプライ120は、カレンダー加工又は一緒に縫合された2つ以上の別個のプライで構成されている。そのような実施形態では、補強材料は、カレンダー加工されたプライの間に配置されてもよい。例えば、ゴムプライ120は、空気入りタイヤのためのボディプライと同様に、内部に埋設された補強コードを有してもよい。加えて、又は代替的に、補強構成要素は、ゴムプライ120の巻き付けられた層の間に配置されてもよい。一実施形態では、1つ以上のスチール帯層が、ゴムプライ120の層の間に配置される。1つ以上のナイロン層もまた、ゴムプライ120の層の間に配置されてもよい。ナイロン層は、ナイロンのシート又は複数のナイロンコードであってもよい。他の例示的な補強構成要素としては、ポリエステル、マイラー、アラミド繊維、他の金属及びポリマ
ー材料、並びに他の天然及び合成材料が挙げられる。
【0018】
別の実施形態では、ゴムプライ120は、複数のプライを一緒に織ることによって形成されたプライであってもよい。そのような実施形態では、補強プライ又は補強コードは、プライに織られてもよい。補強プライ又は補強コードは、上記と同じ材料で構成されてもよい。
【0019】
外側フープ110はまた、ゴム以外の材料で構成されてもよい。代替的実施形態では、外側フープは、発泡ポリマー、ポリウレタン、熱可塑性物質、樹脂、又は他のエラストマー若しくはポリマー材料から構成されたプライによって形成される。別の代替的実施形態では、プライは、ポリマー材料の代わりに金属で構成されている。別の代替的実施形態では、外側フープ110は、固体フープである。
【0020】
タイヤ100は、外側フープ110から内側に延在する複数のループ130を更に含む。図解された実施形態では、蛇行スポークプライの長手方向軸が、タイヤ100の赤道面に実質的に平行となるように、ループ130は、タイヤ100の中心軸を中心として連続的に配置された蛇行スポークプライによって形成される。蛇行スポーク経路が、内径の周囲に、実質的に周方向に延在する複数の内側部分130iを有するように、蛇行スポークプライは、内径と外径との間の迂曲経路を進む。蛇行スポーク経路は、外径の周囲に、実質的に周方向に延在する複数の外側部分130oを更に有する。複数のスポーク部分130sは、内径と外径との間に実質的に径方向に延在する。
【0021】
図解された実施形態では、内側部分130iの全ては、実質的に同じ弧長を有する。同様に、各外側部分130oはまた、実質的に同じ弧長を有し、外側部分130oの弧長は、内側部分130iの弧長よりも長い。一実施形態では、内側部分130iの総弧長は、120°~240°である。外側部分130oの総弧長はまた、120°~240°である。一実施形態では、内側部分130iの総弧長と外側部分130oの総弧長との合計は、360°である。代替的実施形態では、内側部分の総弧長と外側部分の総弧長との合計は、360°未満である。別の代替的実施形態では、内側部分の総弧長と外側部分の総弧長との合計は、360°超である。
【0022】
代替的実施形態では、異なる内側部分は、異なる弧長を有してもよい。同様に、異なる外側部分はまた、異なる弧長を有してもよい。
【0023】
図解された実施形態では、ループ130は、タイヤ100の幅に等しい幅を有するプライで構成されている。別の実施形態では、ループは、タイヤよりも狭いプライで構成されている。そのような実施形態では、プライは、タイヤの赤道面に対して付勢されてもよい。そのような一実施形態では、蛇行スポークプライのスポーク部分の各々は、径方向に対して45°未満の角度で延在する。同様に、蛇行スポークプライの内側部分の各々は、赤道面に対して45°未満の角度で延在し、蛇行スポークプライの外側部分の各々は、赤道面に対して45°未満の角度で延在する。
【0024】
一実施形態では、ループ130は、外側フープ110と同じ材料で構成されている。特定の一実施形態では、ループ130は、外側フープ110を形成するのと同じゴムプライ120によって形成される。ループ130は、補強された実施形態を含む、上述の代替のプライの実施形態のいずれかによって形成され得ることを理解されたい。そのような実施形態では、ゴムプライ120は、蛇行経路に形作られてループ130を形成し、次いで、それ自体の周りに巻き付けられて外側フープ130を形成する。ループ130は、補強された実施形態を含む、上述の代替のプライの実施形態のいずれかによって形成され得ることを理解されたい。例えば、ループ130は、カレンダー加工又は一緒に縫合された2つ
以上のプライで構成されてもよい。補強コードなどの補強材料は、隣接するプライの間に配置されてもよい。補強コードは、スチール、ナイロン、ポリエステル、マイラー、アラミド繊維、他の金属及びポリマー材料、並びに他の天然及び合成材料で構成されてもよい。
【0025】
別の実施形態では、ループ130は、複数のプライ一緒に織ることによって形成されたプライで構成されてもよい。そのような実施形態では、補強プライ又は補強コードは、プライに織られてもよい。補強プライ又は補強コードは、上記と同じ材料で構成されてもよい。
【0026】
ループ130はまた、ゴム以外の材料で構成されてもよい。例えば、ループ130は、発泡ポリマー、ポリウレタン、熱可塑性物質、樹脂、又は他のエラストマー若しくはポリマー材料から構成され得る。別の代替的実施形態では、ループ130は、ポリマー材料の代わりに金属で構成されている。
【0027】
図1A及び
図1Bは、実質的に径方向に延在するスポーク部分130
sを有するループ130を示しているが、代替的実施形態では、スポーク部分は、非径方向に延在する。例えば、
図2Aは、非空気式タイヤのためのループ200aの代替的実施形態を図解する概略図である。この実施形態では、ループ200aは、内側部分210aと、外側部分220aと、スポーク部分230aとを有する。径方向に延在する代わりに、各スポーク部分230aは、隣接する外側部分220aに対して鈍角θ
1に配置される。一実施形態では、鈍角θ
1は、90°~180°の角度である。
【0028】
図2Bは、非空気式タイヤのためのループ200bの別の代替的実施形態を図解する概略図である。この実施形態では、ループ200bは、内側部分210bと、外側部分220bと、スポーク部分230bとを有する。各スポーク部分230bは、隣接する外側部分220bに対して鋭角θ
2に配置される。一実施形態では、鋭角θ
2は、0°~90°の角度である。
【0029】
図1A及び
図1Bに戻ると、非空気式タイヤ100は、車両に装着されるように構成されたハブ140に装着される。ハブ140は、複数の装着部材150を有し、装着部材150の各々は、タイヤ100のループ130のうちの1つに接続されている。図解された実施形態では、各装着部材は、ハブ140に接続されたフランジ部分160を含む。ここで、フランジ部160は、ハブ140にボルト留めされている。代替の実施形態では、フランジ部分は、溶接、接着剤、又は他の接続手段によってハブに接続されてもよい。別の代替的実施形態では、装着部材は、フランジ部分を含まないが、代わりにハブは、1つ以上のフランジを有する。
【0030】
各装着部材150は、ループ130と係合する装着バー170を更に含む。各装着バー170は、1つ以上のボルト180によってフランジ部分160に接続されている。ボルト180は、装着バー170の径方向位置を調整するために使用されてもよい。換言すれば、各装着部材150は、径方向に調整可能である。ボルト180は、更に締め付けられて、ループ130に径方向に張力を加えてもよい。
【0031】
代替的実施形態では、他の装着部材は、ハブ上で利用されてもよい。例えば、コード又は鎖材料を使用して、タイヤ100のループ130と係合する装着ループを形成してもよい。別の例として、フック及び留め金は、装着部材として使用されてもよい。これらの実施例では、装着部材は、調節可能であってもよく、又は固定されてもよい。
【0032】
一実施形態では、ループ130は、外側フープ110を構築し、次いで、外側フープ1
10内のスロット又は開口部を切断することによってループを形成することによって形成される。別の実施形態では、ループ130は、タイヤを軸方向に構築することによって、3D印刷又は追加の製造プロセスによって形成される。更に別の実施形態では、ループ130は、延在する複数の部材を有する形成治具を提供し、その部材にプライをかけることによって形成される。タイヤを構築するこの方法は、
図3~
図7に関して以下に説明される。
【0033】
図3は、非空気式タイヤを構成するための治具のプレート300の一実施形態の正面図を図解する。プレート300は、第1の直径を有する内側円を形成する第1の組の孔と、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する外円を形成する第2の組の孔とを含む、複数の孔310を含む。プレート300が、円形プレートとして示されているが、プレートは、正方形、矩形、又は任意の幾何学的形状であってもよいことを理解されたい。
【0034】
図4は、プレート300及び突出ピン320を含む部分的に組み立てられた治具の斜視図を図解する。図解された実施形態では、第1の組の突出ピンが、第1の直径を有する第1の円を画定し、かつ第2の組の突出ピンが、第2の直径を有する第2の円を画定するように、突出ピン320は、各開口部310内に配設される。図解された実施形態では、ユーザーはまた、突出ピン320を開口部310の全てよりも小さく配設して、異なる形状を有するループを有するタイヤを形成することを選択してもよい。
【0035】
代替の実施形態(図示せず)では、複数の突出プレート又は他の部材は、プレート300に固定されてもよい。そのような突出プレートは、開口部310を介してボルト、ねじ、又は他の締結具で固定されてもよい。
【0036】
別の代替的実施形態(図示せず)では、プレートは、そこから延在する予め形成された突出部材を有する。突出部材は、例えば、ピン又はプレートであってもよい。
【0037】
図5A及び
図5Bは、それぞれ、部分的に組み立てられた治具上の部分的に組み立てられた非空気式生タイヤの一実施形態の正面図及び斜視図を図解する。可撓性材料330は、突出ピン320にかけられる。一実施形態では、可撓性材料330は、生ゴムプライである。特定の一実施形態では、可撓性材料330は、カレンダー加工又は一緒に縫合される生ゴムの2つ以上のプライである。そのような実施形態では、補強材料は、隣接するプライの間に配置されてもよい。例示的な補強材料としては、スチール、ナイロン、ポリエステル、マイラー、アラミド繊維、他の金属及びポリマー材料、並びに他の天然及び合成材料が挙げられるが、これらに限定されない。別の実施形態では、可撓性材料330は、複数のプライを一緒に織ることによって形成されたプライであってもよい。そのような実施形態では、補強プライ又は補強コードは、プライに織られてもよい。補強プライ又は補強コードは、上記と同じ材料で構成されてもよい。代替的実施形態では、可撓性材料330は、発泡ポリマー、ポリウレタン、熱可塑性物質、樹脂、又は他のエラストマー若しくはポリマー材料である。別の代替的実施形態では、可撓性材料330は、ポリマー材料の代わりに金属で構成されたプライである。
【0038】
可撓性材料330は、突出ピン320にかけられて、環状形状を形成する。可撓性材料330の一部は、内側突出ピン320の内側にかけられ、次いで、外側突出ピン320まで延在する。次いで、可撓性材料330は、外側突出ピン320の外側にかけられ、内側突出ピン320まで延在する。このプロセスは、可撓性材料が蛇行形状を形成するように、第1及び第2の円の周囲で繰り返される。
【0039】
代替的実施形態では、可撓性材料は、材料コード又は狭いプライ材料である。そのような実施形態では、コード又は狭いプライは、それが突出ピンにかけられるときに、タイヤ
の赤道面に対して角度を成すように付勢されてもよい。
【0040】
図6は、部分的に組み立てられた治具上の組み立てられた非空気式生タイヤの一実施形態の斜視図を図解する。この段階では、外側フープ340は、蛇行形状の可撓性材料330の周りに配置される。一実施形態では、外側フープ340は、固体環状フープである。そのような実施形態では、外側フープは、可撓性材料330と同じ材料、又は異なる材料で構成されてもよい。代替的実施形態では、外側フープ340は、蛇行形状の可撓性材料330の周りに複数回巻き付けられたプライ材料である。そのような実施形態では、補強層は、巻き付けられたプライの層の間に配設されてもよい。特定の一実施形態では、外側フープ340は、可撓性材料330をそれ自体の上に円形方向に巻き付けることによって形成される。
【0041】
図7は、組み立てられた治具上の組み立てられた非空気式生タイヤの一実施形態の斜視図を図解する。この段階で、第2プレート350は、突出ピン330上に配設されて、治具の組立体を完成させる。次いで、組み立てられた生タイヤは硬化される。一実施形態では、生タイヤは、オートクレーブ内で硬化される。代替的実施形態では、タイヤは、加硫金型内で硬化される。別の代替的実施形態では、タイヤは、初期構築後に硬化されない。
【0042】
タイヤは、硬化された後、治具から取り外される。
図8は、
図3~
図7に関して上述したプロセスによって形成されたタイヤ360の斜視図を図解する。
【0043】
図9は、非空気式タイヤ400の代替的実施形態のクローズアップ正面図を図解する。タイヤ400は、以下に説明する違いを除き、
図1A及び
図1Bに示し、(説明した代替的実施形態を含む)上述したタイヤ100と実質的に同じものである。
【0044】
タイヤ400は、それ自体の周りに複数回巻き付けられたゴムプライ420で構成され得る外側フープ410を含む。タイヤ400は、外側フープ410から内側に延在する複数のループ430を更に含む。図解された実施形態では、蛇行スポークプライの長手方向軸が、タイヤ100の赤道面に実質的に平行となるように、ループ430は、タイヤ400の中心軸を中心として連続的に配置された蛇行スポークプライによって形成される。蛇行スポーク経路が、内径の周囲に、実質的に周方向に延在する複数の内側部分430iを有するように、蛇行スポークプライは、内径と外径との間の迂曲経路を進む。蛇行スポーク経路は、外径の周囲に、実質的に周方向に延在する複数の外側部分430oを更に有する。複数のスポーク部分430sは、内径と外径との間に実質的に径方向に延在する。
【0045】
図解された実施形態では、フィレット440は、蛇行スポーク経路の各外側部分430oに周方向に隣接する位置で、スポークとフープとの境界面の間に配置される。言い換えれば、フィレット440は、蛇行スポーク経路の各内側部分430iの径方向上方に配置される。
【0046】
一実施形態では、フィレット440は、押出ゴム化合物から構成され、生状態でタイヤに適用され、タイヤと共に硬化される。フィレット440は、スポークプライが固定具上のピンにかけられた後、かつフープがスポーク上に構築される前に加えられる。フィレット440は、疲労に起因して、フープからのスポークの分離に対する抵抗を増加させ得る。
【0047】
一実施形態では、隣接するフィレット440は、1つのスポーク部分430sから隣接するスポーク部分430sまで延在する単一の円弧を形成する。そのような実施形態では、円弧は、単一の半径によって画定される。代替的実施形態(図示せず)では、隣接するフィレットは、互いに離間している。
【0048】
図解された実施形態では、各フィレット440は、同じ半径を有する。代替的実施形態(図示せず)では、異なる半径のフィレットが利用されてもよい。別の代替的実施形態(図示せず)では、単一のフィレットが複数の半径により画定されてもよい。
【0049】
一実施形態では、タイヤ400は、外側フープ410を構築し、次いで、外側フープ410内のスロット又は開口部を切断することによってループを形成することによって形成される。別の実施形態では、ループ430は、タイヤを軸方向に構築することによって、3D印刷又は追加の製造プロセスによって形成される。更に別の実施形態では、ループ430は、そこから延在する複数の部材を有する形成治具を提供し、その部材の周りにプライをかけることによって形成される。タイヤを構築するこの方法は、
図9~
図14に関して以下に説明される。
【0050】
図10は、非空気式タイヤを構成するための治具のプレート500の一実施形態の正面図を図解する。プレート500は、第1の直径を有する内側円を形成する第1の組の小孔と、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する外円を形成する第2の組の小孔とを含む、複数の小孔510aを含む。プレート500は、外円に沿って配置された複数の大孔510bを更に含む。プレート500が、円形プレートとして示されているが、プレートは、正方形、矩形、又は任意の幾何学的形状であってもよいことを理解されたい。
【0051】
図11は、プレート500、小径突出ピン520a、及び大径突出ピン520bを含む部分的に組み立てられた治具の斜視図を図解する。図解された実施形態では、第1の組の突出ピンが、第1の直径を有する第1の円を画定し、かつ第2の組の突出ピンが、第2の直径を有する第2の円を画定するように、突出ピン520は、各開口部510内に配設される。図解された実施形態では、ユーザーはまた、突出ピン520を開口部510の全てよりも小さく配設して、異なる形状を有するループを有するタイヤを形成することを選択してもよい。
【0052】
代替の実施形態(図示せず)では、複数の突出プレート又は他の部材は、プレート500に固定されてもよい。そのような突出プレートは、開口部510を介してボルト、ねじ、又は他の締結具で固定されてもよい。
【0053】
別の代替的実施形態(図示せず)では、プレートは、そこから延在する予め形成された突出部材を有する。突出部材は、例えば、ピン又はプレートであってもよい。
【0054】
図12A及び
図12Bは、それぞれ、部分的に組み立てられた治具上の部分的に組み立てられた非空気式生タイヤの一実施形態の正面図及び斜視図を図解する。可撓性材料530は、突出ピン520にかけられる。可撓性材料530は、
図3~
図7に関して上述した可撓性材料のいずれかであってもよい。
【0055】
可撓性材料530は、突出ピン520にかけられて、環状形状を形成する。可撓性材料530の一部は、内側小径突出ピン520aの内側にかけられ、次いで外側小径突出ピン520aまで延在する。次いで、可撓性材料530は、外側小径突出ピン520aの外側にかけられ、内側小径突出ピン520aまで延在する。このプロセスは、可撓性材料が蛇行形状を形成するように、第1及び第2の円の周囲で繰り返される。
【0056】
可撓性材料530は、大径突出ピン520bが、材料の蛇行形状の外径部分の間に配置されるようにかけられる。図解された実施形態では、可撓性材料530は、各大径突出ピンの2つの対向する点に接している。代替的実施形態(図示せず)では、可撓性材料は、大径突出ピンから離間している。別の代替的実施形態では、2つ以上の大径突出ピンが、
材料の蛇行形状の外径部分の間で利用されてもよい。別の代替的実施形態(図示せず)では、大径突出ピンは、フィレット又は面取り面を形成し得るいずれかの形状のうちの1つ以上の突出部によって置き換えられてもよい。
【0057】
図13A及び
図13Bは、それぞれ、部分的に組み立てられた治具上の組み立てられた非空気式生タイヤの一実施形態の正面図及び斜視図を図解する。この段階で、押出ゴムセグメント540は、各大径突出ピン520bの両側に配設される。これらの押出ゴムセグメント540は、スポーク及び外側フープの全幅にわたって延在し、硬化時にフィレットを形成することになる。一実施形態では、押出ゴムセグメント540は、可撓性材料530と同じ材料で構成されている。代替的実施形態では、押出ゴムセグメントは、可撓性材料とは異なる材料で形成される。押出されたゴムセグメントは、固体ゴムであってもよく、又は補強材料を含有してもよい。
【0058】
図14は、部分的に組み立てられた治具上の組み立てられた非空気式生タイヤの一実施形態の斜視図を図解する。この段階では、外側フープ550は、蛇行形状の可撓性材料530の周りに配置される。一実施形態では、外側フープ550は、固体環状フープである。そのような実施形態では、外側フープは、可撓性材料530と同じ材料、又は異なる材料で構成されてもよい。代替的実施形態では、外側フープ550は、蛇行形状の可撓性材料530の周りに複数回巻き付けられたプライ材料である。そのような実施形態では、補強層は、巻き付けられたプライの層の間に配設されてもよい。特定の一実施形態では、外側フープ550は、可撓性材料530をそれ自体の上に円形方向に巻き付けることによって形成される。
【0059】
図15は、組み立てられた治具上の組み立てられた非空気式生タイヤの一実施形態の斜視図を図解する。この段階で、第2プレート560は、突出ピン520上に配設されて、治具の組立体を完成させる。次いで、組み立てられた生タイヤは硬化される。一実施形態では、生タイヤは、オートクレーブ内で硬化される。代替的実施形態では、タイヤは、加硫金型内で硬化される。別の代替的実施形態では、タイヤは、初期構築後に硬化されない。
【0060】
タイヤは、硬化された後、治具から取り外される。
図16は、
図11~
図15に関して上述したプロセスによって形成されたタイヤ570の斜視図を図解する。
【0061】
「含む(includes)」又は「含むこと(including)」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲において使用される範囲において、「含む(comprising)」という用語が請求項で移行句として用いられる際の解釈と同様に包括的であることが意図される。更に、「又は(or)」という用語が用いられる範囲において(例えば、A又はBなど)、「A又はB、又はAとBの両方とも」を意味することが意図されている。本出願人らが「A又はBの両方ではなく一方のみ」を示すことを意図する場合、「A又はBの両方ではなく一方のみ」という用語が用いられるであろう。したがって、本明細書における「又は」という用語の使用は、排他的ではなく、包含的である。Bryan A.Garner,A Dictionary of Modern Legal Usage 624(2d.Ed.1995).また、「中(in)」又は「中へ(into)」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲において使用される範囲において、「上(on)」又は「上へ(onto)」を更に意味することが意図される。更に、「接続する(connect)」という用語が本明細書又は特許請求の範囲において使用される限りにおいて、「と直接接続する(directly connected to)」ことだけではなく、別の構成要素を介して接続することなどのように「と間接的に接続する(indirectly connected to)」ことも意味することが意図される。
【0062】
本出願をその実施形態の記述によって説明し、またその実施形態をかなり詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲をこのような詳細に制限するか、又はいかなる形でも限定することは、出願人の本意ではない。更なる利点及び改良が、当業者には容易に明らかとなるであろう。したがって、そのより広い態様における本出願は、示され説明される、特定の詳細、例示的な装置及び方法、並びに例示の実施例に限定されない。このため、出願人の一般的な発明概念の趣旨又は範囲から逸脱することなく、このような詳細からの逸脱がなされ得る。