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特開2022-95654天然油または石油由来の油を含有する殺有害生物剤の乳剤および使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022095654
(43)【公開日】2022-06-28
(54)【発明の名称】天然油または石油由来の油を含有する殺有害生物剤の乳剤および使用方法
(51)【国際特許分類】
   A01N 25/04 20060101AFI20220621BHJP
   A01N 39/04 20060101ALI20220621BHJP
   A01N 57/20 20060101ALI20220621BHJP
   A01N 25/30 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
A01N25/04 101
A01N39/04 A
A01N57/20 G
A01N25/30
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022040907
(22)【出願日】2022-03-16
(62)【分割の表示】P 2016528061の分割
【原出願日】2014-11-07
(31)【優先権主張番号】61/901,562
(32)【優先日】2013-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501035309
【氏名又は名称】コルテバ アグリサイエンス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】シャオ,フイ
(72)【発明者】
【氏名】タンク,ホルガー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】農業用散布ドリフトを低減する、水性殺有害生物剤濃厚物およびこのような濃厚物を組み入れた水性殺有害生物剤散布剤混合物の使用方法を提供する。
【解決手段】水性殺有害生物剤濃厚物は、5~90重量パーセントの殺有害生物剤、0.1~20重量パーセントの界面活性剤、および0.1~20重量パーセントの天然由来または石油由来の油を含み、前記天然由来または石油由来の油が、前記水性殺有害生物剤濃厚物中に離散液滴として分散して、液滴径が約0.01ミクロン(μm)~約20μmの安定な水中油型エマルションを形成している。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
5~90重量パーセントの殺有害生物剤、
0.1~20重量パーセントの界面活性剤、および
0.1~20重量パーセントの天然由来または石油由来の油
を含む水性殺有害生物剤濃厚物であって、前記天然由来または石油由来の油が、前記水性
殺有害生物剤濃厚物中に離散液滴として分散して、液滴径が約0.01ミクロン(μm)
~約20μmの安定な水中油型エマルションを形成している、水性殺有害生物剤濃厚物。
【請求項2】
前記天然由来の油が、植物油、種子油もしくは動物油から選択されるトリグリセリド脂
肪酸エステル、もしくは植物油、種子油もしくは動物油に由来するモノエステル、または
これらの混合物である、請求項1に記載の水性濃厚物組成物。
【請求項3】
前記石油由来の油が、芳香族炭化水素もしくはパラフィン系炭化水素、またはこれらの
混合物である、請求項1に記載の水性濃厚物組成物。
【請求項4】
前記トリグリセリド脂肪酸エステルが、ダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、
ヒマワリ種子油、アーモンド油、キャノーラ油、オメガ-9キャノーラ油、ヤシ油、トウ
モロコシ油、綿実油、アマニ油、パーム油、ラッカセイ油、サフラワー油、ゴマ油、キリ
油またはこれらの混合物である、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記界面活性剤が、ポリエチレンオキシドの親水性部分とポリ(12-ヒドロキシステ
アリン酸)の疎水性部分とを有するABAブロックコポリマー、もしくはEOおよびPO
ブロックを含有するABブロックコポリマー、またはこれらの混合物である、請求項1に
記載の水性濃厚物組成物。
【請求項6】
前記殺有害生物剤が除草剤であり、前記除草剤がオーキシン系除草剤である、請求項1
から5のいずれか一項に記載の水性殺有害生物剤濃厚物組成物。
【請求項7】
前記オーキシン系除草剤が、2,4-Dの水溶性塩、トリクロピルの水溶性塩、ジカン
バの水溶性塩またはこれらの混合物である、請求項6に記載の水性濃厚物組成物。
【請求項8】
前記オーキシン系除草剤が2,4-Dの水溶性塩である、請求項6に記載の水性濃厚物
組成物。
【請求項9】
前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩である、請求項8に記載の水性濃厚物組
成物。
【請求項10】
前記オーキシン系除草剤が2,4-Dジメチルアンモニウム塩である、請求項8に記載
の水性濃厚物組成物。
【請求項11】
前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩または2,4-Dジメチルアンモニウム
塩である、請求項8に記載の水性濃厚物組成物。
【請求項12】
前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩または2,4-Dジメチルアンモニウム
塩であり、前記天然由来の油が脂肪酸アルキルエステルであり、前記脂肪酸アルキルエス
テルがカプロン酸メチル、カプリル酸メチル、カプリン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミ
リスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、リノ
ール酸メチル、リノレン酸メチルまたはこれらの混合物である、請求項6に記載の水性濃
厚物組成物。
【請求項13】
前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩または2,4-Dジメチルアンモニウム
塩であり、前記天然由来の油がトリグリセリド脂肪酸アルキルエステルであり、前記トリ
グリセリド脂肪酸アルキルエステルがダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマ
ワリ種子油、アーモンド油、キャノーラ油、オメガ-9キャノーラ油、ヤシ油、トウモロ
コシ油、綿実油、アマニ油、パーム油、ラッカセイ油、サフラワー油、ゴマ油、キリ油ま
たはこれらの混合物から選択される植物油または種子油である、請求項6に記載の水性濃
厚物組成物。
【請求項14】
前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩または2,4-Dジメチルアンモニウム
塩であり、前記石油由来の油が芳香族炭化水素もしくはパラフィン系炭化水素またはこれ
らの混合物である、請求項6に記載の水性濃厚物組成物。
【請求項15】
有害生物を防除するための殺有害生物散布剤の施用中に散布ドリフトを低減する方法で
あって、
5~90重量パーセントの殺有害生物剤、
0.1~20重量パーセントの界面活性剤、
0.1~20重量パーセントの天然由来または石油由来の油
を含む水性殺有害生物剤濃厚物であり、前記天然由来または石油由来の油が、前記水性殺
有害生物剤濃厚物中に離散液滴として分散して、平均液滴径が約0.01ミクロン(μm
)~約20μmの安定な水中油型エマルションを形成している、水性殺有害生物剤濃厚物
を用意するステップと、
水を含有する散布タンクに前記水性殺有害生物剤濃厚物を添加して安定なエマルション
を形成するステップと、
前記安定なエマルションを散布して1種または複数の有害生物を防除するステップと
を含む、方法。
【請求項16】
前記天然由来の油が、カプロン酸メチル、カプリル酸メチル、カプリン酸メチル、ラウ
リン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイ
ン酸メチル、リノール酸メチル、リノレン酸メチルまたはこれらの混合物から選択される
脂肪酸アルキルエステルである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記天然由来の油がトリグリセリド脂肪酸エステルであり、前記トリグリセリド脂肪酸
エステルがダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、アーモンド油
、キャノーラ油、オメガ-9キャノーラ油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、アマニ油
、パーム油、ラッカセイ油、サフラワー油、ゴマ油、キリ油またはこれらの混合物から選
択される植物油または種子油である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記石油由来の油が、芳香族炭化水素もしくはパラフィン系炭化水素またはこれらの混
合物である石油由来の油である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記界面活性剤が、ポリエチレンオキシドの親水性部分とポリ(12-ヒドロキシステ
アリン酸)の疎水性部分とを有するABAブロックコポリマー、もしくはEOおよびPO
ブロックを含有するABブロックコポリマー、およびこれらの混合物である、請求項15
に記載の方法。
【請求項20】
前記殺有害生物剤が除草剤であり、前記除草剤がオーキシン系除草剤である、請求項1
5から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記オーキシン系除草剤が、2,4-Dの水溶性塩、トリクロピルの水溶性塩、ジカン
バの水溶性塩またはこれらの混合物である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記オーキシン系除草剤が2,4-Dの水溶性塩である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩である、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記オーキシン系除草剤が2,4-Dジメチルアンモニウム塩である、請求項20に記
載の方法。
【請求項25】
前記水性殺有害生物剤濃厚物が、追加の除草剤をさらに含む水の散布タンクに添加され
るオーキシン系除草剤濃厚物である、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記追加の除草剤がグリホサートまたはグルホシネートである、請求項25に記載の方
法。
【請求項27】
前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩または2,4-Dジメチルアンモニウム
塩であり、前記グリホサートがグリホサートジメチルアンモニウム塩、グリホサートイソ
プロピルアンモニウム塩またはグリホサートカリウム塩である、請求項26に記載の方法
【請求項28】
前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩または2,4-Dジメチルアンモニウム
塩であり、前記グリホサートがグリホサートジメチルアンモニウム塩、グリホサートイソ
プロピルアンモニウム塩またはグリホサートカリウム塩であり、前記グルホシネートの塩
がグルホシネートアンモニウム塩であり、前記天然由来または石油由来の油が、カプロン
酸メチル、カプリル酸メチル、カプリン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチ
ル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、リノール酸メチル、
リノレン酸メチルまたはこれらの混合物から選択される脂肪酸アルキルエステルである、
請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩であり、前記グリホサートがグリホサー
トジメチルアンモニウム塩であり、前記天然由来または石油由来の油が、カプロン酸メチ
ル、カプリル酸メチル、カプリン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パ
ルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、リノール酸メチル、リノレ
ン酸メチルまたはこれらの混合物から選択される脂肪酸アルキルエステルである、請求項
26に記載の方法。
【請求項30】
前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩または2,4-Dジメチルアンモニウム
塩であり、前記グリホサートがグリホサートジメチルアンモニウム塩、グリホサートイソ
プロピルアンモニウム塩またはグリホサートカリウム塩であり、前記天然由来または石油
由来の油がトリグリセリド脂肪酸エステルであり、前記トリグリセリド脂肪酸エステルが
ダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、アーモンド油、キャノー
ラ油、オメガ-9キャノーラ油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、アマニ油、パーム油
、ラッカセイ油、サフラワー油、ゴマ油、キリ油またはこれらの混合物から選択される植
物油または種子油である、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩であり、前記グリホサートがグリホサー
トジメチルアンモニウム塩またはグリホサートカリウム塩であり、前記天然由来または石
油由来の油がトリグリセリド脂肪酸エステルであり、前記トリグリセリド脂肪酸エステル
がダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、アーモンド油、キャノ
ーラ油、オメガ-9キャノーラ油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、アマニ油、パーム
油、ラッカセイ油、サフラワー油、ゴマ油、キリ油またはこれらの混合物から選択される
植物油または種子油である、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩または2,4-Dジメチルアンモニウム
塩であり、前記グリホサートがグリホサートジメチルアンモニウム塩、グリホサートイソ
プロピルアンモニウム塩またはグリホサートカリウム塩であり、前記グルホシネートの塩
がグルホシネートアンモニウム塩であり、前記天然由来または石油由来の油が芳香族炭化
水素もしくはパラフィン系炭化水素またはこれらの混合物である、請求項26に記載の方
法。
【請求項33】
前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩であり、前記グリホサートがグリホサー
トジメチルアンモニウム塩であり、前記天然由来または石油由来の油が、芳香族炭化水素
もしくはパラフィン系炭化水素またはこれらの混合物である石油由来の油である、請求項
26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
経済的で利用可能な技術による農業用散布は、広範な散布液滴径を固有にもたらす液体
散布ノズルを使用する。これらの散布液滴が最初の所望の施用位置からドリフトする可能
性は、液滴径と相関関係があることがわかっており、液滴が小さいほど的外れの動きをす
る傾向が強い。多くの現地試験、風洞試験およびそれに続く予測数理モデルの構築といっ
た大いなる研究努力によって、散布液滴径と的外れのドリフトの可能性との関係について
の理解が大いに深まっている。気象条件および散布竿の高さなどの他の要因もドリフトの
可能性の一因ではあるが、散布液滴径分布が主要因であることがわかっている。Tesk
eら(Teske M. E., Hewitt A. J., Valcore, D. L. 2004. The Role of Small Droplets
in Classifying Drop Size Distributions ILASS Americas 17thAnnual Conference: Ar
lington VA)は、ドリフトの一因である散布液滴分布の部分として156ミクロン(μm
)未満という値を報告している。Robert Wolf(Wolf, R. E., Keys to Spray
Drift Management, Microsoft(登録商標)PowerPoint Presentation(ファイル名:Dri
ft Minimization - 2009)、www.bae.ksu.edu/faculty/wolf/PowerPoint.htmにて閲覧可
能、直近の閲覧は2013年10月8日)は、ドリフト可能な部分として200μm未満
という値を引用している。したがって、おそらくドリフトの一因である液滴径の適切な予
測値としては、約150μm未満の部分となる。
【0002】
的外れの動きの悪影響はきわめて明白であり得る。きわめて低い百万分率(ppm)レ
ベルで、または十億分率(ppb)レベルでさえ、特定の植物種にきわめて感受性の高い
植物毒性を示した除草剤もあり、その結果、感受性の農作物、果樹園および住宅の植栽の
周囲での施用を制限されている。例えば、カリフォルニア農薬規制局(California Dept
of Pesticide Regulation)は、サンホアキン・バレーにおいて空中で施用されるプロパ
ニルを含有する除草剤については、1/2~2マイルの緩衝地帯を設けることを課してい
る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書に記載する方法および組成物は、殺有害生物剤、界面活性剤および天然由来ま
たは石油由来の油を含有する水性殺有害生物剤濃厚物、およびこのような濃厚物を組み入
れた水性殺有害生物剤散布剤混合物の使用を含む。本明細書に記載する水性殺有害生物剤
濃厚物は、5~90重量パーセントの殺有害生物剤、0.1~20重量パーセントの界面
活性剤および0.1~20重量パーセントの天然由来または石油由来の油を含む。
【0004】
この水性殺有害生物剤濃厚物は、散布液に希釈すると安定なエマルションを形成する安
定な水中油型エマルションである。植物成長を制御するための殺有害生物剤散布剤の施用
中に散布ドリフトを低減する方法は、上記の水性殺有害生物剤濃厚物を用意するステップ
と、水を含有する散布タンクに水性殺有害生物剤濃厚物を添加して安定なエマルションを
形成するステップと、安定なエマルションを散布して有害生物を防除するステップとを含
む。
【発明を実施するための形態】
【0005】
農業用散布ドリフトを低減する方法および組成物を本明細書に記載する。本方法および
組成物は、殺有害生物剤散布剤のドリフト可能な微粒子の量を、空中および地上の双方の
散布施用において低減する。本方法は、天然由来または石油由来の油および1種または複
数の殺有害生物剤を組み入れた水性農業用散布剤混合物の使用を含む。
【0006】
本明細書に記載する水性殺有害生物剤濃厚物は、5~90重量パーセントの殺有害生物
剤、0.1~20重量パーセントの界面活性剤、および本明細書に記載する0.1~20
重量パーセントの1種または複数の天然由来または石油由来の油を含み、この天然由来ま
たは石油由来の油は、水性殺有害生物剤濃厚物中に離散液滴として分散して、液滴粒径が
約0.01ミクロン(μm)~約20μmの安定な水中油型エマルションを形成している
【0007】
天然由来または石油由来の油を水性農業用散布剤混合物中に組み入れることによって散
布ドリフトを低減する、本明細書に記載する方法および組成物は、除草剤、除草剤解毒剤
、殺真菌剤および殺虫剤を含む任意の殺有害生物剤または農作物保護剤の施用に適用され
る。殺有害生物剤または農作物保護剤は、例えば、オーキシン系除草剤の水溶性塩などの
水溶性誘導体の形態であってもよい。
【0008】
本明細書に記載する方法および組成物について有用な除草剤として、例えば、2,4-
D、アセトクロール、アミノピラリド、アトラジン、ベンフルラリン、クロピラリド、ク
ロランスラムメチル、シハロホップブチル、ジカンバ、ジクロスラム、ジチオピル、エタ
ルフルラリン、フロラスラム、フルメツラム、フルロキシピル、グルホシネート、グリホ
サート、ハラウキシフェン、ハロキシホップ、イソキサベン、MCPA、MCPB、MS
MA、オリザリン、オキシフルオルフェン、ペンディメタリン、ペノキススラム、ピクロ
ラム、プロパニル、ピロクススラム、キザロホップ、テブチウロン、トリクロピル、トリ
フルラリンまたはこれらの混合物が挙げられる。本明細書に記載する方法および組成物に
ついて特に有用な除草剤として、例えば、オーキシン系除草剤、例えば、2,4-D、2
,4-DB、MCPA、MCPB、アミノシクロピラクロル、アミノピラリド、クロピラ
リド、ジカンバ、フルロキシピル、ハラウキシフェン、ピクロラム、トリクロピルまたは
これらの混合物が挙げられる。本明細書に記載する方法および組成物は、最も特定すると
、感受性の農作物の周辺には施用が制限されている除草剤、例えば、グリホサート、グル
ホシネート、2,4-D、トリクロピル、ジカンバまたはこれらの混合物を含有する散布
剤混合物の施用に有用である。
【0009】
本明細書に記載する方法および組成物について有用な除草剤解毒剤として、例えば、ク
ロキントセット、フルラゾール、メフェンピルおよびTI-35が挙げられる。
【0010】
本明細書に記載する方法および組成物について有用な殺虫剤として、例えば、クロルピ
リホス、クロルピリホスメチルなどの有機リン酸塩、ハロフェノジド、メトキシフェノジ
ドおよびテブフェノジドなどのMAC殺虫剤、シペルメトリン、ガンマシハロトリンおよ
びデルタメトリンなどのピレスロイド群、スルホキサフロルなどのスルホキシイミン群、
ならびにスピノサドおよびスピネトラムなどの生物学的に誘導された殺有害生物剤が挙げ
られる。
【0011】
本明細書に記載する方法および組成物について有用な殺真菌剤として、例えば、マンゼ
ブ、ミクロブタニル、フェンブコナゾール、ゾキサミド、プロピコナゾール、キノキシフ
ェンおよびチフルザミドが挙げられる。
【0012】
本明細書に記載する方法および組成物について有用な天然由来の油は、植物源または動
物源に由来しても、これらから作製されてもよく、例えば、植物油、種子油もしくは動物
油などのトリグリセリド脂肪酸エステル、または植物油、種子油もしくは動物油に由来す
るモノエステル、およびこれらの混合物が挙げられる。本明細書に記載する方法および組
成物について有用な、植物油、種子油または動物油に由来するモノエステルの例として、
脂肪酸アルキルエステル、例えば、カプロン酸メチル、カプリル酸メチル、カプリン酸メ
チル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチ
ル、オレイン酸メチル、リノール酸メチル、リノレン酸メチルおよびこれらの混合物が挙
げられる。本明細書に記載する方法および組成物について有用なトリグリセリド脂肪酸エ
ステルの例として、ダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、アーモンド油、キャノーラ油、オ
メガ-9キャノーラ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、
アマニ油、パーム油、ラッカセイ油、サフラワー油、ゴマ油、キリ油およびこれらの混合
物から選択される植物油または種子油が挙げられる。本明細書に記載する方法および組成
物について有用な、市販されている天然由来の油の例として、ともにStepan(No
rthfield、IL)から入手可能な、Stepan(登録商標)108(カプリル
酸/カプリン酸トリグリセリド)およびSteposol(登録商標)C42(ヤシ油に
由来するラウリン酸メチル/ミリスチン酸メチルのエステル)、ならびにともにBASF
(Florham Park、NJ)から入手可能な、Agnique ME12-18
(C12~18脂肪酸メチルエステルの混合物)およびAqnique ME18-U(
オレイン酸メチル)が挙げられる。
【0013】
本明細書に記載する方法および組成物について有用な石油由来の油として、芳香族炭化
水素およびパラフィン系炭化水素、例えば、1種または複数の石油留分または炭化水素、
例えば、鉱油、灯油、ノルマルパラフィン、イソパラフィンおよびシクロパラフィンを含
むパラフィン系油、混合ナフタレン留分およびアルキルナフタレン留分、ならびに芳香族
溶媒、特にアルキル置換ベンゼン類、例えば、キシレン留分またはプロピルベンゼン留分
など、ならびにこれらの混合物が挙げられる。本明細書に記載する方法および組成物につ
いて有用な、市販されている石油由来の油の例として、Isopar(商標)M、Exx
sol(商標)D110、Exxsol(商標)D60、Aromatic 100およ
びAromatic 200が挙げられ、これらは全てExxonMobil Chem
ical(Houston、TX)から入手可能である。
【0014】
天然由来または石油由来の油は、本明細書に記載する水性殺有害生物剤濃厚物中に離散
液滴として分散して、油滴粒径(体積平均径)が約0.01ミクロン(μm)~約20μ
m、約0.1μm~約20μm、約0.1μm~約10μm、約1μm~約10μm、ま
たは約1μm~約5μmの安定な水中油型エマルションを形成している。
【0015】
本明細書に記載する方法および組成物について有用な界面活性剤は、特性において陰イ
オン性でも非イオン性でもよく、高分子界面活性剤、例えばEOおよびPOブロックを含
有するABAブロックコポリマーおよびABブロックコポリマー、例えばエチレンオキシ
ド-プロピレンオキシド(EO-PO)ブロックコポリマー;アルコールアルコキシレー
ト;リン酸エステル界面活性剤、例えば、モノおよびジアルキルリン酸エステルの酸また
は塩、エトキシル化モノおよびジアルキルリン酸エステルの酸または塩、エトキシル化ト
リスチリルフェノールのモノおよびジアルキルリン酸エステルの酸または塩、ならびにエ
トキシル化フェノールおよびエトキシル化アルキルフェノールのモノおよびジアルキルリ
ン酸エステルの酸または塩;アルキルベンゼンスルホン酸塩ならびにこれらの混合物を含
む。
【0016】
有用な界面活性剤の例として:(1)ポリエチレンオキシドの親水性部分とポリ(12
-ヒドロキシステアリン酸)の疎水性部分とを有するABAブロックコポリマー、例えば
、分子量が約5,000のAtlox(商標)4912(Croda;Edison、N
J)、およびTermul(商標)2510(Huntsman Internatio
nal LLC;The Woodlands、TX)など;(2)EO-POブロック
コポリマー、例えば、Atlas(商標)G-5000(Croda;Edison、N
J)およびPluronic(登録商標)ブロックコポリマー(BASF;Florha
m Park、NJ)など;(3)アルコールアルコキシレート、例えばTermul(
商標)5429(Huntsman International LLC;The W
oodlands、TX)など;(4)アルキルベンゼンスルホン酸塩、例えば、Bio
soft(登録商標)N-411およびNinate(登録商標)411(Stepan
Company;Northfield、Illinois)ならびにTensiof
ix 9811HFおよび9824HF(Ajinomoto-Omnichem、Lo
uvain-la-Neuve、Belgium)が挙げられる。特に有用な界面活性剤
には、ABAブロックコポリマーおよびEO-POブロックコポリマーが含まれる。界面
活性剤は、全組成物の1g/kg~200g/kg、好ましくは1g/kg~50g/k
gの量で存在することができる。
【0017】
本明細書に記載する水性殺有害生物剤散布剤混合物は、より広範な種類の不要な植物、
真菌または昆虫を防除するために、1種または複数の他の有効成分と併せて施用してもよ
い。他の有効成分と併せて使用する場合、本願で請求する組成物は、予混合濃厚物として
、他の1種の有効成分または複数の有効成分と配合すること、散布施用のために他の1種
の有効成分または複数の有効成分とタンク混合すること、または他の1種の有効成分また
は複数種の有効成分と別々の散布施用で順次施用することができる。
【0018】
別の有効成分と併せて使用することができる本明細書に記載する組成物の一例は、オー
キシン系除草剤、例えば、2,4-Dの水溶性塩、トリクロピルの水溶性塩もしくはジカ
ンバの水溶性塩またはこれらの混合物、グリホサートの水溶性塩と、脂肪酸アルキルエス
テル、トリグリセリド脂肪酸エステル、芳香族炭化水素および/またはパラフィン系炭化
水素との混合物を含有する水性予混合濃厚物を含む。このような水性予混合除草剤濃厚物
は、農作業に依存して使用間際に水で1~2000倍に希釈し、農作物中の雑草を防除す
るために散布施用で使用することができる。
【0019】
場合により、水性殺有害生物剤散布剤混合物は、1種または複数の殺生物剤を含有して
もよい。殺生物剤は、組成物中に、約0.001wt%~約0.1wt%で存在すること
ができる。実施形態において、1種または複数の殺生物剤は、組成物中に、0.001w
t%、0.005wt%、0.01wt%、0.02wt%、0.03wt%、0.04
wt%、0.05wt%、0.06wt%、0.07wt%、0.08wt%、0.09
wt%または0.1wt%で存在することができる。殺生物剤の例として、以下に限定さ
れるものではないが、殺菌剤、殺ウイルス剤、殺真菌剤、および殺寄生生物剤などが挙げ
られる。殺生物剤有効成分の例として、以下に限定されるものではないが、フェノール化
合物(例えば、フェノール、チモール、ペンタクロロフェノール、クレゾールおよびp-
クロロ-m-キシレノール)、アルデヒド化合物(例えば、ホルムアルデヒド、グルタル
アルデヒドおよびパラホルムアルデヒド)、酸化合物(例えば、安息香酸、ソルビン酸、
ムコクロル酸およびムコブロム酸)、p-ヒドロキシ安息香酸のエステル(例えば、p-
ヒドロキシ安息香酸メチルおよびp-ヒドロキシ安息香酸ブチル)、希土類塩、アミン、
ジスルフィド、複素環式化合物(例えば、チアジニウム塩、チアゾリノンおよびベンゾイ
ミダゾール)、第四級アンモニウム塩、有機水銀化合物、ヘキサメチレンビグアニド塩酸
塩、塩化ベンザルコニウム、ポリアミノプロピルビグアニドおよび1-2-ベンゾイソチ
アゾリン-3-オンが挙げられる。特定の例として、水性殺有害生物剤散布剤混合物は、
Proxel(登録商標)GXL(Arch Chemicals Inc.、Atla
nta、GA)を殺生物剤として含んでもよい。
【0020】
本明細書に記載する水性殺有害生物剤散布剤混合物がオーキシン系除草剤の水溶性塩お
よび/またはグリホサートの水溶性塩を含有する場合、これらの塩に含有される好適な陽
イオンとして、イソプロピルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリエチルアンモニ
ウム、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモ
ニウム、ジメチルエタノールアンモニウム、ジエチレングリコールアンモニウム、トリイ
ソプロパノールアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、
コリンおよびカリウムが挙げられる。例えば、有用な2,4-D塩として、2,4-Dコ
リン塩および2,4-Dジメチルアンモニウム塩が挙げられ、有用なグリホサート塩とし
て、グリホサートジメチルアンモニウム塩、グリホサートイソプロピルアンモニウム塩お
よびグリホサートカリウム塩が挙げられる。
【0021】
オーキシン系除草剤の水溶性塩および/またはグリホサートの水溶性塩を含有する水性
殺有害生物剤散布剤混合物の例において、オーキシン系除草剤は2,4-Dコリン塩また
は2,4-Dジメチルアンモニウム塩であり、グリホサート塩はグリホサートジメチルア
ンモニウム塩、グリホサートイソプロピルアンモニウム塩またはグリホサートカリウム塩
である。水性除草剤散布剤混合物の別の例において、除草剤はオーキシン系除草剤であり
、オーキシン系除草剤は2,4-Dコリン塩または2,4-Dジメチルアンモニウム塩で
あり、グリホサート塩はグリホサートジメチルアンモニウム塩、グリホサートイソプロピ
ルアンモニウム塩またはグリホサートカリウム塩であり、脂肪酸アルキルエステル、トリ
グリセリド脂肪酸エステルおよび/または石油由来の油は、カプロン酸メチル、カプリル
酸メチル、カプリン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メ
チル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、リノール酸メチル、リノレン酸メチル、
ダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、アーモンド油、キャノーラ油、オメガ-9キャノーラ
油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、アマニ油、パーム油
、ラッカセイ油、サフラワー油、ゴマ油、キリ油、芳香族炭化水素、パラフィン系炭化水
素またはこれらの混合物である。
【0022】
オーキシン系除草剤の水溶性塩および/またはグリホサートの水溶性塩を含有する水性
殺有害生物剤散布剤混合物のさらなる例において、オーキシン系除草剤は2,4-Dコリ
ン塩であり、グリホサート塩はグリホサートジメチルアンモニウム塩であり、脂肪酸アル
キルエステル、トリグリセリド脂肪酸エステルおよび/または石油由来の油は、カプロン
酸メチル、カプリル酸メチル、カプリン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチ
ル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、リノール酸メチル、
リノレン酸メチル、ダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、アー
モンド油、キャノーラ油、オメガ-9キャノーラ油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、
アマニ油、パーム油、ラッカセイ油、サフラワー油、ゴマ油、キリ油、芳香族炭化水素、
パラフィン系炭化水素またはこれらの混合物である。
【0023】
最適な散布液滴径は、殺有害生物剤組成物が使用される施用法に依存する。液滴が大き
すぎる場合、散布剤による到達範囲が減少するであろう;即ち、大きい液滴は一定の領域
に着地するであろうが、合間の領域は散布剤の到達範囲がほとんどまたは全くないことに
なるであろう。許容される最大の液滴径は、単位面積当たりに施用される組成物の量、お
よび散布剤の到達範囲における均一性の必要性に依存し得る。液滴が小さいほど、到達範
囲はより均一になるが、散布中にドリフトする傾向が強くなる。したがって、散布剤の到
達範囲における均一性などの施用のパラメーターは、液滴が小さいほどドリフトしやすい
傾向とバランスを保たなければならない。例えば、散布中に特に風が強い場合はドリフト
を低減するために大きめの液滴が必要であり得るが、一方、もっと穏やかな日には小さめ
の液滴が許容され得る。
【0024】
特定の水性殺有害生物剤組成物の物理的性質に加えて、散布液滴径は、散布装置、例え
ば、ノズルの大きさおよび構成にも依存し得る。散布ドリフトの低減は、微細散布液滴(
150μm未満の最小径)の生成を低減すること、および散布液滴の体積中位径(VMD
)を増加させることを含む様々な要因に起因し得る。いずれにせよ、所与の散布装置、施
用法および条件で、また、脂肪酸アルキルエステルおよび/またはトリグリセリド脂肪酸
エステルをベースとして、本明細書に記載する組成物および方法を使用して作り出された
複数の散布液滴の中位径は、本明細書に記載する脂肪酸アルキルエステルもトリグリセリ
ド脂肪酸エステルも石油由来の油も含まない散布剤組成物の中位径より大きい。
【0025】
上記の方法に加えて、水性殺有害生物剤濃厚物組成物も開示される。本明細書で使用す
る場合、水性殺有害生物剤濃厚物組成物とは、上記の水性殺有害生物散布剤の構成成分、
即ち、1種または複数の水溶性除草剤の塩ならびに脂肪酸アルキルエステル、トリグリセ
リド脂肪酸エステルおよび/または石油由来の油を、高濃度で含有する溶液である。水性
濃厚物組成物は、希釈して、例えば本明細書に記載する方法で使用するための水性殺有害
生物剤散布剤混合物を得るようにするためのものである。
【0026】
本明細書に記載する水性殺有害生物剤濃厚物は、溶解した固体、懸濁した固体、カプセ
ル懸濁剤または乳化液として水性濃厚物中に存在する1種または複数の殺有害生物剤を含
んでもよい。
【0027】
本明細書に記載する水性濃厚物組成物は、5~90重量パーセントの1種または複数の
殺有害生物剤の水溶性塩を含む。本明細書に記載する水性殺有害生物剤濃厚物混合物に組
み入れられる殺有害生物剤の濃度の別の例として、濃厚物混合物の5~85重量パーセン
ト、濃厚物混合物の5~80重量パーセント、濃厚物混合物の5~75重量パーセント、
濃厚物混合物の5~70重量パーセント、濃厚物混合物の5~65重量パーセント、濃厚
物混合物の5~60重量パーセント、濃厚物混合物の5~55重量パーセント、濃厚物混
合物の5~50重量パーセント、濃厚物混合物の5~45重量パーセント、濃厚物混合物
の5~40重量パーセント、濃厚物混合物の5~35重量パーセント、濃厚物混合物の5
~30重量パーセント、濃厚物混合物の5~25重量パーセントおよび濃厚物混合物の5
~20重量パーセントが挙げられる。本明細書に記載する水性殺有害生物剤濃厚物混合物
に組み入れられる殺有害生物剤の濃度のさらなる例として、濃厚物混合物の10~90重
量パーセント、濃厚物混合物の15~90重量パーセント、濃厚物混合物の20~90重
量パーセント、濃厚物混合物の25~90重量パーセント、濃厚物混合物の30~90重
量パーセント、濃厚物混合物の35~90重量パーセント、濃厚物混合物の40~90重
量パーセント、濃厚物混合物の45~90重量パーセント、濃厚物混合物の50~90重
量パーセント、濃厚物混合物の55~90重量パーセント、濃厚物混合物の60~90重
量パーセント、濃厚物混合物の65~90重量パーセント、濃厚物混合物の70~90重
量パーセント、濃厚物混合物の75~90重量パーセント、濃厚物混合物の80~90重
量パーセントおよび濃厚物混合物の85~90重量パーセントが挙げられる。本明細書に
記載する水性殺有害生物剤濃厚物混合物に組み入れられる殺有害生物剤の濃度の別の例と
して、濃厚物混合物の10~85重量パーセント、濃厚物混合物の15~80重量パーセ
ント、濃厚物混合物の20~75重量パーセント、濃厚物混合物の25~75重量パーセ
ント、濃厚物混合物の30~70重量パーセント、濃厚物混合物の35~65重量パーセ
ント、濃厚物混合物の40~60重量パーセント、濃厚物混合物の45~60重量パーセ
ント、濃厚物混合物の40~55重量パーセントおよび濃厚物混合物の45~55重量パ
ーセントが挙げられる。
【0028】
本明細書に記載する水性濃厚物組成物は、0.1~20重量パーセントの界面活性剤を
含む。本明細書に記載する水性殺有害生物剤濃厚物混合物に組み入れられる界面活性剤の
濃度の別の例として、濃厚物混合物の0.1~19重量パーセント、濃厚物混合物の0.
1~18重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~17重量パーセント、濃厚物混合物の
0.1~16重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~15重量パーセント、濃厚物混合
物の0.1~14重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~13重量パーセント、濃厚物
混合物の0.1~12重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~11重量パーセント、濃
厚物混合物の0.1~10重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~9重量パーセント、
濃厚物混合物の0.1~8重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~7重量パーセント、
濃厚物混合物の0.1~6重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~5重量パーセント、
濃厚物混合物の0.1~4.5重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~4重量パーセン
ト、濃厚物混合物の0.1~3.5重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~3重量パー
セント、濃厚物混合物の0.1~2.5重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~2重量
パーセント、濃厚物混合物の0.1~1.5重量パーセントおよび濃厚物混合物の0.1
~1重量パーセントが挙げられる。本明細書に記載する水性殺有害生物剤濃厚物混合物に
組み入れられる界面活性剤の濃度のさらなる例として、濃厚物混合物の0.2~20重量
パーセント、濃厚物混合物の0.3~20重量パーセント、濃厚物混合物の0.4~20
重量パーセント、濃厚物混合物の0.5~20重量パーセント、濃厚物混合物の0.6~
20重量パーセント、濃厚物混合物の0.7~20重量パーセント、濃厚物混合物の0.
8~20重量パーセント、濃厚物混合物の0.9~20重量パーセント、濃厚物混合物の
1~20重量パーセント、濃厚物混合物の1.5~20重量パーセント、濃厚物混合物の
2~20重量パーセント、濃厚物混合物の3~20重量パーセント、濃厚物混合物の4~
20重量パーセント、濃厚物混合物の5~20重量パーセント、濃厚物混合物の6~20
重量パーセント、濃厚物混合物の7~20重量パーセント、濃厚物混合物の8~20重量
パーセント、濃厚物混合物の9~20重量パーセント、濃厚物混合物の10~20重量パ
ーセント、濃厚物混合物の11~20重量パーセント、濃厚物混合物の12~20重量パ
ーセント、濃厚物混合物の13~20重量パーセント、濃厚物混合物の14~20重量パ
ーセント、濃厚物混合物の15~20重量パーセント、濃厚物混合物の16~20重量パ
ーセント、濃厚物混合物の17~20重量パーセント、濃厚物混合物の18~20重量パ
ーセントおよび濃厚物混合物の19~20重量パーセントが挙げられる。本明細書に記載
する水性殺有害生物剤濃厚物混合物に組み入れられる界面活性剤の濃度の別の例として、
濃厚物混合物の0.2~19重量パーセント、濃厚物混合物の0.3~18重量パーセン
ト、濃厚物混合物の0.4~17重量パーセント、濃厚物混合物の0.5~16重量パー
セント、濃厚物混合物の0.6~15重量パーセント、濃厚物混合物の0.7~14重量
パーセント、濃厚物混合物の0.8~13重量パーセント、濃厚物混合物の0.9~12
重量パーセント、濃厚物混合物の1~11重量パーセント、濃厚物混合物の2~10重量
パーセント、濃厚物混合物の2~9重量パーセント、濃厚物混合物の2~8重量パーセン
ト、濃厚物混合物の2~7重量パーセント、濃厚物混合物の2~6重量パーセント、濃厚
物混合物の2~5重量パーセント、濃厚物混合物の2~4重量パーセントおよび濃厚物混
合物の2~3重量パーセントが挙げられる。
【0029】
本明細書に記載する水性濃厚物組成物は、0.1~20重量パーセントの脂肪酸アルキ
ルエステル、トリグリセリド脂肪酸エステルおよび/または石油由来の油を含む。本明細
書に記載する水性殺有害生物剤濃厚物混合物に組み入れられる脂肪酸アルキルエステル、
トリグリセリド脂肪酸エステルおよび/または石油由来の油の濃度の別の例として、濃厚
物混合物の0.1~19重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~18重量パーセント、
濃厚物混合物の0.1~17重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~16重量パーセン
ト、濃厚物混合物の0.1~15重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~14重量パー
セント、濃厚物混合物の0.1~13重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~12重量
パーセント、濃厚物混合物の0.1~11重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~10
重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~9重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~8
重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~7重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~6
重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~5重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~4
.5重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~4重量パーセント、濃厚物混合物の0.1
~3.5重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~3重量パーセント、濃厚物混合物の0
.1~2.5重量パーセント、濃厚物混合物の0.1~2重量パーセント、濃厚物混合物
の0.1~1.5重量パーセントおよび濃厚物混合物の0.1~1重量パーセントが挙げ
られる。本明細書に記載する水性殺有害生物剤濃厚物混合物に組み入れられる脂肪酸アル
キルエステル、トリグリセリド脂肪酸エステルおよび/または石油由来の油の濃度のさら
なる例として、濃厚物混合物の0.2~20重量パーセント、濃厚物混合物の0.3~2
0重量パーセント、濃厚物混合物の0.4~20重量パーセント、濃厚物混合物の0.5
~20重量パーセント、濃厚物混合物の0.6~20重量パーセント、濃厚物混合物の0
.7~20重量パーセント、濃厚物混合物の0.8~20重量パーセント、濃厚物混合物
の0.9~20重量パーセント、濃厚物混合物の1~20重量パーセント、濃厚物混合物
の1.5~20重量パーセント、濃厚物混合物の2~20重量パーセント、濃厚物混合物
の3~20重量パーセント、濃厚物混合物の4~20重量パーセント、濃厚物混合物の5
~20重量パーセント、濃厚物混合物の6~20重量パーセント、濃厚物混合物の7~2
0重量パーセント、濃厚物混合物の8~20重量パーセント、濃厚物混合物の9~20重
量パーセント、濃厚物混合物の10~20重量パーセント、濃厚物混合物の11~20重
量パーセント、濃厚物混合物の12~20重量パーセント、濃厚物混合物の13~20重
量パーセント、濃厚物混合物の14~20重量パーセント、濃厚物混合物の15~20重
量パーセント、濃厚物混合物の16~20重量パーセント、濃厚物混合物の17~20重
量パーセント、濃厚物混合物の18~20重量パーセントおよび濃厚物混合物の19~2
0重量パーセントが挙げられる。本明細書に記載する水性殺有害生物剤濃厚物混合物に組
み入れられる脂肪酸アルキルエステル、トリグリセリド脂肪酸エステルおよび/または石
油由来の油の濃度の別の例として、濃厚物混合物の0.2~19重量パーセント、濃厚物
混合物の0.3~18重量パーセント、濃厚物混合物の0.4~17重量パーセント、濃
厚物混合物の0.5~16重量パーセント、濃厚物混合物の0.6~15重量パーセント
、濃厚物混合物の0.7~14重量パーセント、濃厚物混合物の0.8~13重量パーセ
ント、濃厚物混合物の0.9~12重量パーセント、濃厚物混合物の1~11重量パーセ
ント、濃厚物混合物の2~10重量パーセント、濃厚物混合物の2~9重量パーセント、
濃厚物混合物の2~8重量パーセント、濃厚物混合物の2~7重量パーセント、濃厚物混
合物の2~6重量パーセント、濃厚物混合物の2~5重量パーセント、濃厚物混合物の2
~4重量パーセントおよび濃厚物混合物の2~3重量パーセントが挙げられる。
【0030】
当業者には容易に理解されるであろうが、水性濃厚物組成物は好適な容器に入れて保管
することができ、例えば、溶液、エマルションまたは懸濁剤とすることができる。
【0031】
水性殺有害生物剤濃厚物組成物の例において、殺有害生物剤は除草剤であり、除草剤は
オーキシン系除草剤であり、オーキシン系除草剤は2,4-Dコリン塩または2,4-D
ジメチルアンモニウム塩である。水性殺有害生物剤濃厚物組成物の別の例において、殺有
害生物剤は除草剤であり、除草剤はオーキシン系除草剤であり、オーキシン系除草剤は2
,4-Dコリン塩または2,4-Dジメチルアンモニウム塩であり、脂肪酸アルキルエス
テル、トリグリセリド脂肪酸エステルおよび/または石油由来の油は、カプロン酸メチル
、カプリル酸メチル、カプリン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パル
ミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、リノール酸メチル、リノレン
酸メチル、ダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、アーモンド油
、キャノーラ油、オメガ-9キャノーラ油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、アマニ油
、パーム油、ラッカセイ油、サフラワー油、ゴマ油、キリ油、芳香族炭化水素、パラフィ
ン系炭化水素またはこれらの混合物である。水性殺有害生物剤濃厚物組成物のさらなる例
において、殺有害生物剤は除草剤であり、除草剤はオーキシン系除草剤であり、オーキシ
ン系除草剤は2,4-Dコリン塩であり、脂肪酸アルキルエステル、トリグリセリド脂肪
酸エステルおよび/または石油由来の油は、カプロン酸メチル、カプリル酸メチル、カプ
リン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリ
ン酸メチル、オレイン酸メチル、リノール酸メチル、リノレン酸メチル、ダイズ油、ナタ
ネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、アーモンド油、キャノーラ油、オメガ-
9キャノーラ油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、アマニ油、パーム油、ラッカセイ油
、サフラワー油、ゴマ油、キリ油、芳香族炭化水素、パラフィン系炭化水素、またはこれ
らの混合物である。
【0032】
本明細書に記載する組成物は、界面活性剤を追加として含有してもよい。界面活性剤は
、特性において陰イオン性でも陽イオン性でも非イオン性でもよい。例えば、グリホサー
トを含む本明細書に記載する組成物は、任意選択により、効能強化型の界面活性剤を含む
ことができる。代表的な界面活性剤の例として、トリデシルアルコール-C16エトキシ
レートなどのアルコール-アルキレンオキシド付加生成物;オレイン酸ソルビトールなど
のソルビトールエステル;ラウリルトリメチルアンモニウムクロリドなどの第四級アミン
;エトキシル化獣脂アミンなどのエトキシル化アミン;ココアミドプロピルベタインなど
のベタイン界面活性剤;ココアミドプロピルジメチルアミンなどの脂肪酸アミドプロピル
ジメチルアミン界面活性剤;アルキルポリグリコシド界面活性剤;ステアリン酸ポリエチ
レングリコールなどの脂肪酸のポリエチレングリコールエステル;およびポリグリセロー
ルの脂肪酸エステルが挙げられる。
【0033】
記載された組成物中に任意選択により使用される追加の界面活性剤または界面活性剤の
混合物は、通常、配合物の約0.5~約20重量パーセントの濃度で存在する。加えて、
1種または複数の追加の適合性成分を任意選択により含有する組成物が本明細書で提供さ
れる。これらの追加の成分として、例えば、1種もしくは複数の殺有害生物剤または他の
成分を挙げてもよく、これらは組成物中に溶解していても分散していてもよく、殺ダニ剤
、殺菌剤、殺真菌剤、殺虫剤、除草剤、除草剤解毒剤、昆虫誘引剤、昆虫忌避剤、植物活
性化剤、植物成長調整剤および共力剤から選択されてもよい。また、機能的有用性を付与
する任意の他の追加の成分、例えば、色素、安定化剤、賦香剤、粘度低下剤、親和性改善
物質、有機共溶媒、例えば、プロピレングリコール、プロピレングリコールエーテルおよ
び/またはエチレングリコールエーテル、ならびに凝固点降下剤が、当該組成物中に含ま
れてもよい。本明細書に記載する濃厚物および散布液中に有機共溶媒を使用すると、当該
組成物に、凝固点の降下および/またはエマルション安定性の強化をもたらし得る。
【0034】
以下の実施例は、本明細書に記載する組成物および方法の様々な態様を例示するために
示すものであり、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例0035】
[実施例1]
天然油または石油由来の油が組み込まれた2,4-Dコリン水性乳剤:
1キログラム当たり383グラム酸当量(gae/kg)の2,4-Dコリンと、90
g/kgの天然油または石油由来の油と、10g/kgのエチレンジアミン四酢酸コリン
塩(EDTA-コリン;1028.25gのEDTA酸および689.7gのDI水を2
310.0gのコリンヒドロキシド溶液(45wt%)に添加し、全ての固体が溶解する
まで撹拌することによって調製)と、10g/kgの1種または複数の界面活性剤とを含
有する水性除草剤濃厚物を、表1に示す成分を使用して調製した。最初に4-ozバイア
ルに9.00gの天然油または石油由来の油を投入した。このバイアルに、0.5gのA
tlox(登録商標)4912と、0.5gのAtlas(登録商標)G-5000と、
86.00gの44.5wt%aeベースの2,4-Dコリン塩の水溶液(4171.0
gの2,4-D酸フレーク(テクニカルグレード、97.1wt%)を4789.4gの
コリンヒドロキシド溶液(45%水性溶液)に低剪断撹拌しながら溶解することによって
調製し、pH7.0および密度1.21g/mLの溶液を得た)と、最後に4.00gの
EDTA-コリン水性溶液(25wt%)とを添加した。次いで、Silverson(
商標)Homogenizerを使用して混合物を均質化し、100gの均質な除草剤濃
厚物を得た。表2に示す、油を使用した11種のエマルション系の2,4-D濃厚物、お
よび2,4-DコリンおよびEDTA-コリンのみを含有する1種の水性濃厚物(対照試
料)をこのようにして調製した。
【0036】
【表1】
【0037】
2,4-Dコリン除草散布液および散布液滴の分析:
11種のエマルション系の2,4-Dコリン濃厚物、ならびに2,4-Dコリンおよび
EDTA-コリンのみを含有する1種の水性濃厚物(対照試料)をそれぞれ水で希釈した
。2%v/vの2,4-Dコリン濃厚物を含有する散布液を、12種の2,4-Dコリン
濃厚物の各々10mLを490mLの脱イオン水で希釈することによって調製した。希釈
した散布液は全て、各試料が均質になるまで手作業で軽く振盪させた。12種の除草散布
液およびエマルション相のない1種の対照試料を、Teejet(登録商標)8002フ
ラットファンノズル(Teejet Technologies;Wheaton、IL
)を使用して40psi(276キロパスカル)で散布し、散布液滴径分布の測定を、R
7レンズを備えたSympatec Helos/KF高分解能レーザー回折粒径分析計
(Sympatec GmbH;Clausthal-Zellerfeld、Germ
any)で行った。ノズルの先端を、Sympatec粒径分析計のレーザー光の通路の
12インチ(30.5センチメートル)上方に据えた。表2に示すように、ドリフト可能
な微粒子の百分率を、体積平均径(VMD)150μm未満の散布液滴の体積百分率とし
て表した。
【0038】
【表2】
【0039】
[実施例2]
天然油または石油由来の油が組み込まれたグリホサートカリウム水性乳剤:
1キログラム当たり358.2グラム酸当量(gae/kg)のグリホサートカリウム
と、90g/kgの天然油または石油由来の油と、10g/kgの1種または複数の界面
活性剤とを含有する水性除草剤濃厚物を、表3に示す成分を使用して次のように調製した
。最初に、4-ozバイアルに9.00gの分散油を投入した。このバイアルに、0.5
gのAtlox(登録商標)4912と、0.5gのAtlas(登録商標)G-500
0と、90.00gのRoundup PowerMax(登録商標)(540gae/
Lのグリホサートカリウム;Monsanto;St.Louis、MOを含有)とを添
加した。次いで、この混合物をSilverson(商標)Homogenizerを使
用して均質化し、100gの均質な除草剤濃厚物を得た。表4に示す、油を使用した11
種のエマルション系のグリホサート濃厚物、および市販のRoundup(登録商標)P
owerMax(登録商標)(グリホサートK)のみを含有する1種の水性濃厚物をこの
ようにして調製した。
【0040】
【表3】
【0041】
グリホサート除草散布液および散布液滴の分析:
11種のエマルション系のグリホサートカリウム濃厚物、および市販のRoundup
(登録商標)PowerMax(グリホサートカリウム)のみを含有する1種の水性濃厚
物を、それぞれ水に希釈した。2%v/vグリホサートカリウム濃厚物を含有する散布液
を、12種のグリホサート濃厚物の各々10mLを490mLの脱イオン水で希釈するこ
とによって調製した。希釈した散布液は全て、各試料が均質になるまで手作業で軽く振盪
させた。12種の除草散布液およびエマルション相のない1種の対照試料を、実施例1に
記載した機器および手順を使用して散布した。表4に示すように、ドリフト可能な微粒子
の百分率を、体積平均径(VMD)150μm未満の散布液滴の体積百分率として表した
【0042】
【表4】
【0043】
本発明は、本発明のいくつかの態様の例示としての目的で本明細書に開示されている実
施形態によって範囲を限定されるものではなく、機能的に均等ないずれの実施形態も本発
明の範囲内である。本明細書に示され、記載されている組成物および方法に加えて、当該
組成物および方法の様々な変更形態が当業者には明らかになるであろうし、それらは添付
の特許請求の範囲内に入るものとする。さらに、本明細書に開示されている組成物の構成
成分および方法ステップの一定の代表的な組合せのみが、上記の実施形態に具体的に説明
されているが、組成物の構成成分および方法ステップの他の組合せが当業者には明らかに
なるであろうし、それらもまた添付の特許請求の範囲内に入るものとする。したがって、
構成成分または方法ステップのある組合せは本明細書に明示的に言及されている場合があ
るが、明示的に述べられていなくても、構成成分および方法ステップの他の組合せが含ま
れる。含む(comprising)という用語およびその変化形は、本明細書で使用する場合、含
む(including)という用語およびその変化形と同義で使用され、開いた、非限定的な用
語である。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載の発明。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
本発明は、本発明のいくつかの態様の例示としての目的で本明細書に開示されている実施形態によって範囲を限定されるものではなく、機能的に均等ないずれの実施形態も本発明の範囲内である。本明細書に示され、記載されている組成物および方法に加えて、当該組成物および方法の様々な変更形態が当業者には明らかになるであろうし、それらは添付の特許請求の範囲内に入るものとする。さらに、本明細書に開示されている組成物の構成成分および方法ステップの一定の代表的な組合せのみが、上記の実施形態に具体的に説明されているが、組成物の構成成分および方法ステップの他の組合せが当業者には明らかになるであろうし、それらもまた添付の特許請求の範囲内に入るものとする。したがって、構成成分または方法ステップのある組合せは本明細書に明示的に言及されている場合があるが、明示的に述べられていなくても、構成成分および方法ステップの他の組合せが含まれる。含む(comprising)という用語およびその変化形は、本明細書で使用する場合、含む(including)という用語およびその変化形と同義で使用され、開いた、非限定的な用語である。

本発明の様々な実施形態を以下に示す。
1.5~90重量パーセントの殺有害生物剤、
0.1~20重量パーセントの界面活性剤、および
0.1~20重量パーセントの天然由来または石油由来の油
を含む水性殺有害生物剤濃厚物であって、前記天然由来または石油由来の油が、前記水性殺有害生物剤濃厚物中に離散液滴として分散して、液滴径が約0.01ミクロン(μm)~約20μmの安定な水中油型エマルションを形成している、水性殺有害生物剤濃厚物。
2.前記天然由来の油が、植物油、種子油もしくは動物油から選択されるトリグリセリド脂肪酸エステル、もしくは植物油、種子油もしくは動物油に由来するモノエステル、またはこれらの混合物である、上記1に記載の水性濃厚物組成物。
3.前記石油由来の油が、芳香族炭化水素もしくはパラフィン系炭化水素、またはこれらの混合物である、上記1に記載の水性濃厚物組成物。
4.前記トリグリセリド脂肪酸エステルが、ダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、アーモンド油、キャノーラ油、オメガ-9キャノーラ油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、アマニ油、パーム油、ラッカセイ油、サフラワー油、ゴマ油、キリ油またはこれらの混合物である、上記2に記載の組成物。
5.前記界面活性剤が、ポリエチレンオキシドの親水性部分とポリ(12-ヒドロキシステアリン酸)の疎水性部分とを有するABAブロックコポリマー、もしくはEOおよびPOブロックを含有するABブロックコポリマー、またはこれらの混合物である、上記1に記載の水性濃厚物組成物。
6.前記殺有害生物剤が除草剤であり、前記除草剤がオーキシン系除草剤である、上記1から5のいずれかに記載の水性殺有害生物剤濃厚物組成物。
7.前記オーキシン系除草剤が、2,4-Dの水溶性塩、トリクロピルの水溶性塩、ジカンバの水溶性塩またはこれらの混合物である、上記6に記載の水性濃厚物組成物。
8.前記オーキシン系除草剤が2,4-Dの水溶性塩である、上記6に記載の水性濃厚物組成物。
9.前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩である、上記8に記載の水性濃厚物組成物。
10.前記オーキシン系除草剤が2,4-Dジメチルアンモニウム塩である、上記8に記載の水性濃厚物組成物。
11.前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩または2,4-Dジメチルアンモニウム塩である、上記8に記載の水性濃厚物組成物。
12.前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩または2,4-Dジメチルアンモニウム塩であり、前記天然由来の油が脂肪酸アルキルエステルであり、前記脂肪酸アルキルエステルがカプロン酸メチル、カプリル酸メチル、カプリン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、リノール酸メチル、リノレン酸メチルまたはこれらの混合物である、上記6に記載の水性濃厚物組成物。
13.前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩または2,4-Dジメチルアンモニウム塩であり、前記天然由来の油がトリグリセリド脂肪酸アルキルエステルであり、前記トリグリセリド脂肪酸アルキルエステルがダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、アーモンド油、キャノーラ油、オメガ-9キャノーラ油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、アマニ油、パーム油、ラッカセイ油、サフラワー油、ゴマ油、キリ油またはこれらの混合物から選択される植物油または種子油である、上記6に記載の水性濃厚物組成物。
14.前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩または2,4-Dジメチルアンモニウム塩であり、前記石油由来の油が芳香族炭化水素もしくはパラフィン系炭化水素またはこれらの混合物である、上記6に記載の水性濃厚物組成物。
15.有害生物を防除するための殺有害生物散布剤の施用中に散布ドリフトを低減する方法であって、
5~90重量パーセントの殺有害生物剤、
0.1~20重量パーセントの界面活性剤、
0.1~20重量パーセントの天然由来または石油由来の油
を含む水性殺有害生物剤濃厚物であり、前記天然由来または石油由来の油が、前記水性殺有害生物剤濃厚物中に離散液滴として分散して、平均液滴径が約0.01ミクロン(μm)~約20μmの安定な水中油型エマルションを形成している、水性殺有害生物剤濃厚物を用意するステップと、
水を含有する散布タンクに前記水性殺有害生物剤濃厚物を添加して安定なエマルションを形成するステップと、
前記安定なエマルションを散布して1種または複数の有害生物を防除するステップとを含む、方法。
16.前記天然由来の油が、カプロン酸メチル、カプリル酸メチル、カプリン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、リノール酸メチル、リノレン酸メチルまたはこれらの混合物から選択される脂肪酸アルキルエステルである、上記15に記載の方法。
17.前記天然由来の油がトリグリセリド脂肪酸エステルであり、前記トリグリセリド脂肪酸エステルがダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、アーモンド油、キャノーラ油、オメガ-9キャノーラ油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、アマニ油、パーム油、ラッカセイ油、サフラワー油、ゴマ油、キリ油またはこれらの混合物から選択される植物油または種子油である、上記15に記載の方法。
18.前記石油由来の油が、芳香族炭化水素もしくはパラフィン系炭化水素またはこれらの混合物である石油由来の油である、上記15に記載の方法。
19.前記界面活性剤が、ポリエチレンオキシドの親水性部分とポリ(12-ヒドロキシステアリン酸)の疎水性部分とを有するABAブロックコポリマー、もしくはEOおよびPOブロックを含有するABブロックコポリマー、およびこれらの混合物である、上記15に記載の方法。
20.前記殺有害生物剤が除草剤であり、前記除草剤がオーキシン系除草剤である、上記15から19のいずれかに記載の方法。
21.前記オーキシン系除草剤が、2,4-Dの水溶性塩、トリクロピルの水溶性塩、ジカンバの水溶性塩またはこれらの混合物である、上記20に記載の方法。
22.前記オーキシン系除草剤が2,4-Dの水溶性塩である、上記20に記載の方法。
23.前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩である、上記20に記載の方法。
24.前記オーキシン系除草剤が2,4-Dジメチルアンモニウム塩である、上記20に記載の方法。
25.前記水性殺有害生物剤濃厚物が、追加の除草剤をさらに含む水の散布タンクに添加されるオーキシン系除草剤濃厚物である、上記20に記載の方法。
26.前記追加の除草剤がグリホサートまたはグルホシネートである、上記25に記載の方法。
27.前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩または2,4-Dジメチルアンモニウム塩であり、前記グリホサートがグリホサートジメチルアンモニウム塩、グリホサートイソプロピルアンモニウム塩またはグリホサートカリウム塩である、上記26に記載の方法。
28.前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩または2,4-Dジメチルアンモニウム塩であり、前記グリホサートがグリホサートジメチルアンモニウム塩、グリホサートイソプロピルアンモニウム塩またはグリホサートカリウム塩であり、前記グルホシネートの塩がグルホシネートアンモニウム塩であり、前記天然由来または石油由来の油が、カプロン酸メチル、カプリル酸メチル、カプリン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、リノール酸メチル、リノレン酸メチルまたはこれらの混合物から選択される脂肪酸アルキルエステルである、上記26に記載の方法。
29.前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩であり、前記グリホサートがグリホサートジメチルアンモニウム塩であり、前記天然由来または石油由来の油が、カプロン酸メチル、カプリル酸メチル、カプリン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、リノール酸メチル、リノレン酸メチルまたはこれらの混合物から選択される脂肪酸アルキルエステルである、上記26に記載の方法。
30.前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩または2,4-Dジメチルアンモニウム塩であり、前記グリホサートがグリホサートジメチルアンモニウム塩、グリホサートイソプロピルアンモニウム塩またはグリホサートカリウム塩であり、前記天然由来または石油由来の油がトリグリセリド脂肪酸エステルであり、前記トリグリセリド脂肪酸エステルがダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、アーモンド油、キャノーラ油、オメガ-9キャノーラ油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、アマニ油、パーム油、ラッカセイ油、サフラワー油、ゴマ油、キリ油またはこれらの混合物から選択される植物油または種子油である、上記26に記載の方法。
31.前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩であり、前記グリホサートがグリホサートジメチルアンモニウム塩またはグリホサートカリウム塩であり、前記天然由来または石油由来の油がトリグリセリド脂肪酸エステルであり、前記トリグリセリド脂肪酸エステルがダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、アーモンド油、キャノーラ油、オメガ-9キャノーラ油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、アマニ油、パーム油、ラッカセイ油、サフラワー油、ゴマ油、キリ油またはこれらの混合物から選択される植物油または種子油である、上記26に記載の方法。
32.前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩または2,4-Dジメチルアンモニウム塩であり、前記グリホサートがグリホサートジメチルアンモニウム塩、グリホサートイソプロピルアンモニウム塩またはグリホサートカリウム塩であり、前記グルホシネートの塩がグルホシネートアンモニウム塩であり、前記天然由来または石油由来の油が芳香族炭化水素もしくはパラフィン系炭化水素またはこれらの混合物である、上記26に記載の方法。
33.前記オーキシン系除草剤が2,4-Dコリン塩であり、前記グリホサートがグリホサートジメチルアンモニウム塩であり、前記天然由来または石油由来の油が、芳香族炭化水素もしくはパラフィン系炭化水素またはこれらの混合物である石油由来の油である、上記26に記載の方法。
【外国語明細書】