(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022095894
(43)【公開日】2022-06-28
(54)【発明の名称】薬学的組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
A61K 45/06 20060101AFI20220621BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220621BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20220621BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220621BHJP
A61K 31/19 20060101ALI20220621BHJP
A61K 31/198 20060101ALI20220621BHJP
A61K 38/12 20060101ALI20220621BHJP
A61K 38/31 20060101ALI20220621BHJP
A61K 31/37 20060101ALI20220621BHJP
A61K 31/4166 20060101ALI20220621BHJP
A61K 31/436 20060101ALI20220621BHJP
A61K 31/55 20060101ALI20220621BHJP
A61K 31/404 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
A61K45/06
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 121
A61K31/19
A61K31/198
A61K38/12
A61K38/31
A61K31/37
A61K31/4166
A61K31/436
A61K31/55
A61K31/404
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022066761
(22)【出願日】2022-04-14
(62)【分割の表示】P 2020115412の分割
【原出願日】2013-01-16
(31)【優先権主張番号】13/371,076
(32)【優先日】2012-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/702,994
(32)【優先日】2012-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/587,420
(32)【優先日】2012-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514182366
【氏名又は名称】タイム,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100196243
【弁理士】
【氏名又は名称】運 敬太
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン,スティーブン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】癌の治療等における、細胞増殖の低減のための組成物、キット、及び方法を提供する。
【解決手段】チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤と、メラニン、メラニン促進剤、又はこれらの組み合わせと、p450 3A4促進剤と、ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤とを含む、薬学的組成物及びキットが提供される。また、有効量のチロシンヒドロキシラーゼ阻害剤と、メラニン促進剤と、p450 3A4促進剤と、ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤とを、それらを必要とする対象に投与することを含む、対象における癌の治療方法も、提供される。また、有効量のチロシンヒドロキシラーゼ阻害剤と、メラニン促進剤と、p450 3A4促進剤と、ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤とを、それらを必要とする対象に投与することを含む、対象における細胞増殖の低減方法も、提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬学的組成物であって、
・チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤と、
・メラニン、メラニン促進剤、又はこれらの組み合わせと、
・p450 3A4促進剤と、
・ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤と、を含む、薬学的組成物。
【請求項2】
成長ホルモン阻害剤を更に含む、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項3】
前記成長ホルモンが、膵臓成長ホルモンである、請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項4】
前記成長ホルモン阻害剤が、オクトレオチドである、請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項5】
前記成長ホルモン阻害剤が、ソマトスタチンである、請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項6】
前記チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤が、チロシン誘導体である、請求項1~5のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項7】
前記チロシン誘導体が、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-4ヒドロキシフェニル)プロパノエート、D-チロシンエチルエステル塩酸塩、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2,6-ジクロロ-3,4-ジメトキシフェニル)プロパノエートH-D-Tyr(TBU)-アリルエステルHCl、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4,5-ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(4-[(2-クロロ-6-フルオロフェニル)メトキシ]フェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-3,4-ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート、ジエチル2-(アセチルアミノ)-2-(4-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)オキシ]ベンジルマロネート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-ヒドロキシ-5-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2,6-ジクロロ-3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート、H-DL-tyr-OME HCl、H-3,5-ジヨード-tyr-OME HCl、H-D-3,5-ジヨード-tyr-OME HCl、H-D-tyr-OME HCl、D-チロシンメチルエステル塩酸塩、D-チロシン-ome HCl、メチルD-チロシネート塩酸塩、H-D-tyr-OMe・HCl、D-チロシンメチルエステルHCl、H-D-Tyr-OMe-HCl、(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)メチルエステル塩酸塩、メチル(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、メチル(2R)-2-アザニル-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、3-クロロ-L-チロシン、3-ニトロ-L-チロシン、3-ニトロ-L-チロシンエチルエステル塩酸塩、DL-m-チロシン、DL-o-チロシン、Boc-Tyr(3,5-I2)-OSu、Fmoc-tyr(3-NO2)-OH、及びα-メチル-DL-チロシンのうちの1つ以上である、請求項6に記載の薬学的組成物。
【請求項8】
前記メラニン促進剤が、メトキサレンである、請求項1~7のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
前記メラニン促進剤が、メラノタンIIである、請求項8に記載の薬学的組成物。
【請求項10】
前記p450 3A4促進剤が、5,5-ジフェニルヒダントインである、請求項1~9のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項11】
前記p450 3A4促進剤が、バルプロ酸又はカルバマゼピンである、請求項1~9のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項12】
前記ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤が、N-[(2S,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-L-ロイシンである、請求項1~11のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項13】
前記ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤が、ラパマイシンである、請求項1~11のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項14】
D-ロイシンを更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項15】
癌の治療で使用するためのキットであって、
・チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤と、
・メラニン、メラニン促進剤、又はこれらの組み合わせと、
・p450 3A4促進剤と、
・ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤と、
を、これらの包装材料とともに含む、キット。
【請求項16】
成長ホルモン阻害剤を更に含む、請求項15に記載のキット。
【請求項17】
前記成長ホルモンが、膵臓成長ホルモンである、請求項16に記載のキット。
【請求項18】
前記成長ホルモン阻害剤が、オクトレオチドである、請求項16に記載のキット。
【請求項19】
前記成長ホルモン阻害剤が、ソマトスタチンである、請求項16に記載のキット。
【請求項20】
前記チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤が、チロシン誘導体である、請求項15~19のいずれか一項に記載のキット。
【請求項21】
前記チロシン誘導体が、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-4ヒドロキシフェニル)プロパノエート、D-チロシンエチルエステル塩酸塩、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2,6-ジクロロ-3,4-ジメトキシフェニル)プロパノエートH-D-Tyr(TBU)-アリルエステルHCl、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4,5-ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(4-[(2-クロロ-6-フルオロフェニル)メトキシ]フェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-3,4-ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート、ジエチル2-(アセチルアミノ)-2-(4-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)オキシ]ベンジルマロネート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-ヒドロキシ-5-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2,6-ジクロロ-
3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート、H-DL-tyr-OME HCl、H-3,5-ジヨード-tyr-OME HCl、H-D-3,5-ジヨード-tyr-OME HCl、H-D-tyr-OME HCl、D-チロシンメチルエステル塩酸塩、D-チロシン-ome HCl、メチルD-チロシネート塩酸塩、H-D-tyr-OMe・HCl、D-チロシンメチルエステルHCl、H-D-Tyr-OMe-HCl、(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)メチルエステル塩酸塩、メチル(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、メチル(2R)-2-アザニル-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、3-クロロ-L-チロシン、3-ニトロ-L-チロシン、3-ニトロ-L-チロシンエチルエステル塩酸塩、DL-m-チロシン、DL-o-チロシン、Boc-Tyr(3,5-I2)-OSu、Fmoc-tyr(3-NO2)-OH、及びα-メチル-DL-チロシンのうちの1つ以上である、請求項20に記載のキット。
【請求項22】
前記メラニン促進剤が、メトキサレンである、請求項15~21のいずれか一項に記載のキット。
【請求項23】
前記メラニン促進剤が、メラノタンIIである、請求項15~21のいずれか一項に記載のキット。
【請求項24】
前記p450 3A4促進剤が、5,5-ジフェニルヒダントインである、請求項15~23のいずれか一項に記載のキット。
【請求項25】
前記p450 3A4促進剤が、バルプロ酸又はカルバマゼピンである、請求項15~23のいずれか一項に記載のキット。
【請求項26】
前記ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤が、N-[(2S,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-L-ロイシンである、請求項15~25のいずれか一項に記載のキット。
【請求項27】
前記ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤が、ラパマイシンである、請求項15~25のいずれか一項に記載のキット。
【請求項28】
D-ロイシンを更に含む、請求項15~27のいずれか一項に記載のキット。
【請求項29】
対象における癌の治療方法であって、有効量のチロシンヒドロキシラーゼ阻害剤と、メラニン、メラニン促進剤、又はこれらの組み合わせと、p450 3A4促進剤と、ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤とを、それらを必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項30】
成長ホルモン阻害剤を投与することを更に含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤のうちの少なくとも2つが、同時に投与される、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
前記メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤のうちの少なくとも3つが、同時に投与される、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項33】
前記メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤のそれぞれが、同時に投与される、請求項2
9又は30に記載の方法。
【請求項34】
前記メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤が、経口、皮下、静脈内、経皮、膣内、直腸、又はこれらの任意の組み合わせで投与される、請求項29~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記経皮投与が、オレイン酸、1-メチル-2-ピロリドン、ドデシルノナオキシエチレングリコールモノエーテルと組み合わせて行われる、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤が、前記メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤の5~7日間の投与と、前記メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤の1~2日間の非投与とからなるサイクルの間に投与される、請求項29~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤が、前記サイクルの少なくとも6つのコースにわたって投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤が、チロシン誘導体である、請求項29~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記チロシン誘導体が、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-4ヒドロキシフェニル)プロパノエート、D-チロシンエチルエステル塩酸塩、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2,6-ジクロロ-3,4-ジメトキシフェニル)プロパノエートH-D-Tyr(TBU)-アリルエステルHCl、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4,5-ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(4-[(2-クロロ-6-フルオロフェニル)メトキシ]フェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-3,4-ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート、ジエチル2-(アセチルアミノ)-2-(4-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)オキシ]ベンジルマロネート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-ヒドロキシ-5-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2,6-ジクロロ-3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート、H-DL-tyr-OME HCl、H-3,5-ジヨード-tyr-OME HCl、H-D-3,5-ジヨード-tyr-OME HCl、H-D-tyr-OME HCl、D-チロシンメチルエステル塩酸塩、D-チロシン-ome HCl、メチルD-チロシネート塩酸塩、H-D-tyr-OMe・HCl、D-チロシンメチルエステルHCl、H-D-Tyr-OMe-HCl、(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)メチルエステル塩酸塩、メチル(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、メチル(2R)-2-アザニル-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、3-クロロ-L-チロシン、3-ニトロ-L-チロシン、3-ニトロ-L-チロシンエチルエステル塩酸塩、DL-m-チロシン、DL-o-チロシン、Boc-Tyr(3,5-I2)-OSu、Fmoc-tyr(3-NO2)-OH、及びα-メチル-DL-チロシンのうちの1つ以上である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
60mgの前記チロシン誘導体が、経口投与され、前記チロシン誘導体の0.25mL
の2mg/mL懸濁液が、皮下投与される、請求項38又は39に記載の方法。
【請求項41】
前記メラニン促進剤が、メトキサレンである、請求項29~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
10mgの前記メトキサレンが、経口投与され、前記メトキサレンの0.25mLの1mg/mL懸濁液が、皮下投与される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記メラニン促進剤が、メラノタンIIである、請求項29~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記p450 3A4促進剤が、5,5-ジフェニルヒダントインである、請求項29~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
30mgの前記5,5-ジフェニルヒダントインが、経口投与される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記p450 3A4促進剤が、バルプロ酸又はカルバマゼピンである、請求項29~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤が、N-[(2S,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-L-ロイシンである、請求項29~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
20mgの前記N-[(2S,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-L-ロイシンが、経口投与される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤が、ラパマイシンである、請求項29~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記成長ホルモンが、膵臓成長ホルモンである、請求項30~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記成長ホルモン阻害剤が、オクトレオチドである、請求項30~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
有効量のD-ロイシンを投与することを更に含む、請求項29~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記対象が、哺乳動物である、請求項29~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記哺乳動物が、ヒトである、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記癌が、非小細胞肺癌である、請求項29~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記非小細胞肺癌が、IV期非小細胞肺癌である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記癌が、卵巣癌、乳癌、子宮頸癌、膵臓癌、胃癌、脳癌、肝臓癌、又は精巣癌である、請求項29~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記癌が、白血病又はリンパ腫である、請求項29~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤、前記メラニン促進剤、前記p450 3A4促進剤、及び前記ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤が、核酸、タンパク質、抗体、又は抗体の抗原結合断片のうちの1つ以上である、請求項29~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記対象における前記癌の進行を評価することを更に含む、請求項29~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記評価工程が、前記投与工程前に行われる、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記評価工程が、前記投与工程後に行われる、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
対象における細胞増殖の低減方法であって、有効量のチロシンヒドロキシラーゼ阻害剤と、メラニン、メラニン促進剤、又はこれらの組み合わせと、p450 3A4促進剤と、ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤とを、それらを必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項64】
成長ホルモン阻害剤を投与することを更に含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤のうちの少なくとも2つが、同時に投与される、請求項63又は64に記載の方法。
【請求項66】
前記メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤のうちの少なくとも3つが、同時に投与される、請求項63又は64に記載の方法。
【請求項67】
前記メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤のそれぞれが、同時に投与される、請求項63又は64に記載の方法。
【請求項68】
前記メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤が、経口、皮下、静脈内、経皮、膣内、直腸、又はこれらの任意の組み合わせで投与される、請求項63~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記経皮投与が、オレイン酸、1-メチル-2-ピロリドン、ドデシルノナオキシエチレングリコールモノエーテルと組み合わせて行われる、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤が、前記メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤の5~7日間の投与と、前記メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤の1~2日間の非投与とからなるサイクルの間に投与される、請求項63~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤が、前記サイクルの少なくとも6つのコースにわたって投与される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤が、チロシン誘導体である、請求項63~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記チロシン誘導体が、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-4ヒドロキ
シフェニル)プロパノエート、D-チロシンエチルエステル塩酸塩、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2,6-ジクロロ-3,4-ジメトキシフェニル)プロパノエートH-D-Tyr(TBU)-アリルエステルHCl、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4,5-ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(4-[(2-クロロ-6-フルオロフェニル)メトキシ]フェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-3,4-ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート、ジエチル2-(アセチルアミノ)-2-(4-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)オキシ]ベンジルマロネート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-ヒドロキシ-5-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2,6-ジクロロ-3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート、H-DL-tyr-OME HCl、H-3,5-ジヨード-tyr-OME HCl、H-D-3,5-ジヨード-tyr-OME HCl、H-D-tyr-OME HCl、D-チロシンメチルエステル塩酸塩、D-チロシン-ome HCl、メチルD-チロシネート塩酸塩、H-D-tyr-OMe・HCl、D-チロシンメチルエステルHCl、H-D-Tyr-OMe-HCl、(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)メチルエステル塩酸塩、メチル(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、メチル(2R)-2-アザニル-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、3-クロロ-L-チロシン、3-ニトロ-L-チロシン、3-ニトロ-L-チロシンエチルエステル塩酸塩、DL-m-チロシン、DL-o-チロシン、Boc-Tyr(3,5-I2)-OSu、Fmoc-tyr(3-NO2)-OH、及びα-メチル-DL-チロシンのうちの1つ以上である、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
60mgの前記チロシン誘導体が、経口投与され、前記チロシン誘導体の0.25mLの2mg/mL懸濁液が、皮下投与される、請求項72又は73に記載の方法。
【請求項75】
前記メラニン促進剤が、メトキサレンである、請求項63~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
10mgの前記メトキサレンが、経口投与され、前記メトキサレンの0.25mLの1mg/mL懸濁液が、皮下投与される、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記メラニン促進剤が、メラノタンIIである、請求項63~76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記p450 3A4促進剤が、5,5-ジフェニルヒダントインである、請求項63~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
30mgの5,5-ジフェニルヒダントインが、経口投与される、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記p450 3A4促進剤が、バルプロ酸又はカルバマゼピンである、請求項63~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤が、N-[(2S,3R)-3-アミノ-2-
ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-L-ロイシンである、請求項63~80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
20mgの前記N-[(2S,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-L-ロイシンが、経口投与される、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤が、ラパマイシンである、請求項63~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記成長ホルモンが、膵臓成長ホルモンである、請求項64~83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記成長ホルモン阻害剤が、オクトレオチドである、請求項64~83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
有効量のD-ロイシンを投与することを更に含む、請求項64~85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記対象が、哺乳動物である、請求項64~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記哺乳動物が、ヒトである、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記癌が、非小細胞肺癌である、請求項64~88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
前記非小細胞肺癌が、IV期非小細胞肺癌である、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記癌が、卵巣癌、乳癌、子宮頸癌、膵臓癌、胃癌、脳癌、肝臓癌、又は精巣癌である、請求項64~88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
前記癌が、白血病又はリンパ腫である、請求項64~88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
前記チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤、前記メラニン促進剤、前記p450 3A4促進剤、及び前記ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤が、核酸、タンパク質、抗体、又は抗体の抗原結合断片のうちの1つ以上である、請求項64~92のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
前記対象における前記癌の進行を評価することを更に含む、請求項64~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記評価工程が、前記投与工程前に行われる、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記評価工程が、前記投与工程後に行われる、請求項94に記載の方法。
【請求項97】
チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤と、メラニン、メラニン促進剤、又はこれらの組み合わせとを含む、薬学的組成物。
【請求項98】
前記チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤が、α-メチル-DL-チロシンである、請求項97に記載の薬学的組成物。
【請求項99】
メラニンを含む、請求項97に記載の薬学的組成物。
【請求項100】
チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤及びp450 3A4促進剤を含む、薬学的組成物。
【請求項101】
前記チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤が、α-メチル-DL-チロシンである、請求項100に記載の薬学的組成物。
【請求項102】
前記p450 3A4促進剤が、5,5-ジフェニルヒダントインである、請求項100に記載の薬学的組成物。
【請求項103】
チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤及びロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤を含む、薬学的組成物。
【請求項104】
前記チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤が、α-メチル-DL-チロシンである、請求項103に記載の薬学的組成物。
【請求項105】
前記ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤が、ラパマイシン又はN-[(2S,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-L-ロイシンである、請求項103又は104に記載の薬学的組成物。
【請求項106】
メラニン、メラニン促進剤、又はこれらの組み合わせと、p450 3A4促進剤と、ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤とを含む、薬学的組成物。
【請求項107】
メラノタンIIを含む、請求項106に記載の薬学的組成物。
【請求項108】
前記p450 3A4促進剤が、5,5-ジフェニルヒダントインである、請求項106又は107に記載の薬学的組成物。
【請求項109】
前記ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤が、ラパマイシン又はN-[(2S,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-L-ロイシンである、請求項106~108のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項110】
請求項97~99のいずれか一項に記載の薬学的組成物と、請求項100~102のいずれか一項に記載の薬学的組成物とを含む、キット。
【請求項111】
請求項103~105のいずれか一項に記載の薬学的組成物を更に含む、請求項110に記載のキット。
【請求項112】
請求項106~109のいずれか一項に記載の薬学的組成物を更に含む、請求項111に記載のキット。
【請求項113】
チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤を含む薬学的組成物を更に含む、請求項112に記載のキット。
【請求項114】
癌を治療するための方法であって、請求項97~99のいずれか一項に記載の薬学的組成物と、請求項103~105のいずれか一項に記載の薬学的組成物と、請求項106~109のいずれか一項に記載の薬学的組成物と、チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤を含む薬学的組成物とを、それらを必要とする患者に投与することを含む、方法。
【請求項115】
前記薬学的組成物が、24時間以内に前記患者に投与される、請求項114に記載の方
法。
【請求項116】
前記薬学的組成物が、1週間に5日、6週間、前記患者に投与される、請求項114又は115に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
[0001]
本出願は、2012年2月10日に出願された米国特許出願第13/371,076号の一部継続出願であり、これは、2012年1月17日に出願された米国仮特許出願第61/587,420号に対する優先権を主張する。本出願はまた、2012年9月19日に出願された米国仮特許出願第61/702,994号に対する優先権も主張する。この段落に言及された出願の全ては、参照することによりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
[0002]
本発明は、概して、例えば、癌の治療等における、細胞増殖の低減のための組成物、キット、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]
発生率データが入手可能な最新の2008年度の米国立癌研究所の監視、疫学、及び最終結果(SEER)のデータベースによれば、11,958,000人の米国人が、侵襲性癌を患っている。癌は、心臓疾患についで、米国において2番目に多い死因であり、死因の4分の1を占めている。毎日、約1600人の米国人が癌で死亡すると推測されている。癌の医療、情緒的、及び心理的費用に加えて、癌は、個人及び社会の両方に多大な財務費用をもたらす。2010年度の癌にかかった総費用は、2638億ドルであったと、国立衛生研究所により推測されている。加えて、早期死亡により、更に1401億ドルの生産力を損失していると推定されている。
【0004】
[0004]
今日の癌治療としては、外科手術、ホルモン療法、放射線、化学療法、免疫療法、標的療法、及びこれらの組み合わせが挙げられる。癌の外科的除去は、大いに進歩しているが、依然として、疾患の再発の高い可能性がある。アロマターゼ阻害剤、並びに黄体形成ホルモン放出ホルモン類似体及び阻害剤等の薬物を用いたホルモン療法は、前立腺癌及び乳癌を治療するのに比較的有効である。等角陽子ビーム放射線療法、定位的放射線手術、定位的放射線療法、術中放射線療法、化学修飾剤、及び放射線増感剤等の放射線及びその関連技術は、癌性細胞を死滅させるのに有効であるが、周囲の正常な組織も死滅させ、変化させ得る。アミノプテリン、シスプラチン、メトトレキサート、ドキソルビシン、ダウノルビシン等の化学療法薬は、単独で及び組み合わせて、多くの場合DNA複製プロセスを変化させることによって、癌細胞を死滅させるのに有効である。生物学的反応修飾物質(BRM)療法、生物学的療法、生物療法、又は免疫療法は、癌細胞の増殖を変化させるか、又は自然免疫反応に影響を及ぼし、患者に、インターフェロン、インターロイキン、及び他のサイトカイン等の生物学的薬剤、並びにリツキシマブ及びトラスツズマブ等の抗体、並びに更にはSipuleucel-T等の癌ワクチンを投与することを含む。
【0005】
[0005]
最近、新しい標的療法が、癌と闘うために開発されてきた。化学療法が、癌性細胞及び正常な細胞の両方を死滅させることによって作用するため、これらの標的療法は、化学療法とは異なり、癌性細胞においてより大きな効果がある。標的療法は、癌細胞の増殖、分裂、及び蔓延を制御するプロセス、並びに癌細胞を自然に死滅に至らしめるシグナルに影
響を及ぼすことによって作用する。あるタイプの標的療法には、トラスツズマブ、ゲフィニチブ、イマチニブ、センツキシマブ、ダサチニブ、及びニロチニブ等の増殖シグナル阻害剤が含まれる。別のタイプの標的療法には、癌が周囲の脈管系及び血液供給を増加させることを阻害するベバシズマブ等の血管新生阻害剤が含まれる。最後のタイプの標的療法には、癌細胞死を直接誘導することができるアポトーシス誘導薬が含まれる。
【0006】
[0006]
これらの治療の全ては、程度の違いがあるものの有効であるが、それらは全て、欠点及び限界がある。治療の多くが高額であるのに加えて、それらは、多くの場合、極めて不正確であるか、又は癌は、それらに適合可能であり、耐性を持つようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007]
したがって、更なる癌治療の大いなる必要性がある。特に、他の治療形態に耐性を持つようになった癌に対する治療が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0008]
本発明は、癌の治療と関連するものを含む、過度の細胞増殖を低減させるための組成物、併用療法、キット、及び方法を提供する。ある実施形態では、本発明は、少なくとも1つのチロシンヒドロキシラーゼ阻害剤と、メラニン、メラニン促進剤、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つと、少なくとも1つのp450 3A4促進剤と、少なくとも1つのロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤と、任意に少なくとも1つの成長ホルモン阻害剤とを含む、薬学的組成物を提供する。他の実施形態では、本発明は、好適な包装材料とともにこれらの構成成分を含む、キットを提供する。また、有効量の少なくとも1つのチロシンヒドロキシラーゼ阻害剤と、メラニン、メラニン促進剤、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つと、少なくとも1つのp450 3A4促進剤と、少なくとも1つのロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤と、任意に少なくとも1つの成長ホルモン阻害剤とを、それらを必要とする対象に投与することを含む、細胞増殖の低減方法及び/又は癌の治療方法も、提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0009]
本発明の主題は、本開示の一部を形成する、以下の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解することができる。本明細書は、本明細書に記載される及び/又は示される特定の製品、方法、状態、又はパラメーターに限定されるものではなく、本明細書に使用される専門用語は、例として特定の実施形態を記載する目的のためだけのものであり、特許請求される発明を限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。
【0010】
[0010]
本明細書で別途定義されない限り、本出願に関連して使用される科学及び技術用語は、当業者により一般的に理解される意味を有するものとする。更に、文脈によって別途必要とされない限り、単数形の用語は、複数形を含むものとし、複数形の用語は、単数形を含むものとする。
【0011】
[0011]
上記で及び本開示を通して使用される場合、以下の用語及び略語は、別途示されない限り、以下の意味を有することが理解されるべきである。
【0012】
[0012]
本開示において、単数形「a」、「an」、及び「the」は、複数の言及物を含み、特定の数値に対する言及は、別途文脈に明らかに記載されていない限り、少なくともその特定の値を含む。したがって、例えば、「化合物」に対する言及は、1つ以上のこのような化合物及び当業者に既知のそれらの等価物に対する言及である。本明細書で使用される「複数」という用語は、1つを超えることを意味する。値の範囲を表す場合、別の実施形態は、1つの特定の値から、及び/又は別の特定の値までを含む。同様に、先行詞「約」の使用によって、値を近似値として表す場合、その特定の値が、別の実施形態を形成することが理解される。全ての範囲は、包括的で組み合わせ可能なものである。
【0013】
[0013]
本明細書で使用される「構成成分」、「組成物」、「化合物の組成物」、「化合物」、「薬物」、「薬理活性剤」、「活性剤」、「治療剤」、「療法」、「治療」、又は「薬剤」という用語は、対象(ヒト又は動物)に投与される場合、局所的及び/又は全身的作用によって、所望の薬理学的及び/又は生理学的効果を引き起こす化合物(複数可)又はそれらの組成物を指すために、本明細書で同義的に使用される。
【0014】
[0014]
本明細書で使用される「治療」又は「療法」(並びにその異なる形態)という用語は、予防的(例えば、防止的)、治癒的、又は一次緩和的治療を含む。本明細書で使用される「治療すること」という用語は、状態、疾患、又は障害のうちの少なくとも1つの有害な作用若しくは症状又は負の作用若しくは症状を、緩和又は低減することを含む。この状態、疾患、又は障害は、癌であり得る。
【0015】
[0015]
上記で及び本開示を通して使用される場合、「有効量」という用語は、関連のある障害、状態、又は副作用の治療に関して、投与時に、及び必要な期間にわたって、所望の結果を達成するのに有効な量を指す。本発明の構成成分の有効量は、選択される特定の化合物、構成成分、又は組成物、投与の経路、個人において所望の結果を誘発する構成成分の能力によってだけでなく、緩和すべき状態の疾患状態若しくは重症度、個人のホルモンレベル、年齢、性別、体重、患者の状態、及び治療されている病理学的状態の重症度のような要因、並行の薬物治療又はその場合に特定の患者が従っている特別な食餌、並びに当業者が認識するであろう他の要因によっても、患者によって異なり、適切な用量は、担当の医師の裁量によるであろう。投薬計画は、治療応答の改善が得られるように調整され得る。有効量はまた、治療的に有益な効果が、構成成分のいかなる毒性又は有害な効果をも上回るものである。
【0016】
[0016]
「薬学的に許容される」とは、妥当な医療的判断の範囲内で、ヒト及び動物の組織との接触に好適な、過度な毒性、炎症、アレルギー反応、又は他の問題の合併症を伴わない、正当な利益/リスク比に見合った、これらの化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を指す。
【0017】
[0017]
本発明内で、開示されている化合物は、薬学的に許容される塩の形態で調製され得る。「薬学的に許容される塩」とは、開示されている化合物の誘導体を指し、親化合物は、その酸性塩又は塩基塩を作製することによって修飾される。薬学的に許容される塩の例としては、アミン等の塩基性残基の鉱酸塩又は有機酸塩、カルボン酸等の酸性残基のアルカリ塩又は有機塩等が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩としては
、例えば、非毒性無機酸又は有機酸から形成された、親化合物の従来の非毒性塩又は第四級アンモニウム塩が挙げられる。例えば、このような従来の非毒性塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等の無機酸から誘導されるもの、並びに酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イソチオン酸等の有機酸から調製される塩が挙げられる。これらの生理学的に許容される塩は、当該技術分野において既知の方法によって、例えば、水性アルコール中で遊離アミン塩基を過剰な酸とともに溶解させるか、又は遊離カルボン酸を水酸化物等のアルカリ金属塩基、又はアミンで中和することによって調製される。
【0018】
[0018]
本明細書に記載される化合物は、代替の形態で調製され得る。例えば、多くのアミノ含有化合物は、酸付加塩として使用又は調製され得る。多くの場合、このような塩は、化合物の分離及び取扱特性を改善する。例えば、試薬、反応条件等に応じて、本明細書に記載される化合物は、例えば、それらの塩酸塩又はトシル酸塩として使用又は調製することができる。同形結晶形態、全てのキラル及びラセミ形態、N-酸化物、水和物、溶媒和物、及び酸塩水和物もまた、本発明の範囲内であることが企図される。
【0019】
[0019]
本発明の特定の酸性又は塩基性化合物は、両性イオンとして存在し得る。遊離酸、遊離塩基、及び両性イオンを含む化合物の全ての形態が、本発明の範囲内にあることが企図される。アミノ基及びカルボキシ基の両方を含む化合物が、多くの場合、それらの両性イオン形態で、平衡状態で存在することは、当該技術分野において周知である。したがって、例えば、アミノ基及びカルボキシ基の両方を含む本明細書に記載される化合物のいずれかはまた、それらの対応する両性イオンに対する言及を含む。
【0020】
[0020]
「立体異性体」という用語は、同一の化学組成を有するが、空間内の原子又は基の配置に関して異なる化合物を指す。
【0021】
[0021]
「投与すること」という用語は、本発明の化合物若しくは組成物を直接投与すること、又は体内に当量の活性化合物若しくは物質を形成するであろうプロドラッグ、誘導体、若しくは類似体を投与することのいずれかを意味する。
【0022】
[0022]
「対象」、「個人」、及び「患者」という用語は、本明細書で同義的に使用され、本発明による薬学的組成物を用いた予防的治療を含む治療が提供される動物、例えば、ヒトを指す。本明細書に使用される「対象」という用語は、ヒト及び非ヒト動物を指す。「非ヒト動物」及び「非ヒト哺乳動物」という用語は、本明細書で同義的に使用され、全ての脊椎動物、例えば、哺乳動物、非ヒト霊長類等(特に、高等霊長類)、ヒツジ、イヌ、げっ歯類(例えば、マウス又はラット)、モルモット、ヤギ、ブタ、ネコ、ウサギ、ウシ、ウマ、及び非哺乳動物、例えば、爬虫類、両生類、ニワトリ、及びシチメンチョウ等を含む。
【0023】
[0023]
本明細書に使用される「阻害剤」という用語は、タンパク質、ポリペプチド、又は酵素の発現又は活性を阻害するが、必ずしも発現及び/又は活性の完全な阻害を意味しない、
化合物を含む。むしろ、阻害は、所望の効果をもたらすのに十分な程度及び時間、タンパク質、ポリペプチド、又は酵素の発現及び/又は活性の阻害を含む。
【0024】
[0024]
本明細書に使用される「促進剤」という用語は、タンパク質、ポリペプチド、又は酵素の発現又は活性を促進するが、必ずしも発現及び/又は活性の完全な促進を意味しない、化合物を含む。むしろ、促進は、所望の効果をもたらすのに十分な程度及び時間、タンパク質、ポリペプチド、又は酵素の発現及び/又は活性の促進を含む。
【0025】
[0025]
一実施形態では、本発明は、酸化的ストレスに対する癌性細胞の防御を変化させる併用療法を提供する。あるクラスのこのような療法は、癌性細胞に対して遊離ラジカルの利用度を増加させる。このような療法の代表的なサブクラスには、チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤と、メラニン若しくはメラニン促進剤と、p450 3A4促進剤と、ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤と、任意に成長ホルモン阻害剤とを含む薬学的組成物の投与を含む。別のサブクラスには、メラニンと、いずれかのチロシンヒドロキシラーゼ阻害剤とを含む薬学的組成物の投与を含む。薬学的組成物の特定の構成成分を、以下に記載する。
【0026】
[0026]
動作のいかなる特定の機構によっても拘束されることを意図しないが、本発明によるチロシンヒドロキシラーゼ阻害剤は、癌細胞内に蓄積し、それらが脂質又はヒアルロン酸のいずれかのコーティングを形成するのを防ぐことによって作用する。癌細胞が脂質又はヒアルロン酸のいずれかのコーティングを形成するのを防ぐことによって、癌細胞を、酸化的ストレスによりアクセス可能にすると考えられる。代表的なチロシンヒドロキシラーゼ阻害剤は、ほとんどの癌及び炎症性組織によって急速に吸収される、チロシン誘導体を含む。代表的なチロシン誘導体には、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート、D-チロシンエチルエステル塩酸塩、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2,6-ジクロロ-3,4-ジメトキシフェニル)プロパノエートH-D-Tyr(TBU)-アリルエステルHCl、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4,5-ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(4-[(2-クロロ-6-フルオロフェニル)メトキシ]フェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-3,4-ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート、ジエチル2-(アセチルアミノ)-2-(4-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)オキシ]ベンジルマロネート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-ヒドロキシ-5-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2,6-ジクロロ-3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート、H-DL-tyr-OME HCl、H-3,5-ジヨード-tyr-OME HCl、H-D-3,5-ジヨード-tyr-OME HCl、H-D-tyr-OME HCl、D-チロシンメチルエステル塩酸塩、D-チロシン-ome HCl、メチルD-チロシネート塩酸塩、H-D-tyr-OMe・HCl、D-チロシンメチルエステルHCl、H-D-Tyr-OMe-HCl、(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)メチルエステル塩酸塩、メチル(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、メチル(2R)-2-アザニル-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、3-クロロ-L-チロシン、3-ニトロ-L-チロシン、3-ニトロ-L-チロシ
ンエチルエステル塩酸塩、DL-m-チロシン、DL-o-チロシン、Boc-Tyr(3,5-I2)-OSu、Fmoc-tyr(3-NO2)-OH、及びα-メチル-DL-チロシン(DL-2-メチル-3-(4-ヒドロキシフェニル)アラニンとしても既知である)のうちの1つ以上が含まれる。
【0027】
[0027]
本発明は、メラニン、メラニン促進剤、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つの使用を含む。したがって、メラニンが使用され得、1つ以上のメラニン促進剤が使用され得、メラニン及び1つ以上のメラニン促進剤の両方が(別々の剤形又は同じ剤形のいずれかで)使用され得る。本発明に従うメラニン促進剤は、メラニンの産生及び/又は活性を増加させる化学化合物である。メラニンレベルの増加により、(例えば、TNFの抑制を通じて)炎症を低減させ、封鎖されたリンパ系を排除すると考えられる。メラニンは、光触媒であり、したがって、遊離ラジカルを生成する化学反応を促進することができ、一方で、癌細胞にアクセス可能になり得る。代表的なメラニン促進剤は、メトキサレン及びメラノタンIIである。
【0028】
[0028]
場合によっては、チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤は、同じ剤形でメラニンと混合される。このメラニンとチロシンヒドロキシラーゼ阻害剤との結合は、チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤がこのような細胞によってより容易に取り込まれるため、癌細胞におけるメラニンの摂取を促進すると考えられる。ある特定の実施形態では、メラニンは、可溶化剤中で可溶化され、次いで、当該技術分野において既知の方法によってチロシンヒドロキシラーゼ阻害剤と混合される。可溶化剤は、蒸発、乾燥等の標準的な技術によって除去され得る。可溶化剤は、過酸化水素等の非毒性可溶化剤、又は当該技術分野において一般的に既知の他の可溶化剤であり得る。メラニン及び/又は薬学的組成物は、癌細胞における薬学的組成物の効果を最適化するために更に処理され得る。別の実施形態では、薬学的組成物は、更なる活性剤及び/又は薬学的賦形剤を含み得る。
【0029】
[0029]
本発明の薬学的組成物はまた、p450 3A4促進剤も含む。「シトクロムp450
3A4」(「p450 3A4」と略称され得る)は、酵素のシトクロムp450スーパーファミリーのメンバーであり、体内での生体異物の代謝に関与する混合機能オキシダーゼである。それは、最も広範囲のシトクロムの全ての基質を有する。本発明の薬学的組成物中のp450 3A4促進剤の機能は、p450 3A4の発現及び/又は活性を増加させることである。増加したp450 3A4の発現及び/又は活性は、患者において、コルチゾン及びエストロゲンレベルを低減させると考えられる。更に、増加したp450 3A4の発現及び/又は活性はまた、血液pHをわずかに減少させ、このことは、メラニン活性を維持又は増強するのに役立つと考えられる。代表的なp450 3A4促進剤は、5,5-ジフェニルヒダントイン(例えば、Dilantinとして市販されている)、バルプロ酸、及びカルバマゼピンであり、これらは、p450 3A4酵素の発現を誘発すると考えられる。
【0030】
[0030]
本発明の薬学的組成物は、ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤(あるいは、ロイシルアミノペプチダーゼ阻害剤として既知である)を更に含む。ロイシンアミノペプチダーゼは、ペプチド及び/又はタンパク質のN末端で、ロイシン残基の加水分解を優先的に触媒する酵素である。ロイシンアミノペプチダーゼの発現及び/又は活性の阻害は、肝臓へのコレステロール輸送を増加させることによって、腫瘍の再吸収を支援すると考えられる。概して、アミノペプチダーゼ阻害剤を含む、アミノペプチダーゼ阻害剤は、タンパク質のリサイクルを防ぎ、ひいては、増殖抑制効果をもたらすことによって、特定のアミノ酸の感
受性腫瘍細胞を枯渇させる。代表的なロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤は、N-[(2S,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-L-ロイシン及びラパマイシンである。
【0031】
[0031]
本発明の薬学的組成物はまた、任意に、成長ホルモン阻害剤を含む。成長ホルモン(例えば、膵臓成長ホルモン等)は、細胞複製を誘発する。成長ホルモンの発現及び/又は活性の阻害は、正常な細胞を急速な複製から除外する一方で、癌細胞を急速に複製し続け、チロシン誘導体を組み込むことができると考えられる。代表的な成長ホルモン阻害剤は、オクトレオチド、ソマトスタチン、及びセグリチドである。
【0032】
[0032]
本発明の薬学的組成物は、D-ロイシンを更に含み得る。D-ロイシンは、自然発生のL-ロイシンの立体異性体であり、ポリペプチド及びタンパク質に組み込まれるロイシンの形態である。D-ロイシンを、ポリペプチド及び/又はタンパク質に組み込むことはできない。ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤とともに、D-ロイシンは、ロイシン不足を模倣する生理学的環境を形成すると考えられる。したがって、D-ロイシンの存在は、薬学的組成物中で低用量のロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤の使用を可能にする。
【0033】
[0033]
また、酸化的ストレスに対する癌性細胞の防御の変化をもたらす併用療法を含むキットが、本明細書に提供される。意図される好適な実施形態は、癌性細胞に対する遊離ラジカルの利用度を増加させる併用療法を含むキットである。代表的なキットは、これらの包装材料とともに、チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤と、メラニン及び/又はメラニン促進剤と、p450 3A4促進剤と、ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤と、任意に上記の種類の成長ホルモン阻害剤と、を含む。キットは、1つ以上の別々の容器、仕切り、又はコンパートメント、及び、任意に投与に関する使用説明書等の情報材料を含むことができる。例えば、それぞれの阻害剤又は促進剤(又はこれらの様々な組み合わせ)は、瓶、バイアル、又は注射器中に含有され得、情報材料は、プラスチックのスリーブ若しくはパケットに含有され得るか、又はラベルに提供され得る。いくつかの実施形態では、キットは、それぞれ、本明細書に記載される化合物の1つ以上の単位剤形を含有する複数の個々の容器(例えば、パック)を含む。例えば、キットは、それぞれ、本明細書に記載される化合物又はこの様々な組み合わせのいずれかの単一単位剤形を含有する複数の注射器、アンプル、フォイルパケット、又はブリスターパックを含むことができる。キットの容器は、気密性、防水性(例えば、湿気若しくは蒸発の変化に非浸透性である)、及び/又は遮光性であり得る。キットは、任意に、組成物の投与に適している装置、例えば、注射器、吸入器、ピペット、ピンセット、計測スプーン、点滴器(例えば、点眼器)、スワブ(例えば、綿棒若しくは木製スワブ)、又は任意のこのような送達装置を含む。
【0034】
[0034]
過度の細胞増殖の低減方法であるような、対象における癌の治療方法も提供される。このような方法は、有効量の、酸化的ストレスに対する癌性細胞の防御の変化をもたらす併用療法を投与することを含むことができる。代表的な癌の治療方法は、癌性細胞に対する遊離ラジカルの利用度を増加させる有効量の併用療法を投与することを含む。好適な実施形態は、有効量の、上述のチロシンヒドロキシラーゼ阻害剤と、メラニン及び/又はメラニン促進剤と、p450 3A4促進剤と、ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤と、任意に成長ホルモン阻害剤とを投与することを含む方法である。他の好適な方法は、有効量のメラニン及びチロシンヒドロキシラーゼ阻害剤を投与することを含む。
【0035】
[0035]
好適な方法には、チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤、メラニン若しくはメラニン促進剤、p450 3A4促進剤、及びロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤のうちの少なくとも2つ、それらのうちの少なくとも3つ、又はそれらのそれぞれの同時又は少なくとも同時期の投与が含まれる(いずれの場合にも、任意に成長ホルモン阻害剤を含む)。有効濃度のこれらの構成成分が、同時に対象の血流中にあることが望ましいと考えられ、これを達成するいずれの投与計画も、本発明の範囲内である。所望の数の阻害剤及び促進剤が、単一剤形、又は任意の数の個々の剤形等の所望の剤形で提供され得る。代表的な剤形には、錠剤、カプセル剤、カプレット、滅菌水性若しくは有機溶液、再構成可能な粉末、エリキシル、液体、コロイド状若しくは他の種類の懸濁液、エマルション、ビーズ、ビーズレット、顆粒、微粒子、ナノ粒子、及びこれらの組み合わせが含まれる。投与される組成物の量は、当然ながら、治療されている対象、対象の体重、治療されている状態の重症度、投与様式、及び処方医師の判断に依存するであろう。
【0036】
[0036]
メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤の投与は、経口、経鼻、皮下、静脈内、筋肉内、経皮、膣内、直腸、又はこれらの任意の組み合わせを含む、様々な経路を介して行われ得る。経皮投与は、例えば、オレイン酸、1-メチル-2-ピロリドン、又はドデシルノナオキシエチレングリコールモノエーテルを使用して行われ得る。
【0037】
[0037]
メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤は、メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤の5~7日間の投与と、メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤の1~2日間の非投与とからなるサイクルの間に投与され得る。メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤は、該サイクルの少なくとも6つのコースにわたって投与され得る。摂取を促進するために、食後の約2時間後、これらの構成成分を服用することが望ましくあり得る。
【0038】
[0038]
本組成物が投与される対象は、哺乳動物、好ましくはヒトであり得る。
【0039】
[0039]
1つの代表的な方法では、60mgのチロシン誘導体が、経口投与され、チロシン誘導体の0.25mLの2mg/mL懸濁液が、皮下投与され、10mgのメトキサレンが、経口投与され、メトキサレンの0.25mLの1mg/mL懸濁液が、皮下投与され、30mgの5,5-ジフェニルヒダントインが、経口投与され、20mgのN-[(2S,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-L-ロイシンが、経口投与される。
【0040】
[0040]
ある特定の実施形態では、併用療法は、(i)メラニン(50mcg)及びα-メチル-DL-チロシン(75mg)を含有する剤形と、(ii)5,5-ジフェニルヒダントイン(15mg)及びα-メチル-DL-チロシン(75mg)を含有する剤形と、(iii)3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-L-ロイシン(50mcg)及びα-メチル-DL-チロシン(75mg)を含有する剤形と、(iv)3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-L-ロイシン(5mcg)、メラノタンII(10mcg)、及び5,5-ジフェニルヒダントイン(2mg)を含有する剤形と、(v)NaClの静菌水中α-メチル-DL-チロシン(5mg)を含有する剤形と、を含む。他の実施形態では、併用療法は、(i)メラニン(50mcg)及びα-メチル-DL-チロシン(75mg)を含有する剤形と、(ii)5,5-ジフェニルヒダントイン(15mg)及びα-メチル-DL-チロシン(75mg)を含有する剤形と、(iii)ラパマイシン(0.2mg)及びα-メチル-DL-チロシン(75mg)を含有
する剤形と、(iv)ラパマイシン(0.15mcg)、メラノタンII(10mcg)、及び5,5-ジフェニルヒダントイン(2mg)を含有する剤形と、(v)NaClの静菌水中α-メチル-DL-チロシン(5mg)を含有する剤形と、を含む。これより2倍多い投与量、及びこれより4倍多い投与量であっても、安全かつ有効であると考えられる。
【0041】
[0041]
代表的な方法には、癌が非小細胞肺癌であるものが含まれる。ある特定の実施形態では、非小細胞肺癌は、IV期非小細胞肺癌である。なお他の実施形態では、癌は、卵巣癌、乳癌、子宮頸癌、膵臓癌、胃癌、脳癌、肝臓癌、又は精巣癌である。癌はまた、白血病又はリンパ腫であり得る。
【0042】
[0042]
ある特定の実施形態では、チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤、メラニン促進剤、p450 3A4促進剤、及びロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤のうちの1つ以上は、核酸、タンパク質、抗体、又は抗体の抗原結合断片である。
【0043】
[0043]
本発明の方法は、開示された投与工程だけでなく、該対象における該癌の進行及び/又は細胞増殖の範囲を評価する工程も含み得る。評価工程は、投与工程前又は後に行われ得る。
【0044】
[0044]
好適な実施形態には、チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤、メラニン及び/又はメラニン促進剤、p450 3A4促進剤、並びにロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤を含む薬学的組成物が含まれ得る。薬学的組成物は、成長ホルモン阻害剤を更に含み得る。成長ホルモンは、膵臓成長ホルモンであり得る。成長ホルモン阻害剤は、オクトレオチド又はソマトスタチンであり得る。チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤は、チロシン誘導体であり得る。チロシン誘導体は、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-4ヒドロキシフェニル)プロパノエート、D-チロシンエチルエステル塩酸塩、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2,6-ジクロロ-3,4-ジメトキシフェニル)プロパノエートH-D-Tyr(TBU)-アリルエステルHCl、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4,5-ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(4-[(2-クロロ-6-フルオロフェニル)メトキシ]フェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-3,4-ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート、ジエチル2-(アセチルアミノ)-2-(4-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)オキシ]ベンジルマロネート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-ヒドロキシ-5-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2,6-ジクロロ-3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート、H-DL-tyr-OME
HCl、H-3,5-ジヨード-tyr-OME HCl、H-D-3,5-ジヨード-tyr-OME HCl、H-D-tyr-OME HCl、D-チロシンメチルエステル塩酸塩、D-チロシン-ome HCl、メチルD-チロシネート塩酸塩、H-D-tyr-OMe・HCl、D-チロシンメチルエステルHCl、H-D-Tyr-OMe-HCl、(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)メチルエステル塩酸塩、メチル(2
R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、メチル(2R)-2-アザニル-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、3-クロロ-L-チロシン、3-ニトロ-L-チロシン、3-ニトロ-L-チロシンエチルエステル塩酸塩、DL-m-チロシン、DL-o-チロシン、Boc-Tyr(3,5-I2)-OSu、Fmoc-tyr(3-NO2)-OH、及びα-メチル-DL-チロシンのうちの1つ以上であり得る。メラニン促進剤は、メトキサレン又はメラノタンIIであり得る。p450 3A4促進剤は、5,5-ジフェニルヒダントインであり得る。p450 3A4促進剤は、バルプロ酸又はカルバマゼピンであり得る。ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤は、N-[(2S,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-L-ロイシン又はラパマイシンであり得る。本発明の薬学的組成物は、D-ロイシンを更に含み得る。
【0045】
[0045]
また、チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤と、メラニン及び/又はメラニン促進剤と、p450 3A4促進剤と、ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤とを、これらの包装材料とともに含む、キットが、本明細書に提供される。キットは、成長ホルモン阻害剤を更に含み得る。成長ホルモンは、膵臓成長ホルモンであり得る。成長ホルモン阻害剤は、オクトレオチド又はソマトスタチンであり得る。チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤は、チロシン誘導体であり得る。チロシン誘導体は、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-4ヒドロキシフェニル)プロパノエート、D-チロシンエチルエステル塩酸塩、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2,6-ジクロロ-3,4-ジメトキシフェニル)プロパノエートH-D-Tyr(TBU)-アリルエステルHCl、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4,5-ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(4-[(2-クロロ-6-フルオロフェニル)メトキシ]フェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-3,4-ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート、ジエチル2-(アセチルアミノ)-2-(4-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)オキシ]ベンジルマロネート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-ヒドロキシ-5-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2,6-ジクロロ-3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート、H-DL-tyr-OME HCl、H-3,5-ジヨード-tyr-OME HCl、H-D-3,5-ジヨード-tyr-OME HCl、H-D-tyr-OME HCl、D-チロシンメチルエステル塩酸塩、D-チロシン-ome HCl、メチルD-チロシネート塩酸塩、H-D-tyr-OMe・HCl、D-チロシンメチルエステルHCl、H-D-Tyr-OMe-HCl、(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)メチルエステル塩酸塩、メチル(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩メチル(2R)-2-アザニル-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、3-クロロ-L-チロシン、3-ニトロ-L-チロシン、3-ニトロ-L-チロシンエチルエステル塩酸塩、DL-m-チロシン、DL-o-チロシン、Boc-Tyr(3,5-I2)-OSu、Fmoc-tyr(3-NO2)-OH、及びα-メチル-DL-チロシンのうちの1つ以上であり得る。メラニン促進剤は、メトキサレン又はメラノタンIIであり得る。p450 3A4促進剤は、5,5-ジフェニルヒダントイン、バルプロ酸、又はカルバマゼピンであり得る。ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤は、N-[(2S,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-L-ロイシン又はラパマイシンであり得る。本発明のキットは、D-ロイシンを更に含み得る。
【0046】
[0046]
また、有効量の、チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤と、メラニン及び/又はメラニン促進剤と、p450 3A4促進剤と、ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤とを、それらを必要とする対象に投与することを含む、対象における癌の治療方法も、提供される。好適な実施形態では、癌の治療方法は、成長ホルモン阻害剤を更に含み得る。ある特定の実施形態では、構成成分(即ち、メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤)のうちの少なくとも2つが、同時に投与される。他の実施形態では、構成成分のうちの少なくとも3つが、同時に投与される。構成成分のそれぞれが、同時に投与され得る。好適な実施形態では、構成成分は、経口、皮下、静脈内、経皮、膣内、直腸、又はこれらの任意の組み合わせで投与される。経皮投与は、オレイン酸、1-メチル-2-ピロリドン、又はドデシルノナオキシエチレングリコールモノエーテルを用いて行われる。他の実施形態では、構成成分は、構成成分の5~7日間の投与と、構成成分の1~2日間の非投与とからなるサイクルの間に投与される。構成成分は、該サイクルの少なくとも6つのコースにわたって投与され得る。チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤は、チロシン誘導体であり得る。チロシン誘導体は、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-4ヒドロキシフェニル)プロパノエート、D-チロシンエチルエステル塩酸塩、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2,6-ジクロロ-3,4-ジメトキシフェニル)プロパノエートH-D-Tyr(TBU)-アリルエステルHCl、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4,5-ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(4-[(2-クロロ-6-フルオロフェニル)メトキシ]フェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-3,4-ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート、ジエチル2-(アセチルアミノ)-2-(4-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)オキシ]ベンジルマロネート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-ヒドロキシ-5-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2,6-ジクロロ-3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート、H-DL-tyr-OME HCl、H-3,5-ジヨード-tyr-OME HCl、H-D-3,5-ジヨード-tyr-OME
HCl、H-D-tyr-OME HCl、D-チロシンメチルエステル塩酸塩、D-チロシン-ome HCl、メチルD-チロシネート塩酸塩、H-D-tyr-OMe・HCl、D-チロシンメチルエステルHCl、H-D-Tyr-OMe-HCl、(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)メチルエステル塩酸塩、メチル(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、メチル(2R)-2-アザニル-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、3-クロロ-L-チロシン、3-ニトロ-L-チロシン、3-ニトロ-L-チロシンエチルエステル塩酸塩、DL-m-チロシン、DL-o-チロシン、Boc-Tyr(3,5-I2)-OSu、Fmoc-tyr(3-NO2)-OH、及びα-メチル-DL-チロシンのうちの1つ以上であり得る。本方法の好適な実施形態では、60mgのチロシン誘導体が、経口投与され、チロシン誘導体の0.25mLの2mg/mL懸濁液が、皮下投与される。メラニン促進剤は、メトキサレンであり得る。別の好適な方法では、10mgのメトキサレンが、経口投与され、メトキサレンの0.25mLの1mg/mL懸濁液が、皮下投与される。メラニン促進剤はまた、メラノタンIIであり得る。p450 3A4促進剤は、5,5-ジフェニルヒダントインであり得る。別の好適な方法では、30mgの5,5-ジフェニルヒダントインが、経口投与される。p450 3A4促進剤はまた、バルプロ酸又はカルバマゼピンであり得る。ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤は、N-[(2S,3R)-
3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-L-ロイシンであり得る。別の好適な方法では、20mgのN-[(2S,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-L-ロイシンが、経口投与される。ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤はまた、ラパマイシンであり得る。成長ホルモンは、膵臓成長ホルモンであり得る。成長ホルモン阻害剤は、オクトレオチドであり得る。本方法は、有効量のD-ロイシンを投与することを更に含み得る。対象は、哺乳動物であり得、この哺乳動物は、ヒトであり得る。代表的な方法には、癌が非小細胞肺癌であるものが含まれる。ある特定の実施形態では、非小細胞肺癌は、IV期非小細胞肺癌である。他の実施形態では、癌は、卵巣癌、乳癌、子宮頸癌、膵臓癌、胃癌、脳癌、肝臓癌、又は精巣癌である。他の実施形態では、癌は、白血病又はリンパ腫である。他の好適な実施形態では、チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤、メラニン促進剤、p450 3A4促進剤、及びロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤は、核酸、タンパク質、抗体、又は抗体の抗原結合断片のうちの1つ以上である。別の好適な実施形態は、該対象における該癌の進行を評価することを更に含む。評価工程は、該投与工程前に行われ得るか、又は評価工程は、該投与工程後に行われ得る。
【0047】
[0047]
また、有効量の、チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤と、メラニン及び/又はメラニン促進剤と、p450 3A4促進剤と、ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤とを、それらを必要とする対象に投与することを含む、対象における細胞増殖の低減方法も、提供される。好適な実施形態では、癌の治療方法は、成長ホルモン阻害剤を更に含み得る。ある特定の実施形態では、構成成分(即ち、メラニン、促進剤、及び/又は阻害剤)のうちの少なくとも2つが、同時に投与される。他の実施形態では、構成成分のうちの少なくとも3つが、同時に投与される。構成成分のそれぞれが、同時に投与され得る。好適な実施形態では、構成成分は、経口、皮下、静脈内、経皮、膣内、直腸、又はこれらの任意の組み合わせで投与される。経皮投与は、オレイン酸、1-メチル-2-ピロリドン、又はドデシルノナオキシエチレングリコールモノエーテルを用いて行われる。他の実施形態では、構成成分は、構成成分の5~7日間の投与と、構成成分の1~2日間の非投与とからなるサイクルの間に投与される。構成成分は、該サイクルの少なくとも6つのコースにわたって投与され得る。チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤は、チロシン誘導体であり得る。チロシン誘導体は、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-4ヒドロキシフェニル)プロパノエート、D-チロシンエチルエステル塩酸塩、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2,6-ジクロロ-3,4-ジメトキシフェニル)プロパノエートH-D-Tyr(TBU)-アリルエステルHCl、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4,5-ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(4-[(2-クロロ-6-フルオロフェニル)メトキシ]フェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-3,4-ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート、ジエチル2-(アセチルアミノ)-2-(4-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)オキシ]ベンジルマロネート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-ヒドロキシ-5-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(2,6-ジクロロ-3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロパノエート、メチル(2R)-2-アミノ-3-(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート、H-DL-tyr-OME HCl、H-3,5-ジヨード-tyr-OME HCl、H-D-3,5-ジヨード-tyr-OME HCl、H-D-tyr-OME HCl、D-チロシンメチルエステル塩酸塩、D-チロシン-ome HCl、メチルD-チロシネート塩酸塩、H-D-tyr-OMe・HCl、D-チロシンメチルエステルHCl、H-D-Tyr-OMe-HCl、(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、(2R)-2-
アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)メチルエステル塩酸塩、メチル(2R)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、メチル(2R)-2-アザニル-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、3-クロロ-L-チロシン、3-ニトロ-L-チロシン、3-ニトロ-L-チロシンエチルエステル塩酸塩、DL-m-チロシン、DL-o-チロシン、Boc-Tyr(3,5-I2)-OSu、Fmoc-tyr(3-NO2)-OH、及びα-メチル-DL-チロシンのうちの1つ以上であり得る。本方法の好適な実施形態では、60mgのチロシン誘導体が、経口投与され、チロシン誘導体の0.25mLの2mg/mL懸濁液が、皮下投与される。メラニン促進剤は、メトキサレンであり得る。別の好適な方法では、10mgのメトキサレンが、経口投与され、メトキサレンの0.25mLの1mg/mL懸濁液が、皮下投与される。メラニン促進剤はまた、メラノタンIIであり得る。p450 3A4促進剤は、5,5-ジフェニルヒダントインであり得る。別の好適な方法では、30mgの5,5-ジフェニルヒダントインが、経口投与される。p450 3A4促進剤はまた、バルプロ酸又はカルバマゼピンであり得る。ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤は、N-[(2S,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-L-ロイシンであり得る。別の好適な方法では、20mgのN-[(2S,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-L-ロイシンが、経口投与される。ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤はまた、ラパマイシンであり得る。成長ホルモンは、膵臓成長ホルモンであり得る。成長ホルモン阻害剤は、オクトレオチドであり得る。本方法は、有効量のD-ロイシンを投与することを更に含み得る。対象は、哺乳動物であり得、この哺乳動物は、ヒトであり得る。代表的な方法には、癌が非小細胞肺癌であるものが含まれる。ある特定の実施形態では、非小細胞肺癌は、IV期非小細胞肺癌である。他の実施形態では、癌は、卵巣癌、乳癌、子宮頸癌、膵臓癌、胃癌、脳癌、肝臓癌、又は精巣癌である。他の実施形態では、癌は、白血病又はリンパ腫である。他の好適な実施形態では、チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤、メラニン促進剤、p450 3A4促進剤、及びロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤は、核酸、タンパク質、抗体、又は抗体の抗原結合断片のうちの1つ以上である。別の好適な実施形態は、該対象における該癌の進行を評価することを更に含む。評価工程は、該投与工程前に行われ得るか、又は評価工程は、該投与工程後に行われ得る。
【0048】
[0048]
本発明を実行するために特定の実施形態の以下の例が、例示的な目的のみのために提供され、いかようにも本発明の範囲を限定することは意図されない。
【0049】
[0049]
薬学的組成物及び併用療法の代表的な投与方法も、提供される。本発明の様々な実施形態は、更に、癌の治療のために、薬学的組成物又は併用療法をヒト患者に投与する方法に関する。本方法は、一般的に許容される投与経路(例えば、経口、皮下、非経口、吸入、局所的等)によって、薬学的組成物又は併用療法を投与することを含み得る。場合によっては、薬学的組成物又は併用療法は、経口で及び/又は皮下で投与され得る。場合によっては、薬学的組成物又は併用療法は、食間にヒト患者に投与され得る。
【0050】
[0050]
本発明のある特定の実施形態では、薬学的組成物又は併用療法は、1週間に5日、6週間の期間、ヒト患者に投与され、1サイクルが30日間の治療で形成され得る。6週間後又は1サイクルの治療後の結果に応じて、薬学的組成物又は併用療法の更なるサイクルが投与され得る。
【0051】
[0051]
本発明はまた、
-チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤と、メラニン、メラニン促進剤、又はこれらの組み
合わせ(好ましくはメラニン)と、を含む薬学的組成物、
-チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤及びp450 3A4促進剤を含む薬学的組成物、
-チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤及びロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤を含む薬学的組成物、並びに
-メラニン、メラニン促進剤、又はこれらの組み合わせ(好ましくはメラノタンII)と、p450 3A4促進剤と、ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤と、を含む薬学的組成物も提供する。
このような組成物中のチロシンヒドロキシラーゼ阻害剤は、好ましくは、α-メチル-DL-チロシンであり、p450 3A4促進剤は、好ましくは、5,5-ジフェニルヒダントインであり、ロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤は、好ましくは、N-[(2S,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-L-ロイシンである。本発明はまた、チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤を含む薬学的組成物とともに、これらの薬学的組成物のそれぞれを含むキット、並びに好ましくは、24時間以内に患者に投与されるように、チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤を含む薬学的組成物とともに、薬学的組成物のそれぞれを患者に投与することを含む方法も提供する。
【実施例0052】
(実施例1)
[0052]
転移性癌の治療として、本発明の実施形態に従って、併用療法の有効性、安全性、受容性、及び忍容性を評価するために、臨床研究が行われた。
併用療法は、以下を含んだ:
(a)経口投与される、メラニン(50mcg)及びα-メチル-DL-チロシン(75mg)を含有するカプセル剤、
(b)経口投与される、5,5-ジフェニルヒダントイン(15mg)及びα-メチル-DL-チロシン(75mg)を含有するカプセル剤、
(c)経口投与される、5,5-ジフェニルヒダントイン(15mg)及びα-メチル-DL-チロシン(75mg)を含有するカプセル剤、
(d)経口投与される、ラパマイシン(0.2mg)及びα-メチル-DL-チロシン(75mg)を含有するカプセル剤、
(e)皮下投与される、ラパマイシン(0.15mcg)、メラノタンII(10mcg)、及び5,5-ジフェニルヒダントイン(2mg)を含有する懸濁液、並びに
(f)皮下投与される、NaClの静菌水中α-メチル-DL-チロシン(5mg)を含有する懸濁液。
【0053】
[0053]
それぞれの患者は、1週間に5日、6週間、併用療法が投与された。200人を超える患者がスクリーニングされた。この評価基準には、いずれの転移性癌を患っている患者も含まれた。この評価基準を満たす30人の患者が、受け入れられ、本研究に参加した。
転移性乳癌の治療
【0054】
[0054]
転移性乳癌を患っている本研究における14人の患者。患者の情報及び結果は、表1中の以下の通りである。
【表1】
患者の全てにおいて、薬のある種の副作用は、色素沈着過度であった。全体的に、患者の全てが、併用療法に耐性があり、有害事象は、報告されなかった。
【0055】
[0055]
200人超の癌患者が、臨床試験においてスクリーニングされた。本研究の評価基準を満たす30人の対象が、同意した。患者の平均年齢は、30歳~70歳の範囲で、56歳であった。本研究における患者は、チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤(即ち、α-メチル-DLチロシン)、メラニン促進剤(即ち、メラノタンII)、p450 3A4促進剤(即ち、5,5-ジフェニルヒダントイン)、及びロイシンアミノペプチダーゼ阻害剤(即ち、ラパマイシン)を含む、治療計画を施した。これらの化合物を、それぞれ、1週間に5日間、6週間の期間投与し、毎週のサイクル間に1又は2日間は、投与しなかった。
【0056】
[0056]
治療から6週間後、30人の患者のうち12人(40%)が、東部腫瘍学共同研究グループ(ECOG)の0~5尺度で同じ評価を維持した(Oken,et al.,Toxicity And Response Criteria Of The Eastern Cooperative Oncology Group,Am.J.Clin.Oncol.,5:649~655,1982を参照のこと)。30人のうちの14人(46%)は、そのECOGの評価において1~3ポイント向上した。
【0057】
[0057]
30人の患者のうちの14人(46%)は、欧州癌研究治療機構の生活の質の質問表(Quality of Life Questionnaire Core)(EORTC)の1~7の尺度で同じ評価を維持した(例えば、Bergman,et al.,The EORTC QLQ-LC13:a modular supplement to the EORTC Core Quality of Life Questionnaire(QLQ-C30) for use in lung cancer clinical trials,EORTC Study Group on Quality of Life,Eur.J.Cancer,1994.30A(5):p.635~42を参照のこと)。30人のうちの16人(54%)は、そのEORTCの評価において1~5ポイント向上した。
【0058】
[0058]
30人の患者のうちの11人は、体重が0.45~4.08kg(1~9ポンド)増加し、30人のうちの17人は、同じ体重を維持し、30人のうちの2人は、0.45~0.90kg(1~2ポンド)減少した。
【0059】
[0059]
30人のうちの13人(43%)は、疼痛レベルの低減があった。30人のうちの17人(57%)は、最小限の疼痛を伴い参加し、同じレベルを維持した。30人のうちの9人(30%)は、鎮痛剤の服用中、研究に参加し、その9人のうちの8人(89%)は、サイクルの終了時には、鎮痛剤の必要がなくなった。
【0060】
[0060]
通常の健康診断、系統的レビュー、及び画像で、30人のうちの4人(13%)には、疾患が検出されなかった。30人のうちの8人(27%)は、腫瘍の量及び/又は最大の腫瘍のサイズの大幅な低減があった。30人のうちの8人(27%)は、腫瘍の量及び/又は最大の腫瘍のサイズの低減を示した。30人のうちの10人(33%)は、疾患の進行を示さなかった。
【0061】
[0061]
30人の患者のうちの29人は、22週間の平均生存期間生存した。30人のうちの13人(43%)は、解放され、帰宅した。30人のうちの17人(57%)は、治療を継続する。対象の全てが、色素沈着過度を生じた。
【0062】
[0062]
全体的に、上述の治療は、対象によって良好な耐性を示し、治療に関連する有害事象はなく、反応は、治療100%に対して文書化された。
【0063】
(実施例2)
[0063]
一態様では、本発明は、メトキサレン及びメラノタンのうちの1つ若しくは両方を用いて、並びに/又はメラニンの投与を通して、インビボのメラニン生成を誘発する方法を提供する。動作のいかなる特定の理論によっても拘束されることを意図しないが、メラニンは、様々な周囲の波長又は誘発された電磁放射線を電気エネルギーに変換し、ひいては、所望の反応又は転位を増強するようなその光触媒の性質及びその能力により、有益であると考えられる。一部の患者において、遺伝的変異、虚弱、優先可用性の必要性のため、又は最大限の効率を実現するため、メラニンが、投与前に、α-メチル-DL-チロシンと機械的又は化学的に組み合わされることが好ましいと判断されている。
【0064】
[0064]
光触媒としてメラニンは、その物理的質量の時点で極性を有すると考えられる。小さいメラニン粒子は、大きい粒子よりも少ない電気エネルギーを生じ得、複数のメラニン粒子は、極性に特異的な製剤中に蓄積されない傾向がある。メラニンから高収率の電気エネルギーを得るために有効な方法は、大きな偏極粒子においてメラニンを形成することである。含蓄的に、量にかかわらず、ナノ粒子は、癌治療に対しては、より大きい粒子ほど望ましくなく、大きな粒子は、癌細胞膜によって許容されるべきより大きな容量を有すると考えられる。
【0065】
[0065]
ある実施形態に従って、メラニンは、少なくとも3つの方法で、α-メチル-DL-チロシンと組み合わされる。
【0066】
[0066]
1)自然発生又は合成のいずれかのメラニンは、α-メチル-DL-チロシンを用いて、非水溶性であり、若干可鍛性であるメラニンを粘着させる圧縮力で機械的に混合される。これらの構成成分の最初の混合後、メラニンの実質的な被覆率が達成されるまで、追加のα-メチル-DL-チロシンを添加することが望ましい。
【0067】
[0067]
2)メラニンは、米国特許第5,225,435号(この内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる)に記載される多くの方法によって可溶化され得る。ある好ましい方法は、少なくとも5重量パーセントのメラニン濃度を達成するために、メラニンを、蒸留水及び過酸化水素と混合させることと、沸点に達するまで、得られた組成物をマイクロ波炉中に入れることを含む。生成される溶解メラニンは、α-メチル-DL-チロシンの質量を通じて浸出又は飽和させるために使用される。次いで、組成物を乾燥させ、この乾燥粉末を使用する。
【0068】
[0068]
3)α-メチル-DL-チロシンを、5-ベンジルオキシ-6-メトキシ-インドールを含む蒸留水中に入れ、最長1ヶ月間密閉する。ラセミα-メチル-DL-チロシンのL部は、(DOPA)メラニンに変換すると考えられる。メラニン粒子のサイズは、増殖期間を制御することによって制御され得る。次いで、生成された粉末を洗浄し、乾燥させる。ラセミ混合物の比率は、もはや50/50ではないが、化合した成分の有用性は、L構成成分が低減されていても、メラニンの浸透を促進し、潜在的に十分な効果を提供すると思われる。