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特開2022-9594美容用スキンリサーフェシングのためのデバイス及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022009594
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】美容用スキンリサーフェシングのためのデバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/34 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
A61B17/34
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021175650
(22)【出願日】2021-10-27
(62)【分割の表示】P 2019503396の分割
【原出願日】2017-03-29
(31)【優先権主張番号】62/314,748
(32)【優先日】2016-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】516041254
【氏名又は名称】サイトレリス バイオシステムズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レビンソン,ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】ジンゲン,アレック
(72)【発明者】
【氏名】ディマッテオ,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ブリク,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】リザルディ,ホセ
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン,ニック
(72)【発明者】
【氏名】ブロックメイヤー,オイヴィンド
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF42
(57)【要約】      (修正有)
【課題】利便性、手頃な価格であること、及び、組織回復を望む患者へのアクセスのしやすさを維持しながら、現在の利用可能な最小侵襲性の技法を上回る有効性の増加を提供する、改善された方法及びデバイスを提供する。
【解決手段】スキンタイトニングなどのような、たとえば、皮膚弛緩を低減させて、皮膚を治療するための、組織面積若しくは体積低減、皮膚回復、スキンタイトニング、スキンリフティング、及び/若しくはスキンリポジショニングから利益を得ることになる条件を治療するための、並びに/又は、皮膚の機能若しくは外観を全体的に改善するための、装置、キット、及び方法である。そのような装置、キット、及び方法は、少なくとも一つのプロングをそれぞれ有する一つ以上の中空ニードル14、及び、皮膚組織部分を中空ニードルから除去するための機構を含む。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚組織の中に美容効果をもたらすための装置であって、
少なくとも第1のプロングを含む少なくとも一つの中空ニードルであって、前記第1のプロングは、前記中空ニードルの遠位端に設けられている、少なくとも一つの中空ニードル
を含み、
前記第1のプロングの側面と前記中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、少なくとも約20°であり、
前記中空ニードルが、前記皮膚組織の中へ挿入され、前記皮膚組織から引き抜かれるときに、前記中空ニードルは、前記皮膚組織の一部分を除去するように構成されている、装置。
【請求項2】
前記第1のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度は、約20°と約40°との間にある、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度は、約30°である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記中空ニードルは、前記中空ニードルの前記遠位端に第2のプロングをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第2のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度は、少なくとも約20°である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第2のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度は、約20°と約40°との間にある、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第2のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度は、約30°である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第2のプロングの側面と前記中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、約20°未満である、請求項4に記載の装置。
【請求項9】
前記第2のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度は、約5°と約20°との間にある、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1のプロングは、エッジを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記第1及び第2のプロングのそれぞれが、エッジを含む、請求項4~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記第1のプロングは、平坦な先端を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記第1及び第2のプロングのそれぞれが、平坦な先端を含む、請求項4~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記平坦な先端は、長さ及び幅を有する、請求項12又は13に記載の装置。
【請求項15】
前記長さ及び/又は前記幅は、前記中空ニードルの前記長手方向軸線に対して所定の角度にある、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記長さ及び/又は前記幅は、前記中空ニードルの前記長手方向軸線に対して垂直になっている、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
皮膚組織の中に美容効果をもたらすための装置であって、
少なくとも第1のプロングを含む少なくとも一つの中空ニードルであって、前記第1のプロングは、前記中空ニードルの遠位端に設けられている、少なくとも一つの中空ニードル
を含み、
前記第1のプロングは、少なくとも二つの寸法を有する平坦な先端を含み、
前記中空ニードルが、前記皮膚組織の中へ挿入され、前記皮膚組織から引き抜かれるときに、前記中空ニードルは、前記皮膚組織の一部分を除去するように構成されている、装置。
【請求項18】
前記中空ニードルは、前記中空ニードルの前記遠位端に第2のプロングをさらに含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第2のプロングは、平坦な先端を含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記平坦な先端は、長さ及び幅を有する、請求項17~19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記長さ及び/又は前記幅は、前記中空ニードルの前記長手方向軸線に対して所定の角度にある、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記長さ及び/又は前記幅は、前記中空ニードルの前記長手方向軸線に対して垂直になっている、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記第1のプロングの側面と前記中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、少なくとも約20°である、請求項17~22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記第1のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度は、約20°と約40°との間にある、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記第1のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度は、約30°である、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記第1のプロングの側面と前記中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、約20°未満である、請求項17~22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記第1のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度は、約5°と約20°との間にある、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記第2のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の角度は、少なくとも約20°である、請求項18~27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
前記第2のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度は、約20°と約40°との間にある、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記第2のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度は、約30°である、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記第2のプロングの側面と前記中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、約20°未満である、請求項18~27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
前記第2のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度は、約5°と約20°との間にある、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記中空ニードルの前記第1のプロングは、先端マイクロフィーチャを含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
前記中空ニードルの前記第1及び第2のプロングのそれぞれは、先端マイクロフィーチャを含む、請求項4~16及び18~33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
前記先端マイクロフィーチャは、孔部又はスリットである、請求項33又は34に記載の装置。
【請求項36】
前記スリットは、矩形形状のスリット、方形形状のスリット、U字形状のスリット、又は、T字形状のスリットである、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記先端マイクロフィーチャは、非垂直の角度で前記中空ニードルの内壁と交差する、請求項33~36のいずれか一項に記載の装置。
【請求項38】
複数の中空ニードルを含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の装置。
【請求項39】
前記中空ニードルは、コーティングによって処理されている、請求項1~38のいずれか一項に記載の装置。
【請求項40】
前記コーティングは、TiN、TiCN、TiAlN、ZrN、及びダイヤモンドライクカーボンからなる群から選択される、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記中空ニードルの内径は、約0.14mmと0.84mmとの間にある、請求項1~40のいずれか一項に記載の装置。
【請求項42】
前記中空ニードルの内径は、約0.24mmと0.40mmとの間にある、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記中空ニードルのゲージサイズは、18ゲージと30ゲージとの間にある、請求項1~42のいずれか一項に記載の装置。
【請求項44】
前記中空ニードルのゲージサイズは、22ゲージと25ゲージとの間にある、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記中空ニードルの長さは、約2mmと約5mmとの間にある、請求項1~44のいずれか一項に記載の装置。
【請求項46】
前記中空ニードルは、(i)真皮層の中へ、(ii)前記真皮層全体を通って、前記真皮層と皮下脂肪層との接合部へ、又は、(iii)前記皮下脂肪層の中へ、延在するように構成されている、請求項1~45のいずれか一項に記載の装置。
【請求項47】
隣接する中空ニードル間の距離は、約15mm以下である、請求項38に記載の装置。
【請求項48】
約0.01から約0.65の間にある面積割合の前記皮膚組織を除去するように構成されている、請求項1~47のいずれか一項に記載の装置。
【請求項49】
約0.01から約0.05の間にある面積割合の前記皮膚組織を除去するように構成されている、請求項48に記載の装置。
【請求項50】
約0.02から約0.03の間にある面積割合の前記皮膚組織を除去するように構成されている、請求項48に記載の装置。
【請求項51】
前記中空ニードルの内壁は、約150Rzと約300Rzとの間の表面粗さを有している、請求項1~50のいずれか一項に記載の装置。
【請求項52】
前記中空ニードルは、ルーメンを含み、前記装置は、前記中空ニードルの前記ルーメンの中に組織除去ツールをさらに含み、前記組織除去ツールは、前記中空ニードルからの前記皮膚組織の部分の除去を促進するように構成されている、請求項1~51のいずれか一項に記載の装置。
【請求項53】
前記組織除去ツールは、前記中空ニードルの前記長手方向軸線に沿って制御可能に並進可能である、請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記組織除去ツールは、ピストンである、請求項52又は53に記載の装置。
【請求項55】
前記ピストンは、前記ピストンの遠位端に丸い先端を含む、請求項54に記載の装置。
【請求項56】
前記中空ニードルの前記ルーメンから前記組織除去ツールによって除去される前記皮膚組織の前記部分は、実質的に損傷を受けていない組織部分である、請求項52~55のいずれか一項に記載の装置。
【請求項57】
吸引チューブをさらに含み、前記吸引チューブは、低圧供給源及びトラップに連結されている、請求項1~56のいずれか一項に記載の装置。
【請求項58】
前記吸引チューブは、前記中空ニードルの前記遠位端の直ぐ近位に設置されており、前記トラップは、処分されることになる前記皮膚組織の前記部分を捕獲するように構成されている、請求項57に記載の装置。
【請求項59】
前記中空ニードルに連結されている低圧導管をさらに含み、前記低圧導管は、低圧供給源に接続され、前記中空ニードルの中に吸い込み力を発生させる、請求項1~51のいずれか一項に記載の装置。
【請求項60】
前記低圧供給源は、真空ポンプである、請求項57又は59に記載の装置。
【請求項61】
少なくとも一つのアクチュエータをさらに含む、請求項1~60のいずれか一項に記載の装置。
【請求項62】
前記アクチュエータは、1)前記中空ニードルの軸線に対して実質的に平行の方向に沿って前後に前記中空ニードルを変位させるように構成されており、及び/又は、2)一つの方向若しくは二つの直交する方向に、前記皮膚組織にわたって前記中空ニードルを並進させるように構成されている、請求項61に記載の装置。
【請求項63】
前記アクチュエータは、一つの方向又は二つの直交する方向に、前記皮膚組織にわたって前記中空ニードルを並進させるように構成されている、請求項61に記載の装置。
【請求項64】
前記アクチュエータは、ロッキング又は接続機構によって前記装置に連結されている、請求項61~63のいずれか一項に記載の装置。
【請求項65】
前記ロッキング又は接続機構は、磁気ラッチ、圧縮クランプ、スライディングクランプ、回転式ロック、クラスプラッチ、及びスライディング回転式ロックからなる群から選択される、請求項64に記載の装置。
【請求項66】
カバーをさらに含む、請求項1~65のいずれか一項に記載の装置。
【請求項67】
前記カバーは、ロッキング又は接続機構によってアクチュエータに連結されている、請求項66に記載の装置。
【請求項68】
前記ロッキング又は接続機構は、磁気ラッチ、圧縮クランプ、スライディングクランプ、回転式ロック、クラスプラッチ、及びスライディング回転式ロックからなる群から選択される、請求項67に記載の装置。
【請求項69】
スペーサをさらに含む、請求項1~68のいずれか一項に記載の装置。
【請求項70】
前記スペーサは、カバーに取り付けられており、前記スペーサは、前記カバーと前記皮膚組織との間に位置決めされており、前記スペーサは、前記中空ニードルの挿入の深さを制御するように構成されている、請求項69に記載の装置。
【請求項71】
前記皮膚組織の前記部分を除去すると、アレイパターンを作り出すように構成されている、請求項1~70のいずれか一項に記載の装置。
【請求項72】
前記アレイパターンは、一つ以上の列、又は、半ランダムの空間的分布を含む、請求項71に記載の装置。
【請求項73】
前記中空ニードルは、繰り返して、前記皮膚組織の中へ挿入され、前記皮膚組織から引き抜かれる、請求項1~72のいずれか一項に記載の装置。
【請求項74】
前記第1及び/又は第2のプロングは、カールすることに対して抵抗力がある、請求項1~73のいずれか一項に記載の装置。
【請求項75】
皮膚組織の中に美容効果をもたらすための方法であって、
請求項1~68のいずれか一項に記載の装置を使用して前記皮膚組織の中に複数の孔部を作り出すステップ
を含み、
それぞれの孔部は、前記皮膚組織の一部分を除去することによって作り出される、方法。
【請求項76】
それぞれの孔部の直径は、約0.14mmと0.84mmとの間にある、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
それぞれの孔部の直径は、約0.24mmと0.40mmとの間にある、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記皮膚組織の除去された前記部分の表面積割合は、約0.01から約0.65の間にある、請求項75~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記皮膚組織の除去された前記部分の前記表面積割合は、約0.01から約0.05の間にある、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記皮膚組織の除去された前記部分の前記表面積割合は、約0.02から約0.03の間にある、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記孔部のうちの少なくとも一つは、(i)真皮層の中へ、(ii)前記真皮層全体を通って、前記真皮層と皮下脂肪層との接合部へ、又は、(iii)前記皮下脂肪層の中へ延在する、請求項75~80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記孔部のうちの少なくとも一つは、約2mmと約5mmとの間の深さまで延在している、請求項75~81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
一つ以上の列又は半ランダムの空間的分布を含むアレイパターンは、前記複数の孔部によって発生される、請求項75~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
少なくとも第1のプロングを含む少なくとも一つの中空ニードルであって、前記第1のプロングは、前記中空ニードルの遠位端に設けられており、
前記第1のプロングの側面と前記中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、少なくとも約20°であり、
前記中空ニードルが、皮膚組織の中へ挿入され、皮膚組織から引き抜かれるときに、前記中空ニードルは、皮膚組織の一部分を除去するように構成されている、中空ニードル。
【請求項85】
前記第1のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度(α)は、約20°と約40°との間にある、請求項84に記載の中空ニードル。
【請求項86】
前記第1のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度(α)は、約30°である、請求項85に記載の中空ニードル。
【請求項87】
第2のプロングをさらに含む、請求項84~86のいずれか一項に記載の中空ニードル。
【請求項88】
前記第2のプロングの側面と前記中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、少なくとも約20°である、請求項87に記載の中空ニードル。
【請求項89】
前記第2のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度(α)は、約20°と約40°との間にある、請求項88に記載の中空ニードル。
【請求項90】
前記第2のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度(α)は、約30°である、請求項89に記載の中空ニードル。
【請求項91】
前記第2のプロングの側面と前記中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約20°未満である、請求項87に記載の中空ニードル。
【請求項92】
前記第2のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度(α)は、約5°と約20°との間にある、請求項91に記載の中空ニードル。
【請求項93】
前記第1のプロングは、エッジを含む、請求項84~92のいずれか一項に記載の中空ニードル。
【請求項94】
前記第1及び第2のプロングのそれぞれが、エッジを含む、請求項87~92のいずれか一項に記載の中空ニードル。
【請求項95】
前記第1のプロングは、平坦な先端を含む、請求項84~92のいずれか一項に記載の中空ニードル。
【請求項96】
前記第1及び第2のプロングのそれぞれが、平坦な先端を含む、請求項87~92のいずれか一項に記載の中空ニードル。
【請求項97】
前記平坦な先端は、長さ及び幅を有する、請求項95又は96に記載の中空ニードル。
【請求項98】
前記長さ及び/又は前記幅は、前記中空ニードルの前記長手方向軸線に対して所定の角度にある、請求項97に記載の中空ニードル。
【請求項99】
前記長さ及び/又は前記幅は、前記中空ニードルの前記長手方向軸線に対して垂直になっている、請求項98に記載の中空ニードル。
【請求項100】
少なくとも第1のプロングを含む中空ニードルであって、前記第1のプロングは、前記中空ニードルの遠位端に設けられており、
前記第1のプロングは、少なくとも二つの寸法を有する平坦な先端を含み、
前記中空ニードルが、前記皮膚組織の中へ挿入され、前記皮膚組織から引き抜かれるときに、前記中空ニードルは、前記皮膚組織の一部分を除去するように構成されている、中空ニードル。
【請求項101】
第2のプロングをさらに含む、請求項100に記載の中空ニードル。
【請求項102】
前記第2のプロングは、平坦な先端を含む、請求項101に記載の中空ニードル。
【請求項103】
前記平坦な先端は、長さ及び幅を有する、請求項100~102のいずれか一項に記載の中空ニードル。
【請求項104】
前記長さ及び/又は前記幅は、前記中空ニードルの前記長手方向軸線に対して所定の角度にある、請求項103に記載の中空ニードル。
【請求項105】
前記長さ及び/又は前記幅は、前記中空ニードルの前記長手方向軸線に対して垂直になっている、請求項104に記載の中空ニードル。
【請求項106】
前記第1のプロングの側面と前記中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、少なくとも約20°である、請求項100~105のいずれか一項に記載の中空ニードル。
【請求項107】
前記第1のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度(α)は、約20°と約40°との間にある、請求項106に記載の中空ニードル。
【請求項108】
前記第1のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度(α)は、約30°である、請求項107に記載の中空ニードル。
【請求項109】
前記第1のプロングの側面と前記中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約20°未満である、請求項100~105のいずれか一項に記載の中空ニードル。
【請求項110】
前記第1のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度(α)は、約5°と約20°との間にある、請求項109に記載の中空ニードル。
【請求項111】
前記第2のプロングの側面と前記中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、少なくとも約20°である、請求項101~110のいずれか一項に記載の中空ニードル。
【請求項112】
前記第2のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度(α)は、約20°と約40°との間にある、請求項111に記載の中空ニードル。
【請求項113】
前記第2のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度(α)は、約30°である、請求項112に記載の中空ニードル。
【請求項114】
前記第2のプロングの側面と前記中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約20°未満である、請求項101~110のいずれか一項に記載の中空ニードル。
【請求項115】
前記第2のプロングの前記側面と前記中空ニードルの前記長手方向軸線との間の前記角度(α)は、約5°と約20°との間にある、請求項114に記載の中空ニードル。
【請求項116】
前記中空ニードルの前記第1のプロングは、先端マイクロフィーチャを含む、請求項84~115のいずれか一項に記載の中空ニードル。
【請求項117】
前記中空ニードルの前記第1及び第2のプロングのそれぞれは、先端マイクロフィーチャを含む、請求項87~99及び101~115のいずれか一項に記載の中空ニードル。
【請求項118】
前記先端マイクロフィーチャは、孔部又はスリットである、請求項116又は117に記載の中空ニードル。
【請求項119】
前記スリットは、矩形形状のスリット、方形形状のスリット、U字形状のスリット、又は、T字形状のスリットである、請求項118に記載の中空ニードル。
【請求項120】
前記先端マイクロフィーチャは、非垂直の角度で前記中空ニードルの内壁と交差する、請求項116~119のいずれか一項に記載の中空ニードル。
【請求項121】
コーティングによって処理されている、請求項84~120のいずれか一項に記載の中空ニードル。
【請求項122】
前記コーティングは、TiN、TiCN、TiAlN、ZrN、及びダイヤモンドライクカーボンからなる群から選択される、請求項121に記載の中空ニードル。
【請求項123】
繰り返して、前記皮膚組織の中へ挿入され、前記皮膚組織から引き抜かれる、請求項84~122のいずれか一項に記載の中空ニードル。
【請求項124】
中空ニードル、zアクチュエータ、及び組織除去ツールを含むニードルアセンブリであって、前記中空ニードルは、前記中空ニードルの遠位端に設けられた少なくとも第1のプロングを含み、前記第1のプロングの側面と前記中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、少なくとも約20°である、ニードルアセンブリ。
【請求項125】
前記中空ニードルは、第2のプロングをさらに含む、請求項124に記載のニードルアセンブリ。
【請求項126】
前記第2のプロングの側面と前記中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、少なくとも約20°である、請求項125に記載のニードルアセンブリ。
【請求項127】
前記第2のプロングの側面と前記中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約20°未満である、請求項125に記載のニードルアセンブリ。
【請求項128】
前記第1のプロングは、エッジを含む、請求項124~127のいずれか一項に記載のニードルアセンブリ。
【請求項129】
前記第1及び第2のプロングのそれぞれが、エッジを含む、請求項125~127のいずれか一項に記載のニードルアセンブリ。
【請求項130】
前記第1のプロングは、平坦な先端を含む、請求項124~127のいずれか一項に記載のニードルアセンブリ。
【請求項131】
前記第1及び第2のプロングのそれぞれが、平坦な先端を含む、請求項125~127のいずれか一項に記載のニードルアセンブリ。
【請求項132】
前記平坦な先端は、長さ及び幅を有する、請求項130又は131に記載のニードルアセンブリ。
【請求項133】
前記長さ及び/又は前記幅は、前記中空ニードルの前記長手方向軸線に対して所定の角度にある、請求項132に記載のニードルアセンブリ。
【請求項134】
前記長さ及び/又は前記幅は、前記中空ニードルの前記長手方向軸線に対して垂直になっている、請求項133に記載のニードルアセンブリ。
【請求項135】
サポートベース、スキャッフォールド、吸引チューブ、トラップ、及び/又は圧力発生源をさらに含む、請求項124~134のいずれか一項に記載のニードルアセンブリ。
【請求項136】
xアクチュエータ及び/又はyアクチュエータに取り外し可能に取り付けられるように構成されている、請求項124~135のいずれか一項に記載のニードルアセンブリ。
【請求項137】
中空ニードル、zアクチュエータ、及び組織除去ツールを含むニードルアセンブリであって、前記中空ニードルは、前記中空ニードルの遠位端に設けられた少なくとも第1のプロングを含み、前記第1のプロングは、少なくとも二つの寸法を有する平坦な先端を含む、ニードルアセンブリ。
【請求項138】
前記中空ニードルは、第2のプロングをさらに含む、請求項137に記載のニードルアセンブリ。
【請求項139】
前記第2のプロングは、平坦な先端を含む、請求項138に記載のニードルアセンブリ。
【請求項140】
前記平坦な先端は、長さ及び幅を有する、請求項137~139のいずれか一項に記載のニードルアセンブリ。
【請求項141】
前記長さ及び/又は前記幅は、前記中空ニードルの前記長手方向軸線に対して所定の角度にある、請求項140に記載のニードルアセンブリ。
【請求項142】
前記長さ及び/又は前記幅は、前記中空ニードルの前記長手方向軸線に対して垂直になっている、請求項141に記載のニードルアセンブリ。
【請求項143】
前記第1のプロングの側面と前記中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、少なくとも約20°である、請求項137~142のいずれか一項に記載のニードルアセンブリ。
【請求項144】
前記第1のプロングの側面と前記中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約20°未満である、請求項137~142のいずれか一項に記載のニードルアセンブリ。
【請求項145】
前記第2のプロングの側面と前記中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、少なくとも約20°である、請求項138~144のいずれか一項に記載のニードルアセンブリ。
【請求項146】
前記第2のプロングの側面と前記中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約20°未満である、請求項138~144のいずれか一項に記載のニードルアセンブリ。
【請求項147】
サポートベース、スキャッフォールド、吸引チューブ、トラップ、及び/又は圧力発生源をさらに含む、請求項137~146のいずれか一項に記載のニードルアセンブリ。
【請求項148】
xアクチュエータ及び/又はyアクチュエータに取り外し可能に取り付けられるように構成されている、請求項137~147のいずれか一項に記載のニードルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年3月29日に出願された米国仮出願第62/314,748号の優先権及び利益を主張し、この文献を参照により本明細書に組み込んでいる。
【背景技術】
【0002】
美容医療では、余分な組織及び/又は皮膚弛緩の排除は、25%を超える米国の人口に影響を及ぼす重要な関心事である。従来の外科的療法(たとえば、顔の皺取り(face lift)、眉引き上げ(brow lift)、又は、胸の弛み取り(breast lift))は、効果的であり得るが、侵襲的であり、都合が悪く、高価であり、同時に、瘢痕化が、特定の治療部位への外科手術の適用性を制限している。
【0003】
最小限に侵襲的な方法が利用可能であるが、そのような方法は、一般的に、外科的方法よりも効果的でない。たとえば、エネルギー供給源(たとえば、レーザ、非干渉光、高周波、及び超音波)を使用する方法は、皮膚のアーキテクチャ及びテクスチャを改善するには効果的である可能性があるが、皮膚を引き締めるか又は皮膚弛緩を低減させるには、効果的でない。それに加えて、光熱エネルギーによってマイクロアブレーションを生成する組織切除方法は、アブレーションゾーンの閉鎖と干渉する凝固ゾーンを組織の中に発生させる可能性があり、それによって、組織引き締めを阻害する。また、これらの方法は、リモデリングプロセスの間に凝固されて死んだ組織への生物学的な修復反応に起因して、より長い患者治癒時間を必要とする。また、レーザアブレーション深さは、典型的に、レーザビーム焦点の深さによって制限される。利用可能なレーザシステムによって可能となるものよりも深い組織層のアブレーションは、たとえば、瘢痕の治療にとって望ましい。
【0004】
たとえば、ボツリヌストキシンなどの神経毒の使用などのような、他の方法は、注射された筋肉の麻痺によって動的な皺の形成を低減させるが、そのような毒素は、皮膚の締まり又は弛緩に対して最小の効果を有するか、又は、直接的な効果を有さない。最後に、ヒアルロン酸などのような真皮充填剤が、真皮層の中に注入され、皺を伸ばし、輪郭を改善することが可能であるが、そのような充填剤は、直接的に皮膚を引き締めず、又は、皮膚の弛緩を低減させない。したがって、エネルギーベースの技法(たとえば、レーザ、高周波、及び超音波)並びに注射ベースの技法(たとえば、ボツリヌストキシン及び充填剤、たとえば、ヒアルロン酸ベース及びコラーゲンベースの充填剤など)と比較して、外科的療法は、皮膚の弛み取り及び/又は引き締めのためのゴールドスタンダードのままである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、利便性、手頃な価格であること、及び、組織回復を望む患者へのアクセスのしやすさを維持しながら、現在の利用可能な最小侵襲性の技法を上回る有効性の増加を提供する、改善された方法及びデバイスに対する必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、皮膚組織の部分を除去することによる皮膚組織の美容用リサーフェシングのための中空ニードル、ニードルアセンブリ、作動ユニット、装置、キット、及び方法に関する。本発明は、少なくとも一つのプロング(prong)をそれぞれ有する一つ以上の中空ニードルを含む、皮膚組織の中に美容効果を発生させるための装置を特徴とする。また、装置は、組織部分を中空ニードルから除去するための機構を含むことが可能である。
【0007】
第1の態様では、本発明は、皮膚組織の中に美容効果をもたらすための装置であって、少なくとも第1のプロングを含む少なくとも一つの中空ニードルであって、第1のプロングは、中空ニードルの遠位端に設けられている、少なくとも一つの中空ニードルを含み、第1のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、少なくとも約20度であり、中空ニードルが、皮膚組織の中へ挿入され、皮膚組織から引き抜かれるときに、中空ニードルは、皮膚組織の一部分を除去するように構成されている、装置を特徴とする。
【0008】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、第1のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、約20°と約40°との間にある。いくつかの実施形態では、第1のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、約30°である。
【0009】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、中空ニードルは、中空ニードルの遠位端に第2のプロングをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、少なくとも約20°である。いくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、約20°と約40°との間にある。いくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、約30°である。いくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、約20°未満である。いくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、約5°と約20°との間にある。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1のプロングは、エッジを含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2のプロングのそれぞれが、エッジを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1のプロングは、平坦な先端を含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2のプロングのそれぞれが、平坦な先端を含む。いくつかの実施形態では、平坦な先端は、長さ及び幅を有する。いくつかの実施形態では、長さ及び/又は幅は、中空ニードルの長手方向軸線に対して所定の角度にある。いくつかの実施形態では、長さ及び/又は幅は、中空ニードルの長手方向軸線に対して垂直になっている。
【0012】
第2の態様では、本発明は、皮膚組織の中に美容効果をもたらすための装置であって、少なくとも第1のプロングを含む少なくとも一つの中空ニードルであって、第1のプロングは、中空ニードルの遠位端に設けられている、少なくとも一つの中空ニードルを含み、第1のプロングは、少なくとも二つの寸法を有する平坦な先端を含み、中空ニードルが、皮膚組織の中へ挿入され、皮膚組織から引き抜かれるときに、中空ニードルは、皮膚組織の一部分を除去するように構成されている、装置を特徴とする。
【0013】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、中空ニードルは、中空ニードルの遠位端に第2のプロングをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のプロングは、平坦な先端を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、平坦な先端は、長さ及び幅を有する。いくつかの実施形態では、長さ及び/又は幅は、中空ニードルの長手方向軸線に対して所定の角度にある。いくつかの実施形態では、長さ及び/又は幅は、中空ニードルの長手方向軸線に対して垂直になっている。
【0015】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、第1のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、少なくとも約20°である。いくつかの実施形態では、第1のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、約20°と約40°との間にある。いくつかの実施形態では、第1のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、約30°である。本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、第1のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、約20°未満である。いくつかの実施形態では、第1のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、約5°と約20°との間にある。
【0016】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、少なくとも約20°である。いくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、約20°と約40°との間にある。いくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、約30°である。本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、約20°未満である。いくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、約5°と約20°との間にある。
【0017】
第1及び第2の本発明の態様のいくつかの実施形態では、中空ニードルの第1のプロングは、先端マイクロフィーチャ(micro-feature)を含む。いくつかの実施形態では、中空ニードルの第1及び第2のプロングのそれぞれは、先端マイクロフィーチャを含む。いくつかの実施形態では、先端マイクロフィーチャは、孔部又はスリットである。いくつかの実施形態では、スリットは、矩形形状のスリット、方形形状のスリット、U字形状のスリット、又は、T字形状のスリットである。いくつかの実施形態では、先端マイクロフィーチャは、非垂直の角度で中空ニードルの内壁と交差する。
【0018】
本発明の第1及び第2の態様のいくつかの実施形態では、装置は、複数の中空ニードルを含む。いくつかの実施形態では、隣接する中空ニードル間の距離は、約15mm以下である。
【0019】
本発明の第1及び第2の態様のいくつかの実施形態では、中空ニードルは、コーティングによって処理されている。いくつかの実施形態では、コーティングは、TiN、TiCN、TiAlN、ZrN、及びダイヤモンドライクカーボンからなる群から選択される。
【0020】
本発明の第1及び第2の態様のいくつかの実施形態では、中空ニードルの内径は、約0.14mmと0.84mmとの間にある。いくつかの実施形態では、中空ニードルの内径は、約0.24mmと0.40mmとの間にある。
【0021】
本発明の第1及び第2の態様のいくつかの実施形態では、中空ニードルのゲージサイズは、18ゲージと30ゲージとの間にある。いくつかの実施形態では、中空ニードルのゲージサイズは、22ゲージと25ゲージとの間にある。
【0022】
本発明の第1及び第2の態様のいくつかの実施形態では、中空ニードルの長さは、約2mmと約5mmとの間にある。
【0023】
本発明の第1及び第2の態様のいくつかの実施形態では、中空ニードルは、(i)真皮層の中へ、(ii)真皮層全体を通って、真皮層と皮下脂肪層との接合部へ、又は、(iii)皮下脂肪層の中へ、延在するように構成されている。
【0024】
本発明の第1及び第2の態様のいくつかの実施形態では、装置は、約0.01から約0.65の間にある面積割合の皮膚組織を除去するように構成されている。いくつかの実施形態では、装置は、約0.01から約0.05の間にある面積割合の皮膚組織を除去するように構成されている。いくつかの実施形態では、装置は、約0.02から約0.03の間にある(たとえば、約0.025)面積割合の皮膚組織を除去するように構成されている。
【0025】
本発明の第1及び第2の態様のいくつかの実施形態では、中空ニードルの内壁は、約150Rzと約300Rzとの間の表面粗さを有している。
【0026】
本発明の第1及び第2の態様のいくつかの実施形態では、中空ニードルは、ルーメンを含み、装置は、中空ニードルのルーメンの中に組織除去ツールをさらに含み、組織除去ツールは、中空ニードルからの皮膚組織の部分の除去を促進するように構成されている。いくつかの実施形態では、組織除去ツールは、中空ニードルの長手方向軸線に沿って制御可能に並進可能である。いくつかの実施形態では、組織除去ツールは、ピストンである。いくつかの実施形態では、ピストンは、ピストンの遠位端に丸い先端を含む。いくつかの実施形態では、中空ニードルのルーメンから組織除去ツールによって除去される皮膚組織の部分は、実質的に損傷を受けていない組織部分である。
【0027】
本発明の第1及び第2の態様のいくつかの実施形態では、装置は、吸引チューブをさらに含み、吸引チューブは、低圧供給源及びトラップに連結されている。いくつかの実施形態では、吸引チューブは、中空ニードルの遠位端の直ぐ近位に設置されており、トラップは、処分されることになる皮膚組織の部分を捕獲するように構成されている。いくつかの実施形態では、低圧供給源は、真空ポンプである。
【0028】
本発明の第1及び第2の態様のいくつかの実施形態では、装置は、中空ニードルに連結されている低圧導管をさらに含み、低圧導管は、低圧供給源に接続され、中空ニードルの中に吸い込み力を発生させる。いくつかの実施形態では、低圧供給源は、真空ポンプである。
【0029】
本発明の第1及び第2の態様のいくつかの実施形態では、装置は、少なくとも一つのアクチュエータをさらに含む。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、1)中空ニードルの軸線に対して実質的に平行の方向に沿って前後に中空ニードルを変位させるように構成されており、及び/又は、2)一つの方向若しくは二つの直交する方向に、皮膚組織にわたって中空ニードルを並進させるように構成されている。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、中空ニードルの軸線に対して実質的に平行の方向に沿って前後に中空ニードルを変位させるように構成されており、また、一つの方向若しくは二つの直交する方向に、皮膚組織にわたって中空ニードルを並進させるように構成されている。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、ロッキング又は接続機構によって装置に連結されている。いくつかの実施形態では、ロッキング又は接続機構は、磁気ラッチ、圧縮クランプ、スライディングクランプ、回転式ロック、クラスプラッチ、及びスライディング回転式ロックからなる群から選択される。
【0030】
本発明の第1及び第2の態様のいくつかの実施形態では、装置は、カバーをさらに含む。いくつかの実施形態では、カバーは、ロッキング又は接続機構によってアクチュエータに連結されている。いくつかの実施形態では、ロッキング又は接続機構は、磁気ラッチ、圧縮クランプ、スライディングクランプ、回転式ロック、クラスプラッチ、及びスライディング回転式ロックからなる群から選択される。
【0031】
本発明の第1及び第2の態様のいくつかの実施形態では、装置は、スペーサをさらに含む。いくつかの実施形態では、スペーサは、カバーに取り付けられており、カバーと皮膚組織との間に位置決めされており、及び/又は、中空ニードルの挿入の深さを制御するように構成されている。
【0032】
本発明の第1及び第2の態様のいくつかの実施形態では、装置は、皮膚組織の部分を除去すると、アレイパターンを作り出すように構成されている。いくつかの実施形態では、アレイパターンは、一つ以上の列、又は、半ランダムの空間的分布を含む。
【0033】
本発明の第1及び第2の態様のいくつかの実施形態では、中空ニードルは、繰り返して、皮膚組織の中へ挿入され、皮膚組織から引き抜かれる。
【0034】
本発明の第1及び第2の態様のいくつかの実施形態では、本明細書で説明されているような第1及び/又は第2のプロングは、カールすること(curling)に対して抵抗力がある。
【0035】
第3の態様では、本発明は、皮膚組織の中に美容効果をもたらすための方法を特徴とする。方法は、本明細書で説明されている装置を使用して皮膚組織の中に複数の孔部を作り出すステップを含み、それぞれの孔部は、皮膚組織の一部分を除去することによって作り出される。
【0036】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、それぞれの孔部の直径は、約0.14mmと0.84mmとの間にある。いくつかの実施形態では、それぞれの孔部の直径は、約0.24mmと0.40mmとの間にある。
【0037】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、皮膚組織の除去された部分の表面積割合は、約0.01から約0.65の間にある。いくつかの実施形態では、皮膚組織の除去された部分の表面積割合は、約0.1未満であり、たとえば、約0.01から約0.05の間などにある。いくつかの実施形態では、皮膚組織の除去された部分の表面積割合は、約0.02から約0.03の間にある(たとえば、0.025)。
【0038】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、孔部のうちの少なくとも一つは、(i)真皮層の中へ、(ii)真皮層全体を通って、真皮層と皮下脂肪層との接合部へ、又は、(iii)皮下脂肪層の中へ延在する。いくつかの実施形態では、孔部のうちの少なくとも一つは、約2mmと約5mmとの間の深さまで延在している。
【0039】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、一つ以上の列又は半ランダムの空間的分布を含むアレイパターンは、複数の孔部によって発生される。
【0040】
第4の態様では、本発明は、少なくとも第1のプロングを含む少なくとも一つの中空ニードルであって、第1のプロングは、中空ニードルの遠位端に設けられており、第1のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、少なくとも約20°であり、中空ニードルが、皮膚組織の中へ挿入され、皮膚組織から引き抜かれるときに、中空ニードルは、皮膚組織の一部分を除去するように構成されている、中空ニードルを提供する。
【0041】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、第1のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約20°と約40°との間にある。いくつかの実施形態では、第1のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約30°である。
【0042】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、中空ニードルは、第2のプロングをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、少なくとも約20°である。いくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約20°と約40°との間にある。いくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約30°である。本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約20°未満である。いくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約5°と約20°との間にある。
【0043】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、第1のプロングは、エッジを含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2のプロングのそれぞれが、エッジを含む。
【0044】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、第1のプロングは、平坦な先端を含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2のプロングのそれぞれが、平坦な先端を含む。いくつかの実施形態では、平坦な先端は、長さ及び幅を有する。いくつかの実施形態では、長さ及び/又は幅は、中空ニードルの長手方向軸線に対して所定の角度にある。いくつかの実施形態では、長さ及び/又は幅は、中空ニードルの長手方向軸線に対して垂直になっている。
【0045】
第5の態様では、本発明は、少なくとも第1のプロングを含む中空ニードルであって、第1のプロングは、中空ニードルの遠位端に設けられており、第1のプロングは、少なくとも二つの寸法を有する平坦な先端を含み、中空ニードルが、皮膚組織の中へ挿入され、皮膚組織から引き抜かれるときに、中空ニードルは、皮膚組織の一部分を除去するように構成されている、中空ニードルを提供する。
【0046】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、中空ニードルは、第2のプロングをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のプロングは、平坦な先端を含む。いくつかの実施形態では、平坦な先端は、長さ及び幅を有する。いくつかの実施形態では、長さ及び/又は幅は、中空ニードルの長手方向軸線に対して所定の角度にある。いくつかの実施形態では、長さ及び/又は幅は、中空ニードルの長手方向軸線に対して垂直になっている。
【0047】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、第1のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、少なくとも約20°である。いくつかの実施形態では、第1のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約20°と約40°との間にある。いくつかの実施形態では、第1のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約30°である。本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、第1のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約20°未満である。いくつかの実施形態では、第1のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約5°と約20°との間にある。
【0048】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、少なくとも約20°である。いくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約20°と約40°との間にある。いくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約30°である。本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約20°未満である。いくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約5°と約20°との間にある。
【0049】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、中空ニードルの第1のプロングは、先端マイクロフィーチャを含む。いくつかの実施形態では、中空ニードルの第1及び第2のプロングのそれぞれは、先端マイクロフィーチャを含む。いくつかの実施形態では、先端マイクロフィーチャは、孔部又はスリットである。いくつかの実施形態では、スリットは、矩形形状のスリット、方形形状のスリット、U字形状のスリット、又は、T字形状のスリットである。いくつかの実施形態では、先端マイクロフィーチャは、非垂直の角度で中空ニードルの内壁と交差する。
【0050】
本発明の第4及び第5の態様のいくつかの実施形態では、中空ニードルは、コーティングによって処理されている。いくつかの実施形態では、コーティングは、TiN、TiCN、TiAlN、ZrN、及びダイヤモンドライクカーボンからなる群から選択される。
【0051】
本発明の第4及び第5の態様のいくつかの実施形態では、中空ニードルは、繰り返して、皮膚組織の中へ挿入され、皮膚組織から引き抜かれる。
【0052】
第6の態様では、本発明は、中空ニードル、zアクチュエータ、及び組織除去ツールを含むニードルアセンブリであって、中空ニードルは、中空ニードルの遠位端に設けられた少なくとも第1のプロングを含み、第1のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、少なくとも約20°である、ニードルアセンブリを特徴とする。
【0053】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、中空ニードルは、第2のプロングをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、少なくとも約20°である。いくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約20°未満である。
【0054】
第6の態様のいくつかの実施形態では、第1のプロングは、エッジを含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2のプロングのそれぞれが、エッジを含む。いくつかの実施形態では、第1のプロングは、平坦な先端を含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2のプロングのそれぞれが、平坦な先端を含む。いくつかの実施形態では、平坦な先端は、長さ及び幅を有する。いくつかの実施形態では、長さ及び/又は幅は、中空ニードルの長手方向軸線に対して所定の角度にある。いくつかの実施形態では、長さ及び/又は幅は、中空ニードルの長手方向軸線に対して垂直になっている。
【0055】
いくつかの実施形態では、本発明の第6の態様のニードルアセンブリは、サポートベース、スキャッフォールド(scaffold)、吸引チューブ、トラップ、及び/又は圧力発生源をさらに含む。いくつかの実施形態では、ニードルアセンブリは、xアクチュエータ及び/又はyアクチュエータに取り外し可能に取り付けられるように構成されている。
【0056】
第7の態様では、本発明は、中空ニードル、zアクチュエータ、及び組織除去ツールを含むニードルアセンブリであって、中空ニードルは、中空ニードルの遠位端に設けられた少なくとも第1のプロングを含み、第1のプロングは、少なくとも二つの寸法を有する平坦な先端を含む、ニードルアセンブリを特徴とする。
【0057】
第7の態様のいくつかの実施形態では、中空ニードルは、第2のプロングをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のプロングは、平坦な先端を含む。いくつかの実施形態では、平坦な先端は、長さ及び幅を有する。いくつかの実施形態では、長さ及び/又は幅は、中空ニードルの長手方向軸線に対して所定の角度にある。いくつかの実施形態では、長さ及び/又は幅は、中空ニードルの長手方向軸線に対して垂直になっている。
【0058】
第7の態様のいくつかの実施形態では、第1のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、少なくとも約20°である。いくつかの実施形態では、第1のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約20°未満である。第7の態様のいくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、少なくとも約20°である。いくつかの実施形態では、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(α)は、約20°未満である。
【0059】
いくつかの実施形態では、本発明の第7の態様のニードルアセンブリは、サポートベース、スキャッフォールド、吸引チューブ、トラップ、及び/又は圧力発生源をさらに含む。いくつかの実施形態では、ニードルアセンブリは、xアクチュエータ及び/又はyアクチュエータに取り外し可能に取り付けられるように構成されている。
【0060】
定義
「組織部分」とは、(たとえば、プラグとして)装置の中空ニードルによって除去される皮膚及び/又は近位組織層(たとえば、表皮層、真皮層、及び皮下脂肪層)のその部分を意味する。組織部分は、本発明の装置の中空ニードルの特定の寸法、幾何学形状、及び他の性質に対応する、特定の寸法、幾何学形状、及び他の性質を有することが可能である。
【0061】
「実質的に損傷を受けていない」組織部分の除去とは、中空ニードルのルーメンから除去される組織部分が破壊されていない又は一体となった組織部分として残っていることを意味しており、すなわち、除去された組織部分が、個々のより小さい部片へと破壊若しくは分離されていないか又はばらされていないことを意味する。
【0062】
「約」とは、記載されている値の±10%を意味する。
【0063】
「被験者」とは、哺乳類(たとえば、人間、又は、人間以外の哺乳類)を意味する。
【0064】
「近位」又は「近位端」とは、ニードル先端から離れているか又はニードル先端の反対側にある中空ニードルの端部、たとえば、図1A図1Fに示されているように、zアクチュエータ12及びサポートベース11により近い中空ニードル14の端部(基端部)を意味する。
【0065】
「遠位」又は「遠位端」とは、ニードル先端(たとえば、図1A図1Fのニードル先端18)にあるか又はその近くにある、中空ニードルの端部(末端部)を意味する。
【0066】
「コアリングレート」とは、中空ニードルの作動の合計数に対する、治療エリアからのコアリングされた組織の除去を結果として生じさせる中空ニードルの作動のパーセンテージを意味する。本発明の中空ニードルは、コアリングレートを最大化するように設計されており、また、コアリングされる組織の除去を結果として生じさせない中空ニードルの作動を最小化するように設計されている。組織部分は、コアリング力が組織抵抗力を超えるときに、皮膚から外れる。組織抵抗力は、その周囲の組織への組織部分の接続によって決定される。たとえば、中空ニードルが皮膚の真皮層を通して完全に挿入されるときに、組織抵抗力は、ニードルのルーメンの中の組織部分と皮下脂肪層との間の接続によって決定される。コアリングレートは、たとえば、中空ニードルのコアリング力、中空ニードルのルーメン壁部と組織部分との間の摩擦、及び組織抵抗力によって決定される。また、コアリングレートは、中空ニードルを横切って圧力差を印加することによって影響を及ぼされ得る。たとえば、中空ニードルの近位端に印加される真空は、コアリングされた組織部分を中空ニードルから吸引することが可能であり、それによって、コアリングレートを増加させる。
【0067】
「コアリング力」とは、ニードルが皮膚から引き抜かれているときに、コアリングされた組織部分に装置の中空ニードルによって印加される力を意味する。コアリング力は、たとえば、ニードルが皮膚から引き抜かれているときの中空ニードルのルーメン壁部とコアリングされた組織部分との間の摩擦、並びに、中空ニードルの中のマイクロフィーチャの位置、幾何学形状、及び配向によって決定される。
【0068】
「挿入力」とは、中空ニードルが皮膚の中へ挿入されるときに、中空ニードルによって皮膚の上に発生される力を意味する。挿入力は、組織を突き通すために必要とされる量によって最初に決定される。組織が突き通されると、挿入力は、ニードル壁部(内側及び外側)と周囲の組織との間の摩擦、並びに、ニードルの先端において組織を分離するために必要とされる力によって決定される。
【0069】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかになることになる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1A】本発明のニードルアセンブリの三つの斜視図を示す概略説明図である。
図1B】本発明のニードルアセンブリの三つの斜視図を示す概略説明図である。
図1C】本発明のニードルアセンブリの三つの斜視図を示す概略説明図である。
図1D】本発明のニードルアセンブリの断面図を示す概略説明図である。
図1E】本発明のニードルアセンブリの個々のコンポーネントを示す分解図である。
図1F】本発明のニードルアセンブリの個々のコンポーネントを示す分解図である。
図2】中空ニードルのための可能なニードルプロング構成を示す概略説明図である。
図3】中空ニードルのプロングの側面図を示す概略説明図である。プロングのベベル角度αは、プロングの側面31と中空ニードルの長手方向軸線32との間の角度を表している。
図4】10°、20°、又は30°のベベル角度を有する中空ニードルの2,000作動サイクル、8,000作動サイクル、及び10,000作動サイクルの後のニードルヒール部の劣化を比較する写真である。
図5A】プロングの先端に尖端をそれぞれ有する二つのプロングを備えた中空ニードルを示す概略説明図である。
図5B】プロングの先端にエッジをそれぞれ有する二つのプロングを備えた中空ニードルを示す概略説明図である。
図5C】平坦な先端をそれぞれ有する二つのプロングを備えた中空ニードルを示す概略説明図である。
図5D】プロングの先端にエッジをそれぞれ有する二つのプロングを備えたスエージ加工された中空ニードルを示す概略説明図である。
図5E図5Dに示されているスエージ加工された中空ニードルの断面図を示す概略説明図である。
図6A】中空ニードルの先端におけるマイクロフィーチャを示す写真である。ニードル先端における楕円形形状の孔部としてマイクロフィーチャを示す写真である。
図6B】中空ニードルの先端におけるマイクロフィーチャを示す写真である。ニードル先端における矩形形状のスリットとしてマイクロフィーチャを示す写真である。
図6C】ニードル先端において二つのプロング及びU字形状のマイクロフィーチャを有する中空ニードルを示す概略説明図である。
図7】非垂直の角度で中空ニードルの内壁と交差し、中空ニードルの内側のコアリングされた組織部分によって印加される抵抗力に影響を及ぼす、マイクロフィーチャを示す概略説明図である。
図8】コーティングされていない中空ニードルは、10,000作動サイクルの後にニードルヒール部の劣化を示したが、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)によってコーティングされた中空ニードルは、10,000作動サイクルの後にニードルヒール部の劣化のしるしを表示しなかったことを示す写真である。Aは、作動サイクルを経験する前のDLCコーティングされたニードルの写真であり、Bは、5,000作動サイクルを経験した後のDLCコーティングされたニードルの写真であり、Cは、作動サイクルを経験した後のDLCコーティングされたニードルの写真であり、Dは、10,000作動サイクルを経験した後のコーティングされていないニードルの写真である。
図9】中空ニードルのルーメンの内側のコアリングされた組織部分に対するニードルコアリング力及び組織抵抗力を示す概略説明図である。
図10】コアリングされた組織部分を中空ニードルのルーメンから除去するために使用されるピストンの丸い研磨された端部の写真である。
図11】コアリングされた組織部分をそのルーメンの内側に含有する中空ニードルの先端の近位の吸引チューブを示す概略説明図である。
図12】ニードル先端から取り出されるコアリングされた組織部分を示す写真である。
図13】高い圧力の突発を印加することによって、コアリングされた組織部分を中空ニードルの近位端から吸引するために使用される高圧ポートを示す概略説明図である。高圧ポートは、吸引されるコアリングされた組織部分を捕獲するために使用される組織回収ポートに連結されている。
図14A】装置のカバーの端部にそれぞれ連結されている二つの異なるスペーサを示す概略説明図である。図14Aは、中空ニードルの10mmの延在を可能にする「ゼロ」スペーサを示している。示されている延在長さは、単に例示的なものに過ぎず、限定するものであることを意味していない。
図14B】装置のカバーの端部にそれぞれ連結されている二つの異なるスペーサを示す概略説明図である。図14Bは、中空ニードルの8mmの延在を可能にする「2mm」スペーサを示している。示されている延在長さは、単に例示的なものに過ぎず、限定するものであることを意味していない。
図15A】xアクチュエータ及びyアクチュエータを含む作動ユニットを示す写真である。
図15B】作動ユニットに接続されている本発明のニードルアセンブリを示す写真である。
図16A】本発明のニードルアセンブリ及び作動ユニットを囲むために使用されるカバーを示す写真である。
図16B】ニードルアセンブリ及び作動ユニットが図16Aに示されているカバーによって囲まれる前の、作動ユニットに接続されている本発明のニードルアセンブリを示す写真である。
図16C】ニードルアセンブリ及び作動ユニットが図16Aに示されているカバーによって囲まれた後の、作動ユニットに接続されている本発明のニードルアセンブリを示す写真である。
図16D】ニードルアセンブリ及び作動ユニットを囲む、カバーを含む本発明の装置の三つの斜視図を示す概略説明図である。
図16E】ニードルアセンブリ及び作動ユニットを囲む、カバーを含む本発明の装置の三つの斜視図を示す概略説明図である。
図16F】ニードルアセンブリ及び作動ユニットを囲む、カバーを含む本発明の装置の三つの斜視図を示す概略説明図である。
図16G】ニードルアセンブリ及び作動ユニットを囲む、カバーを含む本発明の装置の三つの断面図を示す概略説明図である。
図16H】ニードルアセンブリ及び作動ユニットを囲む、カバーを含む本発明の装置の三つの断面図を示す概略説明図である。
図16I】ニードルアセンブリ及び作動ユニットを囲む、カバーを含む本発明の装置の三つの断面図を示す概略説明図である。
図16J】ニードルアセンブリ及び作動ユニットを含む本発明の装置の内側の八つの図を示す概略説明図である。
図16K】ニードルアセンブリ及び作動ユニットを含む本発明の装置の内側の八つの図を示す概略説明図である。
図16L】ニードルアセンブリ及び作動ユニットを含む本発明の装置の内側の八つの図を示す概略説明図である。
図16M】ニードルアセンブリ及び作動ユニットを含む本発明の装置の内側の八つの図を示す概略説明図である。
図16N】ニードルアセンブリ及び作動ユニットを含む本発明の装置の内側の八つの図を示す概略説明図である。
図16O】ニードルアセンブリ及び作動ユニットを含む本発明の装置の内側の八つの図を示す概略説明図である。
図16P】ニードルアセンブリ及び作動ユニットを含む本発明の装置の内側の八つの図を示す概略説明図である。
図16Q】ニードルアセンブリ及び作動ユニットを含む本発明の装置の内側の八つの図を示す概略説明図である。
図16R】取り外されているニードルアセンブリ及び作動ユニットを含む本発明の装置の内側の四つの図を示す分解図である。
図16S】取り外されているニードルアセンブリ及び作動ユニットを含む本発明の装置の内側の四つの図を示す分解図である。
図16T】取り外されているニードルアセンブリ及び作動ユニットを含む本発明の装置の内側の四つの図を示す分解図である。
図16U】取り外されているニードルアセンブリ及び作動ユニットを含む本発明の装置の内側の四つの図を示す分解図である。
図17A】パーツ171及び172を有する磁気ラッチの四つの図を示す概略説明図である。
図17B】パーツ171及び172を有する磁気ラッチの四つの図を示す概略説明図である。
図17C】パーツ171及び172を有する磁気ラッチの四つの図を示す概略説明図である。
図17D】パーツ171及び172を有する磁気ラッチの四つの図を示す概略説明図である。
図17E】パーツ171及び172を有する磁気ラッチの二つの断面図を示す概略説明図である。
図17F】パーツ171及び172を有する磁気ラッチの二つの断面図を示す概略説明図である。
図17G】磁気ラッチのパーツ171を示す概略説明図である。
図17H】磁気ラッチのパーツ172を示す概略説明図である。
図17I】磁気ラッチのパーツ172を示す概略説明図である。
図18A】パーツ181及び182を有する圧縮クランプの三つの図を示す概略説明図である。
図18B】パーツ181及び182を有する圧縮クランプの三つの図を示す概略説明図である。
図18C】パーツ181及び182を有する圧縮クランプの三つの図を示す概略説明図である。
図19A】パーツ191及び192を有するスライディングクランプの三つの図を示す概略説明図である。
図19B】パーツ191及び192を有するスライディングクランプの三つの図を示す概略説明図である。
図19C】パーツ191及び192を有するスライディングクランプの三つの図を示す概略説明図である。
図20A】パーツ201及び202を有する回転式ロックの三つの図を示す概略説明図である。
図20B】パーツ201及び202を有する回転式ロックの三つの図を示す概略説明図である。
図20C】パーツ201及び202を有する回転式ロックの三つの図を示す概略説明図である。
図20D】パーツ201及び202を有する回転式ロックの二つの断面図を示す概略説明図である。
図20E】パーツ201及び202を有する回転式ロックの二つの断面図を示す概略説明図である。
図21A】パーツ211及び212を有するクラスプラッチの四つの図を示す概略説明図である。
図21B】パーツ211及び212を有するクラスプラッチの四つの図を示す概略説明図である。
図21C】パーツ211及び212を有するクラスプラッチの四つの図を示す概略説明図である。
図21D】パーツ211及び212を有するクラスプラッチの四つの図を示す概略説明図である。
図22A】パーツ221及び222を有するスライディング回転式ロックの四つの図を示す概略説明図である。
図22B】パーツ221及び222を有するスライディング回転式ロックの四つの図を示す概略説明図である。
図22C】パーツ221及び222を有するスライディング回転式ロックの四つの図を示す概略説明図である。
図22D】パーツ221及び222を有するスライディング回転式ロックの四つの図を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
本発明は、皮膚から組織部分を除去することによって、皮膚の中に美容効果(たとえば、組織体積を排除する、皮膚を引き締める、及び/又は、皮膚弛緩を低減させる)を発生させるための中空ニードル、ニードルアセンブリ、作動ユニット、装置、キット、及び方法に関する。理論に拘束されることなく、このアプローチは、皮膚組織の大部分を除去することによって、及び、組織リサーフェシング及びリモデリングに貢献する生物学的な反応をトリガすることによって、皮膚リモデリングを促進する。とりわけ、本発明は、皮膚の中への挿入及び皮膚からの引き抜きの後に、中空ニードルのルーメンの内側に組織部分を捕獲及び保持することによって、組織部分をコアリングすることができる、中空ニードル、並びに、関連のニードルアセンブリ、装置、キット、及び方法に関する。コアリングされた組織部分は、中空ニードルのルーメンから除去され、処分され得る。プロセスは、とりわけ、皮膚の所望のエリアにわたって、また、被験者の身体の選ばれた部位に位置付けされて、複数のコアリングされた皮膚組織部分を発生させるために繰り返され得る。本明細書で説明されている中空ニードル、ニードルアセンブリ、作動ユニット、装置、キット、及び方法は、利便性、手頃な価格であること、及び、組織回復を望む患者へのアクセスのしやすさを維持しながら、現在の利用可能な装置及び技法を上回る有効性の増加を提供する。
【0072】
ニードル
本発明の装置は、少なくとも第1のプロングを有する少なくとも一つの中空ニードルを含む。いくつかの実施形態では、プロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(たとえば、ベベル角度α)は、少なくとも約20°である(たとえば、ベベル角度αは、約20°よりも大きいことが可能であり、たとえば、20°、22°、24°、26°、28°、30°、32°、34°、36°、38°、及び40°などよりも大きいことが可能であり、又は、約20°から約40°の角度であり、20°から40°の間、20°から38°の間、20°から36°の間、20°から34°の間、20°から32°の間、20°から30°の間、20°から28°の間、20°から26°の間、20°から24°の間、20°から22°の間、22°から40°の間、24°から40°の間、26°から40°の間、28°から40°の間、30°から40°の間、32°から40°の間、34°から40°の間、36°から40°の間、及び、38°から40°の間の角度であることが可能である)。とりわけ、プロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度(たとえば、ベベル角度α)は、約30°である。
【0073】
いくつかの実施形態では、中空ニードルのプロングの先端は、エッジである。いくつかの実施形態では、中空ニードルのプロングの先端は、少なくとも二つの寸法を有する平坦な先端である。いくつかの実施形態では、中空ニードルのプロングは、先端マイクロフィーチャを含む。本発明の中空ニードルは、ニードル先端がカールすること及び擦り切れ(たとえば、鈍くなること)、ニードルヒール部の劣化、並びにニードル曲げなどのような、使用の間の頻繁に起こるニードル損傷を防止するために構築される。本発明の中空ニードルは、多数の作動サイクル(たとえば、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、1,0000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、又は20,000を上回る作動サイクル)にわたって、機械的な完全性及び耐久性を維持するように設計されている。また、好ましくは、これらのニードルは、高いコアリングレートで皮膚から組織部分を効果的に除去する。皮膚組織の中に美容効果をもたらすために、装置の中空ニードルは、好ましくは、事前決定された力を使用して、事前決定された深さまで、皮膚組織の中へ挿入され、中空ニードルのルーメンの中の皮膚組織の部分を捕獲することによって、中空ニードルが皮膚組織の一部分を除去するようになっている。
【0074】
プロング
図2に示されているように、装置の中空ニードルの遠位端20(たとえば、皮膚組織を突き通すニードルの端部)は、一つ以上のプロング21を形成するように形状決めされ得る。装置の中空ニードルは、遠位端において、一つのプロング、二つのプロング、又は、三つ以上のプロング(たとえば、三つ、四つ、五つ、又は六つのプロング)を有することが可能である。一つのプロングを有する中空ニードルは、中空ニードルの遠位端の一方の側部を、中空ニードルの長手方向軸線に対して所定の角度で研削することによって形成され得る。二つのプロングを有する中空ニードルは、中空ニードルの遠位端の両方の側部を、中空ニードルの長手方向軸線に対して所定の角度で研削することによって形成され得る。
【0075】
中空ニードルの遠位端におけるプロングの幾何学形状は、ベベル角度によって特徴付けられ得る。ベベル角度、たとえば、図3に示されているような角度αは、プロングの側面31と中空ニードルの長手方向軸線32との間の角度を表している。「2α」の角度は、中空ニードルのプロングの二つの側面の間の角度、たとえば、中空ニードルの側面31と側面33との間の角度を表している。プロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間のベベル角度αは、少なくとも約20°(たとえば、約20°と約40°との間(たとえば、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は40°))であることが可能である。とりわけ、プロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、約30°であることが可能である。二つ以上のプロングを有する中空ニードル(たとえば、図2)に関して、それぞれのプロングは、同じベベル角度又は異なるベベル角度を有することが可能である。一つの実施形態では、二つのプロング、たとえば、第1のプロング及び第2のプロングを有する中空ニードルに関して、第1のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、約20°と約30°との間(たとえば、20、22、24、26、28、又は30°)にあることが可能であり、第2のプロングの側面と中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、約30°と約40°との間(たとえば、30、32、34、36、38、又は30°)にあることが可能である。たとえば、第1のプロングは、20°のベベル角度αを有することが可能であり、第2のプロングは、30°のベベル角度αを有することが可能である。
【0076】
少なくとも約20°以上のベベル角度αは、皮膚組織の中への挿入及び引き抜きのいくつかの作動サイクルにわたって、ニードルの機械的な完全性を改善する。下記の表1は、40°の2αベベル角度を有する2プロングの中空ニードル(それぞれのプロングのベベル角度αは、20°である)が、20°の2αベベル角度を有する2プロングの中空ニードル(それぞれのプロングのベベル角度αは、10°である)に対して、ニードル先端がカールすることの発生を低減させることを示している。10°のベベル角度αをそれぞれ有する合計で五つの2プロングの中空ニードル、及び、20°のベベル角度αをそれぞれ有する五つの2プロングの中空ニードルがテストされた。
【0077】
【表1】
追加的に、図4は、また、プロングのニードルベベル角度αを増加させることが、多数の作動サイクルにわたって、ニードルヒール部の劣化の発生を低減させることを示している。図4に示されているように、10°のベベル角度αを有する中空ニードルは、2,000作動サイクルの前に、ニードルヒール部の劣化のサイン(点線の円形によって示されている)を示したが、一方、20°のベベル角度αを有する中空ニードル、及び、30°のベベル角度αを有する中空ニードルは、10,000作動サイクルにわたって、ニードルヒール部の劣化の明らかなサインは示さなかった。
【0078】
中空ニードルのプロングの先端は、さまざまな幾何学形状のものであることが可能である。たとえば、プロングの先端は、尖端(たとえば、図5Aに示されているような尖端51)又はエッジ(たとえば、1次元のエッジ)(たとえば、図5Bに示されているようなエッジ52)を有することが可能である。先端にエッジを有するプロングに関して、プロングのベベル角度のそれぞれは、少なくとも約20°(たとえば、約20°から約40°(たとえば、約30°))であることが可能である。二つ以上のプロング、たとえば、二つのプロングを有する中空ニードルに関して、プロングは、異なるベベル角度を有することが可能である(たとえば、第1のプロングにおいて、約20°のベベル角度α、及び、第2のプロングにおいて、約30°のベベル角度α)。プロングの先端は、平坦な先端(たとえば、二つの寸法を有する平坦な先端)(たとえば、図5Cに示されているような平坦な先端53)であることが可能である。たとえば、平坦な先端は、長さ及び幅を有している。プロングの平坦な先端の表面(長さ/幅)は、中空ニードルの長手方向軸線に対して所定の角度になっていることが可能である。たとえば、平坦な先端の表面は、中空ニードルの長手方向軸線に対して垂直になっていることが可能であり(たとえば、中空ニードルの長手方向軸線に対して90°の角度になっている)、又は、平坦な先端の表面は、中空ニードルの長手方向軸線に対して非90°の角度になっていることが可能である(たとえば、約3°から約89°の間、たとえば、3°から89°など、たとえば、3、6、9、12、15、18、21、24、27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、及び89°)。平坦な先端の表面は、レベルであることが可能であり、又は、異なる幾何学形状、たとえば、円弧、溝部、若しくは凹凸などを有することが可能である。2次元の平坦な先端を有するプロングに関して、プロングのベベル角度のそれぞれは、約2°から約40°の間にあることが可能である(たとえば、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は40°)。ニードルは、それぞれが2次元の平坦な先端を備えた一つ又は二つのプロングを有することが可能であり、そこでは、プロングの一つ又は両方が、少なくとも約20°(たとえば、約20°から約40°(たとえば、約30°))のベベル角度αを有している。1次元のエッジ又は2次元の平坦な先端を有するニードルは、ニードル先端がカールすることの可能性の低減を示す。
【0079】
ゲージ、内径、及び長さ
本発明の装置の中空ニードルは、18から30のゲージ(たとえば、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、及び30ゲージ)を含む、任意のゲージのものであることが可能である。中空ニードルのゲージは、22から25であることが可能である(たとえば、22、23、24、及び25ゲージ)。装置の中空ニードルは、約0.14mmから約0.84mmの内径を有することが可能である(たとえば、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.3、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.4、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.5、0.51、0.52、0.53、0.54、0.55、0.56、0.57、0.58、0.59、0.6、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.69、0.7、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.8、0.81、0.82、0.83、及び0.84mm)。中空ニードルの内径は、中空ニードルの内側ルーメンの直径を表している。中空ニードルの内径は、約0.24mmから約0.40mm(たとえば、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.3、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、及び0.4mm)であることが可能である。したがって、装置の中空ニードルによって除去される皮膚組織の一部分(たとえば、コアリングされる組織部分)の直径は、一般的に、中空ニードルの内径に対応している。
【0080】
いくつかの実施形態では、中空ニードルの外径及び/又は内径は、その長さとともに変化することが可能であり、中空ニードルの一つの領域の直径が、同じニードルの別の領域の外径及び/又は内径とは異なることができるようになっている。中空ニードルにわたる直径の変化は、連続的であってもよく、又は、連続的でなくてもよい。中空ニードルは、完全に円筒形状であってもよく、又は、完全に円筒形状でなくてもよい。たとえば、一つ以上の中空ニードルは、一つ以上の寸法に関して、その長さのいくつか又はすべてに沿って、矩形、鋸歯状の、スカロップト形状、及び/又は不規則になっていてもよい。いくつかの実施形態では、内側ルーメン直径は、中空ニードルの長さに沿って変化することが可能である。また、本発明は、少なくとも20°(たとえば、約20°と約40°との間(たとえば、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は40°))のベベル角度αを有するスエージ加工された中空ニードル、及び、その長さにわたる可変の内側ルーメン直径を特徴とする。図5D及び図5Eは、中空ニードルの遠位端の近く(たとえば、皮膚組織を突き通すニードルの端部の近く)においてより小さい直径を有する、スエージ加工された中空ニードル54を示している。図5Dは、スエージ加工された中空ニードル54の外側を示しており、図5Eは、スエージ加工された中空ニードル54の長手方向の断面を示している。他の実施形態では、内径は、中空ニードルの近位端において(たとえば、皮膚を突き通す先端から離れて)、より幅広くなっていることが可能である。これは、中空ニードルからのコアリングされる組織部分の除去を促進することが可能であり、中空ニードルの清掃に対する必要性を限定することが可能であり、ニードル閉塞の発生を低減させることが可能である。
【0081】
装置の中空ニードルは、さまざまな長さのものであることが可能であり、また、さまざまな有効長さ(たとえば、皮膚組織を突き通すように構成されている中空ニードルの長さ)を有することが可能である。有効長さは、約0.5mmから約10mm(たとえば、0.5、0.6、0.8、1、1.2、1.4、1.6、1.8、2、2.2、2.4、2.6、2.8、3、3.2、3.4、3.6、3.8、4、4.2、4.4、4.6、4.8、5、5.2、5.4、5.6、5.8、6、6.2、6.4、6.6、6.8、7、7.2、7.4、7.6、7.8、8、8.2、8.4、8.6、8.8、9、9.2、9.4、9.6、9.8、及び10mm)まで変化することが可能であり、また、手動制御又は自動的な制御によって選択可能であり得る(たとえば、スクロールホイール、又は、電磁アクチュエータなどのような作動機構)。中空ニードルの有効長さは、治療を必要とする皮膚エリアに応じて、調節及び選択され得る。たとえば、約0.5mmから約2mm(たとえば、0.5、0.6、0.8、1、1.2、1.4、1.6、1.8、及び2mm)の有効長さを有する中空ニードルは、薄い皮膚、たとえば、まぶたの皮膚を治療するために使用され得る。まぶたの皮膚の表皮層及び真皮層の厚さは、約0.5mmから約1mm(たとえば、0.5、0.6、0.8、及び1)である可能性がある。約5mmから約10mm(たとえば、5、6、7、8、9、及び10mm)の有効長さを有する中空ニードルは、厚い皮膚、たとえば、背中の皮膚又は瘢痕組織などを治療するために使用され得、厚い皮膚は、健康な皮膚組織よりも厚くなっている可能性がある。皮膚の表皮層の厚さは、約0.05mmから約2mm(たとえば、0.05から2mm、0.05mmから1.95mm、0.05mmから1.9mm、0.05mmから1.85mm、0.05mmから1.8mm、0.05mmから1.75mm、0.05mmから1.7mm、0.05mmから1.65mm、0.05mmから1.6mm、0.05mmから1.55mm、0.05mmから1.5mm、0.05mmから1.45mm、0.05mmから1.4mm、0.05mmから1.35mm、0.05mmから1.3mm、0.05mmから1.25mm、0.05mmから1.2mm、0.05mmから1.15mm、0.05mmから1.1mm、0.05mmから1.05mm、0.05mmから1mm、0.05mmから0.95mm、0.05mmから0.9mm、0.05mmから0.85mm、0.05mmから0.8mm、0.05mmから0.75mm、0.05mmから0.7mm、0.05mmから0.65mm、0.05mmから0.6mm、0.05mmから0.55mm、0.05mmから0.5mm、0.05mmから0.45mm、0.05mmから0.4mm、0.05mmから0.35mm、0.05mmから0.3mm、0.05mmから0.25mm、0.05mmから0.2mm、0.05mmから0.15mm、0.05mmから0.1mm、0.1mmから2mm、0.15mmから2mm、0.2mmから2mm、0.25mmから2mm、0.3mmから2mm、0.35mmから2mm、0.4mmから2mm、0.45mmから2mm、0.5mmから2mm、0.55mmから2mm、0.6mmから2mm、0.65mmから2mm、0.7mmから2mm、0.75mmから2mm、0.8mmから2mm、0.85mmから2mm、0.9mmから2mm、0.95mmから2mm、1mmから2mm、1.05mmから2mm、1.15mmから2mm、1.2mmから2mm、1.25mmから2mm、1.3mmから2mm、1.35mmから2mm、1.4mmから2mm、1.45mmから2mm、1.5mmから2mm、1.55mmから2mm、1.6mmから2mm、1.65mmから2mm、1.7mmから2mm、1.75mmから2mm、1.8mmから2mm、1.85mmから2mm、1.9mmから2mm、及び1.95mmから2mm)である可能性がある。皮膚の真皮層の厚さは、2mmから8mm(たとえば、2mmから8mm、2mmから7.5mm、2mmから7mm、2mmから6.5mm、2mmから6mm、2mmから5.5mm、2mmから5mm、2mmから4.5mm、2mmから4mm、2mmから3.5mm、2mmから3mm、2mmから2.5mm、2.5mmから8mm、3mmから8mm、3.5mmから8mm、4mmから8mm、4.5mmから8mm、5mmから8mm、5.5mmから8mm、6mmから8mm、6.5mmから8mm、7mmから8mm、及び7.5mmから8mm)である可能性がある。中空ニードルの有効長さは、皮膚の表皮層及び/又は真皮層を突き通すために調節及び選択され得る。
【0082】
また、中空ニードルの有効長さは、一つ以上のスペーサ(図14を参照)を使用して調節され得、一つ以上のスペーサは、本明細書でさらに詳細に説明されている。中空ニードルパラメータは、治療されることになる皮膚の面積及び条件に基づいて選択され得る。たとえば、頬の上の薄くて緩い皮膚の治療は、約2mmの有効長さ及び中間ゲージ(たとえば、25ゲージ)を有する中空ニードルから利益を得ることが可能であり、一方、背中の上の厚い皮膚の治療、又は、瘢痕組織の治療は、より5mmに近い有効長さ及びより厚いゲージ(たとえば、22ゲージ)を有する中空ニードルから利益を得ることが可能である。装置の中空ニードルは、皮膚組織のさまざまな深さまで延在するように構成され得る。中空ニードルの突き通しの深さは、中空ニードルの有効長さ(たとえば、約2mmから約5mm)によって決定され得る。中空ニードルは、(i)真皮層の中へ、(ii)真皮層全体を通って、真皮層と皮下脂肪層との接合部へ、及び/又は、(iii)皮下脂肪層の中へ、延在するように構成され得る。
【0083】
マイクロフィーチャ
装置の中空ニードルは、一つ以上のマイクロフィーチャを含むことが可能である。マイクロフィーチャは、除去されることになる組織部分を中空ニードルが捕獲するか又は「つかむ」ことを助けるように機能する中空ニードルのエレメントである。マイクロフィーチャは、中空ニードルのコアリングレートを増加させることが可能である。マイクロフィーチャは、中空ニードルの有効長さに沿ってどこかに位置付けされ得る。図6A及び図6Bに示されているように、マイクロフィーチャ61又は62は、中空ニードルの先端の近くに位置付けされている(たとえば、先端マイクロフィーチャ)。たとえば、先端マイクロフィーチャは、中空ニードルのプロング21の先端の近くに位置付けされ得る。いくつかの実施形態では、中空ニードルのプロングの先端とマイクロフィーチャの開始部との間の距離は、約100μmから約5mm(たとえば、100μmから5mm、200μmから5mm、300μmから5mm、400μmから5mm、500μmから5mm、600μmから5mm、700μmから5mm、800μmから5mm、900μmから5mm、1mmから5mm、1.1mmから5mm、1.2mmから5mm、1.3mmから5mm、1.4mmから5mm、1.5mmから5mm、1.6mmから5mm、1.7mmから5mm、1.8mmから5mm、1.9mmから5mm、2mmから5mm、2.1mmから5mm、2.2mmから5mm、2.3mmから5mm、2.4mmから5mm、2.5mmから5mm、2.6mmから5mm、2.7mmから5mm、2.8mmから5mm、2.9mmから5mm、3mmから5mm、3.1mmから5mm、3.2mmから5mm、3.3mmから5mm、3.4mmから5mm、3.5mmから5mm、3.6mmから5mm、3.7mmから5mm、3.8mmから5mm、3.9mmから5mm、4mmから5mm、4.1mmから5mm、4.2mmから5mm、4.3mmから5mm、4.4mmから5mm、4.5mmから5mm、4.6mmから5mm、4.7mmから5mm、4.8mmから5mm、4.9mmから5mm、100μmから4.9mm、100μmから4.8mm、100μmから4.7mm、100μmから4.6mm、100μmから4.5mm、100μmから4.4mm、100μmから4.3mm、100μmから4.2mm、100μmから4.1mm、100μmから4mm、100μmから3.9mm、100μmから3.8mm、100μmから3.7mm、100μmから3.6mm、100μmから3.5mm、100μmから3.4mm、100μmから3.3mm、100μmから3.2mm、100μmから3.1mm、100μmから3mm、100μmから2.9mm、100μmから2.8mm、100μmから2.7mm、100μmから2.6mm、100μmから2.5mm、100μmから2.4mm、100μmから2.3mm、100μmから2.2mm、100μmから2.1mm、100μmから2mm、100μmから1.9mm、100μmから5mm、100μmから1.8mm、100μmから1.7mm、100μmから1.6mm、100μmから1.5mm、100μmから1.4mm、100μmから1.3mm、100μmから1.2mm、100μmから1.1mm、100μmから1mm、100μmから900μm、100μmから800μm、100μmから700μm、100μmから600μm、100μmから500μm、100μmから400μm、100μmから300μm、及び、100μmから200μm)である。
【0084】
マイクロフィーチャは、さまざまな幾何学形状のものであることが可能である。マイクロフィーチャは、孔部(図6Aの孔部61を参照)(たとえば、円形孔部若しくは楕円形形状の孔部)又はスリット(図6Bのスリット62を参照)であることが可能である。スリットは、矩形形状のスリット、方形形状のスリット、U字形状のスリット、又は、T字形状のスリットであることが可能である。マイクロフィーチャの形状及び寸法は、中空ニードルの機械的なロバストネス及び完全性に対する影響を最小化しながら、皮膚組織の一部分を捕獲する中空ニードルの能力を最大化するように最適化され得る。いくつかの実施形態では、マイクロフィーチャは、約10μmから約1mm(たとえば、10μmから1mm、10μmから900μm、10μmから880μm、10μmから860μm、10μmから840μm、10μmから820μm、10μmから800μm、10μmから780μm、10μmから760μm、10μmから740μm、10μmから720μm、10μmから700μm、10μmから680μm、10μmから660μm、10μmから640μm、10μmから620μm、10μmから600μm、10μmから580μm、10μmから560μm、10μmから540μm、10μmから520μm、10μmから500μm、10μmから480μm、10μmから460μm、10μmから440μm、10μmから420μm、10μmから400μm、10μmから380μm、10μmから360μm、10μmから340μm、10μmから320μm、10μmから300μm、10μmから280μm、10μmから260μm、10μmから240μm、10μmから220μm、10μmから200μm、10μmから180μm、10μmから160μm、10μmから140μm、10μmから120μm、10μmから100μm、10μmから80μm、10μmから60μm、10μmから40μm、10μmから20μm、20μmから1mm、40μmから1mm、60μmから1mm、80μmから1mm、100μmから1mm、120μmから1mm、140μmから1mm、160μmから1mm、180μmから1mm、200μmから1mm、220μmから1mm、240μmから1mm、260μmから1mm、280μmから1mm、300μmから1mm、320μmから1mm、340μmから1mm、360μmから1mm、380μmから1mm、400μmから1mm、420μmから1mm、440μmから1mm、460μmから1mm、480μmから1mm、500μmから1mm、520μmから1mm、540μmから1mm、560μmから1mm、580μmから1mm、600μmから1mm、620μmから1mm、640μmから1mm、660μmから1mm、680μmから1mm、700μmから1mm、720μmから1mm、740μmから1mm、760μmから1mm、780μmから1mm、800μmから1mm、820μmから1mm、840μmから1mm、860μmから1mm、880μmから1mm、900μmから1mm、920μmから1mm、940μmから1mm、960μmから1mm、及び、980μmから1mm)の直径を有する円形孔部であることが可能である。
【0085】
いくつかの実施形態では、マイクロフィーチャは、所定の長さ及び幅を有するスリット(たとえば、矩形形状のスリット、方形形状のスリット、U字形状のスリット、又はT字形状のスリット)であることが可能であり、ここで、長さ又は幅は、約10μmから約1mm(たとえば、10μmから1mm、10μmから900μm、10μmから880μm、10μmから860μm、10μmから840μm、10μmから820μm、10μmから800μm、10μmから780μm、10μmから760μm、10μmから740μm、10μmから720μm、10μmから700μm、10μmから680μm、10μmから660μm、10μmから640μm、10μmから620μm、10μmから600μm、10μmから580μm、10μmから560μm、10μmから540μm、10μmから520μm、10μmから500μm、10μmから480μm、10μmから460μm、10μmから440μm、10μmから420μm、10μmから400μm、10μmから380μm、10μmから360μm、10μmから340μm、10μmから320μm、10μmから300μm、10μmから280μm、10μmから260μm、10μmから240μm、10μmから220μm、10μmから200μm、10μmから180μm、10μmから160μm、10μmから140μm、10μmから120μm、10μmから100μm、10μmから80μm、10μmから60μm、10μmから40μm、10μmから20μm、20μmから1mm、40μmから1mm、60μmから1mm、80μmから1mm、100μmから1mm、120μmから1mm、140μmから1mm、160μmから1mm、180μmから1mm、200μmから1mm、220μmから1mm、240μmから1mm、260μmから1mm、280μmから1mm、300μmから1mm、320μmから1mm、340μmから1mm、360μmから1mm、380μmから1mm、400μmから1mm、420μmから1mm、440μmから1mm、460μmから1mm、480μmから1mm、500μmから1mm、520μmから1mm、540μmから1mm、560μmから1mm、580μmから1mm、600μmから1mm、620μmから1mm、640μmから1mm、660μmから1mm、680μmから1mm、700μmから1mm、720μmから1mm、740μmから1mm、760μmから1mm、780μmから1mm、800μmから1mm、820μmから1mm、840μmから1mm、860μmから1mm、880μmから1mm、900μmから1mm、920μmから1mm、940μmから1mm、960μmから1mm、及び、980μmから1mm)であることが可能である。
【0086】
マイクロフィーチャは、中空ニードルのルーメンの内側で捕獲される組織部分に対して方向的な効果を有するように設計及び構築され得る。たとえば、マイクロフィーチャの形状及び配向は、中空ニードルのコアリング力に影響を及ぼす可能性がある。図6Cに示されているように、U字形状のスリット63は、中空ニードルの先端21の近くにフックを生成し、それは、皮膚からのニードルの引き抜きのときに、中空ニードルのルーメンの内側の組織部分を保持することを助けることが可能である。マイクロフィーチャは、鋭いエッジにおいて、中空ニードルの内壁と交差することが可能であり、それは、中空ニードルのコアリング力、及び、中空ニードルのルーメンの内側のコアリングされる組織部分によって印加される抵抗力に、方向的に影響を及ぼすことが可能である。中空ニードルの中へドリル加工又はマイクロ機械加工されたマイクロフィーチャ(たとえば、孔部又はスリット)は、垂直の角度で、又は、非垂直の角度(たとえば、約5°から約90°未満の角度、たとえば、5°から85°、5°から80°、5°から75°、5°から70°、5°から65°、5°から60°、5°から55°、5°から50°、5°から45°、5°から40°、5°から35°、5°から30°、5°から25°、5°から20°、5°から15°、5°から10°、10°から85°、15°から85°、20°から85°、25°から85°、30°から85°、35°から85°、40°から85°、45°から85°、50°から85°、55°から85°、60°から85°、65°から85°、70°から85°、75°から85°、及び、80°から85°など)で、中空ニードルの内壁と交差することが可能である。たとえば、図7は、先端マイクロフィーチャ71を含有する中空ニードル14を示しており、先端マイクロフィーチャ71は、非垂直の角度γで中空ニードルの内壁72と交差し、鋭いエッジ73を生成する。組織部分74がニードル先端18から中空ニードルに進入するときに、組織部分74は、より低い抵抗の方向にトラベルしている。中空ニードル14が皮膚組織から引き抜かれているときに、及び、中空ニードル14が皮膚組織から解放されると、マイクロフィーチャ71は、中空ニードル14のルーメンの内側に組織部分74を保持することを助け、組織部分74が中空ニードル14から解放されることを防止する。一つ以上のマイクロフィーチャは、レーザドリル加工及びワイヤー静電放電加工(EDM)などのような、利用可能なプロセス及び技法を通して、中空ニードルの中へマイクロ機械加工され得る。
【0087】
ニードルコーティング
装置の中空ニードルは、中空ニードルの機械的な完全性、耐久性、及び信頼性を改善又は維持する材料(たとえば、硬質材料)によってコーティングされ得る。コーティング材料は、繰り返される皮膚組織の中への挿入及び皮膚組織からの引き抜きの間の、ニードル先端及びヒールの損傷、摩耗、及び損耗を防止することを助けることが可能である。装置の中空ニードルをコーティングするために使用され得る材料(たとえば、硬質材料)の例は、それに限定されないが、TiN、TiCN、TiAlN、ZrN、及びダイヤモンドライクカーボン(DLC)を含む。硬質材料は、中空ニードルの外側表面、中空ニードルの内側表面(たとえば、内側ルーメンの表面)、又は両方の表面に、コーティングとして塗布され得る。図8A図8Cは、DLCによってコーティングされた中空ニードルが、豚の皮膚の中への挿入及び引き抜きの10,000回の作動サイクルにわたって、ニードルヒール部及びニードル先端の劣化の低減を示したことを示しているが、コーティングされていない中空ニードルは、豚の皮膚の中への挿入及び引き抜きの10,000回の作動サイクルにわたって、ニードルヒール部及びニードル先端の劣化(点線の円形によって示されている)を示した(図8D)。
【0088】
ニードルルーメンの表面
中空ニードルのルーメン表面は、中空ニードルのコアリング力、コアリングレート、及び挿入力に影響を及ぼすことが可能である。とりわけ、ルーメン表面とコアリングされる組織部分との間の摩擦は、コアリング力、コアリングレート、及び挿入力を決定することが可能である。本明細書で説明されている中空ニードルは、コアリングレートを最大化するように設計されており、また、コアリングされる組織除去を結果として生じさせない中空ニードルの挿入を最小化するように設計されている。コアリング力(たとえば、ニードルが皮膚から引き抜かれているときに、装置の中空ニードルによって、コアリングされる組織部分に印加される力)が組織抵抗力を超えるときに、組織部分は、皮膚から外れ、組織抵抗力は、その周囲の組織への組織部分の接続によって決定される。たとえば、中空ニードルが皮膚の真皮層を通して完全に挿入されるときに、組織抵抗力は、ニードルのルーメンの中の組織部分と皮下脂肪層との間の接続によって決定される。したがって、コアリング力が組織抵抗力を超えるときに、コアリングされる組織部分は、中空ニードルのルーメンの中に捕獲され、皮膚から除去される(図9)。粗いルーメン表面は、コアリングされる組織部分とルーメン表面との間の摩擦を増加させ、それは、挿入力の増加、コアリング力の増加、及び、コアリングレートの増加を結果として生じさせる可能性がある。ルーメン表面の潤滑は、コアリングされる組織部分とルーメン表面との間の摩擦を低減させ、それは、挿入力の減少、コアリング力の減少、及び、コアリングレートの減少を結果として生じさせる可能性がある。過度に粗く、凸凹のルーメン表面は、ニードル劣化(たとえば、ニードルヒール部及びニードル先端の劣化)の高い発生につながる可能性があり、コアリングされる組織部分をルーメンから除去する際に困難を引き起こす可能性があり、及び/又は、ニードル閉塞を引き起こす可能性がある。ルーメン表面の粗度は、ニードルの耐久性、挿入力、ニードルルーメンから組織を除去する能力、並びに、劣化(たとえば、ニードルヒール部及びニードル先端の劣化)に対するニードルの抵抗に支障をきたすことなく、コアリング力及びコアリングレートを増加させるように最適化され得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、本発明の中空ニードル及び方法は、少なくとも約5%(たとえば、約5%から約100%、たとえば、5%から100%、5%から95%、5%から90%、5%から85%、5%から80%、5%から75%、5%から70%、5%から65%、5%から60%、5%から55%、5%から50%、5%から45%、5%から40%、5%から35%、5%から30%、5%から25%、5%から20%、5%から15%、5%から10%、10%から95%、15%から95%、20%から95%、25%から95%、30%から95%、35%から95%、40%から95%、45%から95%、50%から95%、55%から95%、60%から95%、65%から95%、70%から95%、75%から95%、80%から95%、85%から95%、及び、90%から95%など)のコアリングレートを有することが可能である。
【0090】
いくつかの実施形態では、本発明の中空ニードル及び方法は、約3Nから約10N(たとえば、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、及び10N)のコアリング力を有することが可能である。いくつかの実施形態では、20°のベベル角度αを有する2プロングの中空ニードルは、約3Nから約10N(たとえば、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、及び10N)のコアリング力を有することが可能である。
【0091】
コーティング材料及び/又は潤滑剤は、ルーメン表面の粗度、ひいては、ルーメン表面とコアリングされる組織部分との間の摩擦に影響を及ぼすことが可能である。中空ニードルのルーメン表面は、中空ニードルを通して潤滑剤又は研磨媒体を流すことによって研磨される、ルーメン表面の粗さを低減させることが可能である。潤滑剤の例は、それに限定されないが、塩ベースの潤滑剤(たとえば、緩衝生理食塩溶液(たとえば、PBS))、砂糖ベースの潤滑剤(たとえば、スクロース及びグルコース溶液)、並びに界面活性剤ベースの潤滑剤(たとえば、Tween20を含有する溶液)を含む。また、中空ニードルのルーメン表面の粗度は、中空ニードルを作製するために使用される製造プロセスによって影響を及ぼされ得る。下記の表2は、シングルプラグ製造プロセス、ダブルプラグ製造プロセス、及びサンク(sunk)製造プロセスを使用して作製された中空ニードルのRa(粗さプロファイルの算術平均)及びRz(平均粗さ深さ)によって測定されたルーメン表面粗さを示している。ダブルプラグプロセスを使用して作製された中空ニードルのルーメン表面が、シングルプラグプロセスを使用して作製された中空ニードルのルーメン表面よりも滑らかである(より低いRa値及びRz値)。
【0092】
【表2】
【0093】
ニードル製造
装置の中空ニードルは、利用可能な製造技法及びプロセスを使用して作製され得る。たとえば、中空ニードルを製造することは、ニードル皮下注射チューブを引き抜き加工することから開始し、それに、ニードル先端を形成することが続く。ニードル皮下注射チューブは、たとえば、シングルプラグ、ダブルプラグ、及びサンクなどのような、製造プロセスを使用して引き抜き加工され得る。ニードル先端は、研削によって形成され得る。たとえば、一つのプロングを有する中空ニードルは、中空ニードルの長手方向軸線に対して所定の角度で、中空ニードルの遠位端の一方の側部を研削することによって形成され得る。同様に、二つのプロングを有する中空ニードルは、中空ニードルの長手方向軸線に対して所定の角度で、中空ニードルの遠位端の両方の側部を研削することによって形成され得る。研削プロセスは、低い温度で実施され、ニードル材料の焼鈍を防止するか又は低減することが可能であり、また、高い温度において(たとえば、合金化学量論比によって定義される合金転移温度において)ニードル材料が相転移を経験することを防止することが可能である。焼鈍された材料は、延性のものになることが可能であり、曲がる傾向がより強くなり得、それは、中空ニードルの耐久性及び機械的な完全性を低減させることが可能である。研削プロセスの間に低い温度(たとえば、合金転移温度よりも低い温度)を維持することは、たとえば、研削速度及び/又は研削レートを低減させることによって、並びに、冷却流体を使用する(たとえば、ニードル材料及び/又は研削機械を冷却流体の中に定期的に沈める)ことによって、実現され得る。いくつかの実施形態では、使用される冷却流体は、室温になっていることが可能である。また、たとえば、放電加工などの、他の非研削技法及びプロセスも、装置の中空ニードルを製造するために使用され得る。
【0094】
ニードルアセンブリ
図1A図1Fは、サポートベース11、zアクチュエータ(たとえば、ボイスコイル)12、組織除去ツール(たとえば、ピストン)13、中空ニードル14、吸引チューブ15、トラップ16、圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)17、及びスキャッフォールド18を含む、本発明の例示的なニードルアセンブリ10の概略説明図である。そのようなニードルアセンブリは、他のより大型の医療用治療システムとは対照的に、被験者を移動させることなく、被験者の複数のエリアの治療を可能にすることができる。装置のニードルアセンブリ(たとえば、図1A図1F図15B、及び図16G図16Uに示されているニードルアセンブリ10)は、容易で迅速な接続及び切り離しのための装置の他のコンポーネントに(たとえば、装置の作動ユニットに)、取り外し可能に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、ニードルアセンブリ(たとえば、ニードルアセンブリ10)は、ロッキング又は接続機構(本明細書でさらに説明されている;図17A図17I図18A図18C図19A図19C図20A図20E図21A図21D、及び図22A図22Dを参照)を使用して、装置の作動ユニット(たとえば、図15A図15B図16B、及び図16G図16Uに示されている作動ユニット151)に取り外し可能に取り付けられ得る。ニードルアセンブリ全体、及び/又は、ニードルアセンブリのコンポーネントは、装置の他のコンポーネントから取り外され(たとえば、作動ユニットから取り外され)、使用後に交換又は殺菌され得る。
【0095】
ニードルアセンブリ10は、さまざまなコンポーネント及びデバイス制御エレクトロニクスを連結するためのチュービング及び/若しくはケーブル、電源(たとえば、交流発電機及び/若しくはバッテリコンポーネント)、並びに/又は、ユーザインターフェースなどのような、追加的なコンポーネントを含むことが可能である。ニードルアセンブリのコンポーネントは、容易で迅速な接続及び切り離しのために、取り外し可能に係合され得る。ニードルアセンブリのコンポーネントは、容易にクリーニングされ、(たとえば、蒸気殺菌若しくは他の公知の方法によって)殺菌され、及び/又は交換され得る。ニードルアセンブリのコンポーネントは、患者の上で使用する前に無菌条件で手術者(たとえば、医者又は外科医)に提供され得、すべてではないとしてもコンポーネントの多くが、その後の使用の前に再び殺菌されるか、又は、無菌コンポーネントと交換され得る。たとえば、ニードルアセンブリのコンポーネント、及び/又は、ニードルアセンブリ全体は、装置の使用後に殺菌又は交換のために装置から容易に除去可能であり得る。
【0096】
zアクチュエータ(たとえば、ボイスコイル)12は、ニードルアセンブリ10の中の中空ニードル14と連結するように構成されている。zアクチュエータ(たとえば、ボイスコイル)12は、ロッキング機構を有し、動作の間に適切な場所に中空ニードル14を固定することが可能である。いくつかの実施形態では、zアクチュエータ12及び中空ニードル14は、二つの間の磁気的な接続を確立することによってロックされ得る。他の実施形態では、zアクチュエータ12及び中空ニードル14は、たとえば、クイックコネクトクラスプを使用して、二つの間の機械的な接続を確立することによってロックされ得る。zアクチュエータ-中空ニードルのロッキング機構は、容易で迅速な接続及び切り離しのために、取り外し可能に係合され得る。zアクチュエータ-中空ニードルのロッキング機構は、接着剤コンポーネント、磁気的なコンポーネント、電気的なコンポーネント、及び/又は機械的なコンポーネント(たとえば、一つ以上のガスケット、Oリング、セプタム、スプリング、クラスプ、及び、他の係合部材)のうちの一つ以上を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、zアクチュエータは、Oリング(たとえば、ビトンOリング、ニトリルゴムOリング、及び、熱可塑性のポリウレタンOリング)の設置のための溝部又は陥凹部を含むことが可能であり、Oリングは、zアクチュエータ12と中空ニードル14との間にシールが形成することを可能にすることになる。zアクチュエータ12と係合するように作られた中空ニードル14の部分は、対応する溝部又は陥凹部を含むことが可能である。他の実施形態では、ロッキング機構は、成形プラスチックから作製された嵌め合い部片を伴う可能性がある。例として、中空ニードル14は、zアクチュエータ12の中へ途中まで摺動させることによって、シールを形成することが可能である。また、zアクチュエータ12及び中空ニードル14は、相互に連動し合うリッジ部(たとえば、プラスチック、ゴム、又は、他の材料から作製されている)を含み、コンポーネント間のシールを強化又は形成することが可能である。また、zアクチュエータ12は、zアクチュエータ12からの中空ニードル14の取り外しを起動させるための機構を特徴とすることが可能である。この機構は、ボタン、キー、スイッチ、トグル、スピンホイール、タッチスクリーン、及び/又はスライディングロックのうちの一つ以上を含むことが可能である。取り外し機構は、クイックリリース機構であることが可能である。いくつかの実施形態では、一方のコンポーネント(たとえば、zアクチュエータ12)が、陥凹可能な部分を含み、陥凹可能な部分は、他方のコンポーネント(たとえば、中空ニードル14)がもう一方の中へ摺動されるときに、シールを係合する。その部分の陥凹部は、スライディングロックの起動によって係合解除され得、コンポーネント間のシールを排除し、それらの分離、並びに、たとえば、中空ニードル14の除去及び交換を可能にする。
【0097】
また、ニードルアセンブリ10は、電源を含むか、又は、電源に取り外し可能に取り付けられ得る。たとえば、ニードルアセンブリ10は、装置の動作を駆動するバッテリのためのホルダを有することが可能であり、又は、バッテリを含むエレメントを受け入れるように構成され得る。ホルダは、バッテリの除去を必要とすることなく、ペアにされた充電ステーションによって、(たとえば、消耗したときに)バッテリを充電するように構成され得るか、又は、バッテリは、交換又は充電のために装置から除去され得る。別の実施形態では、ニードルアセンブリ10は、エレクトロニクス及びコンポーネント(たとえば、パワーコード)を含むことが可能であり、コンポーネントは、直流電流若しくは交流電流の供給部又は発電機などのような、外部電源から、エレクトロニクスが給電されることを可能にする。
【0098】
中空ニードルからのコアリングされた組織部分の除去のための機構
そのルーメンの内側にコアリングされた組織部分を含有するニードルが皮膚から引き抜かれた後に、たとえば、皮膚治療処置を継続するために、コアリングされた組織部分は、装置の中空ニードルのルーメンからの除去を必要とする可能性がある。コアリングされた組織部分は、それぞれの作動サイクルの後に、又は、複数の作動サイクルの後に、ニードルルーメンから除去されることが可能である。いくつかの実施形態では、組織除去ツール(たとえば、ピストン)が、中空ニードルの近位端(たとえば、ニードル先端の反対側の端部)から挿入され、コアリングされた組織部分を押し出すことが可能である。いくつかの実施形態では、コアリングされた組織部分は、圧力発生源(たとえば、真空)に連結されている吸引チューブを使用して、中空ニードルの遠位端を通して(たとえば、ニードル先端において)除去され得る。また、コアリングされた組織部分は、差圧(たとえば、真空)を印加することによって、中空ニードルの近位端を通して除去され得るか、又は、コアリングされた組織部分を遠位端から外へ押し出すために圧縮空気又は加圧流体を使用して、ニードルの遠位端から外へ除去され得る。
【0099】
組織除去ツール
組織除去ツールは、コアリングされた組織部分を中空ニードルのルーメンから外へ押し出すために使用され得る。組織除去ツールは、ピストン又はピンであることが可能であり、ピストン又はピンは、(たとえば、ルーメンの内側に真空を生成することなく(たとえば、組織除去ツールと中空ニードルのルーメンの壁部との間のギャップは、空気の通過を可能にするのに十分に大きい))中空ニードルのルーメンの内側にフィットすることが可能である。好適な実施形態では、組織除去ツールは、ピストンである。組織除去ツール(たとえば、ピストン)は、コアリングされた組織部分の構造的な完全性を破壊しない。いくつかの実施形態では、組織除去ツール(たとえば、ピストン)は、コアリングされた組織部分の部片としてではなく、実質的に損傷を受けていないコアリングされた組織部分(たとえば、図12の中のニードル先端18におけるコアリングされた組織部分74を参照)(それは、完全に除去することが困難である可能性がある)として、コアリングされた組織部分を中空ニードルのルーメンから外へ押し出すことが可能である。除去プロセスの間に実質的に損傷を受けていない組織部分として、コアリングされた組織部分の構造的な完全性を維持することは、中空ニードルからの効率的で完全な組織除去を促進する。
【0100】
ピストンは、さまざまな幾何学形状のものであることが可能である。ピストンの断面は、たとえば、丸形、楕円形、矩形、又は方形であることが可能である。好適な実施形態では、ピストンの断面は、丸形である。ピストンの幾何学形状は、中空ニードルのルーメンの形状にマッチしており、ピストンがルーメンの内側に十分にフィットするようになっており、ピストンが、たとえば、真空を生成することなく、中空ニードルの長手方向軸線に沿って自由に摺動することができるようになっている。ピストンは、中空ニードルの内径よりも小さい直径を有することが可能である(たとえば、0.01%から10%未満(たとえば、0.01%、0.05%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、又は10%未満)の直径)。ピストンの端部は、ピストンがコアリングされた組織部分をニードルの遠位端から外へ又はニードルの遠位端に向けて押すときに、コアリングされた組織部分に接触し、ピストンの端部は、丸形又は平坦であることが可能である。たとえば、図10に示されているように、ピストン102の端部101は、丸形である。丸みを帯びたピストン端部は、組織除去の間に、コアリングされた組織部分がピストンに取り付くことを防止することが可能である。ピストンは、ピストンと中空ニードルの内壁との間の摩擦及び摩耗を最小化するように研磨され得、したがって、内壁の損耗を低減させる。
【0101】
ピストンは、一定の位置に留まることが可能である。この例では、中空ニードルは、上下に移動され、静止したピストンに係合する。ピストンは、挿入され、また、中空ニードルのルーメンから引き抜かれ得る。図1A図1Fに示されているように、ニードルアセンブリ10の中空ニードル14は、皮膚の中へ突き通すために下に移動し、コアリングされた組織部分をそのルーメンの内側に捕獲及び保持する。中空ニードル14が皮膚から引き抜くために上に移動するとき、それは、組織除去ツール(たとえば、ピストン)13と接触するようになり、組織除去ツール13は、静止した状態に留まっている。組織除去ツール(たとえば、ピストン)13は、ニードルのルーメンの内側にフィットするように構築されている。中空ニードル14は、上向きに移動し続け、それは、組織除去ツール(たとえば、ピストン)13が、ルーメンの中へ及びニードル先端18に至るまで、より遠くへ延在することを可能にし、それによって、コアリングされた組織部分を、ニードル先端18に向けて又はニードル先端18から外へ押し出す。
【0102】
別の例では、コアリングされる組織部分をそのルーメンの内側に含有する中空ニードル14が皮膚から引き抜かれた後に、組織除去ツール(たとえば、ピストン)13が、中空ニードル14の端部に向けて下へ移動し、ニードルの近位端を通ってニードルルーメンに進入する。この例では、組織除去ツール(たとえば、ピストン)13がニードル先端18へ下向きに移動する間に、コアリングされた組織部分を含有する中空ニードル14は、静止した状態に留まっており、それによって、コアリングされた組織部分をニードル先端18に向けて又はニードル先端18から外へ押し出す。組織除去ツール(たとえば、ピストン)13の長さは、ニードルがその最上部位置にあって皮膚の中へ突き通していない間に、コアリングされた組織部分がニードル先端18に向けて又はニードル先端18から外へ押し出されることを可能にするように調節され得る。一つ以上のアクチュエータ(たとえば、xアクチュエータ、yアクチュエータ、及び/又はzアクチュエータ)(たとえば、図15A図15B、及び図16G図16Uに示されている、xアクチュエータ及びyアクチュエータを含む作動ユニット151)は、ニードルアセンブリ(たとえば、図1A図1F図15B、及び図16G図16Uに示されているニードルアセンブリ10)に連結され得、コアリングされた組織部分が組織除去ツール(たとえば、ピストン;たとえば、図1A図1Fに示されている組織除去ツール13を参照)によって押し出される前に、中空ニードル(たとえば、中空ニードル14)を皮膚表面から離れるように移動させ、コアリングされた組織部分が、それが押し出されたときに、皮膚表面の上に落下しないようになっている。
【0103】
吸引チューブ(たとえば、図1A図1Fに示されている吸引チューブ15)は、組織除去ツール(たとえば、ピストン)と組み合わせて使用され、コアリングされた組織部分をニードル先端から除去することが可能である。吸引チューブは、一定の位置に留まることが可能である。図11に示されているように、コアリングされた組織部分74が組織除去ツール(たとえば、ピストン)によってニードル先端18へ押された後に、ニードル先端18の近位に位置付けされている吸引チューブ15が使用され、コアリングされた組織部分74を吸い込み力によって除去することが可能である。吸引チューブ111の開口部は、ニードルがその最上部位置にあるときに、ニードル先端18の近位にあることが可能である。したがって、コアリングされた組織部分74がニードル先端18にあるときに、コアリングされた組織部分74は、圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)を使用して吸い込み力を印加することによって、吸引チューブ15の中へ吸引され得る。
【0104】
図1A図1Fに示されているように、圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)17は、吸引チューブ15に接続され、吸い込み力を提供することが可能である。いくつかの実施形態では、トラップ16が、吸引チューブ15と圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)17との間に搭載され、廃棄、その後の使用(たとえば、組織移植若しくは組織成長)、又は生化学分析のために、コアリングされた組織部分を収集し、コアリングされた組織部分が圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)17に進入することを防止することが可能である。図12は、ニードル先端18において、コアリングされた組織部分74をさらに示している。
【0105】
差圧
中空ニードルのルーメンの内側のコアリングされた組織部分は、ニードルを横切って差圧を印加することによって、ニードルの近位端又は遠位端に収集され得る。一つの実施形態では、コアリングされた組織部分をそのルーメンの内側に含有するニードルが皮膚から引き抜かれた後に、ニードルは、ドックステーション又は別個のユニットへ移動することが可能であり、ドックステーション又は別個のユニットは、圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)を含有することが可能であり、圧力発生源は、ニードルの近位端に吸い込み力及び/又は真空を提供する。吸い込み力及び/又は真空は、中空ニードルの近位端に印加され、コアリングされた組織部分をニードルから外へ、その近位端から引っ張り出すことが可能である。トラップは、ニードルの近位端において、ニードルと圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)との間に搭載されており、廃棄、その後の使用(たとえば、組織移植若しくは組織成長)、又は生化学分析のために、コアリングされた組織部分を収集し、コアリングされた組織部分が圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)に進入することを防止することが可能である。いくつかの実施形態では、差圧が、中空ニードル(たとえば、その長さにわたって可変の内側ルーメン直径を有し、また、少なくとも20°のベベル角度αを有する、スエージ加工された中空ニードル(たとえば、スエージ加工された中空ニードル54))に印加され得る。組織除去は、組織除去の方向に内側ルーメン直径を増加させることによって促進され得る。中空ニードル(たとえば、その長さにわたって可変の内側ルーメン直径を有し、また、少なくとも20°のベベル角度αを有する、スエージ加工された中空ニードル(たとえば、スエージ加工された中空ニードル54))の内側ルーメン直径の部分的な増加は、コアリングされた組織部分とニードルルーメンの壁部との間の摩擦を低減させることが可能である。たとえば、吸い込み力及び/又は真空は、中空ニードル(たとえば、その長さにわたって可変の内側ルーメン直径を有し、また、少なくとも20°のベベル角度αを有する、スエージ加工された中空ニードル(たとえば、スエージ加工された中空ニードル54))の近位端に印加され、コアリングされた組織部分を近位端から外へ引っ張り出すことが可能である。
【0106】
別の配置では、高い圧力の突発が、中空ニードルの近位端に印加され、コアリングされた組織部分をニードルから外へ、その近位端から引っ張り出すことが可能である。図13に図示されているように、高圧ポート131が、組織回収ポート132に連結され得、組織回収ポート132は、コアリングされた組織部分を収集する。
【0107】
別の実施形態では、コアリングされた組織部分をそのルーメンの内側に含有するニードルが皮膚から引き抜かれた後に、吸い込み力及び/又は真空を提供する圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)が、ニードルの遠位端の近位に設置され得る。吸い込み力及び/又は真空は、中空ニードルの遠位端に印加され、コアリングされた組織部分をニードルから外へ、その遠位端から引っ張り出すことが可能である。
【0108】
別の実施形態では、コアリングされた組織部分をそのルーメンの内側に含有するニードルが皮膚から引き抜かれた後に、組織除去ツール(たとえば、組織除去ツール(たとえば、ピストン)13)が使用され、コアリングされた組織部分をニードルの遠位端から外へ又はニードルの遠位端に向けて押すことが可能である。コアリングされた組織部分がニードルの遠位端にあるとき(たとえば、図12は、ニードル先端18にあるコアリングされた組織部分74を示している)、吸い込み力及び/又は真空が、中空ニードルの遠位端に適用され、コアリングされた組織を除去することが可能である。
【0109】
コアリングされた組織部分をニードルルーメンから除去するために、中空ニードルの近位端又は遠位端において吸い込み力及び/又は真空を提供するための圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)に関する非限定的な可能な圧力は、約-8mmHgから約-16mmHg(たとえば、-8、-9、-10、-11、-12、-13、-14、-15、及び-16mmHg)を含む。たとえば、圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)の吸引ラインの中の最小空気流量は、約1立方フィート毎分(CFM)から約6CFM(たとえば、1、2、3、4、5、及び6CFM(たとえば、3CFM))である。
【0110】
組織圧力
中空ニードルのルーメンの内側のコアリングされた組織部分は、その後の作動サイクルの間に、一つ以上の新しい組織部分の挿入によって、ニードルの近位端から外へ押し出され得る。中空ニードルの内壁は、たとえば、無菌生理食塩溶液によって潤滑され、複数の組織部分がニードルの中へ挿入されるときに、ニードルの閉塞を防止することが可能である。また、トラップは、ニードルの近位端に取り付けられ得、廃棄、その後の使用(たとえば、組織移植若しくは組織成長)、又は生化学分析のために、コアリングされた組織部分がニードルから外へ押し出されているときに、コアリングされた組織部分を収集する。
【0111】
圧縮空気又は加圧液体
ニードルのルーメンの内側のコアリングされた組織部分は、ニードルを通して圧縮空気又は加圧流体(たとえば、無菌生理食塩溶液)を適用することによって、ニードルから除去され得る。圧縮空気又は加圧流体は、近位端を通して適用され、コアリングされた組織部分をニードルの遠位端から外へ押し出すことが可能である。
【0112】
コアリングされた組織部分の除去のための他の機構
また、ニードルのルーメンの内側のコアリングされた組織部分は、ニードルに連結された加熱エレメントを使用して、ニードルから除去され得る。たとえば、ニードルに連結された加熱エレメントが作動され得、それは、ニードルを加熱し、コアリングされた組織部分が周囲の皮膚から分離することを促進する。コアリングされた組織部分は、中空ニードルのルーメンから除去される前に、乾燥され又は乾かされ得る。次いで、真空供給源は、加熱されたコアリングされた組織部分を除去するために適用され得る。
【0113】
圧力発生源
装置は、圧力発生源をさらに含むことが可能であるか、又は、そうでなければ、圧力発生源に連結され得る。圧力発生源は、コアリングされた組織部分を中空ニードルのルーメンから除去及び/又は収集するために適用され得、動作の間のニードル閉塞を防止する。一つの実施形態では、吸い込み力及び/又は真空は、装置の中空ニードルを介して適用され得る。中空ニードル及び圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)は、皮膚の中への中空ニードルの突き通しの後に、しかし、皮膚からの中空ニードルの除去の前に、吸い込み力及び/又は真空を提供することによって、コアリングされた組織部分を中空ニードルのルーメンから除去及び/又は収集するように構成され得る。中空ニードルによって組織の中へ突き通すことに続いて、真空が印加され、治療される皮膚エリアから、中空ニードルの近位端を通して、及び、中空ニードルを圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)に連結するチュービングを通して、中空ニードルのルーメンの中の組織部分を引き出すことが可能である。トラップは、中空ニードルの近位端と圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)との間に搭載され得、組織部分が圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)に進入することを防止する。また、圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)は、ルーメンの中に組織部分を含有する中空ニードルが皮膚から除去された後に起動され得る。
【0114】
代替的に、圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)は、別個の吸引チューブと一体化され得る。たとえば、以前に説明されているように、及び、図1A図1Fに示されているように、中空ニードル14に連結されている組織除去ツール(たとえば、ピストン)15は、中空ニードルの近位端から遠位端へ自由に摺動し、コアリングされた組織部分をニードル先端18に向けて又はニードル先端18から外へ押し出すことが可能である。圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)17と一体化された吸引チューブ15は、ニードル先端18の近位に設置され得、コアリングされた組織部分がニードル先端18へ押された後に、吸い込み力及び/又は真空を提供する。トラップ16は、吸引チューブ15と圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)17との間に搭載され得、コアリングされた組織部分が圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)17に進入することを防止する。
【0115】
圧力発生源は、低圧発生源であることが可能である。たとえば、圧力発生源は、真空及び/又は吸い込み力を提供することができ得る。真空供給源は、一つ以上の回転ポンプ、運動量移送ポンプ、拡散ポンプ、スクロールポンプ、及び/又はダイヤフラムポンプを含むことが可能である。いくつかの実施形態では、低圧発生源は、ハウス真空システム又は中央真空システムを含むことが可能である。他の実施形態では、吸い込み力供給源は、壁式又は携帯式の吸い込みデバイスを含むことが可能である。いくつかの実施形態では、真空供給源は、約6.3kPa未満(たとえば、約0.1kPaから約6kPa、たとえば、0.1kPaから6kPa、0.1kPaから5kPa、0.1kPaから4kPa、0.1kPaから3kPa、0.1kPaから2kPa、0.1kPaから1kPa、0.5kPaから6kPa、0.5kPaから5kPa、0.5kPaから4kPa、0.5kPaから3kPa、0.5kPaから2kPa、0.5kPaから1kPa、1kPaから6kPa、1kPaから5kPa、1kPaから4kPa、1kPaから3kPa、1kPaから2kPa、1.5kPaから6kPa、1.5kPaから5kPa、1.5kPaから4kPa、1.5kPaから3kPa、及び、1.5kPaから2kPaなど)の絶対圧力を提供する。
【0116】
スペーサ
本発明の装置は、中空ニードルの突き通しの深さを制御するように機能する一つ以上のスペーサを含むことが可能である。皮膚厚さは、身体の部位の間で、及び、いくつかのケースでは、被験者の間で、著しく変化する。組織突き通し深さは、適当なサイズの組織部分をコアリングすることを確保するために重要であり、また、皮下脂肪層を越えた組織層(たとえば、筋肉層)への傷害を回避するために重要である。一つ以上のスペーサが、たとえば、装置のカバーと皮膚との間で、装置に取り付けられ得る(図14A図14B、及び図16A図16Cを参照)。スペーサは、中空ニードルの挿入の深さを制御するように構成されており、皮膚の中への中空ニードルの延在及び突き通しの調節を可能にする。図14A及び図14Bは、中空ニードル14の異なる挿入深さを可能にする二つのスペーサ141及び142を示している。たとえば、装置のカバー161の遠位端に取り付けられている「ゼロ」スペーサ141(図14A)は、中空ニードル14の10mm挿入深さを可能にする。このタイプのスペーサは、中空ニードルの深い突き通しを必要とする厚い皮膚組織をコアリングするために、本発明の装置のカバーの遠位端に追加され得る。装置のカバー161の遠位端に取り付けられている「2mm」スペーサ142(図14B)は、中空ニードル14の8mm挿入深さを可能にする。厚いスペーサ(たとえば、図14Bのスペーサ142)は、中空ニードルの突き通しの深さを減少させるように構成され得、及び、薄い皮膚組織、たとえば、顔の皮膚組織をコアリングするために使用され得る。薄いスペーサ(たとえば、図14Aのスペーサ141)は、中空ニードルの突き通しの深さを増加させるように構成され得、及び、厚い皮膚組織をコアリングするために使用され得る。
【0117】
皮膚組織の面積及び/又は被験者に応じて、異なる厚さのスペーサが、装置の遠位端に(たとえば、装置に取り付けられているカバーの端部に)設置され得、異なる深さの組織突き通しを可能にする。いくつかの実施形態では、スペーサは、約0.01mmから約10mm(たとえば、0.1mmから10mm、0.1mmから9.5mm、0.1mmから9mm、0.1mmから8.5mm、0.1mmから8mm、0.1mmから7.5mm、0.1mmから7mm、0.1mmから6.5mm、0.1mmから6mm、0.1mmから5.5mm、0.1mmから5mm、0.1mmから4.5mm、0.1mmから4mm、0.1mmから3.5mm、0.1mmから3mm、0.1mmから2.5mm、0.1mmから2mm、0.1mmから1.5mm、0.1mmから1mm、0.1mmから0.5mm、0.1mmから10mm、0.5mmから10mm、1mmから10mm、1.5mmから10mm、2mmから10mm、2.5mmから10mm、3mmから10mm、3.5mmから10mm、4mmから10mm、4.5mmから10mm、5mmから10mm、5.5mmから10mm、6mmから10mm、6.5mmから10mm、7mmから10mm、7.5mmから10mm、8mmから10mm、8.5mmから10mm、9mmから10mm、及び、9.5mmから10mm)の厚さを有することが可能である。
【0118】
作動、並進、及び位置検出機構
装置は、皮膚の中へ又は皮膚を横切って中空ニードルを駆動するための作動機構をさらに含む。いくつかの実施形態では、本発明の装置の作動ユニットは、xアクチュエータ、yアクチュエータ、及びzアクチュエータを含むことが可能である。代替的に、本発明の装置の作動ユニット(たとえば、図15A及び図15Bに示されている作動ユニット151)は、xアクチュエータ及びyアクチュエータだけを含むことが可能であり、zアクチュエータ(たとえば、ボイスコイル)は、装置のニードルアセンブリの一部であることが可能である(たとえば、図1A図1Fに示されているニードルアセンブリ10のzアクチュエータ12)。いくつかの実施形態では、「x」アクチュエータ、「y」アクチュエータ、及び/又は「z」アクチュエータは、中空ニードルの手動配備と比較して、相対的に短い量の時間で、皮膚表面の大きいエリアの中へ、及び/又は、皮膚表面の大きいエリアを横切って、中空ニードルを駆動することが可能である。他の実施形態では、「x」アクチュエータ、「y」アクチュエータ、及び/又は「z」アクチュエータは、皮膚表面の小さいエリアの中へ、及び/又は、皮膚表面の小さいエリアを横切って、中空ニードルを駆動することが可能である(たとえば、顔の上の小さいエリア(たとえば、鼻と上唇との間のエリア))。他の実施形態では、「x」アクチュエータ、「y」アクチュエータ、及び/又は「z」アクチュエータは、皮膚表面の複数の大きいエリア及び/若しくは小さいエリアの中へ、並びに/又は、皮膚表面の複数の大きいエリア及び/若しくは小さいエリアを横切って、中空ニードルを駆動することが可能である。
【0119】
「z」アクチュエータは、中空ニードルによる皮膚の中への突き通し、及び/又は、挿入後の中空ニードルの後退を駆動することが可能である。いくつかの実施形態では、zアクチュエータ(たとえば、ボイスコイル)は、装置のニードルアセンブリの一部であり(たとえば、図1A図1Fに示されているニードルアセンブリ10のzアクチュエータ12)、ニードルアセンブリに取り外し可能に取り付けられ得る。装置は、皮膚の中への中空ニードルの突き通しの深さを制御又は変化させる能力を有する特徴又は設定を含むことが可能である。たとえば、ベースユニットのユーザインターフェースの上のスクロールホイールは、中空ニードルを物理的に後退させることによって、及び/又は、電気信号をzアクチュエータに提供することによって、中空ニードルによる突き通しの許容された深さを調節することが可能である。代替的に、ベースユニットのユーザインターフェースの上のデジタル制御は、中空ニードルによる皮膚の中への突き通し、及び、皮膚から外への後退の、深さ及び/又はタイミングを制御することが可能である。たとえば、手術者は、治療されているエリアに基づいて、皮膚の中への中空ニードルの特定の変位を要求するように、ベースユニットのコンピュータコンポーネントをプログラムすることが可能である。たとえば、zアクチュエータは、たとえば、厚い皮膚の中へ(たとえば、患者の背中の上に、若しくは、瘢痕組織の中へ)最大で約10mmまで、又は、たとえば、薄い皮膚の中へ(たとえば、患者の頬の上に)約1mmだけ、中空ニードルを変位させるようにプログラムされ得るか、又は、他の方法で設定され得る。zアクチュエータは、(i)真皮層の中へ、(ii)真皮層全体を通して、真皮層と皮下脂肪層との接合部へ、又は、(iii)皮下脂肪層の中へ、延在するように、中空ニードルを変位させるようにプログラムされ得るか、又は、他の方法で設定され得る。
【0120】
また、zアクチュエータは、中空ニードルの突き通しの間の皮膚の治療時間及び撓みを最小化するように、高速で動作することができるものであることが可能である。いくつかの実施形態では、z-方向への一つの作動サイクルは、約5ミリ秒から約50ミリ秒(たとえば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、及び50ミリ秒)を要する。いくつかの実施形態では、zアクチュエータは、皮膚組織の中へ下向きに約20mmから約30mm(たとえば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、及び30mm)トラベルするために、約20ミリ秒から約35ミリ秒(たとえば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、及び35ミリ秒)を要する。いくつかの実施形態では、zアクチュエータは、皮膚組織の中へ下向きに約23mmトラベルするために、約25ミリ秒から約30ミリ秒(たとえば、25、26、27、28、29、及び30ミリ秒)を要する。いくつかの実施形態では、zアクチュエータは、皮膚組織の中への約20mmから約30mm(たとえば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、及び30mm(たとえば、23mm))の突き通し深さから上向きに、約20mmから約30mm(たとえば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、及び30mm(たとえば、23mm))トラベルするために、約25ミリ秒から約35ミリ秒(たとえば、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、及び35ミリ秒(たとえば、30ミリ秒))を要する。いくつかの実施形態では、zアクチュエータは、突き通された皮膚組織から上向きに約23mmトラベルするために、約30ミリ秒を要する。
【0121】
zアクチュエータは、さらに、相対的に高い挿入力によって動作することができ得る。いくつかの実施形態では、皮膚の中への中空ニードルの挿入を確実にするために、中空ニードル一つ当たり、約0.5Nから約20N(たとえば、0.5Nから0.75N、0.5Nから1N、0.5Nから1.25N、0.5Nから1.5N、0.5Nから2N、0.5Nから5N、0.5Nから10N、0.5Nから12N、0.5Nから15N、0.5Nから20N、0.75Nから1N、0.75Nから1.25N、0.75Nから1.5N、0.75Nから2N、0.75Nから5N、0.75Nから10N、0.75Nから12N、0.75Nから15N、0.75Nから20N、1Nから1.25N、1Nから1.5N、1Nから2N、1Nから5N、1Nから10N、1Nから12N、1Nから15N、1Nから20N、1.25Nから1.5N、1.25Nから2N、1.25Nから5N、1.25Nから10N、1.25Nから12N、1.25Nから15N、1.25Nから20N、1.5Nから2N、1.5Nから5N、1.5Nから10N、1.5Nから12N、1.5Nから15N、1.5Nから20N、2Nから5N、2Nから10N、2Nから12N、2Nから15N、2Nから20N、5Nから10N、5Nから12N、5Nから15N、5Nから20N、10Nから12N、10Nから15N、10Nから20N、12Nから15N、12Nから20N、及び、15Nから20N)の力が印加され得る。いくつかの実施形態では、皮膚の中への中空ニードルの挿入を確実にするために、中空ニードル一つ当たり、約10Nから20N(たとえば、15N)の力が印加され得る。挿入力は、ニードルゲージに逆に相関し得る。たとえば、24ゲージニードルは、12Nの挿入力によって動作され得るが、一方、20ゲージニードルは、より高い挿入力によって動作され得る。また、zアクチュエータは、低い温度(たとえば、約43℃未満、たとえば、約43℃未満、42℃未満、41℃未満、40℃未満、39℃未満、38℃未満、37℃未満、36℃未満、又は35℃未満など)に装置を維持することができ、患者及びユーザの不快感を回避することが可能であり、及び/又は、皮膚組織への損傷を回避することが可能である(たとえば、皮膚組織の中のコラーゲンは、高い温度に敏感である)。これらの性質を有するアクチュエータタイプは、ボイスコイル(VC)アクチュエータ、空気圧式アクチュエータ、電磁アクチュエータ、カム付きのモータ、リードスクリュー付きのモータ(たとえば、ステッパモータ)、及び圧電式アクチュエータを含む。いくつかの実施形態では、zアクチュエータは、VCアクチュエータである。
【0122】
装置は、皮膚を横切って中空ニードルを並進させるために、「x」アクチュエータ及び/又は「y」アクチュエータを含むことが可能である。x/yアクチュエータは、皮膚治療範囲を確立するために使用され得る。いくつかの実施形態では、x/yアクチュエータは、小さい変位範囲(たとえば、約10mm未満(たとえば、10、9、8、7、6、5、4、3、2、及び1mm))によって特徴付けられ得る。いくつかの実施形態では、x/yアクチュエータは、比較的に大きい変位範囲(たとえば、最大で約30mmまで)によって特徴付けられ得る。x/yアクチュエータは、高い位置精度で動作することが可能である。たとえば、x/yアクチュエータは、選択された位置の30μm半径の中で(たとえば、30、25、20、15、10、又は5μm半径の中で)皮膚を突き通すように、中空ニードルを位置決めすることが可能である。x/yアクチュエータは、治療エリアを横切って連続的な治療を可能にする高い位置精度で動作することが可能である。治療エリアは、複数の治療部位を含有する皮膚エリアであることが可能であり、たとえば、九つの1cm治療部位を含有する3cm×3cmの治療エリアであることが可能である。x/yアクチュエータは、治療エリアの中での一つの治療部位から隣接する治療部位への、装置の中空ニードルの移動を促進することが可能である。また、x/yアクチュエータは、それぞれの治療部位の中での装置の中空ニードルの移動を促進することが可能である。x/yアクチュエータは、治療エリアの中の隣接する治療部位間のギャップを回避する、及び/又は、治療エリアの中の隣接する治療部位間の重なりを回避する、高い位置精度で動作することが可能である。
【0123】
また、x/yアクチュエータは、治療時間を最小化するために、比較的に高い速度で動作することが可能である。いくつかの実施形態では、x-方向及び/又はy-方向への一つの作動サイクルは、約50ミリ秒から約250ミリ秒(たとえば、50、75、100、125、150、175、200、225、及び250ミリ秒)を要する。いくつかの実施形態では、x-方向及び/又はy-方向への一つの作動サイクルは、約120ミリ秒から約160ミリ秒(たとえば、120、125、130、135、140、145、150、155、及び160ミリ秒(たとえば、約140ミリ秒))を要する。いくつかの実施形態では、x-方向及び/又はy-方向への一つの作動サイクルは、約0.6mmから約1mm(たとえば、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、及び1mm)トラベルするために、約120ミリ秒から約160ミリ秒(たとえば、120、125、130、135、140、145、150、155、及び160ミリ秒(たとえば、約140ミリ秒))を要する。いくつかの実施形態では、x-方向及び/又はy-方向への一つの作動サイクルは、約0.833mmトラベルするために、約140ミリ秒を要する。
【0124】
いくつかの実施形態では、x/yアクチュエータは、中空ニードル一つ当たり、約0.5Nから約20N(たとえば、0.5Nから0.75N、0.5Nから1N、0.5Nから1.25N、0.5Nから1.5N、0.5Nから2N、0.5Nから5N、0.5Nから10N、0.5Nから12N、0.5Nから15N、0.5Nから20N、0.75Nから1N、0.75Nから1.25N、0.75Nから1.5N、0.75Nから2N、0.75Nから5N、0.75Nから10N、0.75Nから12N、0.75Nから15N、0.75Nから20N、1Nから1.25N、1Nから1.5N、1Nから2N、1Nから5N、1Nから10N、1Nから12N、1Nから15N、1Nから20N、1.25Nから1.5N、1.25Nから2N、1.25Nから5N、1.25Nから10N、1.25Nから12N、1.25Nから15N、1.25Nから20N、1.5Nから2N、1.5Nから5N、1.5Nから10N、1.5Nから12N、1.5Nから15N、1.5Nから20N、2Nから5N、2Nから10N、2Nから12N、2Nから15N、2Nから20N、5Nから10N、5Nから12N、5Nから15N、5Nから20N、10Nから12N、10Nから15N、10Nから20N、12Nから15N、12Nから20N、及び、15Nから20N)の力で動作することができるものであってよく、その力が皮膚を横切ってニードルを並進させるために印加され得る。いくつかの実施形態では、皮膚を横切ってニードルを並進させるために、中空ニードル一つ当たり、約5Nから15N(たとえば、10N)の力が印加され得る。また、x/yアクチュエータは、患者不快感を引き起こし得るレベルまで装置温度を上昇させることを回避するために、低い温度(たとえば、約43℃未満、たとえば、約43℃未満、42℃未満、41℃未満、40℃未満、39℃未満、38℃未満、37℃未満、36℃未満、又は35℃未満など)で動作することができ得る。これらの性質を有するアクチュエータタイプは、ボイスコイル(VC)アクチュエータ、空気圧式アクチュエータ、電磁アクチュエータ、カム付きのモータ、圧電式アクチュエータ、及び、リードスクリュー付きのモータ(たとえば、ステッパモータ)を含む。いくつかの実施形態では、x/yアクチュエータは、リードスクリュー付きのステッパモータである。
【0125】
装置のいずれかにおいて、装置の一つ以上のコンポーネントは、一つ以上の中空ニードルを固定するように、及び/又は、中空ニードルの角度的な移動(たとえば、ぐらつき)を防止若しくは最小化するように、選択又は設計され得る。いくつかの実施形態では、xアクチュエータ、yアクチュエータ、及び/又はzアクチュエータは、中空ニードルの任意の著しい角度的な移動(たとえば、ぐらつき)を引き起こすことなく動作することができ得る。特定の実施形態では、zアクチュエータは、中空ニードルの任意の著しい角度的な移動(たとえば、ぐらつき)なしに直線的な方式で中空ニードルを挿入及び引き抜くことができ得る。中空ニードルは、ニードルアセンブリに固定され得、挿入する間のニードルの角度的な移動を、5°未満、たとえば、4°未満、3°未満、又は2°未満まで、最小化又は低減させるようになっている。挿入の間の~1~1.5°のニードルの角度的な移動は、通常の公差内にあり、一方、挿入の間の~4~5°以上のニードルの角度的な移動は、可能であれば回避されるべきである。たとえば、中空ニードルをニードルアセンブリの他のコンポーネントに接合するコンポーネントは、中空ニードルをしっかりと固定するために、低い機械公差によって設計され得る。これは、繰り返される使用から結果として生じ得る、中空ニードルの構造的な完全性の不安定化及び/若しくは低減の蔓延を低減させるか、又は、そのリスクを低下させることが可能である。たとえば、ニードルをしっかりと固定することは、ニードルの有効性を低減させ得る、ニードル先端の鈍化、曲げ、及びカールすることを、防止及び/又は最小化することが可能である。また、ニードルをしっかりと固定することは、重ね打ち(たとえば、ニードルによって作り出される孔部を1回以上打つ)のリスクを低減させることが可能である。
【0126】
xアクチュエータ、yアクチュエータ、及び/又はzアクチュエータを有する作動ユニットは、装置に一体化され得、又は、装置のニードルアセンブリ(たとえば、図1A図1F図15B、及び図16G図16Uに示されているニードルアセンブリ10)に取り外し可能に接続され得る。図15Aは、装置のニードルアセンブリ10に取り外し可能に取り付けられ得る、xアクチュエータ及びyアクチュエータを含む作動ユニット151を示している。図15Bは、作動ユニット151に接続されている本発明のニードルアセンブリ10を示しており、それは、ドレープ152の中にカバーされており、治療プロセスの間の無菌状態及び/又は清浄度を維持し、及び、作動ユニット151並びに治療エリアを汚染から保護する。いくつかの実施形態では、作動ユニット(装置の外部にある場合には;作動ユニット151)は、ニードルアセンブリのサポートベース(たとえば、図1A図1Fに示されているニードルアセンブリ10のサポートベース11)に接続され得る。いくつかの実施形態では、作動ユニット(たとえば、作動ユニット151)及びサポートベース(たとえば、サポートベース11)は、真空接続を確立することによって接続され得る。他の実施形態では、作動ユニット(たとえば、作動ユニット151)及びサポートベース(たとえば、サポートベース11)は、磁気的な接続を確立することによって接続され得る。他の実施形態では、作動ユニット(たとえば、作動ユニット151)及びサポートベース(たとえば、サポートベース11)は、たとえば、クイックコネクトクラスプを使用して、機械的な接続を確立することによって接続され得る。作動ユニット-サポートベース接続機構は、容易で迅速な接続及び切り離しのために取り外し可能に係合され得る。作動ユニット-サポートベース接続機構は、接着剤コンポーネント、磁気的なコンポーネント、電気的なコンポーネント、及び/又は機械的なコンポーネント(たとえば、一つ以上のガスケット、Oリング、セプタム、スプリング、クラスプ、及び他の係合部材)のうちの一つ以上を含むことが可能である。装置のニードルアセンブリ(たとえば、ニードルアセンブリのサポートベース(たとえば、図1A図1Fに示されているニードルアセンブリ10のサポートベース11))に作動ユニット(たとえば、作動ユニット151)を連結するために使用され得るさまざまなロッキング及び接続機構が、図17A図17I図18A図18C図19A図19C図20A図20E図21A図21D、及び図22A図22Dに示されており、本明細書でさらに詳細に説明されている。
【0127】
いくつかの実施形態では、作動ユニット(たとえば、作動ユニット151)及び本発明のニードルアセンブリ(図1A図1F図16B図16C、及び図16G図16Uに示されているニードルアセンブリ10)は、随意的に、カバーの中に囲まれ得、カバーは、作動ユニット及びニードルアセンブリを無菌に維持するために使用され得る。図16Aは、カバーの例、たとえば、カバー161を示している。カバー161は、クイックコネクトクラスプ162を含み、クイックコネクトクラスプ162は、作動ユニット(たとえば、作動ユニット151)及び本発明のニードルアセンブリ(図1A図1F図16B図16C、及び図16G図16Uに示されているニードルアセンブリ10)への機械的な接続を確立するために使用され得る。図16B及び図16Cは、ニードルアセンブリ及び作動ユニットがカバー161によって囲まれる前(図16A)及び後(図16B)の、作動ユニット151に接続されたニードルアセンブリ10を示している。追加的に、図16D図16Fは、ニードルアセンブリ(たとえば、ニードルアセンブリ10)及び作動ユニット(たとえば、作動ユニット151)を囲む、カバー(たとえば、カバー161)を含む装置163の三つの図を示している。図16G図16Iは、装置163の内側の断面図を示している。図16J図16Qは、作動ユニット151に接続されているニードルアセンブリ10を示している。図16R図16Uは、分解されたニードルアセンブリ10及び作動ユニット151を示している。また、他の接続する/シールする/囲むオプション(たとえば、磁気的な接続)も、装置のカバー(たとえば、カバー161)に係合するために利用可能である。
【0128】
zアクチュエータ、xアクチュエータ、及びyアクチュエータは、独立して、又は、一つ以上のボタン、キー、トグル、スイッチ、スクリュー、ダイアル、カーソル、スピンホイール、又は他のコンポーネントによって一緒に、起動され得る。いくつかの実施形態では、zアクチュエータ、xアクチュエータ、及びyアクチュエータのそれぞれは、(たとえば、ボタンなどのような別個の起動コンポーネントを使用して、又は、ユーザインターフェースの中の別個のコントロールを使用することによって)別々に制御され得る。
【0129】
装置は、皮膚を横切って装置全体を駆動するための並進機構をさらに含むことが可能である(たとえば、x-並進及びy-並進)。並進機構は、たとえば、ドライビングホイール又はロッドを含むことが可能である。並進機構は、皮膚を横切る装置の自動的な又は手動の並進を可能にすることができる。並進式コンポーネント(たとえば、ホイール)は、装置の上に配設され得るか、又は、装置の外部に配設され得る。並進式機構は、ボタン、キー、トグル、スイッチ、スクリュー、カーソル、ダイアル、スピンホイール、又は他のコンポーネントなどのような、アクティベータによって起動され得、及び/又は、ユーザインターフェースによってデジタル制御され得る。
【0130】
また、装置は、光学的なトラッキング機構などのような位置検出機構を含むことも可能である。位置検出機構(たとえば、カメラ、赤外線センサ、フォトダイオード、並びに、LED及び検出器)は、患者又は治療エリアに対する装置の移動をトラッキングすることを支援することが可能である。また、光学的なトラッキング機構は、皮膚を横切る装置の手動並進の瞬間に、皮膚表面の上への中空ニードルの設置を促進することが可能である。位置検出機構のための制御エレクトロニクスは、装置の中に、又は、装置の外部に、たとえば、ベースユニット若しくは別個のコンピュータの中に配設され得る。たとえば、位置検出機構は、以前のニードル挿入と現在の装置位置との間の距離をモニタリングし、また、装置が所望の位置(たとえば、ニードルが最後に挿入された位置から所定の距離の位置)に到達したときに、制御エレクトロニクスへ信号を送り、皮膚突き通し機構を作動させることが可能である。所望の距離及び/又は位置は、ユーザインターフェースにおいて制御され得る。
【0131】
また、装置は、ガイド又はテンプレートを含み、装置の中空ニードルの位置決めを促進することが可能である。ガイド又はテンプレートは、本発明の装置の中空ニードルが辿るための事前に設定されたアレイパターン(本明細書でさらに説明されている)を提供する一つ以上の孔部又は開口部を含有することが可能である。ガイド又はテンプレートは、単独で、又は、位置検出機構と組み合わせて、使用され得る。中空ニードルは、xアクチュエータ及び/又はyアクチュエータによって並進され、ガイド又はテンプレートを横切って移動し、ガイド又はテンプレートによって設定されたアレイパターンを辿り、ガイド又はテンプレートの中の孔部又は開口部において、皮膚組織部分を除去することが可能である。
【0132】
ロッキング又は接続機構
ロッキング又は接続機構は、たとえば、作動ユニット(たとえば、作動ユニット151)とニードルアセンブリのサポートベース(たとえば、サポートベース11)との連結、及び、作動ユニット(たとえば、作動ユニット151)と装置のカバー(たとえば、カバー161)との連結など、本明細書で説明されているコンポーネント及びユニットを連結するために使用され得る。ロッキング又は接続機構は、真空接続、磁気的な接続、及び/又は、機械的な接続(たとえば、クイックコネクトクラスプを使用する)によって確立され得る。本明細書で説明されている隣接するコンポーネント又はユニットを連結するために使用されるロッキング又は接続機構は、容易で迅速な接続及び切り離しのために取り外し可能に係合され得る。ロッキング又は接続機構は、接着剤コンポーネント、磁気的なコンポーネント、電気的なコンポーネント、及び/又は機械的なコンポーネント(たとえば、一つ以上のガスケット、Oリング、セプタム、スプリング、クラスプ、及び、他の係合部材)のうちの一つ以上を含むことが可能である。
【0133】
さまざまなロッキング又は接続機構は、図17A図17I図18A図18C図19A図19C図20A図20E図21A図21D、及び図22A図22Dに示されており、本明細書でさらに詳細に説明されている。図17A図17Dは、パーツ171及び172を有する磁気ラッチの四つの図を示している。図17A及び図17Bは、磁気ラッチの分解されたパーツ171及び172を示しており、図17C及び図17Dは、磁気ラッチの組み立てられたパーツ171及び172を示しており、図17E及び図17Fは、組み立てられた磁気ラッチの二つの断面図を示しており、図17Gは、パーツ172に接続されることになるパーツ171のセクションを示しており、図17H及び図17Iは、磁気ラッチのパーツ172の二つの図を示している。図18A図18Cは、パーツ181及び182を有する圧縮クランプの三つの図を示している。図18Aは、圧縮クランプの分解されたパーツ181及び182を示しており、図18Bは、圧縮クランプを形成するように組み立てられたパーツ181及び182を示しており、図18Cは、組み立てられた圧縮クランプの断面図を示している。図19A図19Cは、パーツ191及び192を有するスライディングクランプの三つの図を示している。図19Aは、スライディングクランプの分解されたパーツ191及び192を示しており、図19Bは、ロック解除された位置にあるクランプロックスイッチ193を有するスライディングクランプを形成するように組み立てられたパーツ191及び192を示しており、図19Cは、ロックされた位置にあるクランプロックスイッチ193を有するスライディングクランプを形成するように組み立てられたパーツ191及び192を示している。図20A図20Eは、パーツ201及び202を有する回転式ロックの五つの図を示している。図20Aは、回転式ロックの分解されたパーツ201及び202を示しており、図20Bは、ロック解除された位置にある回転式ロックを形成するように組み立てられたパーツ201及び202を示しており、図20Cは、ロックされた位置にある回転式ロックを形成するように組み立てられたパーツ201及び202を示しており、図20D及び図20Eは、ロックされた位置にある回転式ロックの二つの断面図を示している。図21A図21Dは、パーツ211及び212を有するクラスプラッチの四つの図を示している。図21Aは、ロック解除された位置にあるロッククリップ213を有するクラスプラッチを形成するように組み立てられたパーツ211及び212を示しており、図21B及び図21Cは、ロックされた位置にあるロッククリップ213を有するクラスプラッチを形成するように組み立てられたパーツ211及び212の二つの図を示しており、図21Dは、ロックされた位置にあるロッククリップ213を有する、組み立てられたクラスプラッチの断面図を示している。図22A図22Dは、パーツ221及び222を有するスライディング回転式ロックの四つの図を示している。図22Aは、スライディング回転式ロックの分解されたパーツ221及び222を示しており、図22B及び図22Cは、ロック解除された位置にあるスライドロックスイッチ223を有するスライディング回転式ロックを形成するように部分的に及び完全に組み立てられたパーツ221及び222を示しており、図22Dは、ロックされた位置にあるスライドロックスイッチ223を有するスライディング回転式ロックを形成するように組み立てられたパーツ221及び222を示している。
【0134】
図17A図17I図18A図18C図19A図19C図20A図20E図21A図21D、及び図22A図22Dのうちのいずれか一つに示されているロッキング又は接続機構を使用し、二つの隣接するコンポーネント又はユニットを連結するために、ロッキング又は接続機構の第1のパーツは、一つのコンポーネント又はユニットに取り付けられ得、ロッキング又は接続機構の第2のパーツは、隣接するコンポーネント又はユニットに取り付けられ得る。代替的に、装置のコンポーネント又はユニットは、ロッキング又は接続機構のパーツとして機能化され得る。たとえば、作動ユニット(たとえば、作動ユニット151)は、図17A図17Fのうちのいずれか一つに示されているパーツ171に取り付けられ得、ニードルアセンブリのサポートベース(たとえば、図1A図1Fに示されているニードルアセンブリ10のサポートベース11)は、図17A図17Fのうちのいずれか一つに示されているパーツ172として機能化され得る。したがって、磁気ラッチは、作動ユニット(たとえば、作動ユニット151)をニードルアセンブリのサポートベース(たとえば、サポートベース11)にロックするように形成され得る。
【0135】
アレイパターン
装置の一つ以上の中空ニードルは、皮膚組織の部分を除去すると、皮膚の中にアレイパターンを形成するように構成され得る。アレイパターンは、一つ以上の列で、又は、半ランダムの空間的分布で、孔部を含むことが可能である。アレイパターンのサイズ及び幾何学形状は、治療されている皮膚のエリア及び条件に基づいて発生され得る。たとえば、小さいアレイパターンは、口の周囲のエリアの治療のために発生され得、一方、大きいアレイパターンは、腹部の治療に適切である可能性がある。いくつかの実施形態では、アレイパターンは、異なる数及び/又は配置の複数の中空ニードルを使用して発生され得る。いくつかの実施形態では、アレイパターンは、一つの中空ニードルを使用して発生され得、一つの中空ニードルは、複数の作動サイクルを経験することが可能であり、xアクチュエータ及び/又はyアクチュエータによって皮膚領域の表面を横切って並進され、アレイパターンを発生させることが可能である。いくつかの実施形態では、アレイパターンは、複数の中空ニードル(たとえば、中空ニードルのアレイ)を使用して発生され得、複数の中空ニードルは、一つ以上の作動サイクルを経験し、アレイパターンを発生させることが可能である。皮膚組織の中に孔部のアレイパターンを発生させるために必要とされる作動サイクルの数は、アレイパターンのサイズ、中空ニードルのゲージ又は内径、中空ニードルの数、及び、除去されることになる皮膚組織の量、たとえば、除去される皮膚組織の面積割合によって決定される。除去される組織の「面積割合」は、装置の中空ニードルによって発生される孔部によってカバーされる皮膚組織表面の割合を表している。換言すれば、除去される組織の面積割合は、合計の皮膚治療面積に対する、コアリングされた組織部分の合計量によってカバーされる面積の比率を表している。一つの実施形態では、一つ以上の中空ニードルは、治療面積の中の、約0.01から約0.65(たとえば、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、及び0.65)の面積割合の組織を除去するように構成され得る。別の実施形態では、一つ以上の中空ニードルは、治療面積の中の、約0.1未満、たとえば、約0.01から約0.05(たとえば、0.01、0.015、0.02、0.025、0.03、0.035、0.04、0.045、及び0.05)などの面積割合の組織を除去するように構成され得る。別の実施形態では、一つ以上の中空ニードルは、治療面積の中の、約0.02から約0.03(たとえば、0.02、0.021、0.022、0.023、0.024、0.025、0.026、0.027、0.028、0.029、及び0.03、たとえば、0.025)の面積割合の組織を除去するように構成され得る。いくつかの実施形態では、治療面積の中の、約0.01から約0.65(たとえば、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、及び0.65)の面積割合の組織が、皺低減のために除去され得る。いくつかの実施形態では、治療面積の中の、約0.02から約0.03(たとえば、0.02、0.021、0.022、0.023、0.024、0.025、0.026、0.027、0.028、0.029、及び0.03、たとえば、0.025)の面積割合の組織が、皺低減のために除去され得る。下記の表3は、24ゲージの中空ニードルを使用して異なる身体のエリアの治療のために必要とされる作動サイクルの数を示している。
【0136】
【表3】
【0137】
装置は、同じ又は異なる構成を有する一つ以上の中空ニードルへの取り外し可能な取り付けのために構成され得る。装置は、わずか1本の中空ニードル又は数百本もの数の中空ニードルを有することが可能である。いくつかの実施形態では、1~100本の中空ニードルが存在することが可能である(たとえば、1~10、1~20、1~30、1~40、1~50、1~60、1~70、1~80、1~90、1~100、3~10、3~20、3~30、3~40、3~50、3~60、3~70、3~80、3~90、3~100、5~10、5~20、5~30、5~40、5~50、5~60、5~70、5~80、5~90、5~100、10~20、10~40、10~60、10~80、10~100、20~40、20~60、20~80、20~100、40~60、40~80、40~100、60~80、60~100、又は、80~100本の中空ニードル)。アレイパターンを発生させるために複数の中空ニードルのアレイを使用することは、より少ない時間で、より大きいエリアにわたる皮膚治療を促進することが可能である。
【0138】
中空ニードルのアレイの中の二つの中空ニードルの間の最小距離は、約0.1mmから約50mmの間(たとえば、0.1mmから0.2mm、0.1mmから0.5mm、0.1mmから1mm、0.1mmから2mm、0.1mmから5mm、0.1mmから10mm、0.1mmから15mm、0.1mmから20mm、0.1mmから30mm、0.1mmから40mm、0.1mmから50mm、0.2mmから0.5mm、0.2mmから1mm、0.2mmから2mm、0.2mmから5mm、0.2mmから10mm、0.2mmから15mm、0.2mmから20mm、0.2mmから30mm、0.2mmから40mm、0.2mmから50mm、0.5mmから1mm、0.5mmから2mm、0.5mmから5mm、0.5mmから10mm、0.5mmから15mm、0.5mmから20mm、0.5mmから30mm、0.5mmから40mm、0.5mmから50mm、1mmから2mm、1mmから5mm、1mmから10mm、1mmから15mm、1mmから20mm、1mmから30mm、1mmから40mm、1mmから50mm、2mmから5mm、2mmから10mm、2mmから15mm、2mmから20mm、2mmから30mm、2mmから40mm、2mmから50mm、5mmから10mm、5mmから15mm、5mmから20mm、5mmから30mm、5mmから40mm、5mmから50mm、10mmから15mm、10mmから20mm、10mmから30mm、10mmから40mm、10mmから50mm、15mmから20mm、15mmから30mm、15mmから40mm、15mmから50mm、20mmから30mm、20mmから40mm、20mmから50mm、30mmから40mm、30mmから50mm、及び、40mmから50mm)にあることが可能である。いくつかの実施形態では、中空ニードルのアレイの中の二つの中空ニードルの間の距離は、約15mm未満である。最小距離は、アレイパターンの最小サイズに対応することが可能であり、一方、最大距離は、アレイパターンの最大サイズに対応することが可能である。
【0139】
異なるサイズ及び幾何学形状のアレイパターンは、治療の面積、及び、治療されている皮膚条件に基づいて発生され得る。また、アレイパターンは、所与の装置の作動機構及び制御エレクトロニクスとの適合性(compatibility)のために発生され得る。代替的に、装置の作動機構及び制御エレクトロニクスは、所望のアレイパターンサイズ及び/又は幾何学形状との適合性のために選択され得る。たとえば、長い線形のアレイパターンは、ドライビングホイールを備えた並進式機構を使用して発生され得、一方、大きい矩形のアレイは、皮膚を横切って中空ニードルを駆動するためにxアクチュエータ及び/又はyアクチュエータを使用して発生され得る。
【0140】
装置のいずれかにおいて、一つ以上の中空ニードルは、装置が適用されている皮膚領域(たとえば、治療エリア)1cmの面積当たり、約10個から約10000個以上のコアリングされた組織部分(たとえば、1cm当たり、10個から50個、10個から100個、10個から200個、10個から300個、10個から400個、10個から500個、10個から600個、10個から700個、10個から800個、10個から900個、10個から1000個、10個から2000個、10個から4000個、10個から6000個、10個から8000個、10個から10000個、50個から100個、50個から200個、50個から300個、50個から400個、50個から500個、50個から600個、50個から700個、50個から800個、50個から900個、50個から1000個、50個から2000個、50個から4000個、510個から6000個、50個から8000個、50個から10000個、100個から200個、100個から300個、100個から400個、100個から500個、100個から600個、100個から700個、100個から800個、100個から900個、100個から1000個、100個から2000個、100個から4000個、100個から6000個、100個から8000個、100個から10000個、200個から300個、200個から400個、200個から500個、200個から600個、200個から700個、200個から800個、200個から900個、200個から1000個、200個から2000個、200個から4000個、200個から6000個、200個から8000個、200個から10000個、300個から400個、300個から500個、300個から600個、300個から700個、300個から800個、300個から900個、300個から1000個、300個から2000個、300個から4000個、300個から6000個、300個から8000個、300個から10000個、400個から500個、400個から600個、400個から700個、400個から800個、400個から900個、400個から1000個、400個から2000個、400個から4000個、400個から6000個、400個から8000個、400個から10000個、500個から600個、500個から700個、500個から800個、500個から900個、500個から1000個、500個から2000個、500個から4000個、500個から6000個、500個から8000個、500個から10000個、600個から700個、600個から800個、600個から900個、600個から1000個、600個から2000個、600個から4000個、600個から6000個、600個から8000個、600個から10000個、700個から800個、700個から900個、700個から1000個、700個から2000個、700個から4000個、700個から6000個、700個から8000個、700個から10000個、800個から900個、800個から1000個、800個から2000個、800個から4000個、800個から6000個、800個から8000個、800個から10000個、900個から1000個、900個から2000個、900個から4000個、900個から6000個、900個から8000個、900個から10000個、1000個から2000個、1000個から4000個、1000個から6000個、1000個から8000個、1000個から10000個、2000個から4000個、2000個から6000個、2000個から8000個、2000個から10000個、4000個から6000個、4000個から8000個、4000個から10000個、6000個から8000個、6000個から10000個、及び、8000個から10000個の組織部分)を提供するように構成され得る。
【0141】
ベースユニット及びユーザインターフェース
本発明の装置は、ベースユニットと連動することが可能であり、ベースユニットは、たとえば、ユーザインターフェース、電源、制御エレクトロニクス、装置の動作を駆動するための機構、及び他のコンポーネントを含むことが可能である。ベースユニットは、コンピュータを特徴とすることが可能であり、コンピュータは、本発明の装置のいずれか又はすべての態様を動作及び/又は制御するようにプログラムされ得る。
【0142】
ベースユニットの中のユーザインターフェースは、ボタン、キー、スイッチ、トグル、スピンホイール、スクリーン、タッチスクリーン、キーボード、カーソル、ダイアル、インジケータ、ディスプレイ、及び/又は、他のコンポーネントを含むことが可能である。ユーザインターフェースは、ニードルアセンブリ(たとえば、ニードルアセンブリ10)を形成するための、サポートベース(たとえば、サポートベース11)、zアクチュエータ(たとえば、ボイスコイル;zアクチュエータ12)、組織除去ツール(たとえば、ピストン)(たとえば、組織除去ツール13)、中空ニードル(一つ以上の)(たとえば、中空ニードル14)、吸引チューブ(たとえば、吸引チューブ15)、トラップ(たとえば、トラップ16)、圧力発生源(たとえば、真空ポンプ(たとえば、圧力発生源17)、及び/若しくはスキャッフォールド18の適正な連結及び取り付け、装置の充電状態及び/若しくは給電状態、中空ニードルのモード及び/若しくは位置、低い圧力又は高い圧力の印加、装置コンポーネントの作動、並びに/又は、他の有用な兆候を指示するように構成され得る。ユーザインターフェースは、装置の中空ニードルの数及び種類、治療エリア、治療範囲(たとえば、除去された皮膚表面積の面積割合)、中空ニードルの配置、中空ニードルによる突き通しの可能深さ、動作の機構又はモード、中空ニードルの使用カウント、及び、他の有用な情報についての情報を提供するように構成され得る。ユーザインターフェースは、パラメータ及び/若しくは動作モードの調節、高い圧力若しくは低い圧力の印加、並びに/又は、中空ニードルによる皮膚の中への突き通しの起動を可能にすることができる。また、ユーザインターフェースは、別のユニットへ情報を送信し、及び/又は、別のユニットから情報を受信するように構成され得る。たとえば、装置の上のユーザインターフェースにおけるユーザアクションは、ベースユニットのユーザインターフェースによって反映され得、又は、その逆も同様である。
【0143】
ベースユニットは、ボタン、キー、スイッチ、トグル、スピンホイール、及び/又は、他の起動機構を含むことが可能であり、パラメータ及び/若しくは動作モードの調節、高い圧力又は低い圧力の印加、中空ニードルによる皮膚の中への突き通し、並びに/又は、ベースユニット及び/又は圧力発生源の電源オン若しくは電源オフを可能にする。これらのコンポーネントは、ベースユニットのユーザインターフェースに一体化され得る。
【0144】
ベースユニットは、装置、圧力発生源、及び/又は、装置に連結された他のコンポーネントの動作を制御するためのエレクトロニクスをさらに含むことが可能である。たとえば、ベースユニットは、一つ以上のマイクロコントローラ、プログラマブルロジック、ディスクリートエレメント、及び/又は、他のコンポーネントを含むことが可能である。ベースユニットは、一つ以上の電源をさらに有することが可能である。電源は、バッテリ、交流発電機、発電機、及び/又は、他のコンポーネントを含むことが可能である。ベースユニットは、たとえば、システム動作のために、メインパワーをDCへ変換することを可能にするように構成され得る。いくつかの実施形態では、ベースユニットは、バッテリ式の装置とともに使用するためのバッテリ充電ステーションを有している。
【0145】
ベースユニットは、ユーザインターフェースを含むことが可能であり、ユーザインターフェースは、たとえば、中空ニードルがニードルアセンブリの中に適正に搭載されていること、ニードルアセンブリが作動ユニットに適正に連結されていること、装置が充電されるか又はその他の方法で給電されていること(たとえば、バッテリ寿命の残量)、中空ニードルが拡張位置又は後退位置にあること、圧力発生源が装置に連結されていること、コアリングされた組織部分を収集するためのトラップの充填レベル、及び/又は、他の有用な情報を示す。ユーザインターフェースは、装置についての情報、たとえば、装置の中空ニードルの数、中空ニードルの配置、中空ニードルによる組織突き通しの可能深さ、動作の機構若しくはモード、及び/又は、他の有用な情報などを含むことが可能である。ユーザインターフェースは、ボタン、キー、スイッチ、トグル、スピンホイール、LEDディスプレイ、及び/又はタッチスクリーンを含むことが可能であり、それは、ユーザが、装置の動作の間のさまざまなパラメータ又は構成を観察及び変化させること、圧力発生源を起動させること、及び/又は、中空ニードルによる皮膚の中への突き通しを開始させることを可能にする。また、ユーザインターフェースは、コンピュータなどのような、別のユニットへ情報を送信し、及び/又は、別のユニットから情報を受信するように構成され得る。
【0146】
追加的なコンポーネント
カメラ及び/又はビューイングステーションなどのような、追加的なコンポーネントが、本発明の装置に連結され得る。カメラは、治療の前、治療の間、又は、治療の後に、治療エリアをイメージングするために使用され得る。いくつかの実施形態では、カメラは、装置の中又は装置の上に配設され得る。カメラは、コンピュータなどのような、ビューイングステーションへ信号を送信することが可能であり、ビューイングステーションは、デバイスオペレーターの視線の中に配設され得る。カメラによってビューイングステーション(たとえば、コンピュータ)に送信される一つ以上のイメージは、可視化ソフトウェアによって処理され得る。可視化ソフトウェアは、治療エリアの中の孔部密度(たとえば、単位面積当たりに発生される孔部の数)を計算することができ得る。カメラによってビューイングステーション(たとえば、コンピュータ)に送信される一つ以上のイメージは、皮膚を治療している手術者を支援することが可能である。流体システムが、本発明の装置に連結され、たとえば、生理食塩水又は殺菌溶液によって、皮膚のクリーニングを促進することが可能である。
【0147】
本発明の中空ニードル、ニードルアセンブリ、作動ユニット、装置、キット、及び方法は、医療記録システム、たとえば、コンピュータ化された患者記録システム(CPRS)、及び/又はグラフィックユーザインターフェース(GUI)などと組み合わせて使用され得る。グラフィックユーザインターフェースは、患者の治療部位のさまざまなパラメータに関する情報、たとえば、アレイパターンのサイズ、及び、それぞれの治療部位の中に関して選択されることになる孔部の数を提供することが可能である。
【0148】
材料
本発明の中空ニードル、ニードルアセンブリ、作動ユニット、装置、キット、及び方法は、任意の有用な材料を含むことが可能である。たとえば、ニードルアセンブリは、任意の有用なポリマー若しくはプラスチックを含むことが可能であり、及び/又は、任意の有用なポリマー若しくはプラスチックから形成され得る。そのような材料は、アルギン酸塩、ベンジルヒアルロネート、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテート、キトサン、コラーゲン、デキストラン、エポキシ、ゼラチン、ヒアルロン酸、ヒドロコロイド、ナイロン(たとえば、ナイロン6又はPA6)、ペクチン、ポリ(3-ヒドロキシルブチレート-コ-ポリ(3-ヒドロキシルバレレート)、ポリアルカン、ポリアルケン、ポリアルキン、ポリアクリル酸塩(PA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリカーボネート(PC)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエステル(PE)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、PEO/ポリカーボネート/ポリウレタン(PEO/PC/PU)、ポリ(エチレン-コ-ビニルアセテート)(PEVA)、PEVA/ポリ乳酸(PEVA/PLA)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、PET/ポリ(エチレンナフタレート)(PET/PEN)ポリガラクチン、ポリグリコール酸(PGA)、ポリグリコール酸/ポリ乳酸(PGA/PLA)、ポリイミド(PI)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ-L-ラクチド(PLLA)、PLLA/PC/ポリビニルカルバゾール(PLLA/PC/PVCB)、ポリ(β-リンゴ酸)-コポリマー(PMLA)、ポリメタクリレート(PMA)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン(PU)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリビニルカルバゾール(PVCB)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)、ポリビニルピロリドン(PVP)、シリコーン、レーヨン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、又は、それらの組み合わせを含むことが可能である。本発明のポリマー及び/又はプラスチックは、複合材料であることが可能であり、複合材料の中において、セラミック又は粒子などのような、ポリマー及び/又はプラスチックへの添加剤が、機械的な特性を変更している。
【0149】
また、本発明のエレメント(たとえば、装置のすべて若しくは一部分、たとえば、ニードルアセンブリのすべて若しくは一部分など、作動ユニット、又は、他のコンポーネント)は、任意の有用な金属若しくは金属合金を含むことが可能であり、及び/又は、任意の有用な金属若しくは金属合金から形成され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、中空ニードルは、金属ニードルであることが可能である。本発明において取り上げられる金属及び合金は、ステンレス鋼;チタン;ニッケル-チタン(NiTi)合金;ニッケル-チタン-ニオブ(NiTiNb)合金;ニッケル-鉄-ガリウム(NiFeGa)合金;ニッケル-マンガン-ガリウム(NiMnGa)合金;銅-アルミニウム-ニッケル(CuAlNi)合金;銅-亜鉛(CuZn)合金;銅-スズ(CuSn)合金;銅-亜鉛-アルミニウム(CuZnAl)合金;銅-亜鉛-ケイ素(CuZnSi)合金;銅-亜鉛-スズ(CuZnSn)合金;銅-マンガン合金;金-カドミウム(AuCd)合金;銀-カドミウム(AgCd)合金;鉄-プラチナ(FePt)合金;鉄-マンガン-ケイ素(FeMnSi)合金;コバルト-ニッケル-アルミニウム(CoNiAl)合金;コバルト-ニッケル-ガリウム(CoNiGa)合金;又はチタン-パラジウム(TiPd)合金を含む。また、本発明のエレメントは、ガラスを含むことが可能であり、及び/又は、ガラスから形成され得る。たとえば、本発明の装置は、一つ以上のガラス中空ニードルを含むことが可能である。
【0150】
本発明の中空ニードル、ニードルアセンブリ、作動ユニット、装置、キット、及び方法は、一つ以上の接着剤を含有することが可能である。接着剤は、表面の上に位置付けされ得、エレメント間に位置付けされ得、又は、その他の方法で本発明のエレメントに接着され得る。有用な接着剤は、生体適合性マトリックス(たとえば、コラーゲン(たとえば、コラーゲンスポンジ)、低溶融アガロース(LMA)、ポリ乳酸(PLA)、及び/又はヒアルロン酸(たとえば、ヒアルロナン)のうちの少なくとも一つを含むもの);光増感剤(たとえば、ローズベンガル、リボフラビン-5-ホスフェート(R-5-P)、メチレンブルー(MB)、N-ヒドロキシピリジン-2-(1H)-チオン(N-HTP)、ポルフィリン、又はクロリン、及び、それらの前駆体);光科学剤(たとえば、1,8ナフタルイミド);合成グルー(たとえば、シアノアクリレート接着剤、ポリエチレングリコール接着剤、又はゼラチン-レゾルシノール-ホルムアルデヒド接着剤);生物学的シーラント(たとえば、リボフラビン-5-ホスフェート及びフィブリノゲンの混合物、フィブリン系シーラント、アルブミン系シーラント、又はデンプン系シーラント);又は、フック若しくはループ及びアイシステム(hook or loop and eye system)(たとえば、Velcro(登録商標)に使用されているようなもの)を含む。いくつかの実施形態では、接着剤は、生分解性である。
【0151】
接着剤は、感圧接着剤(PSA)であることが可能である。感圧接着剤の特性は、三つのパラメータ、すなわち、粘着性(初期接着力)、剥離強度(接着力)、及び剪断強度(凝集)によって支配される。感圧接着剤は、溶媒性の方法、水性の方法、及びホットメルト方法を含む、いくつかの方式で合成され得る。粘着性は、わずかな圧力及び短い滞留時間の下での初期接着力であり、接触表面を湿らせる接着剤の能力に依存する。剥離強度は、PSAを接触表面から除去するために必要とされる力である。剥離接着力は、粘着性、結合歴(たとえば、力、滞留時間)、及び接着剤組成を含む、多くの要因に依存する。剪断強度は、連続的な応力に対する接着剤の抵抗の測定値である。剪断強度は、接着剤の内部接着力、クロスリンク、及び粘弾性特性を含む、いくつかのパラメータによって影響を受ける。永久的接着剤は、一般的に、剥離に対して抵抗力があり、非常に高い剥離強度及び剪断強度を所有している。感圧接着剤は、天然ゴム、合成ゴム(たとえば、スチレン-ブタジエン及びスチレン-エチレンコポリマー)、ポリビニルエーテル、ポリウレタン、アクリル、シリコーン、及びエチレン酢酸ビニルコポリマーを含むことが可能である。ガラス転移温度(Tg)又はクロスリンクの程度を変化させて組成(モノマーコンポーネントを介する)を変えることによって、コポリマーの接着剤特性は変更され得る。一般に、より低いTgを有するコポリマーは、より剛性が小さく、より高いTgを有するコポリマーは、より剛性が大きい。コンポーネントの添加により粘度又は機械的特性を変更することによって、PSAの粘着性は変更され得る。感圧接着剤は、Czechら、”Pressure-Sensitive Adhesives for Medical Applications,” in Wide Spectra of Quality Control, Dr. Isin Akyar (Ed., published by InTech), Chapter 17 (2011)にさらに説明されており、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0152】
装置、方法、又はキットは、一つ以上の有用な治療剤を含有することが可能であるか、又は、一つ以上の有用な治療剤を送達するように構成され得る。たとえば、本発明の装置の中空ニードルは、一つ以上の治療剤を皮膚に投与するように構成され得る。本発明の装置の中空ニードルは、コアリングされた組織部分を除去することによって、局所的血液供給及び局所的灌流への直接的なチャネル又は孔部を生成することができ得る。直接的なチャネル又は孔部は、有用な治療剤を送達するために使用され得る。中空ニードルのサイズ(たとえば、直径及び/又は有効長さ)に応じて、異なる直径及び/又は突き通し深さを有する孔部が生成され得る。たとえば、大きい直径(たとえば、18ゲージ)及び/又は長い有効長さを有する中空ニードルが使用され、大きい体積用量の治療剤を送達するための送達チャネルとして使用され得る、大きくて深い孔部を生成することが可能である。いくつかの実施形態では、孔部は、プラグされ得る。いくつかの実施形態では、孔部は、包帯(たとえば、圧迫包帯若しくは密封包帯)及び/又はクロージャ(たとえば、バンデージ、止血剤、縫合糸、若しくは接着剤)によってカバーされ、送達される治療剤が皮膚から漏れ出すことを防止し、及び/又は、治療される皮膚エリアの湿分を維持することが可能である。装置の中空ニードルによって生成された孔部を通した有用な治療剤の送達は、治療剤の投薬の精密な制御を提供することが可能である。
【0153】
有用な治療剤の例は、一つ以上の成長因子(たとえば、血管内皮成長因子(VEGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGF-β)、線維芽細胞成長因子(FGF)、表皮成長因子(EGF)、及びクラチノサイト成長因子);一つ以上の幹細胞(たとえば、脂肪組織由来幹細胞及び/又は骨髄由来間葉幹細胞);一つ以上の皮膚白化剤(たとえば、ハイドロキノン);一つ以上のビタミンA誘導体(たとえば、トレチノイン)、一つ以上の鎮痛剤(たとえば、パラセタモール/アセトアミノフェン、アスピリン、本明細書で説明されているような非ステロイド性抗炎症薬、本明細書で説明されているようなシクロオシキゲナーゼ-2-特異的阻害剤、デキストロプロポキシフェン、コ-コダモール、オピオイド(たとえば、モルフィン、コデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、ジヒドロモルフィン、ペチジン、ブプレノルフィン、トラマドール又はメサドン)、フェンタニル、プロカイン、リドカイン、テトラカイン、ジブカイン、ベンゾカイン、p-ブチルアミノ安息香酸2-(ジエチルアミノ)エチルエステルHCl、メピバカイン、ピペロカイン、ジクロニン、又はベンラファキシン);一つ以上の抗生物質(たとえば、セファロスポリン、バシトラシン、ポリミキシンB硫酸塩、ネオマイシン、ビスマストリブロモフェネート、又はポリスポリン);一つ以上の抗真菌薬(たとえば、ニスタチン);一つ以上の抗炎症剤(たとえば、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID、たとえば、イブプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ピロキシカム、インドメタシン、ジクロフェナク、スリンダク、ナプロキセン、アスピリン、ケトロラク、又はタクロリムス)、シクロオキシゲナーゼ-2-特異的阻害薬剤(COX-2阻害剤、たとえば、ロフェコキシブ(Vioxx(登録商標))、エトリコキシブ、及びセレコキシブ(Celebrex(登録商標)))、グルココルチコイド剤、Tリンパ球機能に向けられた特異的サイトカイン)、ステロイド(たとえば、コルチコステロイド、たとえば、グルココルチコイド(たとえば、アルドステロンベクロメタゾン、ベタメタゾン、コルチゾン、デオキシコルチコステロンアセテート、デキサメタゾン、フルドロコルチゾンアセテート、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、若しくはトリアムシノロン)など、又は、ミネラルコルチコイド剤(たとえば、アルドステロン、コルチコステロン、若しくはデオキシコルチコステロン)など)、又は、免疫選択的抗炎症誘導体(たとえば、フェニルアラニン-グルタミン-グリシン(FEG)及びそのD-異性体形態(feG)));一つ以上の抗微生物剤(たとえば、クロルヘキシジングルコン酸塩、ヨウ素(たとえば、ヨードチンキ、ポビドンヨード、又はルゴールヨウ素(Lugol’s iodine))、又は、銀、たとえば、硝酸銀(たとえば、0.5%溶液として)、スルファジアジン銀(たとえば、クリームとして)、又は、一つ以上の有用なキャリア(たとえば、アルギン酸塩、たとえば、Smith & Nephew、London、U.K.から入手可能な、高密度ポリエチレンの中にナノ結晶銀コーティングを含むActicoat(登録商標)、又は、Systagenix、Gatwick、U.K.から入手可能な、アルギン酸塩、カルボキシメチルセルロース、及び銀コーティングされたナイロンファイバの混合物を含む、Silvercel(登録商標);フォーム(たとえば、Coloplast A/S、Humlebaek、Denmarkから入手可能な、軟質親水性ポリウレタンフォーム及び銀を含むContreet(登録商標)Foam);ヒドロコロイド(たとえば、Conva Tec Inc.、Skillman、NJから入手可能な、イオン性銀及びヒドロコロイドを含むAquacel(登録商標)Ag);又は、ヒドロゲル(たとえば、Medline Industries Inc.、Mansfield、MAから入手可能な、イオン性銀を含むSilvasorb(登録商標))など)の中のAg;一つ以上の消毒剤(たとえば、アルコール、たとえば、エタノール(たとえば、60~90%)、1-プロパノール(たとえば、60~70%)、並びに、2-プロパノール/イソプロパノールの混合物;ホウ酸;次亜塩素酸カルシウム;過酸化水素;マヌカハニー及び/又はメチルグリオキサール;フェノール(石炭酸)化合物、たとえば、ナトリウム3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシベンゼンスルホネート、トリクロロフェニルメチルヨードサリチル、又はトリクロサン;ポリヘキサニド化合物、たとえば、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB);第四級アンモニウム化合物、たとえば、塩化ベンザルコニウム(BAC)、塩化ベンゼトニウム(BZT)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTMB)、塩化セチルピリジウム(CPC)、クロルヘキシジン(たとえば、クロルヘキシジングルコン酸塩)、若しくはオクテニジン(たとえば、オクテニジン二塩酸塩)など;重炭酸ナトリウム;塩化ナトリウム;ナトリウム次亜塩素酸(たとえば、随意的に、デーキン溶液の中のホウ酸と組み合われる);又はトリアリールメタン染料(たとえば、Brilliant Green)など);一つ以上の抗増殖剤(たとえば、シロリムス、タクロリムス、ゾタロリムス、バイオリムス、又はパクリタキセル);一つ以上の皮膚軟化剤;一つ以上の止血剤(たとえば、コラーゲン、たとえば、微線維性コラーゲン、キトサン、カルシウム充填ゼオライト、セルロース、無水硫酸アルミニウム、硝酸銀、カリウムミョウバン、酸化チタン、フィブリノゲン、エピネフリン、アルギン酸カルシウム、ポリ-N-アセチルグルコサミン、トロンビン、凝固因子(たとえば、II、V、VII、VIII、IX、X、XI、XIII、又は、Von Willebrand因子、及び、これらの活性化形態)、凝固促進剤(たとえば、没食子酸プロピル)、並びに、抗線維素溶解剤(たとえば、イプシロンアミノカプロン酸又はトラネキサム酸)など);一つ以上の凝血促進剤(たとえば、本明細書で説明されている任意の止血剤、デスモプレシン、凝固因子(たとえば、II、V、VII、VIII、IX、X、XI、XIII、又はVon Willebrand因子、及び、これらの活性化形態)、凝固促進剤(たとえば、没食子酸プロピル)、及び抗線維素溶解剤(たとえば、イプシロンアミノカプロン酸)など);一つ以上の抗凝血剤(たとえば、ヘパリン又はその誘導体、たとえば、低分子量ヘパリン、フォンダパリヌクス、又はイドラパリヌクスなど;抗血小板剤、たとえば、アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン、クロピドグレル、又はプラスグレルなど;第Xa因子阻害剤、たとえば、直接第Xa因子阻害剤など、たとえば、アピキサバン若しくはリバーロキサバン;トロンビン阻害剤、たとえば、直接トロンビン阻害剤など、たとえば、アルガトロバン、ビバリルジン、ダビガトラン、ヒルジン、レピルジン若しくはキシメラガトラン;又は、クマリン誘導体若しくはビタミンK拮抗薬、たとえば、ワルファリン(クマジン)、アセノクマロール、アトロメンチン、フェニンジオン若しくはフェンプロクモンなど);コルチコステロイド及び非ステロイド免疫変調成分(たとえば、NSAIDS、たとえば、本明細書で説明されている任意のものなど)を含む、一つ以上の免疫変調成分;一つ以上のタンパク質;及び/又は、一つ以上のビタミン(たとえば、ビタミンA、C、及び/又はE)を含む。また、ボツリヌストキシン、脂肪(たとえば、自家脂肪)、ヒアルロン酸、コラーゲンベースの充填剤、又は、他の充填剤のうちの一つ以上が、皮膚に投与され得る。また、多血小板血漿が、皮膚に投与され得る。本明細書で説明されている一つ以上の治療剤は、デポ製剤として調剤され得る。一般に、デポ製剤は、典型的に、非デポ製剤よりも長く作用する。いくつかの実施形態では、適切なポリマー材料若しくは疎水性の材料(たとえば、許容可能な油の中のエマルジョン)又はイオン交換樹脂を使用して、又は、やや難溶性の誘導体として、たとえば、やや難溶性の塩として、デポ製剤は調製される。
【0154】
治療剤は、抗凝血剤及び/又は凝血促進剤を含むことが可能である。たとえば、治療される皮膚領域の中の出血及び/又は凝固の範囲を制御することによって、スキンタイトニング効果が、より効果的に制御され得る。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書での方法及びデバイスは、一つ以上の抗凝血剤、一つ以上の凝血促進剤、一つ以上の止血剤、一つ以上の充填剤、又は、それらの組み合わせを含むか、又は、それを投与するために使用され得る。特定の実施形態では、治療剤は、治療される皮膚領域の中の出血及び/又は凝固の範囲を制御し、それは、一つ以上の抗凝血剤(たとえば、皮膚治癒の前の血栓形成若しくはスリット/孔部の閉鎖を阻止するため)、及び/又は、一つ以上の止血剤若しくは凝血促進剤の使用を含む。
【0155】
構成
本発明の装置は、異なる構成でさまざまなコンポーネントを含むことが可能である。たとえば、装置は、一つ以上の中空ニードル、圧力発生源、組織除去ツール(たとえば、ピストン)、吸引チューブ、廃棄材料(たとえば、コアリングされた組織部分)を収集するためのトラップ、サポートベース、及び作動ユニット(たとえば、xアクチュエータ、yアクチュエータ、及び/又はzアクチュエータを含む作動ユニット)を含むことが可能である。一つ以上の中空ニードル、圧力発生源、組織除去ツール(たとえば、ピストン)、吸引チューブ、廃棄材料(たとえば、コアリングされた組織部分)を収集するためのトラップ、サポートベース、及び/又はzアクチュエータは、ニードルアセンブリ(たとえば、図1A図1Fに示されているニードルアセンブリ10)を形成するように取り外し可能に接続され得る。したがって、装置は、ニードルアセンブリ及び作動ユニットを含むことが可能である。トラップは、吸引チューブの中に配設され得るか、中空ニードルの中に配設され得るか、又は、中空ニードルとzアクチュエータとの間若しくは装置の外部に配設されている別個のモジュールの中に配設され得る。同様に、圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)は、他のコンポーネントの外部に配設され得、又は、たとえば、吸引チューブに一体化され得る。作動、並進、及び/又は位置検出のための機構;制御エレクトロニクス;及び/又はユーザインターフェースは、装置の中に、又は、装置の外部に含まれ得る。これらの構成は、患者治療のための必要に応じて、装置の殺菌を促進する。
【0156】
図1A図1Fは、サポートベース11、zアクチュエータ(たとえば、ボイスコイル)12、組織除去ツール(たとえば、ピストン)13、中空ニードル14、吸引チューブ15、トラップ16、圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)17、及びスキャッフォールド18を含む、ニードルアセンブリ10の可能な構成を示す概略説明図である。この構成では、トラップ16は、圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)17と吸引チューブ15との間に搭載されている。コアリングされた組織部分が圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)17に進入することを防止するために、ステンレス鋼殺菌グレードフィルター膜(Mott Corporation)などのような、トラップ16が使用され得る。トラップ16は、クリーニングのために、及び/又は、交換されるために、取り外されて除去され得る。中空ニードル14は、サポートベース11、zアクチュエータ(たとえば、ボイスコイル)12、及び組織除去ツール(たとえば、ピストン)13と連動している。zアクチュエータ(たとえば、ボイスコイル)12は、その長手方向軸線に沿った中空ニードル14の並進、並びに、皮膚の中への中空ニードル14の挿入、及び、皮膚からの中空ニードル14の引き抜きを引き起こす。また、装置のニードルアセンブリは、(たとえば、ユーザインターフェースにおいて)デジタルで制御され得る。そうであるので、装置の動作は、装置の特徴によって完全に又はほとんど完全に制御可能であり得る。
【0157】
電力を装置に供給することによって、治療のために皮膚領域を準備することによって(たとえば、皮膚を殺菌及び/又は位置決めする)、治療領域の中の皮膚の上に、装置の中空ニードル(たとえば、中空ニードル14)を設置することによって、並びに、皮膚の中への中空ニードルの突き通しを駆動する機構(たとえば、zアクチュエータ)を起動させることによって、患者の皮膚の領域の治療は進行することが可能である。中空ニードルが皮膚から引き抜かれるときに、中空ニードルは、組織除去ツール(たとえば、ピストン;組織除去ツール13)と連動して接触した状態になり、組織除去ツールは、中空ニードルが上向きに移動し続けるときに、ルーメンの中へ摺動し、中空ニードル(たとえば、中空ニードル14)のルーメンの中のコアリングされた組織部分をニードル先端(たとえば、ニードル先端18)に向けて押す。手術者は、圧力発生源(たとえば、真空ポンプ;圧力発生源17)を起動させ、コアリングされた組織部分をニードル先端から除去することが可能である。圧力発生源の起動は、中空ニードルがその最上部位置にいるときに、中空ニードル(たとえば、中空ニードル14)によって自動的にトリガされ得る。コアリングされた組織部分は、真空が印加されるときに、吸引チューブ(たとえば、吸引チューブ15)の中へ吸引され、吸引チューブと圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)との間のトラップ(たとえば、トラップ16)に集まる。さらなる治療のために中空ニードルが隣接する皮膚領域へ並進する前に、真空の印加は停止され得る。関心の皮膚領域全体が治療されるまで、プロセスが繰り返され得、関心の皮膚領域のポイントにおいて、中空ニードル(たとえば、中空ニードル14)及び/又はニードルアセンブリ(たとえば、ニードルアセンブリ10)全体が、クイックリリース機構を介して装置から取り外され得、中空ニードル(たとえば、中空ニードル14)及び/又はニードルアセンブリ(たとえば、ニードルアセンブリ10)全体が廃棄又は交換され、装置の他のコンポーネントが、必要に応じて殺菌される。そのような治療は、中空ニードルの寸法、幾何学形状、及び他の性質に対応する、寸法、幾何学形状、及び他の性質を有する複数のコアリングされた組織部分を提供することが可能である。たとえば、皮膚の中へ約2mm挿入された中空ニードルは、約2mmの深さ又は長さを有する組織部分を提供することが可能である。
【0158】
代替的な構成では、本発明の装置は、装置のニードルアセンブリの中へ小型の圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)を一体化することが可能である。この場合には、小型の圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)は、中空ニードル(たとえば、中空ニードルの近位端)と直接的に連動した状態になっている。中空ニードルのルーメン内側のコアリングされた組織部分は、真空を印加することによって、中空ニードルを通して上向きに吸引され得る。トラップは、中空ニードルと小型の圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)との間に搭載され得、コアリングされた組織部分を収集し、コアリングされた組織部分が小型の圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)に進入することを防止する。この場合には、ルーメンの中のコアリングされた組織部分は、中空ニードルを通して上向きに直接的に吸引される。
【0159】
圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)は、(たとえば、吸引チューブ(存在する場合には)に取り付けられている)装置のニードルアセンブリの一部であるか、又は、装置の外部にあることが可能である。たとえば、真空供給源は、医療用又は家庭用の真空供給源であることが可能である。代替的に、真空供給源は、スクロールポンプ、運動量移送ポンプ、回転ポンプ、拡散ポンプ、又はダイヤフラムポンプなどのような、ポンプであることが可能である。装置は、電源、制御エレクトロニクス、並びに/又は、作動、並進、及び/若しくは位置検出機構をさらに含むことが可能である。
【0160】
たとえば、バッテリ充電ユニットの中で充電されるために、バッテリをそれらのホルダから除去すること、又は、外部バッテリ充電ステーションの中に装置を設置することのいずれかによって、装置は充電され得る。また、装置及び/又はベースユニットは、それらの間のワイヤレス通信を可能にするコンポーネントを含むことが可能である。
【0161】
キット
また、本発明は、皮膚組織の美容用リサーフェシングのためのキットを特徴とする。いくつかの実施形態では、キットは、一つ以上の中空ニードルを含むことが可能である。また、キットは、単独で、又は、一つ以上の中空ニードルとともに、装置のニードルアセンブリの他のコンポーネント(たとえば、サポートベース(たとえば、サポートベース11)、zアクチュエータ(たとえば、ボイスコイル;zアクチュエータ12)、組織除去ツール(たとえば、組織除去ツール(たとえば、ピストン)13)、吸引チューブ(たとえば、吸引チューブ15)、トラップ(たとえば、トラップ16)、圧力発生源(たとえば、圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)17)、及び/又はスキャッフォールド(たとえば、スキャッフォールド18))、xアクチュエータ及びyアクチュエータを含む作動ユニット(たとえば、作動ユニット151)、及び/又は、カバー(たとえば、カバー161)を含むことが可能である。一つ以上の中空ニードル、ニードルアセンブリ全体、及び/又は、キットの中のニードルアセンブリのコンポーネントは、装置に取り外し可能に取り付けられるように構成され得る。中空ニードルは、圧力発生源(たとえば、真空ポンプ)と連動するように構成され得る。いくつかの実施形態では、キットは、無菌形態の中空ニードルとともに、及び、本発明の装置のニードルアセンブリに中空ニードルを適用するための取扱説明とともに、及び/又は、本発明の装置の作動ユニットにニードルアセンブリを適用するための取扱説明とともに、パッケージ化され得る。いくつかの実施形態では、キットは、無菌形態のニードルアセンブリ全体とともに、及び、本発明の装置の作動ユニットにニードルアセンブリを適用するための取扱説明とともに、パッケージ化され得る。また、キットは、一つ以上の交換中空ニードル、及び/又は、ニードルアセンブリの一つ以上の交換コンポーネントを含むことが可能である。また、キットは、交換パーツとして、ニードルアセンブリ全体を含むことが可能である。
【0162】
本発明のキットは、追加的なコンポーネント、たとえば、廃棄材料(たとえば、コアリングされた組織部分)を収集するためのトラップ;圧力発生源(たとえば、真空ポンプ);作動、並進、及び位置検出のための機構(たとえば、一つ以上のボイスコイル(VC)、空気圧式アクチュエータ、電磁アクチュエータ、及び/若しくは圧電式アクチュエータ;ドライビングホイール;並びに/又はカメラ);並びに、ユーザインターフェースを有するベースユニットなどを含むことが可能である。それに加えて、本発明のキットは、任意の他の有用なコンポーネント、たとえば、中空ニードル、ニードルアセンブリ、作動ユニット、及び/若しくは装置の使用の仕方についての取扱説明、一つ以上の治療剤(たとえば、本明細書で説明されている任意のもの、たとえば、抗凝血剤及び/若しくは凝血促進剤など。それらは、随意的に、ブラシ、スプレー、フィルム、軟膏、クリーム、ローション、若しくはゲルなどのような、治療剤を適用するための有用なディスペンサーと組み合われる)、一つ以上の創傷洗浄剤(たとえば、ブラシ、スプレー、フィルム、軟膏、クリーム、ローション、若しくはゲルなどのような、任意の有用な形態の、任意の抗生物質、抗微生物剤、若しくは消毒剤、たとえば、本明細書で説明されているものなどを含む)、一つ以上の包帯(たとえば、圧縮包帯若しくは密封包帯)、一つ以上のクロージャ(たとえば、バンデージ、止血剤、縫合糸、若しくは接着剤)、一つ以上の創傷清拭剤、一つ以上の接着剤(たとえば、本明細書で説明されている任意のもの)、一つ以上の化粧品(たとえば、本明細書で説明されているようなもの)、並びに/又は、他の適切な若しくは有用な材料を含むことが可能である。
【0163】
本発明のキットは、本明細書で提供されているコンポーネント(たとえば、中空ニードル、トラップ、圧力発生源、組織除去ツール(たとえば、ピストン)、吸引チューブ、及び/又はzアクチュエータ)のいずれかを、任意の数で含むことが可能である。また、キットは、本明細書で説明されている構成のいずれかを有することが可能であり、又は、本明細書で説明されている構成のいずれかを有するように設計され得る。
【0164】
美容用スキンリサーフェシングのための方法
本発明の中空ニードル、ニードルアセンブリ、作動ユニット、装置、キット、及び方法のいずれかは、皮膚組織部分を除去することによって、皮膚組織の美容用スキンリサーフェシングのために使用され得る。本発明の中空ニードル、ニードルアセンブリ、作動ユニット、装置、キット、及び方法は、一つ以上の皮膚領域を治療するために適用され得る。特定の実施形態では、これらの領域は、皮膚の外観を改善するための、及び、皮膚を若返らせるための、一つ以上の処置によって治療される。好適な実施形態では、本明細書で説明されている中空ニードル、ニードルアセンブリ、作動ユニット、装置、キット、及び方法は、スキンタイトニングに有用であり、たとえば、皮膚弛緩(たとえば、緩んだ皮膚若しくはたるんだ皮膚、又は、他の皮膚の異常)を低減させるのに有用であり得る。他の実施形態では、本明細書での中空ニードル、ニードルアセンブリ、作動ユニット、装置、キット、及び方法は、たとえば、色素、毛包、及び/若しくは、皮膚の中の血管の除去に関して、及び/又は、ニキビ、異痛床、染み、異所性皮膚炎、色素沈着過度、過形成(たとえば、黒子若しくは角化症)、透光性の喪失、弾力性の喪失、肝斑(たとえば、表皮性、真皮性、若しくは混合亜型)、光損傷、発疹(たとえば、紅斑性、黄斑、丘疹、及び/又は水疱性状態)、乾癬、細かい皺(又は、皺、たとえば、側方眼角線(「カラスの足」)、加齢に関係する細かい皺、日光に関係する細かい皺、若しくは、遺伝に関係する細かい皺)、黄ばんだ色、瘢痕拘縮(たとえば、瘢痕組織の弛緩)、瘢痕化(たとえば、ニキビ、外科手術、若しくは、他の外傷に起因する)、皮膚の老化、皮膚収縮(たとえば、皮膚の過度の張り)、皮膚のかぶれ/過敏、線条(若しくは、皮膚線条)、入れ墨除去、血管病変(たとえば、血管腫、紅斑、血管腫、丘疹、ポートワイン母班、酒さ、網状脈、若しくは毛細血管拡張症)、又は、任意の他の望まれない皮膚の異常の治療に関して有用である可能性がある。また、本明細書で説明されている中空ニードル、ニードルアセンブリ、作動ユニット、装置、キット、及び方法は、皮膚を突き通すために、及び、生物学的な反応をトリガするために使用され得、生物学的な反応は、新しい皮膚組織形成、並びに、組織リサーフェシング及びリモデリングに貢献することが可能である。
【0165】
そのような皮膚治療は、顔面(たとえば、まぶた、頬、顎、額、唇、若しくは鼻)、首、胸部(たとえば、胸の弛み取り)、腕、手、脚、腹部、及び/又は背部を含む、身体の任意の一つ以上のパーツに適用され得る。したがって、本発明の中空ニードル、ニードルアセンブリ、作動ユニット、装置、キット、及び方法は、異なるサイズ及び幾何学形状を有する身体の領域の治療に関して有用であるように構成され得る。たとえば、異なるサイズ、幾何学形状、及び配置の中空ニードルのアレイが、本発明のキットの中に含まれ、顔面領域(たとえば、規則的な又は不規則的な幾何学形状の小さいアレイを有する先端を備える)及び腹部領域(たとえば、規則的な幾何学形状の大きいアレイを有する先端を備える)の両方の治療を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、そのような配置及び構成は、一つ以上の列になっているか、又は、半ランダムの空間的分布になっていることが可能である。他の実施形態では、中空ニードルの配置は、任意の有用な形状(たとえば、直線状、湾曲状、若しくは星状)、サイズ、幾何学形状、深さ、及び/又は他の性質を含むことが可能である。代替的に、本発明の装置は、単一の中空ニードルを含むことが可能であり、装置は、一つ以上の列、ランダム若しくは半ランダムのパターン、又は他のパターンを形成するアレイパターンで、皮膚組織を繰り返して除去するために使用され得る。
【0166】
治療方法は、一つ以上の中空ニードルを被験者の皮膚に接触させることによって、及び、コアリングされた組織部分を皮膚から除去することによって、皮膚の中に複数の孔部を形成することを必要とし得る。中空ニードルによる皮膚の中への突き通しは、孔部を生成し、したがって、組織体積を効果的に低減させ、及び/又は、治癒のときに組織品質を改善する。たとえば、一連のコアリングされた組織部分(たとえば、合計の皮膚エリアの約20%の除去)、及び、非常に弛緩した皮膚領域の中に対応する孔部を形成すること、並びに、随意的に、孔部を閉じるために皮膚領域をその後に圧縮することは、新しい皮膚(たとえば、改善された組織)の成長を促すことが可能である。包帯(たとえば、圧迫包帯又は密封包帯)の下での組織の治癒は、コアリングされた組織部分の除去によって導入されたギャップに既存の組織が広がることを可能にし、それによって、(たとえば、皮膚を引き締めることによって)皮膚体積及び皮膚面積を低減させる。また、包帯(たとえば、圧迫包帯又は密封包帯)は、治療される皮膚エリアの湿分を維持することを助け、及び/又は、送達された治療剤が皮膚から漏れ出すことを防止することを助けることが可能である。
【0167】
任意の有益な面積割合又は体積割合の皮膚領域が除去され得る。たとえば、治療エリアの中の約1%から約65%の間(たとえば、約0.01から約0.65の間の面積割合、たとえば、0.01から0.65、0.01から0.6、0.01から0.55、0.01から0.5、0.01から0.45、0.01から0.4、0.01から0.35、0.01から0.3、0.01から0.25、0.01から0.2、0.01から0.15、0.01から0.1、0.01から0.05、0.03から0.65、0.05から0.65、0.07から0.65、0.09から0.65、0.1から0.65、0.15から0.65、0.2から0.65、0.25から0.65、0.3から0.65、0.35から0.65、0.4から0.65、0.45から0.65、0.5から0.65、0.55から0.65、及び、0.6から0.65などの面積割合)の組織が除去され得る。いくつかの実施形態では、治療エリアの中の約1%から約5%の間(たとえば、約0.01から約0.05の間の面積割合、たとえば、0.01から0.05、0.01から0.045、0.01から0.04、0.01から0.035、0.01から0.03、0.01から0.025、0.01から0.02、0.01から0.015、0.015から0.05、0.02から0.05、0.025から0.05、0.03から0.05、0.035から0.05、0.04から0.05、及び、0.045から0.05などの面積割合)の組織が除去され得る。いくつかの実施形態では、治療エリアの中の約2%から約3%の間(たとえば、約0.02から約0.03の間の面積割合、たとえば、0.02から0.03、0.02から0.028、0.02から0.026、0.02から0.024、0.02から0.022、0.022から0.03、0.024から0.03、0.026から0.03、0.028から0.03など;たとえば、0.025の面積割合)の組織が除去され得る。
【0168】
組織は、使用される装置の中空ニードルの数及び幾何学形状、並びに、治療領域への中空ニードルの適用の数に対応する、さまざまな孔部密度(たとえば、単位面積当たりの孔部の数)で、治療領域から除去され得る。異なる孔部密度は、皮膚の異なる領域に関して、及び、異なる条件に関して、望ましい可能性があり、異なる中空ニードルを使用して実現され得る。たとえば、19ゲージニードルのサイズに対応する15個の孔部、及び、それらの対応するコアリングされた組織部分が、単一の19ゲージニードルを15回作動させることによって、又は、五つの19ゲージニードルを有するアレイを3回作動させることによって、所与の治療エリアの中に生成され得る。同じ数の孔部をより遠くに離して配置することは、単位面積当たり、より小さい孔部密度を結果として生じさせることになる。たとえば、15個の孔部は、0.5mm×0.3mmの領域の中に、又は、5mm×3mmの領域の中に生成され得る。特定の実施形態では、本発明の中空ニードル、ニードルアセンブリ、作動ユニット、装置、キット、及び方法(たとえば、本明細書で説明されている任意のもの)は、(たとえば、本明細書で説明されているように)皮膚領域の1cmの面積当たり、約10個から約10000個のコアリングされた組織部分を提供するように構成されている。皮膚組織部分の除去によって生成される孔部のアレイは、任意の有益なパターンで、皮膚領域の中に生成され得る。たとえば、組織部分及び対応する孔部の、より高い密度及び/又はより小さい間隔は、パターンの中心において、又は、皮膚のより厚い部分において、皮膚の中に切除され得る。パターンは、半ランダムであることが可能であり、又は、互い違いの列及び/若しくはブロック、平行な列及び/若しくはブロック、円形パターン、スパイラルパターン、方形若しくは矩形パターン、三角形のパターン、六角形のパターン、半径方向の分布のうちの一つ以上、又は、一つ以上のそのようなパターンの組み合わせを含むことが可能である。パターンは、任意の秩序のある様式又は無秩序の様式で適用される中空ニードルの一つ以上の構成及び数を有する、一つ以上の中空ニードルの使用から生じることが可能である。また、皮膚領域を治療するために使用される一つ以上の中空ニードルの平均長さ、直径、形状、及び/又は他の性質に対する修正は、皮膚の中の孔部の特定のパターンを結果として生じさせることが可能である。たとえば、平均長さ、深さ、直径、密度、配向、及び/又は、中空ニードル間の間隔を修正することなどによって、そのようなパターンは、一方向性の、無方向性の、又は多方向性の(たとえば、x-方向、y-方向、x-方向、x-y平面、y-z平面、x-z平面、及び/又はxyz-平面への)、皮膚の収縮又は拡張を促すように最適化され得る。
【0169】
皮膚の任意の部分が除去され得る。中空ニードルによって皮膚の中へ突き通すことによって生成される組織部分は、表皮組織、真皮組織、皮下脂肪、及び/又は、真皮層/脂肪層境界の近位の細胞若しくは組織(たとえば、幹細胞)を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、組織部分は、皮膚層の突き通しの深さに対応する長さを有することが可能である。いくつかの実施形態では、突き通しの深さは、(i)真皮層の中へ、(ii)真皮層全体を通して、真皮層と皮下脂肪層との接合部へ、又は、(iii)皮下脂肪層の中へのものであることが可能である。表皮層、真皮層、及び皮下脂肪層の合計深さは、治療されている身体の領域及び年齢に基づいて変化することが可能である。いくつかの場合において、表皮層の深さは、約0.01mmから0.2mmであり、及び/又は、真皮層の深さは、約0.3mmから6.0mmである。いくつかの実施形態では、表皮層及び真皮層の合計深さは、約0.3mmと6.2mmとの間にあることが可能であり、それは、約0.3mmと6.2mmとの間(たとえば、約0.3mmと0.6mmとの間、0.3mmと0.9mmとの間、0.3mmと1.5mmとの間、0.3mmと2.0mmとの間、0.3mmと2.5mmとの間、0.3mmと3.0mmとの間、0.3mmと3.5mmとの間、0.3mmと4.0mmとの間、0.3mmと4.5mmとの間、0.3mmと5.0mmとの間、0.3mmと5.5mmとの間、0.3mmと6.0mmとの間、0.3mmと6.2mmとの間、0.6mmと0.9mmとの間、0.6mmと1.5mmとの間、0.6mmと2.0mmとの間、0.6mmと2.5mmとの間、0.6mmと3.0mmとの間、0.6mmと3.5mmとの間、0.6mmと4.0mmとの間、0.6mmと4.5mmとの間、0.6mmと5.0mmとの間、0.6mmと5.5mmとの間、0.6mmと6.0mmとの間、0.6mmと6.2mmとの間、0.9mmと1.5mmとの間、0.9mmと2.0mmとの間、0.9mmと2.5mmとの間、0.9mmと3.0mmとの間、0.9mmと3.5mmとの間、0.9mmと4.0mmとの間、0.9mmと4.5mmとの間、0.9mmと5.0mmとの間、0.9mmと5.5mmとの間、0.9mmと6.0mmとの間、0.9mmと6.2mmとの間、1.5mmと2.0mmとの間、1.5mmと2.5mmとの間、1.5mmと3.0mmとの間、1.5mmと3.5mmとの間、1.5mmと4.0mmとの間、1.5mmと4.5mmとの間、1.5mmと5.0mmとの間、1.5mmと5.5mmとの間、1.5mmと6.0mmとの間、1.5mmと6.2mmとの間、2.0mmと2.5mmとの間、2.0mmと3.0mmとの間、2.0mmと3.5mmとの間、2.0mmと4.0mmとの間、2.0mmと4.5mmとの間、2.0mmと5.0mmとの間、2.0mmと5.5mmとの間、2.0と6.0mmとの間、2.0mmと6.2mmとの間、2.5mmと3.0mmとの間、2.5mmと3.5mmとの間、2.5mmと4.0mmとの間、2.5mmと4.5mmとの間、2.5mmと5.0mmとの間、2.5mmと5.5mmとの間、2.5mmと6.0mmとの間、2.5mmと6.2mmとの間、3.0mmと3.5mmとの間、3.0mmと4.0mmとの間、3.0mmと4.5mmとの間、3.0mmと5.0mmとの間、3.0mmと5.5mmとの間、3.0と6.0mmとの間、3.0mmと6.2mmとの間、3.5mmと4.0mmとの間、3.5mmと4.5mmとの間、3.5mmと5.0mmとの間、3.5mmと5.5mmとの間、3.5と6.0mmとの間、3.5mmと6.2mmとの間、4.0mmと4.5mmとの間、4.0mmと5.0mmとの間、4.0mmと5.5mmとの間、4.0と6.0mmとの間、4.0mmと6.2mmとの間、4.5mmと5.0mmとの間、4.5mmと5.5mmとの間、4.5と6.0mmとの間、4.5mmと6.2mmとの間、5.0mmと5.5mmとの間、5.0mmと6.0mmとの間、5.0mmと6.2mmとの間、5.5mmと6.0mmとの間、5.5mmと6.2mmとの間、又は、6.0mmと6.2mmとの間)の長さを有する可能な組織部分に対応している。
【0170】
いくつかの場合において、著しい量の皮下組織を含まない一つ以上の組織部分を提供するように、又は、他の場合において、著しい量の皮下組織を含む組織部分を提供するように、本発明の中空ニードル、ニードルアセンブリ、作動ユニット、装置、キット、及び方法を構成させることが望ましい可能性がある。中空ニードルによる皮膚の中への突き通しの深さ、及び、コアリングされた組織部分及び孔部の対応するサイズを制御するために、電子的な及び/又は物理的な機構が使用され得る。たとえば、装置は、本明細書で説明されているような一つ以上のスペーサ;一つ以上のスクロールホイール、ボタン、ダイアル、トグル、若しくは、中空ニードルを物理的に後退させるための他のコンポーネント;z-作動機構(たとえば、空気圧式アクチュエータ、電磁アクチュエータ、若しくは圧電式アクチュエータ、又は、カム付きのモータ);及び/又は、治療される皮膚部分に対する中空ニードルの位置及び/又は装置の位置を検出するために、一つ以上の中空ニードル、アクチュエータ、弁、圧力発生源、及び/又はユーザインターフェースと連動する、一つ以上のセンサ(たとえば、力センサ、光学センサ、レーザファイバ、光検出器、及び/若しくは位置センサ)を含むことが可能である。
【0171】
[実施例]
[実施例1]
二つのプロングを備えた中空ニードルを使用した、顔の中の皮膚弛緩の治療
本発明の装置は、被験者の皮膚に治療を施すために使用され得る。治療は、手術室環境の外側で実施され得、それによって、治療のコストを最小化する。
【0172】
被験者の治療のために使用される装置は、本明細書で説明されているもののいずれかであることが可能である。たとえば、装置は、図16D図16Iのうちのいずれか一つに示されているものであることが可能である(たとえば、作動ユニット151、ニードルアセンブリ10、及びカバー161を含む、装置163)。顔の中の皮膚弛緩の治療のために、30°のベベル角度αをそれぞれ有する二つのプロングを備えた金属製の中空ニードルが、約4mm×約9mmの治療エリアへの適用のために選択され得る。選択される中空ニードルは、24ゲージニードルであることが可能であり、また、その近位端(たとえば、ニードル先端から離れている)において装置のニードルアセンブリに付着され得る。中空ニードルのそれぞれのプロングの先端は、尖端(たとえば、図5Aに図示されているような尖端51)であることが可能である。中空ニードルは、皮膚の中へ約0.5mmから約2mm(たとえば、約1mm)突き通すように、及び、約0.03の面積割合の皮膚組織を除去するように構成され得る。
【0173】
皮膚エリアは、最初に、殺菌され、化学物質によって治療され、及び/又は、治療のためにその他の方法で準備され得る。装置の中に配設されている位置決め機構は、治療のエリアに中空ニードルを位置決めするように適用され得る。治療は、zアクチュエータの起動によって皮膚の中へ及び皮膚から外へニードルを駆動することによって、コアリングされた組織部分をそのルーメンの内側に含有するニードルを、組織除去ツール(たとえば、ピストン)と接触した状態になるように駆動することによって、吸引チューブ及びトラップに連結されている真空ポンプの起動によってコアリングされた組織部分を除去することによって、並びに、隣接する治療のための領域へ中空ニードル又は装置全体を並進させることによって、進行することが可能である。十分な組織エリアが治療されたとき、装置コンポーネントは電源オフされ得、皮膚表面及び/又は孔部は、流体によってクリーニングされ、及び/又は、洗い流され、随意的に、圧縮性創傷包帯が皮膚に適用され、孔部を閉じる。トラップは、廃棄され得、システムの他のコンポーネントが、取り外されて殺菌され得る。
【0174】
治療は、迅速であることが可能であり(たとえば、30分未満)、患者の休止時間を最小化し、治療が外来患者処置として実施されることを可能にする。数日内に、治療エリアの中の皮膚弛緩及び/又は細かい皺の低減が観察され得る。
【0175】
[実施例2]
エッジを有する中空ニードルを使用した、顔の中の皮膚弛緩の治療
実施例1において使用される中空ニードルは、エッジを有する中空ニードルと交換され得る。たとえば、顔の中の皮膚弛緩を治療するために使用される中空ニードルは、30°のベベル角度をそれぞれ有する二つのプロングを備えた金属製の中空ニードルであることが可能である。中空ニードルは、24ゲージニードルであることが可能であり、また、その近位端(たとえば、ニードル先端から離れている)において装置のニードルアセンブリに付着され得る。中空ニードルのそれぞれのプロングの先端は、エッジ(たとえば、図5Bに図示されているようなエッジ52)であることが可能である。中空ニードルは、皮膚の中へ約0.5mmから約2mm(たとえば、約1mm)突き通すように、及び、約0.03の面積割合の皮膚組織を除去するように構成され得る。
【0176】
[実施例3]
平坦な先端を有する中空ニードルを使用した、顔の中の皮膚弛緩の治療
実施例1において使用される中空ニードルは、平坦な先端(たとえば、2次元の平坦な先端)を有する中空ニードルと交換され得る。たとえば、顔の中の皮膚弛緩を治療するために使用される中空ニードルは、30°のベベル角度αをそれぞれ有する二つのプロングを備えた金属製の中空ニードルであることが可能である。中空ニードルは、24ゲージニードルであることが可能であり、また、その近位端(たとえば、ニードル先端から離れている)において装置のニードルアセンブリに付着され得る。中空ニードルのそれぞれのプロングの先端は、平坦な先端(たとえば、図5Cに図示されているような平坦な先端53)であることが可能である。中空ニードルは、皮膚の中へ約0.5mmから約2mm(たとえば、約1mm)突き通すように、及び、約0.03の面積割合の皮膚組織を除去するように構成され得る。
【0177】
他の実施形態
本発明は、その特定の実施形態に関連して説明されてきたが、さらなる修正例が可能であり、また、本出願は、概して本発明の原理にしたがう本発明の任意の変形例、使用、又は適合をカバーすることが意図されており、及び、本開示からのそのような逸脱を含むことは、本発明が属する技術分野の中で公知の又は慣習的な実施の中に入り、以上に述べられている本質的な特徴に適用され得ることが理解されることになる。
【0178】
それぞれの個々の公開公報、特許、又は特許出願が具体的に及び個別にその全体が参照により組み込まれていることが示されている場合と同じ程度に、すべての公開公報、特許、及び特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0179】
他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の中にある。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図16G
図16H
図16I
図16J
図16K
図16L
図16M
図16N
図16O
図16P
図16Q
図16R
図16S
図16T
図16U
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図17F
図17G
図17H
図17I
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図19C
図20A
図20B
図20C
図20D
図20E
図21A
図21B
図21C
図21D
図22A
図22B
図22C
図22D
【手続補正書】
【提出日】2021-11-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚組織の中に美容効果をもたらすための装置であって、
少なくとも第1のプロングを含む少なくとも一つの中空ニードルであって、前記第1のプロングは、前記中空ニードルの遠位端に設けられている、少なくとも一つの中空ニードル
を含み、
前記第1のプロングの側面と前記中空ニードルの長手方向軸線との間の角度は、少なくとも約20°であり、
前記中空ニードルが、前記皮膚組織の中へ挿入され、前記皮膚組織から引き抜かれるときに、前記中空ニードルは、前記皮膚組織の一部分を除去するように構成されている、装置。