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特開2022-96095地方名産品入りコットニー加工食品及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096095
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】地方名産品入りコットニー加工食品及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 17/60 20160101AFI20220622BHJP
   A23L 29/256 20160101ALI20220622BHJP
【FI】
A23L17/60 Z
A23L29/256
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209012
(22)【出願日】2020-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】504198326
【氏名又は名称】山本 允之
(74)【代理人】
【識別番号】100067758
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 綾雄
(72)【発明者】
【氏名】山本 允之
【テーマコード(参考)】
4B019
4B041
【Fターム(参考)】
4B019LK01
4B019LK02
4B019LK05
4B019LP05
4B019LP11
4B019LP13
4B019LP15
4B019LP16
4B041LH10
4B041LK02
4B041LK06
4B041LP01
4B041LP05
4B041LP12
4B041LP17
4B041LP18
(57)【要約】
【課題】
コットニーと地方名産品を組み合わせた商品価値の高いコットニー加工食品を提供する。
【解決手段】
粉末状のコットニーと粉末状の地方名産品とを混合させて粉末状の混合物を生成し、粉末状の混合物に水を加え、水を加えた混合物を煮出し、煮出しした混合物の残材と混合物の抽出エキスカラギーナンを含む煮汁とを分離し、粉末状のコットニーと地方名産品の混合物の煮出し汁に水を加えたものにアルギン酸ナトリウム液を混合してゲル液化した原材料とし、ゲル液化した原材料を成形し、ゲル液化した原材料の成形品を凝固材の入った凝固水へ注入し凝固させ加工食品とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末状のコットニーと粉末状の地方名産品とを混合させて粉末状の混合物を生成する混合工程と、
粉末状の混合物に水を加える水戻し工程と、
水を加えた混合物を煮出す煮出し工程と、
煮出しした混合物の残材と混合物の抽出エキスカラギーナンを含む煮汁とを分離する煮汁・残材分離工程と、
カラギーナンを含む煮汁を貯留する煮汁貯留工程と、
貯留した煮汁に冷却水を加え煮汁水溶液とする冷却水加水工程と、
煮汁水溶液にアルギン酸ナトリウム水溶液を混合しゲル状とする煮汁ゲル化工程と、
煮汁ゲル液を押しだし成形する押し出し抽出工程と、
成形した煮汁成形食品を凝固材の入った凝固水へ注入し凝固させる製品凝固工程と、
凝固させた煮汁成形食品を水にさらし、該水にアルコールを入れてアルコール殺菌を行うアルコール殺菌工程と、
を備えたことを特徴とする地方名産品入りコットニー加工食品製造方法。
【請求項2】
煮出しした粉末状の混合物の残材に水を加え粉末状の混合物の残材を煮出す再煮出し工程と、
煮出しした粉末状の混合物の残材と粉末状の混合物の残材の抽出エキスカラギーナンを含む煮汁とを分離する再煮汁・残材分離工程とを備え、
分離した煮汁を貯留するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の地方名産品入りコットニー加工食品製造方法。
【請求項3】
前記再煮汁・残材分離工程を少なくとも2回以上行うことを特徴とする請求
項2に記載の地方名産品入りコットニー加工食品製造方法。
【請求項4】
前記凝固材が塩化カルシウムであることを特徴とする請求項1に記載の地方名産品入りコットニー加工食品製造方法。
【請求項5】
前記食品が刺身のつまであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の地方名産品入りコットニー加工食品製造方法。
【請求項6】
前記食品が料理に添えるためのサラダであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の地方名産品入りコットニー加工食品製造方法。
【請求項7】
粉末状のコットニーと地方名産品の煮出し汁に水を加えたものにアルギン酸ナトリウム液を混合してゲル液化した原材料とし、該ゲル液化した原材料を成形したことを特徴とする地方名産品入りコットニー加工食品。
【請求項8】
ゲル液化した原材料の成形品を凝固材の入った凝固水へ注入し凝固させたことを特徴とする請求項7に記載の地方名産品入りコットニー加工食品。
【請求項9】
前記凝固材が塩化カルシウムであることを特徴とする請求項8に記載の地方名産品入りコットニー加工食品。
【請求項10】
粉末状のコットニーと地方名産品との混合物の煮出し汁に水を加えたものにアルギン酸ナトリウム液を混合してゲル液化した原材料とし、該ゲル液化した原材料を成形し、この成形したものを刺身のつまやサラダとして料理に添えるためのつまとしたことを特徴とする地方名産品入りコットニー加工食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刺身のつまやサラダ等として用いられる地方名産入りのコットニー加工食品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワカメ、メカブ、コンブ、アカモク等の原料を用いたフコイダン抽出物製造方法及びその抽出物を添加した食品が従来知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、海藻のコットニーを用いた加工食品及びその製造方法が従来知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-225924号公報
【特許文献2】特開2020-130145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
海藻のコットニーを原料とすることで、低コストで海藻由来の栄養価の高い刺身のつまやサラダ等の加工食品を製造することができる。
しかるに、コットニーを用いた加工食品は、低コストで栄養価が高いにもかかわらずコットニーの名前が消費者に広く知られていないため、知名度の点で商品価値が低いという問題点がある。
本発明は、コットニーを用いた加工食品の商品価値を高め、消費者の購買意欲をそそるコットニー加工食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、粉末状のコットニーと粉末状の地方名産品とを混合させて粉末状の混合物を生成する混合工程と、
粉末状の混合物に水を加える水戻し工程と、
水を加えた混合物を煮出す煮出し工程と、
煮出しした混合物の残材と混合物の抽出エキスカラギーナンを含む煮汁とを分離する煮汁・残材分離工程と、
カラギーナンを含む煮汁を貯留する煮汁貯留工程と、
貯留した煮汁に冷却水を加え煮汁水溶液とする冷却水加水工程と、
煮汁水溶液にアルギン酸ナトリウム水溶液を混合しゲル状とする煮汁ゲル化工程と、
煮汁ゲル液を押しだし成形する押し出し抽出工程と、
成形した煮汁成形食品を凝固材の入った凝固水へ注入し凝固させる製品凝固工程と、
凝固させた煮汁成形食品を水にさらし、該水にアルコールを入れてアルコール殺菌を行うアルコール殺菌工程と、
を備えたことを特徴とする。
また本発明は、煮出しした粉末状の混合物の残材に水を加え粉末状の混合物の残材を煮出す再煮出し工程と、
煮出しした粉末状の混合物の残材と粉末状の混合物の残材の抽出エキスカラギーナンを含む煮汁とを分離する再煮汁・残材分離工程とを備え、
分離した煮汁を貯留するようにしたことを特徴とする。
また本発明は、前記再煮汁・残材分離工程を少なくとも2回以上行うことを特徴とする。
また本発明は、前記凝固材が塩化カルシウムであることを特徴とする。
また本発明は、前記食品が刺身のつまであることを特徴とする。
また本発明は、前記食品が料理に添えるためのサラダであることを特徴とする。
また本発明は、粉末状のコットニーと地方名産品の煮出し汁に水を加えたものにアルギン酸ナトリウム液を混合してゲル液化した原材料とし、該ゲル液化した原材料を成形したことを特徴とする。
また本発明は、ゲル液化した原材料の成形品を凝固材の入った凝固水へ注入し凝固させたことを特徴とする。
また本発明は、前記凝固材が塩化カルシウムであることを特徴とする。
また本発明は、粉末状のコットニーと地方名産品との混合物の煮出し汁に水を加えたものにアルギン酸ナトリウム液を混合してゲル液化した原材料とし、該ゲル液化した原材料を成形し、この成形したものを刺身のつまやサラダとして料理に添えるためのつまとしたことを特徴とするものである
【発明の効果】
【0006】
本発明は、地方名産品の知名度を利用してコットニー加工食品の商品の宣伝を行うことができ、これにより商品価値を飛躍的に高めることができ、消費者の購買意欲をそそるコットニー加工食品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る製造工程を示すブロック説明図である。
図2】粉末状コットニーを製造する工程を示すブロック説明図である。
図3】粉末状地方名産品を製造する工程を示すブロック説明図である。
図4】粉末コットニーと粉末地方名産品の断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の構成を添付した図面を参照して詳細に説明する。
まず粉末コットニーの製造工程を図2を参照して説明する。
本発明は、原藻として、インドネシア産の海藻(紅藻類)「コットニー」(学名:Kappaphycus cottonii)を用いている。
コットニーは、オオキリンサイ属(Kappaphycus)の海藻で、ミネラル、糖質、ビタミン、アミノ酸等の要素のほか、陰イオン性高分子化合物であるカラギーナン成分を多く含んでいる。該カラギーナンは、弾力のある高分子で二重螺旋構造を作って互いに絡み合っており、これにより常温でゲルを形成することから食品や医薬品、工業製品など多くの分野でゲル化剤、増粘剤、安定剤などに使われている。
【0009】
まず、コットニーの乾燥品を水戻しする(水戻し工程2)。
尚、水戻しとは、乾燥させた状態から水分を含ませて元の状態に戻すことである。
次に、水戻したコットニーを水洗いし(水洗い工程4)、さらに水にさらして塩分を除去する(塩分処理工程6)。
次に、コットニーを機械を用いて粗切断する(粗切断工程8)。
次に、この粗切断したコットニーを機械を用いて粗粉砕し(粗粉砕工程10)、さらに機械を用いて、温度50℃で乾燥粉砕を行う(乾燥粉砕工程12)。
【0010】
次に、出来上がったコットニー粉末の残さ処理を行う(残さ処理工程14)。残さ処理の終わったコットニーの粉末34(パウダー)は、図3に示すように、所定量、包装用のビニール袋36に詰め(袋詰め工程16)、パウダー製品として保管しておく。
尚、コットニーの粉末化は、コットニーの乾燥品からでなくても良く、生のコットニーを水洗いし(水洗い工程4)、塩分処理(塩分処理工程6)を行った後、機械で粗切断(粗切断工程8)、粗粉砕(粗粉砕工程10)、乾燥粉砕(乾燥粉砕工程12)、コットニー粉末の残さ処理(残さ処理工程14)を行って、コットニーの粉末製品とすることもできる。以上の工程において、コットニーは海藻の本来の色の変化はなく、また、栄養分も飛ぶことがない。
次に、地方名産品を粉末化する工程について、図3を参照して詳細に説明する。
【0011】
本実施形態で用いる地方名産品は下記の通りである。
北海道の名物・名産
ジャガイモ、小麦、たまねぎ、乳製品、鱈、鮭、ラワンぶき、ガラナ、札幌味噌ラーメン、夕張メロン、スープカレー、白い恋人、かに鮨、いかめし、毛がに、タラバガニ、ジンギスカン、生キャラメル、十勝ワイン、ししゃも
東北地方の名物・名産
青森
津軽リンゴ、大間のマグロ、ホタテ、干しイカ、にんにく、食用菊、ひめます、するめいか、さば、ほや、めかぶとろろ、ばっけ味噌(ふきのとう味噌)
岩手
かもめの玉子、わんこそば、盛岡冷?、三食せんべい、りんご、干し椎茸、二子の里芋、養殖ワカメ、鮭、うに、サメ、さんま、するめいか、鶏肉、めかぶとろろ、トシロ
秋田
きりたんぽ、しょっつる、横手焼きそば、比内地鶏、稲庭うどん、どんぶり、ジュンサイ、米、白神みょうが、白神長ネギ、秋田フキ、ハタハタ、ギバサ(アカモク)、サラダ寒天
山形
いも煮、山形そば、米沢牛、さくらんぼ、桜桃、西洋梨(ラ・フランス)、たらのいも、なめこ、ブドウ、平田ねぎ、じんだん、もってのほか(食用菊)
宮城
牛タン、笹かまぼこ、萩の月、なまどら、茗荷茸、セリ、サメ、かじき、マグロ、養殖銀ザケ、わかめ、養殖牡蠣
福島
喜多方ラーメン、ずわいがに、桃、こんにゃく、つるむらさき、さやいんげん、きゅうり、タコ、さんま、あんぽ柿、馬肉
関東・信越地方の名物・名産
【0012】
東京
雷おこし、東京ばな奈、ごまだんご、もんじゃ焼き、小松菜、水わさび、ウド、稲城の梨、キャベツ、カリフラワー、カジキ、鰹、トビウオ
神奈川
かまぼこ、鳩サブレ、崎陽軒、中華まん、よこすか焼き、大根、キャベツ、ほうれん草、温州みかん、キウイ、マグロ、ひじき菜、おかのり
埼玉
草加せんべい、五家宝、十万石饅頭、クワイ、小松菜、ネギ、ほうれん草、カブ、川越さつまいも、越谷ネギ
千葉
白菜、落花生、ビーナッツ、はまぐり、カブ、里芋、ネギ
茨城
梅どら、水戸納豆、くり、干し芋、エシャロット、レンコン、栗、メロン、さつまいも、ゴボウ、米、ハマグリ、ワカサギ
栃木
かんぴょう、餃子、いちご(とちおとめ)、もなか、大麦、クレソン、ウド、ニラ
群馬
下仁田ねぎ、磯部せんべい、焼きまんじゅう、こんにゃく、花ニラ、ウド、きゅうり、キャベツ(嬬恋高原)、椎茸、国分ニンジン、陣田みょうが、花いんげん
新潟
こしひかり、笹だんご、へぎそば、マイタケ、エリンギ、大根(雪太郎)、漬物用ナス、おけさ柿、切り餅、包装餅、かんずり(上越地方)
長野
信州そば、青リンゴ、野沢菜、栗ようかん、えのきだけ、セロリ、レタス、リンゴ、干し柿、寒天
山梨
ぶどう、勝沼ワイン、ほうとう、クレソン、すもも、芽キャベツ、桜桃、甲州小梅、スイートコーン、なす、きゅうり、トマト、漬物、八幡芋
【0013】
北陸地方の名物・名産
石川
甘エビ、あんころ、かぶら寿司、寒ブリ、枯露柿、てんば菜、いか、イワシ、サバ、ゴリ料理
富山
白エビ、ぶり、ホタルイカ、黒部米、里芋、五箇山かぼちゃ、さんま、かに、甘エビ、ホタルエビ、ゲンゲ
福井
越前ガニ、水ようかん、花らっきょ、干し柿、梅、サバ、アマダイ(若狭ぐじ)、若狭がれい、若狭ふぐ、越前うに、甘エビ、たらの子の缶詰、粉わかめ、オーロラ印の味付たら
東海地方の名物・名産
愛知
ういろう、味噌カツ、名古屋コーチン、手羽先、小倉トースト、食用花、フキ、シソ、キャベツ、ブロッコリー、鶏卵、ウズラ、アサリ、しらす、いかなご、かれい、ウナギ、海苔
静岡
うなぎパイ、お茶、わさび、富士宮やきそば、麦とろ、芽きゃべつ、わさび、茶、三ヶ日みかん、ねぎ、玉ねぎ、大根、ほうれん草、石垣イチゴ、鰹、マグロ、桜海老、興津鯛、ゲボウ(沼津市)
岐阜
富有柿、栗きんとん、明宝ハム、赤カブ、カイワレダイコン、栗、こんにゃく、山菜、トマト、みかん、美人姫(いちご)みょうが、鮎
【0014】
三重
赤福、伊勢えび、松坂牛、茶、鰹、養殖マダイ、伊勢ヒジキ
関西地方の名物・名産
大阪
お好み焼き(関西風)、たこ焼き、堂島ロール
京都
湯葉、生八つ橋、千枚漬け、ちりめん山椒、そばぼうろ、京野菜
奈良
奈良漬け、さつま焼き、柿、梅、エンドウ、吉野葛、祝ダイコン、大和肉鶏、吉野桜鮎
滋賀
江州だんご、うばがもち、鮒ずし、近江牛、水口かんぴょう、カブ、小麦、草津メロン、子小鮎、赤こんにゃく
和歌山
はっさく、和歌山らーめん、じゃばら、下津みかん、有田みかん、紀州南高梅、紀ノ川柿、じゃばら、うすいえんどう
兵庫
バウムクーヘン、神戸牛、明石焼き、神戸プリン、赤穂の塩、玉ねぎ、レタス、いかなご、養殖海苔、タコ、明石鯛
中国地方の名物・名産
【0015】
広島
もみじまんじゅう、お好み焼き(広島風)、尾道ラーメン、牡蠣、ワケギ、クワイ、マツタケ、ネーブルオレンジ、八朔、温州みかん、柿
岡山
白桃、ピオーネ、きびだんご、ひるぜん焼きそば、マッシュルーム、トウガン、備前ダイコン、そうめん南瓜、ブドウ(マスカット)、柿、シャコ
鳥取
20世紀梨、松葉がに、ラッキョウ、ちくわ、砂丘ラッキョウ、花御所柿、すいか、ブリ、アジ、板わかめ
山口
夏みかん、ウニ、安平麩、レンコン、厚保栗、養殖鯛、養殖エビ、アジ、ふぐ、おばいけ
四国地方の名物・名産
香川
讃岐うどん、えびせん、オリーブ、レタス
愛媛
愛媛みかん、いよかん、坊ちゃん団子、温州みかん、イヨカン、キウイフルーツ、里芋、養殖鯛、養殖ブリ
高知
ポンカン、かつおのたたき、かつお節、黄金しょうが、ニラ、なす、ピーマン、トマト、青海苔、鰹、マグロ、シイラ、ドロメ(シラス)
徳島
すだち、金長饅頭、徳島ラーメン、白瓜、カリフラワー、ダイコン、鳴戸金時、レンコン、鳴戸ワカメ
九州地方の名物・名産
福岡
博多ラーメン、辛し明太子、ひよ子サブレ、水炊き、博多ナス、合馬筍、キウイフルーツ、イチゴ、アサリ、ムツゴロウ、ウナギ、海苔
大分
かぼす、干し椎茸、カボチャ、ミツバ、セリ、唐辛子、ポンカン、養殖ブリ、関アジ、関サバ
【0016】
長崎
長崎ちゃんぽん、カステラ、皿うどん、豆乳(佐世保市)、びわ、白菜、なす、じゃがいも、アジ、鯛、ブリ、五島するめ
佐賀
白玉饅頭、丸ぼうろ、ゆずこしょう、大麦、小麦、玉ねぎ、アスパラガス、レンコン、佐賀海苔、あげまき
熊本
からしレンコン、デコポン、夏みかん、すいか、トマト、熊本ナス、阿蘇高菜、シンデレラ太秋柿、天草牛、養殖マダイ、馬肉
宮崎
日向夏、キンカン、地鶏、マンゴー、ピーマン、里芋、きゅうり、北浦灘アジ、門川スズキ
鹿児島
さつまあげ、黒豚、桜島大根、さつまいも、オクラ、ソラマメ、デコポン、養殖ブリ、養殖ウナギ、養殖クルマエビ
沖縄の名物・名産
ゴーヤ、シークワーサー、泡盛、マンゴー、ソーキそば、ちんすこう、オリオンビール、海ぶどう、コンビーフ、パイナップル、マンゴー、トウガン、ニガウリ、黒糖、足テビチ
【0017】
まず、地方名産品の中の1つを選び、その乾燥品を水戻しする(水戻し工程18)。
次に、水戻した地方名産品を水洗いし(水洗い工程20)、さらに水にさらして塩分を除去する(塩分処理工程22)。
次に、地方名産品を機械を用いて粗切断する(粗切断工程24)。
次に、この粗切断した地方名産品を機械を用いて粗粉砕し(粗粉砕工程26)、さらに機械を用いて、温度50℃で乾燥粉砕を行う(乾燥粉砕工程28)。
【0018】
次に、出来上がった地方名産品粉末の残さ処理を行う(残さ処理工程30)。残さ処理の終わった地方名産品の粉末36(パウダー)は、図4Bに示すように、所定量、包装用のビニール袋38に詰め(袋詰め工程)、パウダー製品として保管しておく。
尚、地方名産品の粉末化は、地方名産品の乾燥品からでなくても良く、生の地方名産品を水洗いし(水洗い工程20)、塩分処理(塩分処理工程22)を行った後、機械で粗切断(粗切断工程24)、粗粉砕(粗粉砕工程26)、乾燥粉砕(乾燥粉砕工程28)、地方名産品粉末の残さ処理(残さ処理工程30)を行って、地方名産品の粉末製品とすることもできる。
尚、選択した地方名産品によっては、上記塩分処理が不要なものがあり、その場合には、上記塩分処理工程22は省略する。
【0019】
次に、図1を参照して、地方名産品入りコットニー加工食品の製造工程について説明する。
まず、選択した地方名産品のパウダー36と、コットニーのパウダー34を所定の分量、所定の割合で混合する(混合工程40)。
次に、所定量の混合パウダーの水戻しを行う(水戻し工程44)。混合乾燥粉末を水で戻すに際しては、例えば乾燥混合粉末の容積に対しおよそ4倍の水を使用する。すなわち4リットルの乾燥パウダーから約20リットルの液状の地方名産品と原藻の混合物が完成する。しかる後に水戻しを行った混合パウダーを煮出し容器に入れ、85度の熱で加熱し煮出しを行う(煮出し工程46)。
この煮出し工程後に、煮汁・残材分離工程48に移行し、液状混合物を、煮汁を濾した混合物と煮汁とに分離する。分離した煮汁は容器に貯留する(煮汁貯留工程56)。
【0020】
次に、煮汁を濾した混合物の残材に再び水を加えて(再水戻し工程50)、混合物の残材を煮出し(再煮出し工程52)、次の再煮汁・残材分離工程54で煮汁を混合物残材から分離する。この工程50~54の煮汁分離処理を複数回行い、所定量の煮汁を作り、容器に貯める(煮汁貯留工程56)。
次に、煮汁に適量の冷却水を加水する(冷却水加水工程58)。
次に、冷却水を加えた煮汁にアルギン酸Na(ナトリウム)水溶液(糊料)を混合し、煮汁を混合ゲル液とする(煮汁ゲル化工程60)。
【0021】
次に、押し出し成形用の食品加工機を用いて、混合ゲル液を棒状に押し出し、混合物(つま)を抽出する(押し出し抽出工程62)。抽出した混合物は適宜な形に形成する。
次に、混合物を凝固剤(塩化カルシウムCa)の入った凝固水へ注入し、混合物(製品)を凝固させる(製品凝固工程64)。
次に、製品を水にさらし、水に酒精(発酵アルコール)を入れて、アルコール殺菌を行う(アルコール殺菌工程66)。尚、本製品の殺菌は、アルコール殺菌以外に、次亜塩素酸水による殺菌、又はオゾン化による殺菌でもよい。
【0022】
次に、製品の水切りを行い(水切り工程68)、製品の風味・目視検査を行う(風味・目視検査工程70)。
次に、製品の金属検査を行い(金属検査工程72)、且つ計量袋詰めの作業を行う(計量・袋詰め工程74)。
次に、製品の外箱詰めを行い(外箱詰め工程76)、外箱に入れた製品を冷蔵庫に保管し(冷蔵庫保管工程78)、本製品の全製造工程が完了する。
【0023】
尚、煮汁に冷却水を加水する冷却水加水工程58において、蒟蒻粉を混合し、煮汁の粘度を強化する蒟蒻粉混合工程を加えても良い。尚、この工程は省略しても良い。本製品は、コットニーから抽出したエキスを主原料とし、且つ地方名産品のエキスを加え、このエキスに含まれる植物繊維の特性を生かして適宜な形に成形して、刺身のつまやサラダなどのつまとして提供するものである。このエキスには、植物繊維多糖類カラギーナンが多く含まれている。
【0024】
また、製造工程上アレルギー特定原料未使用であり、本製品にはアレルギーに関する表示が不要である。
海藻類であるコットニーには、水溶性植物繊維であるアガロース、アルギン酸、カラギーナン、フコイダンなどの多糖類が細胞壁中に海水中のミネラルと塩を作り不溶性のゼリー状態で存在している。本製品は、この植物繊維の多糖類を抽出し、その特性を生かし、且つ地方名産品の特性を生かし、刺身のつまやサラダなどのつまとしたものである。
【0025】
この植物繊維多糖類の特性とは、水に多糖類の濃度を増すことによって粘度が上昇しゲル化(ゼリー化)することである。コットニーに含まれるアガロース(agarose)はゲル化しやすい中性多糖で、室温でゲルを形成するという特徴があり、力をかけると容易に流動し、制止すると粘性を回復してゲル状になる性質(チキソトロビー)があり、分離を防ぐための増粘安定剤という特性を持っている。コットニーには、K(カッパ)カラギーナンが多く含まれ、このK(カッパ)カラギーナンは、堅く強いゲルを作り、グルコマンナンと併用すると弾力性がある離水の少ないゲルを作る特徴がある。
【0026】
褐藻類に含まれるアルギン酸は、水溶性のアルギン酸ナトリウムに置換して、Ca(カルシウム)イオンを加えると水に不要のゲルが生成する特徴がある。本製品は、コットニー抽出エキスすなわち、濃度の濃いカラギーナンを含んだ煮汁水溶液を主原料とし、これにアルギン酸ナトリウムの糊(増粘)力がCaイオン架橋反応によって水に溶けずに凝固する特性を活用している。
分離を防ぐための増粘安定剤としてのカラギーナンには3タイプがある。
【0027】
K(カッパ)は堅く強いゲルを作り、オオキリンサイ属から得られる。イオタは軟らかいゲルを作りキリンサイ属から得られる。ラムダは水ではゲル化しないがタンパク質と混ぜたときに軟らかいゲルを作り、乳製品の安定剤に使われる。これはスギノリ属から得られる。カッパカラギナンは、ローカストビーガムやグルコマンナンなどとの併用でもゲル化し、弾力性があり離水が少ないゲルになる。
【0028】
褐藻類の天然海藻から得られたアルギン酸ナトリウムは、添加物としてアルギン酸とNaイオンの結合した塩であることから日本では指定添加物に分類されている。食品への表示は、糊料(アルギン酸Na)であり、アレルギーにかかる表示は不要である。
アルギン酸とその塩類の安全性は、国連機関(JFCFA:FAO/WHO合同食品添加物委員会)で評価され、ADI(1日許容摂取量)は、「指定しない」という結果となっている。
天然海藻由来のアルギン酸ナトリウムは、BSE(牛海綿状脳症)や遺伝子組み換え残量農薬等の影響のない安全な物質である。
【符号の説明】
【0029】
2 水戻し工程
4 水洗い工程
6 塩分処理工程
8 粗切断工程
10 粗粉砕工程
12 乾燥粉砕工程
14 残さ処理工程
16 袋詰め工程
18 水戻し工程
20 水洗い工程
22 塩分処理工程
24 粗切断工程
26 粗粉砕工程
28 乾燥粉砕工程
30 残さ処理工程
32 袋詰め工程
34 コットニーパウダー
36 地方名産品パウダー
38 ビニール袋
40 混合工程
44 水戻し工程
46 煮出し工程
48 煮汁・残材分離工程
50 再水戻し工程
52 再煮出し工程
54 再煮汁・残材分離工程
56 煮汁貯留工程
58 冷却水加水工程
60 煮汁ゲル化工程
62 押し出し抽出工程
64 製品凝固工程
66 アルコール殺菌工程
68 水切り工程
70 風味・目視検査工程
72 金属検査工程
74 計量・袋詰め工程
76 外箱詰め工程
78 冷蔵庫保管工程
図1
図2
図3
図4