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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096114
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】微小気泡発生装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 23/20 20220101AFI20220622BHJP
   B01F 25/40 20220101ALI20220622BHJP
【FI】
B01F3/04 Z
B01F5/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209040
(22)【出願日】2020-12-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】516263915
【氏名又は名称】株式会社アルベール・インターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】100143096
【弁理士】
【氏名又は名称】山岸 忠義
(72)【発明者】
【氏名】二谷 欣哉
【テーマコード(参考)】
4G035
【Fターム(参考)】
4G035AB27
4G035AC01
(57)【要約】
【課題】小型化が可能であり、微気泡を発生させることができる微少気泡発生装置を提供すること。
【解決手段】微気泡発生装置1は、微気泡を発生させるための装置であって、微気泡発生体2と、微気泡発体2を収容する筐体3とを備える。微気泡発生体2は、軸方向に延びる円柱軸5と、円柱軸5から径方向に突出し、角柱状を有する複数のブレード6とを備え、ブレード6の径方向長さは、円柱軸5の半径よりも長く、複数のブレード6は、螺旋状の線に沿うように配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微少気泡を発生させるための装置であって、
微少気泡発生体と、
前記微少気泡発泡体を収容する筐体と
を備え、
前記微少気泡発生体は、
軸方向に延びる円柱軸と、
前記円柱軸から径方向に突出し、角柱状を有する複数のブレードと
を備え、
前記ブレードの径方向長さは、前記円柱軸の半径よりも長く、
前記複数のブレードは、螺旋状の線に沿うように配置されていることを特徴とする、微少気泡発生装置。
【請求項2】
前記軸方向に対する前記螺旋状の螺旋角が、45度以下であることを特徴とする、請求項1に記載の微少気泡発生装置。
【請求項3】
前記ブレードが、略平行四辺形状に突出する四角柱であり、
前記ブレードが、
軸方向に対して直交する直交面と、
前記直交面と斜め方向に交差する斜面とを有し、
前記ブレードの軸方向長さは、前記直交面の直交方向長さよりも短いことを特徴とする、請求項1または2に記載の微少気泡発生装置。
【請求項4】
前記円柱軸の軸方向長さが、前記螺旋状の螺旋周期よりも短いことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の微少気泡発生装置。
【請求項5】
前記微少気泡発生体の外周縁において、ブレード間ピッチが、前記ブレードの円周方向長さよりも長いことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の微少気泡発生装置。
【請求項6】
前記筐体が、蛇口の先端に固定するための固定部を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の微少気泡発生装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微少気泡発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、1μm以下の微少気泡であるナノバブルを水に、多量に発生させたナノバブル水は、洗浄能力や美容効果など種々の効果が検証されており、注目されている。ナノバブル水の発生装置は、小型化や簡便性、取付容易性などの改良がなされ、家庭用にも使用できる装置が提供されている。このような発生装置としては、シャワーヘッドに微少気泡発生体を内蔵したシャワーヘッド内蔵タイプ(例えば、特許文献1)、微少気泡発生体をホース継ぎ手として、シャワーヘッドとホースとの間に取り付けるタイプ(例えば、特許文献2)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-11034号公報
【特許文献2】特許第6205099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ナノバブル発生装置としては、シャワーヘッドに限らず、取付場所や用途に応じたさまざまなニーズがある。その中で、例えば、台所や洗面台の蛇口の先端に取り付けるタイプがあれば、用途が広がり、便利である。
【0005】
しかしながら、特許文献2のナノバブル発生装置は、台所の蛇口の先端に取り付けるには長すぎて、使いにくい場合が生じる。一方、短くすると、ナノバブルの発生が充分でない場合が生じる。
【0006】
本発明は、小型化が可能であり、微少気泡を発生させることができる微少気泡発生装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明[1]は、微少気泡を発生させるための装置であって、微少気泡発生体と、前記微少気泡発泡体を収容する筐体とを備え、前記微少気泡発生体は、軸方向に延びる円柱軸と、前記円柱軸から径方向に突出し、角柱状を有する複数のブレードとを備え、前記ブレードの径方向長さは、前記円柱軸の半径よりも長く、前記複数のブレードは、螺旋状の線に沿うように配置されている、微少気泡発生装置を含む。
【0008】
このような発明によれば、角柱状を有するブレードが複数配置されているため、微少気泡発生装置に流入する水を、ブレードに複数回衝突させることができる。また、複数のブレードの径方向長さが、円柱軸の半径よりも大きく、複数のブレードは、螺旋状に配置されているため、ブレード間に水の流れる空間(流路)を十分に確保できるとともに、スムーズな螺旋状の水流とすることができる。これらから、多量のスムーズな水流を複数のブレードに連続して接触させることができ、その結果、多量のナノバブルを発生させることができる。加えて、多量の微少気泡を発生できるため、発生体の軸方向(水流方向)長さを短くしても充分な量の微少気泡を発生できるため、小型化が可能である。その結果、蛇口の先端などに取り付けたとしても、作業スペースの過度の圧迫を抑制することができる。
【0009】
本発明[2]は、前記軸方向に対する前記螺旋状の螺旋角が、45度以下である、項[1]に記載の微少気泡発生装置を含む。
【0010】
このような発明によれば、より多くの微少気泡を発生させることができる。
【0011】
本発明[3]は、前記ブレードが、略平行四辺形状に突出する四角柱であり、前記ブレードは、軸方向に対して直交する直交面と、前記直交面と斜め方向に交差する斜面とを有し、 前記ブレードの軸方向長さは、前記直交面の直交方向長さよりも短い、項[1]または[2]に記載の微少気泡発生装置を含む。
【0012】
このような発明によれば、ブレードは、直交面および斜面を有しているため、直交面および斜面の衝突で微少気泡を確実に発生できるとともに、斜面に沿って水をスムーズに螺旋方向に誘導できる。よって、より多量の微少気泡を発生させることができる。また、ブレードの軸方向長さは、直交面の直交方向長さよりも短いため、微少気泡発生体を軸方向に短くすることができ、小型化を図ることができる。
【0013】
本発明[4]は、前記円柱軸の軸方向長さが、前記螺旋状の螺旋周期よりも短い、項[1]~[3]のいずれか一項に記載の微少気泡発生装置を含む。
【0014】
このような発明によれば、軸方向長さを短くすることができるため、より一層の小型化を図ることができる。
【0015】
本発明[5]は、前記微少気泡発生体の外周縁において、ブレード間ピッチが、前記ブレードの円周方向長さよりも長い、項[1]~[4]のいずれか一項に記載の微少気泡発生装置を含む。
【0016】
このような発明によれば、水の流路の幅を十分に確保することができるため、微少気泡発生装置から放出される水圧の低下を抑制することができる。
【0017】
本発明[6]は、前記筐体が、蛇口の先端に固定するための固定部を有する、項[1]~[5]のいずれか一項に記載の微少気泡発生装置を含む。
【0018】
このような発明によれば、別部品の取り付け用具を必要とせずに、蛇口に容易に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の微少気泡発生体装置は、小型化が可能であり、多量の微少気泡を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の微少気泡発生装置の第1実施形態の使用状態の模式図を示す。
図2図2は、図1に示す実施形態の分解斜視図を示す。
図3図3は、図1に示す実施形態の微少気泡発生体を側面方向から目視したときの透視投影図を示す。
図4図4は、図3の微少気泡発生体を軸方向一方側から目視したときの透視投影図を示す。
図5図5は、本発明の微少気泡発生装置の第2実施形態に用いる微少気泡発生体を側面方向から目視したときの透視投影図を示す。
図6図6は、図5の微少気泡発生体を軸方向一方側から目視したときの透視投影図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1実施形態>
図1図4を用いて、本発明の微少気泡発生装置の一例としての第1実施形態を説明する。
【0022】
第1実施形態の微少気泡発生装置1(以下、「発生装置」と略することもある。)は、図1図2に示すように、蛇口20に取り付けて、微少気泡を発生させる装置であって、気泡発生体(以下、「発生体」と略することもある。)2と、筐体3と、メッシュ4とを備える。
【0023】
発生体2は、軸方向一方側(上流側)から流れてくる水に微少気泡を発生させるための部材であって、図3図4に示すように、円柱軸5と、複数のブレード6と、頭頂部7とを備える。
【0024】
円柱軸5は、複数のブレード6を支持する部位であって、軸方向(上下方向)に延びる円柱状を有する。
【0025】
複数のブレード6は、水に微少気泡を発生させる部位であって、円柱軸5の周側面から径方向に突出するように配置されている。複数のブレード6は、互いに同一形状であって、平行六面体である。すなわち、ブレード6は、側面視略平行四辺形状を有する四角柱である。また、軸方向に直交する断面視においては、径方向に長尺な長方形状を有し、軸方向他方側に向かうように従って長方形状が円柱軸1の円周方向(反時計回り)に回転するように形成されている。ブレード6の外周縁は、軸方向から目視したときに、筐体3の本体部12の内周縁に沿うように湾曲している。すなわち、ブレード6の径方向外側面(平行四辺形状を形成する面)は、円弧状に形成されている。ブレード6は、円柱軸7から径方向外側面まで径方向に延びる直交面8および斜面9を有する。
【0026】
直交面8は、軸方向に直交し、軸方向一端側(上側)を臨む面である。直交面8は、軸方向から目視したときに、径方向に長尺な略長方形状である。直交面8の直交方向長さL1は、ブレード6の軸方向長さL2よりも短い。
【0027】
斜面9は、直交面8と斜め方向(交差方向)に延び、軸方向一方側を臨む面である。すなわち、斜面9は、直交面8と連続し、側面視において、直交面8とともに鈍角を形成する面である。
【0028】
ブレード6は、円柱軸5の周側面に複数(35個)設けられ、円柱軸5の軸方向一端部から他端部にわたって規則正しく配置されている。具体的には、円柱軸5から放射状に突出する複数(5個)のブレードで、一組のプロペラ状ブレード群10を構成しており、プロペラ状ブレード群10は、軸方向に間隔を隔てて、複数(7組)配置されている。複数のプロペラ状ブレード群10は、互いに平行となるように、軸方向に等間隔で配置されている。
【0029】
複数のブレード6は、円柱軸5の軸方向(特に、円柱軸5の中心を通過する軸方向の直線)を螺旋軸Xとした螺旋状の線Yに沿うように、円柱軸5の側面に配置されている。特に、複数のブレード6は、緩やかな螺旋角θを持つ螺旋上に配置されている。具体的には、互いに軸方向に間隔を空けて隣接する2つのブレード6の位置関係において、一のブレード6および他のブレード6は、軸方向一方側から他方側に向かって目視したときに、互いに重複し、かつ、円周方向に僅かにずれるように位置する。すなわち、軸方向から目視したときに、軸方向他方側に配置される他のブレード6は、軸方向一方側に位置する一のブレード6に対して、反時計周りに(ブレード6の直交面8から斜面9に向かう円周方向に)僅かにずれている。
【0030】
発生体2において、螺旋状に配置されるブレード群は、複数組存在する。すなわち、径方向から目視したときに、軸方向に近接する複数(7つ)のブレード6で、一列の螺旋状ブレード群11を構成しており、螺旋状ブレード群11は、円周方向に等間隔で、複数列(5列)配置されている。換言すると、複数組(7組)のプロペラ状ブレード群1が、円周方向に回転するように(螺旋状に)、軸方向に等間隔で、配置されている。これにより、多数(35個)のブレード6を配置しながら、螺旋状ブレード群11の間に、複数(5つ)の螺旋状の大きな流路が形成されている。
【0031】
頭頂部7は、発生装置1に流入する水を、発生体2の円周方向外側に位置するブレード6やその間の流路に誘導するための部位であって、円柱軸5の軸方向一方端に配置されている。頭頂部7は、軸方向一端部を頂点とし、軸方向他方側に向かうに従って拡径する円錐形状を有する。
【0032】
円柱軸5の軸方向長さTは、螺旋周期λ(螺旋が円周軸5を一周するまでの軸方向長さ)よりも短い。すなわち、一の螺旋状ブレード群11は、円柱軸5を一周しない。具体的には、円柱軸5の軸方向長さTは、例えば、10mm以上、好ましくは、25mm以上であり、また、例えば、50mm以下、好ましくは、40mm以下である。円柱軸5の半径rは、例えば、2mm以上、好ましくは、4mm以上であり、また、例えば、10mm以下、好ましくは、8mm以下である。なお、図4について、螺旋周期λは、4分の1の長さで示している。
【0033】
螺旋角θは、図3の一点鎖線が示すように、螺旋軸Xと螺旋線Yとがなす角度であって、45度以下であり、好ましくは、30度以下であり、また、例えば、5度以上、好ましくは、10度以上である。
【0034】
軸方向に隣接する2つのブレード6の円周方向のずれの角度θは、例えば、5度以上、好ましくは、10度以上であり、また、例えば、30度以下、好ましくは、20度以下である。
【0035】
各ブレード6の径方向長さ(角柱の高さ)L3は、円柱軸5の半径rよりも長く、例えば、半径rの1.3倍以上、好ましくは、1.5倍以上であり、また、例えば、5倍以下、好ましくは、3倍以下である。具体的には、ブレード6の径方向長さL3は、例えば、4mm以上、好ましくは、6mm以上であり、また、例えば、15mm以下、好ましくは、12mm以下である。
【0036】
各ブレード6における直交面8の直交方向長さL1および斜面9の斜面方向長さL4は、それぞれ、例えば、2mm以上、好ましくは、3mm以上であり、また、例えば、10mm以下、好ましくは、8mm以下である。
【0037】
ブレード6の軸方向長さ(平行四辺形の高さ)L2は、直交面8の直交方向長さL1よりも短く、例えば、直交方向長さL1の0.9倍以下、0.5倍以上である。具体的には、軸方向長さL2は、例えば、2mm以上、好ましくは、3mm以上であり、また、例えば、10mm以下、好ましくは、5mm以下である。
【0038】
発生体2の外周縁において、円周方向におけるブレード間ピッチpが、ブレード6の円周方向長さL5よりも長い。具体的には、ピッチpは、例えば、円周方向長さL5の1.5倍以上、好ましくは、2.0倍以上であり、また、例えば、5.0倍以下、好ましくは、3.0倍以下である。
【0039】
頭頂部7の軸方向長さは、例えば、1mm以上、好ましくは、3mm以上であり、また、例えば、10mm以下、好ましくは、5mm以下である。
【0040】
発生体2の材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアセタール(POM)、シリコーンゴム、ABS樹脂などの樹脂、例えば、アルミニウム、ステンレス、真鍮などの金属などが挙げられ、好ましくは、樹脂が挙げられる。また、円柱軸5、複数のブレード6および頭頂部7は、これらの材料から一体成形されている。
【0041】
筐体3は、発生体2を収容し、かつ、蛇口などに取り付けるための容器であって、本体部12と蓋部13とを備える。
【0042】
本体部12は、発生体2をその内部に収容可能であり、有底円筒形状を有する。本体部12の内側側面は、発生体2の外周縁が形成する仮想円周と略一致し、本体部12の軸方向長さは、発生体2の軸方向長さTよりも僅かに長い。
【0043】
本体部12の底には、水を通過させるための円形状の開口14が形成されている。開口14は、円柱軸5よりも大きくなるように形成されている。また、本体部12の上端部の内側には、内ネジ15が形成されており、蓋部13と固定可能にする。
【0044】
蓋部13は、本体部12に固定可能であり、本体部12とともに発生体2を内部に収容する。蓋部13は、上方および下方が開放する円筒状を有する。蓋部13の上端部の内側には、固定部の一例としての内ネジ15が形成されており、蛇口20と固定可能にする。また、蓋部13の下端部の外側には、外ネジ16が形成されており、本体部12の内ネジ17と勘合して固定可能にする。
【0045】
筐体3の材料としては、発生体2で例示したものと同様の樹脂または金属などが挙げられる。
【0046】
メッシュ4は、水を通過させるとともに、発生体2を支持するための部材である。メッシュ4の外形は、本体部12の内側側面と一致する。メッシュ4は、本体部12の底に配置される。
【0047】
発生装置1は、例えば、図1に示すように、台所や洗面台などの蛇口(水栓)20の先端に取り付ける。すなわち、発生体2の軸方向と上下方向が一致するようにして、詩部13の内ネジ17を蛇口20に固定する。これにより、蛇口20から下方向に向かって放出される水が、発生装置1を通過することにより、水流中にナノバブル(直径が1000nm以下である微少気泡)が発生し、その結果、ナノバブルを多量に含有するナノバブル水を簡単に得ることができる。
【0048】
このとき、蛇口20から放出される水は、蓋部13の上方開口から流入し、頭頂部7に衝突して、円周方向外側に拡散移動する。その後、水は、ブレード6の最上段(軸方向一端部)にあるブレード6の直交面8および斜面9に衝突し、続いて、下側に位置する複数の斜面9に沿って螺旋状に落下していき、開口14から放出される。
【0049】
特に、この微少気泡発生装置1では、複数のブレード6が螺旋状に配置されているため、水流を複数のブレード6に多段的に連続して衝突させることができる。また、複数のブレード6の径方向長さL3が円柱軸5の半径rよりも長いため、ブレード間に水の流れる空間(流路)の幅を広くでき、十分な流路を確保できる。加えて、複数のブレード6が螺旋状に配置されているため、ランダムにブレード6が配置されている場合に比して、スムーズな螺旋状の水流とすることができる。すなわち、多量のスムーズな水流を複数のブレード6に連続して接触させることができる。したがって、多量のナノバブルを発生させることができる。
【0050】
さらに、多量のナノバブルを発生できることにより、発生体2の軸方向(水流方向)長さTを短くしても充分な量のナノバブルを発生できるため、小型化が可能である。したがって、蛇口の先端などに取り付けたとしても、作業スペースの過度の圧迫を抑制することができる。
【0051】
さらに、多量の水流をスムーズに外部に放出することができることにより、水の経路に微少気泡発生体2を設置したことによる大幅な水圧や水量の低下を抑制することができる。
【0052】
また、この発生装置1では、軸方向に対するブレード6の螺旋状の螺旋角θが、45度以下である。このため、より多くのナノバブルを発生することができる。
【0053】
また、この発生装置1では、ブレード6が、略平行四辺形状に突出する四角柱であり、直交面8と斜面と1を有し、かつ、ブレード6の軸方向長さL2は、直交面8の直交方向長さL1よりも短い。このため、直交面8および斜面9の衝突でナノバブルを確実に発生できるとともに、斜面に沿って水をスムーズに螺旋方向に誘導できる。よって、より多量のナノバブルを発生させることができる。また、ブレード6の軸方向長さL2は、直交面8の直交方向長さL1よりも短いため、発生体2の軸方向長さTを短くすることができ、小型化を図ることができる。それとともに、斜面9の斜面方向長さL4が、軸方向長さL2よりも長いため、水流に接触する面積を増加させることができるため、より短い軸方向長さで、ナノバブルを効率的に発生させることができる。
【0054】
また、この発生装置1では、円柱軸5の軸方向長さTが、螺旋周期λよりも短い。このため、より一層の小型化を図ることができる。また、水が螺旋を1周しないうちに発生装置1から放出されるため、スムーズな排水が可能となり、大幅な水圧や水量の低下を抑制することができる。
【0055】
また、この発生装置1では、発生体2の外周縁において、ブレード6の円周方向長さL5が、ブレード間ピッチpよりも長いため、水の流路の幅を十分に確保することができるため、発生装置1の開口14から抄出される水圧の低下を抑制することができる。
【0056】
また、この発生装置1では、筐体3が内ネジ17を有するため、別部品の取り付け用具を必要とせずに、蛇口20に容易に取り付けることができる。
【0057】
<第2実施形態>
図5図6を用いて、本発明の微少気泡発生装置の第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同様の部材については、第1実施形態と同様の符号を付し、説明を省略する。
【0058】
複数のブレード6は、円柱軸5の軸方向を螺旋軸Xとした螺旋状の線Yに沿うように、円柱軸5の配置されている。特に、複数のブレード6は、急峻な螺旋角θ´を持つ螺旋上に配置されている。具体的には、互いに軸方向に間隔を空けて隣接する2つのブレード6の位置関係において、一のブレード6および他のブレード6は、軸方向一方側から他方側に向かって目視したときに、円周方向(反時計回り)に大幅にずれるように位置している。すなわち、軸方向から目視したときに、軸方向他方側に配置される他のブレード6bは、軸方向一方側に位置する一のブレード6に対して、反時計周りに(ブレード6の直交面8から斜面9に向かう円周方向に)大きくずれている。
【0059】
螺旋角θ´は、45度を超過し、例えば、50度以上であり、また、例えば、85度以下、好ましくは、65度以下である。軸方向に隣接する2つのブレード6の円周方向のずれの角度θ´は、例えば、30度を超過し、好ましくは、40度以上であり、また、例えば、60度以下、好ましくは、50度以下である。
【0060】
この第2実施形態の発生装置1も、第1実施形態と同様に、小型化が可能であり、多量のナノバブルを発生させることができる。また、この発生装置1は、螺旋角θ´は、45度を超過するため、気泡の大きさがより小さいナノバブルを発生させることができる。
【0061】
<変形例>
本発明の微少気泡発生装置1は、第1実施形態および第2実施形態に限定されず、これら以外の形態の一例を下記に示す。
【0062】
例えば、一つのプロペラ状ブレード群1を構成するブレード6の数、すなわち、特定の軸方向位置における円周方向に存在する放射状に延びるブレード6の数は、第1~2実施形態では5つであったが、これに限定されず、例えば、4~6の範囲とすることができる。発生装置1からの放出される水の水圧やナノバブル量の観点から、5が最も好ましい。
【0063】
また、一の螺旋状ブレード群11を構成するブレード6の数、すなわち、軸方向に存在するブレード6の数は、第1~2実施形態では7つであったが、これに限定されず、例えば、5~10の範囲にすることができる。発生装置1からの放出される水の水圧やナノバブル量の観点から、7が最も好ましい。
【0064】
また、第1~2実施形態では、固定部の一例として内ネジ17を備えていたが、蛇口の先端のタイプに応じて、例えば、外ネジ形式の固定部にしてもよく、ビス止め金具、固定用リングなどの他の取り付け具を備えていてもよい。また、筐体2の軸方向他端部に、シャワー切り替えスイッチなどのその他の部材を備えていてもよい。
【0065】
また、第1~2実施形態では、水の経路の最下流側(放水部)付近に取り付けるタイプであるが、例えば、微少気泡発生装置1は、水の経路の中間に取り付けるタイプであってもよい。この場合、筐体3の軸方向両端部に、他の部材に取り付け可能な固定部(例えば、内ネジ、外ネジ)を備える。このようなタイプとしては、具体的には、蛇口とホースとの間に設置するためのホース継ぎ手、吐出器具(シャワーヘッドなど)とホースとの間に設置するための吐出ノズル用アダプター、水使用電化製品(洗濯機、食器洗浄機など)とホースとの間に設置するための電化製品用アダプターなどが挙げられる。
【0066】
<実施例>
以下に実施例を挙げて本発明の微少気泡発生体をより詳細に説明する。ただし、本発明の微少気泡発生体は、下記の実施例に限定されない。
【0067】
(実施例1)
図1~4に記載の微少気泡発生装置を作製した。なお、微少気泡発生体において、およそ下記のサイズおよび材料とした。
【0068】
直交面8の直交方向長さL1:4mm、ブレード6の軸方向長さL2:3mm、ブレード6の径方向長さL3:8mm、斜面9の斜面方向長さL4:5mm、外周縁における円周方向長さL5に対するブレードピッチpの比(p/L5):2.5倍、発生体2の軸方向長さT:33mm、円柱軸5の半径r:4mm、螺旋角θ:15度、ずれの角度θ:12度、頂点部長さ:4mm、材料:ポリプロピレン
【0069】
(実施例2)
螺旋角(θ´)を約50度およびずれの角度(θ´)を約45度にした以外は実施例1と同様にして、微少気泡発生装置を作製した(図5図6参照)。
【0070】
(評価)
実施例1および実施例2の微少気泡発生装置をそれぞれ台所の蛇口の先端に取り付けて、水を流し、微少気泡発生装置を通過させた。その水に含まれる微少気泡を下記の条件により測定した。
測定装置:Nanosight LM10V-HS(Malvern社製、CMOSカメラ、紫レーザー405nm)
解析ソフト:NTA3.4
水温:約20度
気泡粒径の参考となる標準粒子:ポリスチレンラテックス粒子100nm(Thermoscientific社製)
【0071】
微少気泡発生装置を通過させたサンプル水を、シリンジを用いて、上記装置のモジュールセルに注入した。続いて、レーザーを照査し、散乱光を観察し、その観察画像をトラッキング解析(NTA解析)により処理して、粒度分布図を作製した。
【0072】
その結果、実施例1のサンプル水では、粒径1000nm以下の気泡の量は、4.99×10個/mLであり、粒径D10:80.4nm、D50:132.0nmであった。
【0073】
実施例2のサンプル水では、粒径1000nm以下の気泡の量は、3.78×10個/mLであり、粒径D10:69.4nm、D50:102.6nmであった。
【0074】
発生装置を通過させなかったサンプル水では、粒径1000nm以下の気泡の量は、2.77×10個/mLであり、粒径D10:78.3nm、D50:118.8nmであった。
【符号の説明】
【0075】
1 微少気泡発生装置、2 気泡発生体、3 筐体、4 メッシュ、5 円柱軸、6 ブレード、7 頭頂部、8 直交面、9 斜面、10 プロペラ状ブレード群、11 螺旋状ブレード群、12 本体部、13 蓋部、14 開口、15 内ネジ、16 外ネジ、17内ネジ、20 蛇口、θ 螺旋角、θ ブレード間のずれの角度

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-05-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気泡を発生させるための装置であって、
気泡発生体と、
前記微気泡発生体を収容する筐体と
を備え、
前記微気泡発生体は、
軸方向に延びる円柱軸と、
前記円柱軸から径方向に突出し、角柱状を有する複数のブレードと
を備え、
前記ブレードの径方向長さは、前記円柱軸の半径よりも長く、
前記複数のブレードは、前記円柱軸の軸方向に間隔を隔てて配置され、
前記複数のブレードは、円柱軸の軸方向を螺旋軸とした螺旋状の線に沿うように配置されていることを特徴とする、微気泡発生装置。
【請求項2】
前記軸方向に対する前記螺旋状の螺旋角が、45度以下であることを特徴とする、請求項1に記載の微気泡発生装置。
【請求項3】
前記ブレードが、略平行四辺形状に突出する四角柱であり、
前記ブレードが、
軸方向に対して直交する直交面と、
前記直交面と斜め方向に交差する斜面とを有し、
前記ブレードの軸方向長さは、前記直交面の直交方向長さよりも短いことを特徴とする、請求項1または2に記載の微気泡発生装置。
【請求項4】
前記円柱軸の軸方向長さが、前記螺旋状の螺旋周期よりも短いことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の微気泡発生装置。
【請求項5】
前記微気泡発生体の外周縁において、ブレード間ピッチが、前記ブレードの円周方向長さよりも長いことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の微気泡発生装置。
【請求項6】
前記筐体が、蛇口の先端に固定するための固定部を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の微気泡発生装置。
【請求項7】
前記微小気泡発生体は、軸方向に間隔を隔てて複数配置されるプロペラ状ブレード群を備え、
前記プロペラ状ブレード群は、前記円柱軸から放射状に突出する前記複数のブレードから構成されていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の微小気泡発生装置。
【請求項8】
前記微小気泡発生体は、前記円柱軸の軸方向一方端に配置される頭頂部を有し、
前記微小気泡発生装置は、蛇口またはホースから放出される水が、前記頭頂部に衝突するように、構成されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の微小気泡発生装置。
【請求項9】
前記頭頂部は、軸方向一端部を頂点とし、軸方向他方端に向かうに従って拡径する円錐形状を有することを特徴とする、請求項8に記載の微小気泡発生装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、微気泡発生装置に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
近年、1μm以下の微気泡であるナノバブルを水に、多量に発生させたナノバブル水は、洗浄能力や美容効果など種々の効果が検証されており、注目されている。ナノバブル水の発生装置は、小型化や簡便性、取付容易性などの改良がなされ、家庭用にも使用できる装置が提供されている。このような発生装置としては、シャワーヘッドに微気泡発生体を内蔵したシャワーヘッド内蔵タイプ(例えば、特許文献1)、微気泡発生体をホース継ぎ手として、シャワーヘッドとホースとの間に取り付けるタイプ(例えば、特許文献2)などが知られている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、小型化が可能であり、微気泡を発生させることができる微気泡発生装置を提供する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明[1]は、微気泡を発生させるための装置であって、微気泡発生体と、前記微気泡発体を収容する筐体とを備え、前記微気泡発生体は、軸方向に延びる円柱軸と、前記円柱軸から径方向に突出し、角柱状を有する複数のブレードとを備え、前記ブレードの径方向長さは、前記円柱軸の半径よりも長く、前記複数のブレードは、螺旋状の線に沿うように配置されている、微気泡発生装置を含む。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
このような発明によれば、角柱状を有するブレードが複数配置されているため、微気泡発生装置に流入する水を、ブレードに複数回衝突させることができる。また、複数のブレードの径方向長さが、円柱軸の半径よりも大きく、複数のブレードは、螺旋状に配置されているため、ブレード間に水の流れる空間(流路)を十分に確保できるとともに、スムーズな螺旋状の水流とすることができる。これらから、多量のスムーズな水流を複数のブレードに連続して接触させることができ、その結果、多量のナノバブルを発生させることができる。加えて、多量の微気泡を発生できるため、発生体の軸方向(水流方向)長さを短くしても充分な量の微気泡を発生できるため、小型化が可能である。その結果、蛇口の先端などに取り付けたとしても、作業スペースの過度の圧迫を抑制することができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明[2]は、前記軸方向に対する前記螺旋状の螺旋角が、45度以下である、項[1]に記載の微気泡発生装置を含む。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
このような発明によれば、より多くの微気泡を発生させることができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明[3]は、前記ブレードが、略平行四辺形状に突出する四角柱であり、前記ブレードは、軸方向に対して直交する直交面と、前記直交面と斜め方向に交差する斜面とを有し、 前記ブレードの軸方向長さは、前記直交面の直交方向長さよりも短い、項[1]または[2]に記載の微気泡発生装置を含む。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
このような発明によれば、ブレードは、直交面および斜面を有しているため、直交面および斜面の衝突で微気泡を確実に発生できるとともに、斜面に沿って水をスムーズに螺旋方向に誘導できる。よって、より多量の微気泡を発生させることができる。また、ブレードの軸方向長さは、直交面の直交方向長さよりも短いため、微気泡発生体を軸方向に短くすることができ、小型化を図ることができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明[4]は、前記円柱軸の軸方向長さが、前記螺旋状の螺旋周期よりも短い、項[1]~[3]のいずれか一項に記載の微気泡発生装置を含む。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本発明[5]は、前記微気泡発生体の外周縁において、ブレード間ピッチが、前記ブレードの円周方向長さよりも長い、項[1]~[4]のいずれか一項に記載の微気泡発生装置を含む。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
このような発明によれば、水の流路の幅を十分に確保することができるため、微気泡発生装置から放出される水圧の低下を抑制することができる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
本発明[6]は、前記筐体が、蛇口の先端に固定するための固定部を有する、項[1]~[5]のいずれか一項に記載の微気泡発生装置を含む。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
本発明の微気泡発生体装置は、小型化が可能であり、多量の微気泡を発生させることができる。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
図1図1は、本発明の微気泡発生装置の第1実施形態の使用状態の模式図を示す。
図2図2は、図1に示す実施形態の分解斜視図を示す。
図3図3は、図1に示す実施形態の微気泡発生体を側面方向から目視したときの透視投影図を示す。
図4図4は、図3の微気泡発生体を軸方向一方側から目視したときの透視投影図を示す。
図5図5は、本発明の微気泡発生装置の第2実施形態に用いる微気泡発生体を側面方向から目視したときの透視投影図を示す。
図6図6は、図5の微気泡発生体を軸方向一方側から目視したときの透視投影図を示す。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
<第1実施形態>
図1図4を用いて、本発明の微気泡発生装置の一例としての第1実施形態を説明する。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
第1実施形態の微気泡発生装置1(以下、「発生装置」と略することもある。)は、図1図2に示すように、蛇口20に取り付けて、微気泡を発生させる装置であって、気泡発生体(以下、「発生体」と略することもある。)2と、筐体3と、メッシュ4とを備える。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
発生体2は、軸方向一方側(上流側)から流れてくる水に微気泡を発生させるための部材であって、図3図4に示すように、円柱軸5と、複数のブレード6と、頭頂部7とを備える。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
複数のブレード6は、水に微気泡を発生させる部位であって、円柱軸5の周側面から径方向に突出するように配置されている。複数のブレード6は、互いに同一形状であって、平行六面体である。すなわち、ブレード6は、側面視略平行四辺形状を有する四角柱である。また、軸方向に直交する断面視においては、径方向に長尺な長方形状を有し、軸方向他方側に向かうように従って長方形状が円柱軸1の円周方向(反時計回り)に回転するように形成されている。ブレード6の外周縁は、軸方向から目視したときに、筐体3の本体部12の内周縁に沿うように湾曲している。すなわち、ブレード6の径方向外側面(平行四辺形状を形成する面)は、円弧状に形成されている。ブレード6は、円柱軸7から径方向外側面まで径方向に延びる直交面8および斜面9を有する。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
発生装置1は、例えば、図1に示すように、台所や洗面台などの蛇口(水栓)20の先端に取り付ける。すなわち、発生体2の軸方向と上下方向が一致するようにして、蓋部13の内ネジ17を蛇口20に固定する。これにより、蛇口20から下方向に向かって放出される水が、発生装置1を通過することにより、水流中にナノバブル(直径が1000nm以下である微気泡)が発生し、その結果、ナノバブルを多量に含有するナノバブル水を簡単に得ることができる。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
特に、この微気泡発生装置1では、複数のブレード6が螺旋状に配置されているため、水流を複数のブレード6に多段的に連続して衝突させることができる。また、複数のブレード6の径方向長さL3が円柱軸5の半径rよりも長いため、ブレード間に水の流れる空間(流路)の幅を広くでき、十分な流路を確保できる。加えて、複数のブレード6が螺旋状に配置されているため、ランダムにブレード6が配置されている場合に比して、スムーズな螺旋状の水流とすることができる。すなわち、多量のスムーズな水流を複数のブレード6に連続して接触させることができる。したがって、多量のナノバブルを発生させることができる。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
さらに、多量の水流をスムーズに外部に放出することができることにより、水の経路に微気泡発生体2を設置したことによる大幅な水圧や水量の低下を抑制することができる。
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
また、この発生装置1では、ブレード6が、略平行四辺形状に突出する四角柱であり、直交面8と斜面9とを有し、かつ、ブレード6の軸方向長さL2は、直交面8の直交方向長さL1よりも短い。このため、直交面8および斜面9の衝突でナノバブルを確実に発生できるとともに、斜面に沿って水をスムーズに螺旋方向に誘導できる。よって、より多量のナノバブルを発生させることができる。また、ブレード6の軸方向長さL2は、直交面8の直交方向長さL1よりも短いため、発生体2の軸方向長さTを短くすることができ、小型化を図ることができる。それとともに、斜面9の斜面方向長さL4が、軸方向長さL2よりも長いため、水流に接触する面積を増加させることができるため、より短い軸方向長さで、ナノバブルを効率的に発生させることができる。
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
<第2実施形態>
図5図6を用いて、本発明の微気泡発生装置の第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同様の部材については、第1実施形態と同様の符号を付し、説明を省略する。
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
<変形例>
本発明の微気泡発生装置1は、第1実施形態および第2実施形態に限定されず、これら以外の形態の一例を下記に示す。
【手続補正28】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
また、第1~2実施形態では、水の経路の最下流側(放水部)付近に取り付けるタイプであるが、例えば、微気泡発生装置1は、水の経路の中間に取り付けるタイプであってもよい。この場合、筐体3の軸方向両端部に、他の部材に取り付け可能な固定部(例えば、内ネジ、外ネジ)を備える。このようなタイプとしては、具体的には、蛇口とホースとの間に設置するためのホース継ぎ手、吐出器具(シャワーヘッドなど)とホースとの間に設置するための吐出ノズル用アダプター、水使用電化製品(洗濯機、食器洗浄機など)とホースとの間に設置するための電化製品用アダプターなどが挙げられる。
【手続補正29】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
<実施例>
以下に実施例を挙げて本発明の微気泡発生体をより詳細に説明する。ただし、本発明の微気泡発生体は、下記の実施例に限定されない。
【手続補正30】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
(実施例1)
図1~4に記載の微気泡発生装置を作製した。なお、微気泡発生体において、およそ下記のサイズおよび材料とした。
【手続補正31】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
(実施例2)
螺旋角(θ´)を約50度およびずれの角度(θ´)を約45度にした以外は実施例1と同様にして、微気泡発生装置を作製した(図5図6参照)。
【手続補正32】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
(評価)
実施例1および実施例2の微気泡発生装置をそれぞれ台所の蛇口の先端に取り付けて、水を流し、微気泡発生装置を通過させた。その水に含まれる微気泡を下記の条件により測定した。
測定装置:Nanosight LM10V-HS(Malvern社製、CMOSカメラ、紫レーザー405nm)
解析ソフト:NTA3.4
水温:約20度
気泡粒径の参考となる標準粒子:ポリスチレンラテックス粒子100nm(Thermoscientific社製)
【手続補正33】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
気泡発生装置を通過させたサンプル水を、シリンジを用いて、上記装置のモジュールセルに注入した。続いて、レーザーを照査し、散乱光を観察し、その観察画像をトラッキング解析(NTA解析)により処理して、粒度分布図を作製した。
【手続補正34】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
1 微気泡発生装置、2 気泡発生体、3 筐体、4 メッシュ、5 円柱軸、6 ブレード、7 頭頂部、8 直交面、9 斜面、10 プロペラ状ブレード群、11 螺旋状ブレード群、12 本体部、13 蓋部、14 開口、15 内ネジ、16 外ネジ、17内ネジ、20 蛇口、θ 螺旋角、θ ブレード間のずれの角度
【手続補正書】
【提出日】2021-09-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微小気泡を発生させるための装置であって、
微小気泡発生体と、
前記微小気泡発生体を収容する筐体と
を備え、
前記微小気泡発生体は、
軸方向に延びる円柱軸と、
前記円柱軸から径方向に突出し、角柱状を有する複数のブレードと
を備え、
前記ブレードの径方向長さは、前記円柱軸の半径よりも長く、
前記複数のブレードは、前記円柱軸の軸方向に間隔を隔てて配置され、
前記複数のブレードは、円柱軸の軸方向を螺旋軸とした螺旋状の線に沿うように配置されており、
前記軸方向に対する前記螺旋状の螺旋角が、45度以下であり、
前記筐体が、蛇口の先端に固定するための固定部を有し、
前記微小気泡発生体は、前記円柱軸の軸方向一方端に配置される頭頂部を有し、
前記微小気泡発生体は、前記蛇口から放出される水が、直接、前記頭頂部に衝突するように配置されており、
前記ブレードは、略平行四辺形状に突出する四角柱であり、
前記ブレードは、前記軸方向に対して直交する直交面と、前記直交面と斜め方向に交差する斜面とを有し、
前記ブレードの軸方向長さは、前記直交面の直交方向長さよりも短く、
前記斜面は、前記直交面と連続し、側面視において、前記直交面とともに鈍角を形成し、
軸方向一方側から軸方向他方側に向かって目視した際に、軸方向他方側に配置される他のブレードは、軸方向一方側に位置する一のブレードに対して、前記直交面から前記斜面に向かう円周方向に5度以上30度以下の角度でずれており、
前記円柱軸の軸方向に間隔を隔てて配置される前記ブレードの数は、5~10個であることを特徴とする、微小気泡発生装置。
【請求項2】
前記円柱軸の軸方向長さが、前記螺旋状の螺旋周期よりも短いことを特徴とする、請求項に記載の微小気泡発生装置。
【請求項3】
前記微小気泡発生体の外周縁において、ブレード間ピッチが、前記ブレードの円周方向長さよりも長いことを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の微小気泡発生装置。
【請求項4】
前記微小気泡発生体において、
前記円柱軸から放射状に4~6個のブレードが突出するブレード群を有し、
前記ブレード群は、軸方向に間隔を隔てて5~10個配置されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の微小気泡発生装置。
【請求項5】
前記頭頂部は、軸方向一端部を頂点とし、軸方向他方端に向かうに従って拡径する円錐形状を有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の微小気泡発生装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
参考例1
螺旋角(θ´)を約50度およびずれの角度(θ´)を約45度にした以外は実施例1と同様にして、微少気泡発生装置を作製した(図5図6参照)。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
(評価)
実施例1および参考例1の微少気泡発生装置をそれぞれ台所の蛇口の先端に取り付けて、水を流し、微少気泡発生装置を通過させた。その水に含まれる微少気泡を下記の条件により測定した。
測定装置:Nanosight LM10V-HS(Malvern社製、CMOSカメラ、紫レーザー405nm)
解析ソフト:NTA3.4
水温:約20度
気泡粒径の参考となる標準粒子:ポリスチレンラテックス粒子100nm(Thermoscientific社製)
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
参考例1のサンプル水では、粒径1000nm以下の気泡の量は、3.78×10個/mLであり、粒径D10:69.4nm、D50:102.6nmであった。