(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096131
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】車両用収容物保持装置
(51)【国際特許分類】
B60N 3/10 20060101AFI20220622BHJP
B60R 7/04 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
B60N3/10 A
B60R7/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209059
(22)【出願日】2020-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】309018445
【氏名又は名称】明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083091
【弁理士】
【氏名又は名称】田渕 経雄
(74)【代理人】
【識別番号】100141416
【弁理士】
【氏名又は名称】田渕 智雄
(72)【発明者】
【氏名】長崎 武
(72)【発明者】
【氏名】加藤 武蔵
【テーマコード(参考)】
3B088
3D022
【Fターム(参考)】
3B088LA02
3B088LB01
3B088LB02
3B088LB05
3D022CA16
3D022CB01
3D022CC02
3D022CC11
3D022CC25
3D022CD06
(57)【要約】
【課題】装置を小物入れとして使用する際にサポートが邪魔になることを抑制できる、サポート使用時に収容部側壁とサポートとの間に隙間ができることを抑制できる、サポートが容器以外の収容物の側面を支持できる、サポートの置き場所に困らない、の少なくともいずれか1つを達成できる、車両用収容物保持装置の提供。
【解決手段】サポート30が不使用位置30aにあるとき、平面視で先端アーム部32が第1側壁22aとラップしており先端アーム部32の内側面32aと第1側壁22aとの間に収容物Mを収容不可能となっている。そのため、サポート30が不使用位置30aにあるときにサポート30が収容部23に飛び出した状態になることを抑制できる。よって、サポート30が不使用位置30aにあり収容部23にスマートフォンなどの小物類を出し入れする際(装置10を小物入れとして使用する際)に、サポート30が邪魔になることを抑制できる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リテーナと、サポートと、付勢部材と、を有し、
前記リテーナは、底壁と、該底壁から上方に立ち上がる側壁と、を有しており、該側壁は、前記底壁の一側から上方に立ち上がる第1側壁を有しており、
前記サポートは、一対の側方アーム部と該一対の側方アーム部を連結する先端アーム部とを有するコ字型であり、前記リテーナに対して、不使用位置と該不使用位置から回転した使用位置との間で回転可能とされるとともに、前記第1側壁に接近離反する方向にスライド可能とされており、
前記付勢部材は、前記サポートを、前記リテーナに対して、前記サポートが前記使用位置にあるときに前記先端アーム部が前記第1側壁に接近する方向に付勢しており、
前記サポートは、前記付勢部材の付勢力に抗して前記リテーナに対してスライドしていないときであって前記不使用位置にあるときには、平面視で前記先端アーム部の少なくとも一部が前記第1側壁とラップしており前記先端アーム部の内側面と前記第1側壁との間に収容物を収容不可能とされており、前記使用位置にあるときには、平面視で前記先端アーム部が前記底壁とラップしており前記先端アーム部の内側面と前記第1側壁との間に収容物を収容可能とされている、車両用収容物保持装置。
【請求項2】
レールをさらに有しており、
前記レールは、前記リテーナに、前記サポートのスライド方向にスライド可能に支持されており、
前記サポートは、前記レールに回転可能に支持されることで、前記リテーナに対して回転可能とされており、
前記付勢部材は、前記レールを前記リテーナに対して付勢することで、前記サポートを前記リテーナに対して付勢する、請求項1記載の車両用収容物保持装置。
【請求項3】
前記サポートが前記不使用位置にあるときに、前記サポートを前記付勢部材の付勢力に抗してスライドさせることで、前記先端アーム部の外側面と前記第1側壁との間に不使用時隙間を形成できるようになっている、請求項1または請求項2記載の車両用収容物保持装置。
【請求項4】
第2サポートと、第2付勢部材を、さらに有し、
前記リテーナの側壁は、前記底壁の他側から上方に立ち上がり前記第1側壁と対向する第2側壁を有しており、
前記第2サポートは、一対の第2側方アーム部と該一対の第2側方アーム部を連結する第2先端アーム部とを有するコ字型であり、前記リテーナに対して、不使用位置と該不使用位置から回転した使用位置との間で回転可能とされるとともに、前記第2側壁に接近離反する方向にスライド可能とされており、
前記第2付勢部材は、前記第2サポートを、前記リテーナに対して、前記第2サポートが前記第2サポートの使用位置にあるときに前記第2先端アーム部が前記第2側壁に接近する方向に付勢しており、
前記第2サポートは、前記第2付勢部材の付勢力に抗して前記リテーナに対してスライドしていないときであって前記第2サポートの不使用位置にあるときには、平面視で前記第2先端アーム部の少なくとも一部が前記第2側壁とラップしており前記第2先端アーム部の内側面と前記第2側壁との間に収容物を収容不可能とされており、前記第2サポートの使用位置にあるときには、平面視で前記第2先端アーム部が前記底壁とラップしており前記第2先端アーム部の内側面と前記第2側壁との間に収容物を収容可能とされている、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の車両用収容物保持装置。
【請求項5】
第2レールをさらに有しており、
前記第2レールは、前記リテーナに、前記第2サポートのスライド方向にスライド可能に支持されており、
前記第2サポートは、前記第2レールに回転可能に支持されることで、前記リテーナに対して回転可能とされており、
前記第2付勢部材は、前記第2レールを前記リテーナに対して付勢することで、前記第2サポートを前記リテーナに対して付勢する、請求項4記載の車両用収容物保持装置。
【請求項6】
前記第2サポートが前記第2サポートの不使用位置にあるときに、前記第2サポートを前記第2付勢部材の付勢力に抗してスライドさせることで、前記第2先端アーム部の外側面と前記第2側壁との間に第2不使用時隙間を形成できるようになっている、請求項4または請求項5記載の車両用収容物保持装置。
【請求項7】
前記サポートが前記使用位置にあり前記第2サポートが前記第2サポートの使用位置にあるとき、前記サポートの先端アーム部と前記第2サポートの第2先端アーム部との間には先端アーム間隙間があり、該先端アーム間隙間に収容物を収容可能とされている、請求項4~請求項6のいずれか1項に記載の車両用収容物保持装置。
【請求項8】
前記サポートが前記付勢部材の付勢力に抗して前記リテーナに対してスライドしておらず、かつ、前記第2サポートが前記第2付勢部材の付勢力に抗して前記リテーナに対してスライドしていないとき、前記先端アーム間隙間の間隔は、前記サポートが前記使用位置にあるときにおける前記先端アーム部と前記第1側壁との間隔、および、前記第2サポートが前記第2のサポートの使用位置にあるときにおける前記第2先端アーム部と前記第2側壁との間隔よりも、小とされている、請求項7記載の車両用収容物保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容物の側面を支持するサポートを有する車両用収容物保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用収容物保持装置を開示する技術として、特許文献1,2に開示される技術がある。
(a)特許文献1(特開2017-100725号公報)
特許文献1は、収容される飲料容器(容器ともいう。以下同じ)を保持するためにサポートと呼ばれる突起物が収容部内に常時存在しており、容器を置いたときに容器の大きさに合わせて下方に回転可能なサポートが動くことで容器を支持する技術を開示している。
【0003】
(b)特許文献2(特開2007-076407号公報)
特許文献2は、容器を2個置くことができる2個置きタイプであって、2個の容器同士がぶつからずに保持されるように、容器同士の間に着脱可能なサポートを設定する技術を開示している。
【0004】
しかし、上記公報開示の装置にはつぎの問題点がある。
(i)特許文献1、特許文献2に共に存在する問題点
(i-1)装置に容器ではなく鍵、スマートフォン、タバコ、駐車券等の小物類を収容する場合、すなわち装置をカップホルダとしてではなく小物入れとして使用する場合、サポートが常に収容部内に飛び出した状態にあるため、小物類を出し入れするときにサポートが邪魔になるおそれがある。
(i-2)
図17に示すように、収容される容器Mによりサポート3が下方に押されて回転した際に、収容部側壁に設けられるサポート用孔の上縁2とサポート3の上面3aとの間に隙間dが発生してしまう。そのため、その隙間dに物が挟まったり落ちたりする懸念がある。
(i-3)サポートが容器を支持するのに特化した形状となっているため、容器以外の小物類の側面をサポートで支持することが困難である。
【0005】
(ii)特許文献2に特有な問題点
サポートが着脱可能とされているため、サポートを取り外して装置を小物入れとして使用する場合、取り外したサポートの置き場所に困るおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-100725号公報
【特許文献2】特開2007-076407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、装置を小物入れとして使用する際にサポートが邪魔になることを抑制できる、サポート使用時に収容部側壁とサポートとの間に隙間ができることを抑制できる、サポートが容器以外の収容物の側面を支持できる、サポートの置き場所に困らない、の少なくともいずれか1つを達成できる、車両用収容物保持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1)〔実施例1~3〕
リテーナと、サポートと、付勢部材と、を有し、
前記リテーナは、底壁と、該底壁から上方に立ち上がる側壁と、を有しており、該側壁は、前記底壁の一側から上方に立ち上がる第1側壁を有しており、
前記サポートは、一対の側方アーム部と該一対の側方アーム部を連結する先端アーム部とを有するコ字型であり、前記リテーナに対して、不使用位置と該不使用位置から回転した使用位置との間で回転可能とされるとともに、前記第1側壁に接近離反する方向にスライド可能とされており、
前記付勢部材は、前記サポートを、前記リテーナに対して、前記サポートが前記使用位置にあるときに前記先端アーム部が前記第1側壁に接近する方向に付勢しており、
前記サポートは、前記付勢部材の付勢力に抗して前記リテーナに対してスライドしていないときであって前記不使用位置にあるときには、平面視で前記先端アーム部の少なくとも一部が前記第1側壁とラップしており前記先端アーム部の内側面と前記第1側壁との間に収容物を収容不可能とされており、前記使用位置にあるときには、平面視で前記先端アーム部が前記底壁とラップしており前記先端アーム部の内側面と前記第1側壁との間に収容物を収容可能とされている、車両用収容物保持装置。
(2)〔実施例1~3〕
レールをさらに有しており、
前記レールは、前記リテーナに、前記サポートのスライド方向にスライド可能に支持されており、
前記サポートは、前記レールに回転可能に支持されることで、前記リテーナに対して回転可能とされており、
前記付勢部材は、前記レールを前記リテーナに対して付勢することで、前記サポートを前記リテーナに対して付勢する、(1)記載の車両用収容物保持装置。
(3)〔実施例1、2〕
前記サポートが前記不使用位置にあるときに、前記サポートを前記付勢部材の付勢力に抗してスライドさせることで、前記先端アーム部の外側面と前記第1側壁との間に不使用時隙間を形成できるようになっている、(1)または(2)記載の車両用収容物保持装置。
(4)〔実施例2〕
第2サポートと、第2付勢部材を、さらに有し、
前記リテーナの側壁は、前記底壁の他側から上方に立ち上がり前記第1側壁と対向する第2側壁を有しており、
前記第2サポートは、一対の第2側方アーム部と該一対の第2側方アーム部を連結する第2先端アーム部とを有するコ字型であり、前記リテーナに対して、不使用位置と該不使用位置から回転した使用位置との間で回転可能とされるとともに、前記第2側壁に接近離反する方向にスライド可能とされており、
前記第2付勢部材は、前記第2サポートを、前記リテーナに対して、前記第2サポートが前記第2サポートの使用位置にあるときに前記第2先端アーム部が前記第2側壁に接近する方向に付勢しており、
前記第2サポートは、前記第2付勢部材の付勢力に抗して前記リテーナに対してスライドしていないときであって前記第2サポートの不使用位置にあるときには、平面視で前記第2先端アーム部の少なくとも一部が前記第2側壁とラップしており前記第2先端アーム部の内側面と前記第2側壁との間に収容物を収容不可能とされており、前記第2サポートの使用位置にあるときには、平面視で前記第2先端アーム部が前記底壁とラップしており前記第2先端アーム部の内側面と前記第2側壁との間に収容物を収容可能とされている、(1)~(3)のいずれか1つに記載の車両用収容物保持装置。
(5)〔実施例2〕
第2レールをさらに有しており、
前記第2レールは、前記リテーナに、前記第2サポートのスライド方向にスライド可能に支持されており、
前記第2サポートは、前記第2レールに回転可能に支持されることで、前記リテーナに対して回転可能とされており、
前記第2付勢部材は、前記第2レールを前記リテーナに対して付勢することで、前記第2サポートを前記リテーナに対して付勢する、(4)記載の車両用収容物保持装置。
(6)〔実施例2〕
前記第2サポートが前記第2サポートの不使用位置にあるときに、前記第2サポートを前記第2付勢部材の付勢力に抗してスライドさせることで、前記第2先端アーム部の外側面と前記第2側壁との間に第2不使用時隙間を形成できるようになっている、(4)または(5)記載の車両用収容物保持装置。
(7)〔実施例2〕
前記サポートが前記使用位置にあり前記第2サポートが前記第2サポートの使用位置にあるとき、前記サポートの先端アーム部と前記第2サポートの第2先端アーム部との間には先端アーム間隙間があり、該先端アーム間隙間に収容物を収容可能とされている、(4)~(6)のいずれか1つに記載の車両用収容物保持装置。
(8)〔実施例2〕
前記サポートが前記付勢部材の付勢力に抗して前記リテーナに対してスライドしておらず、かつ、前記第2サポートが前記第2付勢部材の付勢力に抗して前記リテーナに対してスライドしていないとき、前記先端アーム間隙間の間隔は、前記サポートが前記使用位置にあるときにおける前記先端アーム部と前記第1側壁との間隔、および、前記第2サポートが前記第2のサポートの使用位置にあるときにおける前記第2先端アーム部と前記第2側壁との間隔よりも、小とされている、(7)記載の車両用収容物保持装置。
【0009】
上記(1)の車両用収容物保持装置では、つぎの効果を得ることができる。
サポートが、付勢部材の付勢力に抗してリテーナに対してスライドしていないときであって不使用位置にあるときには、平面視で先端アーム部の少なくとも一部が第1側壁とラップしており先端アーム部の内側面と第1側壁との間に収容物を収容不可能となっているため、サポートが不使用位置にあるときにサポートが収容部に飛び出した状態になることを抑制できる。そのため、サポートが不使用位置にあり収容部に鍵、スマートフォン、タバコ、駐車券などの小物類を出し入れする際(装置を小物入れとして使用する際)に、サポートが邪魔になることを抑制できる。
また、装置をカップホルダではなく小物入れとして使用する際に、サポートをリテーナから取り外す必要はない。そのため、取り外したサポートの置き場所を考える必要もない。
【0010】
また、サポートがコ字型であり、サポートが使用位置にあるときには先端アーム部の内側面と第1側壁との間に収容物を収容可能であるため、サポートが飲料容器以外の収容物の側面を支持することも比較的容易である。
【0011】
さらにまた、サポートがコ字型であり、不使用位置にあるときには先端アーム部の内側面と第1側壁との間に収容物を収容不可能とされており、使用位置にあるときには先端アーム部の内側面と第1側壁との間に収容物を収容可能とされているため、サポートは、従来サポートのような容器によって押し下げられるタイプのサポートではない。よって、従来と異なり、容器によって押し下げられて収容部側壁に設けられるサポート用孔の上縁とサポートの上面との間に隙間が発生するおそれはない。
【0012】
上記(2)の車両用収容物保持装置では、サポートが、レールに回転可能に支持されることで、リテーナに対して回転可能とされており、付勢部材が、レールをリテーナに対して付勢することで、サポートをリテーナに対して付勢するため、レールを用いることで、比較的容易にサポートをリテーナに対してスライド可能かつ回転可能にすることができる。
また、レールが設けられているため、サポートがリテーナに対して第1側壁に接近離反する方向にスライド可能とされている場合であっても、サポートのスライドのために設けられるリテーナの孔(切り欠き、開口)の中をレールで隠すことができる。
【0013】
上記(3)の車両用収容物保持装置では、サポートが不使用位置にあるときに、サポートを付勢部材の付勢力に抗してスライドさせることで、先端アーム部の外側面と第1側壁との間に不使用時隙間を形成できるようになっているため、不使用時隙間に収容物(スマートフォン、タバコ、駐車券などの薄型の収容物)を収容してサポートと第1側壁で収容物の側面を挟んで支持することができる。
【0014】
上記(4)の車両用収容物保持装置では、第2サポートと第2付勢部材が設けられており、リテーナの側壁が第2側壁を有しているため、上記(1)で得られる効果と同様の効果を、第2サポート、第2付勢部材および第2側壁が設けられている側でも得ることができる。また、装置を、飲料容器を2個置くことができる2個置きタイプとすることができる。
【0015】
上記(5)の車両用収容物保持装置では、第2サポートが、第2レールに回転可能に支持されることで、リテーナに対して回転可能とされており、第2付勢部材が、第2レールをリテーナに対して付勢することで、第2サポートをリテーナに対して付勢するため、第2レールを用いることで、比較的容易に第2サポートをリテーナに対してスライド可能かつ回転可能にすることができる。
また、第2レールが設けられているため、第2サポートがリテーナに対して第2側壁に接近離反する方向にスライド可能とされている場合であっても、第2サポートのスライドのために設けられるリテーナの孔(切り欠き、開口)の中を第2レールで隠すことができる。
【0016】
上記(6)の車両用収容物保持装置では、第2サポートが第2サポートの不使用位置にあるときに、第2サポートを第2付勢部材の付勢力に抗してスライドさせることで、第2先端アーム部の外側面と第2側壁との間に第2不使用時隙間を形成できるようになっているため、第2不使用時隙間に収容物(スマートフォン、タバコ、駐車券などの薄型の収容物)を収容して第2サポートと第2側壁で収容物の側面を挟んで支持することができる。
【0017】
上記(7)の車両用収容物保持装置では、サポートと第2サポートがそれぞれの使用位置にあるとき、サポートの先端アーム部と第2サポートの第2先端アーム部との間には先端アーム間隙間があり、該先端アーム間隙間に収容物を収容可能とされているため、先端アーム間隙間にも収容物を収容してサポートと第2サポートで収容物の側面を支持することができる。
【0018】
上記(8)の車両用収容物保持装置では、サポートが付勢部材の付勢力に抗してリテーナに対してスライドしておらず、かつ、第2サポートが第2付勢部材の付勢力に抗してリテーナに対してスライドしていないとき、先端アーム間隙間の間隔が、サポートが使用位置にあるときにおける先端アーム部と第1側壁との間隔、および、第2サポートが第2サポートの使用位置にあるときにおける第2先端アーム部と第2側壁との間隔よりも、小とされているため、先端アーム間隙間の間隔を比較的小にでき、先端アーム間隙間にスマートフォン、タバコ、駐車券などの薄型の収容物を収容した場合であっても、該収容物の側面をサポートと第2サポートで比較的安定して支持できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明実施例1の車両用収容物保持装置の分解斜視図である。
【
図2】本発明実施例1の車両用収容物保持装置の、サポートが不使用位置にあるときにおける平面図である。
【
図3】本発明実施例1の車両用収容物保持装置の、サポートが使用位置にあるときにおける平面図である。
【
図4】本発明実施例1の車両用収容物保持装置の、使用位置にあるサポートと第1側壁との間に径小容器を収容したときにおける平面図である。
【
図5】本発明実施例1の車両用収容物保持装置の、使用位置にあるサポートと第1側壁との間に径大容器を収容したときにおける平面図である。
【
図6】本発明実施例1の車両用収容物保持装置の、不使用位置にあるサポートを付勢部材の付勢力に抗して移動させて先端アーム部の外側面と第1側壁との間に不使用時隙間を形成したときにおける平面図である。
【
図7】本発明実施例1の車両用収容物保持装置の変形例を示す図であり、使用位置にあるサポートと第1側壁との間に径小容器を収容したときにおける平面図である。
【
図8】本発明実施例1の車両用収容物保持装置の変形例を示す図であり、使用位置にあるサポートと第1側壁との間に径大容器を収容したときにおける平面図である。
【
図9】本発明実施例2の車両用収容物保持装置の、サポートと第2サポートがそれぞれ不使用位置にあるときにおける平面図である。
【
図10】本発明実施例2の車両用収容物保持装置の、サポートと第2サポートがそれぞれ不使用位置にあるときにおける斜視図である。
【
図11】本発明実施例2の車両用収容物保持装置の、サポートと第2サポートがそれぞれ使用位置にあるときにおける平面図である。
【
図12】本発明実施例2の車両用収容物保持装置の、サポートと第2サポートがそれぞれ使用位置にあるときにおける斜視図である。
【
図13】本発明実施例2の車両用収容物保持装置の、サポートと第2サポートがそれぞれ使用位置にあるときであって、サポートと第1側壁との間に径小容器を収容したときにおける斜視図である。
【
図14】本発明実施例2の車両用収容物保持装置の、先端アーム部の外側面と第2先端アーム部の外側面との間に形成される先端アーム間隙間にスマートフォンを収容したときにおける斜視図である。
【
図15】本発明実施例3の車両用収容物保持装置の、サポートが不使用位置にあるときにおける斜視図である。
【
図16】本発明実施例3の車両用収容物保持装置の、サポートが使用位置にあるときにおける斜視図である。
【
図17】従来の車両用収容物保持装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照して、本発明実施例の車両用収容物保持装置10を説明する。
【0021】
図1~
図8は、本発明実施例1の車両用収容物保持装置を示し、
図9~
図14は、本発明実施例2の車両用収容物保持装置を示し、
図15、
図16は、本発明実施例3の車両用収容物保持装置を示している。本発明全実施例にわたって共通する部分には、本発明全実施例にわたって共通する符号を付してある。まず、本発明全実施例にわたって共通する部分を説明する。
【0022】
本発明実施例の車両用収容物保持装置(以下、単に保持装置または装置ともいう)10は、特に限定されるものではないが、たとえば、車両のインストルメントパネル、コンソールボックス(パネル)、アームレスト、等の車両の内装部材(図示略)に設けられる。
【0023】
保持装置10は、容器(
図4、
図5参照)を収容保持可能なカップホルダとして使用可能なだけでなく。鍵、スマートフォン(携帯電話)、タバコ、駐車券等の小物類を収容保持可能な小物入れとしても使用可能である。保持装置10は、
図1に示すように、リテーナ20と、サポート30と、付勢部材40と、を有する。
【0024】
リテーナ20は、たとえば樹脂製である。リテーナ20は、底壁21と、底壁21から上方に立ち上がる側壁22と、を有する。そして、底壁21と側壁22とで収容物Mを収容可能な収容部23を形成している。
【0025】
側壁22は、底壁21の一側から上方に立ち上がる第1側壁22aを有する。側壁22は、第1側壁22aに加えて、底壁21の他側から上方に立ち上がり第1側壁22aと対向する第2側壁22bと、第1、第2側壁22a、22bと直交する方向に延びる第3、第4側壁22c、22dと、を有していてもよい(四側の側壁を有していてもよい)。なお、側壁22が第1側壁22aに加えて第2~第4側壁22b~22dを有する場合、第1、第2側壁22a、22bは、第3、第4側壁22c、22dと、直接連なっていてもよく、少なくとも一部が図示例のように側壁移行部22eを介して連なっていてもよい。
【0026】
サポート30は、収容部23に収容される収容物Mの側面を支持するために設けられる。サポート30は、一対の側方アーム部31と該一対の側方アーム部31の先端部31b同士を連結する先端アーム部32とを有するコ字型(略コ字型を含む)である。なお、一対の側方アーム部31のそれぞれの先端部31bと、先端アーム部32とは、直接連なっていてもよく、図示例のようにアーム移行部33を介して連なっていてもよい。
【0027】
サポート30は、
図2、
図3に示すように、一対の側方アーム部31の基端部31aがリテーナ20に対して回転可能かつスライド可能とされることで、リテーナ20に対して、不使用位置30aと該不使用位置30aから回転した使用位置30bとの間で回転可能とされるとともに、第1側壁22aに接近離反する方向にスライド可能とされている。そして、付勢部材40によって、サポート30が使用位置30bにあるときに先端アーム部32が第1側壁22aに接近する方向に、付勢されている。
【0028】
図2に示すように、サポート30が不使用位置30aにあるとき、サポート30が付勢部材40の付勢力に抗してリテーナ20に対してスライドしていないときには、平面視で先端アーム部32の少なくとも一部が第1側壁22aとラップしており先端アーム部32の内側面32aと第1側壁22aとの間に収容物Mを収容不可能とされている。また、少なくとも先端アーム部32がリテーナ20の側壁22に設けられる不使用時ストッパ25に当接しており、不使用位置30aに維持される。
【0029】
図3に示すように、サポート30が使用位置30bにあるとき、サポート30が付勢部材40の付勢力に抗してリテーナ20に対してスライドしているといないとにかかわらず、平面視で先端アーム部32が底壁21とラップしており先端アーム部32の内側面32aと第1側壁22aとの間に収容物Mを収容可能とされている。また、先端アーム部32ではなく側方アーム部31がリテーナ20の側壁22に設けられる使用時ストッパ26に当接しており、使用位置30bに維持される。
【0030】
サポート30は、保持装置10の構成部品であるレール70を介して、リテーナ20に支持されている。ただし、サポート30は、
図7、
図8に示すように、レール70を介さずにリテーナ20に直接支持されていてもよい。なお、本発明実施例および
図7、
図8を除く図示例では、特に言及する場合を除き、サポート30がレール70を介してリテーナ20に支持される場合を説明する。
【0031】
図2、
図3に示すように、レール70は、リテーナ20の側壁22に設けられるレールガイド24に配置されており、レールガイド24に沿って第1側壁22aに接近離反する方向にスライド可能に、リテーナ20に支持されている。サポート30は、サポート30とレール70の一方に設けられる軸部34がサポート30とレール70の他方に設けられる軸受け71に回転可能に支持されることで、レール70に回転可能に支持されている。サポート30がレール70に回転可能に支持されることで、サポート30は、リテーナ20に対して不使用位置30aと使用位置30bとの間で回転可能とされている。また、サポート30が支持されているレール70が第1側壁22aに接近離反する方向にスライド可能とされることで、サポート30は、リテーナ20に対して第1側壁22aに接近離反する方向にスライド可能とされている。
【0032】
付勢部材40は、レール70をリテーナ20に対して付勢することで、サポート30を、リテーナ20に対して、サポート30が使用位置30bにあるときにおけるサポート30の先端アーム部32が第1側壁22aに接近する方向に付勢している。
【0033】
レール70(サポート30)が付勢部材40の付勢力に抗してスライドしていないときには、レール70は付勢部材40の付勢力でレールガイド24に設けられるレールストッパ24aに当接している。これにより、レール70(サポート30)は付勢部材40の付勢力で側壁22に対してそれ以上移動することが規制されている。
【0034】
付勢部材40は、たとえばコイルスプリングである。付勢部材40は、圧縮スプリングとして使用されていてもよく、
図7、
図8に示すように、引張スプリングとして使用されていてもよい。
【0035】
ここで、本発明全実施例にわたって共通する作用、効果を説明する。
(i)レール70(サポート30)が付勢部材40の付勢力に抗してスライドしていないときであって、サポート30が不使用位置30aにあるとき
図2に示すように、レール70は、付勢部材40の付勢力でレールストッパ24aに当接している。サポート30は、不使用時ストッパ25に当接しており、不使用位置30aに維持されている。そのため、サポート30が邪魔になることなく、保持装置10をカップホルダとしてではなく小物入れとして使用可能である。
【0036】
(ii)上記(i)の状態にあるサポート30を使用位置30bに回転させたとき
図3に示すように、サポート30を軸部34周りに回転させることで、サポート30を使用位置30bまで回転させることができる。レール70は、付勢部材40の付勢力でレールストッパ24aに当接している。サポート30は、使用時ストッパ26に当接しており、使用位置30bに維持されている。なお、このときの、先端アーム部32の内側面32aと第1側壁22aとの間隔D1は、径小の容器M1(収容物M)の径より僅かに小とされている。
【0037】
(iii)上記(ii)の状態で、収容物Mとして容器を収容するとき
図4に示すように、径小の容器M1(収容物M)を先端アーム部32の内側面32aと第1側壁22aとの間に収容するときには、容器M1でサポート30を付勢部材40の付勢力に抗して押して先端アーム部32と第1側壁22aとの間隔を押し拡げながら容器M1を収容させることで、手でサポート30を動かすことなく、容器M1を収容して第1側壁22aとサポート30とで支持させることが可能である。
また、
図5に示すように、径小の容器M1よりも径大の容器M2(収容物M)を先端アーム部32の内側面32aと第1側壁22aとの間に収容するときには、容器M2でサポート30を付勢部材40の付勢力に抗して押して先端アーム部32と第1側壁22aとの間隔を比較的大きく押し拡げながら容器M2を収容させることで、手でサポート30を動かすことなく、容器M2を収容して第1側壁22aとサポート30とで支持させることが可能である。
したがって、先端アーム部32の内側面32aと第1側壁22aとの間に収容された容器(収容物M)を、収容部23内で倒れたりリテーナ20から脱落することなく、第1側壁22aとサポート30とで挟んで支持できる。
【0038】
(A)本発明実施例では、サポート30が、付勢部材40の付勢力に抗してリテーナ20に対してスライドしていないときであって不使用位置30aにあるときには、平面視で先端アーム部32の少なくとも一部が第1側壁22aとラップしており先端アーム部32の内側面32aと第1側壁22aとの間に収容物Mを収容不可能となっているため、サポート30が不使用位置30aにあるときにサポート30が収容部23に飛び出した状態になることを抑制できる。そのため、サポート30が不使用位置30aにあり収容部23に鍵、スマートフォン、タバコ、駐車券などの小物類を出し入れする際(装置10を小物入れとして使用する際)に、サポート30が邪魔になることを抑制できる。
また、装置10をカップホルダではなく小物入れとして使用する際に、サポート30をリテーナ20から取り外す必要はない。そのため、取り外したサポート30の置き場所を考える必要もない。
【0039】
(B)サポート30がコ字型であり、サポート30が使用位置30bにあるときには先端アーム部32の内側面32aと第1側壁22aとの間に収容物Mを収容可能であるため、サポート30が飲料容器以外の収容物の側面を支持することも比較的容易である。
【0040】
(C)サポート30がコ字型であり、不使用位置30aにあるときには先端アーム部32の内側面32aと第1側壁22aとの間に収容物Mを収容不可能とされており、使用位置30bにあるときには先端アーム部32の内側面32aと第1側壁22aとの間に収容物Mを収容可能とされているため、サポート30は、従来サポートのような容器によって押し下げられるタイプのサポートではない。よって、従来と異なり、容器によって押し下げられて収容部側壁に設けられるサポート用孔の上縁とサポートの上面との間に隙間d(
図17)が発生するおそれはない。
【0041】
(D)サポート30が使用位置30aにあるときには、平面視で先端アーム部32が底壁21とラップしており先端アーム部32の内側面32aと第1側壁22aとの間に容器(収容物M)を収容可能である。また、サポート30は、リテーナ20の側壁22に対して第1側壁22aに接近離反する方向にスライド可能に支持されており、付勢部材40によって、サポート30が使用位置30bにあるときに先端アーム部32が第1側壁22aに接近する方向に付勢されている。そのため、サポート30が使用位置30bにあるとき、サポート30の先端アーム部32の内側面32aと第1側壁22aとの間に収容される容器(間隔D1より径大の容器(収容物M))を、付勢部材40の付勢力でサポート30を用いて第1側壁22aに押し付けて支持することができる。
【0042】
(E)サポート30が、レール70に回転可能に支持されることで、リテーナ20に対して回転可能とされており、付勢部材40が、レール70をリテーナ20に対して付勢することで、サポート30をリテーナ20に対して付勢するため、レール70を用いることで、比較的容易にサポート30をリテーナ20に対してスライド可能かつ回転可能にすることができる。
【0043】
(F)レール70が設けられているため、サポート30がリテーナ20に対して第1側壁22aに接近離反する方向にスライド可能とされている場合であっても、サポート30のスライドのために設けられるリテーナ20の孔(切り欠き、開口)20aの中をレール70で隠すことができる。
【0044】
つぎに、本発明の各実施例に特有な部分を説明する。
〔実施例1〕(
図1~
図8)
本発明実施例1では、側壁22が、第1側壁22aに加えて、第2~第4側壁22b、22c、22dを有している。また、保持装置10が飲料容器を1個のみ収容して支持可能な飲料容器1個置きタイプとされている。
【0045】
サポート30は、不使用位置30aと使用位置30bの一方から他方に回転するのに180度(略180度を含む)要する。
図6に示すように、サポート30が不使用位置30aにあるとき、サポート30を付勢部材40の付勢力に抗してスライドさせることで、先端アーム部32の外側面32bと第1側壁22aとの間に不使用時隙間S1を形成できるようになっており、該隙間S1にスマートフォン、タバコ、駐車券などの薄型の収容物M3(収容物M)を収容可能となっている。なお、隙間S1に収容された薄型の収容物M3(収容物M)は、側面が先端アーム部32の外側面32bと第1側壁22aとで支持される。
【0046】
図3に示すように、サポート30が使用位置30bにあるとき、先端アーム部32の外側面32bと第2側壁22bとの間には隙間S4があり、該隙間S4に収容物Mを収容可能となっている。なお、隙間S4に収容された収容物Mは、側面が先端アーム部32の外側面32bと第2側壁22bとで支持される。
【0047】
本発明実施例1では、本発明全実施例で得られる上記効果(A)~(F)に加えて、さらにつぎの効果を得ることができる。
(G)サポート30が不使用位置30aにあるときに、サポート30を付勢部材40の付勢力に抗してスライドさせることで、先端アーム部32の外側面32bと第1側壁22aとの間に不使用時隙間S1を形成できるようになっているため、不使用時隙間S1に薄型の収容物M3を収容してサポート30から手を放すことで、付勢部材40の付勢力でサポート30と第1側壁22aとで薄型の収容物M3(収容物M)の側面を挟んで支持することができる。
【0048】
〔実施例2〕(
図9~
図14)
本発明実施例2では、側壁22が、本発明実施例1と同様に第1側壁22aに加えて第2~第4側壁22b、22c、22dを有しているが、実施例1に比べて第1側壁22aと第2側壁22bの間隔が大となっている。そして、保持装置10が、サポート30と付勢部材40に加えて、第2サポート50と第2付勢部材60をさらに有しており、飲料容器を2個収容して支持可能な飲料容器2個置きタイプとされている。具体的には、以下のようになっている。
【0049】
サポート30は、実施例1と同様に、不使用位置30aと使用位置30bの一方から他方に回転するのに180度(略180度を含む)要する。
図9の二点鎖線にて示すように、サポート30が不使用位置30aにあるとき、サポート30を付勢部材40の付勢力に抗してスライドさせることで、先端アーム部32の外側面32bと第1側壁22aとの間に不使用時隙間S1を形成できるようになっており、該隙間S1にスマートフォン、タバコ、駐車券などの薄型の収容物M3(収容物M)を収容可能となっている。なお、隙間S1に収容された薄型の収容物M3(収容物M)は、側面が先端アーム部32の外側面32bと第1側壁22aとで支持される。
【0050】
第2サポート50は、収容部23に収容される収容物Mの側面を支持するために設けられる。第2サポート50は、一対の第2側方アーム部51と該一対の第2側方アーム部51の先端部51b同士を連結する第2先端アーム部52とを有するコ字型(略コ字型を含む)である。なお、一対の第2側方アーム部51のそれぞれの先端部51bと、第2先端アーム部52とは、直接連なっていてもよく、図示例のようにアーム移行部53を介して連なっていてもよい。
【0051】
第2サポート50は、
図9、
図11に示すように、一対の第2側方アーム部51の基端部51aがリテーナ20に対して回転可能かつスライド可能とされることで、リテーナ20に対して、不使用位置50aと該不使用位置50aから180度(略180度を含む)回転した使用位置50bとの間で回転可能とされるとともに、第2側壁22bに接近離反する方向にスライド可能とされている。そして、第2付勢部材60によって、第2サポート50が使用位置50bにあるときに第2先端アーム部52が第2側壁22bに接近する方向に、付勢されている。
【0052】
図9に示すように、第2サポート50が不使用位置50aにあるとき、第2サポート50が第2付勢部材60の付勢力に抗してリテーナ20に対してスライドしていないときには、平面視で第2先端アーム部52の少なくとも一部が第2側壁22bとラップしており第2先端アーム部52の内側面52aと第2側壁22bとの間に収容物Mを収容不可能とされている。また、第2先端アーム部52がリテーナ20の側壁22に設けられる第2不使用時ストッパ27に当接しており、不使用位置50aに維持される。
【0053】
図11に示すように、第2サポート50が使用位置50bにあるとき、第2サポート50が第2付勢部材60の付勢力に抗してリテーナ20に対してスライドしているといないとにかかわらず、平面視で第2先端アーム部52が底壁21とラップしており第2先端アーム部52の内側面52aと第2側壁22bとの間に収容物Mを収容可能とされている。また、第2先端アーム部52ではなく第2側方アーム部51がリテーナ20の側壁22に設けられる第2使用時ストッパ28に当接しており、使用位置50bに維持される。
【0054】
第2サポート50は、保持装置10の構成部品である第2レール80を介して、リテーナ20に支持されている。ただし、第2サポート50は、サポート30と同様に、第2レール80を介さずにリテーナ20に直接支持されていてもよい。なお、本発明実施例2および図示例では、特に言及する場合を除き、第2サポート50が第2レール80を介してリテーナ20に支持される場合を説明する。
【0055】
第2レール80は、リテーナ20の側壁22に設けられる第2レールガイド29に配置されており、第2レールガイド29に沿って第2側壁22bに接近離反する方向にスライド可能に、リテーナ20に支持されている。第2サポート50は、第2サポート50と第2レール80の一方に設けられる軸部54が第2サポート50と第2レール80の他方に設けられる軸受け81に回転可能に支持されることで、第2レール80に回転可能に支持されている。第2サポート50が第2レール80に回転可能に支持されることで、第2サポート50は、リテーナ20に対して不使用位置50aと使用位置50bとの間で回転可能とされている。また、第2サポート50が支持されている第2レール80が第2側壁22bに接近離反する方向にスライド可能とされることで、第2サポート50は、リテーナ20に対して第2側壁22bに接近離反する方向にスライド可能とされている。
【0056】
第2付勢部材60は、第2レール80をリテーナ20に対して付勢することで、第2サポート50を、リテーナ20に対して、第2サポート50が使用位置50bにあるときにおける第2先端アーム部52が第2側壁22bに接近する方向に付勢している。
【0057】
第2レール80(第2サポート50)が第2付勢部材60の付勢力に抗してスライドしていないときには、第2レール80は第2付勢部材60の付勢力で第2レールガイド29に設けられるレールストッパ29aに当接している。これにより、第2レール80(第2サポート50)は第2付勢部材60の付勢力で側壁22に対してそれ以上移動することが規制されている。
【0058】
第2付勢部材60は、たとえばコイルスプリングである。第2付勢部材60は、付勢部材40と同様に、圧縮スプリングとして使用されていてもよく、引張スプリングとして使用されていてもよい。
【0059】
図9の2点鎖線に示すように、第2サポート50もサポート30と同様に、第2サポート50が不使用位置50aにあるとき、第2サポート50を第2付勢部材60の付勢力に抗してスライドさせることで、第2先端アーム部52の外側面52bと第2側壁22bとの間に隙間(第2不使用時隙間)S2を形成できるようになっており、該隙間S2にスマートフォン、タバコ、駐車券などの薄型の収容物M3(収容物M)を収容可能となっている。なお、隙間S2に収容された薄型の収容物M3(収容物M)は、側面が第2先端アーム部52の外側面52bと第2側壁22bとで支持される。
【0060】
図11、
図12、
図14に示すように、サポート30が使用位置30bにあり第2サポート50が使用位置50bにあるとき、サポート30の先端アーム部32と第2サポート50の第2先端アーム部52との間には先端アーム間隙間S3があり、先端アーム間隙間S3に収容物Mを収容可能とされている。なお、先端アーム間隙間S3に収容された収容物Mは、側面を先端アーム部32と第2先端アーム部52とで支持可能とされている。
【0061】
サポート30が付勢部材40の付勢力に抗してリテーナ20に対してスライドしておらず、かつ、第2サポート50が第2付勢部材60の付勢力に抗してリテーナ20に対してスライドしていないとき、先端アーム間隙間S3の間隔D3は、サポート30が使用位置30bにあるときにおける先端アーム部32と第1側壁22aとの間隔D1、および、第2サポート50が使用位置50bにあるときにおける第2先端アーム部52と第2側壁22bとの間隔D2よりも、小とされている。なお、D1とD2は同間隔であってもよく異なっていてもよい。
【0062】
本発明全実施例2に特有な作用、効果を説明する。
(iv)第2レール80(第2サポート50)が第2付勢部材60の付勢力に抗してスライドしていないときであって、第2サポート50が不使用位置50aにあるとき
図9に示すように、第2レール80は、第2付勢部材60の付勢力でレールストッパ29aに当接している。第2サポート30は、第2不使用時ストッパ27に当接しており、不使用位置50aに維持されている。そのため、第2サポート50が邪魔になることなく、保持装置10をカップホルダとしてではなく小物入れとして使用可能である。
【0063】
(v)上記(iv)の状態にある第2サポート50を使用位置50bに回転させたとき
図11に示すように、第2サポート50を軸部54周りに回転させることで、第2サポート50を使用位置50bまで回転させることができる。第2レール80は、第2付勢部材60の付勢力でレールストッパ29aに当接している。第2サポート50は、第2使用時ストッパ28に当接しており、使用位置50bに維持されている。なお、このときの、第2先端アーム部52の内側面52aと第2側壁22bとの間隔D2は、径小の容器M1(収容物M)の径より僅かに小とされている。
【0064】
(vi)上記(v)の状態で、収容物Mとして容器を収容するとき
径小の容器M1(収容物M)を第2先端アーム部52の内側面52aと第2側壁22bとの間に収容するときには、容器M1で第2サポート50を第2付勢部材60の付勢力に抗して押して第2先端アーム部52と第2側壁22bとの間隔を押し拡げながら容器M1を収容させることで、手で第2サポート50を動かすことなく、容器M1を収容して第2側壁22bと第2サポート50とで支持させることが可能である。
また、径小の容器M1よりも径大の容器M2(収容物M)を第2先端アーム部52の内側面52aと第2側壁22bとの間に収容するときには、容器M2で第2サポート50を第2付勢部材60の付勢力に抗して押して第2先端アーム部52と第2側壁22bとの間隔を比較的大きく押し拡げながら容器M2を収容させることで、手で第2サポート50を動かすことなく、容器M2を収容して第2側壁22bと第2サポート50とで支持させることが可能である。
したがって、第2先端アーム部52の内側面52aと第2側壁22bとの間に収容された容器(収容物M)を、収容部23内で倒れたりリテーナ20から脱落することなく、第2側壁22bと第2サポート50とで挟んで支持できる。
【0065】
本発明実施例2では、本発明全実施例で得られる上記効果(A)~(F)および本発明実施例1で得られる上記効果(G)に加えて、さらにつぎの効果を得ることができる。
(H)第2サポート50と第2付勢部材60が設けられており、リテーナ20の側壁22が第2側壁22bを有しているため、サポート30と付勢部材40と第1側壁22aとで得られる効果と同様の効果を、第2サポート50、第2付勢部材60および第2側壁22bが設けられている側でも得ることができる。また、装置10を、飲料容器を2個置くことができる2個置きタイプとすることができる。
【0066】
(I)第2サポート50が、第2レール80に回転可能に支持されることで、リテーナ20に対して回転可能とされており、第2付勢部材60が、第2レール80をリテーナ20に対して付勢することで、第2サポート50をリテーナ20に対して付勢するため、第2レール80を用いることで、比較的容易に第2サポート50をリテーナ20に対してスライド可能かつ回転可能にすることができる。
【0067】
(J)第2レール80が設けられているため、第2サポート50がリテーナ20に対して第2側壁22bに接近離反する方向にスライド可能とされている場合であっても、第2サポート50のスライドのために設けられるリテーナ20の孔(切り欠き、開口)20bの中を第2レール80で隠すことができる。
【0068】
(K)第2サポート50が不使用位置50bにあるときに、第2サポート50を第2付勢部材60の付勢力に抗してスライドさせることで、第2先端アーム部52の外側面52bと第2側壁22bとの間に第2不使用時隙間S2を形成できるようになっているため、第2不使用時隙間S2に薄型の収容物M3を収容して第2サポート50から手を放すことで、第2付勢部材60の付勢力で第2サポート50と第2側壁22bとで薄型の収容物M3(収容物M)の側面を挟んで支持することができる。
【0069】
(L)サポート30と第2サポート50がそれぞれ(両方ともに)使用位置30b、50bにあるとき、サポート30の先端アーム部32と第2サポート50の第2先端アーム部52との間には先端アーム間隙間S3があり、先端アーム間隙間S3に収容物Mを収容可能とされているため、先端アーム間隙間S3にも収容物Mを収容してサポート30と第2サポート50で収容物Mの側面を支持することができる。
【0070】
(M)サポート30が付勢部材40の付勢力に抗してリテーナ20に対してスライドしておらず、かつ、第2サポート50が第2付勢部材60の付勢力に抗してリテーナ20に対してスライドしていないとき、先端アーム間隙間S3の間隔D3が、サポート30が使用位置30bにあるときにおける先端アーム部32と第1側壁22aとの間隔D1、および、第2サポート50が使用位置50bにあるときにおける第2先端アーム部52と第2側壁22bとの間隔D2よりも、小とされているため、先端アーム間隙間S3の間隔D3を比較的小にでき、先端アーム間隙間S3にスマートフォン、タバコ、駐車券などの薄型の収容物M3を収容した場合であっても、該収容物M3の側面をサポート30と第2サポート50で比較的安定して支持できる。
【0071】
〔実施例3〕(
図15、
図16)
本発明実施例3では、側壁22が、第1側壁22aのみを有している。また、保持装置10が飲料容器を1個のみ収容して支持可能な飲料容器1個置きタイプとされている。サポート30は、不使用位置30aと使用位置30bの一方から他方に90度(略90度を含む)回転するようになっている。
【0072】
本発明実施例3では、本発明実施例1,2のような掘り込み穴型の収容部23ではなく、第1側壁22aが平面部の立ち面を構成している。
【0073】
サポート30が不使用位置30aにあるとき、サポート30は、第1側壁22aに設けられる溝22a1に嵌まる。サポート30が不使用位置30aにあるときに当接する不使用時ストッパ25は、溝22a1の奥面からなる。サポート30が使用位置30bにあるときに当接する使用時ストッパ26は、溝22a1の最下面からなる。
【0074】
本発明実施例3では、側壁22が第1側壁22aのみを有しており、第2~第4側壁22b、22c、22dを有さない場合であっても、本発明全実施例で得られる上記効果(A)~(F)を得ることができる。
【符号の説明】
【0075】
10 車両用収容物保持装置
20 リテーナ
21 底壁
22 側壁
22a 第1側壁
22b 第2側壁
23 収容部
24 レールガイド
24a レールストッパ
25 不使用時ストッパ
26 使用時ストッパ
27 第2不使用時ストッパ
28 第2使用時ストッパ
29 第2レールガイド
29a レールストッパ
30 サポート
30a サポートの不使用位置
30b サポートの使用位置
31 側方アーム部
31a 側方アーム部の基端部
31b 側方アーム部の先端部
32 先端アーム部
32a 先端アーム部の内側面
32b 先端アーム部の外側面
34 軸部
40 付勢部材
50 第2サポート
50a 第2サポートの不使用位置
50b 第2サポートの使用位置
51 第2側方アーム部
51a 第2側方アーム部の基端部
51b 第2側方アーム部の先端部
52 第2先端アーム部
52a 第2先端アーム部の内側面
52b 第2先端アーム部の外側面
54 軸部
60 第2付勢部材
70 レール
71 軸受け
80 第2レール
81 軸受け
D1,D2,D3 間隔
M(M1,M2,M3) 収容物
S1 不使用時隙間
S2 第2不使用時隙間
S3 先端アーム間隙間
S4 隙間