(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022009615
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】ステープラ再装填検出及び識別
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20220106BHJP
A61B 34/30 20160101ALI20220106BHJP
【FI】
A61B17/072
A61B34/30
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021175911
(22)【出願日】2021-10-27
(62)【分割の表示】P 2019513344の分割
【原出願日】2017-09-08
(31)【優先権主張番号】62/385,649
(32)【優先日】2016-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】バーバンク,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ウィクシー,マシュー エー.
(72)【発明者】
【氏名】ラゴスタ,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ウィアー,デーヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】クーパー,エミリー
(72)【発明者】
【氏名】ウー,メロディ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC09
4C160CC23
(57)【要約】
【課題】手術装置、システム、及び関連する方法が手術器具の状態の自動評価を提供する。
【解決手段】手術装置は、交換可能なステープラカートリッジを介して組織をステープル留めするように構成される。手術装置は、ステープルを展開するためにステープラカートリッジを連結するように構成されたプッシャ部材を含む。手術装置は、プッシャ部材を連結させる作動機構と、第1の位置から作動機構の出力制限の対象となる第2の位置にプッシャ部材を移動させることを試みるように作動機構の動作を制御し、達成されたプッシャ部材の移動量に基づいてステープラカートリッジの属性を決定するように構成される制御ユニットとを含む。決定された属性は、異なるステープラカートリッジから選択されたステープラカートリッジの種類、ステープラカートリッジが既に発射されているかどうか、又はステープラカートリッジが手術装置に取り付けられていないことを示す。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動出力部を有するマニピュレータであって、前記マニピュレータは、前記マニピュレータに取り付けられる手術器具の近位シャシを有するように構成され、前記作動出力部は、前記手術器具の作動入力部を駆動するように構成され、前記手術器具は、細長いシャフト、交換可能なステープラカートリッジを取り付けるように構成されたエンドエフェクタ、及び前記作動入力部に駆動連結されるとともに前記交換可能なステープラカートリッジからステープルを展開するよう前記交換可能なステープラカートリッジに含まれるステープル押しシャトルを押すように構成されたプッシャ部材をさらに含む、マニピュレータと;
前記作動出力部と駆動連結された作動機構と;
制御ユニットであって:
第1の位置から第2の位置に前記プッシャ部材を移動させるように前記作動出力部を連結するために前記作動機構を動作させ、前記第2の位置において前記プッシャ部材は、前記交換可能なステープラカートリッジの一部又は前記エンドエフェクタの一部と接触し;
前記第1の位置から前記第2の位置への前記プッシャ部材の移動量を決定し;
前記移動量に基づいて:
複数の種類の前記交換可能なステープラカートリッジから選択された前記交換可能なステープラカートリッジの種類;
前記交換可能なステープラカートリッジが既に発射されているかどうか;及び
交換可能なステープラカートリッジが前記エンドエフェクタに取り付けられていないこと;
からなるグループから選択される前記交換可能なステープラカートリッジの少なくとも1つの属性を決定する;ように構成される、
制御ユニットと;
を有する、
手術システム。
【請求項2】
前記交換可能なステープラカートリッジの前記一部は、前記ステープル押しシャトル又は再使用防止クリップである、
請求項1に記載の手術システム。
【請求項3】
前記プッシャ部材のさらなる移動が、前記交換可能なステープラカートリッジの前記一部又は前記エンドエフェクタの前記一部との前記接触のために妨げられる、
請求項1又は2に記載の手術システム。
【請求項4】
前記交換可能なステープラカートリッジの前記一部又は前記エンドエフェクタの前記一部からの前記プッシャ部材の係合解除は、前記作動機構によって加えることができる力の量を制限する力制限のために防止される、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の手術システム。
【請求項5】
前記制御ユニットは、前記移動量が欠けているカートリッジの距離より大きいことに応じて、交換可能なステープラカートリッジが前記手術器具に取り付けられていないことを決定するように構成される、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の手術システム。
【請求項6】
前記制御ユニットは、前記移動量がステープラカートリッジの種類に関連付けられる公称距離に対応することに応じて、前記交換可能なステープラカートリッジが前記手術器具に取り付けられていることを決定するように構成される、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の手術システム。
【請求項7】
前記制御ユニットは、前記移動量が全てのステープラカートリッジの種類に関連付けられる公称距離より小さいことに応じて、前記手術器具に取り付けられた前記交換可能なステープラカートリッジが既に発射されていることを決定するように構成される、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の手術システム。
【請求項8】
前記制御ユニットは、前記第1の位置から前記第2の位置へ前記プッシャ部材を動かすための前記作動出力部の連結の前に前記第1の位置に前記プッシャ部材を位置決めするように、前記作動機構を動作させるように構成される、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の手術システム。
【請求項9】
前記制御ユニットは、前記第2の位置から離れ、且つ、前記プッシャ部材を前記第1の位置に位置決めするために前記第2の位置から離れる前記プッシャ部材のさらなる移動を阻止する前記手術器具の一部と接触するよう前記プッシャ部材を動かすように、前記作動機構を動作させるように構成される、
請求項8に記載の手術システム。
【請求項10】
手術システムの作動方法であって、前記方法は:
前記手術システムの制御ユニットが、第1の位置から第2の位置に手術器具のプッシャ部材を移動させるように前記手術器具の作動入力部に連結された前記手術器具の作動出力部を連結するために前記手術器具の作動機構を動作させるステップであって、前記第2の位置において前記プッシャ部材は、前記手術器具のエンドエフェクタに取り付けられた交換可能なステープラカートリッジの一部又は前記エンドエフェクタの一部と接触する、ステップと;
前記制御ユニットが、前記第1の位置から前記第2の位置への前記プッシャ部材の移動量を決定するステップと;
前記制御ユニットが、前記移動量に基づいて:
複数の種類の前記交換可能なステープラカートリッジから選択された前記交換可能なステープラカートリッジの種類;
前記交換可能なステープラカートリッジが既に発射されているかどうか;及び
交換可能なステープラカートリッジが前記エンドエフェクタに取り付けられていないこと;
からなるグループから選択される前記交換可能なステープラカートリッジの少なくとも1つの属性を決定するステップと;
を含む、
方法。
【請求項11】
前記交換可能なステープラカートリッジの前記一部は、ステープル押しシャトル又は再使用防止クリップである、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記プッシャ部材のさらなる移動が、前記交換可能なステープラカートリッジの前記一部又は前記エンドエフェクタの前記一部との前記接触のために妨げられる、
請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記交換可能なステープラカートリッジの前記一部又は前記エンドエフェクタの前記一部からの前記プッシャ部材の係合解除は、前記作動機構によって加えることができる力の量を制限する力制限のために防止される、
請求項10乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記制御ユニットが、前記移動量が欠けているカートリッジの距離より大きいことに応じて、交換可能なステープラカートリッジが前記手術器具に取り付けられていないことを決定するステップ;又は
前記制御ユニットが、前記移動量がステープラカートリッジの種類に関連付けられる公称距離に対応することに応じて、前記交換可能なステープラカートリッジが前記手術器具に取り付けられていることを決定するステップ;又は
前記制御ユニットが、前記移動量が全てのステープラカートリッジの種類に関連付けられる公称距離より小さいことに応じて、前記手術器具に取り付けられた前記交換可能なステープラカートリッジが既に発射されていることを決定するステップ;
をさらに含む、
請求項10乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記制御ユニットが、前記第1の位置から前記第2の位置へ前記プッシャ部材を動かすための前記作動出力部の連結の前に前記第1の位置に前記プッシャ部材を位置決めするように、前記作動機構を動作させるステップをさらに含む、
請求項10乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願データの相互参照)
本出願は、2016年9月9日に出願された米国仮出願第62/385,649号の利益を主張し、その全開示はその全体が全ての目的に対して参照により本出願に援用される、
【0002】
本開示は、手術システムの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
低侵襲手術技術は、診断または手術処置中に損傷を受ける無関係の組織の量を減らし、それによって患者の回復時間、不快感、および有害な副作用を減らすことを目的としている。結果として、標準的な手術のための入院期間の平均長は、低侵襲手術技術を使用して著しく短縮され得る。また、患者の回復時間、患者の不快感、手術副作用、および仕事からの離脱時間もまた、低侵襲手術で減らされ得る。
【0004】
低侵襲手術の一般的な形態は内視鏡法であり、内視鏡法の一般的な形態は腹腔鏡検査であり、これは腹腔内の低侵襲検査および手術である。標準的な腹腔鏡手術では、患者の腹部にガスを吹き込み、カニューレスリーブが腹腔鏡器具のためのエントリポートを提供するために小さい(約1/2インチ以下)切開部に通される。
【0005】
腹腔鏡手術器具は、一般に、手術野を見るための内視鏡(例えば腹腔鏡)と手術部位で作業するためのツールとを含む。作業ツールは、典型的には、各ツールの作業端部またはエンドエフェクタが延長チューブ(例えば器具シャフトまたはメインシャフトとしても知られる)によってそのハンドルから分離されていることを除いて、従来の(観血)手術で使用されるものと同様である。エンドエフェクタは、例えば、クランプ、把持器、鋏、ステープラ、焼灼ツール、リニアカッタ、または持針器を含み得る。
【0006】
手術処置を行うために、外科医は、作業ツールを、カニューレスリーブを通って内部手術部位に通し、腹部の外側からそれらを操作する。外科医は、内視鏡から撮られた手術部位の画像を表示するモニタから処置を見る。同様の内視鏡技術は、例えば、関節鏡検査法、後腹膜鏡検査法、骨盤鏡検査法、腎盂尿管鏡検査法、膀胱鏡検査法、脳槽鏡検査法、洞房鏡検査法、子宮鏡検査法、尿道鏡検査法等で用いられる。
【0007】
低侵襲遠隔手術ロボットシステムは、内部手術部位で作業するときに外科医の器用さを増大させるために、並びに外科医が離れた場所(滅菌野の外側)から患者に手術することを可能にするために、開発されている。遠隔手術システムでは、外科医はしばしば制御コンソールにおいて手術部位の画像を提供される。適切なビューアまたはディスプレイ上で手術部位の3次元画像を見ながら、外科医は、制御コンソールのマスタ入力部又は制御装置を操作することによって患者に手術処置を実行する。マスタ入力装置の各々は、サーボ機械的に作動される/関節動作される(articulated)手術器具の運動を制御する。手術処置の間、遠隔手術システムは、マスタ入力装置の操作に応じて、例えば、針を保持又は駆動する、血管を把持する、組織を切開する等、外科医のために様々な機能を実行するエンドエフェクタを有する様々な手術器具又はツールの機械的作動および制御を提供することができる。
【0008】
手術用クランピング及び切断器具(例えば、手術用ステープラとしても知られる非ロボット式リニアクランピング、ステープリング、及び切断デバイス;並びに電気手術血管シーリング装置)は、多くの異なる手術処置で用いられている。例えば、手術用ステープラは、消化管から癌性のまたは異常な組織を切除するために使用されることができる。既知の手術用ステープラを含む多くの既知の手術用クランプ又は切断装置は、組織をクランプする対向ジョーおよびクランプされた組織を切断する関節動作されるナイフを有する。
【0009】
多くの手術用クランピング及び切断器具は、交換可能なステープラカートリッジが取り付けられる器具シャフト支持エンドエフェクタを含む。作動機構が、ステープラカートリッジと、エンドエフェクタの関節動作可能なジョーとの間にクランプされた組織をステープル留めするためにステープラカートリッジからステープルを展開させるように、ステープラカートリッジに連結する(articulates)。ステープル留めされることになる異なる組織に適した異なるステープル長さを有する異なる種類のステープラカートリッジが使用され得る。
【0010】
しかし、交換可能なステープラカートリッジの使用は、いくつかのさらなる問題を引き起こす。例えば、使用前に、正しいステープル長さを有する適切なステープラカートリッジがエンドエフェクタに取り付けられるべきである。不適切なステープル長さを有するステープラカートリッジが誤ってエンドエフェクタに取り付けられた場合、組織のステープル留めの前にエラーが検出されずかつ修正されない場合に、組織は不適切な長さのステープルでステープル留めされ得る。別の例として、以前に使用されたステープラカートリッジが適切な新しいステープラカートリッジと交換されない場合、以前に使用されたステープラカートリッジと関節動作可能なジョーとの間にクランプされた組織は展開するステープルの欠如のためにステープル留めされることができない。同様の問題は、ステープラカートリッジがエンドエフェクタに取り付けられていない場合にも起こり得る。
【0011】
したがって、組織をステープル留めするように構成可能な改良された手術システム、組織をステープル留めするように構成された手術装置、ならびに使用前に適切なステープラカートリッジがクランピングおよびステープリング手術器具に取り付けられているかどうかをチェックする関連する方法に対する必要性があると考えられる。好ましくは、改良された手術システム、手術装置、および関連する方法は、ステープラカートリッジが手術器具に取り付けられているかどうか、取り付けられたステープラカートリッジが新しいか既に発射されているかどうか、および取り付けられたステープラカートリッジがステープル留めされることになる組織に適したステープル長さを有することを保証するために取り付けられたステープラカートリッジの種類をチェックする。
【発明の概要】
【0012】
使用前に適切なステープラカートリッジが手術器具に取り付けられているかどうかをチェックする、組織をステープル留めするように構成可能な改善された手術システム、組織をステープル留めするように構成された手術装置、および関連する方法が提供される。多くの実施形態では、改良された手術システム、手術装置、および関連する方法は、ステープラカートリッジが取り付けられているかどうか、ステープラカートリッジが新しいかまたはすでに発射されているかどうか、および適切なステープル長さを有するステープラカートリッジが取り付けられていることを保証するためにステープラカートリッジの種類をチェックする。手術器具を用いて組織をステープル留めすることを試みる前に、適切な未発射ステープラカートリッジが手術器具に取り付けられていることを検証することによって、不適切な組織ステープル留めの事例が減少し得る。
【0013】
したがって、一態様では、交換可能なステープラカートリッジによって組織をステープル留めするための手術器具の動作状態を評価するための方法が提供される。この方法は、制御ユニットの制御下で、プッシャ部材を第1の位置から作動機構の出力制限の対象になる第2の位置に動かすことを試みるためにプッシャ部材と駆動結合された作動機構を動作させることを含む。プッシャ部材の移動は、プッシャ部材を第1の位置から第2の位置に移動させる試みの間に作動機構の出力制限が超過された場合に中止される。制御ユニットは、プッシャ部材を第1の位置から第2の位置に移動させる試みの間に達成されるプッシャ部材の移動量を示すパラメータを決定する。制御ユニットは、パラメータに基づいて、交換可能なステープラカートリッジに関する手術器具の動作状態を決定する。
【0014】
多くの実施形態では、この方法は、交換可能なステープラカートリッジが手術器具に取り付けられていないかどうかを検出することを含む。例えば、プッシャ部材を第1の位置から第2の位置に移動させる試みの間にプッシャ部材が第2の位置に到達することに応答して、パラメータに基づく制御ユニットによる動作状態の決定は、交換可能なステープラカートリッジが手術器具に取り付けられていないことを決定することを含むことができる。
【0015】
多くの実施形態では、この方法は、交換可能なステープラカートリッジが手術器具に取り付けられているかどうかを検出することを含む。例えば、プッシャ部材を第1の位置から第2の位置に移動させる試みの間に、作動機構の出力制限の超過のためにプッシャ部材が停止位置で移動を停止したことに応答して、パラメータに基づく制御ユニットによる動作状態の決定は、交換可能なステープラカートリッジが手術器具に取り付けられていると決定することを含むことができる。
【0016】
多くの実施形態では、この方法は、手術器具に取り付けられた交換可能なステープラカートリッジが既に発射されているかどうかを検出することを含む。例えば、プッシャ部材が第1の位置から第2の位置に移動する試みの間の作動機構の出力制限の超過のために、プッシャ部材が第1の位置と第2の位置との間の移動の初期範囲内に位置する停止位置で停止することに応答して、パラメータに基づく制御ユニットによる動作状態の決定は、手術器具に取り付けられた交換可能なステープラカートリッジが既に発射されていると決定することを含むことができる。
【0017】
多くの実施形態では、この方法は、手術器具に取り付けられた交換可能なステープラカートリッジが発射されていないかどうかを検出することを含む。例えば、第1の位置から第2の位置に移動する試みの間の作動機構の出力制限の超過のために、プッシャ部材が第1の位置と第2の位置との間の移動の初期範囲の外に位置する停止位置で停止することに応答して、パラメータに基づく制御ユニットによる動作状態の決定は、手術器具に取り付けられた交換可能なステープラカートリッジが発射されていないと決定することを含むことができる。
【0018】
多くの実施形態において、方法は、手術器具に取り付けられた交換可能なステープラカートリッジの種類を決定することを含む。例えば、プッシャ部材が第1の位置から第2の位置に移動する試みの間の作動機構の出力制限の超過のために、プッシャ部材が第1の位置と第2の位置との間の移動の初期範囲の外側に位置する停止位置で停止することに応答して、パラメータに基づく制御ユニットによる動作状態の決定は、複数の種類の交換可能なステープラカートリッジから手術器具に取り付けられた交換可能なステープラカートリッジの種類を決定することを含むことができる。
【0019】
多くの実施形態では、方法は、プッシャ部材を作動機構の出力制限よりも大きい作動機構の第2の出力制限の対象になる第2の位置より第1の位置からさらに離れた第3の位置に移動させるよう作動機構を動作させることをさらに含む。作動機構の第2の出力制限がプッシャ部材を第3の位置に移動させる試みの間に超過される場合、プッシャ部材の移動は中止されることができる。
【0020】
方法は、プッシャ部材を第1の位置から第2の位置に移動させる試みの前にプッシャ部材を第1の位置に位置決めするように、制御ユニットの制御下で、作動機構を動作させることを含むことができる。例えば、プッシャ部材を第1の位置から第2の位置に移動させる試みの前に、プッシャ部材を第1の位置に位置決めするように作動機構を動作させることは、プッシャ部材を第2の位置から離れて移動させて手術器具の一部と接触させることを含むことができ、この手術器具の一部は第2の位置から離れるプッシャ部材のさらなる移動を阻止する。
【0021】
方法は、交換可能なステープラカートリッジのボディで交換可能なステープラカートリッジのステープル押しシャトルを拘束することを含むことができる。ボディでステープル押しシャトルを拘束することは:(a)交換可能なステープラカートリッジのボディに対してステープル押しシャトルを位置決めする;および/または(b)プッシャ部材を第1の位置から第2の位置に移動させる試みの間に交換可能なステープラカートリッジがプッシャ部材によって接触されるときに、交換可能なステープラカートリッジのボディに対するステープル押しシャトルの変位を妨げる;ために使用されることができる。
【0022】
別の態様では、交換可能なステープラカートリッジを介して組織をステープル留めするように構成可能な手術システムが提供される。手術システムは、エンドエフェクタ、プッシャ部材、細長いシャフト、近位シャシ、マニピュレータ、作動機構、および制御ユニットを含む。エンドエフェクタは、交換可能なステープラカートリッジをエンドエフェクタに取り付けるように構成されている。プッシャ部材は、交換可能なステープラカートリッジからステープルを展開するよう交換可能なステープラカートリッジに含まれるステープル押しシャトルを押すように構成される。エンドエフェクタは、細長いシャフトの遠位端部に取り付けられている。近位シャシは、細長いシャフトの近位端部を支持し、そしてプッシャ部材と駆動連結された(drivingly coupled with)作動入力部を含む。近位シャシはマニピュレータに取り付けられることができる。マニピュレータは、作動入力部と駆動連結されるように構成された作動出力部を含む。作動機構は作動出力部と駆動連結されている。制御ユニットは:(a)プッシャ部材を第1の位置から作動機構の出力制限の対象になる第2の位置に移動させることを試みるように作動出力部を連結する(articulate)ために作動機構の動作を制御するように構成され、作動機構の出力制限が超過された場合、プッシャ部材の移動が中止され;(b)プッシャ部材を第1の位置から第2の位置に移動させる試みの間に達成されるプッシャ部材の移動量を示すパラメータを決定するように構成され;(c)パラメータに基づいて、交換可能なステープラカートリッジに関する手術器具の動作状態を決定するように構成される。
【0023】
多くの実施形態では、手術システムは、交換可能なステープラカートリッジが手術器具に取り付けられていないかどうかを検出するように構成される。例えば、制御ユニットは、プッシャ部材を第1の位置から第2の位置に移動させる試みの間に、プッシャ部材が第2の位置に達するのに応答して、交換可能なステープラカートリッジが手術器具に取り付けられていないと決定するように構成されることができる。
【0024】
多くの実施形態では、手術システムは、交換可能なステープラカートリッジが手術器具に取り付けられているかどうかを検出するように構成される。例えば、制御ユニットは、プッシャ部材を第1の位置から第2の位置に移動させる試みの間に、作動機構の出力制限の超過のためにプッシャ部材が停止位置で停止することに応答して、交換可能なステープラカートリッジが手術器具に取り付けられていると決定するように構成されることができる。
【0025】
多くの実施形態では、手術システムは、手術器具に取り付けられた交換可能なステープラカートリッジが既に発射されているかどうかを検出するように構成される。例えば、制御ユニットは、停止位置が第1の位置と第2の位置との間の移動の初期範囲内に位置することに応答して、手術器具に取り付けられた交換可能なステープラカートリッジが既に発射されたと決定するように構成されることができる。
【0026】
多くの実施形態では、手術システムは、手術器具に取り付けられた交換可能なステープラカートリッジが発射されていないかどうかを検出するように構成される。例えば、制御ユニットは、停止位置が第1の位置と第2の位置との間の移動の初期範囲外に位置することに応答して、手術器具に取り付けられた交換可能なステープラカートリッジが発射されていないと決定するように構成されることができる。
【0027】
多くの実施形態では、手術システムは、手術器具に取り付けられた交換可能なステープラカートリッジの種類を検出するように構成される。例えば、制御ユニットは、パラメータに基づいて、複数の種類の交換可能なステープラカートリッジから手術器具に取り付けられた交換可能なステープラカートリッジの種類を決定するように構成されることができる。
【0028】
手術システムの多くの実施形態では、作動機構は、作動機構の出力制限より大きい作動機構の第2の出力制限の対象になるように動作可能である。例えば、制御ユニットは、作動機構の出力制限よりも大きい作動機構の第2の出力制限の対象になる第2の位置より第1の位置からさらに離れた第3の位置にプッシャ部材を移動させるよう作動機構を動作させるように構成されることができ、作動機構の第2の出力制限が超過された場合、プッシャ部材の移動は中止される。
【0029】
手術システムの多くの実施形態では、制御ユニットは、プッシャ部材を第1の位置から第2の位置に移動させる試みの前に、プッシャ部材を第1の位置に位置決めするよう作動機構を動作させるように構成される。例えば、制御ユニットは、プッシャ部材を第1の位置に位置決めするために、プッシャ部材を第2の位置から離れて移動させて手術器具の一部と接触させるよう作動機構を動作させるように構成されることができ、手術器具の一部は第2の位置から離れるプッシャ部材のさらなる移動を阻止する。
【0030】
手術システムの多くの実施形態では、交換可能なステープラカートリッジは、ステープル押しシャトルと、ステープル押しシャトルを拘束するボディとを有する。例えば、ステープル押しシャトルは:(a)交換可能なステープラカートリッジのボディに対してステープル押しシャトルを位置決めする;および/または(b)プッシャ部材を第1の位置から第2の位置に移動させる試みの間に交換可能なステープラカートリッジがプッシャ部材によって接触されるとき、交換可能なステープラカートリッジのボディに対するステープル押しシャトルの変位を妨げる;ようにボディを介して拘束されることができる。
【0031】
別の態様では、交換可能なステープラカートリッジを介して組織をステープル留めするように構成された手術システムが提供される。手術装置は、エンドエフェクタ、プッシャ部材、作動機構、および制御ユニットを含む。エンドエフェクタは、交換可能なステープラカートリッジをエンドエフェクタに取り付けるように構成される。プッシャ部材は、交換可能なステープラカートリッジを連結して交換可能なステープラカートリッジからステープルを展開するように構成される。作動機構はプッシャ部材と駆動連結される。制御ユニットは:(a)プッシャ部材を第1の位置から作動機構の出力制限の対象になる第2の位置に移動させることを試みるように作動機構の動作を制御するように構成され、作動機構の出力制限が超過された場合にプッシャ部材の移動は中止され;(b)プッシャ部材を第1の位置から第2の位置に移動させる試みの間に達成されたプッシャ部材の移動量に基づいてステープラカートリッジの属性を決定するように構成され、ステープラカートリッジの決定された属性は:(1)複数の種類の交換可能なステープラカートリッジから選択された交換可能なステープラカートリッジの種類;(2)交換可能なステープラカートリッジが既に発射されているかどうか;または(3)交換可能なステープラカートリッジがエンドエフェクタに取り付けられていないこと;を示す。
【0032】
本発明の本質および利点をより完全に理解するために、以下の詳細な説明および添付の図面が参照されるべきである。本発明の他の態様、目的および利点は、以下の図面および詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】多くの実施形態による、手術を実行するために使用される低侵襲ロボット手術システムの平面図である。
【
図2】多くの実施形態による、ロボット手術システムのための外科医の制御コンソールの斜視図である。
【
図3】多くの実施形態による、ロボット手術システムエレクトロニクスカートの斜視図である。
【
図4】多くの実施形態による、ロボット手術システムを図式的に示す。
【
図5A】多くの実施形態による、ロボット手術システムの患者側カート(手術ロボット)の正面図である。
【
図5B】多くの実施形態による、ロボット手術ツールの正面図である。
【
図6】多くの実施形態による、対向するクランプジョーを有するエンドエフェクタを含むロボット手術ツールの斜視図である。
【
図7】多くの実施形態による、取り付けられたステープラカートリッジを備えた手術器具のエンドエフェクタの側面断面図である。
【
図8】
図7のステープラカートリッジのボディの上面図である。
【
図9】多くの実施形態による、比較的長いステープルを有するステープラカートリッジの部分側面断面図である。
【
図10】多くの実施形態による、比較的短いステープルを有するステープラカートリッジの部分側面断面図である。
【
図11】多くの実施形態による、ステープル押しシャトルのスタート位置を制御するようにステープル押しシャトルと相互作用するディテント機構を示す
図7のステープラカートリッジのボディの近位部分の上面図である。
【
図12】多くの実施形態による、エンドエフェクタのプッシャ部材と第1の種類のステープラカートリッジのステープル押しシャトルとの間の公称位置関係を示す。
【
図13】多くの実施形態による、エンドエフェクタのプッシャ部材と第2の種類のステープラカートリッジのステープル押しシャトルとの間の公称位置関係を示す。
【
図14】多くの実施形態による、エンドエフェクタのプッシャ部材と第3の種類のステープラカートリッジのステープル押しシャトルとの間の公称位置関係を示す。
【
図15】多くの実施形態による、エンドエフェクタのプッシャ部材と第4の種類のステープラカートリッジのステープル押しシャトルとの間の公称位置関係を示す。
【
図16】多くの実施形態による、エンドエフェクタのプッシャ部材と第5の種類のステープラカートリッジのステープル押しシャトルとの間の公称位置関係を示す。
【
図17】多くの実施形態による、エンドエフェクタのプッシャ部材とステープラカートリッジのブロックスプリングクリップとの間の公称位置関係を示す。
【
図18】多くの実施形態による、組織をステープル留めするための手術器具の動作状態を評価する方法の動作の簡略化されたブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の説明では、本発明の様々な実施形態が説明される。説明の目的で、特定の構成および詳細が実施形態の完全な理解を提供するために説明される。しかし、本発明が特定の詳細なしで実施され得ることも当業者には明らかであろう。さらに、記載されている実施形態を曖昧にしないために、よく知られている特徴は省略または簡略化されることがある。
【0035】
[低侵襲ロボット手術]
【0036】
ここで図面を参照すると、いくつかの図を通して同様の参照番号は同様の部分を表し、
図1は、典型的には手術台14の上に横たわっている患者12に低侵襲診断または外科処置を実行するために使用される低侵襲ロボット外科(MIRS)システム10の平面図である。システムは、処置中に外科医18が使用するための外科医のコンソール16を含むことができる。1人又は複数の助手20も処置に参加し得る。MIRSシステム10は、患者側カート22(手術ロボット)およびエレクトロニクスカート24をさらに含むことができる。患者側カート22は、外科医18がコンソール16を通して手術部位を視認している間に、患者12の身体の低侵襲切開部を通して、少なくとも1つの取り外し可能に結合されたツールアセンブリ26(以下、単に「ツール」と呼ぶ)を操作することができる。手術部位の画像は、内視鏡28を配向するように患者側カート22によって操作されることができる、立体内視鏡などの内視鏡28によって取得されることができる。エレクトロニクスカート24は、外科医のコンソール16を通して後に外科医18に表示するために手術部位の画像を処理するために使用されることができる。一度に使用される手術ツール26の数は、概して、いくつかある要因の中でも、診断または外科処置、および手術室内の空間的制約に依存する。処置中に使用されているツール26のうちの1つまたは複数を交換することが必要な場合、助手20が、患者側カート22からツール26を取り外し、それを手術室内のトレイ30からの別のツール26と交換し得る。
【0037】
図2は、外科医のコンソール16の斜視図である。外科医のコンソール16は、奥行き知覚を可能にする手術部位の協調ステレオビューを外科医18に提示するための左眼ディスプレイ32および右眼ディスプレイ34を含む。コンソール16はさらに、1つまたは複数の入力制御装置36を含み、これらの入力制御装置36は、(
図1に示す)患者側カート22に1つまたは複数のツールを操作させる。入力制御装置36は、外科医にテレプレゼンス、または外科医がツール26を直接制御する強い感覚を有するよう入力制御装置36がツール26と一体であるという知覚を提供するように、それらに関連付けられるツール26(
図1に示す)と同じ自由度を提供することができる。この目的のために、位置、力、および触覚フィードバックセンサ(図示せず)が、入力制御装置36を通して位置、力、および触覚をツール26から外科医の手に返送するために用いられることができる。
【0038】
外科医のコンソール16は通常、患者と同じ部屋に配置されているので、外科医は、処置を直接監視し、必要に応じて物理的に立ち会い、電話または他の通信媒体を介さずに直接助手に話すことができる。しかし、外科医は、別の部屋、全く別の建物、または患者から離れた他の遠隔地に位置することができ、遠隔外科処置を可能にする。
【0039】
図3は、エレクトロニクスカート24の斜視図である。エレクトロニクスカート24は、内視鏡28と結合されることができ、外科医のコンソール上、あるいはローカルおよび/またはリモートに配置された他の適切なディスプレイ上で外科医などに後に表示するために、取り込まれた画像を処理するためのプロセッサを含むことができる。例えば、立体内視鏡が使用される場合、エレクトロニクスカート24は、手術部位の協調立体画像を外科医に提示するために取り込まれた画像を処理することができる。そのような協調は、対向する画像間の位置合わせを含むことができ、立体内視鏡のステレオ作動距離を調整することを含むことができる。別の例として、画像処理は、光学収差などの画像取り込み装置の結像誤差を補償するために以前に決定されたカメラ較正パラメータの使用を含むことができる。
【0040】
図4は、ロボット手術システム50(
図1のMIRSシステム10など)を図式的に示す。上述したように、外科医のコンソール52(
図1の外科医のコンソール16など)は、低侵襲手術の間に患者側カート(手術ロボット)54(
図1の患者側カート22など)を制御するために外科医によって使用されることができる。患者側カート54は、立体視内視鏡などの撮像装置を使用して処置部位の画像を取り込み、取り込んだ画像をエレクトロニクスカート56(
図1のエレクトロニクスカート24など)に出力することができる。上述したように、エレクトロニクスカート56は、後の表示の前に、取り込まれた画像を様々な方法で処理することができる。例えば、エレクトロニクスカート56は、組み合わされた画像を外科医のコンソール52を介して外科医に表示する前に、取り込んだ画像を仮想制御インターフェースと重ね合わせることができる。患者側カート54は、エレクトロニクスカート56の外部で処理するために取り込んだ画像を出力することができる。例えば、患者側カート54は、取り込んだ画像をプロセッサ58に出力することができ、このプロセッサ58は取り込んだ画像を処理するために使用されることができる。画像は、エレクトロニクスカート56とプロセッサ58との組み合わせによって処理されることもでき、これらのエレクトロニクスカート56とプロセッサ58は、取り込んだ画像を一緒に、順次、および/またはそれらの組み合わせで処理するために、結合されることができる。1つまたは複数の別個のディスプレイ60も、処置部位の画像、または他の関連画像などの画像のローカルおよび/またはリモート表示のために、プロセッサ58および/またはエレクトロニクスカート56と結合されることもできる。
【0041】
図5Aおよび5Bは、それぞれ患者側カート22および手術ツール62を示す。手術ツール62は手術ツール26の一例である。図示の患者側カート22は、3つの手術ツール26および処置の部位の画像の取り込みのために使用される立体内視鏡などの撮像装置28の操作を提供する。操作は、いくつかのロボット関節を有するロボット機構によって提供される。撮像装置28および手術ツール26は、運動学的遠隔中心が切開部の大きさを最小にするよう切開部に維持されるように、患者の切開部を通って位置決めおよび操作されることができる。手術部位の画像は、手術ツール26の遠位端部が撮像装置28の視野内に配置されているときの手術ツール26の遠位端部の画像を含むことができる。
【0042】
図6は、近位シャシ72、器具シャフト74、および患者の組織を把持するように関節動作される(articulated)ことができるジョー78を有する遠位エンドエフェクタ76を含む手術ツール70を示す。近位シャシは、患者側カート22の対応する出力カプラとインターフェース接続するとともにそれによって駆動されるように構成された入力カプラを含む。入力カプラは、器具シャフト74内に配置された駆動シャフトと駆動連結される。駆動シャフトは、エンドエフェクタ76と駆動連結される。
【0043】
[ステープラカートリッジの自動評価]
【0044】
図7は、多くの実施形態による、取り付けられたステープラカートリッジ84を備えた手術器具のエンドエフェクタ76の側面断面図である。ステープラカートリッジ84は、例えば、使用済みのステープラカートリッジをエンドエフェクタ76から取り外し、新しいステープラカートリッジをエンドエフェクタ76に取り付けることによって交換可能である。エンドエフェクタ76は、ステープラカートリッジ84から展開されてステープラカートリッジ84とアンビルジョー86との間にクランプされた組織を貫通されるステープルの自由端を形成するように構成された関節動作可能なアンビルジョー86を含む。ステープラカートリッジ84は、ステープルを収容するステープラカートリッジボディ88と、ステープラカートリッジボディ88とアンビルジョー86との間にクランプされた組織を貫通させてその組織をステープル留めするようにステープラカートリッジボディ88からステープルを押し出すためにステープラカートリッジボディ88に沿って遠位側に連結される(articulated)ステープル押しシャトル90とを含む。ステープル押しシャトル90は、ステープル押しシャトル90の運動に対してステープラカートリッジボディ88から横方向にステープルプッシャおよびステープルを押すように傾斜したステープルプッシャ94(
図9および
図10に示す)と相互作用する(interfaces with)傾斜部分92を有する。エンドエフェクタ76は、プッシュロッド98を介して作動機構と動作可能に結合されたプッシャ部材96を含む。プッシャ部材96の初期遠位連結(initial distal articulation)は、プッシャ部材96を移動させてステープル押しシャトル90と接触させるために使用されることができる。プッシャ部材96のさらなる遠位連結は、ステープル押しシャトル90をステープラカートリッジボディ88に沿って遠位に押し、それによってステープルをステープラカートリッジボディ88から押し出すために使用されることができる。プッシャ部材96は、プッシャ部材96がステープル押しシャトル90以外のエンドエフェクタの部分と接触する近位限界位置と、プッシャ部材96がステープル押しシャトル90と接触する位置との間で動かされることができる。上述のように、近位限界位置とプッシャ部材96がステープル押しシャトル90に最初に接触する位置との間の距離は、取り付けられたステープラカートリッジ84内のステープルの長さに応じて変えられることができ、どの種類のステープラカートリッジ84がエンドエフェクタ76に取り付けられているかを検出するために使用されることができる。
【0045】
図8は、ステープラカートリッジボディ88の一実施形態の上面図である。ステープラカートリッジボディ88は、ステープルおよび関連するステープルプッシャが収容され、そこからステープルがステープル押しシャトル90によるステープラカートリッジボディ88に沿った遠位の連結(articulation)によって展開されるステープル収容開口100のアレイを有する。ステープラカートリッジボディ88はまた、ステープラカートリッジボディ88に沿った遠位のステープル押しシャトル90の連結の間にステープル押しシャトル90の相補的な形状の特徴部を案内し且つ収容する中央ガイドチャネル102および側部ガイドチャネル104を有する。中央ガイドチャネル102はまた、ステープラカートリッジボディ88に沿った遠位のプッシャ部材96の連結の間にプッシャ部材96を収容する。
【0046】
多くの実施形態では、ステープラカートリッジボディ88に沿ったステープル押しシャトル90の初期位置は、変えられ、取り付けられたステープラカートリッジの種類(例えば取り付けられたステープラカートリッジのステープル長さ)を識別するために使用される。特に、短いステープルに関して、短いステープル用のステープルプッシャはステープル押しシャトル90の傾斜部分92の遠位部分と相互作用しないので、ステープル押しシャトル90は、長いステープルと比較してステープラカートリッジボディ88に沿ってより遠位に配置されることができる。例えば、
図9に示すように、ステープル押しシャトル90の初期位置は、傾斜部分92の遠位部分が最長ステープルのために最も近位のステープルプッシャ94と相互作用することを可能にするように十分近位でなければならない。これに対して、
図10に示すように、ステープル押しシャトル90の初期位置は、
図9に示される長いステープルと比較してより短いステープルのためにより遠位であることができ、これは、ステープルプッシャ94がステープラカートリッジボディ88の上部に近接して配置されることができ、それによってステープル押しシャトル90の遠位部分を最も近位のステープルプッシャ94の下に収容することができるからである。
【0047】
図11は、ステープラカートリッジボディ88の一実施形態の近位部分の上面図である。側部ガイドチャネル104は、ステープラカートリッジボディ88に沿ったステープル押しシャトル90の初期位置を制御するためにステープル押しシャトル90の相補的な形状のディテント機構(detent features)と相互作用するディテント機構106を有する。多くの実施形態では、ディテント機構106は、ステープル押しシャトル90を、各種類のステープラカートリッジ84のためのステープラカートリッジボディ88に沿ったそれぞれの既知の位置に位置決めするために使用され、各種類のステープラカートリッジ84はそれぞれのステープル長さを有する。ステープラカートリッジボディ88はまた、再使用防止スプリングクリップ110(
図12乃至17に示す)を収容し且つ支持するように形成された再使用防止スプリングクリップ取り付け領域108を有する。
【0048】
図12乃至16は、5つの異なるそれぞれのステープル長さを有する5つの異なる種類のステープラカートリッジについての(エンドエフェクタ76の一部と接触するように近位に位置決めされた)プッシャ部材96とステープル押しシャトル90との間のそれぞれの公称位置関係を示す。多くの実施形態では、プッシャ部材96は、プッシャ部材96とステープル押しシャトル90との間の初期距離を測定するように連結され、測定された初期距離は、エンドエフェクタ76に取り付けられたステープラカートリッジの種類を決定するために評価される。
図12乃至16はまた、ステープル押しシャトル90を遠位に押してステープルを展開するための再使用防止スプリングクリップ110の間のプッシャ部材96の遠位の連結に対応するように、再使用防止スプリングクリップ110を分離させるようステープル押しシャトル90の一部が再使用防止スプリングクリップ110の間に配置される使用前の構成の再使用防止スプリングクリップ110を示す。
【0049】
図12は、最長ステープル長さを有する第1の種類のステープラカートリッジ84-1を示す。
図12では、ステープル押しシャトル90-1は、初期位置に配置され、ステープラカートリッジボディ88-1のディテント機構106とステープル押しシャトル90-1の相互作用する補完的形状のディテント機構との間の係合を介してステープラカートリッジボディ88-1に対して固定されて示されている。第1の種類のステープラカートリッジ84-1では、プッシャ部材96は、ステープル押しシャトル90-1から第1の公称距離(x1)に配置されている。
【0050】
図13は、
図12に示す第1の種類のステープラカートリッジ84-1より短いステープル長さを有する第2の種類のステープラカートリッジ84-2を示す。
図13では、ステープル押しシャトル90-2は、初期位置に配置され、ステープラカートリッジボディ88-2のディテント機構106とステープル押しシャトル90-2の相互作用する補完的形状のディテント機構との間の係合を介してステープラカートリッジボディ88-2に対して固定されて示されている。第2の種類のステープラカートリッジでは、プッシャ部材96は、ステープル押しシャトル90-2から第2の公称距離(x2)に配置されている。第2の公称距離(x2)は、第1および第2の種類のステープラカートリッジ84-1、84-2は、プッシャ部材96とステープル押しシャトル90-2との間の測定された初期距離に基づいて確実に区別されることができるように、第1の公称距離(x1)より適切な距離だけ大きい。
【0051】
図14は、
図13に示す第2の種類のステープラカートリッジ84-2より短いステープル長さを有する第3の種類のステープラカートリッジ84-3を示す。
図14では、ステープル押しシャトル90-3は、初期位置に配置され、ステープラカートリッジボディ88-3のディテント機構106とステープル押しシャトル90-3の相互作用する補完的形状のディテント機構との間の係合を介してステープラカートリッジボディ88-3に対して固定されて示されている。第3の種類のステープラカートリッジでは、プッシャ部材96は、ステープル押しシャトル90-3から第3の公称距離(x3)に配置されている。第3の公称距離(x3)は、第2および第3の種類のステープラカートリッジ84-2、84-3は、プッシャ部材96とステープル押しシャトル90-3との間の測定された初期距離に基づいて確実に区別されることができるように、第2の公称距離(x2)より適切な距離だけ大きい。
【0052】
図15は、
図14に示す第3の種類のステープラカートリッジ84-3より短いステープル長さを有する第4の種類のステープラカートリッジ84-4を示す。
図15では、ステープル押しシャトル90-4は、初期位置に配置され、ステープラカートリッジボディ88-4のディテント機構106とステープルを押しシャトル90-4の相互作用する補完的形状のディテント機構との間の係合を介してステープラカートリッジボディ88-4に対して固定されて示されている。第4の種類のステープラカートリッジでは、プッシャ部材96は、ステープル押しシャトル90-4から第4の公称距離(x4)に配置されている。第4の公称距離(x4)は、第3および第4の種類のステープラカートリッジ84-3、84-4は、プッシャ部材96とステープル押しシャトル90-4との間の測定された初期距離に基づいて確実に区別されることができるように、第3の公称距離(x3)より適切な距離だけ大きい。
【0053】
図16は、
図15に示す第4の種類のステープラカートリッジ84-4より短いステープル長さを有する第5の種類のステープラカートリッジ84-5を示す。
図16では、ステープル押しシャトル90-5は、初期位置に配置され、ステープラカートリッジボディ88-5のディテント機構106とステープル押しシャトル90-5の相互作用する補完的形状のディテント機構との間の係合を介してステープラカートリッジボディ88-5に対して固定されて示されている。第5の種類のステープラカートリッジでは、プッシャ部材96は、ステープル押しシャトル90-5から第5の公称距離(x5)に配置されている。第5の公称距離(x5)は、第4および第5の種類のステープラカートリッジ84-4、84-5は、プッシャ部材96とステープル押しシャトル90-5との間の測定された初期距離に基づいて確実に区別されることができるように、第4の公称距離(x4)より適切な距離だけ大きい。
【0054】
図17は、以前に使用されたステープラカートリッジ(84-使用済み)がエンドエフェクタ76に取り付けられているときのプッシャ部材96(近位に配置されエンドエフェクタ76の一部と接触する)と再使用防止スプリングクリップ110との間の公称位置関係を示す。
図17では、ステープラカートリッジ(84-使用済み)の先の使用の結果として、ステープル押し部材90は既に遠位に連結されており、それによって再使用防止スプリングクリップ110を離して保持することはもはやないので、再使用防止スプリングクリップ110は、
図12乃至16のそれぞれに示される使用前の構成から
図17に示される使用後の構成に再構成されている。使用後の構成では、再使用防止スプリングクリップ110は、再使用防止スプリングクリップ110を越えたプッシャ部材96の遠位の連結を阻止する。以前に使用されたステープラカートリッジ(84-使用済み)がエンドエフェクタに取り付けられるとき、プッシャ部材96は、使用後の構成の再使用防止スプリングクリップ110から使用後の公称距離(x0)に配置される。使用後の公称距離(x0)は、以前に使用されたステープラカートリッジ(84-使用済み)と第1の種類のステープラカートリッジ84-1は、プッシャ部材96と、ステープル押しシャトル90-1または再使用防止スプリングクリップ110いずれかとの間の測定された初期距離に基づいて確実に区別されることができるように、適切な距離だけ第1の公称距離(x1)より小さい。
【0055】
多くの実施形態では、本明細書に記載のシステム、装置、および方法は、ステープラカートリッジがいつエンドエフェクタに取り付けられていないかを検出することを含む。ステープラカートリッジがエンドエフェクタに取り付けられていないとき、プッシャ部材96の初期遠位連結(エンドエフェクタ76の一部と接触するように近位に位置決めされることからの)は、プッシャ部材96が取り付けられたステープラカートリッジがないために再使用防止スプリングクリップまたはステープル押しシャトル90のいずれかと接触するようになることなしに、生じる。したがって、プッシャ部材96が欠けているカートリッジの距離(xm)以上に連接されているとき、ステープラカートリッジがエンドエフェクタ76に取り付けられていないと決定することができる。欠けているカートリッジの距離(xm)は、欠けているステープラカートリッジと第5の種類のステープラカートリッジ84-5とが確実に区別されることができるように、適切な距離だけ第5の公称距離(x5)よりも大きい。
【0056】
図18は、多くの実施形態による、組織をステープル留めするための手術器具の動作状態を評価する方法200の動作の簡略化されたブロック図である。方法200は、本明細書に記載の手術システムおよび手術装置に関して本明細書に記載されているが、任意の適切な手術システムまたは手術装置が方法200を実施するために使用されることができる。
【0057】
動作202において、作動機構がプッシャ部材96を既知の第1の位置に位置決めするように動作する。任意の適切な既知の第1の位置を使用することができる。例えば、多くの実施形態では、作動機構は、プッシャ部材96を近位に後退させてステープラカートリッジ84が取り付けられているエンドエフェクタ76の一部と接触するように動作する。次に、作動機構は、手術器具の動作状態を評価するのに使用するために、プッシャ部材96を既知の第1の位置から遠位に連結させて既知の第1の位置からステープル押しシャトル90または再使用防止スプリングクリップ110までの距離を測定するように動作することができる。別の例として、作動機構は、を操作して、プッシャ部材96を遠位に連結させてステープル押しシャトル90または再使用防止スプリングクリップ110と接触させるように、動作することができる。次に作動機構は、プッシャ部材96を近位に後退させて、プッシャ部材96が連結する距離に基づいて手術器具の動作状態を評価するのに使用するために、既知の第1の位置からプッシャ部材96がエンドエフェクタ76の一部に接触する位置までの距離を測定するように作動することができる。既知の第1の位置はまた、エンドエフェクタ76の一部、ステープル押しシャトル90、または再使用防止スプリングクリップ110のいずれかからの任意の適切な既知の距離にあることができる。
【0058】
動作204では、作動機構の動作は、ステープル押しシャトル90の意図しない変位を防ぐことに制限される。例えば、多くの実施形態では、作動機構は、作動ロッド98を介してプッシャ部材96に限定された力しか加えることができないように作動されるので、プッシャ部材96がステープラカートリッジボディ88のディテント機構106からのステープル押しシャトル90の係合解除を引き起こすのに十分な力をステープル押しシャトル90に加えることができないようになる。
【0059】
動作206では、作動機構は、プッシャ部材96を第1の位置から第2の位置に移動させるように動作され、この第2の位置からの第1の位置から離れるプッシャ部材96のさらなる移動が手術器具に取り付けられたステープラカートリッジ84またはステープラカートリッジ84からオフセットされた手術器具の一部との接触のために妨げられる。多くの実施形態では、作動機構は、第1の位置から第2の位置へのプッシャ部材96の移動量を示す作動機構の動作パラメータを決定するために監視される。
【0060】
動作208では、ステープラカートリッジ84の属性が、第1の位置から第2の位置へのプッシャ部材96の移動量に基づいて選択される。例えば、ステープラカートリッジ84の属性は、第1の位置から第2の位置へのプッシャ部材96の移動量を示す作動機構の動作パラメータに基づいて選択されることができる。ステープラカートリッジ84の選択された属性は、ステープラカートリッジの種類(例えば、カートリッジのステープル長さ)、ステープラカートリッジが既に使用されたかどうか、またはステープラカートリッジがエンドエフェクタに取り付けられていないかどうかであり得る。
【0061】
他の変形は本発明の精神の範囲内である。例えば、本明細書では5つの異なる種類のステープラカートリッジを記載しているが、記載した5つのステープラカートリッジの種類より少ないおよび多い種類を含む、任意の適切な数のステープラカートリッジの種類を使用することができる。したがって、本発明は様々な修正形態および代替構造が可能であるが、それらの特定の例示の実施形態は図面に示されており、上で詳細に説明されてきた。しかし、開示された特定の形態または複数の形態に本発明を限定する意図はないが、それどころか、その意図は、添付の特許請求の範囲に定義されるように、本発明の精神および範囲内にあるすべての修正形態、代替構造、および均等物を網羅することであることが理解されるべきである。
【0062】
本発明を説明する文脈における(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)用語「1つの(“a”および“an”)」および「その(“the”)」および類似の指示対象の使用は、そうでないことが本明細書に示されるか、または文脈により明らかに否定される場合を除き、単数形および複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。用語「備える」、「有する」、「含む」、および「含有する」は、特に断りのない限り、オープンエンドの用語(すなわち、「含むが、これに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。用語「接続された」は、たとえ介在するものがあったとしても、部分的にまたは全体的にその中に含まれる、それに取り付けられる、または一緒に接合されると解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において別段の指定がない限り、単にその範囲内に含まれる各個別の値を個々に指す簡潔な方法として役立つことを意図しており、各個別の値は、あたかも本明細書に個々に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書に別段の指示がない限りまたは文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例、または例示的な言語(例えば、「など、のような」)の使用は、単に本発明の実施形態をよりよく明らかにすることを意図しており、特に請求項に記載されない限り本発明の範囲の限定を提示するものではない。本明細書中のいかなる言語も、請求項に記載されていない要素を本発明の実施に必須であると示すと解釈されるべきではない。
【0063】
本発明を実施するために本発明者らが知っている最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態が本明細書に記載されている。これらの好ましい実施形態の変形は、前述の説明を読めば当業者には明らかになるであろう。本発明者らは、当業者がそのような変形を適切に使用することを期待し、そして本発明者らは本明細書に具体的に記載されたものとは別の方法で本発明を実施することを意図する。したがって、本発明は、適用法によって許容されるように、本明細書に添付の特許請求の範囲に列挙されている主題のすべての修正形態および均等物を含む。さらに、そのすべての可能な変形形態における上記の要素の任意の組み合わせは、本明細書中に別段の指示がない限りまたは文脈によって明らかに矛盾しない限り、本発明に包含される。
【0064】
本明細書で引用した刊行物、特許出願、および特許を含むすべての参考文献は、あたかも各参考文献が個別におよび具体的に参照により組み込まれることが示され、その全体が本明細書に記載されるのと同程度に参照により本明細書に組み込まれる。
【0065】
次の付記を記す。
(付記1) 交換可能なステープラカートリッジによって組織をステープル留めするための手術器具の動作状態を評価する方法であって:
制御ユニットの制御下で、第1の位置から作動機構の出力制限の対象になる第2の位置にプッシャ部材を動かすことを試みるために前記プッシャ部材と駆動結合された前記作動機構を動作させるステップであって、前記プッシャ部材の移動は、前記作動機構の出力制限が超過された場合に中止される、ステップと;
前記制御ユニットが、前記プッシャ部材を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる試みの間に達成される前記プッシャ部材の移動量を示すパラメータを決定するステップと;
前記制御ユニットが、前記パラメータに基づいて、前記交換可能なステープラカートリッジに関する前記手術器具の動作状態を決定するステップと;
を含む、
方法。
(付記2) 前記プッシャ部材を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる前記試みの間に前記プッシャ部材は前記第2の位置し、
前記パラメータに基づく前記交換可能なステープラカートリッジに関する前記手術器具の前記動作状態を決定する前記ステップは、前記交換可能なステープラカートリッジが前記手術器具に取り付けられていないことを決定することを含む、
付記1に記載の方法。
(付記3) 前記プッシャ部材は、前記プッシャ部材を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる前記試みの間に前記作動機構の前記出力制限の超過のために停止位置で移動を停止し、
前記パラメータに基づく前記交換可能なステープラカートリッジに関する前記手術器具の前記動作状態を決定する前記ステップは、前記交換可能なステープラカートリッジが前記手術器具に取り付けられていると決定することを含む、
付記1に記載の方法。
(付記4) 前記停止位置は、前記第1の位置と前記第2の位置との間の移動の初期範囲内に位置し、
前記パラメータに基づく前記交換可能なステープラカートリッジに関する前記手術器具の前記動作状態を決定する前記ステップは、前記手術器具に取り付けられた前記交換可能なステープラカートリッジが既に発射されていると決定することを含む、
付記3に記載の方法。
(付記5) 前記停止位置は、前記第1の位置と前記第2の位置との間の移動の初期範囲の外に位置し、
前記パラメータに基づく前記交換可能なステープラカートリッジに関する前記手術器具の前記動作状態を決定する前記ステップは、前記手術器具に取り付けられた前記交換可能なステープラカートリッジが発射されていないと決定することを含む、
付記3に記載の方法。
(付記6) 前記パラメータに基づく前記交換可能なステープラカートリッジに関する前記手術器具の前記動作状態を決定する前記ステップは、複数の種類の前記交換可能なステープラカートリッジから前記手術器具に取り付けられた前記交換可能なステープラカートリッジの種類を決定することを含む、
付記5に記載の方法。
(付記7) 前記作動機構の前記出力制限よりも大きい前記作動機構の第2の出力制限の対象になる前記第2の位置より前記第1の位置からさらに離れた第3の位置に前記プッシャ部材を移動させるよう前記作動機構を動作させるステップをさらに含み、前記作動機構の前記第2の出力制限が前記第3の位置に前記プッシャ部材を移動させる試みの間に超過される場合、前記プッシャ部材の移動は中止される、
付記6に記載の方法。
(付記8) 前記プッシャ部材を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる前記試みの前に前記プッシャ部材を前記第1の位置に位置決めするように、前記制御ユニットの制御下で、前記作動機構を動作させるステップをさらに含む、
付記1に記載の方法。
(付記9) 前記プッシャ部材を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる前記試みの前に前記プッシャ部材を前記第1の位置に位置決めするように前記作動機構を動作させる前記ステップは、前記プッシャ部材を前記第2の位置から離れて移動させて前記手術器具の一部と接触させることを含み、前記手術器具の一部は前記第2の位置から離れる前記プッシャ部材のさらなる移動を阻止する、
付記8に記載の方法。
(付記10) 前記交換可能なステープラカートリッジのボディに対してステープル押しシャトルを位置決めするため;または
前記プッシャ部材を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる試みの間に前記交換可能なステープラカートリッジが前記プッシャ部材によって接触されるときに、前記交換可能なステープラカートリッジの前記ボディに対する前記ステープル押しシャトルの変位を妨げるため;
の少なくとも一方のために、前記交換可能なステープラカートリッジの前記ボディで前記交換可能なステープラカートリッジの前記ステープル押しシャトルを拘束するステップをさらに含む、
付記1に記載の方法。
(付記11) 交換可能なステープラカートリッジを介して組織をステープル留めするように構成可能な手術システムであって、前記手術システムは:
手術器具であって:
エンドエフェクタであって、前記交換可能なステープラカートリッジを前記エンドエフェクタに取り付けるように構成された、エンドエフェクタ;
前記交換可能なステープラカートリッジからステープルを展開するよう前記交換可能なステープラカートリッジに含まれるステープル押しシャトルを押すように構成されたプッシャ部材;
細長いシャフトであって、前記エンドエフェクタが前記細長いシャフトの遠位端部に取り付けられる、細長いシャフト;及び
前記細長いシャフトの近位端部を支持し、前記プッシャ部材と駆動連結された作動入力部を含む、近位シャシ;
を含む、手術器具と;
前記近位シャシが取り付けられることができるマニピュレータであって、前記作動入力部と駆動連結されるように構成された作動出力部を含む、マニピュレータと;
前記作動出力部と駆動連結された作動機構と;
制御ユニットであって:
第1の位置から前記作動機構の出力制限の対象になる第2の位置に前記プッシャ部材を移動させることを試みるように前記作動出力部を連結するために前記作動機構の動作を制御し;
前記プッシャ部材を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる試みの間に達成される前記プッシャ部材の移動量を示すパラメータを決定し;
前記パラメータに基づいて、前記交換可能なステープラカートリッジに関する前記手術器具の動作状態を決定する;ように構成され、
前記作動機構の前記出力制限が超過された場合、前記プッシャ部材の移動が中止される、
制御ユニットと;
を有する、
手術システム。
(付記12) 前記制御ユニットは、前記プッシャ部材を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる前記試みの間に前記プッシャ部材が前記第2の位置に達するのに応答して、前記交換可能なステープラカートリッジが前記手術器具に取り付けられていないと決定するように構成される、
付記11に記載の手術システム。
(付記13) 前記制御ユニットは、前記プッシャ部材を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる前記試みの間に前記作動機構の前記出力制限の超過のために前記プッシャ部材が停止位置で停止することに応答して、前記交換可能なステープラカートリッジが前記手術器具に取り付けられていると決定するように構成される、
付記11に記載の手術システム。
(付記14) 前記制御ユニットは、前記停止位置が前記第1の位置と前記第2の位置との間の移動の初期範囲内に位置することに応答して、前記手術器具に取り付けられた前記交換可能なステープラカートリッジが既に発射されたと決定するように構成される、
付記13に記載の手術システム。
(付記15) 前記制御ユニットは、前記停止位置が前記第1の位置と前記第2の位置との間の移動の初期範囲外に位置することに応答して、前記手術器具に取り付けられた前記交換可能なステープラカートリッジが発射されていないと決定するように構成される、
付記13に記載の手術システム。
(付記16) 前記制御ユニットは、前記パラメータに基づいて、複数の種類の前記交換可能なステープラカートリッジから前記手術器具に取り付けられた前記交換可能なステープラカートリッジの種類を決定するように構成される、
付記15に記載の手術システム。
(付記17) 前記制御ユニットは、前記作動機構の前記出力制限よりも大きい前記作動機構の第2の出力制限の対象になる前記第2の位置より前記第1の位置からさらに離れた第3の位置に前記プッシャ部材を移動させるよう前記作動機構を動作させるように構成され、前記作動機構の前記第2の出力制限が超過された場合、前記プッシャ部材の移動は中止される、
付記16に記載の手術システム。
(付記18) 前記制御ユニットは、前記プッシャ部材を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる前記試みの前に、前記プッシャ部材を前記第1の位置に位置決めするよう前記作動機構を動作させるように構成される、
付記11に記載の手術システム。
(付記19) 前記制御ユニットは、前記プッシャ部材を前記第2の位置から離れて移動させて前記手術器具の一部と接触させるよう前記作動機構を動作させるように構成され、前記手術器具の一部は、前記第2の位置から離れる前記プッシャ部材のさらなる移動を阻止して前記プッシャ部材を前記第1の位置に位置決めする、
付記18に記載の手術システム。
(付記20) 前記交換可能なステープラカートリッジは、ステープル押しシャトルと、ボディであって:
前記交換可能なステープラカートリッジの前記ボディに対して前記ステープル押しシャトルを位置決めする;または
前記プッシャ部材を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる前記試みの間に前記交換可能なステープラカートリッジが前記プッシャ部材によって接触されるとき、前記交換可能なステープラカートリッジの前記ボディに対する前記ステープル押しシャトルの変位を妨げる;ことの少なくとも一方を行うように前記ステープル押しシャトルを拘束する、ボディと、を有する、
付記11に記載の手術システム。
(付記21) 交換可能なステープラカートリッジを介して組織をステープル留めするように構成された手術装置であって:
エンドエフェクタであって、前記交換可能なステープラカートリッジを前記エンドエフェクタに取り付けるように構成された、エンドエフェクタと;
前記交換可能なステープラカートリッジを連結して前記交換可能なステープラカートリッジからステープルを展開するように構成されたプッシャ部材と;
前記プッシャ部材と駆動連結された作動機構と;
制御ユニットであって:
前記プッシャ部材を第1の位置から前記作動機構の出力制限の対象になる第2の位置に移動させることを試みるように前記作動機構の動作を制御し;
前記プッシャ部材を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる試みの間に達成された前記プッシャ部材の移動量に基づいて前記交換可能なステープラカートリッジの属性を決定する;ように構成され、
前記作動機構の前記出力制限が超過された場合に前記プッシャ部材の移動は中止され、
前記交換可能なステープラカートリッジの決定された前記属性は:
複数の種類の前記交換可能なステープラカートリッジから選択された前記交換可能なステープラカートリッジの種類;
前記交換可能なステープラカートリッジが既に発射されているかどうか;または
前記交換可能なステープラカートリッジが前記エンドエフェクタに取り付けられていないこと;を示す、
制御ユニットと;
を有する、
手術装置。
【外国語明細書】