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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096164
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】発毛及び育毛剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/185 20060101AFI20220622BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220622BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20220622BHJP
   A61Q 7/00 20060101ALI20220622BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20220622BHJP
   A61K 131/00 20060101ALN20220622BHJP
【FI】
A61K36/185
A61P43/00 107
A61P17/14
A61Q7/00
A61K8/9789
A61K131:00
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209107
(22)【出願日】2020-12-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】507281937
【氏名又は名称】株式会社コスモビューティー
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 智也
(72)【発明者】
【氏名】西本 和宏
(72)【発明者】
【氏名】松原 まどか
(72)【発明者】
【氏名】岩渕 徳郎
【テーマコード(参考)】
4C083
4C088
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083AC102
4C083CC37
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD38
4C083EE22
4C088AB12
4C088AC04
4C088BA08
4C088BA10
4C088MA63
4C088NA14
4C088ZA92
4C088ZB22
(57)【要約】
【課題】毛乳頭細胞増殖促進剤、発毛促進因子発現亢進剤、脱毛誘導因子発現抑制剤、育毛剤、及び頭髪化粧料を提供する。
【解決手段】本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤、発毛促進因子発現亢進剤、発毛抑制因子抑制剤、脱毛誘導因子発現抑制剤、育毛剤、及び頭髪化粧料は、いずれもシーバックソーンの果実加工物を有効成分とすることを特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シーバックソーンの果実加工物を有効成分とする毛乳頭細胞増殖促進剤。
【請求項2】
シーバックソーンの果実加工物を有効成分とする、バーシカン及び線維芽細胞増殖因子-7からなる群から選択される少なくとも1種の発毛促進因子の発現亢進剤。
【請求項3】
シーバックソーンの果実加工物を有効成分とする、骨形成タンパク-4及びトランスフォーミング増殖因子-ベータ2からなる群から選択される少なくとも1種の脱毛誘導因子の発現抑制剤。
【請求項4】
シーバックソーンの果実加工物を含有する育毛剤。
【請求項5】
シーバックソーンの果実加工物を含有する頭髪化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛乳頭細胞増殖促進剤、発毛促進因子発現亢進剤、脱毛誘導因子発現抑制剤、育毛剤、及び頭髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化が進み、またストレスの多い現代社会において、男女を問わず、頭部毛髪(頭髪)の脱毛や薄毛の問題を抱える人が増えてきており、手軽に使用でき、しかも安全な育毛剤のニーズが高まっている。
【0003】
毛髪は、成長期、退行期及び休止期からなる周期的なヘアサイクル (毛周期)に従って成長と脱落を繰り返している。このヘアサイクルのうち、休止期から成長期にかけての新たな毛包が形成されるステージが発毛に最も重要であると考えられており、この毛包上皮系細胞の増殖分化に重要な役割を果たしているのが、毛乳頭細胞であると考えられている。毛乳頭細胞は、毛根近傍にある外毛根鞘細胞とマトリックス細胞とからなる毛包上皮系細胞の内側にあって、基底膜に包まれている毛根の根幹部分に位置する細胞であり、毛包上皮系細胞に作用してその増殖を促進する等、毛包上皮系細胞の増殖分化及び毛髪の形成に重要な 役割を担っている。
【0004】
このように、毛乳頭細胞は毛包上皮系細胞の増殖分化及び毛髪の形成において重要な役割を果たしており、毛乳頭細胞の増殖を促進することで、薄毛や脱毛症を予防または改善できると考えられる。従来、毛乳頭細胞増殖促進作用を有する植物抽出物として、例えば、オウギ抽出物、オウレン抽出物、カシュウ抽出物(以上、特許文献1)、クマノギク抽出物(特許文献2)、クロレラ抽出物、柚子果実抽出物、エイジツ果実抽出物、イチョウ葉抽出物(以上、特許文献3)、及びブラックジンジャー抽出物(特許文献4)等が知られている。
【0005】
ヘアサイクルのうち、休止期から成長期に移行する際、毛乳頭細胞はコンドロイチン硫酸プロテオグリカンの一種であるバーシカンを特異的に発現することが知られている(非特許文献1)。従来、このバーシカンに着目した育毛料の研究もされており、例えば、インドトチノキエキスは、バーシカンの発現を亢進する作用を有しており、その作用に基づいて発毛・育毛効果を発揮することが知られている(特許文献5)。
【0006】
線維芽細胞増殖因子(Fibroblast growth factors、FGF)は、線維芽細胞に対して細胞増殖活性を有するだけでなく、様々な細胞に対して細胞増殖・分化活性を発揮する形態形成因子、組織障害に作用する組織修復因子、生体の恒常性を維持する代謝調節因子等として重要な役割を果たす多機能性分泌因子である。このようなFGFとしては、例えば、線維芽細胞増殖因子-7(以下、「FGF-7」とも称する)が挙げられる。男性型脱毛症患者の毛乳頭細胞ではFGF-7の発現が低下していることが知られている(非特許文献1参照)。そのため、FGF-7の発現を亢進させることで脱毛症や薄毛を予防または改善できると考えられる。従来、FGF-7発現亢進作用を有する天然由来のものとして、例えばローヤルゼリー等が知られている(特許文献6)。
【0007】
骨形成タンパク(Bone Morphogenetic protein、BMP)は、骨、軟骨、腱、及び骨中に存在するその他の組織を形成させるタンパク質である。このタンパク質には特有の誘導活性があり、骨中に存在することから、骨修復過程の重要な制御因子であり、骨組織の正常な維持に関与していると示唆されている。このタンパク質のサブファミリーの一つである骨形成タンパク-4(以下「BMP-4」とも称する)は、ヘアサイクルの休止期から成長期に移行するのを阻害する作用を有することが知られている。このため、BMP-4の発現を抑制することで、ヘアサイクルの成長期を促し、脱毛症や薄毛を予防または改善できると考えられる。
【0008】
また、トランスフォーミング増殖因子ベータ(Transforming growth factor-β、TGF-β)は、毛乳頭細胞や毛母細胞の活動を抑制する因子として知られている。その発現産生が高まると、毛母細胞の分裂・増殖が抑制されて、成長期の毛髪が退行期に移行する。つまり、TGF-βの影響で、髪は十分に成長することなく退行期・休止期に入り、短く細いまま抜け落ちることが繰り返され(退行期への早期移行)、これが脱毛症や薄毛の原因となっていることが知られている。特に、TGF-β2は、細胞死をもたらす自殺酵素カスパーゼを活性化し、そのカスパーゼ(カスパーゼ3、カスパーゼ9)が毛母細胞を死(アポトーシス)に導き、これが脱毛現象をもたらすことが知られている。このため、TGF-β2を始めとするTGF-βの発現を抑制することで、ヘアサイクルの退行期への早期移行を阻止し、脱毛症や薄毛を予防または改善できると考えられる。なお、ユリアニア科植物の抽出物であるクアチャララーテエキスにカスパーゼ3及び9の活性抑制作用があることが知られている(非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9-208431号公報
【特許文献2】特開平11-12134号公報
【特許文献3】特開2006-282597号公報
【特許文献4】特開2009-51790号公報
【特許文献5】特開2007-22919号公報
【特許文献6】特開2003-192541号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】「アンチエイジングシリーズNo.1 白髪・脱毛・育毛の実際」、株式会社エヌ・ティー・エス、2005年、p.91-104
【非特許文献2】「資生堂、男性型脱毛の詳細なメカニズムを遺伝子レベルで解明~毛母細胞に死をもたらす自殺酵素“カスパーゼ”を究明~」(https://corp.shiseido.com/jp/newsimg/archive/00000000000292/292_x2t21_jp.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、毛乳頭細胞増殖促進剤、発毛促進因子発現亢進剤、脱毛誘導因子発現抑制剤、育毛剤、及び頭髪化粧料を提供することを目的とする。好ましくは天然に由来し、生体に安全な物質を有効成分とする毛乳頭細胞増殖促進剤、発毛促進因子発現亢進剤、脱毛誘導因子発現抑制剤、育毛剤、及び頭髪化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねていたところ、シーバックソーンの果実に、毛乳頭細胞増殖促進作用、バーシカン及び線維芽細胞増殖因子-7(FGF7)といった発毛促進因子の発現を亢進する作用、骨形成タンパク-4(BMP-4)及びトランスフォーミング増殖因子ベータ2(TGF-β2)といった脱毛誘導因子の発現を抑制する作用があることを見出し、当該果実加工物が育毛剤の有効成分として、また頭髪化粧料の育毛成分として有用であることを確認した。
【0013】
本発明はかかる知見に基づいて、さらに検討を重ねて本発明を完成するに至った。
本発明は下記の実施形態を有するものである。
項1.シーバックソーンの果実加工物を有効成分とする毛乳頭細胞増殖促進剤。
項2.シーバックソーンの果実加工物を有効成分とする、バーシカン及びFGF7からなる群から選択される少なくとも1種の発毛促進因子の発現亢進剤。
項3.シーバックソーンの果実加工物を有効成分とする、BMP-4及びTGF-β2からなる群から選択される少なくとも1種の脱毛誘導因子の発現抑制剤。
項4.シーバックソーンの果実加工物を含有する育毛剤。
項5.シーバックソーンの果実加工物を含有する頭髪化粧料。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、シーバックソーンの果実加工物を含有した、毛乳頭細胞増殖促進剤、バーシカン及びFGF7からなる群から選択される少なくとも1種の発毛促進因子の発現亢進剤、BMP-4及びTGF-β2からなる群から選択される少なくとも1種の脱毛誘導因子の発現抑制剤、育毛剤、並びに頭髪化粧料を提供することができる。
【0015】
本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤は、有効成分であるシーバックソーンの果実加工が有する毛乳頭細胞増殖促進作用により、毛乳頭細胞の増殖を促進することで頭髪の太毛化を促し、薄毛(特に男性の薄毛)を予防又は改善することができる。
【0016】
本発明の発毛促進因子発現亢進剤は、有効成分であるシーバックソーンの果実加工が有するバーシカン発現亢進作用及び/又はFGF7発現亢進作用により、当該発毛促進因子の発現を亢進することで、薄毛(特に女性の薄毛)や脱毛症等を予防又は改善することができる。
【0017】
本発明の脱毛誘導因子発現抑制剤は、有効成分であるシーバックソーンの果実加工が有するBMP-4発現抑制作用及び/又は及びTGF-β2発現抑制作用により、当該脱毛誘導因子の発現を抑制することで、ヘアサイクルを休止期から成長期に促したり、退行期への早期移行を食い止めることで、薄毛や壮年性脱毛症等を予防又は改善することができる。
【0018】
本発明の育毛剤は、有効成分であるシーバックソーンの果実加工が有する毛乳頭細胞増殖促進作用、バーシカン及びFGF7からなる群から選択される少なくとも1種の発毛促進因子の発現亢進作用、BMP-4及びTGF-β2からなる群から選択される少なくとも1種の脱毛誘導因子の発現抑制作用により、育毛や養毛を促進し、薄毛や脱毛症を予防又は改善することができる。
【0019】
本発明の頭髪化粧料は、育毛成分として含有するシーバックソーンの果実加工が有する毛乳頭細胞増殖促進作用、バーシカン及びFGF7からなる群から選択される少なくとも1種の発毛促進因子の発現亢進作用、BMP-4及びTGF-β2からなる群から選択される少なくとも1種の脱毛誘導因子の発現抑制作用により、育毛や養毛を促進し、薄毛や脱毛症を予防又は改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】シーバックソーン(SBT)の果実エキス(SBT果実エキス)がヒト毛乳頭細胞の増殖に与える影響を調べた結果を示す(実験例1)。図中、NCはネガティブコントロール(陰性対照)の略称であり、ヒト毛乳頭細胞を、SBT果実エキスを含まない基礎培地(DMEM)で培養した結果を示す。PCはポジティブコントロール(陽性対照)の略称であり、ヒト毛乳頭細胞を、SBT果実エキスを含まない10%FBS含有DMEM培地(栄養培地)で培養した結果を示す。横軸の数値は、ヒト毛乳頭細胞を、SBT果実エキスを含む基礎培地(DMEM)で培養した被験例のSBT果実エキス濃度を示す。縦軸は、ヒト毛乳頭細胞の増殖率(%)を示し、NCの結果を100%とした相対比で示す。
図2】シーバックソーン(SBT)の果実抽出物がヒト毛乳頭細胞(n=4)におけるバーシカンの発現に与える影響を調べた結果を示す(実験例2)。横軸は培地中のSBT抽出物の濃度を示す。縦軸はバーシカンの発現量を、培地のSBT抽出物濃度が0ppmのときの発現量を100%とした相対比(相対発現量(%))で示す。
図3】シーバックソーン(SBT)の果実抽出物がヒト毛乳頭細胞(n=4)におけるFGF7の発現に与える影響を調べた結果を示す(実験例3)。横軸は培地中のSBT抽出物の濃度を示す。縦軸はFGF7の発現量を、培地のSBT抽出物濃度が0ppmのときの発現量を100%とした相対比(相対発現量(%))で示す。
図4】シーバックソーン(SBT)の果実抽出物がヒト毛乳頭細胞(n=4)におけるBMP4の発現に与える影響を調べた結果を示す(実験例4)。横軸は培地中のSBT抽出物の濃度を示す。縦軸はBMP4の発現量を、培地のSBT抽出物濃度が0ppmのときの発現量を100%とした相対比(相対発現量(%))で示す。なお、図中、*はT-testでp<0.05であったことを示す。
図5】シーバックソーン(SBT)の果実抽出物がヒト毛乳頭細胞(n=4)におけるTGF-β2の発現に与える影響を調べた結果を示す(実験例5)。横軸は培地中のSBT抽出物の濃度を示す。縦軸はTGF-β2の発現量を、培地のSBT抽出物濃度が0ppmのときの発現量を100%とした相対比(相対発現量(%))で示す。なお、図中、*はT-testでp<0.01であったことを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(1)シーバックソーンの果実加工物
シーバックソーン(Sea buckthorn)は、サジー(沙棘)又はシーベリー(Sea berry)とも称されるグミ科の植物(学名:Hippophae rhamnoides)である。その果実部は、従来から、栄養価が高い果物として食されている。また果実やその中に含まれている種子から採られるオイル(シーバックソーンオイル:果実油、種子油、コンプリート油)には、抗炎症作用、抗菌作用、日焼け止め作用、抗酸化作用、血圧降下作用、血中コレステロール低下作用、血栓除去作用、免疫刺激作用、エモリエント作用、瘢痕形成作用などの効果効能が知られている。さらに果皮にも、フラボノイド、カロテノイド、植物ステロール及びアミノ酸等の活性物質が多量に含まれており、その栄養価の高さが注目されている。
【0022】
本発明が対象とするシーバックソーンの果実(以下、単に「SBT果実」とも称する)は、可食部である果肉を含むものであればよく、その限りにおいて、果皮を含むものであっても、また果実内に含まれる種子を含むものであってもよい。好ましくは果肉と果皮を含むものである。
SBT果実の加工物は、前記SBT果実の加工物であればよく、例えばSBT果実から採取したエキスやオイルを挙げることができる。SBT果実のエキスには、SBT果実の絞汁及びその濃縮又は乾燥物;並びにSBT果実の溶媒抽出液及びその濃縮又は乾燥物が含まれる。またSBT果実のオイルには、SBT果実を低温圧搾して採取したオイル(果実油、コンプリート油)が含まれる。好ましくはSBT果実のエキスであり、当該エキスにはより好適なものとしてSBT果実の溶媒抽出エキスが含まれる。
【0023】
SBT溶媒抽出エキスは、SBT果実を乾燥した後、そのまま又は粗砕若しくは粉砕し、溶媒を用いて抽出することにより得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、予めへキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
【0024】
抽出溶媒は、制限されないものの、極性溶媒が好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて、室温又は溶媒の沸点以下の温度で使用することが好ましい。
【0025】
抽出溶媒として使用し得る水は、可食性の水であればよく、例えば純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉 水、湧水、淡水等が挙げられ、またこれらの水に各種処理(例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等)を施したものも含まれる。抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1~5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1, 3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2~5の多価アルコール等が挙げられる。好ましくはエタノール等の低級脂肪族アルコールである。2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して低級脂肪族アルコール1~90質量部、特に5~20質量部を混合することが好ましく、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水 10質量部に 対して低級脂肪族ケトン1~40質量部を混合することが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して多価アルコール10~90質量部を混合することが好ましい。好ましくは水とエタノール等の低級脂肪族アルコールとの混合液である。
【0026】
抽出処理は、本発明の効果を発揮するSBT果実抽出エキスが得られる限り、特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5~15倍量 (質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温又は還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液から溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られ、この濃縮物をさらに乾燥すると乾燥物が得られる。なお、必要に応じて、斯くして得られるSBT果実抽出液、当該抽出液の濃縮又は乾燥物に対してさらに精製処理を施すこともできる。
【0027】
斯くして調製されるSBT果実加工物は、毛乳頭細胞増殖促進作用を有することから、毛乳頭細胞増殖促進剤の有効成分として使用することができる。またSBT果実加工物は、バーシカン発現亢進作用及び/又はFGF7発現亢進作用を有することから、バーシカンやFGF7といった発毛促進因子の発現亢進剤の有効成分として使用することができる。またSBT果実加工物は、BMP-4発現抑制作用及び/又は及びTGF-β2発現抑制作用を有することから、BMP-4やTGF-β2といった脱毛誘導因子の発現抑制剤の有効成分として使用することができる。さらにSBT果実加工物は、前述する各種の作用を有することから、育毛剤の有効成分として、また頭髪化粧料の育毛成分として使用することができる。
【0028】
(2)毛乳頭細胞増殖促進剤、発毛促進因子発現促進剤、脱毛誘導因子発現抑制剤、育毛剤
本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤、発毛促進因子発現促進剤、脱毛誘導因子発現抑制剤、及び育毛剤は、前述するSBT果実加工物を有効成分として含有することを特徴とする。
これらの製剤は、SBT果実加工物のみからなるものであってもよいし、SBT果実加工物を他の成分を配合して所望の形態に製剤化したものであってもよい。製剤化は、制限されないものの、具体的には、SBT果実加工物に加えて、生体に安全な、例えば薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、液状、乳液状、クリーム状、フォーム状、ゼリー状等の任意の剤形に調製することができる。
【0029】
本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤は、SBT果実加工物が有する毛乳頭細胞増殖促進作用を通じて、毛乳頭細胞の増殖を活性化し、より大きな毛球部の形成を促して、毛髪の形成 (特に太毛化)を促進することができる。本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤のSBT果実加工物の配合量は、毛乳頭細胞増殖促進作用を発揮する有効量であればよく、100質量%を限度として適宜設定することができる。なお、SBT果実加工物やそれを含有する毛乳頭細胞増殖促進剤が有する毛乳頭細胞増殖促進作用は、後述する実験例1に記載するように、ヒト毛乳頭細胞を用いた細胞培養法により評価測定することができる。本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤によれば、ヘアサイクルにおいて、成長期から退行期及び休止期へと移行するのを抑止して、成長期を延長させることが期待される。このため、本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤によれば、毛髪の伸長や太毛化(育毛)を促すことで薄毛(特に男性の薄毛)や脱毛症を予防したり改善することができる。本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤が好適に対象とする薄毛や脱毛症は、制限されないが、例えば、男性型脱毛症、女性型脱毛症等が挙げられる。
【0030】
本発明の発毛促進因子発現促進剤は、SBT果実加工物が有するバーシカン発現亢進作用を通じてヘアサイクルの休止期から成長期への移行を促進したり、及び/又は、SBT果実加工物が有するFGF7発現亢進作用を通じて、毛乳頭細胞におけるFGF7の発現や産生を促進し、薄毛や脱毛症等を予防したり改善することができる。本発明の発毛促進因子発現促進剤のSBT果実加工物の配合量は、バーシカン発現亢進作用進作用及び/又はFGF7発現亢進作用を発揮する有効量であればよく、100質量%を限度として適宜設定することができる。なお、SBT果実加工物やそれを含有する発毛促進因子発現促進剤が有するバーシカン発現亢進作用やFGF7の発現亢進作用は、後述する実験例2に記載するように、ヒト毛乳頭細胞におけるバーシカンやFGF7の発現量を測定することで評価することができる。本発明の発毛促進因子発現促進剤が好適に対象とする薄毛や脱毛症は、制限されないが、例えば、男性型脱毛症、女性型脱毛症等が挙げられる。
【0031】
本発明の脱毛誘導因子発現抑制剤は、SBT果実加工物が有するBMP-4発現抑制作用を通じてヘアサイクルの休止期から成長期への移行を促進したり、及び/又は、SBT果実加工物が有するTGF-β2発現抑制作用を通じてヘアサイクルの退行期への早期移行を阻止することで、薄毛や脱毛症等を予防したり改善することができる。本発明の脱毛誘導因子発現抑制剤のSBT果実加工物の配合量は、BMP-4発現抑制作用及び/又はTGF-β2発現抑制作用を発揮する有効量であればよく、100質量%を限度として適宜設定することができる。なお、SBT果実加工物やそれを含有する脱毛誘導因子発現抑制剤が有するBMP-4発現抑制作用や、TGF-β2発現抑制作用は、後述する実験例3に記載するように、ヒト毛乳頭細胞におけるBMP-4やTGF-β2の発現量を測定することで評価することができる本発明の脱毛誘導因子発現抑制剤が好適に対象とする薄毛や脱毛症は、制限されないが、例えば、男性型脱毛症、女性型脱毛症等が挙げられる。
【0032】
本発明の育毛剤は、SBT果実加工物が有する毛乳頭細胞増殖促進作用を通じて、育毛や養毛を促進し、薄毛や脱毛症を予防又は改善することができる。また、本発明の育毛剤 は、SBT果実加工物が有するバーシカン発現亢進作用、FGF7発現亢進作用、BMP-4発現抑制作用、及び/又は、TGF-β2発現抑制作用を通じて、ヘアサイクルを制御し、薄毛や脱毛症を予防又は改善することができる。本発明の育毛剤のSBT果実加工物の配合量は、前記の作用を1または2以上発揮する有効量であればよく、100質量%を限度として適宜設定することができる。
【0033】
(3)頭髪化粧料
本発明の頭髪化粧料は、SBT果実加工物を育毛成分として含有するものである。
SBT果実加工物は、前述するように、毛乳頭細胞増殖促進作用、バーシカン発現亢進作用、FGF7発現亢進作用、BMP-4発現抑制作用、及び/又は、TGF-β2発現抑制作用を有しており、育毛成分として、頭髪化粧料に配合するのに好適である。
本発明の頭髪化粧料は、本発明の効果を奏することを限度として、その製造に際して、頭髪化粧料の原料としてSBT果実加工物をそのまま配合してもよいし、SBT果実加工物を製剤化して毛乳頭細胞増殖促進剤、バーシカン発現亢進剤、FGF7発現亢進剤、BMP-4発現抑制剤、TGF-β2発現抑制剤、及び/又は育毛剤として調製したものを配合してもよい。頭髪化粧料におけるSBT果実加工物やこうした各種製剤の配合割合は、前記の作用を1または2以上発揮する有効量であればよく、その使用目的、性別、年齢等を考慮して適宜調整することができる。好適な配合割合は、SBT果実加工物(好ましくはSBT果実抽出物)の量として約 0.001~10質量%の範囲から適宜設定することができる。
【0034】
本発明の頭髪化粧料の形態は特に限定されるものではなく、例えば、その具体例として は、ヒトの頭髪化粧料として通常使用される形態のもの、例えばヘアローション、ヘアトニック、ヘアクリーム、ヘアリキッド、シャンプー、リンス、ポマード等が挙げられる。
【0035】
本発明の頭髪化粧料は、SBT果実加工物とともに、用途に応じた任意の生理活性物質や助剤、例えば収斂剤、殺菌剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎剤、抗アレルギー剤、抗酸化剤、活性酸素消去剤等を併用することができる。
以上、本明細書において、「含む」及び「含有する」の用語には、「からなる」及び「から実質的になる」という意味が含まれる。
【実施例0036】
以下、本発明の構成及び効果について、その理解を助けるために、実験例を用いて本発明を説明する。但し、本発明はこれらの実験例によって何ら制限を受けるものではない。以下の実験は、特に言及しない限り、室温(25±5℃)、及び大気圧条件下で実施した。なお、特に言及しない限り、以下に記載する「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を意味する。
【0037】
製造例 シーバックソーン果実加工物の調製方法
シーバックソーン(Hippophae rhamnoides)の果実(果皮を含む生の全果実を細断したもの)10gを入れた容器に、50容量%のエタノール水溶液を、約100mLを加える。暗所室温条件下で7日間浸漬、熟成した後、固形分を濾過して除去し抽出液を採取する。この工程で生じるオリや沈殿を濾過した。斯くして調製した抽出液を、そのまま、以下の実験例に使用した。
【0038】
実験例1 毛乳頭細胞の増殖促進作用の評価
製造例で調製したシーバックソーン果実抽出物(以下、「SBT果実エキス」と称する)について、正常ヒト毛乳頭細胞を用いて、毛乳頭細胞増殖促進作用を評価した。
【0039】
(1)実験方法
(a)使用培地
基礎培地:牛胎児血清(FBS)を含まないDMEM培地(Life Technologies社製)
栄養培地:10%FBS含有DMEM培地(Life Technologies社製)
いずれの培地にも、抗生物質(Penicillin 100 units/ml、Streptomycin 100μg/ml、Amphotericin B 250ng/ml)を配合した。
(b)細胞培養
正常ヒト毛乳頭細胞を、栄養培地を入れた96wellプレートに、7000 cells/wellの割合になるように播種し、1日培養した後、栄養培地を、各種濃度のSBT果実エキス(乾燥残分として16.3ppm、81.5ppm)含有基礎培地(被験例)、SBT果実エキスを含まない基礎培地(Negative control:NC)(陰性対照)、またはSBT果実エキスを含まない栄養培地(Positive control:PC)(陽性対照)に交換し、それぞれ4日間培養した。培養は全て37℃-5%CO2条件下で行った。各系列ともn=8で実験を行った。
インジケーター色素としてalamarBlue(登録商標)試薬(コスモバイオ製)を用いて、製品説明に従って、細胞増殖を測定した。具体的には、4日間培養した後、alamarBlue(登録商標)試薬を各ウエルに添加し、37℃、5%CO2条件下でインキュベートし、細胞の代謝活性によりレサズリンをレゾルフィンに変換させて、その蛍光強度(Ex 550 nm / Em 590 nm)を測定した。陰性対照の測定値を100%として、各被験例及び陽性対照の細胞増殖率(%)を算出した。
【0040】
(2)実験結果
結果を図1に示す。図1に示すように、SBT果実エキスには、ヒト毛乳頭細胞の増殖を促進し亢進させる作用があることが確認された。
【0041】
実験例2 毛乳頭細胞における発毛促進因子発現亢進作用の評価
製造例で調製したSBT果実エキスについて、正常ヒト毛乳頭細胞を用いて、発毛促進因子であるバーシカン及びFGF7の遺伝子発現亢進作用を評価した。
【0042】
(1)実験方法
毛乳頭細胞を、栄養培地を入れた24wellプレートに、30000cells/wellの割合になるように播種し、37℃、5%CO2条件下で1日培養した後、栄養培地を、乾燥残分として15ppmのSBT果実エキスを含有する基礎培地に交換し、それぞれ37℃、5%CO2条件下で4時間培養した。培養した後に毛乳頭細胞を回収し、毛乳頭細胞におけるバーシカン、及びFGF7の遺伝子発現量を解析した。具体的には、回収した毛乳頭細胞から、ISOGEN II(日本ジーン社)を用いて、製品説明書に従って、mRNAを抽出し、その後、SuperScript III(Thermo Fisher Scientific社)を用いてcDNAに逆転写し、リアルタイムPCRを実施して、毛乳頭細胞におけるバーシカン、及びFGF7の発現量を測定した。なお、各実験において、SBT果実エキスを添加しないで培養した毛乳頭細胞(陰性対照例:SBT濃度 0ppm)についても、バーシカン、及びFGF7の発現量を測定し、当該対照例の発現量に対する相対比として、SBT果実エキスの効果(遺伝子発現亢進作用)を評価した。
【0043】
(2)実験結果
バーシカンの発現亢進作用を評価した結果を図2に、FGF7の発現亢進作用を評価した結果を図3に、それぞれ示す。図2及び3に示すように、SBT果実エキスには、バーシカン及びFGF7の発現を促進し亢進させる作用があることが確認された。
【0044】
実験例3 毛乳頭細胞における発毛抑制因子発現抑制作用の評価
製造例で調製したSBT果実エキスについて、正常ヒト毛乳頭細胞を用いて、発毛抑制因子であるBMP-4の遺伝子発現亢進作用を評価した。
【0045】
(1)実験方法
毛乳頭細胞を、栄養培地を入れた24wellプレートに、30000 cells/wellの割合になるように播種し、37℃、5%CO2条件下で1日培養した後、栄養培地を、乾燥残分として15ppmのSBT果実エキスを含有する基礎培地に交換し、それぞれ37℃、5%CO2条件下で4時間培養した。培養した後に毛乳頭細胞を回収し、毛乳頭細胞におけるBMP-4の遺伝子発現量を解析した。具体的には、回収した毛乳頭細胞から、ISOGEN II(日本ジーン社)を用いて、製品説明書に従って、mRNAを抽出し、その後、SuperScript III(Thermo Fisher Scientific社)を用いてcDNAに逆転写し、リアルタイムPCRを実施して、毛乳頭細胞におけるBMP-4の発現量を測定した。なお、SBT果実エキスを添加しないで培養した毛乳頭細胞(対照例:SBT濃度 0ppm)についても、BMP-4の発現量を測定し、当該対照例の発現量に対する相対比として、SBT果実エキスの効果(遺伝子発現抑制作用)を評価した。
【0046】
(2)実験結果
BMP-4の発現抑制作用を評価した結果を図4に示す。図4に示すように、SBT果実エキスには、BMP-4の発現を抑制する作用があることが確認された。
【0047】
実験例4 毛乳頭細胞における脱毛誘導因子発現抑制作用の評価
製造例で調製したSBT果実エキスについて、正常ヒト毛乳頭細胞を用いて、脱毛誘導因子であるTGF-β2の遺伝子発現亢進作用を評価した。
【0048】
(1)実験方法
毛乳頭細胞を、栄養培地を入れた24wellプレートに、30000 cells/wellの割合になるように播種し、37℃、5%CO2条件下で1日培養した後、栄養培地を、乾燥残分として15ppmのSBT果実エキスを含有する基礎培地に交換し、それぞれ37℃、5%CO2条件下で4時間培養した。培養した後に毛乳頭細胞を回収し、毛乳頭細胞におけるTGF-β2の遺伝子発現量を解析した。具体的には、回収した毛乳頭細胞から、ISOGEN II(日本ジーン社)を用いて、製品説明書に従って、mRNAを抽出し、その後、SuperScript III(Thermo Fisher Scientific社)を用いてcDNAに逆転写し、リアルタイムPCRを実施して、毛乳頭細胞におけるTGF-β2の発現量を測定した。なお、SBT果実エキスを添加しないで培養した毛乳頭細胞(対照例:SBT濃度0ppm)についても、TGF-β2の発現量を測定し、対照例の発現量に対する相対比として、SBT果実エキスの効果(遺伝子発現抑制作用)を評価した。
【0049】
(2)実験結果
TGF-β2の発現抑制作用を評価した結果を図5に示す。図5に示すように、SBT果実エキスには、TGF-β2の発現を抑制する作用があることが確認された。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シーバックソーンの果実の極性溶媒抽出エキスを有効成分とする毛乳頭細胞増殖促進剤(但し、ツルドクダミ根抽出物、当帰根抽出物、側柏葉抽出物、沙棘抽出物、薬用人参抽出物、ベニバナ抽出物、生姜根抽出物、トウガラシ抽出物、茶エキス、沈香抽出物、歯葉スイレン根抽出物、及び川党参根抽出物を含む栄養エッセンスを除く)
【請求項2】
シーバックソーンの果実の極性溶媒抽出エキスを有効成分とする、バーシカン及び線維芽細胞増殖因子-7からなる群から選択される少なくとも1種の発毛促進因子の発現亢進剤(但し、ツルドクダミ根抽出物、当帰根抽出物、側柏葉抽出物、沙棘抽出物、薬用人参抽出物、ベニバナ抽出物、生姜根抽出物、トウガラシ抽出物、茶エキス、沈香抽出物、歯葉スイレン根抽出物、及び川党参根抽出物を含む栄養エッセンスを除く)
【請求項3】
シーバックソーンの果実の極性溶媒抽出エキスを含有する太毛化促進用育毛剤(但し、ツルドクダミ根抽出物、当帰根抽出物、側柏葉抽出物、沙棘抽出物、薬用人参抽出物、ベニバナ抽出物、生姜根抽出物、トウガラシ抽出物、茶エキス、沈香抽出物、歯葉スイレン根抽出物、及び川党参根抽出物を含む栄養エッセンスを除く)
【請求項4】
シーバックソーンの果実の極性溶媒抽出エキスを含有する太毛化促進用頭髪化粧料(但し、ツルドクダミ根抽出物、当帰根抽出物、側柏葉抽出物、沙棘抽出物、薬用人参抽出物、ベニバナ抽出物、生姜根抽出物、トウガラシ抽出物、茶エキス、沈香抽出物、歯葉スイレン根抽出物、及び川党参根抽出物を含む栄養エッセンスを除く)