(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096196
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】電気厨房機器の運転制御装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20220622BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220622BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209162
(22)【出願日】2020-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】中山 功
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA24
5L049CC24
(57)【要約】
【課題】一定時間内の料理提供を可能としつつ、省エネルギー運転が可能な電気厨房機器の運転制御装置を提供すること。
【解決手段】
現在の環境を示す環境情報を取得する環境情報取得部(32)と、来店者の属性情報と前記取得した環境情報を入力として、推定される電気厨房機器の運転状態を出力する第1の稼働推定部(33)と、前記第1の稼働推定部(33)の前記出力に応じて、電気厨房機器の運転を制御する第1の運転制御信号を送信する信号送信部(37)とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在の環境を示す環境情報を取得する環境情報取得部と、
来店者の属性情報と前記取得した環境情報とを入力として、推定される電気厨房機器の運転状態を出力する第1の稼働推定部と、
前記第1の稼働推定部の前記出力に応じて、電気厨房機器の運転を制御する第1の運転制御信号を送信する信号送信部とを備えた、
電気厨房機器の運転制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電気厨房機器の運転制御装置において、
前記第1の稼働推定部は、前記来店者の属性情報と前記環境情報を入力として、注文されることが推定されるメニューを出力するメニュー推定部と、前記メニュー推定部から出力されたメニューが前記電気厨房機器の使用を必要とする場合に、電気厨房機器の運転状態としてONと判定されることを出力するON判定出力部とを有し、
前記信号送信部は、前記第1の運転制御信号として、前記電気厨房機器の運転状態のONを指示する信号を送信する、
電気厨房機器の運転制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電気厨房機器の運転制御装置において、
前記来店者の属性情報は、来店者の年齢層、来店者の性別、来店者の人数を含む、
電気厨房機器の運転制御装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の電気厨房機器の運転制御装置において、
前記環境情報は、現在の日時、現在の外気温、現在の天気の情報を含む、
電気厨房機器の運転制御装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の電気厨房機器の運転制御装置において、
現在店内に滞在している来店者の属性情報である滞在者属性情報と、前記環境情報取得部において取得した前記環境情報とを入力として、推定される電気厨房機器の運転状態を出力する第2の稼働推定部とをさらに備え、
前記信号送信部は、前記第2の稼働推定部の前記出力に応じて、電気厨房機器に対して運転を制御する第2の運転制御信号を送信する、
電気厨房機器の運転制御装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の電気厨房機器の運転制御装置において、
来店者の撮影画像を取得する撮影画像取得部と、
前記来店者の撮影画像を入力として、推定される前記来店者の属性情報を出力とする属性情報推定部とをさらに備え、
前記第1の稼働推定部は、前記属性情報推定部で推定した来店者の属性情報を入力として用いる、
電気厨房機器の運転制御装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の電気厨房機器の運転制御装置と、
前記電気厨房機器の運転制御装置から送信される電源制御信号に応じて電源を制御する電源制御部を有する電気厨房機器とを備えた、
電気厨房機器の運転制御システム。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか1項に記載の電気厨房機器の運転制御装置と、
来店者の撮影画像を取得する撮影画像取得部と、前記来店者の撮影画像を入力として、推定される前記来店者の属性情報を出力とする属性情報推定部とを有するカメラと、
前記電気厨房機器の運転制御装置から送信される電源制御信号に応じて電源を制御する電源制御部を有する電気厨房機器とを備え、
電気厨房機器の運転制御装置における前記第1の稼働推定部は、前記属性情報推定部で推定した来店者の属性情報を入力として用いる、
電気厨房機器の運転制御システム。
【請求項9】
現在の環境を示す環境情報を取得する環境情報取得ステップと、
来店者の属性情報と前記取得した環境情報を入力として、推定される電気厨房機器の運転状態を出力する第1の稼働推定ステップと、
前記第1の稼働推定ステップの前記出力に応じて、電気厨房機器の運転を制御する第1の運転制御信号を送信する第1の信号送信ステップとを含む
電気厨房機器の運転制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の電気厨房機器の運転制御方法において、
現在店内に滞在している来店者の属性情報である滞在者属性情報と、前記環境情報取得ステップにおいて取得した前記環境情報とを入力として、推定される電気厨房機器の運転状態を出力する第2の稼働推定ステップと、
前記第2の稼働推定ステップにおける前記出力に応じて、電気厨房機器に対して運転を制御する第2の運転制御信号を送信する第2の信号送信ステップとを含む、
電気厨房機器の運転制御方法。
【請求項11】
コンピュータに、
現在の環境を示す環境情報を取得する環境情報取得機能と、
来店者の属性情報と前記取得した環境情報を入力として、推定される電気厨房機器の運転状態を出力する第1の稼働推定機能と、
前記第1の稼働推定機能における前記出力に応じて、電気厨房機器の運転を制御する第1の運転制御信号を送信する信号送信機能とを実現させるための、
電気厨房機器の運転制御プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の電気厨房機器の運転制御プログラムにおいて、
コンピュータに、
現在店内に滞在している来店者の属性情報である滞在者属性情報と、前記環境情報取得機能によって取得した前記環境情報とを入力として、推定される電気厨房機器の運転状態を出力する第2の稼働推定機能と、
前記第2の稼働推定機能における前記出力に応じて、電気厨房機器に対して運転を制御する第2の運転制御信号を送信する第2の信号送信機能とを実現させるための、
電気厨房機器の運転制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気厨房機器の運転制御装置に関し、例えば、外食産業に普及している電気厨房機器の運転制御をすることができる電源制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、外食産業においては、ガスを燃料として用いる厨房機器の代わりに、電気を用いる厨房機器(以下、「電気厨房機器」という)が普及している。一般的な電気厨房機器の特長としては、油飛びなどが少ないため厨房環境が清潔に保たれること、制御が極めて正確なため調理者スキルに依存せずに均一な品質が維持できること、排熱が少ないため厨房内労働環境の向上が図れること、熱ロスが少ないため省エネ性が高いことなどが挙げられる。
【0003】
例えば、特許文献1には、湯槽内のお湯を沸騰による回転流を利用して麺を攪拌しながらゆでることができる麺ゆで釜を電気厨房機器で実現することが記載されている。この麺ゆで釜によれば、高品位の食材を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ファミリーレストランなどの外食産業においては、お客様の注文に対し短時間に、出来上がりにばらつきがない状態で料理を提供する必要がある。これらに対応するため、例えば、一部加工済みの食材を投入するだけで、庫内温度制御や調理時間などを自動的に制御し、短い調理時間でばらつきが小さな調理が可能な電気式オーブン厨房機器なども知られている。
【0006】
また、調理器の発熱などで労働環境が過酷になりがちな厨房内における調理作業者の要員確保などにおいても、調理環境において発生する熱量がガスに比して小さい電気厨房機器のメリットが注目されている。
【0007】
ところで、例えばオーブンなどの電気厨房機器で調理する場合は、オーブン庫内が目標温度まで暖められている必要があるが、オーブンをひとたび停止等してしまうと、再度目標温度にするためにはかなりの時間を要することがある。したがって、電気厨房機器は、調理中の温度制御が得意である反面、立ち上げ時間がガスオーブンに比べて長くなる傾向がある。
【0008】
しかしながら、お客さまはいつ来店されるかあらかじめ分からず、突然の来店に対しても一定時間内の料理提供が必要である。したがって、電気厨房では、運転に大きなエネルギーを必要とするオーブンなどの厨房機器を営業時間内で起動したままにする必要があり、結果として大きなエネルギーの無駄が発生してしまうという問題がある。
【0009】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、一定時間内の料理提供を可能としつつ、省エネルギー運転が可能な電気厨房機器の運転制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の代表的な実施形態に係る電気厨房機器の運転制御装置は、現在の環境を示す環境情報を取得する環境情報取得部と、来店者の属性情報と前記取得した環境情報とを入力として、推定される電気厨房機器の運転状態を出力する第1の稼働推定部と、前記第1の稼働推定部の前記出力に応じて、電気厨房機器の運転を制御する第1の運転制御信号を送信する信号送信部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る電気厨房機器の運転制御装置によれば、一定時間内の料理提供を可能としつつ、省エネルギー運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係る電気厨房機器の運転制御システムが設置されたレストランと環境情報を提供する複数のサーバ類との接続構成例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る電気厨房機器の運転制御装置の機能ブロック構成例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る電気厨房機器の運転制御装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】メニューごとの電気厨房機器の運転状態を格納したテーブル構成例を示す図である。
【
図5】電気厨房機器の運転制御システムに用いられる電気厨房の機能ブロック構成例を示す図である。
【
図6】電気厨房機器の運転制御装置において第1の処理を示すフローチャートである。
【
図7】電気厨房機器の運転制御装置において第2の処理を示すフローチャートである。
【
図8】本実施形態に係る電気厨房機器の運転制御システムによって省エネ運転ができることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.実施形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
【0014】
〔1〕本発明の代表的な実施形態に係る電気厨房機器の運転制御装置(30)は、現在の環境を示す環境情報を取得する環境情報取得部(32)と、来店者(15)の属性と前記取得した環境情報を入力として、推定される電気厨房機器の運転状態を出力する第1の稼働推定部(33)と、前記第1の稼働推定部(33)の前記出力に応じて、電気厨房機器の運転を制御する第1の運転制御信号を送信する信号送信部(37)とを備えたことを特徴とする。
【0015】
〔2〕上記〔1〕に記載の電気厨房機器の運転制御装置において、前記第1の稼働推定部は、前記来店者の属性情報と前記環境情報を入力として、注文されることが推定されるメニューを出力するメニュー推定部と、前記メニュー推定部から出力されたメニューが前記電気厨房機器の使用を必要とする場合に、電気厨房機器の運転状態としてONと判定されることを出力するON判定出力部とを有し、前記信号送信部は、前記第1の運転制御信号として、前記電気厨房機器の運転状態のONを指示する信号を送信することとしてもよい。
【0016】
〔3〕上記〔1〕または〔2〕に記載の電気厨房機器の運転制御装置において、前記来店者の属性情報は、来店者の年齢層、来店者の性別、来店者の人数を含むこととしてもよい。
【0017】
〔4〕上記〔1〕から〔3〕のいずれか1つに記載の電気厨房機器の運転制御装置において、前記環境情報は、現在の日時、現在の外気温、現在の天気の情報を含むこととしてもよい。
【0018】
〔5〕上記〔1〕から〔4〕のいずれか1つに記載の電気厨房機器の運転制御装置において、現在店内に滞在している来店者の属性情報である滞在者属性情報と、前記環境情報取得部において取得した前記環境情報とを入力として、推定される電気厨房機器の運転状態を出力する第2の稼働推定部とをさらに備え、前記信号送信部は、前記第2の稼働推定部の前記出力に応じて、電気厨房機器に対して運転を制御する第2の運転制御信号を送信することとしてもよい。
【0019】
〔6〕上記〔1〕から〔5〕のいずれか1つに記載の電気厨房機器の運転制御装置において、来店者の撮影画像を取得する撮影画像取得部と、前記来店者の撮影画像を入力として、推定される前記来店者の属性情報を出力とする属性情報推定部とをさらに備え、前記第1の稼働推定部は、前記属性情報推定部で推定した来店者の属性情報を入力として用いてもよい。
【0020】
〔7〕本発明の代表的な実施形態に係る電気厨房機器の運転制御システムは、上記〔1〕から〔6〕のいずれか1つに記載の電気厨房機器の運転制御装置と、前記電気厨房機器の運転制御装置から送信される電源制御信号に応じて電源を制御する電源制御部を有する電気厨房機器とを備えたことを特徴とする。
【0021】
〔8〕本発明の代表的な実施形態に係る電気厨房機器の運転制御システムは、上記〔1〕から〔5〕のいずれか1つに記載の電気厨房機器の運転制御装置と、来店者の撮影画像を取得する撮影画像取得部と、前記来店者の撮影画像を入力として、推定される前記来店者の属性情報を出力とする属性情報推定部とを有するカメラと、前記電気厨房機器の運転制御装置から送信される電源制御信号に応じて電源を制御する電源制御部を有する電気厨房機器とを備え、電気厨房機器の運転制御装置における前記第1の稼働推定部は、前記属性情報推定部で推定した来店者の属性情報を入力として用いることを特徴とする。
【0022】
〔9〕本発明の代表的な実施形態に係る電気厨房機器の運転制御方法は、現在の環境を示す環境情報を取得する環境情報取得ステップと、来店者の属性情報と前記取得した環境情報を入力として、推定される電気厨房機器の運転状態を出力する第1の稼働推定ステップと、前記第1の稼働推定ステップの前記出力に応じて、電気厨房機器の運転を制御する第1の運転制御信号を送信する第1の信号送信ステップとを含むことを特徴とする。
【0023】
〔10〕上記〔9〕に記載の電気厨房機器の運転制御方法において、現在店内に滞在している来店者の属性情報である滞在者属性情報と、前記環境情報取得ステップにおいて取得した前記環境情報とを入力として、推定される電気厨房機器の運転状態を出力する第2の稼働推定ステップと、前記第2の稼働推定ステップにおける前記出力に応じて、電気厨房機器に対して運転を制御する第2の運転制御信号を送信する第2の信号送信ステップとを含むこととしてもよい。
【0024】
〔11〕本発明の代表的な実施形態に係る電気厨房機器の運転制御プログラムは、コンピュータに、現在の環境を示す環境情報を取得する環境情報取得機能と、来店者の属性情報と前記取得した環境情報を入力として、推定される電気厨房機器の運転状態を出力する第1の稼働推定機能と、前記第1の稼働推定機能における前記出力に応じて、電気厨房機器の運転を制御する第1の運転制御信号を送信する信号送信機能とを実現させることを特徴とする。
【0025】
〔12〕上記〔11〕に記載の電気厨房機器の運転制御プログラムにおいて、コンピュータに、現在店内に滞在している来店者の属性情報である滞在者属性情報と、前記環境情報取得機能によって取得した前記環境情報とを入力として、推定される電気厨房機器の運転状態を出力する第2の稼働推定機能と、前記第2の稼働推定機能における前記出力に応じて、電気厨房機器に対して運転を制御する第2の運転制御信号を送信する第2の信号送信機能とを実現させることとしてもよい。
【0026】
2.実施形態の具体例
以下、本発明の実施形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0027】
図1は、本実施形態に係る電気厨房機器の運転制御システムが設置されたレストランと環境情報を提供する複数のサーバ類との接続構成例を示す図である。
【0028】
図1に示す接続構成では、レストラン1内に設置された電気厨房機器の運転制御システムと環境情報を提供する複数のサーバ類2a、2b、2c、2d、2e(以下、「複数のサーバ類2a、2b、2c、2d、2e」の個々を識別する必要のないときは「サーバ類2」ともいう)とがネットワーク3を介して通信可能に接続されている。ネットワーク3は、例えばインターネットに代表される広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)である。
【0029】
レストラン1内には、電気厨房機器の運転制御システムが設置されている。電気厨房機器の運転制御システムは、エントランス11に設置された運転制御システム14と、厨房12に設置された電気厨房機器としての電気オーブン16、電気フライヤー17、電気ゆで釜18と、運転制御システム14および電気厨房機器としての電気オーブン16、電気フライヤー17、電気ゆで釜18を通信可能に接続する無線LAN(Local Area Network)基地局13とを含んで構成されている。
【0030】
複数のサーバ類2a、2b、2c、2d、2eは、運転制御システム14における推定に用いられる環境情報を提供するサーバ類である。サーバ類とはサーバ装置を含む概念である。例えば、時刻情報を提供するサーバ、天気情報を提供するサーバ、気温情報を提供するサーバ、その他の環境情報を提供するサーバであってよい。情報の取得方法として個別のAPIやスクレ―ピングなどを用いることができる。この場合、例えば、気象庁などのホームページ内のHTMLを読み込み、都度データを作成することができる。
【0031】
図2は、実施形態に係る電気厨房機器の運転制御装置の機能ブロック構成例を示す図である。
【0032】
運転制御システム14は、
図2に示すように、カメラ20(撮影画像取得部の一例)と、運転制御装置30とを備えて構成される。
【0033】
カメラ20は、エントランスにおいて来店者の属性情報が特定できるように撮影を行う装置である。来店者とは、運転制御システム14のカメラ20が設置された店舗等に入店し退店する人であり、一般的にはその店舗のお客様を含む概念である。来客者の属性が特定できるように撮影するとは、個人を特定することなく来客者の属性を特定できる程度の撮影を行うことをいう。例えば、年齢、年齢層、性別、人数、体型、人種などの人に関するパラメータを特定できるように、来店者の顔や体格を撮影することができる。カメラで撮影される画像は、静止画、動画のいずれであってもよい。静止画の場合、複数の連続画像を撮影することができる。カメラ20は、運転制御装置30の内部に設けられていなくてもよいが、その場合、運転制御装置30に撮影した画像を出力することができる。また、カメラ20は、1つの運転制御装置30に対して複数設けられていてもよい。
【0034】
運転制御装置30は、属性情報推定部31と、環境情報取得部32と、第1の稼働推定部33と、店内属性情報格納部34と、運転履歴取得部35と、第2の稼働推定部36と、信号送信部37と、信号受信部38とを機能ブロックとして備えて構成されている。さらに、第1の稼働推定部33は、メニュー推定部331と、ON判定出力部332とを機能ブロックとして備え、運転履歴取得部35は、運転状態取得部351と、運転履歴格納部352とを機能ブロックとして備えている。これらの機能部は、運転制御装置30のハードウェア構成が所定の処理を実行することによって実現される。
【0035】
図3は、実施形態に係る電気厨房機器の運転制御装置のハードウェア構成例を示す図である。
【0036】
運転制御装置30は、
図3に示すように、CPU41と、RAM42と、ROM43と、通信回路44と、周辺回路45とのハードウェア要素を有し、各構成要素がバスや専用線を介して互いに接続されたプログラム処理装置(例えば、マイクロコントローラ:MCU)によって構成されている。なお、周辺回路45は、A/D変換回路、入出力I/F回路、クロック回路等のマイクロコントローラに搭載される既知の構成を含む。運転制御装置30は、例えば「ラズベリーパイ(登録商標)」などのワンボードマイコンや小型のコンピュータ装置などとして実装されるプログラム処理装置を用いることができるが、特に限定されない。
【0037】
運転制御装置30では、プロセッサとして機能するCPU41が、ROM43に格納され、RAM42に呼び出されたプログラム(電気厨房機器の運転制御プログラムなど)に従って各種演算を行うとともに、通信回路44と、周辺回路45とを制御することによって、
図2に示す運転制御装置30内の各機能部の構成を実現している。
【0038】
属性情報推定部31は、カメラ20で撮影した来店者の撮影画像を入力として、推定される来店者の属性情報を出力する推定処理を行う処理部である。属性情報推定部31は、推定される来店者の属性情報を、第1の稼働推定部33に出力することができる。来店者の属性情報は、例えば、来店者の年齢層、来店者の性別、来店者の人数を含んでいてよい。ここで属性とは、年齢、年齢層、性別、人数、体型、人種などの個人を特定することなく人を識別する各種パラメータを含むが、これに限定されない。属性情報推定部31では、来店者の属性情報を推定するだけであって、個人を特定するための推定は実行しない。属性情報推定部31は、来店者の属性情報として、入店したのか、または退店したのかの別を含めることができる。属性情報推定部31としては、人を撮影した画像に、撮影された人の属性をラベリングした大量のデータを機械学習することにより生成された、いわゆる学習済みモデルを用いることができる。学習済みモデルは、所定の技法(アルゴリズム)に基づく機械学習によるプログラムである。
【0039】
ここで、所定の技法(アルゴリズム)としては、例えば、CNN(Convolutional Neural Network)等のニューラルネットワーク、決定木、ランダムフォレスト、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン(SVM)、ナイーブベイズ分類器、k近傍法、k平均法、アダブースト、マルコフ連鎖、のうちの少なくとも一つを含む。
【0040】
属性情報推定部31において用いられる学習済みモデルは、1つに限らず、複数の学習済みモデルを用いてもよい。この場合、属性ごとに学習させた学習済みモデルを用いることができる。例えば、SSD(Single Shot MultiBox Detector)などの物体検出アルゴリズムを用いて、来店者の人数を推定し、性別や年齢層は別のアルゴリズム(学習済みモデル)を用いて推定することができる。
【0041】
環境情報取得部32は、現在の環境を示す環境情報を取得する。環境情報は、現在の日時、現在の外気温、現在の天気の情報を含むが、これに限定されない。環境情報取得部32は、ネットワーク3を介してサーバ類2a、2b、2c、2d、2eにアクセスして、環境情報を取得することができる。例えば、時刻情報提供サービスのサーバ類2aにアクセスして、現在の日時を取得し、天気情報提供サービスのサーバ類2bにアクセスして、レストラン1の地点における現在の天気、気温の情報を取得することができる。環境情報取得部32は、取得した環境情報を、第1の稼働推定部33、運転履歴取得部35、および第2の稼働推定部36に出力することができる。
【0042】
環境情報は、時間帯を特定するための時刻、曜日、曜日を特定するためのカレンダーと日付、季節を特定するための日付、外気温、天気、湿度など、環境を特定するためのさまざまなパラメータを用いることができる。
【0043】
第1の稼働推定部33は、属性情報推定部31において推定した来店者の属性情報と環境情報取得部32で取得した環境情報とを入力として、推定される電気厨房機器の運転状態を出力する推定処理(第1の稼働推定)を行う処理部である。本明細書において、電気厨房機器の運転状態とは、電気厨房機器の電源の状態であるONまたはOFFを示す情報や、電気厨房機器の運転レベル(高出力レベル、待機状態などの別)を示す情報を含む。第1の稼働推定部33は、メニュー推定部331と、ON判定出力部332とを機能ブロックとして備えていてもよい。第1の稼働推定部33は、属性情報推定部31において推定した来店者の属性情報が入力されたことをトリガとして、第1の稼働推定を実行する。
【0044】
メニュー推定部331は、推定した来店者の属性情報と環境情報を入力として、注文されることが推定されるメニューを出力する推定処理を行う処理部である。メニュー推定部331は、注文されることが推定されるメニューを、ON判定出力部332に出力することができる。メニュー推定部331としては、推定した来店者の属性情報と環境情報とに、注文されたメニューをラベリングした大量のデータを機械学習することにより生成された、いわゆる学習済みモデルを用いることができる。学習済みモデルは、所定の技法(アルゴリズム)に基づく機械学習によるプログラムである。
【0045】
ここで、所定の技法(アルゴリズム)としては、例えば、CNN(Convolutional Neural Network)等のニューラルネットワーク、決定木、ランダムフォレスト、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン(SVM)、ナイーブベイズ分類器、k近傍法、k平均法、アダブースト、マルコフ連鎖、のうちの少なくとも一つを含む。
【0046】
ON判定出力部332は、メニュー推定部331から出力されたメニューが電気厨房機器の使用を必要とする場合に、電気厨房機器の運転状態としてONと判定されることを出力する処理を行う処理部である。ON判定出力部332は、例えば、
図4に示すような、メニューごとの電気厨房機器の運転状態を格納したテーブルを有している。ON判定出力部332は、
図4に示すテーブルを参照することによって、メニュー推定部331から出力されたメニューが、電気厨房機器の使用を必要とする(ON)か、必要としない(OFF)かを判定し、ONと判定された電気厨房機器の運転状態として、ONが判定されることを信号送信部37に出力する。
【0047】
店内属性情報格納部34は、属性情報推定部31において推定した来店者の属性情報に基づいて、現在店内に滞在している来店者の属性情報(以下、「滞在者属性情報」ともいう)を特定して格納する。現在店内に滞在している来店者の属性情報とは、現在店内に滞在している来店者の属性情報として、年齢、年齢層、性別、人数、体型、人種などの個人を特定することなく人を識別する各種パラメータをいう。現在店内に滞在している来店者の属性情報は、属性情報推定部31において推定した入店した来店者の属性情報と退店した来店者の属性情報とに基づいて特定することができる。例えば、来店者の属性情報ごとに、その属性情報の来店者が入店したときに人数を加算し、退店したときに人数を減算することにより、現在店内に滞在している来店者の属性情報を特定することができる。
【0048】
運転履歴取得部35は、電気厨房機器の運転履歴を取得することができる。運転履歴取得部35は、運転状態取得部351と、運転履歴格納部352を備えていてもよい。運転履歴取得部35は、電気厨房機器の現在の運転状態を取得するとともに、第2の稼働推定部36がその店舗の過去の運転状況に応じた電気厨房機器の運転状態を推定するために学習させるデータを取得することができる。
【0049】
運転履歴取得部35は、環境情報取得部32から取得した環境情報と店内属性情報格納部34から取得した滞在者属性情報と電気厨房機器の運転状態を逐次に取得して、取得した電気厨房機器の運転状態をそのときの環境情報及び滞在者属性情報と紐づけて運転履歴として格納することができ、格納した運転履歴を電気厨房機器の運転履歴として取得することができる。
【0050】
例えば、運転状態取得部351は、信号送信部37を介して、電気厨房機器に対して、現在の運転状態を通知する要求を行い、信号受信部38によって受信した電気厨房機器の現在の運転状態を、そのとき環境情報取得部32から取得した環境情報と店内属性情報格納部34から取得した滞在者属性情報と紐づけて運転履歴格納部352に運転履歴として格納することができる。また、運転状態取得部351は、電気厨房機器の現在の運転状態を第2の稼働推定部36に出力することもできる。
【0051】
また、運転状態取得部351は、必要に応じて、運転履歴格納部352に格納された運転履歴にアクセスすることにより、電気厨房機器の運転履歴を取得することができる。運転状態取得部351は、取得した電気厨房機器の運転履歴を第2の稼働推定部36に出力することができる。
【0052】
第2の稼働推定部36は、店内属性情報格納部34から取得した滞在者属性情報と環境情報取得部32から取得した環境情報(例えば、日時、時間、天気、気温、曜日、平日と休日の別など)とを入力として、推定される電気厨房機器の運転状態を出力する推定処理(第2の稼働推定)を行う処理部である。第2の稼働推定部36は、電気厨房機器の運転状態としてOFFが推定される場合に、その電気厨房機器の運転状態として、OFFが推定されることを信号送信部37に出力することができる。第2の稼働推定部36は、運転状態取得部351から取得した電気厨房機器の現在の運転状態がONである場合に、所定時間が経過したことをトリガとして第2の稼働推定を実行することができる。
【0053】
第2の稼働推定部36としては、推定した来店者の属性情報と環境情報とに、電気厨房機器の運転状態をラベリングした大量のデータを機械学習することにより生成された、いわゆる学習済みモデルを用いることができる。学習済みモデルは、所定の技法(アルゴリズム)に基づく機械学習によるプログラムである。また、第2の稼働推定部36は、運転履歴取得部35から取得した運転履歴を用いて、逐次機械学習することにより、その店舗の時期による変動にも対応することができる。
【0054】
ここで、所定の技法(アルゴリズム)としては、例えば、CNN(Convolutional Neural Network)等のニューラルネットワーク、決定木、ランダムフォレスト、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン(SVM)、ナイーブベイズ分類器、k近傍法、k平均法、アダブースト、マルコフ連鎖、のうちの少なくとも一つを含む。
【0055】
信号送信部37は、第1の稼働推定部33の出力に応じて、電気厨房機器の運転を制御する第1の運転制御信号を送信するとともに、第2の稼働推定部36の出力に応じて、電気厨房機器に対して運転を制御する第2の運転制御信号を送信する処理部である。また、信号送信部37は、運転状態取得部351から、電気厨房機器に対して、現在の運転状態を通知する要求を受け取ったら、その要求を送信することができる。信号送信部37は、無線通信により無線LAN基地局13を経由して送信を実行することができる。
【0056】
信号送信部37は、第1の運転制御信号として、電気厨房機器の運転状態のONを指示する信号を送信し、第2の運転制御信号として、電気厨房機器の運転状態のOFFを指示する信号を送信してもよい。
【0057】
信号受信部38は、運転状態取得部351からの要求に応答して、電気厨房機器の現在の運転状態を受け取ると、運転状態取得部351に出力することができる。信号受信部38も、無線通信により無線LAN基地局13を経由した受信を実行することができる。
【0058】
図5は、電気厨房機器の運転制御システムに用いられる電気厨房の機能ブロック構成例を示す図である。
【0059】
電気厨房は、電気オーブン16、電気フライヤー17、電気ゆで釜18を含む電気厨房機器が、通信部51に接続されて構成することができる。
【0060】
通信部51は、無線LAN基地局13を介して運転制御装置30から送受信される制御信号等を受信し、受信した制御信号等に基づいて、電気オーブン16、電気フライヤー17、電気ゆで釜18に運転制御を行う。具体的には、電気厨房機器の運転状態のONを指示する信号を受け取ったら、指定された電気厨房機器の運転状態をONとし、電気厨房機器の運転状態のOFFを指示する信号を受け取ったら、指定された電気厨房機器の運転状態をOFFとすることができる。また、通信部51は、運転制御装置30から電気厨房機器の現在の運転状態の要求を受信すると、指定された電気厨房機器の現在の運転状態を運転制御装置30に応答として送信することができる。
【0061】
次に、本実施形態の電気厨房機器の運転制御システムにおける処理について説明する。
【0062】
(ON制御信号生成処理)
図6は、電気厨房機器の運転制御装置において第1の処理を示すフローチャートである。
【0063】
運転制御装置30は、カメラ20によって撮像画像を取得し、属性情報推定部31において来店者の属性情報が推定されると、
図6に示すような処理を開始する。まず、環境情報取得部32は、現在の環境を示す環境情報(現在のパラメータ)を取得する(ステップS101)。
【0064】
第1の稼働推定部33のメニュー推定部331は、属性情報推定部31から出力された来店者の属性情報と、環境情報取得部32から出力された現在の環境を示す環境情報とに基づいて、注文されることが推定されるメニューを出力する(ステップS102)。
【0065】
ON判定出力部332は、
図4に示すテーブルを参照することによって、メニュー推定部331から出力されたメニューが電気厨房機器の使用を必要とするかの情報を判定する(ステップS103)。ON判定出力部332は、電気厨房機器の運転状態としてONと判定したか否かを判定する(ステップS104)。ONと判定した場合(ステップS104:Yes)、電気厨房機器の運転状態として、ONが推定されることを信号送信部37に出力し、信号送信部37は、電気厨房機器の運転状態のONを指示する信号を生成して送信する(ON通知:ステップS105)。
【0066】
なお、ONでないと判定された場合(ステップS104:No)は、ON通知のステップS105を経ずに終了する。
【0067】
このような処理によって、送信された電気厨房機器の運転状態のONを指示する信号を電気厨房の通信部51が受信すると、適宜、電気厨房機器16、17、18をONする制御を行う。これによって、来店者が注文しそうなメニューを推定して、電気厨房機器をいち早くONにすることができるので、一定時間内の料理提供を可能にすることができる。
【0068】
(OFF制御信号生成処理)
図7は、電気厨房機器の運転制御装置において第2の処理を示すフローチャートである。
【0069】
運転制御装置30は、電気厨房機器がON状態となると、
図7に示す処理を実行する。第2の稼働推定部36は、運転履歴取得部35の運転状態取得部351から、電気厨房機器がON状態となったことの通知を受け取ってから所定時間が経過していないかを確認する(ステップS201)。
【0070】
所定時間が経過すると(ステップS201:Yes)、第2の稼働推定部36は、店内属性情報格納部34から滞在者属性情報を取得するとともに環境情報取得部32から環境情報を取得する(ステップS202)。
【0071】
第2の稼働推定部36は、取得した滞在者属性情報および環境情報を入力として、推定される電気厨房機器の運転状態を出力する推定処理(第2の稼働推定)を行う(ステップS203)。
【0072】
第2の稼働推定部36は、第2の稼働推定の結果、電気厨房機器の運転状態としてOFFが推定されたか否かを判定する(ステップS204)。OFFと判定された場合(ステップS204:Yes)、第2の稼働推定部36は、電気厨房機器の運転状態として、OFFが推定されることを信号送信部37に出力し、信号送信部37は、電気厨房機器の運転状態のOFFを指示する信号を生成して送信し(OFF通知:ステップS205)、終了する。
【0073】
なお、OFFでないと判定された場合(ステップS204:No)は、再度、所定時間が経過することを監視するステップS201に戻る。
【0074】
このような処理によって、送信された電気厨房機器の運転状態のOFFを指示する信号を電気厨房の通信部51が受信すると、適宜、電気厨房機器16、17、18をOFFする制御を行う。これによって、一定時間その電気厨房機器16、17、18を運転することがないと推定される場合に電気厨房機器をいち早くOFFにすることができるので、加熱調理温度を無駄に一定に保つ必要がなくなり、省エネ運転を可能にすることができる。
【0075】
図8は、本実施形態に係る電気厨房機器の運転制御システムによって省エネ運転ができることを示す図である。
【0076】
図8に示すように、通常運転時には、加熱調理制御温度は一定に保たれるように制御されることになるが、その分、多くのエネルギーを消費することになる。しかしながら、本実施形態に係る電気厨房機器の運転制御システムによれば、適宜に加熱調理制御温度を下げるように制御されるので、省エネ運転ができることが明らかである。また、来店者に応じて電気厨房機器の使用の可能性を的確に推定することができるので、一定時間内の料理提供を可能である。
【0077】
≪実施形態の拡張≫
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0078】
本実施形態の電気厨房機器の運転制御システムの構成も、
図1の構成に限定されない。例えば、上記実施形態では、運転制御装置30を、無線LAN基地局13によって、厨房12に設置された電気オーブン16、電気フライヤー17、電気ゆで釜18と無線通信可能に接続し、さらにネットワーク3に通信接続可能とした構成について説明した。しかしながら、通信形態は無線に限らず、有線接続により構成してもよい。その場合、無線LAN基地局13に代えて、イーサネット(商標)接続用のルータを用いることができる。
【0079】
また、本実施形態の電気厨房機器の運転制御装置の構成も、
図2、3の構成に限定されない。上記の実施形態では、属性情報推定部31が運転制御装置30に設けられている態様を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、カメラ20に属性情報推定部31を設けておき、来店者の属性情報を取得してもよい。この場合、運転制御装置30には、属性情報推定部31に代えて、カメラ20において推定した来店者の属性情報を取得して第1の稼働推定部33や店内属性情報格納部34に渡す属性情報取得部を設けてもよい。
【0080】
また、上記の実施形態では、第1の稼働推定部33をメニュー推定部331とON判定出力部332とにより構成した例を用いて説明した。しかしながら、これに限定されず、第1の稼働推定部33を、1つの学習済みモデルを用いて構成してもよい。この学習済みモデルは、属性情報推定部31において推定した来店者の属性情報と環境情報取得部32において取得した環境情報を入力として、推定される電気厨房機器の運転状態を出力する。この場合、来店者の属性情報と環境情報に、電気厨房機器の運転状態をラベリングした大量のデータを機械学習することにより生成された、いわゆる学習済みモデルを用いることができる。学習済みモデルは、所定の技法(アルゴリズム)に基づく機械学習によるプログラムである。
【0081】
ここで、所定の技法(アルゴリズム)としては、例えば、CNN(Convolutional Neural Network)等のニューラルネットワーク、決定木、ランダムフォレスト、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン(SVM)、ナイーブベイズ分類器、k近傍法、k平均法、アダブースト、マルコフ連鎖、のうちの少なくとも一つを含む。
【0082】
本実施形態の電気厨房の構成も、
図3の構成に限定されない。
図3では、電気オーブン16、電気フライヤー17、電気ゆで釜18が1つの通信部51に接続された構成例について説明されている。
図3の構成に代えて、電気オーブン16、電気フライヤー17、電気ゆで釜18のそれぞれに対応する通信部51に相当する構成をそれぞれ接続する構成としてもよい。
【0083】
また、以上の実施形態では、電気オーブン16、電気フライヤー17、電気ゆで釜18を含む電気厨房機器は、運転制御装置30の制御信号によりONおよびOFFする態様を例に挙げて説明したが。これに限定されない。例えば、ONすることを推定したにもかかわらず、ONすべきメニューの注文がなかった場合に、手動でOFFするなどのように、電気オーブン16、電気フライヤー17、電気ゆで釜18をONまたはOFFを必要に応じて手動で行ってもよい。また、ON、OFFに限らず、出力を上げたり、下げたりする処理としてもよい。
【0084】
以上の実施形態では、
図6、7を用いて本実施形態の電気厨房機器の運転制御装置30における具体的な処理について例を挙げて説明した。しかしながら、本実施形態の電気厨房機器の運転制御装置30における処理の流れはこれに限定されない。
図6、7はそれぞれ、来店者の属性情報と環境情報に基づいて電気厨房機器をON制御する信号を生成し、電気厨房機器の稼働履歴に基づいて電気厨房機器をOFFする信号を生成する処理であれば、具体的な処理は限定されない。
【0085】
以上の実施形態では、カメラ20において、個人を特定することなく来客者の属性を特定できる程度の撮影を行い、属性情報推定部31では、来店者の属性情報を推定するだけであって、個人を特定するための推定は実行しない場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明では、カメラ20において、個人を特定できる程度の撮影を行い、属性情報推定部31では、来店者の個人を特定するための推定を実行する態様も含むことができる。この場合、属性情報として、個人を特定するために人を識別する各種パラメータを含むことができる。また、この場合の個人を特定するとは、個人の氏名、生年月日、住所などの情報を特定することを指すのではなく、同一人物であるということが電子的に判断できることをいう。
【符号の説明】
【0086】
1…レストラン、2(2a、2b、2c、2d、2e)…サーバ類、3…ネットワーク、11…エントランス、12…厨房、13…無線LAN基地局、14…運転制御システム、15…来店者、16…電気オーブン、17…電気フライヤー、18…電気ゆで釜、19…調理スタッフ、20…カメラ、30…運転制御装置、31…属性情報推定部、32…環境情報取得部、33…第1の稼働推定部、34…店内属性情報格納部、35…運転履歴取得部、36…第2の稼働推定部、37…信号送信部、38…信号受信部、331…メニュー推定部、332…ON判定出力部、351…運転状態取得部、352…運転履歴格納部、41…CPU、42…RAM、43…ROM、44…通信回路、45…周辺回路、51…通信部