(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096203
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】医療機器のポール間連結具
(51)【国際特許分類】
A61G 5/10 20060101AFI20220622BHJP
F16B 7/04 20060101ALI20220622BHJP
F16B 2/12 20060101ALI20220622BHJP
F16B 2/20 20060101ALI20220622BHJP
F16B 2/06 20060101ALI20220622BHJP
A61J 1/16 20060101ALI20220622BHJP
A61M 5/14 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
A61G5/10 703
F16B7/04 301G
F16B2/12 A
F16B2/20 D
F16B2/06 A
A61J1/16 D
A61M5/14 532
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209175
(22)【出願日】2020-12-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000108708
【氏名又は名称】タキゲン製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078950
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 忠
(72)【発明者】
【氏名】水口 啓一
【テーマコード(参考)】
3J022
3J039
4C047
4C066
【Fターム(参考)】
3J022DA11
3J022DA16
3J022EA33
3J022EC17
3J022EC22
3J022FB12
3J022GA12
3J022GB31
3J022HA02
3J022HA05
3J022HB02
3J039AA05
3J039BB01
3J039CA02
4C047EE04
4C066GG10
4C066LL30
(57)【要約】
【課題】医療現場の種々の機器間の連結に汎用的に用いられる、小型で操作が容易であり、かつ安価に得られる医療機器のポール間連結具を提供する。
【解決手段】ポール間連結具100は、一方の医療機器P1のポールに取り付けられる第1のクランプ110と、他方の医療機器のポールP2に取り付けられる第2のクランプ120と、これら両クランプ110,120を取り付ける第1、第2のブラケット130,140と、これらのブラケット130,140を支持する軸受部材150と、この軸受部材150に第1、第2のブラケット130,140を枢支する第1、第2のノブ付き軸ボルト160,170とを具備する。第1又は第2のノブ付き軸ボルト160,170による締め付けの緩緊で、それらの軸周りに、第1又は第2のクランプ110,120の軸受部材150に対する固定位置を変更可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の医療機器のポールに取り付けられる第1のクランプと、他方の医療機器のポールに取り付けられる第2のクランプと、前記第1のクランプを取り付ける第1のブラケットと、前記第2のクランプを取り付ける第2のブラケットと、当該第1及び第2のブラケットを支持する軸受部材と、当該軸受部材に前記第1及び第2のブラケットを枢支する第1及び第2のノブ付き軸ボルトとを具備し、
前記第1及び第2のブラケットは、それぞれ前記第1又は第2クランプの基端部をねじ止めする平板状の取り付け板部と、当該取り付け板部の両端から直角に屈曲して延び対向部に軸受孔を有する平行一対の軸受板部とを具備し、
前記第1及び第2のブラケットは、それぞれ一方の前記軸受板部に、前記第1又は第2のノブ付き軸ボルトに螺合する雌ねじ部を具備し
前記軸受部材は、前記第1のブラケットの軸受板部間に嵌まり当該軸受板部の軸受孔に対応する軸挿通孔を有する第1の軸受部と、前記第2のブラケットの軸受板部間に嵌まり当該軸受板部の軸受孔に対応する軸挿通孔を有する第2の軸受部とを具備し、
前記軸受部材の前記第1の軸受部と前記第2の軸受部は、互いに前記各軸挿通孔を直交させるように配置され、
前記第1のノブ付き軸ボルトは、前記第1のブラケットの軸受孔と前記第1の軸受部の軸挿通孔に挿通されて前記雌ねじ部に螺合され、
前記第2のノブ付き軸ボルトは、前記第2のブラケットの軸受孔と前記第2の軸受部の軸挿通孔に挿通されて前記雌ねじ部に螺合され、
前記第1又は第2のノブ付き軸ボルトによる締め付けの緩緊により、当該第1又は第2のノブ付き軸ボルトの軸周りに、前記第1又は第2のクランプの前記軸受部材に対する固定位置を変更可能に構成されることを特徴とする医療機器のポール間連結具。
【請求項2】
前記第1又は第2のクランプの少なくとも一方は、一対の挟持部材間に前記ポールを挟んでばね力により当該ポールを把持するクリップ式クランプであることを特徴とする請求項1に記載の医療機器のポール間連結具。
【請求項3】
前記第1又は第2のクランプの少なくとも一方は、一対の挟持部材間に前記ポールを挟んでボルトにて当該ポールを把持するボルト締め式クランプであることを特徴とする請求項1に記載の医療機器のポール間連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッド、歩行器、車椅子などの医療機器のポールと、点滴スタンドなどの他の医療機器のポールとの間を連結する医療機器のポール間連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、点滴スタンドを車椅子、ストレッチャやリハビリ歩行器などの移動用器具に点滴スタンドを連結する連結具として、特許文献1に記載された点滴スタンド用連結具が知られている。
この点滴スタンド用連結具は、点滴スタンド側に取り付けられる第1クランプと、移動用器具側に取り付けられる第2クランプと、第1、第2クランプが保持される連結棒とを備える。第1クランプと第2クランプは、互いに平行な軸で回転して固定することが可能であり、かつ、第1クランプと第2クランプの少なくとも一方は平行な軸以外の軸方向にも回転して固定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の連結具は、車椅子などの移動用器具と点滴スタンドとの連結に用途を特化した構成であって、汎用性に欠け、構成上、比較的大型で、高価なものとなる。医療現場では、多数の機器が林立し、それらをそれぞれ所望の向きに支持するための多くの小型で操作容易な連結具が求められる。
したがって、本発明は、医療現場で用いられる種々雑多な機器間の連結に汎用的に用いることができ、小型で操作が容易であり、かつ安価に得られる医療機器のポール間連結具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下の説明において添付図面の符号を参照するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するための、本発明の医療機器のポール間連結具100は、一方の医療機器P1のポールに取り付けられる第1のクランプ110と、他方の医療機器のポールP2に取り付けられる第2のクランプ120と、これら両クランプ110,120を取り付ける第1、第2のブラケット130,140と、これらのブラケット130,140を支持する軸受部材150と、この軸受部材150に第1、第2のブラケット130,140を枢支する第1、第2のノブ付き軸ボルト160,170とを具備する。両ブラケット130,140は、それぞれ各クランプ110,120の基端部をねじ止めする平板状の取り付け板部131,141と、それの両端から直角に屈曲して平行に延びる軸受孔132a、133a付きの一対の軸受板部132,133とを具備し、かつそれぞれ一方の軸受板部133,143に、ノブ付き軸ボルト160,170に螺合する雌ねじ部134,144を具備する。軸受部材150は、各ブラケット131,141に対応する第1、第2の軸受部151,152を具備する。各軸受部151,152は、それぞれ第1、2のブラケット131,141の軸受板部132,133間に嵌まり、それの軸受孔132a,133a・142a,143aに対応する軸挿通孔151a,152aを有する。第1、第2の軸受部151,152は、互いに各軸挿通孔151a,152aを直交させるように配置される。ノブ付き軸ボルト160,170が、それぞれブラケット131,141の軸受孔132a,133a・142a,143aと軸受部151,152の軸挿通孔151a,152aに挿通され、雌ねじ部134,144に螺合され、これによる締め付けの緩緊で、第1、第2のクランプP1,P2の軸受部材150に対する固定位置を変更可能である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ノブ付き軸ボルトの締め付けの緩緊で、第1、第2のクランプの軸受部材に対する固定位置を容易に変更できる小型で、安価な医療機器のポール間連結具が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明のポール間連結具の一部を切欠した正面図である。
【
図2】
図1のポール間連結具の一部の一部切欠正面図である。
【
図3】
図1のポール間連結具の一部の側面図である。
【
図4】
図1のポール間連結具の一部の一部切欠底面図である。
【
図5】
図1のポール間連結具の一部の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1において、P1は、一方の医療機器、例えば点滴スタンドのポール、P2は、他方の医療機器、例えば車椅子に設けられたポールである。
【0009】
ポール間連結具100は、2つのポールP1,P2間を連結して支持するもので、第1、第2のクランプ110,120と、これらを支持する第1、第2のブラケット130,140と、これらを支持する軸受部材150と、これにブラケット130,140を枢支する第1及び第2のノブ付き軸ボルト160,170とを具備する。
【0010】
図1の実施形態において、第1のクランプ110は、一対の挟持部材111,112間にポールP1を挟んで、ばね113の力でポールP1を把持するクリップ式クランプである。第2のクランプ120は、一対の挟持部材121,122間にポールP2を挟んでボルト123にてポールP2を把持するボルト締め式クランプである。
【0011】
図2~
図5によく示すように、第1及び第2のブラケット130,140は、それぞれクランプ110,120の基端部をねじ止めする平板状の取り付け板部131,141と、取り付け板部131,141の両端から直角に屈曲して延びる平行一対の軸受板部132,133・142,143を具備する。軸受板部132,133・142,143は、それぞれ対向部に軸受孔132a,133a・142a,143aを有し、またそれぞれ一方の軸受板部133,143に、ノブ付き軸ボルト160,170に螺合する雌ねじ部を形成するナット134,144が固着されている。
【0012】
軸受部材150は、第1のブラケット130の軸受板部132,133間に嵌まる第1の軸受部151と、第2のブラケット140の軸受板部141,142間に嵌まる第2の軸受部152とを具備する。第1の軸受部151は、軸受孔132a,133aに対応する軸挿通孔151aを有する。第2の軸受部152は、軸受孔142a,143aに対応する軸挿通孔152aを有する。第1、第2の軸受部151,152は、一体に形成され、それぞれの軸挿通孔151a、152aは、互いに直交方向に延びる。
【0013】
第1のノブ付き軸ボルト160は、第1のブラケット130の軸受孔132a、133aと第1の軸受部151の軸挿通孔151aに挿通され、雌ねじ部を持つナット134に螺合される。
【0014】
同様に、第2のノブ付き軸ボルト170は、第2のブラケット140の軸受孔142a、143aと第2の軸受部152の軸挿通孔152aに挿通され、雌ねじ部を持つナット144に螺合される。
【0015】
第1又は第2のノブ付き軸ボルト160,170による締め付けの緩緊により、それらの軸周りに、第1又は第2のクランプ110,120の軸受部材150に対する固定位置を変更可能である。これにより、第1のクランプ110と第2のクランプ120の向きを自在に変更することができる。
【符号の説明】
【0016】
100 ポール連結具
110 第1のクランプ
111 挟持部材
112 挟持部材
113 ばね
120 第2のクランプ
121 挟持部材
122 挟持部材
123 ボルト
130 第1のブラケット
131 取り付け板部
132 軸受板部
132a 軸受孔
133 軸受板部
133a 軸受孔
134 ナット(雌ねじ部)
141 取り付け板部
142 軸受板部
142a 軸受孔
143 軸受板部
143a 軸受孔
144 ナット(雌ねじ部)
150 軸受部材
151 第1の軸受部
151a 軸挿通孔
152 第2の軸受部
152a 軸挿通孔
160 第1のノブ付きボルト
170 第2のノブ付きボルト
P1 ポール
P2 ポール