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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096206
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】連続シート印刷物の乾燥装置
(51)【国際特許分類】
   F26B 13/10 20060101AFI20220622BHJP
【FI】
F26B13/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209178
(22)【出願日】2020-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】591040708
【氏名又は名称】株式会社瑞光
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100168321
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 敦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 友紀人
【テーマコード(参考)】
3L113
【Fターム(参考)】
3L113AA08
3L113AB06
3L113AC10
3L113AC31
3L113AC65
3L113AC73
3L113BA26
3L113CB06
3L113DA09
(57)【要約】
【課題】ヒータにおける加熱を継続しつつ、ヒータから基材に供給される熱量を必要に応じて抑制可能な連続シート印刷物の乾燥装置を提供することを目的とする。
【解決手段】連続シート印刷物の乾燥装置は、シートSを所定の搬送経路に沿って搬送方向に搬送する搬送部4と、搬送経路にあるシートSに対向する位置に配置され、シートSを輻射熱によって加熱するヒータ20と、ヒータ20からの輻射熱を遮断可能なシャッタ50と、ヒータ20と搬送経路との間にシャッタ50が介在する閉位置Q1と、ヒータ20に対して搬送経路を開放する開位置Q2との間において、搬送方向と交差する交差方向にシャッタ50が移動可能となるように支持するシャッタ支持機構60と、開位置Q2と閉位置Q1との間でシャッタ50が移動するようにシャッタ支持機構60を駆動するシャッタ駆動部70と、を備えている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の印刷部分を有するシート状の基材である連続シート印刷物を連続的に搬送しながら前記印刷部分を順次加熱して乾燥する連続シート印刷物の乾燥装置であって、
前記基材を所定の搬送経路に沿って搬送方向に搬送する搬送部と、
前記搬送経路にある前記基材に対向する位置に配置され、前記基材を輻射熱によって加熱するヒータと、
前記ヒータからの輻射熱を遮断可能なシャッタと、
前記ヒータと前記搬送経路との間に前記シャッタが介在する閉位置と、前記ヒータに対して前記搬送経路を開放する開位置との間において、前記搬送方向と交差する交差方向に前記シャッタが移動可能となるように前記搬送部に対して前記シャッタを支持するシャッタ支持機構と、
前記開位置と前記閉位置との間で前記シャッタが移動するように前記シャッタ支持機構を駆動するシャッタ駆動部と、
を備えている、連続シート印刷物の乾燥装置。
【請求項2】
前記ヒータにより前記基材の前記印刷部分を乾燥するための乾燥位置と、前記乾燥位置よりも前記搬送経路から離れた退避位置との間において、前記ヒータが移動可能となるように前記搬送部に対して前記ヒータを支持するヒータ支持機構と、
前記乾燥位置と前記退避位置との間で前記ヒータが移動するように前記ヒータ支持機構を駆動するヒータ駆動部と、
を備えている、請求項1に記載の連続シート印刷物の乾燥装置。
【請求項3】
前記ヒータ支持機構は、前記基材に前記輻射熱を供給するための前記ヒータの加熱面と前記基材の被加熱面とが概ね平行に維持された状態において、前記乾燥位置と前記退避位置との間において前記ヒータが移動可能となるように前記ヒータを支持する平行リンク機構を有している、請求項2に記載の連続シート印刷物の乾燥装置。
【請求項4】
前記ヒータ支持機構は、前記ヒータが前記乾燥位置に配置された状態において前記ヒータを前記乾燥位置から前記退避位置に移動する方向の力を蓄えるように前記平行リンク機構に設けられた移動力保持部材を有している、請求項3に記載の連続シート印刷物の乾燥装置。
【請求項5】
前記シャッタ駆動部は、前記ヒータが前記退避位置に配置された状態において、前記シャッタ支持機構を駆動することにより前記シャッタを前記閉位置に移動し、
前記ヒータ駆動部は、前記シャッタが開位置に配置された状態において、前記ヒータ支持機構を駆動することにより前記ヒータを前記乾燥位置に移動する、請求項2~4のいずれか1項に記載の連続シート印刷物の乾燥装置。
【請求項6】
前記ヒータの位置を検出するヒータ位置検出器と、
前記シャッタの位置を検出するシャッタ位置検出器と、
前記ヒータ位置検出器により検出された前記ヒータの位置が前記退避位置か否かを判断し、前記ヒータの位置が前記退避位置と判断すると、前記シャッタを前記閉位置に移動するように前記シャッタ駆動部を制御するシャッタ駆動制御部と、
前記シャッタ位置検出器により検出された前記シャッタの位置が開位置か否かを判断し、前記シャッタの位置が前記開位置と判断すると、前記ヒータを前記乾燥位置に移動するように前記ヒータ駆動部を制御するヒータ駆動制御部と、
を備えており、
前記乾燥位置と前記退避位置との間の移動経路と交差する位置に前記閉位置が設定されている、請求項2~5のいずれか1項に記載の連続シート印刷物の乾燥装置。
【請求項7】
前記ヒータから出力される輻射熱の温度を特定するための情報を検出する輻射熱情報検出器と、
前記ヒータの出力を制御するヒータ出力制御部と、
予め定められた暖機運転の開始条件が成立したか否かを判断する条件判断部と、
を備えており、
前記条件判断部が前記暖機運転の開始条件が成立したと判断すると、前記ヒータ駆動制御部は、前記ヒータを前記退避位置に移動するように前記ヒータ駆動部を制御し、前記シャッタ駆動制御部は、前記シャッタを前記閉位置に移動するように前記シャッタ駆動部を制御し、前記ヒータ出力制御部は、前記輻射熱情報検出器が検出した輻射熱の温度が目標温度となるように前記ヒータの出力を増加させる、請求項6に記載の連続シート印刷物の乾燥装置。
【請求項8】
前記条件判断部は、予め定められた乾燥運転の開始条件が成立したか否かをさらに判断し、
前記条件判断部が前記乾燥運転の開始条件が成立したと判断すると、前記シャッタ駆動制御部が、前記シャッタを前記開位置に移動するように前記シャッタ駆動部を制御するとともに、前記ヒータ駆動制御部が、前記ヒータを前記乾燥位置に移動するように前記ヒータ駆動部を制御する、請求項7に記載の連続シート印刷物の乾燥装置。
【請求項9】
前記基材の温度を検出する基材温度検出器を備えており、
前記条件判断部は、前記基材温度検出器が検出した前記基材の温度が予め設定された上限値を超える場合に予め定められた終了運転の開始条件が成立したとさらに判断し、
前記条件判断部が前記終了運転の開始条件が成立したと判断すると、前記ヒータ駆動制御部が、前記ヒータを前記退避位置に移動するように前記ヒータ駆動部を制御するとともに、前記シャッタ駆動制御部が、前記シャッタを前記閉位置に移動するように前記シャッタ駆動部を制御する、請求項8に記載の連続シート印刷物の乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状の基材に印刷された印刷部分を乾燥する連続シート印刷物の乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記乾燥装置の一例として、おむつの製造ライン上に組み込まれた乾燥装置(下記特許文献1参照)が挙げられる。
【0003】
特許文献1に記載の製造ラインは、シート状の基材を搬送する搬送機構と、搬送されている基材に印刷を施す印刷部と、印刷部により形成された印刷部分を乾燥させる乾燥部と、を備えている。乾燥部は、所定の搬送速度(定常速度)で搬送されている基材に乾燥エアを吹き付けることによって基材の印刷部分を乾燥させる。特許文献1の乾燥部が基材に吹き付ける乾燥エアは、基材が搬送される所定の搬送速度に対応してヒータによって所定の温度(例えば80℃程度)に加熱されている。これにより、所定の搬送速度で搬送されている基材は乾燥部から所定の熱量を受け、基材の印刷部分が乾燥される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5799191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
製造ラインにおける基材の搬送速度が所定の搬送速度よりも低い場合(例えば加速期間中)には、所定の温度の乾燥エアが基材に吹き付けられる時間が長くなることにより基材が過剰の熱量を受け、基材の溶融、発火等が発生するおそれがある。そこで、基材の搬送速度が所定の搬送速度に到達するまで、ヒータによる乾燥エアの出力を弱める必要がある。
しかし、このようにすると、搬送速度が所定の搬送速度まで上がった後にヒータの出力を高めなければならないため、乾燥部により基材の印刷部分を乾燥可能になる準備に要する時間が長くなる。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、ヒータにおける加熱を継続しつつ、ヒータから基材に供給される熱量を必要に応じて抑制可能な連続シート印刷物の乾燥装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための連続シート印刷物の乾燥装置は、複数の印刷部分を有するシート状の基材である連続シート印刷物を連続的に搬送しながら前記印刷部分を順次加熱して乾燥する連続シート印刷物の乾燥装置であって、前記基材を所定の搬送経路に沿って搬送方向に搬送する搬送部と、前記搬送経路にある前記基材に対向する位置に配置され、前記基材を輻射熱によって加熱するヒータと、前記ヒータからの輻射熱を遮断可能なシャッタと、前記ヒータと前記搬送経路との間に前記シャッタが介在する閉位置と、前記ヒータに対して前記搬送経路を開放する開位置との間において、前記搬送方向と交差する交差方向に前記シャッタが移動可能となるように前記搬送部に対して前記シャッタを支持するシャッタ支持機構と、前記開位置と前記閉位置との間で前記シャッタが移動するように前記シャッタ支持機構を駆動するシャッタ駆動部と、を備えている。
【0008】
上記構成の連続シート印刷物の乾燥装置では、ヒータと搬送経路との間にシャッタが介在する閉位置と、ヒータに対して搬送経路を開放する開位置との間において、シャッタが搬送方向に対して交差方向に移動可能に構成されている。閉位置に配置されているシャッタはヒータと搬送経路との間に介在するため、搬送経路に沿って搬送されている基材へのヒータからの輻射熱がシャッタにより遮断され、基材への熱量の供給が抑制される。よって、基材の搬送速度が所定の搬送速度よりも低い場合であっても、ヒータによる加熱を継続したまま基材に対する熱量を抑えることができる。
【0009】
一方、シャッタが開位置に配置されている場合はヒータに対して搬送経路が開放されており、搬送経路に沿って搬送されている基材の印刷部分はヒータからの輻射熱により乾燥される。
【0010】
このように上記構成の連続シート印刷物の乾燥装置によれば、ヒータにおける加熱を継続したままで、シャッタを搬送方向に対して交差方向に移動することにより、ヒータから基材に供給される熱量を必要に応じて抑制可能である。
【0011】
上記連続シート印刷物の乾燥装置において、前記ヒータにより前記基材の前記印刷部分を乾燥するための乾燥位置と、前記乾燥位置よりも前記搬送経路から離れた退避位置との間において、前記ヒータが移動可能となるように前記搬送部に対して前記ヒータを支持するヒータ支持機構と、前記乾燥位置と前記退避位置との間で前記ヒータが移動するように前記ヒータ支持機構を駆動するヒータ駆動部と、を備えている。
【0012】
上記連続シート印刷物の乾燥装置では、ヒータにより基材の印刷部分を乾燥可能な乾燥位置と、乾燥位置よりも搬送経路から離れた退避位置との間において、ヒータが移動可能に構成されている。ヒータが乾燥位置に移動された場合には、搬送経路に沿って搬送されている基材の印刷部分はヒータからの輻射熱により乾燥される。一方、ヒータが退避位置に移動された場合には、ヒータから基材への輻射熱の供給を抑制可能である。よって、基材の搬送速度が所定速度よりも低い場合であっても、ヒータによる加熱を継続したまま基材に対する熱量を抑えることができる。
【0013】
上記連続シート印刷物の乾燥装置において、前記ヒータ支持機構は、前記基材に前記輻射熱を供給するための前記ヒータの加熱面と前記基材の被加熱面とが概ね平行に維持された状態において、前記乾燥位置と前記退避位置との間において前記ヒータが移動可能となるように前記ヒータを支持する平行リンク機構を有している。
【0014】
上記構成の連続シート印刷物の乾燥装置では、平行リンク機構により、ヒータは、乾燥位置と退避位置との間においてヒータの加熱面と基材の被加熱面とが概ね平行に維持されるように移動される。よって、ヒータの退避位置への移動により基材に対する熱量を抑える過程において、輻射熱を受ける基材の領域内の単位面積当たりの熱量を概ね均一にすることにより熱量の偏りを抑えることができる。同様に、ヒータの乾燥位置への移動により基材に対する熱量を増加させる過程においても熱量の偏りを抑えることができる。
【0015】
上記連続シート印刷物の乾燥装置において、前記ヒータ支持機構は、前記ヒータが前記乾燥位置に配置された状態において前記ヒータを前記乾燥位置から前記退避位置に移動する方向の力を蓄えるように前記平行リンク機構に設けられた移動力保持部材を有している。
【0016】
上記構成の連続シート印刷物の乾燥装置によれば、ヒータが乾燥位置に配置された状態において、ヒータ駆動部に異常が生じてヒータ支持機構を駆動できない場合、移動力保持部材の付勢力により、ヒータは乾燥位置から退避位置に移動する。よって、ヒータが乾燥位置に固定されて基材が加熱され過ぎるのを抑制することができる。
【0017】
上記連続シート印刷物の乾燥装置において、前記シャッタ駆動部は、前記ヒータが前記退避位置に配置された状態において、前記シャッタ支持機構を駆動することにより前記シャッタを前記閉位置に移動し、前記ヒータ駆動部は、前記シャッタが開位置に配置された状態において、前記ヒータ支持機構を駆動することにより前記ヒータを前記乾燥位置に移動する。
【0018】
上記連続シート印刷物の乾燥装置によれば、ヒータが退避位置に配置された状態においてシャッタが閉位置に移動され、シャッタが開位置に配置された状態においてヒータが乾燥位置に移動される。ヒータが退避位置に配置されシャッタが閉位置に配置されることによりヒータから基材へ与えられる輻射熱を確実に遮断することができる。一方、シャッタが開位置に配置されヒータが乾燥位置に配置されることにより基材を確実に乾燥させることができる。
【0019】
上記連続シート印刷物の乾燥装置において、前記ヒータの位置を検出するヒータ位置検出器と、前記シャッタの位置を検出するシャッタ位置検出器と、前記ヒータ位置検出器により検出された前記ヒータの位置が前記退避位置か否かを判断し、前記ヒータの位置が前記退避位置と判断すると、前記シャッタを前記閉位置に移動するように前記シャッタ駆動部を制御するシャッタ駆動制御部と、前記シャッタ位置検出器により検出された前記シャッタの位置が開位置か否かを判断し、前記シャッタの位置が前記開位置と判断すると、前記ヒータを前記乾燥位置に移動するように前記ヒータ駆動部を制御するヒータ駆動制御部と、を備えており、前記乾燥位置と前記退避位置との間の移動経路と交差する位置に前記閉位置が設定されている。
【0020】
上記連続シート印刷物の乾燥装置によれば、乾燥位置と退避位置との間のヒータの移動経路とシャッタの閉位置とは交差しているものの、ヒータが退避位置に配置された状態において、ヒータの移動経路と交差する閉位置にシャッタが移動される。そのため、ヒータとシャッタとの干渉を防ぎながら輻射熱を遮断することができる。また、シャッタが閉位置に対して交差方向に位置する開位置に配置されている状態において、ヒータの移動経路のうち乾燥位置にヒータが移動される。そのため、ヒータとシャッタとの干渉を防ぎながら基材を乾燥させることができる。
【0021】
上記連続シート印刷物の乾燥装置において、前記ヒータから出力される輻射熱の温度を特定するための情報を検出する輻射熱情報検出器と、前記ヒータの出力を制御するヒータ出力制御部と、予め定められた暖機運転の開始条件が成立したか否かを判断する条件判断部と、を備えており、前記条件判断部が前記暖機運転の開始条件が成立したと判断すると、前記ヒータ駆動制御部は、前記ヒータを前記退避位置に移動するように前記ヒータ駆動部を制御し、前記シャッタ駆動制御部は、前記シャッタを前記閉位置に移動するように前記シャッタ駆動部を制御し、前記ヒータ出力制御部は、前記輻射熱情報検出器が検出した輻射熱の温度が目標温度となるように前記ヒータの出力を増加させる。
【0022】
上記構成の連続シート印刷物の乾燥装置によれば、暖機運転の開始により、ヒータが退避位置に配置されシャッタが閉位置に配置された状態で、輻射熱の温度が目標温度となるようにヒータの出力が増加される。そのため、目標温度が基材を乾燥するのに適した温度である場合、ヒータから基材へ与えられる熱を遮断した状態で、輻射熱の温度を基材の乾燥に適した目標温度に増加させることができる。
【0023】
上記連続シート印刷物の乾燥装置において、前記条件判断部は、予め定められた乾燥運転の開始条件が成立したか否かをさらに判断し、前記条件判断部が前記乾燥運転の開始条件が成立したと判断すると、前記シャッタ駆動制御部が、前記シャッタを前記開位置に移動するように前記シャッタ駆動部を制御するとともに、前記ヒータ駆動制御部が、前記ヒータを前記乾燥位置に移動するように前記ヒータ駆動部を制御する。
【0024】
上記構成の連続シート印刷物の乾燥装置では、乾燥運転の開始条件が成立した場合、シャッタが開位置に配置されヒータが乾燥位置に配置されることにより、基材を確実に乾燥させることができる。
【0025】
上記連続シート印刷物の乾燥装置において、前記基材の温度を検出する基材温度検出器を備えており、前記条件判断部は、前記基材温度検出器が検出した前記基材の温度が予め設定された上限値を超える場合に予め定められた終了運転の開始条件が成立したとさらに判断し、前記条件判断部が前記終了運転の開始条件が成立したと判断すると、前記ヒータ駆動制御部が、前記ヒータを前記退避位置に移動するように前記ヒータ駆動部を制御するとともに、前記シャッタ駆動制御部が、前記シャッタを前記閉位置に移動するように前記シャッタ駆動部を制御する。
【0026】
例えば、基材の搬送速度が低い場合は、基材がヒータから受ける単位面積あたりの熱量が大きくなることにより基材の温度が必要以上に高くなる。基材の温度が上限値を超えることにより終了運転の開始条件が成立した場合、ヒータが退避位置に移動されシャッタが閉位置に移動される。よって、基材に供給される熱量を抑制し、基材の加熱しすぎによる基材の溶融、発火等を抑制できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の連続シート印刷物の乾燥装置によれば、ヒータにおける加熱を継続しつつ、ヒータから基材に供給される熱量を必要に応じて抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】乾燥システムの正面図である。
図2】ヒータが退避位置に配置され、シャッタが閉位置に配置されている場合における乾燥装置の正面図である。
図3図2における囲み部分X1における部分拡大図である。
図4図2における乾燥装置の側面図であり、ヒータ、ヒータ支持機構、ヒータ駆動部及びシャッタを示す模式図である。
図5図2における乾燥装置の側面図であり、シャッタ、シャッタ支持機構及びシッタ駆動部を示す模式図である。
図6図2における乾燥装置の上面図である。
図7図6における囲み部分Y1における部分拡大図である。
図8】ヒータが乾燥位置に配置され、シャッタが開位置に配置されている場合における乾燥装置の正面図である。
図9図8における囲み部分X2における部分拡大図である。
図10図8における乾燥装置の側面図であり、ヒータ、ヒータ支持機構、ヒータ駆動部及びシャッタを示す模式図である。
図11図8における乾燥装置の側面図であり、シャッタ、シャッタ支持機構及びシャッタ駆動部を示す模式図である。
図12図8における乾燥装置の上面図である。
図13図12における囲み部分Y2における部分拡大図である。
図14】乾燥装置の機能ブロック図である。
図15】暖機運転の処理の流れを示すフローチャートである。
図16】乾燥運転の処理の流れを示すフローチャートである。
図17】終了運転の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0030】
(印刷システムの全体構成)
図1は、使い捨ておむつ等の不織布のシートS(基材)の製造ライン上に組み込まれた印刷システム1の全体構成を示す。印刷システム1は、シートSに印刷を行う印刷装置2と、シートSの印刷部分を乾燥させる乾燥装置3と、シートSを搬送する搬送部4と、印刷装置2、乾燥装置3及び搬送部4を支持するための床面上に立設された支持壁5(図4図10)と、を備えている。また、印刷システム1は、乾燥装置3からの輻射熱を反射させる反射板6と、印刷システム1の各部に電力を供給する電源7と、スイッチ8と、を備えている。
【0031】
帯状のシートSは、搬送部4により所定の搬送経路に沿って搬送される。印刷装置2は、印刷システム1の搬送経路における乾燥装置3の上流側に設けられており、シートSにインクジェット印刷を行うための複数のインク噴射部2aを有する。インク噴射部2aは、搬送経路に沿って搬送されているシートSの上面に向けて水溶性インクなどのインクを噴射し、シートSに文字、図形、記号等の印刷部分を形成する。
【0032】
乾燥装置3は、印刷装置2の下流側に配置されており、印刷装置2によって印刷が施されたシートSの印刷部分を乾燥する。具体的に、乾燥装置3は、シートSに輻射熱を供給するための後述のヒータ20を有している。所定の搬送経路のうち、ヒータ20に対向する領域を以下では加熱区間Cという。乾燥装置3の構成については後述する。
【0033】
搬送部4は、印刷装置2のインク噴射部2aがインクを噴射する側の下面及び乾燥装置3のヒータ20が輻射熱を供給する側の下面に、搬送経路を搬送されるシートSが対向するようにシートSを搬送する。搬送部4は、支持壁5に固定されている。
【0034】
搬送部4は、搬送経路を定義する複数のロール4a、4b、4d~4h(駆動ロール4a、4b、従動ロール4d、4e、4f、4g、4h)と、駆動ロール4aを駆動するモータ4cと、駆動ロール4bを駆動する不図示のモータと、を有する。シートSの搬送経路に沿って、駆動ロール4b、従動ロール4h、従動ロール4g、従動ロール4f、従動ロール4e、駆動ロール4a、従動ロール4dが上流側から下流側の順に配置されている。これら複数のロールにシートSが巻き掛けられた状態で複数のロールが回転することにより、搬送部4は、所定の搬送経路に沿ってシートSを搬送する。
【0035】
駆動ロール4a及び駆動ロール4bそれぞれは、回転速度が調整可能なモータ4c及び不図示のモータ(例えばサーボモータなど)が電源7から電力の供給を受けて駆動されることにより回転する。
【0036】
そして、駆動ロール4a、4bが回転すると、シートSは、駆動ロール4b、従動ロール4h、印刷装置2、従動ロール4g、従動ロール4f、加熱区間C(往路加熱区間C1)、従動ロール4e、加熱区間C(復路加熱区間C2)、従動ロール4f、駆動ロール4a、従動ロール4dの順に経由して搬送される。よって、シートSは、加熱区間C内の往路加熱区間C1及び復路加熱区間C2を経由することにより少なくとも1往復する。これにより、シートSをヒータ20によって加熱される時間を増やして効率よく加熱乾燥することが可能である。
【0037】
なお、シートSの搬送速度は、駆動ロール4a、4bが回転を開始してから徐々に高くなる。よって、シートSの搬送が開始されてから、シートSの印刷部分を乾燥するのに適した所定の搬送速度(所定の定常速度)に到達するまでには、ある程度の時間を要する。シートSの搬送速度が定常速度よりも低い場合、所定の搬送経路においてシートSが乾燥装置3から受ける単位面積当たりの熱量は、定常速度で所定の搬送経路においてシートSが乾燥装置3から受ける単位面積当たりの熱量よりも大きい。よって、シートSの搬送速度が定常速度よりも低い場合にはシートSの温度が高くなりシートSが溶融、発火等する場合がある。一方、シートSの搬送速度が定常速度よりも高い場合、所定の搬送経路においてシートSが乾燥装置3から受ける単位面積当たりの熱量は、定常速度で所定の搬送経路においてシートSが乾燥装置3から受ける単位面積当たりの熱量よりも小さい。よって、シートSの温度が低くなり、印刷部分が乾燥できない場合がある。よって、本実施形態では、ヒータ20の出力制御と、後述のヒータ20及びヒータ20からの輻射熱を遮断する後述のシャッタ50の搬送経路に対する移動制御とのうち少なくとも1つの制御によりシートSが乾燥装置3から受ける熱量が調整される。
【0038】
反射板6は、復路加熱区間C2に位置するシートSの一部にヒータ20からの輻射熱を反射させる。反射板6は、加熱区間C内のシートSを挟んで乾燥装置3の反対面(下面)に対向する位置に配置されている。
【0039】
反射板6の上面(復路加熱区間C2内のシートSに対向する面)は、ヒータ20から放出され、シートSを透過した輻射熱(赤外線)を反射することができるような材料で製造され、または鏡面処理が施されている。ヒータ20から放出され搬送経路を通過した輻射熱を、反射板6で搬送経路に向けて反射させてシートSの加熱乾燥に利用することが可能である。これにより、シートSの加熱乾燥をエネルギー効率よく行うことが可能になる。
【0040】
スイッチ8は、印刷システム1の運転の開始、終了及び中断等の運転状態を制御するための各種入力を操作者から受け付ける。スイッチ8は、例えば液晶パネルで構成されている。液晶パネルには、乾燥装置3の運転の開始、終了及び中断等の各操作部が設けられている。
【0041】
(乾燥装置の構造)
次に乾燥装置3の構造について図1図13を用いて説明する。乾燥装置3は、ヒータ20からシートSに供給される熱量を上げてシートSを乾燥させる一方、ヒータ20からシートSに供給される熱量を下げてシートSの溶融、発火等を抑制する。本実施形態の乾燥装置3は、ヒータ20における加熱を継続したままで、搬送経路に対してヒータ20及びシャッタ50を移動させることにより、ヒータ20からシートSに供給される熱量を制御可能な構成を有する。具体的に、乾燥装置3は、ヒータ20に対して搬送経路を開放する開位置Q2にシャッタ50を配置し、かつシートSの印刷部分を乾燥するための乾燥位置P2にヒータ20を配置することにより(図8図13)、シートSに供給される熱量を上げてシートSを乾燥させる。一方、乾燥装置3は、乾燥位置P2よりも搬送経路から離れた退避位置P1にヒータ20を配置し、かつヒータ20と搬送経路との間に介在するようにシャッタ50を閉位置Q1に配置することにより(図2図7)、ヒータ20からシートSに供給される熱量を下げる。
【0042】
このような乾燥装置3は、支持体10と、シートSを輻射熱によって加熱するヒータ20と、ヒータ20を支持するヒータ支持機構30と、ヒータ支持機構30を駆動することによりヒータ20を移動するヒータ駆動部40と、ヒータ20からの輻射熱を遮断するシャッタ50と、シャッタ50を支持するシャッタ支持機構60と、シャッタ支持機構60を駆動することによりシャッタ50を移動するシャッタ駆動部70と、を有する。
【0043】
支持体10は、支持壁5に固定されており、ヒータ支持機構30、ヒータ駆動部40、シャッタ支持機構60及びシャッタ駆動部70を支持する。支持体10は板状部材から構成される背面側支持部12を有している。背面側支持部12は、図4に示すように正面側のヒータ20と支持壁5との間に設けられている。
【0044】
ヒータ20は、ヒータ支持機構30と支持体10を介して搬送部4及び支持壁5に対して支持されており、搬送部4の搬送経路を搬送されるシートSを輻射熱によって加熱する。ヒータ20は、搬送経路の加熱区間Cに沿って延びており、往路加熱区間C1(図1)内のシートSに対向する位置に配置されている。図4に示すように、ヒータ20は、加熱部21と、ヒータカバー22と、を有する。
【0045】
加熱部21は、電源7からの電力を受けて輻射熱(具体的には、赤外線)を発生するように構成されており、例えば、ハロゲンヒータが用いられる。加熱部21は、ヒータカバー22により上方及び周囲を覆われ、ヒータカバー22の下方に開口した開口部から加熱部21に対して下方の搬送経路に輻射熱を放射する。加熱部21は、ヒータカバー22の内部において搬送経路に沿って配置されている。
【0046】
ヒータ支持機構30は、退避位置P1(図2及び図4)と乾燥位置P2(図8及び図10)との間で搬送経路に対して移動可能となるようにヒータ20を支持する。また、ヒータ支持機構30は、シートSに輻射熱を供給するためのヒータ20の加熱面とシートSの被加熱面とが概ね平行に維持された状態において、退避位置P1と乾燥位置P2との間においてヒータ20が移動可能となるようにヒータ20を支持する平行リンク機構を有する。このヒータ20の移動により、ヒータ20の退避位置P1への移動によりシートSに対する熱量を抑える過程において、輻射熱を受けるシートSの領域内の単位面積当たりの熱量を概ね均一にすることにより熱量の偏りを抑えることができる。同様に、ヒータ20の乾燥位置P2への移動によりシートSに対する熱量を増加させる過程においても熱量の偏りを抑えることができる。
【0047】
ヒータ支持機構30は、一対のアーム支持部31と、一対の第1アーム32と、一対の第2アーム33と、移動力保持部材35と、を有する。アーム支持部31、第1アーム32及び第2アーム33は、加熱区間Cの搬送方向の中央部に対して上流側及び下流側それぞれに設けられている。
【0048】
一対のアーム支持部31は、一対の第1アーム32及び一対の第2アーム33を回転可能に支持する。一対のアーム支持部31は、背面側支持部12から前方に突出する一対のブラケット31aと、一対のブラケット31a間に支持される一つの第1軸31bと、第1アーム32と第2アーム33とを回転可能に連結する一対の第2軸31cと、第1アーム32とヒータ20とを連結する一対の第3軸31d、第2アーム33とヒータ20とを連結する一対の第4軸31eと、を有する。第1軸31bは、一対のブラケット31aに亘って搬送方向に延びる。第1軸31bは、一対の第1アーム32を搬送方向と平行な軸回りに回転可能に支持している。各第2軸31cは、各アーム支持部31に設けられ、各第2アーム33を搬送方向と平行な軸回りに回転可能に支持している。各第3軸31dは、ヒータカバー22の上面に設けられた第1被取付部23aにおいて、各第1アーム32を搬送方向と平行な軸回りに回転可能に支持している。各第4軸31eは、ヒータカバー22の上面に設けられた第2被取付部23bにおいて、各第2アーム33を搬送方向と平行な軸回りに回転可能に支持している。
【0049】
一対の第1アーム32は、搬送方向に互いに離間した状態で第1軸31bにより回転可能に支持されている。各第1アーム32における第1軸31bを基準とした一方側の先端部は、第1被取付部23aに対して第3軸31d回りに回転可能に支持されている。各第1アーム32における第1軸31bを基準とした他方側の位置には、ピストン42の先端部が搬送方向に延びる軸回りに回転可能に接続されている。さらに、各第1アーム32における第1軸31bを基準としてヒータ20と反対側(ピストン42より基端側)に移動力保持部材35が取り付けられている。また、移動力保持部材35は、両第1アーム32に亘って搬送方向に延びている。
【0050】
各第2アーム33における一端部は、第2軸31cにより各第1アーム32に対して回転可能に支持されている。各第2アーム33における第2軸31cと反対側の先端部は、第2被取付部23bに対して第4軸31e回りに回転可能に支持されている。
【0051】
第1軸31bと、第2軸31cと、第3軸31dと、第4軸31eと、は以下の関係にある。具体的に、図10に示すように、第1軸31bと第2軸31cとを結ぶ直線A1は、第3軸31dと第4軸31eとを結ぶ直線A2と同一の長さである。また、第1軸31bと第3軸31dとを結ぶ直線B1は、第2軸31cと第4軸31eとを結ぶ直線B2と同一の長さである。つまり、直線A1、直線A2、直線A3、直線A4により平行四辺形が形成されるように第1軸31b、第2軸31c、第3軸31d及び第4軸31eが配置されている。
【0052】
移動力保持部材35は、ヒータ20が乾燥位置P2(図10)に配置された状態においてヒータ20を乾燥位置P2から退避位置P1に移動する方向の力を蓄える。移動力保持部材35から第1軸31bまでの距離は、ピストン42との接続部から第1軸31bまでの距離よりも長い。そのため、移動力保持部材35が蓄える力を効率よくヒータ20に伝えることができる。移動力保持部材35は本実施形態では搬送方向に延びる円筒状部材である。
【0053】
具体的に、移動力保持部材35は、所定の質量を有するおもりであり、退避位置P1から乾燥位置P2への20の移動により持ち上げられることによって位置エネルギーを蓄えるように第1アーム32に取り付けられている。前記所定の質量は、ヒータ駆動部40のエアシリンダが停止した場合に、ヒータ20を乾燥位置P2から退避位置P1まで上げることができる質量である。また、移動力保持部材35は、おもりに代えて、退避位置P1から乾燥位置P2への20の移動により付勢力を蓄えるように第1アーム32と支持体10との間に設けられた弾性部材により形成することもできる。
【0054】
ヒータ駆動部40は、ヒータ支持機構30を駆動することにより退避位置P1と乾燥位置P2との間でヒータ20を移動する。本実施形態では、退避位置P1と乾燥位置P2との間のヒータ20の移動経路は上下方向に沿っている。ヒータ駆動部40は、一対のシリンダ本体41と、一対のシリンダ本体41それぞれに対して伸縮可能なピストン42と、を有するエアシリンダにより構成されている。各シリンダ本体41は、搬送方向に延びる軸回りに回転可能な状態で背面側支持部12に接続されている。各ピストン42の先端部は、搬送方向に延びる軸回りに回転可能な状態で各第1アーム32に接続されている。
【0055】
シャッタ50は、ヒータ20から搬送経路に向かう輻射熱を遮断するための遮蔽部材である。本実施形態では、シャッタ50は加熱区間Cに亘って延びる一連の板状部材から形成されている。
【0056】
シャッタ支持機構60は、ヒータ20と搬送経路との間にシャッタ50が介在する閉位置Q1(図4図5)と、ヒータ20に対して搬送経路を開放する開位置Q2(図10図11)との間において、搬送方向と直交する直交方向(交差方向の一例)にシャッタ50が搬送部4に対して移動可能となるようにシャッタ50を支持する。シャッタ支持機構60は、搬送方向に互いに離間した状態で支持壁5に固定された一対のガイド部61と、シャッタ50に固定されているとともに搬送方向と直交する方向への移動が許容された状態でガイド部61にそれぞれ取り付けられた一対のシャッタ支持部62と、を備えている。
【0057】
開位置Q2と閉位置Q1との間のシャッタ50の移動経路は搬送方向と直交する直交方向に沿っている。具体的に、図4図5図10図11に示すように、直交方向は、水平方向に沿った方向である。また、上面視において開位置Q2は閉位置Q1から外れた位置である。
【0058】
シャッタ駆動部70は、シャッタ支持機構60を駆動することにより閉位置Q1と開位置Q2との間でシャッタ50を移動する。シャッタ駆動部70は、前記一対のシャッタ支持部62及び前記一対のガイド部61のそれぞれに取り付けられた一対のエアシリンダを有する。各エアシリンダは、ガイド部61に取り付けられたシリンダ本体71と、シリンダ本体71に対して前記直交方向に伸縮可能で、かつシャッタ支持部62に接続されたピストン72と、を有する。
【0059】
(乾燥装置の電気的構成)
次に、乾燥装置3の電気的構成について説明する。図14に示すように乾燥装置3は、ヒータ20、ヒータ駆動部40及びシャッタ駆動部70の駆動を制御する制御部80を有する。制御部80は、初期設定や制御プログラム等を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された制御プログラムに基づいて演算処理を実行するとともに電気的指令を出力するCPUと、を有する。また、乾燥装置3は、シート温度検出器91(図2)、輻射熱情報検出器92(図2)、ヒータ位置検出器93(図4図10)及びシャッタ位置検出器94(図5図11)を有する。
【0060】
シート温度検出器91は例えばシートSの表面及び内部等のシートSのシート温度を検出するための温度センサである。シート温度検出器91は例えば赤外線エネルギーを検出することで温度を測定する赤外線温度センサ等である。輻射熱情報検出器92はヒータ20から出力される輻射熱の温度を特定するための情報を検出するためのセンサである。検出される輻射熱の温度を特定するための情報は、例えば、ヒータ20の表面温度、ヒータ20が配置されている空間の温度、ブラケット31aの温度、あるいは、ヒータ20が消費している消費電力等である。輻射熱情報検出器92は例えば赤外線温度センサ、ヒータ20への供給電力を検出する電力計等である。
【0061】
ヒータ位置検出器93はヒータ20の搬送経路に対する上下方向のヒータ位置を検出するための位置検出センサである。シャッタ位置検出器94はシャッタ50の搬送経路に対する直交方向のシャッタ位置を検出するため位置検出センサである。各位置検出器93、94それぞれは、例えばシリンダ本体41及び71に取り付けられている。各位置検出器93、94は、例えば磁気センサであり、ピストン42及び72の移動に伴う磁場の変化を検出することによりピストン42及び72の位置を検出する。各位置検出器93、94は、検出されたピストン42及び72の位置に基づいてヒータ20又はシャッタ50の位置を検出する。
【0062】
制御部80は、搬送制御部81と、ヒータ駆動制御部82と、ヒータ出力制御部83と、シャッタ駆動制御部84と、条件判断部85と、入力部86と、を有する。
【0063】
搬送制御部81は、駆動ロール4aを駆動するモータ4cと、駆動ロール4bを駆動する不図示のモータとを制御し、シートSの搬送速度を調整する。搬送制御部81は、上述した記憶部に予め記憶された製品製造上の稼働条件などの諸条件(単位時間あたりの製造数等)に応じてシートSの搬送速度を調整する。なお、搬送制御部81は、モータ4cの回転速度に基づいて駆動ロール4bのモータの回転速度を調整する。
【0064】
入力部86は、スイッチ8を介して乾燥装置3の運転の開始、終了及び中断等の各種操作の入力を操作者から受け付ける。
【0065】
条件判断部85は、暖機運転、乾燥運転及び終了運転の開始の条件の成否を判断する。
【0066】
本実施形態では、条件判断部85は、入力部86が乾燥装置3の運転の開始の操作をスイッチ8から受け付けた場合、暖機運転開始の条件が成立したと判断する。その場合、条件判断部85は、暖機運転開始指令を生成する。
【0067】
また、条件判断部85は、暖機運転の開始後、輻射熱情報検出器92が検出した輻射熱の温度がシートSを乾燥するのに適した目標温度に到達した場合、乾燥運転の開始条件が成立したと判断する。その場合、条件判断部85は、乾燥運転開始指令を生成する。
【0068】
また、条件判断部85は、乾燥運転の開始後、シート温度検出器91が検出したシートSの温度がシートSが溶融、発火等する温度として予め設定された上限値を超えた場合、終了運転の開始条件が成立したと判断する。あるいは、条件判断部85は、入力部86が乾燥装置3の終了運転の操作をスイッチ8から受け付けた場合、終了運転の開始条件が成立したと判断する。条件判断部85は、終了運転の開始条件が成立したと判断した場合、終了運転開始指令を生成する。
【0069】
ヒータ駆動制御部82は、ヒータ位置検出器93による検出結果に基づいてヒータ支持機構30を制御する。具体的に、ヒータ駆動制御部82は、条件判断部85が暖機運転の開始条件が成立したと判断した場合、ヒータ位置検出器93によりヒータ位置が退避位置P1であることが検出されるまで、ヒータ駆動部40を制御してヒータ支持機構30を駆動することによりヒータ20を退避位置P1まで移動させる。
【0070】
ヒータ駆動制御部82は、条件判断部85が乾燥運転の開始条件が成立したと判断した場合、ヒータ位置検出器93によりヒータ位置が乾燥位置P2であることが検出されるまで、ヒータ駆動部40を制御してヒータ支持機構30を駆動することによりヒータ20を乾燥位置P2まで移動させる。
【0071】
ヒータ駆動制御部82は、条件判断部85が終了運転の開始条件が成立したと判断した場合、ヒータ位置検出器93によりヒータ位置が退避位置P1であることが検出されるまで、ヒータ駆動部40を制御してヒータ支持機構30を駆動することによりヒータ20を退避位置P1まで移動させる。
【0072】
シャッタ駆動制御部84は、シャッタ位置検出器94による検出結果に基づいてシャッタ支持機構60を制御する。具体的に、シャッタ駆動制御部84は、条件判断部85が暖機運転の開始条件が成立したと判断した場合、シャッタ位置検出器94によりシャッタ位置が閉位置Q1であることが検出されるまで、シャッタ駆動部70を制御してシャッタ支持機構60を駆動することによりシャッタ50を閉位置Q1まで移動させる。
【0073】
シャッタ駆動制御部84は、条件判断部85が乾燥運転の開始条件が成立したと判断した場合、シャッタ位置検出器94によりシャッタ位置が開位置Q2であることが検出されるまで、シャッタ駆動部70を制御してシャッタ支持機構60を駆動することによりシャッタを開位置Q2まで移動させる。
【0074】
シャッタ駆動制御部84は、条件判断部85が終了運転の開始条件が成立したと判断した場合、シャッタ位置検出器94によりシャッタ位置が閉位置Q1であることが検出されるまで、シャッタ駆動部70を制御してシャッタ支持機構60を駆動することによりシャッタを閉位置Q1まで移動させる。
【0075】
ヒータ出力制御部83は、輻射熱情報検出器92又はシート温度検出器91による検出結果に基づいてヒータ20の出力を制御する。具体的に、ヒータ出力制御部83は、条件判断部85が暖機運転の開始条件が成立したと判断した場合、輻射熱情報検出器92により輻射熱の温度が目標温度に到達したとことが検出されるまで、ヒータ20の出力を増加する。目標温度は、シートSを乾燥するのに適したヒータ20の輻射熱の温度である。
【0076】
ヒータ出力制御部83は、条件判断部85が乾燥運転の開始条件が成立したと判断した場合、シート温度検出器91によりシート温度がシート乾燥温度であることが検出されるようにヒータ20の出力を制御する。シート乾燥温度は、シートSの印刷部分を乾燥するのに適した温度として予め設定された温度である。
【0077】
ヒータ出力制御部83は、条件判断部85が終了運転の開始条件が成立したと判断した場合、ヒータ20の出力を停止するように制御する。
【0078】
暖機運転における制御部による制御について図15を用いて説明する。
(暖機運転における制御部による制御)
乾燥装置3の運転の開始の操作をスイッチ8を介して入力部86が受け付けたことに基づいて、条件判断部85により暖機運転の開始条件が成立したと判定され、暖機運転開始指令が生成されると(ステップS1でYES)、ヒータ20を退避位置P1(図4)に向けて移動させる(ステップS2)。具体的には、エアシリンダを図10に示す縮小状態から図4に示す伸長状態に駆動することにより、両アーム32、33を介してヒータ20を上昇させる。
【0079】
次に、ヒータ位置検出器93による検出結果に基づいてヒータ20のヒータ位置が退避位置P1かどうかが判定され、ヒータ20が退避位置P1に到達したと判定されると(ステップS3でYES)、ヒータ20の移動を停止させる(ステップS4)。次に、シャッタ50を閉位置Q1(図4図5)に向けて移動させる(ステップS5)。具体的には、エアシリンダを図11に示す伸長状態から図5に示す縮小状態に駆動することにより、シャッタ支持部62を閉位置Q1に向けて搬送方向と直交する直交方向に移動させる。
【0080】
次に、シャッタ位置検出器94による検出結果に基づいてシャッタ50のシャッタ位置が閉位置Q1かどうかが判定され、シャッタ50が閉位置Q1に到達したと判定されると(ステップS6でYES)、シャッタ50の移動を停止させる(ステップS7)。次に、ヒータ20による加熱部21からの輻射熱の出力を開始する(ヒータ出力ON)(ステップS8)。また、図示しないヒータ冷却ファンの駆動を開始(ヒータ冷却ファンON)する(ステップS8)。
【0081】
次に、輻射熱情報検出器92が検出したヒータ20からの輻射熱の温度が予め記憶された目標温度となるようにヒータ20が加熱され、ヒータ温度制御が実行される(ステップS9)。そして、輻射熱の温度が目標温度かどうかが判定される(ステップS10)。
【0082】
輻射熱の温度が目標温度に到達すると(ステップS10でYES)、ヒータ20の加熱によるヒータ温度制御が停止される(ステップS11)。次に、条件判断部85により乾燥運転開始指令が生成される(ステップS12)。
【0083】
以上のような暖機運転により、ヒータ20が退避位置P1に配置されシャッタ50が閉位置Q1に配置された状態で、ヒータ20からの輻射熱の温度を目標温度まで上げることができる。そのため、ヒータ20からシートSへ与えられる熱を遮断した状態で、輻射熱の温度をシートSの乾燥に適した目標温度に増加させることができる。これにより、例えば、暖機運転においてシートSの搬送速度が所定の搬送速度(定常速度)よりも低い場合に、ヒータ20からシートSへ輻射熱が供給されるのを抑えることができる。そして、乾燥運転の開始前に、ヒータ20からの輻射熱の温度を目標温度に上げることができる。なお、ヒータ冷却ファンの駆動の目的は、ヒータ20自体の温度を所定の運転温度以下に抑えることによりヒータ20の長寿命化を図ることにある。
【0084】
乾燥運転における制御部による制御について図16を用いて説明する。
(乾燥運転における制御部による制御)
本実施形態では、上記暖機運転の終了状態において、ヒータ20は退避位置P1に配置され、シャッタ50は閉位置Q1に配置されている。
【0085】
暖機運転の開始後、輻射熱情報検出器92が検出した輻射熱の温度がシートSを乾燥するのに適した目標温度に到達したことに基づいて、条件判断部85により乾燥運転の開始条件が成立したと判定され、乾燥運転開始指令が生成されると(ステップS21でYES)、シャッタ50を開位置Q2に向けて移動させる(ステップS22)。具体的には、エアシリンダを図5に示す縮小状態から図11に示す伸長状態に駆動することにより、シャッタ支持部62を開位置Q2に向けて搬送方向と直交する直交方向に移動させる。
【0086】
次に、シャッタ位置検出器94による検出結果に基づいてシャッタ50のシャッタ位置が開位置Q2かどうかが判定され、シャッタ50が開位置Q2に到達したと判定されると(ステップS23でYES)、シャッタ50の移動を停止させる(ステップS24)。次に、ヒータ20を乾燥位置P2に向けて移動させる(ステップS25)。具体的には、エアシリンダを図4に示す伸長状態から図10に示す縮小状態に駆動することにより、両アーム32、33を介してヒータ20を下降させる。
【0087】
ここで、移動力保持部材35及び第1アーム32の他端部は、移動力保持部材35の重力に逆らって上昇する。つまり、ヒータ20が乾燥位置P2に配置された状態において、移動力保持部材35は、乾燥位置P2から退避位置P1に移動する方向の力を蓄えている。これにより、例えば、ヒータ20が乾燥位置P2に配置された状態において、ヒータ駆動部40に異常が生じてヒータ支持機構30を駆動できない場合、移動力保持部材35の付勢力により、ヒータ20は乾燥位置P2から退避位置P1に移動する。よって、ヒータ20が乾燥位置P2に固定されてシートSが加熱され過ぎるのを抑制することができる。
【0088】
次いで、ヒータ位置検出器93による検出結果に基づいてヒータ20のヒータ位置が乾燥位置P2かどうかが判定され、ヒータ20が乾燥位置P2に到達したと判定されると(ステップS26でYES)、ヒータ20の移動を停止させる(ステップS27)。次に、ヒータ20の温度制御が実行される(ステップS28)。具体的に、ステップS28では、シート温度検出器91が検出したシートSの温度と、シートSの印刷部分を乾燥するのに適した温度として予め設定されたシート乾燥温度とが比較される。シートSの温度がシート乾燥温度未満の場合は、加熱部21から出力される輻射熱の熱量を増加させるようにヒータ20の温度が制御される。一方、シートSの温度がシート乾燥温度を超える場合は、加熱部21から出力される輻射熱の熱量が減少するようにヒータ20の温度が制御される。このようにヒータ20からの熱量が調整されることで、シートSの加熱しすぎによるシートSの溶融、発火等を抑制することができる。
【0089】
ヒータ20の温度制御の基礎となる情報は、シートSの温度に限定されず、輻射熱の温度でもよい。
【0090】
また、ヒータ20の温度制御の基礎となる情報は、シートSの搬送速度でもよい。具体的に、搬送制御部81から取得したシートSの搬送速度が所定の搬送速度(定常速度)よりも低い場合は、加熱部21から出力される輻射熱の熱量が減少されるようにヒータ20の加熱部21が制御されてもよい。一方、シートSの搬送速度が所定の搬送速度よりも高い場合は、加熱部21から出力される輻射熱の熱量が増加されるように制御される。
【0091】
終了運転における制御部による制御について図17を用いて説明する。
(終了運転における制御部による制御)
乾燥運転の開始後、シート温度検出器91が検出したシートSの温度がシートSが溶融、発火等する温度として予め設定された上限値を超えた場合、条件判断部85により終了運転の開始条件が成立したと判定され、終了運転開始指令が生成されると(ステップS31でYES)、ヒータ20の加熱部21からの輻射熱の出力を停止させる(ヒータ出力OFF)(ステップS32)。次いで、ヒータ20を退避位置P1に向けて移動させる(ステップS33)。
【0092】
次に、ヒータ位置検出器93による検出結果に基づいてヒータ20のヒータ位置が退避位置P1かどうかが判定され、ヒータ20が退避位置P1に到達したと判定されると(ステップS34でYES)、ヒータ20の移動を停止させる(ステップS35)。次に、シャッタ50を閉位置Q1に向けて移動させる(ステップS36)。
【0093】
次に、シャッタ位置検出器94による検出結果に基づいてシャッタ50のシャッタ位置が閉位置Q1かどうかが判定され、シャッタ50が閉位置Q1に到達したと判定されると(ステップS37でYES)、シャッタ50の移動を停止させる(ステップS38)。次に、輻射熱情報検出器92が検出したヒータ20からの輻射熱の温度が冷却基準温度に到達したか否かが判定される(ステップS39)。ここで、輻射熱の温度が冷却基準温度に到達したと判定されると(ステップS39でYES)、ヒータ冷却ファンをOFFにして(ステップS40)、当該処理を終了する。なお、冷却基準温度は、ヒータ20の輻射熱の温度が十分に低くなり、搬送経路を搬送されるシートSに悪影響を与えない温度という予め設定された温度である。
【0094】
終了運転の処理が実行されることにより、ヒータ20が退避位置P1に移動された状態においてシャッタ50が閉位置Q1に移動される。よって、シートSに供給される熱量を抑制し、シートSの温度が必要以上に高くなるのを抑制することにより、シートSの溶融、発火等を抑制できる。
【0095】
ここで、本実施形態では、図4図5図10図11に示すように、乾燥位置P2と退避位置P1との間の移動経路と交差する位置に閉位置Q1が設定されている。さらに、開位置Q2は閉位置Q1から直交方向に外れた位置に配置されている。ヒータ20が乾燥位置P2に配置された状態において、シャッタ50が開位置Q2から閉位置Q1に移動すると、ヒータ20とシャッタ50とが干渉する。本実施形態では、ヒータ20が退避位置P1に配置されている状態で、シャッタ50が開位置Q2から閉位置Q1に移動されるため、ヒータ20とシャッタ50とは干渉しない。また、シャッタ50が開位置Q2に配置されている状態で、ヒータ20が乾燥位置P2に移動されるため、ヒータ20とシャッタ50とは干渉しない。そのため、ヒータ20とシャッタ50との干渉を防ぎながらシートSを乾燥させることができる。
【0096】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の態様を採用することもできる。
【0097】
(A)上記では、シャッタ50は加熱区間Cに亘って一連の遮蔽部材を構成している。しかし、例えば、シャッタ50は2つの第1及び第2遮蔽部材を有し、第1及び第2遮蔽部材が搬送方向に沿って並んで加熱区間Cに配置されていてもよい。この場合、2つの第1及び第2遮蔽部材の両方が閉位置Q1に配置されていてもよいし、第1又は第2遮蔽部材が閉位置Q1に配置されていてもよいし、2つの第1及び第2遮蔽部材の両方が開位置Q2に配置されていてもよい。第1及び第2遮蔽部材の少なくとも1つが閉位置Q1に配置される場合、予めヒータ20は退避位置P1に移動される。
【0098】
さらに、2つの第1及び第2遮蔽部材それぞれに対してヒータ20が個別に設けられていてもよい。この場合、例えば、一方のヒータ20が退避位置P1に配置されている状態で、対応する一方の遮蔽部材が閉位置Q1に移動可能である。
【0099】
(B)上記実施形態では、ヒータ20は、ヒータ支持機構30により移動可能に支持されている。しかし、ヒータ20は所定の位置に固定されていてもよい。所定位置は、ヒータ20によりシートSの印刷部分を乾燥可能な位置である。例えば、所定位置が乾燥位置P2である場合、乾燥位置P2のヒータ20と搬送経路を搬送されるシートSとの間に閉位置Q1のシャッタ50が配置される。つまり、ヒータ20が乾燥位置P2に固定されている状態において、シャッタ50は、閉位置Q1と閉位置Q1から直交方向に外れた開位置Q2との間を移動可能である。
【0100】
(C)上記では移動力保持部材35が設けられているが、移動力保持部材35は省略されてもよい。
【符号の説明】
【0101】
3 :乾燥装置
4 :搬送部
20 :ヒータ駆動部
24 :ヒータ支持機構
28 :移動力保持部材
30 :ヒータ
40 :シャッタ駆動部
43 :シャッタ支持機構
50 :シャッタ
61 :シート温度検出器
62 :輻射熱情報検出器
63 :ヒータ位置検出器
64 :シャッタ位置検出器
72 :ヒータ駆動制御部
73 :ヒータ出力制御部
74 :シャッタ駆動制御部
75 :条件判断部
P1 :退避位置
P2 :乾燥位置
Q1 :閉位置
Q2 :開位置
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