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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096224
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】鳥害防止具用取付具
(51)【国際特許分類】
   A01M 29/32 20110101AFI20220622BHJP
   H02G 7/00 20060101ALI20220622BHJP
   H02G 1/02 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
A01M29/32
H02G7/00
H02G1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209208
(22)【出願日】2020-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】森脇 信次
【テーマコード(参考)】
2B121
5G352
5G367
【Fターム(参考)】
2B121AA07
2B121BB25
2B121BB32
2B121BB35
2B121EA21
5G352AC01
5G367AC01
5G367AD09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】鳥害を防止する鳥害防止具を取り付ける取付対象物の態様に合わせて、鳥害防止具を取り付けることができる鳥害防止具用取付具を提供する。
【解決手段】鳥害防止具用取付具1は、鳥害防止具を取り付け可能な板状の取付板部2と、鳥害防止具を取り付ける取付対象物に係合可能な係合部3と、を備え、係合部3は、取付板部2に連結され、取付板部2の裏面から面方向と交差する方向に延び、取付板部2は、鳥害防止具を表面及び裏面のうち選択された任意の面に立設可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鳥害防止具を取り付け可能な板状の取付板部と、鳥害防止具を取り付ける取付対象物に係合可能な係合部と、を備え、
前記係合部は、前記取付板部に連結され、前記取付板部の裏面から面方向と交差する方向に延び、
前記取付板部は、前記鳥害防止具を表面及び前記裏面のうち選択された任意の面に立設可能である鳥害防止具用取付具。
【請求項2】
前記取付板部には、前記表面から前記裏面に貫通し、前記鳥害防止具を挿通可能な取付孔が前記取付板部の前記表面又は前記裏面方向に沿う第一方向に離間して複数形成され、
前記係合部は、前記取付板部における前記第一方向の端部に連結される請求項1に記載の鳥害防止具用取付具。
【請求項3】
前記取付対象物に係合可能で、前記取付板部に対して着脱可能な着脱係合部を備え、
前記係合部は、前記取付板部の端部に連結され、
前記着脱係合部は、前記取付板部のうち、前記係合部と面方向で対向する位置に着脱可能である請求項1又は2に記載の鳥害防止具用取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鳥害防止具を取付対象物に取り付けるために使用される鳥害防止具用取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鳥害防止具用取付具として特許文献1に記載のような変圧器用鳥害防止具が知られている。変圧器用鳥害防止具は、鳥が柱上変圧器に営巣することを防止するための鳥害防止部が上端部に設けられた軸部材と、軸部材の軸方向に沿って移動可能な軸受部材と、一端部が軸受部材に取り付けられ、他端部がフック状にされた3本の脚部材と、を備える。
【0003】
上記のような変圧器用鳥害防止具によれば、3本の脚部材のフック状にされた他端部を変圧器の本体と上蓋の側面との間に挿入して、軸部材の下端面と3本の足部材とで変圧器の上蓋を挟むことで、鳥害防止部が柱上変圧器に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-107886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のような鳥害防止具は、変圧器の蓋体のような、フック状の部材と軸部材で挟むことができる取付対象物に取り付けることができる。しかしながら、営巣等の鳥害が起こる箇所は、変圧器の蓋体の上のような箇所に限らない。例えば送電線の上のような、フック状の部位と軸部材で挟むことのできない箇所で鳥害が起こることがある。このような箇所には、鳥害防止具を取り付けることが困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、鳥害を防止する鳥害防止具を取り付ける取付対象物の態様に合わせて、鳥害防止具を取り付けることができる鳥害防止具用取付具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる鳥害防止具用取付具は、鳥害防止具を取り付け可能な板状の取付板部と、鳥害防止具を取り付ける取付対象物に係合可能な係合部と、を備え、前記係合部は、前記取付板部に連結され、前記取付板部の裏面から面方向と交差する方向に延び、前記取付板部は、前記鳥害防止具を表面及び前記裏面のうち選択された任意の面に立設可能に構成される。
【0008】
かかる構成によれば、取付板部の表面及び裏面のうち選択された任意の面に鳥害防止具を立設可能であるので、取付対象物の態様に合わせて、取付板部の表側又は裏側に鳥害防止具を立設することができる。例えば、係合部を下向きにして取付対象物に係合させた場合には、上方に面している取付板部の表面に鳥害防止具を立設し、係合部を上向きにして取付対象物に係合させた場合には、上方に面している取付板部の裏面に鳥害防止具を立設できる。
【0009】
また、前記取付板部には、前記表面から前記裏面に貫通し、前記鳥害防止具を挿通可能な取付孔が前記取付板部の前記表面又は前記裏面方向に沿う第一方向に離間して複数形成され、前記係合部は、前記取付板部における前記第一方向の端部に連結されるよう構成することもできる。
【0010】
かかる構成によれば、取付孔が第一方向に離間して複数形成され、係合部は取付板部の端部に連結されるので、取付板部における鳥害防止具を立設する位置を変え、取付対象物の態様に合わせて係合部から鳥害防止具までの距離を選択することができる。
【0011】
また、前記取付対象物に係合可能で、前記取付板部に対して着脱可能な着脱係合部を備え、前記係合部は、前記取付板部の端部に連結され、前記着脱係合部は、前記取付板部のうち、前記係合部と面方向で対向する位置に着脱可能であるよう構成することもできる。
【0012】
かかる構成によれば、取付板部に着脱可能な着脱係合部を備えるので、係合部の係合だけでは不安定な場合等、必要に応じて着脱係合部を取付板部に装着し、着脱係合部を取付対象物に係合させることができる。よって、取付対象物の態様に合わせて、着脱係合部を取付対象物に係合させ、安定して鳥害防止具を使用することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、鳥害を防止する鳥害防止具を取り付ける取付対象物の態様に合わせて、鳥害防止具を取り付けることができる鳥害防止具用取付具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る鳥害防止具用取付具の斜視図である。
図2】同鳥害防止具用取付具の正面図である。
図3】同鳥害防止具用取付具の平面図である。
図4】同鳥害防止具用取付具の底面図である。
図5】同鳥害防止具用取付具の右側面図である。
図6】同鳥害防止具用取付具の左側面図である。
図7】同鳥害防止具用取付具の第一の使用状態を示す図である。
図8】同鳥害防止具用取付具の第二の使用状態を示す図である。
図9図8に示すIX-IX断面図である。
図10】本発明の他の実施形態に係る鳥害防止具用取付具の斜視図である。
図11】同鳥害防止具用取付具の正面図である。
図12】同鳥害防止具用取付具の平面図である。
図13】同鳥害防止具用取付具の底面図である。
図14】同鳥害防止具用取付具の右側面図である。
図15】同鳥害防止具用取付具の左側面図である。
図16】同鳥害防止具用取付具の使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係る鳥害防止具用取付具1について、図1乃至図9を参照して説明する。以下説明において、第一方向、第二方向、及び第三方向は、図1に示す方向を基準に説明する。
【0016】
図1に示すように、鳥害防止具用取付具1は、取付板部2と、係合部3と、を備える。このような鳥害防止具用取付具1は、鳥害防止具Aを取付対象物に取り付ける際に使用される(図7図8参照)。また、鳥害防止具用取付具1は、取付板部2に対して着脱可能な着脱係合部4を備える。なお、本実施形態の鳥害防止具用取付具1の背面図は、正面図と対称に表れる。さらに、このような鳥害防止具用取付具1は、取付板部2及び係合部3が樹脂で構成され、着脱係合部4が金属で構成される。
【0017】
図3及び図4に示すように、取付板部2は、鳥害防止具Aを取り付け可能な板状体である。また、本実施形態の取付板部2は、長手方向及び短手方向を有する。具体的に、取付板部2は、第一方向としての長手方向に長い板状の板本体部21と、板本体部21の第一方向に対して面方向で直交する短手方向(第二方向)の端部に設けられる板補強部22と、を備える。さらに、取付板部2は、長手方向の一端部(第一方向の一端部)で係合部3と連結している(図2参照)。また、取付板部2は、板本体部21の表面及び裏面のうち、選択された任意の面に鳥害防止具Aを立設することができるように構成されている。さらに、板本体部21の表面及び裏面は、ともに平面で、平行である。
【0018】
板本体部21は、第一方向(長手方向)に長い、四角形状の板状で、表面から裏面(第一方向及び第二方向に直交する第三方向)に貫通する複数の孔が形成されている。具体的に、板本体部21には、鳥害防止具Aを挿通可能な取付孔211と、取付対象物に当接する固定補助具を挿通可能な補助挿通孔212と、が形成されている。取付孔211は、板本体部21の長手方向(第一方向)に離間して複数形成されている。また、取付孔211は、板本体部21の短手方向(第二方向)の略中央部分に形成された孔である。さらに、本実施形態の取付孔211は、板本体部21の長手方向で中央部よりも他端側(図示左側)の位置に偏って3つ形成されている。また、本実施形態の取付孔211は、円形の孔である。補助挿通孔212は、板本体部21の長手方向の両端部(第一方向の両端部)に形成された孔である。また、補助挿通孔212は、板本体部21の短手方向の中央部分に形成されている。さらに、本実施形態の補助挿通孔212は、円形の孔である。
【0019】
図3に示すように、板補強部22は、板本体部21の表面に設けられ、板本体部21を補強する。具体的に、板補強部22は、板本体部21の長手方向(第一方向)に亘って延びるリブである。本実施形態で、板補強部22は、板本体部21の短手方向両端部(第二方向の両端部)に設けられる。即ち、板補強部22は、板本体部21の表面の短手方向両端部(第二方向の両端部)に突設されるリブである。
【0020】
図2図5及び図6に示すように、係合部3は、取付対象物に係合可能な部位である。また、係合部3は、取付板部2の裏面に連結され、取付板部2の裏面の面方向に交差する方向に延びる。さらに、係合部3は、延設方向である第三方向の一端部(図示上端部)が取付板部2に連結され、他端部(図示下端部)が取付対象物に係合する。具体的に、係合部3は、一端部が取付板部2に連結される板状の係合板部31と、係合板部31の他端部に設けられる係合本体部32と、係合板部31の一端部から他端部に亘って延びる係合補強部33と、を備える。
【0021】
係合板部31は、取付板部2の裏面の面方向と交差する方向に延びる四角形状の板状体である。また、係合板部31は、上下方向に延びる板状体である。さらに、本実施形態の係合板部31は、取付板部2の裏面の面方向と直交する方向に延びる。また、係合板部31は、延設方向の一端部が取付板部2に連結され、他端部に係合本体部32が設けられる。即ち、係合板部31は、取付板部2と係合本体部32を連結している。
【0022】
図2に示すように、係合本体部32は、係合板部31の他端部に設けられ、取付対象物と係合する部位である。本実施形態の係合本体部32は、爪状である。即ち、本実施形態の係合本体部32は、爪が取付対象物に引っ掛かることで取付対象物に係合する。さらに、本実施形態の係合本体部32は、係合板部31の他端部から、取付板部2の長手方向における他端側かつ係合板部31の延設方向一端側の方向に延びる爪部である。具体的に、係合本体部32は、係合板部31の他端側から、取付板部2の長手方向における他端側に向かって延設する爪横延設部321と、爪横延設部321の取付板部2の長手方向における他端側の端部から係合板部31の延設方向一端側(第三方向一端側)に向かって延設する爪上下延設部322と、を備える。
【0023】
図5に示すように、係合補強部33は、係合板部31に設けられるリブである。具体的に、係合補強部33は、係合板部31の幅方向の両端部(第二方向両端部)に設けられる。また、係合補強部33は、係合板部31の第三方向一端部から爪横延設部321の中途部分までに亘って延びるリブである。さらに、係合補強部33は、係合部3の表面(取付板部2の表面と連結される面、第一方向一端側の面)に突設されるリブである。即ち、係合補強部33は、係合部3の短手方向両端部(第二方向の両端部)に突設されるリブである。
【0024】
図2に示すように、取付板部2と係合部3はそれぞれの端部同士が連結されている。具体的に、取付板部2の長手方向一端部(図示右側の端部)と係合部3の延設方向一端部(図示上側の端部)とが連結されている。本実施形態では、板本体部21の長手方向一端部と係合板部31の延設方向一端部とが連結されている。また、板補強部22の長手方向一端部(右側の端部)と係合補強部33の上端部も連結されている。さらに、取付板部2と係合部3は、取付板部2の長手方向と係合板部31の延設方向とが直交するように連結されている。また、本実施形態では、取付板部2の裏面(図示下側の面)に係合部3が連結されている。即ち、係合部3は、取付板部2から第三方向他端側(板補強部22が設けられる側とは反対側)に向かって伸びるように連結されている。
【0025】
図7に示すように、着脱係合部4は、取付対象物に係合可能で、取付板部2に対して着脱可能な部位である。具体的に、着脱係合部4は、取付板部2に対して着脱可能な着脱部41と、取付対象物に係合可能な着脱係合本体部42と、を備える。
【0026】
着脱部41は、取付板部2に対して装着及び取外し可能である。本実施形態の着脱部41は、左右方向(第一方向)に延びる板状である。また、本実施形態の着脱部41には、上下方向(第三方向)に貫通する、固定補助具としてのボルト5を挿通可能なボルト挿通孔411が形成されている。具体的に、本実施形態の着脱部41は、取付板部2の補助挿通孔212及び着脱部41のボルト挿通孔411を重ね合わせ、重ねた孔にボルト5を挿通し、ナットで締めることで、取付板部2に装着される。さらに、着脱部41は、着脱係合本体部42を連結可能な着脱連結部412を備える。本実施形態の着脱連結部412は、着脱係合本体部42を挿通可能な孔が形成される部位である。また、本実施形態の着脱連結部412は、着脱部41の延設方向(第一方向)他端部に設けられる。
【0027】
着脱係合本体部42は、着脱部41に連結され、他端部(図示下端部)が取付対象物に係合可能な部位である。本実施形態の着脱係合本体部42は、上下方向(第三方向)に延びる棒状の部位である。具体的に、着脱係合本体部42は、中途部分が着脱部41に連結され、下側に向かって延設する着脱上下延設部421と、他端部に、取付対象物に係合可能な爪状の着脱爪部422を備える。
【0028】
以上のような構成の鳥害防止具用取付具1の使用方法について、図7及び図8を参照して説明する。本実施形態の鳥害防止具用取付具1は、図7に示すような、第一の使用形態と、図8に示すような第二の使用形態と、のいずれかを選択して使用することができる。また、第一の使用形態は、例えば柱上変圧器Bの蓋B1の上部に取り付ける場合として説明し、第二の使用形態は、例えば電柱Cに取り付ける場合として説明する。
【0029】
図7に示すように、第一の使用形態で、鳥害防止具Aは、取付板部2の表面に立設される。また、鳥害防止具用取付具1は、係合部3が取付板部2から下向きに延設するような向きで使用される。即ち、第一の使用形態で、鳥害防止具Aは、係合部3が延びる方向と反対側に向かって延びるように立設される。具体的に、鳥害防止具Aは、取付孔211に挿通され、ナットで締めることで取付板部2に取り付けられる。また、本実施形態で、取り付けられた鳥害防止具Aの左右方向(第一方向)の幅は、取付板部2の左右方向(第一方向)の幅よりも大きい。即ち、鳥害防止具用取付具1の左右方向の幅(取付板部2の長手方向の長さ)は、取り付けられる鳥害防止具Aの左右方向の幅よりも小さい。そのため、取付板部2上に鳥が止まりにくくなる。
【0030】
また、図7に示すように、鳥害防止具用取付具1は、蓋B1の側面部B2に対して係合することで、蓋B1に取り付けられる。また、鳥害防止具用取付具1は、補助挿通孔212にボルト5を挿通され、該ボルト5の下端面が蓋B1の上面部B3に当接して、蓋B1をボルト5及び係合本体部32で上下から挟むことで、蓋B1に固定される。本実施形態では、取付板部2に形成される2つの補助挿通孔212のいずれにもボルト5が挿通され、該ボルト5の下端面が蓋B1の上面部B3に当接するように取付板部2にナットで固定されている。ここで、係合補強部33は、爪横延設部321の中途部分までだけ設けられるので、爪上下延設部322が蓋B1の内方に入り込む際に係合補強部33が蓋B1に干渉することを抑制できる。
【0031】
さらに、取付板部2には、着脱係合部4が装着され、着脱係合部4は、蓋B1に係合している。具体的に、着脱係合部4は、着脱爪部422が蓋B1の側面部B2に係合し、着脱部41が取付板部2に装着されることで、蓋B1に係合しつつ、取付板部2に装着されている。また、取付板部2の長手方向(左右方向)一端側で係合部3が蓋B1に係合し、他端側で着脱係合部4が蓋B1に係合しているので、鳥害防止具用取付具1は、蓋B1の側面部B2に、面方向で対向する2か所で係合する。
【0032】
図8に示すように、第二の使用形態で、鳥害防止具Aは、取付板部2の裏面に立設される。また、鳥害防止具用取付具1は、係合部3が取付板部2から上向きに延設するような向きで使用される。即ち、第二の使用形態で、鳥害防止具Aは、係合部3が伸びる方向と同じ方向に向かって延びるように立設される。具体的に、鳥害防止具Aは、取付孔211に挿通され、ナットで締めることで取付板部2に取り付けられる。
【0033】
また、鳥害防止具用取付具1は、バンドDを介して電柱Cに取り付けられる。具体的に、鳥害防止具用取付具1は、電柱Cに巻き付けられたバンドDに係合部3を係合させることで電柱Cに取り付けられる。本実施形態では、係合本体部32をバンドDにひっかけ、係合板部31の延設方向他方側の端部が締め付けられることで、鳥害防止具用取付具1が電柱Cに取付られる。また、鳥害防止具用取付具1は、例えば、電柱Cの周方向に沿うように延びる送電線E(縁線)の上方に配置される。よって、電柱Cの周方向に沿うように延びる送電線E(縁線)の上部に鳥害防止具Aを取り付けることができるので、電柱Cの周方向に沿うように延びる送電線E(縁線)の上部で鳥害が発生することを抑制できる。
【0034】
なお、電柱Cに鳥害防止具用取付具1を取り付ける場合には、鳥害防止具用取付具1の取付位置の下方に支持可能な物体が存在しないため、補助挿通孔212にボルト5を挿通せず、着脱係合部4を取付板部2に取り付けないようにすることができる。また、送電線Eの上方に鳥害防止具用取付具1を取り付ける際には、補助挿通孔212にボルト5を挿通しないことで、送電線Eとボルト5が接触し、事故が発生することを抑制できる。
【0035】
また、図9に示すように、鳥害防止具用取付具1がバンドDを介して電柱Cに取り付けられた際には、電柱Cの周面に一対の係合補強部33が当接する。よって、鳥害防止具用取付具1を電柱Cに対してがたつきなく取り付けることができる。
【0036】
以上のような鳥害防止具Aによれば、取付板部2の表面及び裏面のうち選択された任意の面に鳥害防止具Aを立設可能であるので、取付対象物の態様に合わせて、取付板部2の表側又は裏側に鳥害防止具Aを立設することができる。
【0037】
また、取付孔211が第一方向に離間して複数形成され、係合部3は取付板部2の端部に連結されるので、取付板部2における鳥害防止具Aを立設する位置を変え、取付対象物の態様に合わせて係合部3から鳥害防止具Aまでの距離を選択することができる。
【0038】
さらに、取付板部2に着脱可能な着脱係合部4を備えるので、係合部3の係合だけでは不安定な場合等、必要に応じて着脱係合部4を取付板部2に装着し、着脱係合部4を取付対象物に係合させることができる。よって、取付対象物の態様に合わせて、着脱係合部4を取付対象物に係合させ、安定して鳥害防止具Aを使用することができる。また、送電線Eの上方のような箇所に鳥害防止具Aを取り付ける場合に、着脱係合部4を取外しすることができるので、着脱係合部4が送電線Eに触れ、事故が起こることを抑制できる。さらに、取付対象物の態様に合わせて、着脱係合部4を取付対象物に係合させてから取付板部2に装着できるので、作業性が高まる。
【0039】
また、取付板部2には、取付対象物に当接する固定補助具(ボルト5)を挿通可能な補助挿通孔212が形成されているので、柱上変圧器Bの蓋B1のような面状の取付対象物の上に鳥害防止具Aを取り付ける場合に、固定補助具を補助挿通孔212に挿通させ、取付対象物の上部に当接させた状態で、取付板部2に固定することで、取付板部2を固定補助具で支えることができる。
【0040】
さらに、取付板部2の長手方向一端部及び他端部に固定補助具(ボルト5)を挿通可能な補助挿通孔212が形成されるので、柱上変圧器Bの蓋B1のような面上の取付対象物の上に鳥害防止具Aを取り付ける場合に、固定補助具で取付板部2の長手方向の両端部を支持し、取付板部2を蓋B1上に安定して取り付けることができる。
【0041】
また、係合部3は、上下方向に延び、一端部が取付板部2に連結される係合板部31と、係合板部31の他端部に連結される係合本体部32と、を備えるので、取付対象物に取り付けたときに、係合本体部32が係合する高さと取付板部2が設けられる高さに差ができる。よって、係合本体部32が係合する高さよりも上方又は下方に離間して鳥害防止具Aを取り付けることができるため、例えば電柱Cの周囲に位置する送電線Eの沿線部分の上方に鳥害防止具Aを取り付ける場合に、送電線Eを支持する支持物などに干渉しづらくなる。
【0042】
さらに、係合部3は、表面に、係合部3の延設方向に延びる一対の係合補強部33を備えるので、鳥害防止具用取付具1がバンドDを介して電柱Cに取り付けられた際には、電柱Cの周面に一対の係合補強部33が当接するため、鳥害防止具用取付具1を電柱Cに対してがたつくことを抑制できる。
【0043】
また、係合補強部33は、係合板部31の延設方向一端部から爪横延設部321の中途部分までに亘って延びるので、係合部3を補強しつつ、爪上下延設部322が蓋B1の内部に入り込む際に干渉しづらくなる。よって、作業性と強度を両立できる。
【0044】
以上、本発明の実施形態について一例を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0045】
例えば、係合部3は、爪で取付対象物に係合するとして説明したが、他の方法で係合するように構成してもよい。例えば、係合部3と取付対象物をボルト5ナットで締め付けて係合させるように構成してもよい。
【0046】
また、係合部3は取付板部2に対して直交する方向に延びる場合について説明したが、このような構成に限らず、取付板部2の裏面の面方向に対して交差する方向であれば、直交していなくてもよい。
【0047】
さらに、取付板部2に取付孔211が複数形成されている場合について説明したが、このような場合に限らず、取付孔211は1つだけ形成されていてもよい。また、取付孔211が形成される位置や、取付孔211の形状も上記実施形態の位置・形状に限定されず、任意の位置・形状とすることができる。
【0048】
また、取付板部2に補助挿通孔212が複数形成されている場合について説明したが、このような場合に限らず、補助挿通孔212は1つだけ形成されていてもよい。また、補助挿通孔212が形成される位置や、補助挿通孔212の形状も上記実施形態の位置・形状に限定されず、任意の位置・形状とすることができる。
【0049】
さらに、鳥害防止具Aを電柱C又は柱上変圧器Bに取り付ける場合について説明したが、取り付け位置はこれらに限らない。
【0050】
また、取付板部2の長手方向の一端部に係合部3が、他端部に着脱係合部4が連結されるとして説明したが、このような構成に限らない。例えば、係合部3が取付板部2の長手方向の中途部に設けられていてもよいし、取付板部2の長手方向の両端にそれぞれ取外しできない係合部3が設けられていてもよいし、両端に着脱可能な係合部3が設けられていてもよい。
【0051】
さらに、着脱係合部4は、横方向に延びる着脱部41と、一端部が着脱部41の端部に連結され、上下方向に延びる着脱係合本体部42と、を備え、着脱係合本体部42の他端部には着脱爪部422が設けられるとして説明したが、このような構成に限らず、取付板部2に着脱可能、かつ、取付対象物に係合可能な種々の構成を採用することができる。例えば、着脱部41と着脱係合本体部42を備えず、斜め方向に延びる斜め延設部を備え、斜め延設部の一端部が取付板部2に装着され、他端部に爪部が設けられるように構成してもよい。
【0052】
また、取付板部2の長手方向の長さは、図示した寸法に限定されず、取付対象物の態様に合わせて任意に変更することができる。
【0053】
さらに、取付板部2の形状は、四角形状に限定されない。例えば、長手方向の他端部が半円形状とされていてもよい。
【0054】
また、鳥害防止具Aを取付孔211に挿通して取付板部2に取り付ける場合について説明したが、このような態様に限定されず、取り付ける鳥害防止具Aの態様に合わせて構成を変更することができる。例えば、鳥害防止具Aに設けられたクランプで取付板部2を挟持できるように構成してもよい。なお、取付孔211を用いずに取り付け可能な鳥害防止具Aを取り付ける場合には、取付孔211は形成しなくてもよい。さらに、取り付ける鳥害防止具Aの態様は、図示したような傘型の鳥害防止具Aに限定されず、例えば、音を発して鳥類の飛来を抑制するような鳥害防止具Aを取り付けてもよい。
【0055】
さらに、補助挿通孔212にボルト5を挿通させる場合について説明したが、ボルト5以外の物を挿通してもよい。例えば、補助挿通孔212に、先端に滑り止めを設けた棒状体を挿通してもよい。このような構成の場合、補助挿通孔212に挿通した固定補助具が取付対象物の上で滑ることを抑制できる。また、補助挿通孔212に挿通するボルト5の先端に滑り止めを設けてもよい。
【0056】
また、鳥害防止具用取付具1は取付板部2と係合部3が樹脂製で、着脱係合部4が金属製であるとして説明したが、全部が金属製であってもよいし、例えば、取付板部2の一部を樹脂、他の一部を金属で構成してもよい。
【0057】
さらに、板補強部22は、板本体部21の表面に設けられる場合について説明したが、このような構成に限らず、板補強部22は、板本体部21の裏面に設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。
【0058】
また、係合補強部33は、係合板部31の表面に設けられる場合について説明したが、このような構成に限らず、係合補強部33は、係合板部31の裏面に設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。
【0059】
次に、本発明の他の実施形態に係る鳥害防止具用取付具1について、図10乃至図16を参照して説明する。第一の実施形態と同じ構成については、説明を省略し、同一の符号を付す。
【0060】
本実施形態の鳥害防止具用取付具1は、取付板部2の構成が第一実施形態と異なる。即ち、鳥害防止具用取付具1は、取付板部2と、係合部3と、を備え、係合部3の構成は第一実施形態と同様である。また、鳥害防止具用取付具1は、取付板部2に対して着脱可能な着脱係合部4を備える。なお、本実施形態の鳥害防止具用取付具1の背面図は、正面図と対称に表れる。
【0061】
本実施形態の取付板部2は、鳥害防止具Aが取付けられる取付本体部23と、取付本体部23及び係合部3を連結する連結板部24と、を備える。
【0062】
連結板部24は、係合部3の延設方向の一端部に対して、取付本体部23を段違い(第二の取付方法において、設置状態では段下げ)にした状態で連結する。即ち、連結板部24は、係合部3の一端部に対して、第一方向(取付板部2の長手方向)他端側(図示左側)及び第三方向(係合部3の延設方向)一端側(図示上側)に離間した位置で取付本体部23と連結される。具体的に、連結板部24は、係合部3の一端部に連結され、第一方向(取付板部2における長手方向)他端側に向かって延びる横延設板部241と、横延設板部241の第一方向(取付板部2における長手方向)他端部から第三方向(係合部3の延設方向における)一端側に向かって延びる上延設板部242と、を備える。また、連結板部24の第一方向(長手方向)一端部には、補助挿通孔212が形成されている。本実施形態で、横延設板部241及び上延設板部242は略直交する方向に延びている。
【0063】
取付本体部23は、第一方向(長手方向)一端部が連結板部24に連結され、横方向に伸びる板状の部位である。また、取付本体部23には、鳥害防止具Aを取り付け可能である。具体的に、取付本体部23には、長手方向に離間して複数の孔が形成されている。本実施形態、取付本体部23には、鳥害防止具Aを挿通可能な孔が長手方向に離間して3つ形成されている。また、取付本体部23の長手方向の他端部には、補助挿通孔212が形成されている。さらに、本実施形態の取付孔211は、四角形状の孔である。
【0064】
以上のような鳥害防止具用取付具1の使用方法について図16を参照して説明する。本実施形態の鳥害防止具用取付具1は、第二の使用方法において、好適に使用されうる。即ち、本実施形態の鳥害防止具用取付具1は、裏面に鳥害防止具Aを立設した状態で好適に使用される。なお、本実施形態の鳥害防止具用取付具1を、第一の使用形態で使用することもできる。
【0065】
図16に示すように、鳥害防止具用取付具1は、バンドDを介して電柱Cに取り付けられる。具体的に、鳥害防止具用取付具1は、電柱Cに巻き付けられたバンドDに係合部3を係合させることで電柱Cに取り付けられる。本実施形態では、係合本体部32をバンドDにひっかけることで、鳥害防止具用取付具1が電柱Cに取付られる。また、鳥害防止具用取付具1は、例えば、電柱Cの周方向に沿うように延びる送電線E(縁線)の上方に配置される。よって、電柱Cの周方向に沿うように延びる送電線E(縁線)の上部に鳥害防止具Aを取り付けることができるので、電柱Cの周方向に沿うように延びる送電線E(縁線)の上部で鳥害が発生することを抑制できる。
【0066】
さらに、上記のような場合に、送電線Eの近傍に障害物F(例えば電柱Cに取り付けられた、送電線Eを支持するための設備)がある場合に、連結板部24によって、障害物Fを避け、電柱Cの周方向に沿うように延びる送電線E(縁線)の上部に鳥害防止具Aを配置することができる。
【0067】
以上のような構成の鳥害防止具用取付具1によれば、連結板部24によって、第三方向(係合部3の延設方向)一端部と取付本体部23の長手方向一端部との間に高さの差が生じるため、鳥害防止具Aを取り付ける位置の近傍に障害物Fがある場合でも、該障害物Fを高さの差で避けて、鳥害防止具Aを設置することができる。
【0068】
また、連結板部24は、第一方向(長手方向)の一端部から他端側に延設する横延設板部241と、横延設板部241の第一方向他端部に連結され、第三方向(係合部3の延設方向)に延びる上延設板部242と、を備え、横延設板部241及び上延設板部242は略直交する。よって、障害物Fが、横方向に伸びている場合でも、連結板部24によって障害物Fを回避しやすい。
【0069】
本発明の他の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0070】
例えば、連結板部24は、横方向(第一方向)に延びる部位と、上下方向(第三方向)に延びる部位と、を備える場合について説明したが、このような構成に限らず、斜めに延びる部位を備えるように構成してもよい。
【0071】
また、取付本体部23に形成される孔の数や、形状は、鳥害防止具Aや取付対象物の態様に合わせて任意に変更することができる。
【0072】
さらに、連結板部24の上下方向の寸法及び横方向の寸法は、図示した寸法に限定されず、横の長さと縦の長さの寸法及び比率を任意に変更することができる。
【符号の説明】
【0073】
1…鳥害防止具用取付具、2…取付板部、21…板本体部、211…取付孔、212…補助挿通孔、22…板補強部、23…取付本体部、24…連結板部、241…横延設板部、242…上延設板部、3…係合部、31…係合板部、32…係合本体部、321…爪横延設部、322…爪上下延設部、33…係合補強部、4…着脱係合部、41…着脱部、411…ボルト挿通孔、412…着脱連結部、42…着脱係合本体部、421…着脱上下延設部、422…着脱爪部、5…ボルト、A…鳥害防止具、B…柱上変圧器、C…電柱、D…バンド、E…送電線、F…障害物
図1
図2
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図4
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