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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096239
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】収納物支持具
(51)【国際特許分類】
   A47B 96/06 20060101AFI20220622BHJP
【FI】
A47B96/06 C
A47B96/06 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209237
(22)【出願日】2020-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】520120385
【氏名又は名称】坂田 幸治
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(72)【発明者】
【氏名】坂田 幸治
(57)【要約】
【課題】家具の収納空間を有効活用することができ、使い勝手がよい収納物支持具を提供する。
【解決手段】収納物支持具11は、家具100の収納空間S1,S2に収納される収納物M1,M2の上方に収納容器Y1,Y2を載せるものである。収納物支持具11は、家具100の天板111と一対の側板112,113との間または一対の側板112,113と棚板121との間から収納空間S1,S2に延びて収納容器Y1,Y2を支持する可撓性を有する帯状の支持部材20と、支持部材20の一端部に形成され、家具1の外側に位置するストッパ部30と、支持部材20の他端部を、家具100の天板111と一対の側板112,113との間または一対の側板112,113と棚板121との間に固定する接続部材40とを備えた。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具に形成された隙間に位置した一端部から延びる可撓性を有する支持部材と、
前記支持部材が延びる前記隙間の反対側から前記支持部材の一端部の抜けを止めるストッパ部と、
前記支持部材の他端部を収納物または他の固定位置に接続するための接続部材とを備えた収納物支持具。
【請求項2】
前記接続部材は、前記他の固定位置を前記家具の他の隙間として、前記支持部材を接続するための前記ストッパ部により形成された請求項1記載の収納物支持具。
【請求項3】
前記接続部材は、前記収納物に連結するためのフック部により形成された請求項1記載の収納物支持具。
【請求項4】
前記接続部材は、前記収納物に連結される紐状部材を接続するための環状部材により形成された請求項1記載の収納物支持具。
【請求項5】
前記支持部材は、帯状部材、シート状部材または紐状部材に形成された請求項1から4のいずれかの項に記載の収納物支持具。
【請求項6】
前記支持部材は、帯状部材またはシート状部材により形成され、
前記ストッパ部は、前記支持部材の端部に配置された棒状体により形成された請求項1から4にいずれかの項に記載の収納物支持具。
【請求項7】
前記支持部材は、紐状部材により形成され、
前記ストッパ部は、前記紐状部材を、貫通孔を有する部材の前記貫通孔に通して括り付けて、前記紐状部材の端部に前記部材を固定したものである請求項1から4にいずれかの項に記載の収納物支持具。
【請求項8】
前記ストッパ部は、前記支持部材の端部から所定間隔ごとに配置された請求項6または7記載の収納物支持具。
【請求項9】
前記支持部材には、長さ調整具が設けられた請求項1から8のいずれかの項に記載の収納物支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納物が載置された収納棚上の収納空間に、棚や容器、かごなどの収納物を支持するための収納物支持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物品の収納を収納棚に載せたり、フックにより吊り下げたりすることで、物品を整理よく片付けることができる。物品を吊り下げるフックは、両面テープで側壁面に貼り付けることで設置される。また、S字状フックは、棒状の物に一方のフックを引っ掛け、他方のフックに吊り下げる。しかし、家具によっては吊り下げるための場所が無い場合がある。例えば、天板と側板との間の隙間に配置させたフックが、特許文献1に記載にされている。
【0003】
特許文献1の小型収納庫には、アルミニウム、スチール、ステンレス等の金属により形成されたJ字型のフックの上端部が、収納庫本体の側板の上端部に引っ掛けられ、上部から天板を覆い被せて、ネジ等を用いて固定されていることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-355133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
家具では、家具内の空間が収納棚により収納空間が区切られ、様々な物が収納される。例えば、三段ボックスは、3つの収納空間に区切られている。収納棚に収納物が載置されると、収納物の上方の空間は利用不可空間として無駄になる。そのため、空いた収納物の上方の空間に物が吊り下げられれば、収納空間の有効活用ができる。
また、例えば、特許文献1に記載のフックでは、家具の側板に沿って物品を吊り下げることができるが、家具と他の家具との間に幅広い隙間があり、この隙間を収納空間として収納物が置ければ、隙間を有効活用することができ、より多くの収納物を置くことができる。
【0006】
そこで本発明は、収納空間を有効活用することができる収納物支持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の収納物支持具は、家具に形成された隙間から延びる可撓性を有する支持部材と、前記支持部材が延びる前記隙間の反対側から前記支持部材の一端部の抜けを止めるストッパ部と、前記支持部材の他端部を収納物または他の固定位置に接続するための接続部材とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の収納物支持具によれば、ストッパ部により家具に形成された隙間から支持部材の一端部の抜けが止められている。支持部材は、家具の隙間に位置する一端部から延び、接続部材により他端部を収納物または他の固定位置に接続する。このようにして、接続部材により支持部材が他の固定位置に接続されると、支持部材の上に収納物を置いたり、支持部材にネックレスやチェーンなどの収納物を掛けたりすることができる。また、本発明の収納物支持具を一対準備して接続部材により支持部材が両側から収納物に接続されると、収納物を支持することができる。
【0009】
前記接続部材は、前記他の固定位置を家具の他の隙間として、前記支持部材を接続するための前記ストッパ部により形成されたものとすることができる。他の固定位置が他の隙間であれば、接続部材は、ストッパ部とすることができる。
【0010】
前記接続部材は、前記収納物に連結するためのフック部により形成されたものとすることができる。接続部材がフック部であれば、フック部を収納物に引っ掛けることができる。
【0011】
前記接続部材は、前記収納物に連結される紐状部材を接続するための環状部材により形成されたものとすることができる。接続部材が環状部材であれば、紐状部材により紐状部材の長さを調整しながら収納物に連結して接続することができる。
【0012】
前記支持部材は、帯状部材、シート状部材または紐状部材に形成されたものとすることができる。支持部材が帯状部材または紐状部材であれば、複数本の上に収納物を置くことができ、シート状部材であれば1枚の支持部材の上に収納物を置くことができる。
【0013】
前記支持部材は、帯状部材またはシート状部材により形成され、前記ストッパ部は、前記支持部材の端部に形成された棒状体により形成されたものとすることができる。このように、支持部材の端部に形成された棒状体をストッパ部とすることで、ストッパ部を目立たないものとすることができる。
【0014】
前記支持部材は、紐状部材により形成され、前記ストッパ部は、前記紐状部材を、貫通孔を有する部材の前記貫通孔に通して括り付けて、前記紐状部材の端部に前記部材を固定したものとすることができる。ストッパ部となる部材に形成された貫通孔に紐状部材を通して括り付けることで、部材と紐状部材とを簡単に取り付けることができる。
【0015】
前記ストッパ部は、前記支持部材の端部から所定間隔ごとに配置されたものとすることができる。ストッパ部が複数本あるため、ストッパ部の位置で支持部材を切断することで、支持部材の長さ調整をすることができる。
【0016】
前記支持部材に、長さ調整具が設けられていると、支持部材の長さを調整することができるので、様々な位置に収納物支持具を配置することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の収納物支持具によれば、支持部材の上に収納物を置いたり、支持部材に収納物を掛けたり、支持部材により収納物を引っ張った状態にしたりすることができるため、家具の収納空間を有効活用することができ、使い勝手がよいものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態に係る第1の収納物支持具を説明するための図であり、(A)は平面図であり、(B)は正面図である。
図2】本発明の実施の形態に係る第2の収納物支持具を説明するための図であり、(A)は平面図であり、(B)は正面図である。
図3】本発明の実施の形態に係る第3の収納物支持具を説明するための図であり、(A)は平面図であり、(B)は正面図である。
図4】本発明の実施の形態に係る第4の収納物支持具を説明するための図である。
図5】本発明の実施の形態に係る第5の収納物支持具を説明するための図である。
図6】本発明の実施の形態に係る第6の収納物支持具を説明するための図である。
図7図1に示す第1の収納物支持具の取付方法を説明するための図である。
図8図2に示す第2の収納物支持具の取付方法を説明するための図である。
図9図3に示す第3の収納物支持具の取付方法を説明するための図である。
図10図1から図3に示す第1~第3の収納物支持具におけるベルト部に設けられた長さ調整具を説明するための図である。
図11】第1の収納物支持具の変形例を説明するための図であり、(A)は平面図であり、(B)は正面図である。
図12図11に示す収納物支持具の取付方法を説明するための図である。
図13図1に示す第1の収納物支持具の他の取付方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態に係る収納物支持具を図面に基づいて説明する。
図1図6に示す収納物支持具11~16は、収納容量を増加させるために、家具の収納空間に収納された収納物の上方空間や、家具の側板と他の家具の側板の間の空間を有効活用するものである。なお、図1から図6において同じ構成のものは同符号を付している。
【0020】
収納物支持具11~16は、家具に形成された隙間の一例である板同士の間、具体的には、天板と側板の間または側板と棚板の間に位置する一端部から延びる可撓性を有する支持部材20と、支持部材20が延びる板と側板の間または側板と棚板の間の反対側から支持部材20の抜けを止めるストッパ部30と、支持部材20の他端部を収納物または他の固定位置に接続するための接続部材40とを備えている。
なお、他の固定位置は、同じ家具であったり、隣接する他の家具であったりすることができる。
【0021】
図1から図3に示す支持部材20は、帯状部材21により形成されている。また、図4から図6に示す支持部材20は、紐状部材22により形成されている。更に、図示しないが、支持部材20は、帯状部材21により幅広のシート状部材により形成することができる。
帯状部材21や紐状部材22、シート状部材は、例えば、引張強度が十分な樹脂製テープ、樹脂製ロープ、樹脂製シートとすることができる。また、伸縮しないものでもよいし、伸縮性の高いゴム製とすることもできる。
【0022】
図1から図3に示すストッパ部30は、帯状部材21に巻かれた棒状体31により形成され、厚みが、帯状部材21を折り返した連結部分の厚み(帯状部材21の2倍の厚み)より、厚くなるように形成されており、後述する家具の天板と側板の間または側板と棚板の隙間より厚く形成されている。
棒状体31は、金属製のピン部材により形成することができる。棒状体31と帯状部材21との接続は、帯状部材21の端部に両面テープを貼り、両面テープの上に棒状体31を配置した後に帯状部材21の端部を折り返して、両面テープを貼り合わせて固定することで可能である。支持部材20を帯状部材21の他にシート状部材とするときには、シート状部材の幅広に合わせて、棒状体31の長さが長く形成されていてもよいし、複数本を一列に並べることで1本の棒状体31を構成するようにしてもよい。
【0023】
なお、ストッパ部30は、金属製のピン部材などの棒状体31により形成する以外に、支持部材20を棒状に加工してストッパ部とすることができる。更に、ストッパ部30は、支持部材20に脱着可能に接続されているようにしてもよい。
このようなストッパ部30とすることで、ストッパ部30を目立たないものとすることができる。
以下、帯状部材21の一方の端部に形成されたストッパ部30を第1ストッパ部30Aと称す。
【0024】
また、図4から図6に示すストッパ部30は、紐状部材22に接続された球状部材32(貫通孔を有する部材)により形成されている。球状部材32と紐状部材22との接続は、1本の紐による紐状部材22を左右に引っ張り、端部を折り返して結び目22kをつくることで端部に輪部22cをつくり、この輪部22cを球状部材32に形成された貫通孔32hに通して折り返して結び目22kと球状部材32との間に回すことで、球状部材32を紐状部材22に括り付け固定している。
【0025】
このように、球状部材32の貫通孔32hに紐状部材22を通して紐状部材22を括り付けることで、簡単に球状部材32を紐状部材22に取り付けることができるため、販売時には球状部材32と紐状部材22とを別々な状態にしておくことができる。
なお、球状部材と紐状部材との接続は、紐状部材の端部が球状部材に埋め込まれていてもよい。また、球状部材32は、リング状部材としてもよい。
【0026】
図1(A)および同図(B)に示す接続部材40は、支持部材20を他の固定位置に接続するためのものであり、帯状部材21の一方の端部に形成されたストッパ部30と同じ棒状体31によるストッパ部30である。以下、帯状部材21の他方の端部に形成されたストッパ部30を第2ストッパ部30Bと称す。
【0027】
図2(A)および同図(B)に示す接続部材40は、直接的、または間接的に、収納容器(収納物)を引っ掛けるフック部41である。フック部41は、帯状部材21に取り付けるための略C字状の基端部41aと、基端部41aから先に延びて鈎状に形成された先端部41bとにより形成されている。フック部41は、帯状部材21に対して角度が変更できないように、または変更可能なように帯状部材21に取り付けることができる。
フック部41と帯状部材21との接続は、帯状部材21の端部に両面テープを貼り、フック部41の基端部41aを両面テープ上に配置した後に、帯状部材21の端部を折り返して両面テープを貼り合わせて固定することで可能である。
【0028】
図3(A)および同図(B)に示す接続部材40は、紐状部材を通して先部に収納容器(収納物)を連結するときに、基部を接続するための環状部材42により形成されている。紐状部材は、例えば、結束バンドBが使用できる。結束バンドBは、長手方向に沿って爪が並ぶ歯部が形成されたストラップ部B1と、ストラップ部B1の基端に一体的に形成され、ストラップ部B1を通すことで爪が係止して引き抜きを抑止するヘッド部B2とから構成されたものである。結束バンドBは、環状部材42にストラップ部B1を通して輪状に形成されている。
環状部材42と帯状部材21との接続は、帯状部材21の端部に両面テープを貼り、両面テープ上に環状部材42を配置した後に、帯状部材21の端部を折り返して、両面テープを貼り合わせて固定することで可能である。
【0029】
図4に示す接続部材40は、支持部材20を他の固定位置として、家具の天板と側板の間または側板と棚板の間に支持部材20を接続するためのものであり、紐状部材22の他方の端部に形成され、紐状部材22の一方の端部に形成されたストッパ部30と同じ球状部材32によるストッパ部30である。図5に示す接続部材40と、図6に示す接続部材40とは、図2および図3に示すフック部41と環状部材42と同じである。なお、フック部41および環状部材42と、紐状部材22との接続は、図4に示す球状部材32と紐状部材22との接続と同じであるため、説明は省略する。
【0030】
次に、本発明の実施の形態に係る収納物支持具11~13の取付方法および使用状態を図面に基づいて説明する。
図7に示す家具100は、天板111と一対の側板112,113と2段の棚板121,122とを有しており、これらに囲まれることで、収納空間S1,S2が形成されている。そして、収納空間S1,S2には収納物M1,M2が収納されている。
【0031】
この家具100は、天板111に側板112,113の上端面が突き当てられ、ねじを、天板111側から貫通させて側板112,113にねじ込むことで接続されている。
また、側板112,113は、側板112,113同士の間に棚板121,122を嵌め込み、側板112,113に突き当てられた棚板121,122の両方の端面に、側板112,113の外側からねじを貫通させてねじ込むことで接続されている。
【0032】
この収納空間S1に収納物支持具11を設置するときには、まず、天板111と一方の側板112との接続を緩めることでできた隙間、または接続を外したことでできた隙間に、収納空間S1側から第1ストッパ部30Aを通した後にねじ止めして取り付ける。同様にして、第2ストッパ部30Bを取り付ける。このようにして1本の収納物支持具11を収納空間S1に設置することができる。
なお、ストッパ部30が支持部材20と脱着可能であれば、先に隙間に支持部材20を挿入した後に、隙間の反対側からストッパ部30を接続することも可能である。
【0033】
収納物の一種である収納容器Y1を収納空間S1に配置するときには、収納空間S1の左右方向F1の両端側から延ばした2本以上の収納物支持具11を設置する。そうすることで、2本以上の収納物支持具11に跨るようにして収納容器Y1を配置することで、2本の収納物支持具11により収納容器Y1を支持させることができる。
【0034】
このように帯状部材21(支持部材20)が、家具100の天板111と一対の側板112,113との間から収納空間S1に延びて収納容器Y1を支持し、帯状部材21の両端部に形成された第1ストッパ部30Aおよび第2ストッパ部30Bが、収納空間S1の外側に位置して、帯状部材21の引き込みを防止する。従って、収納物支持具11が設置されることで、収納容器Y1を収納物として載せた状態で、収納容器Y1に数多くの収納物を入れることができる。従って、収納物M1の上方の空間を有効活用することができる。
【0035】
収納容器Y1の正面から見た幅が広くても、または狭くても帯状部材21の傾斜角度θが変わることで安易に対応させることが可能である。また、設置位置が高かったり低かったりした場合は、帯状部材21の長さの選択もしくは長さ調整を行うことで容易に対応させることができる。
このように、収納物支持具11は、家具の収納空間を有効活用することができ、使い勝手がよい。
【0036】
なお、帯状部材21による複数本の収納物支持具11は、間隔を空けて収納空間S1に配置すれば、収納容器Y1の底面を複数本の帯状部材21により幅広く支持させることができる。しかし、図1に示す1本の帯状部材21や、図4に示す1本の紐状部材22でも支持できるような、ネックレスやチェーンなどの紐状の身飾品であれば、また、1本の帯状部材21で支持できるような収納品であれば、収納物支持具11や収納物支持具14は1本でもよい。
【0037】
次に、収納空間S2に収納物支持具11を設置するときには、側板112と棚板121との接続を緩めることでできた隙間、または接続を外したことでできた隙間に、収納空間S2から収納空間S1に向けて第1ストッパ部30Aを通した後にねじ止めして取り付ける。同様にして、第2ストッパ部30Bを取り付ける。
このように、帯状部材21が、家具100の一対の側板112,113と棚板121の間から収納空間S2に延びて収納容器Y2を支持し、帯状部材21の両端部に形成された第1ストッパ部30Aおよび第2ストッパ部30Bが、収納物M2が収納された収納空間S2の外側に位置して、帯状部材21の引き込みを防止する。
従って、第1ストッパ部30Aおよび第2ストッパ部30Bを、収納空間S2の上方に位置する収納空間S1に出すことで、中段または下段の収納空間S2であっても設置することが可能である。
【0038】
一方、収納空間S2における収納物M2の上方空間を有効活用する籠が販売されているが、この籠は、籠本体を棚板121に引っ掛け吊り下げる引っ掛け棒が奥行き方向に延びている。従って、この籠は、収納物M2の上方空間を有効活用できたとしても、収納空間S1においては、収納物M1の下に、引っ掛け棒が位置してしまい邪魔である。
【0039】
しかし、収納容器Y2を支持する収納物支持具11は、第1ストッパ部30Aおよび第2ストッパ部30Bが収納空間S1の両端の隅部に位置しているだけである。従って、収納物M1が置かれた位置の棚板121上に収納を邪魔するものが無いので、収納空間S1の収納をすっきりとしたものとすることができる。
【0040】
なお、本実施の形態の家具100では、天板111に側板112,113の端面が突き当てられているが、側板112,113の間に天板111が挟み込まれるような家具であっても、収納空間S2に設置された収納物支持具11と同様の方法で設置可能である。
【0041】
次に、図2に示す収納物支持具12の取付方法と使用状態を図8に基づいて説明する。
図8に示す収納物支持具12におけるストッパ部30の取り付け方法は、図7の示す収納空間S1に設置されたと同様に、家具101の天板111と側板112との間に一方の収納物支持具12のストッパ部30を取り付け、天板111と側板113との間に他方の収納物支持具12のストッパ部30を取り付ける。
このように一対の収納物支持具12を収納空間S3の左右方向F1の両端側から吊り下げたものを2組以上準備する。
【0042】
次に、フック部41を収納容器Y3の左右方向の端部に引っ掛ける。そうすることで、収納容器Y3を収納物支持具12が左右方向に引っ張り、収納物M3の上方に持ち上げるので、収納空間S3に収納容器Y3を支持させることができる。
【0043】
このように、収納物支持具12であっても、図1に示す収納物支持具11と同様に、家具の収納空間を有効活用することができ、使い勝手がよいものとすることができる。
【0044】
図8に示す例では、フック部41が直接的に収納容器Y3に引っ掛けられていたが、フック部41に紐状部材の一端を接続し、他端を収納容器に接続することで、フック部41を間接的に収納容器に接続することも可能である。
【0045】
次に、図3に示す収納物支持具13の取付方法と使用状態を図9に基づいて説明する。
図9に示す収納物支持具13を収納空間S4に取り付ける方法は、図7の示す収納空間S1に設置された収納物支持具11と同様に、家具102の天板111と一方の側板112との間に一方の収納物支持具13のストッパ部30を取り付け、天板111と他方の側板113との間に他方の収納物支持具13のストッパ部30を取り付ける。
このように一対の収納物支持具13を収納空間S4の左右方向F1の両端側から吊り下げたものを2組以上準備する。
【0046】
そして、環状部材42と収納容器Y4とに結束バンドBのストラップ部B1を通した後に、ヘッド部B2に挿入して輪状にする。このようにして、収納物支持具13により、収納容器Y4の左右方向の端部を引っ張り、収納物M4の上方に収納容器Y4を持ち上げる。
従って、環状部材42に紐状部材を輪状にして収納容器Y4に連結して引っ張ることで、収納物支持具13であっても、図1に示す収納物支持具11と同様に、家具の収納空間S4を有効活用することができ、使い勝手がよいものとすることができる。
【0047】
図9に示す家具102は、下段の収納空間S5が、図7に示す家具100の下段の収納空間S2の高さが低く形成されている。また、収納容器Y5は、前面が開口した容器である。
このような収納容器Y5であれば、結束バンドBによる長さを短く調整して収納容器Y5を引っ張り、収納容器Y5が棚板121に接する高さに位置させることで、高さが低い収納空間S5であっても、収納物M5の上方を有効活用することができる。
【0048】
また、結束バンドBを短くして収納容器Y5を引っ張ることで、しっかりと収納容器Y5を動かないように固定して安定させることができるので、収納容器Y5が揺れて内部の収納物がぶつかり合うなど、不安定な状態を防止することができる。
従って、収納容器Y5は、収納空間が狭い場合だけでなく、広い場合でも、ガラス製品や陶器、磁器など、壊れやすい物を収納する場合に好適である。
また、左右の収納物支持具13で、帯状部材21や、結束バンドBの長さを変更することで、収納容器Y5の左右方向の位置が調整できる。
【0049】
図7から図9においては、図1から図3に示す収納物支持具11~13の取付方法について説明したが、図4から図6に示す収納物支持具14~16においても、図1から図3に示すストッパ部30の棒状体31と支持部材20の帯状部材21とが、図4から図6に示す球状部材32と紐状部材22に代わるだけで、同じ手順で取り付けることができるため、説明は省略する。
【0050】
このような図1図3に示す収納物支持具11~13の帯状部材21に対して、長さ調整具を設けることができる。
図10(A)および同図(B)に示すように帯状部材21は、一方の帯状部材21aと他方の帯状部材21bとにより形成される。帯状部材21には、PPバンド用ストッパと称される長さ調整具50が設けられている。
長さ調整具50は、矩形状の枠体51の一方側に、2本の棒状体52が帯状部材21の幅方向に沿って配置されている。
【0051】
この長さ調整具50は、枠体51の他方側から一方の帯状部材21aを挿入し、一方側から出し、棒状体52に巻いて、再び、一方の帯状部材21aを枠体51の一方側から挿入して他方側から出す。他方の帯状部材21bも同様に長さ調整具50に通す。そうすることで、一方の帯状部材21aと他方の帯状部材21bとが、長さが調整された状態で固定される。
【0052】
従って、支持部材20の長さを調整することで、支持部材20の張り具合(テンション)を調整することができるので、収納物の設置位置を高くしたり、低くしたりすることができる。そのため、図9に示す収納容器Y5のように、棚板121の底面(裏面)に収納容器Y5を押し付けるように支持部材20を張ることができる。
また、幅が長い収納空間に収納容器を設置するときや、幅が短い収納空間に収納容器を設置するなど、一方の帯状部材21aおよび他方の帯状部材21bの長さを調整して、収納容器の位置を変えることができるので、様々な家具の収納空間に、収納物支持具11~13を配置することも可能である。
【0053】
なお、本実施の形態における長さ調整具50は、PPバンド用ストッパを用いているが、長さが調整できれば、バックルの他、様々なものが使用できる。また、支持部材20は、帯状部材だけでなく、紐状部材やシート状部材でも長さ調整具を設けることができる。
【0054】
次に、図1(A)および同図(B)に示す収納物支持具11の変形例を、図11および図12に基づいて説明する。なお、図11においては、図1と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図11に示すように、収納物支持具17は、棒状体31によるストッパ部30が、シート状部材23により形成された支持部材20の端部23aに形成されているだけでなく、支持部材20の端部23aから所定間隔ごとに複数本が配置されている。図11(A)では、棒状体31が図1に示すストッパ部30より2本多く配置されている。
【0055】
このような収納物支持具17は、例えば、図12に示すように家具100に配置される。家具100に収納物支持具17を取り付けるときには、図7に示す収納物支持具11と同様に取り付ける。異なる点は、棒状体31が複数取り付けられている。そのため、シート状部材23について、天板111と側板112とにより挟まれる位置、棚板121と側板112とより挟まれる位置を変更することができるので、支持部材20(シート状部材23)の家具100への固定位置の調整が可能である。
シート状部材23が家具100からはみ出て余れば、シート状部材23の余剰分を切断すれば邪魔にならない。
【0056】
図12に示す収納物支持具17の支持部材20(シート状部材23)は、棚板131および棚板132を支持することで、側板112および側板113に棚板131,132を取り付ける孔や突起が形成されていなくても、シート状部材23の長さに応じた高さに棚板131,132を配置することができ、シート状部材23をピンと張った状態にすることができる。
【0057】
図12に示す例では、家具100の収納空間S1,S2に棚板131,132を配置したが、図13に示すように、収納物支持具11を家具100同士の間に跨るように取り付け、支持部材20(帯状部材21)に棚板131を配置するようにしてもよい。
支持部材20が帯状部材21により形成されたものであれば、前後方向に収納物支持具11を複数本配置することで、棚板131を安定させた状態で支持させることができ、家具100間の棚板131の上方空間の収納空間として利用することができる。
また、支持部材20がシート状部材23により形成されたものであれば、1本の収納物支持具で十分に棚板131を安定させることができる。
【0058】
図11および図12の例では、支持部材20としてシート状部材23に、ストッパ部30として棒状体31が複数本配置されているが、支持部材20として帯状部材に棒状体31が複数本配置されていてもよいし、図4(A)から同図(C)に示すように、支持部材20として紐状部材22に、球状部材32を端部から所定間隔ごとに配置するようにしてもよい。更に、ストッパ部30は、支持部材20の端部から反対の端部までの全体に形成されていてもよい。
【0059】
なお、本実施の形態では、他の固定位置を他の家具100としたが、部屋の壁面を他の固定位置として、ストッパ部30が設けられた支持部材20の端部に画鋲や接着剤で取り付ければ、家具100と壁面との間の空間を収納空間とすることができる。
【0060】
また、図7から図9図12図13における家具100では、箱状家具を例に、天板と側板の間または側板と棚板の間を、板同士の間として、説明したが、家具は、例えば、テーブルの天板と、天板の底面(裏面)を下から支持する支持板との間を、板同士の間としても、同様に、本発明の収納物支持具を取り付け、天板の下方を収納空間としたり、テーブルと他の物との間を収納空間としたりして、収納物を配置させることができる。
【0061】
更に、本実施の形態では、家具に形成された隙間を、例えば、図7に示すように、天板111と側板112,113との間、側板112,113と棚板121との間としている。しかし、天板、側板、棚板が、メッシュ(網目状)の板材や、パンチングメタルのような円形孔が多数個形成された板材のような、板材自体に隙間が形成されたものであれば、この隙間に支持部材を通して、支持部材が延びる隙間の反対側にストップ部で止めれば、天板と側板との間、側板と棚板との間と同様に、本発明の収納物支持具を使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の収納物支持具は、収納空間に多くの収納物を収納したいユーザーが後付けで設置することができる。また、本発明の収納物支持具を使用することを前提に、家具を設計することにより、ユーザーの用途の選択肢が広い家具を提供することができる。
【符号の説明】
【0063】
11,12,13,14,15,16,17 収納物支持具
20 支持部材
21 帯状部材
21a 一方の帯状部材
21b 他方の帯状部材
22 紐状部材
22c 輪部
22k 結び目
23 シート状部材
23a 端部
30 ストッパ部
30A 第1ストッパ部
30B 第2ストッパ部
31 棒状体
32 球状部材
32h 貫通孔
40 接続部材
41 フック部
41a 基端部
41b 先端部
42 環状部材
50 長さ調整具
51 枠体
52 棒状体
100,101,102 家具
111 天板
112,113 側板
121,122,131,132 棚板
B 結束バンド
B1 ストラップ部
B2 ヘッド部
S1,S2,S3,S4,S5 収納空間
M1,M2,M3,M4,M5 収納物
Y1,Y2,Y3,Y4,Y5 収納容器
F1 左右方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13