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  • 特開-搬送システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096241
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】搬送システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 51/04 20060101AFI20220622BHJP
   F03G 3/00 20060101ALI20220622BHJP
   F03G 7/10 20060101ALI20220622BHJP
   H02P 9/00 20060101ALN20220622BHJP
【FI】
B65G51/04 C
F03G3/00 B
F03G7/10
H02P9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209239
(22)【出願日】2020-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】519231186
【氏名又は名称】松本 葉子
(74)【代理人】
【識別番号】719004108
【氏名又は名称】松本 和也
(72)【発明者】
【氏名】松本 和也
【テーマコード(参考)】
5H590
【Fターム(参考)】
5H590AA02
5H590CA30
5H590FA01
(57)【要約】
【課題】
本発明は上方に移動した容器の位置エネルギーを有効に利用でき
る搬送システムを提供する。
【解決手段】
物品を収容可能な球形の容器の浮力を利用して上方に移動する搬送システムであって、容器は下方にある投入部から挿入され、水が充満された横引上り勾配管と水柱管を上昇し、上昇した容器を降下させるときに、容器の重みにより、回転機構を回転させ、回転機構の回転力により発電する発電機を備えることで、位置エネギーを利用して電力を得る搬送システム。

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容可能な球形の容器の浮力を利用して上方に移動する搬
送システムであって、容器は下方にある投入部から挿入され、水が
充満された横引上り勾配管と水柱管を上昇し、上昇した容器を降下
させるときに、容器の重みにより、回転機構を回転させ、回転機構
の回転力により発電する発電機を備えることで、位置エネギーを利
用して電力を得る搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
垂直搬送のエネルギーとして液体の浮力で上昇力を確保し、空気抵
抗による浮力で落下速度を制御することにより、自然エネルギーに
よって高揚程大量搬送を可能にすることを目的とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05-213600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では搬送カプセルを上下に移動しただけであり
搬送カプセルの位置エネルギーが有効に利用されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
物品を収容可能な球形の容器の浮力を利用して上方に移動する搬
送システムであって、容器は下方にある投入部から挿入され、水が
充満された横引上り勾配管と水柱管を上昇し、上昇した容器を降下
させるときに、容器の重みにより、回転機構を回転させ、回転機構
の回転力により発電する発電機を備えることで、位置エネギーを利
用して電力を得る搬送システム。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、上方に移動した容器の位置エネルギーを有効に利
用できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る搬送システムの系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
搬送システム100は、物品を収容可能な球形の容器1の浮力を利
用して上方に移動する。容器1は、下方にある投入部の一例である
容器挿入装置21から、水が充満された横引上り勾配管6に挿入さ
れ、横引上り勾配管6から水柱管2を上昇する。そして、搬送シス
テム100は、上昇した容器1を降下させるときに、容器の重みに
より、回転機構4を回転させ、回転機構4の回転力により発電する
発電機18を備えることで、位置エネギーを利用して電力を得るこ
とができる。
【0009】
回転機構4は、上下の回転軸、伝達部材(ベルト、ワイヤー等)及
び容器1が入るカゴが一体化し、容器1の重みにより回転軸に発電
機18が連結され、発電機18は回転軸の回転力により発電する。
【0010】
容器1は、開閉可能に形成され、内部に物品を収容し、内部から物品を取り出すことができ、閉じた状態では内部に密封空間を形成する。容器1は、空洞でキャップにより密閉され、空洞には比重の小さな液体又は物品を収納することができ、最終状態で貯留水の比重より小さくする必要がある。容器1は、物品B取り出し作業26及び物品A充填作業20を経て戻り管5から容器挿入装置21に移動する。容器挿入装置21は容器1が挿入されると弁が作動して容器1を前方向に移動させ定位置で一旦停止する。この状態では、当該弁により、戻り管5と容器挿入装置21とが連通する部分は封鎖され、戻り管5に水が流入しないようになっている。次に電動式ナイフゲート弁22が開くと容器挿入装置21の弁が再作動して容器1を貯留水内に押し出す。容器1は横引上り勾配管6の中を浮力で移動し水柱管2に入り上方へ移動する。なお、物品B取り出し作業26及び物品A充填作業20は、いずれか一方を省略することができる。
【0011】
水柱管2に所定数が垂直に繋がると最上部の容器1は空間に押し出され曲面ガイド23沿って前方向ある物品A取り出し作業24を行う位置に移動する。
【0012】
物品A取り出し作業24及び物品B充填作業25を経て、空になった容器1が回転機構4により下方に移動する際に、容器1の位置エネルギーは回転機構4に連結された発電機18を回転させ電力を得ることができ、搬送システムの制御用電源等に用いることが出来る。なお、物品A取り出し作業24及び物品B充填作業25は、いずれか一方を省略することができる。
【0013】
また、容器1が貯留水内に移動すると電動式ナイフゲート弁6が閉
じ容器挿入装置5の弁との隙間は最小になる。最少量の貯留水は容
器挿入装置5内に留まり外部に流出することはなく、容器1も貯留
水内に所定数に維持されることで搬送システム内の貯留水は一定量
に維持される。但し、初期の注水時と自然蒸発による減少分は付属
された給水装置11により給水される。
【0014】
電動式ナイフゲート弁6が閉じると、容器挿入装置5の弁は後退して、戻り管5と容器挿入装置21とが連通し、次の容器1が挿入される。これを繰り返して容器1を貯留水内に挿入する。
【0015】
回転装置4へ投入する容器1は物品B充填作業24を利用すると空の状態より重量を増やすことで位置エネルギーのポテンシャルを増
大することができる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
水より比重の小さな液体、物品の上方への移動で従来の動力による
搬送の代わりに動力を使わずに移動ができることで、搬送動力費、
関連機械設備の維持費の軽減に繋がり、搬送システムから電力が得
られると省コストに利用できる可能性がある。
【符号の説明】
【0017】
1 容器
2 水柱管
4 回転機構
5 戻り管
6 横引上り勾配管
11 給水装置
17 増速機
18 発電機
20 物品A充填作業
21 容器挿入装置
22 電動式ナイフゲート弁
23 曲面ガイド
24 物品A取り出し作業
25 物品B充填作業
26 物品B取り出し作業
100搬送システム図
図1