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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096253
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】包装容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/28 20060101AFI20220622BHJP
【FI】
B65D5/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209254
(22)【出願日】2020-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000129493
【氏名又は名称】株式会社クラウン・パッケージ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】釜堀 友子
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB13
3E060AB18
3E060AC02
3E060BA06
3E060BC02
3E060CE03
3E060CE13
3E060DA11
(57)【要約】
【課題】蓋板が開いている状態で重ねて配置される場合に、包装容器の角部が破損することを抑制する技術を提供する。
【解決手段】包装容器は、一対の第1側板と、一対の第2側板と、底板と、一対の蓋板と、一対の第2側板のそれぞれに連結される一対の延長フラップと、第1側板と第1側板に連結されている蓋板とから、第2側板と第2側板に連結されている延長フラップとに延びて、第2側板と第2側板に連結されている延長フラップとに固定されている固定片と、を備え、固定片は、第1側板と第2側板との間の角部に配置されており、第2側板から第2側板と延長フラップとの境界を跨いで延長フラップまで延びており、第2側板と延長フラップとの境界に沿った第1折曲線と、一対の蓋板を閉じられている状態で、当該固定片が固定されている延長フラップを挟んで折れ曲がる第2折曲線と、を有していてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する一対の第1側板と、
前記一対の第1側板の間で互いに対向する一対の第2側板と、
前記一対の第1側板と前記一対の第2側板とのそれぞれに連結されている底板と、
前記一対の第1側板の少なくとも一方の第1の側板に連結されており、閉じられている状態で前記底板と間隔を有して対向する蓋部と、
前記一対の第2側板のそれぞれに連結されており、前記蓋部が閉じられている状態で、前記蓋部と重なる一対の延長フラップと、
前記蓋部が配置されている前記少なくとも一方の第1側板と前記蓋部とから、前記一対の第2側板の少なくとも一方の第2側板と当該第2側板に連結されている前記延長フラップとに延びて、当該第2側板と当該第2側板に連結されている前記延長フラップとに固定されている固定片と、を備え、
各固定片は、
前記第1側板と前記第2側板との間の角部に配置されており、
前記第2側板から前記第2側板と前記延長フラップとの境界を跨いで前記延長フラップまで延びており、
前記第2側板と前記延長フラップとの境界に沿った第1折曲線と、前記蓋部を閉じられている状態で、当該固定片が固定されている前記延長フラップを挟んで折れ曲がる第2折曲線と、を有する、包装容器。
【請求項2】
前記一対の第1側板と前記一対の第2側板とは、上方に向かって前記一対の第1側板と前記一対の第2側板とによって画定される開口が広がるように傾斜している、請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
前記延長フラップと前記第2側板とが同一平面上に配置されている状態で、上下方向において、
前記延長フラップは、前記第2側板よりも長く、
前記第2側板と前記延長フラップとの前記境界よりも上方における前記固定片は、第2側板よりも長い、請求項1から2のいずれか一項に記載の包装容器。
【請求項4】
前記一対の延長フラップのそれぞれが前記一対の第2側板のそれぞれの延長上に配置され、前記蓋部が前記第1側板の延長上に配置されている状態で、前記延長フラップと前記蓋部との間には、隙間が設けられており、
前記固定片は、前記延長フラップと前記蓋部との前記隙間を通過して、前記蓋部から前記延長フラップまで延びており、
前記第2折曲線は、前記延長フラップと前記蓋部との前記隙間に位置する部分と、前記延長フラップに重複される部分と、の境界に配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の包装容器。
【請求項5】
前記蓋部は、前記一対の第1側板のそれぞれに連結される一対の蓋板を備え、
前記固定片は、前記一対の第1の側板のそれぞれについて、当該第1側板と当該第一側板に連結されている前記蓋板とから、前記一対の第2側板のそれぞれと当該第2側板に連結されている前記延長フラップとに延びて、当該第2側板と当該第2側板に連結されている前記延長フラップとに固定されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、包装容器を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、薄型トップオープン紙箱が開示されている。紙箱は、底壁と、前壁と、後壁と、一対の対向側壁と、を備える。前壁と、後壁と、一対の対向側壁と、のそれぞれは、底壁に連結されている。前壁及び後壁のそれぞれは、一対の対向側壁のそれぞれに延びており、一対の対向側壁のそれぞれに貼り付けられる貼付フラップを備える。一対の対向壁のそれぞれには、折線を介して延長部が配置されている。貼付フラップは、折線を介して側壁の延長部に貼付される余端部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7-6114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
包装容器では、内部に包装対象物を配置する前に、蓋部が開かれている状態で重ねて保管される場合がある。上記の構成では、蓋部が開かれている状態で紙箱を重ねて配置すると、対向側壁と前壁とに互いに離間する方向の力が加わって、対向側壁と前壁との角部が破損する場合がある。対向側壁と後壁との角部も同様である。
【0005】
本明細書では、蓋板が開いている状態で重ねて配置される場合に、包装容器の角部が破損することを抑制する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される包装容器は、互いに対向する一対の第1側板と、前記一対の第1側板の間で互いに対向する一対の第2側板と、前記一対の第1側板と前記一対の第2側板とのそれぞれに連結されている底板と、前記一対の第1側板の少なくとも一方の第1の側板に連結されており、閉じられている状態で前記底板と間隔を有して対向する蓋部と、前記一対の第2側板のそれぞれに連結されており、前記蓋部が閉じられている状態で、前記蓋部と重なる一対の延長フラップと、前記蓋部が配置されている前記少なくとも一方の第1側板と前記蓋部とから、前記一対の第2側板の少なくとも一方の第2側板と当該第2側板に連結されている前記延長フラップとに延びて、当該第2側板と当該第2側板に連結されている前記延長フラップとに固定されている固定片と、を備え、各固定片は、前記第1側板と前記第2側板との間の角部に配置されており、前記第2側板から前記第2側板と前記延長フラップとの境界を跨いで前記延長フラップまで延びており、前記第2側板と前記延長フラップとの境界に沿った第1折曲線と、前記蓋部を閉じられている状態で、当該固定片が固定されている前記延長フラップを挟んで折れ曲がる第2折曲線と、を有していてもよい。
【0007】
上記の包装容器では、包装容器の角部に配置される固定片が、第1側板と蓋部の両方から、第2側板と延長フラップの両方に延びている。これにより、蓋部が開いている状態で、固定片は、第1側板と第2側板の角部だけでなく、蓋部と延長フラップとの間にも配置される。この構成によれば、固定片の寸法を大きくすることによって、蓋部が開いている状態で包装容器が重ねて配置される状況において、第1側板と第2側板とに互いに離間する方向の力で固定片が破損される事態を抑制することができる。
【0008】
前記一対の第1側板と前記一対の第2側板とは、上方に向かって前記一対の第1側板と前記一対の第2側板とによって画定される開口が広がるように傾斜していてもよい。この構成によれば、蓋部が開いている状態で、包装容器を重ねて配置しやすくすることができる。
【0009】
前記延長フラップと前記第2側板とが同一平面上に配置されている状態で、上下方向において、前記延長フラップは、前記第2側板よりも長く、前記第2側板と前記延長フラップとの前記境界よりも上方における前記固定片は、第2側板よりも長くてもよい。この構成によれば、上下方向において、固定片の寸法を大きくすることができる。これにより、固定片の破損を抑制することができる。
【0010】
前記一対の延長フラップのそれぞれが前記一対の第2側板のそれぞれの延長上に配置され、前記蓋部が前記第1側板の延長上に配置されている状態で、前記延長フラップと前記蓋部との間には、隙間が設けられており、前記固定片は、前記延長フラップと前記蓋部との前記隙間を通過して、前記蓋部から前記延長フラップまで延びており、前記第2折曲線は、前記延長フラップと前記蓋部との前記隙間に位置する部分と、前記延長フラップに重複される部分と、の境界に配置されていてもよい。この構成では、延長フラップを第2側板の延長上から折り曲げると、固定片が延長フラップの移動に合わせて第2折曲線で折れ曲がる。この結果、蓋部が固定片によって、第1側板の延長上から蓋部が閉じられる方向に引っ張られる。これにより、蓋部が開いている状態から蓋部を閉じやすくすることができる。
【0011】
前記蓋部は、前記一対の第1側板のそれぞれに連結される一対の蓋板を備え、前記固定片は、前記一対の第1の側板のそれぞれについて、当該第1側板と当該第一側板に連結されている前記蓋板とから、前記一対の第2側板のそれぞれと当該第2側板に連結されている前記延長フラップとに延びて、当該第2側板と当該第2側板に連結されている前記延長フラップとに固定されていてもよい。上記の包装容器では、互いに対向する一対の第1側板のそれぞれに、蓋板が配置されている。また、固定片は、一対の第1側板と一対の蓋板とから、一対の第2側板と一対の延長フラップとに延びている。これにより、蓋板が開いている状態で、固定片は、第1側板と第2側板の角部だけでなく、蓋板と延長フラップとの間にも配置される。この構成によれば、第1側板と第2側板とに互いに離間する方向の力で固定片が破損される事態を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】蓋板が開いている状態の包装容器の斜視図。
図2】蓋板が閉じている状態の包装容器の斜視図。
図3】蓋板が閉じている状態の包装容器の正面図。
図4】包装容器の展開体。
図5】蓋板が開いている状態での接着フラップの拡大図。
図6】蓋板が閉じられている途中の状態の包装容器の斜視図。
図7】蓋板が開いている状態で積み重ねられている複数の包装容器の斜視図。
【0013】
(実施例)
図1及び図2に示される包装容器10は、配送に用いられる。なお、包装容器10の用途は配送に限られず、収納、贈答等に用いられてもよい。図1には、本実施形態を通して用いられる上下方向、前後方向、左右方向のそれぞれが示されている。こられの上下方向、前後方向、左右方向は、本実施例の説明を容易にするために用いられるものであり、包装容器10の使用方向を規定するものではない。
【0014】
包装容器10は、6個の四角形で構成される六面体である。包装容器10では、4個の側面が上方に向かって広がるように傾斜している。
【0015】
図4に示すように、包装容器10は、一枚の段ボール紙製の展開体BLを折曲線に沿って折り曲げることによって組み立てられる。段ボール紙は、例えば厚さ1.0mmである。なお、展開体BLの厚み、及び、材質は、特に制限されない。図4では、折曲線は、細い破線で描画されている。折曲線には、折り曲げやすいように、凹溝が形成されている。なお、変形例では、折曲線は、他の部分と同様に溝等が設けられていなくてもよい。包装容器10は、底板12と、一対の第1側板22、24と、一対の第2側板26、28と、一対の蓋板32、34と、一対の延長フラップ42、44と、4個の接着片50と、を備える。
【0016】
底板12は、長方形状の平板を有する。底板12の4個の端縁のうち、互いに平行に伸びる一対の端縁12a、12aには、一対の第1側板22、24のそれぞれが折曲線を介して連結されている。第1側板22は、下端縁より上端縁が長い台形形状の平板を有する。第1側板24は、第1側板22と同一の形状を有する。底板12の4個の端縁のうち、互いに平行に伸びる一対の端縁12b、12bには、一対の第2側板26、28のそれぞれが折曲線を介して連結されている。第2側板26は、下端縁より上端縁が長い台形形状の平板を有する。第2側板26は、上下方向において、第1側板22、24よりも若干短い長さを有する。第2側板28は、第2側板26と同一の形状を有する。
【0017】
図1に示すように、一対の第1側板22、24は、一対の第2側板26、28のそれぞれと隣接している。一対の第1側板22、24と一対の第2側板26、28とは、底板12の周縁を囲む四角形の筒形状を有する。第2側板26、28のそれぞれは、底板12から上方に向かって、包装容器10の外側に傾斜している(図3参照)。第2側板26、28の間隔は、底板12から上方に向かって広がっている。同様に、第1側板22、24のそれぞれは、底板12から上方に向かって、包装容器10の外側に傾斜している。第1側板22、24の間隔は、底板12から上方に向かって広がっている。このため、包装容器10では、一対の第1側板22、24と、一対の第2側板26、28と、によって囲まれる開口は、上方に向かって広がっている。
【0018】
第2側板26の上端縁には、延長フラップ42が折曲線を介して連結されている。延長フラップ42は、前後方向において、第2側板26の上端縁の全長に亘って配置されている。延長フラップ42と第2側板26とが同一平面上に配置されている状態で、上下方向において、延長フラップ42は、第2側板26よりも長い。延長フラップ42の前後方向の両端縁のそれぞれは、第2側板26から離間するのに従って、延長フラップ42が前後方向において短くなるように傾斜している。延長フラップ42と第2側板26との境界には、折曲線に沿った開口26aが配置されている。開口26aは、第2側板26の前後方向の中央に位置する。第2側板28の上端縁には、延長フラップ44が折曲線を介して連結されている。延長フラップ44は、延長フラップ42と同一形状を有する。延長フラップ44と第2側板28との境界には、折曲線に沿った開口28aが配置されている。開口28aは、前後方向において、開口26aと同一位置に配置されている。
【0019】
第1側板22の上端縁には、蓋板32が折曲線を介して連結されている。蓋板32は、第1側板22と反対側の角部が丸められた略長方形状を有する。図2に示すように、蓋板32は、閉じられている状態で、第1側板22から、包装容器10の前後方向の中央を越えて、第1側板24側まで延びている。蓋板32は、前後方向において、第1側板24から離間している。蓋板32の左右端縁のそれぞれには、開口26a、28aのそれぞれに差し込まれる差込片32a、32bが取り付けられている。
【0020】
第1側板24の上端縁には、蓋板34が折曲線を介して連結されている。蓋板34は、第1側板22と反対側の角部が丸められた略長方形状を有する。図2に示すように、蓋板34は、閉じられている状態で、第1側板24から、包装容器10の前後方向の中央を越えて、蓋板32に重なる位置まで延びている。蓋板32、34が閉じられている状態では、蓋板32、34は、底板12に対して、間隔を有して対向している。
【0021】
蓋板32、34は、図1に示す蓋板32、34が開かれている状態と、図2に示す蓋板32、34が閉じられている状態と、の間で、第1側板22、24に対して回動可能である。蓋板32、34が開かれている状態から延長フラップ42、44が先に第2側板26、28に対して回動されて、それに伴って、蓋板32、34が回動されることによって、蓋板32、34が閉じられている状態に移行する。蓋板32、34が閉じられている状態では、蓋板34の上に蓋板32が重なって、差込片32a、32bが開口26a、28aに差し込まれることによって、蓋板32、34が意図せずに開かれることが抑制されている。
【0022】
蓋板32、34が開かれている状態では、蓋板32が第1側板22と同一平板上に配置され、蓋板34が第1側板24と同一平板上に配置される。同様に、延長フラップ42が第2側板26と同一平板上に配置され、延長フラップ44が第2側板28と同一平板上に配置される。蓋板32は、延長フラップ42、44のそれぞれに対して、隙間を有して配置されている。蓋板32と延長フラップ42、44とのそれぞれの隙間は、上方に向かって広がっている。同様に、蓋板34は、延長フラップ42、44のそれぞれに対して、隙間を有して配置され、その隙間は、上方に向かって広がっている。
【0023】
(接着片50の構成)
第1側板22は、第2側板26、28のそれぞれに対して、接着片50を介して固定されている。同様に、第1側板24は、第2側板26、28のそれぞれに対して、接着片50を介して固定されている。包装容器10には、4個の角部のそれぞれに接着片50が配置されている。4個の接着片50は、互いに同一形状を有する。ここでは、図5に示すように、第1側板22に連結されており、第2側板28に向かって延びる接着片50について説明する。接着片50は、第1側板22の第2側板28側の端縁から第2側板28の内面に沿って突出している。平行斜線領域で示されるように、接着片50は、第2側板28の内面に接着されている。上下方向において、接着片50は、第1側板22の全長に亘って配置されている。これにより、接着片50は、蓋板32、34が閉じられている状態で、上下方向における包装容器10の角部の全長に亘って配置される。
【0024】
接着片50は、第1側板22と蓋板32との境界を跨いで、蓋板32の延長フラップ44側の端縁にも連結されている。接着片50は、蓋板32から、蓋板32と延長フラップ44との隙間を越えて、延長フラップ44の内面に沿って突出している。接着片50は、第2側板28と延長フラップ44との境界の折曲線を跨いで配置されている。平行斜線領域で示されるように、接着片50は、延長フラップ44の内面に接着されている。接着片50は、延長フラップ44と重なっている領域全体で、延長フラップ44に接着されている。第2側板28と延長フラップ44との境界の折曲線よりも上方における接着片50の部分の上下方向の長さは、第2側板28の上下方向の長さよりも長い。
【0025】
接着片50には、2個の折曲線50b、50cが配置されている。折曲線50cは、第2側板28と延長フラップ44との境界の折曲線に重なっている。折曲線50bは、折曲線50cの第1側板22側の端から、延長フラップ44の端縁に平行に延びている。即ち、折曲線50bは、上方に向かって、蓋板32から離間するように傾斜している。
【0026】
図6に示すように、蓋板32、34が開かれている状態から蓋板32、34が閉じられている状態に移行させる場合、延長フラップ42、44を第2側板26、28に対して折り曲げる。延長フラップ42、44が第2側板26、28に対して折れ曲がると、接着片50が、折曲線50b、50cに沿って折れ曲がる。延長フラップ42、44が第2側板26、28に対してさらに折れ曲がると、蓋板32、34が接着片50に引っ張られる。これにより、蓋板32、34が閉じる方向に引っ張られて、蓋板32、34が倒れる。この構成によれば、蓋板32、34が開かれている状態から閉じられている状態に移行させやすくすることができる。
【0027】
蓋板32、34が閉じられている状態では、接着片50は、折曲線50bで折り曲げられて、延長フラップ42、44を挟んで折り曲げられている。蓋板32、34は、延長フラップ42、44の上側で、延長フラップ42、44と重なっている。
【0028】
図7に示すように、包装容器10は、蓋板32、34が開かれている状態で、複数個の包装容器10を重ねて保管しておくことができる。包装容器10では、蓋板32、34が開かれている状態で、第1側板22、24、第2側板26、28、蓋板32、34及び延長フラップ42、44が、上方に向かって開口が広がるように傾斜しているため、包装容器10を重ねて配置しやすい。
【0029】
複数個の包装容器10が重ねて配置されると、第1側板22、24と第2側板26、28とで画定される開口が広がるように、第1側板22、24と第2側板26、28とが離間する方向に力が加わる。これにより、下に配置される包装容器10の角部に応力が集中しやすくなる。包装容器10では、角部に配置されている接着片50が第1側板22、24と第2側板26、28との間のみならず、蓋板32、34と延長フラップ42、44との間にも配置されている。この構成によれば、蓋板32、34が開かれている状態で、角部を長くすることができる。これにより、角部の応力集中を緩和することができ、角部が破損することを抑制することができる。
【0030】
上下方向において、延長フラップ42、44は、第2側板26、28よりも長い。第2側板28と延長フラップ44との境界の折曲線よりも上方における接着片50の部分の上下方向の長さは、第2側板28の上下方向の長さよりも長い。この構成によれば、上下方向において、接着片50を大きくすることができる。これにより、接着片50の寸法を大きくすることによって、蓋板32、34が開かれている状態で包装容器10が重ねて配置される状況において、接着片50に掛かる負荷を分散させて、応力集中を軽減することができる。
【0031】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0032】
例えば、第1側板22、24及び第2側板26、28は、底板12に対して垂直に折り曲げられていてもよい。この場合、蓋板32、34が開かれている状態で、蓋板32、34及び延長フラップ42、44が底板12に対して垂直に配置されていてもよいし、底板12の垂直方向に対して傾斜して配置されていてもよい。
【0033】
また、蓋板32、34は、包装容器10の開口を完全に閉じなくてもよい。蓋板32、34は、上下方向において、延長フラップ42、44以上の長さあってもよいし、短くてもよい。蓋板32、34は、上下方向において、第1側板22、24より長くてもよい。蓋板32、34は、閉じられている状態で、延長フラップ42、44の上側に重なっていればよい。
【0034】
蓋板32、34の一方は、配置されていなくてもよい。この場合、1個の蓋板が、包装容器10の開口を閉封してもよい。また、この場合、接着片50は、1個の蓋板と蓋板が連結されている第1側板26又は第1側板28から、第2側板26、28の少なくとも一方との第2側板と、当該第2側板に連結される延長フラップとに、固定されていてもよい。
【0035】
接着片50は、包装容器10の各角部に配置されていなくてもよい。一般的には、固定片は、包装容器に配置される複数の角部のうち、少なくとも一部の角部に配置されていてもよい。例えば、包装容器の形状が、包装容器10と異なる形状であって、複数の包装容器が重ねて配置されている状態で、包装容器に設けられている複数の角部のうち、一部の角部のみに力がかかる場合に、当該一部の角部のみに固定片を配置してもよい。
【0036】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0037】
10 :包装容器
12 :底板
22 :第1側板
24 :第1側板
26 :第2側板
28 :第2側板
32 :蓋板
34 :蓋板
42 :延長フラップ
44 :延長フラップ
50 :接着片
50b :折曲線
50c :折曲線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7